Q. 作曲家Pierre Boulezによって1977年に設立されたIRCAM(Institute for Research and Coordination in Acoustics/Music)は、その目的においてGRMと少なくとも重複している部分があるように思えます。 GRMとIRCAMの関係はどのようなものなのでしょうか?
A. Pierre BoulezならびにPierre Schaefferの2人はともに巨星であり、強烈な個性の持ち主でした。 実際、Pierre BoulezはGRMで研究を行っていたことがあるのです。 ですが、当時は芸術面において強い信念と矛盾が存在した時代で、GRMとIRCAMの方向性はむしろ正反対といえるものでした。 IRCAMはテクノロジーを用いて器楽表現やスコア、演奏家を伴う古典的な作曲手順を拡大しようとしていた一方で、GRMは聴覚で得たサウンドをさまざまな異なるプロセスをつうじてテープに直接記録する作曲を行なうためにテクノロジーを用いていました。 今日では、このような対立構造は薄れています。 GRMとIRCAMは主にテクノロジーに関する面においてしばしば交流しています。