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MMT(モダンマネタリーセオリー)26

985 :名無しさん@お腹いっぱい。:2024/01/10(水) 00:36:21.78 ID:cd4ToS0u.net
 1980年代に次第に成立した「内生的貨幣供給理論」は、バズル・ムーアを中心に推進された学説で、ホリゾンタル・マネーが信用創造を繰り返して金融経済を動かしていくと論じた。これはアメリカのミルトン・フリードマンの説が、中央銀行からの貨幣の供給を中心に論じる「ヴァーティカル」で外生的なものだったのに対抗して生まれたといわれる。
 ところが、ムーアは「ホリゾンタリスト」と呼ばれるように、あまりにもホリゾンタルな内生的側面を強調したので、中央銀行あるいは政府の役割が軽視されているとの批判が生まれた。やがて、民間部門の内生的側面に加えて、統合政府の外生的な側面も盛り込む「ストラクチュラリスト」が台頭することになる。このストラクチュラリストの中心人物が、MMT派の形成者のひとりであるL・R・レイである。
 ムーアは1979年に編まれたポスト・ケインジアンの論文集のなかで、当時のホリゾンタリストとストラクチュラリストとの論争を次のようにさりげなく記している。「ポスト・ケインジアンは、中央銀行によって決められるベース・マネーについて、コントロールという意味では明らかに外生的であるけれど、現実の世界つまり統計的な意味においては、内生的なものであると主張する」。
 内生的貨幣供給理論を掲げているはずのMMTが、やたらと統合政府の外生的な貨幣コントロールを強調することが不思議に思えた人は多いと思うが、それにはこうした論争史があったからである。内生的、外生的でいえば、ムーアは内生的でフリードマンは外生的であり、例によってケインズは『貨幣論』では内生的だが『一般理論』では外生的である。

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