エアリスの園芸

花咲か名無しさん

わたしがこの街に来たのは、去年の今ぐらいの時期だった。
田舎者だったわたしはメモを見ながら歩いていて、彼女と正面衝突した。
花を全部ひっくりかえして駄目にしてしまったのに、
彼女は道案内してくれて、街のいろんなことを教えてくれて、
この街での最初の友達になってくれた。
わたしは花を全部引き取って、自分の家や近所を飾った。

しばらくして、そのときの花代を払ったら、
「いいの。もう、閉める時間だったし。残って捨てちゃうよりずっと、素敵。お花、喜んだよ。」
彼女はそういって、あのときのように笑ってた。
だけど、どうしてもお礼がしたい。でも、何も思いつかない。
そんなとき、どこかで話を聞いた。

あしたは、ちゃんと花を買おう。
そしたら綺麗な花束を作って、彼女に渡すんだ。
あしたなら、受け取ってくれるかな。

あしたは、彼女の誕生日。