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【上古・中古】 漢字音スレ 【中・日・朝・越】

1 :名無し象は鼻がウナギだ!:2011/10/26(水) 19:46:28.37 0.net
上古音・中古音・近古音など、過去の漢字音や、
中国語の諸方言や、日本語、朝鮮語、ベトナム語など、
漢字文化圏の漢字音について語るスレです。

<基礎資料>
中国語方言字音データベース
http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/fangyin.htm
韓国語漢字音データベース(単漢字)
http://homepage2.nifty.com/ichimat/kanji/
Asia言語研究舗ベトナム語
http://ttr.a.la9.jp/
漢越辭典摘引 Hán Việt Từ Điển Trích Dẫn
http://vietnamtudien.org/hanviet/

過去スレ
【各国語の漢字音比較】
http://mimizun.com/log/2ch/gengo/1061625854/
【各国語の漢字音比較】PART2
http://unkar.org/r/gengo/1126463814

159 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/03/08(木) 22:57:08.67 0.net
>>156 ngをウ+小さいンとか?逆に宋音以降になると行(アン)とか請(シン)みたいにンになってるけど、
取り入れた元が音節末にngを欠く方言だったのかな

160 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/03/08(木) 23:04:41.95 0.net
日本語のほうでンが確立したから、ngがンに聞こえるようになったってことだろ
呉音や漢音の受容時期には、まだ日本語側でンが確立してなかった

mとnとngが一つの音素/N/の条件異音になったのは鎌倉時代だったはず
それまでは、例えば「飛びた」>「飛んだ」が /tomda/だった時期があり、漢字音でも音節末のmとnは区別されていた
これが合流して、音節末のンが口蓋垂鼻音になったから、ngがンに聞こえるようになった

161 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/03/09(金) 00:47:36.36 0.net
このあたりは確か難しい問題があったはず。
中世の唐音では -ŋ 全部がンになっているわけではなくて、
ウとンの両方があり、韻によって違う。
で、ンになっているほうは元になった中国語の方言が -n
で終ってたんじゃないか、という説があったと覚えている。


162 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/03/25(日) 11:26:01.56 0.net
>>19
ベトナム音を追加してみました。
幫 滂 並 明 非 敷 奉 微 端 透 定 泥 知 徹 澄 娘 精 清 従 心 邪 照 穿 牀 審 禅 見 渓 群 疑 影 暁 匣 喩 来 日

b  b t m f  f  f v  ɗ tʰ ɗ  n  ʈ  ʈ  ʈ n  t  tʰ t t  t  tɕ s  z tʰ tʰ k  x  k  ŋ ʔ  h h j l  ɲ 越南語

163 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/03/25(日) 14:16:46.35 0.net
{ch,x,d} - {tr,s,r} は何処

164 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/03/25(日) 14:51:37.91 0.net
比較しやすいよう他の言語と同様に発音記号であわせました。
方言は細分化しているものの方が面白いと思ったので安南辺りを。他の方言と混ざっていたらごめんなさい。

ch:tr = tɕ:ʈ
x:s = tɕ:ʂ
d:r = j:ɹ


165 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/03/28(水) 14:04:50.83 0.net
ふと思ったんだが営や栄、永などの「エイ」という音はどこから来てるんだ?

166 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/03/29(木) 06:10:11.90 0.net
どこから、とは?
「兄・頃」がケイなのと同じ、普通の漢音。


167 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/06(金) 08:11:07.96 O.net
ベトナム語漢字音の母体はいつの時代のどこの方言音?
ベトナム語は比較的に新しい時代に声調が発達したらしいが、
ベトナム語漢字音に声調があるということは、
ベトナム語で声調が発達した後に漢字が受容されたということ?

168 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/06(金) 13:04:14.02 0.net
幫 滂 並 明 非 敷 奉 微 端 透 定 泥 知 徹 澄 娘 精 清 従 心 邪 照 穿 牀 審 禅 見 渓 群 疑 影 暁 匣 喩 来 日
ɓ f/ɓ ɓ/t m f f ɓ/f v ɗ tʰ ɗ n tɕ tɕ tɕ n t tʰ t  t  t  tɕ s  s tʰ tʰ k/h x k ŋ ʔ  h h z  l  ɲ 㗂越現代(方語河內)
ɓ f/ɓ ɓ/t m f f ɓ/f j  ɗ tʰ ɗ n tʂ tʂ tʂ n t tʰ t  t  t  tɕ s  ʂ tʰ tʰ k/h x k ŋ ʔ  h h  j  l  ɲ 㗂越現代(方語柴棍)

これならいかがでしょうか。少し間違いを訂正。すべて現代越南語の漢越音です(ハノイとサイゴン方言)。
たとえば、
滂 phang , bàng , phẳng , bẵng
並 tịnh, bính, tính, bạng, tinh
などの語句は、時代や熟語によって発音が異なるようなので、難しいですね。

169 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/06(金) 14:11:07.77 0.net
>>167

あまり詳しくないけれど、まず北方系の音であることは、微母の字が m で
なく、ほとんど v ではじまっていることからわかるはず。

味尾微vi 無vô 武舞務霧vu 万晩van 文蚊聞văn 問vân 物vât 亡忘望網vong
(声調は省略)

北方で軽唇音化の完了した形を反映しているから、時代はおおむね8世紀以降。
さらに牙喉音二等の拗音化を反映したらしき形があり(家gia 交giao 甲giap)、
もう少し時代が下がる。

(ただし日母が nh であらわれているのは、古い(または南方的)要素かもしれない)

時代はマスペロ以来、10世紀ごろの読書音と言われている。丁氏の大瞿越が
このころで、このとき初めて元号をはじめとする中国的な制度を定めたそうだ。



170 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/08(日) 12:12:48.35 O.net
北方系の音なのか。ちょっと意外。
南方系の音で、北方と独立に同じ変化を起こしたという可能性は完全に否定できるのかな?
例えば南方系では失われた区別が保存されているとか。

そもそも軽唇音化ってどういう条件で起きたんだっけ?
不勉強でよく分からん

171 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/09(月) 06:53:17.87 0.net
>>170
韻鏡で三等に属するものらしい。pja-とかbje-とかの音
これがなんでfやvに変化するのかはわからん・・・

172 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/09(月) 16:25:04.95 0.net
>>170
中国語の南方系で失われた区別がベトナム漢字音で保たれていても、
それはベトナムに漢字音が伝わったあとの南方の変化かもしれないので、
ベトナム漢字音が北方系か南方系かの判断には影響しないのでは。

>>171
ちょっとちがう。拗音・かつ主母音が前よりでないときに起きる。
なんでその条件で f に変化したかよくわからないのには同意。


173 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/10(火) 05:42:50.32 O.net
pja, pju, pjo, bja, bju, bjo, mja, mju, mjo のような場合に変化が起きたということか。
pji, pje のような場合には変化しなかったと。

174 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/10(火) 15:04:49.58 0.net
>>173

ああ、そういう風に考えたことはありませんでした。なるほど。

現代ペキン語で bia, biu, biang のような音の字がないのもそれで説明がつき
ますね。biao(表) や bian(変)はあるけど、これは漢音ヘウ・ヘンからも推測
できるように、おおまかに言って pieu・pien のような音に由来しますし。

(幽韻は、「彪・驫」が biao、「謬・繆」が miu と、ふたつに分かれて
いますが、これももとは -ieu ないし -iu (i を主母音とする)のような形
だったようです)


175 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/15(日) 18:54:48.47 0.net
朝鮮漢字音で-tが-lの発音になってるのはあれ何の影響?

176 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/16(月) 09:00:29.84 0.net
一般には、唐末ごろのチベット文字で漢字音を記した文献で、-t を -r で
写しているものがあることから、借用した元の音が実際にそういうふうに
発音されていたのだろうと言われている。

ただしあんまり確実ではなくて、朝鮮語自身の問題(借用した当時の朝鮮語
に -t がなかったとか)であった可能性もある。


177 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/17(火) 07:08:07.63 0.net
またもんごるか。
軽唇音化といい、こいつらの発音の癖は謎過ぎて理解できん
唯一納得できるのが kgh→qcx くらい

178 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/24(火) 20:03:45.97 O.net
huang gar

179 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/24(火) 21:21:51.08 O.net
p>fとだけ考えれば、ゲルマン語でも日本語でも似た変化が起きたわけで別に普通な気もする。
条件が不思議だが。

180 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/27(金) 06:06:03.07 0.net
>>176 一時的に、局地的に入声がp,r,kだったことがあるのか。北京語のr化音や英語のrみたいに半母音的だったのか。それともしっかり巻き舌だったのか
まあ一説に過ぎないんだろうけど。

北京で-enの場合、日本語では子音+オン、広東では-anになることが多いけど、なんで門の広東音は「マン」じゃなくて「ムン」なんだろう

181 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/27(金) 09:26:17.95 0.net
でも、意外に多くの人が承認する、最古かつ極めて珍しい朝鮮系(具体的に何処かは不明)漢字音の導入
「てら(刹)」なんて例もあるからなあ。
これはトンデモだと言うのなら、別にディスって問題ないんだけどね。

>>180
漢字音の変形としては、内破のT→舌の両脇から息と声が漏れて直接L、なんじゃないのなかなあ。

182 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/27(金) 15:10:27.29 0.net
>>181

「てら」が朝鮮語の「절 jer (中世形 뎔 dyer)」由来というのは、
音の上からは十分ありうると思うけれど、それが「刹」と関係する
というのはかなり無理があると思う。

「刹」の朝鮮漢字音は「찰 car」で、中世以来頭子音が t や d じゃ
ないし、「刹」の表わしていたインド音でも kSetra (パーリ語
khetta・他のプラークリットでは chetta とも) で、t- のような
音でははじまっていない。

支婁迦讖訳の般舟三昧経には「仏刹」のほかに「刹利」(kSatriya)
が出てくる。「羅刹」(rākSasa) もそうで、「刹」は kS- (あるいは
その変化した ch- ) ではじまる音を写しているようなので、dyer に
むすびつかない。dyer は借用ではなくて、朝鮮の固有語ではないかと
思う。





183 :182:2012/04/27(金) 16:02:26.29 0.net
>>182 の dyer は dier の誤り。慣れない福井式で書こうとして
失敗した。

宋敏『韓国語と日本語のあいだ』p.161, 173 によると、この dier
は、古くは *tira のような形で、日本語の「てら」はそれを借用した
ものと考えられるとのこと。こうなるともはや「刹」とはまったく
似ていない。



184 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/27(金) 16:51:32.24 0.net
>>179
ゲルマン語や日本語やアラビア語では p → f はおきているけれど、b や m は
そのままなので、中国語の軽唇音化とはだいぶ条件がちがうかも。

>>180
唇音の後ろでは円唇の -u- の有無が対立をなさないけれど、北京語では韻が
-u・-o のときを除いて、すべて非円唇になっている(pun とか pong とか
いう音は存在しない)。

いっぽう広東語では唇音の円唇性が主母音にまで影響するため、
北京語の -an や -en には、唇音(軽唇音を除く)のあとではおおむね
-un が対応する(「門」のほかに「本・盆」など。ただし「奔 ban」など、
例外もかなりあり)。

唇音以外では、北京語の -un に対して、d/t/n/l のあとでは -eun,
j/ch/s のあとでは -yun が、それ以外では -(w)an があらわれる。
一般に広東語は声母の影響による母音変化が激しい。


185 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/27(金) 22:15:39.38 0.net
いや、俺は>>173のように
「介音-i-があり更に主母音が後舌」という条件だけで
なんで軽唇音化したのかっつー疑問を持ってるんよ。

ゲルマン語でもアラビア語でもこんな条件でfに変わらないっしょ?
ph→fみたいなのは直感的にありえそうだけど

186 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/28(土) 19:47:15.34 0.net
········

187 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/30(月) 17:08:05.29 0.net
>>174
どうでもいいけどbiangの第一声ってのは
倉石中国語辞典に漢字無しの見出し語として載ってるんだよね
銃声の擬音語だっけか

188 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/04/30(月) 17:49:54.48 0.net
bia も倉石にあるね。

189 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/05/01(火) 14:39:04.60 0.net
>>187-188

ああ、どうでもよくないです。漢字音よりよっぽどおもしろい。

倉石がどっかにいったので、その元ネタになった『北京話単音詞詞彙』を見ると、
みごとに bia biang pia piang が揃ってますね。どれも擬態語か間投詞みたい
ですが、こうやって穴が埋まる現象はおもしろい。

そういえば pia pia って流行語もあった。
http://baike.soso.com/v92275.htm


190 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/05/03(木) 19:54:57.97 0.net
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191 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/05/13(日) 18:52:12.28 0.net
>>185
王力『漢語語音史』によると[iu]は歯茎骨が前に押し出されるので、と書いますがどうなんでしょうね。
・[u]の場合は歯茎骨がそんなに前に出されないため唇歯音化しなかった、
・東韻三等は唇歯音化以前に既に一等韻に変わっていたので唇歯音化しなかった
と例外まで解説してますが。どなたか詳しい方補足して下さい。



192 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/05/14(月) 15:40:29.46 0.net
>>191
王力は「合口三等」を軽唇化の条件としています(カールグレンと同じ)が、
中国語では昔から唇音で開口と合口が音韻的に対立しないので、この条件自体に
問題があります。

三根谷徹「軽唇音化の問題」(もと1949の発表要旨)では、「口蓋性のゆるい
中舌的な -ï- のあとに中舌あるいは後舌の母音が来る場合に, その前の
protruding な唇音が軽唇音化することは音声学的にも無理がないと思われる。」
と言っていますが、私には無理があるのかないのか判断できません。

従来の説明のなかではもっとも理解しやすいものは、平山久雄「唐代音韻史に
於ける軽唇音化の問題」(1967)で、
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/33318/1/15(2)_PL242-184.pdf
「軽唇音化の音声学的原因」という節で、趙元任の説を引いて「これら中舌・
奥舌母音はその調音にあたって下あごを引く傾向があるので、下唇が上歯と接
触し易くなり, その結果として軽唇音が生じたのである。」としています。ま
た拗音でのみ軽唇音化が生じたことについては、「口蓋化によって口端が左右
に引かれる傾向をもつことは, 奥舌主母音の影響で生じる下唇と上歯との接触
面を横に拡げる効果を生み, 摩擦音化を促進したであろう。」としています。


193 :191:2012/05/15(火) 12:35:44.34 0.net
>>192
なるほど、平山先生は
口蓋化が調音点の接触面を広げるため、拗音のみで軽唇音化した
とされているのですか。
唇音と口蓋音(変音性と嬰音性?)との関連は面白そうですね。
教えていただいた北大紀要論文をじっくり読んでみたいと思います。
ありがとうございました。

194 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/05/19(土) 16:01:01.07 0.net
自分で下顎を引いて拗音を発音してみるとなんとなくfの方が発音しやすいような気がしてきたが・・・
なるほどねえ。

195 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/05/31(木) 17:33:28.02 0.net
氵毎 うみ hai 上古音 hm-
木毎 うめ mei 上古音 m-

196 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/05/31(木) 22:47:31.64 0.net
侮 ぶ のつくりは形声ではなくて会意から来てるのかな。海や梅の音とあまりに違いすぎる
語頭子音が同じだから まい(ばい) とは何らかのつながりがある音ということか

197 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/01(金) 00:53:33.64 0.net
>>196
説文に「侮」の古字は旁が「母」だとしているのと関係あるのかね。

「母」は問題のある字で、詩経だと「毎」とおなじ之部の字と押韻
している。たとえば「小弁」3章
  維桑与梓 必恭敬止 靡瞻匪父 靡依匪母
  不属于毛 不罹于裏 天之生我 我辰安在
では「梓・止・母・裏・在」が押韻。


198 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/01(金) 12:01:05.38 0.net
(マ)イモの母がモで、牛声がムで、蜂音がブなら、
倭王武って何者よ?

199 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/01(金) 15:58:33.54 0.net
実は最古の訓読みで、たけしさんです

200 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/01(金) 18:52:26.53 0.net
ちょっと続き。

「母」は切韻では厚韻(侯韻上声)で、*mou のような音だったはずなのですが、
現代音では mou でなく mu3 になっています。これは「母」にかぎらず、同音の
「畝・牡・拇」もおなじです。「某」だけが mou3 になっています(ちなみに
「謀」のほうは拗音)
m- 以外の唇音を見ると *pou「掊」は現代語 pou3 (声母合わず)、
*phou 「剖」は現代語 pou1 (声調合わず)、*bou 「部・篰」は bu4 だが、
「部」には別音あり(姥韻 *bo)。

いっぽう去声(候韻)には「茂・貿・懋・袤・瞀」などがありますが、こちらは
現代語では mou でも mu でもなく、mao4 になっています(「戊」はなぜか wu4)。

平声には *mou はありません。ちなみに切韻の平声に *mou がなくて *miou が
あり、逆に上声・去声では *mou があって *miou がない、ということは河野六
郎氏が指摘しています。
平声に *bou はありますが、使用頻度の少ない字ばかりです。いちおう「裒・抔」
は現代語で対応する pou2 になっていますが、人工的に作られた音かもしれません。

このへんの切韻と実際の音のズレは、すでに唐代からあったらしく、慧琳の
一切経音義では「茂」を莫候反に読むのを「呉楚之音」として退け、「摸布反」に
改めています。

上古音との関係でいうと、上述の去声「戊・茂・貿・懋・袤・瞀」を別として、
すべて之部に属するようです。これは「母拇-毎梅」「某-楳煤媒」「剖-倍培」
のような形声文字の声符の関係を見てもわかります(Baxter はこれらの字を
侯部に入れているが、無理があると思う)。侯部直音には唇音字が存在しない
ようです。



201 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/13(水) 11:46:39.92 0.net
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202 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/19(火) 11:34:14.60 0.net
麦 上古音 mrɯɯg 訓 mugi
筆 上古音 prud 訓 pude
剥 上古音 proog 訓 pag-
よって、確かに、上古では入声は、濁音の韻尾のように見えるが

203 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/19(火) 14:18:26.38 0.net
>>202

まず、それらの日本語の訓が漢語由来であることがあまり明らかでないでしょう。
「はぐ」のような語を借用したというのは考えにくいですし、
「ふで」は「ふみ(文)+て(手)」で理解できます
  (「ふだ(札)」が「ふみ(文)+いた(板)」と考えられるのと同様)。

つぎに、日本語の濁音は古くは「n+子音」のような形だったといわれていて、
単なる有声音ではなかったようです。

最後に、中国語の音節末子音には有声・無声の対立がないので、有声だったか
無声だったかを考えることには、すくなくとも音韻的にはあまり意味がないと
思います。




204 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/20(水) 22:11:11.06 0.net
「剥ぐ」は「剥げる」みたいに自・他動詞のペアが認められるから
借用語の可能性はかなり低いと思うけど

205 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 05:41:01.18 0.net
中古音で話したり読んだりしたいのですが、どの方言を学べばよいのですか?

206 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 07:18:31.52 0.net
東干語はどうなってるの?

207 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 11:15:50.06 0.net
>>206
どうみても近世音です本当にありがとうございました

208 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 11:47:59.36 0.net
>>19 >>162みたいなのはないの?

209 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/11(水) 06:38:49.44 0.net
現物を聞いたことはないけれど、キリル文字書きのドンガン語は北京語の知識
だけで普通に理解できたので、漢字音の範囲ではあまりおもしろいことはない
と思う。せいぜい「書」が fu になるくらい?


210 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/11(水) 23:49:35.91 0.net
東干ってたしか清代の洗回のときロシア領に逃げた回族だろ?違ったっけ?
だから普通の北方官話じゃねーの。

211 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/12(木) 22:50:26.76 0.net
>>209
ドンガン語は声調とアクセントの関係で面白いんじゃなかったっけ。
橋本萬太郎先生の論文を読んだだけだが。

212 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/14(土) 00:29:13.17 0.net
典礼言語のアラビア語や、周りに満ちてるチュルク諸語やロシア語の影響を受けて濁音が発達したりはしないんだな。

213 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 19:41:23.69 I.net
茉莉花(マリィフハァ)や、九連環(キウレンクヮン)など、
江戸時代に伝わった清楽は、どの方言音に基づいているのでしょうか?



214 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 23:47:55.64 0.net
連がレンなのは、単純に二重母音を日本人が簡略化して表しただけなのかな。でもクヮンが表せるなら、
リェンもリヱンで表しててもよさそうだな。やっぱりレンと発音する方言だったのか

215 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 23:58:28.29 0.net
尖団の区別が残ってるのでどこかの方言ですかね
日本に入ってきた時代がわからないと何とも…

216 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/17(火) 14:43:27.40 0.net
もっと単純に
日本語のエ段音が口蓋化してたって可能性もあるのでは

217 :214:2012/07/17(火) 15:44:13.51 0.net
ヱはウェだった...(汗)
や行のえをあらわす文字がないってことはそういうことかな。
蝦夷や江戸をYezo,Yedoとローマ字表記することもあったし

218 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/18(水) 20:48:03.48 0.net
>>217
とゆーかエは平安初期から ye 音に、その影響で平安中期以降は語中にもエが使われるようになり、
ヱも鎌倉期には ye 音に、語中のヘも平安中期に we 、鎌倉期にはやはり ye になった。
Yezo, Yedo, Yebisu になるのはそのせい。

それら ye 音が e 音になったのはどう早く見積もっても江戸中期以降。
つまりかれこれ1000年近くは単独の we 音は絶えていたわけだ。

219 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/18(水) 22:39:21.95 0.net
江戸という地名は平安以前に存在したとしてもYedoだな。当て字でなければ。


ア行e=ひらがな「え」、カタカナ「𛀀」(衣、U+1B000)
ヤ行ye=ひらがな「𛀁」(江、U+1B001)、カタカナ「エ」
ttp://www.akenotsuki.com/eyeben/


220 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/19(木) 12:24:08.20 0.net
>>213
九連環の歌詞をちょっと見てみましたが、
  断ドワン 誰ジユイ 就ジウ 是ズウ 情ジン 在ヅアイ 住ジユイ 城ジン
のようにはっきり濁音があるようなので、当時の日本で優勢だった浙江音では
ないでしょうか。


221 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/19(木) 23:16:54.34 0.net
解キャイというのは客家語を思わせるがそんなことはないだろうな

222 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/19(木) 23:51:04.02 0.net
磨光韻鏡の華音でもキャイだし、江戸時代の日本に伝わった中国語音としては
普通だと思う。

テキストによってかなり読みが違うようだけれど、家キヤア・解キヤイ・香ヒヤン・
勾ケウ・城ジン・住ジユイ・飛フイ・妹ムイ・妻ツイ・想スヤンあたりは磨光韻鏡の
華音と一致している。おおむね江戸時代に「杭州音」と言われていたものに近い。
(子ツウ・二ルウ・河ホウ・船チヱン・岸ガンあたりは磨光韻鏡と異なる)



223 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/20(金) 00:00:57.13 0.net
チヱンがあったということはやっぱり連はこの場合レンでいいんだな

224 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/20(金) 00:01:43.55 0.net
リエンだったら書き分けてるはずだし

225 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/20(金) 14:52:29.67 0.net
チヱンは歯音だから特に書き分けたんじゃないの?
現代風に表記したらチェンってことでしょ

226 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/20(金) 15:47:41.54 0.net
>解キャイ
中古二等牙音が宋代以降口蓋化するのは普通のことだしね

227 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/23(月) 20:32:31.81 0.net
Japan Sea
日・・・日本海
中・・・日本海
越・・・𤅶‎日本
朝・・・東海

Yellow Sea
日・・・黄海
中・・・黄海
越・・・黄海
朝・・・西海

East China Sea
日・・・東シナ海
中・・・東海
越・・・𤅶華東
朝・・・南海

South China Sea
日・・・南シナ海
中・・・南海
越・・・𤅶東
朝・・・南中国海

228 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/25(水) 20:57:15.00 0.net
意味はわかるけど文法が変でむしろ別の言語に似ていて、実は訓読みがあったんじゃないかと考えてもいい漢文って、
日本語以外ではなんかないのかな?

229 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/25(水) 21:58:39.37 0.net
中国南部の諸方言や少数民族言語は文法がむしろタイ語などに似ていて漢字を現地語独自の訓読みする場合もあるが

230 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/25(水) 22:31:04.07 0.net
トカラ語とか突厥辺りの訓読みとかないかな?

231 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/25(水) 23:20:03.24 0.net
朝鮮の吏読も入るかな。日本とは違い発展しなかったけど。でも冬ソナのロケ地の南怡島は
ナミ「ド」じゃなくてナミ「ソム」というな。島を「ソム」というような非公式な訓は今でも存在するのか?

232 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/26(木) 11:48:16.03 0.net
岬・串を「コッ」とか。

233 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 04:33:47.08 0.net
朝鮮語にも
天 ハヌル・チョン
地 タン・ジ
玄 コムル・ヒョン
黄 ヌルル・ファン
みたいな形で訓はあるだろ。漢文を読むことの第一歩はこれを暗記すること。
実社会の運用で「島」を「ソム」と読むことはないが
もちろんこの字の訓はと聞かれたら「ソム・ド」だ

234 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 06:06:31.05 0.net
車を「コ(連濁でゴ)」というのも訓なのかな

235 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 11:23:14.61 0.net
>>234氏の話で思い出したが、なぜ自転車は「チャジョンチャ」
じゃなくて「チャジョンゴ」なのか?よく分からん
自動車はチャドンチャなのに

236 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 13:43:08.82 0.net
チャリンコ?


237 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 14:59:08.93 0.net
それは確かチャジョンゴの済州島方言版の「チャルンケ」が語源だとかいう説をどこかで見たことがある
あるいは関西生まれの擬音語かもしれないけど

238 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 16:34:00.98 0.net
>>234
庫の読みがコなことから分かるように、
車をコと読むのは古音の一つじゃないっけか。
どれくらい遡れるかは分からんけども。

239 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 17:07:20.15 0.net
中国にもそっちの音もいちおう残ってて
将棋のコマの香車に当たるのを車ju1って言うんじゃなかったっけ
辞書引いてないから自信ないや

240 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 20:35:06.87 0.net
車の音まとめ

日本 シャ・キョ・コ

中国 che1 ju1

朝鮮 차 cha 거 k(g)eo

241 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 20:46:47.69 0.net
>>238
後漢末の『釈名』に「古者曰車聲如居」とあるから相当古い音だろう

242 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 23:18:33.05 0.net
人力車もイルリョッコと読むらしい

243 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 03:37:43.20 0.net
上古音でどうだったのか気になる。kchとかchkが語頭に来ると相当発音しづらいけど


244 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 16:18:02.90 0.net
>>243
日本語でシャになるほうの「車」は、中古で tɕʰia のような音で、この tɕ tɕʰ などの
音は k kʰ または  t tʰ が後ろの前舌母音にひかれて変化したものと考えられています。
これは形声文字に大量の例がある(示-祁, 氏-祇, 支-技, 臭-嗅, 赤-赫, 咸-鍼 etc.)
ことから、確かなものと考えられます。

ではどうして「氏」は歯音になったのに「祇」はそうならなかったかというと、いまひとつ
よくわかりません。李方桂は「氏」の上古音を grji- 「祇」を gji- だったとしています。
「車」ではシャのほうを khrjiag, キョのほうを kjag としています。
あるいは別の方言からの借用とか、文白異読のような現象があったとも考えられます。

シャとキョの関係がどうなっているのかも、よくわからないところがあります。無気音と
有気音の違いも気になるところです。

河野六郎「転注考」では「車」の二つの読みを取りあげて、同字異読だとしていますが、
これだと語源的に関係があるのかどうかはとりあえず無視していることになります。

別な論は単語家族説で、Sagart ではシャのほうを k-hla, キョのほうを k-la と再構
して、それぞれ (h)la (「輿」など) に k- (具象名詞を作る接頭辞)がついた形と
考えています。ただ、この人の上古音は過激すぎて、ちょっとついていけないところが
あります。



245 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 17:11:51.77 0.net
Sagart を見てたら Pulleyblank の「車」が印欧語からの借用という説が
書いてあったのでちょっと見てみた。

印欧祖語で「輪」を意味する *kʷolo- およびそれを重ねた *kʷekʷlo- (英語
wheel, サンスクリットのチャクラ etc.) という語があって、
http://starling.rinet.ru/cgi-bin/response.cgi?single=1&basename=/data/ie/piet&text_number=+603&root=config

が中国に *kʷlà の形で借用され、 a の前では kʷ → k の変化がおきるので、規則的に
  kʷlà → k(l)à → kɨa̯ (キョ)
となる。いっぽう後者は *kʷəkʷlà の形で借用され、
  kʷəkʷlà → kklà: → kʰlia: → kʰjia: → tɕʰia (シャ)
となったとのこと。


246 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 17:21:06.20 0.net
車をキョと読む例(単独、または複合語で)は文献上どれだけあるの?

247 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 20:57:01.08 0.net
日本の古代の部曲・氏族名で車持(くらもち)ってのがあるけど何なんだろう?
この「車」は天皇の御輿のことらしいけど。


248 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 23:09:38.75 0.net
>>245
kwekla(記号ほか略して)という段階の2音節語は
漢字でどう書くのでしょうか。双声の連綿字ですよね?

249 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/29(日) 02:22:40.00 0.net
初学の者です。
中古章母が日本漢音でシャと摩擦音で表されるのはなぜでしょうか。
チの破擦音の系列が日本語にはあったはずなので、わざわざ摩擦音であらわす必要は無かったと思うのですが。
詳しい方どうかご教示下さい

250 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/30(月) 16:08:44.48 0.net
>>249

チが破擦音になったのは(少なくとも京都の標準的な言葉では)16世紀と言われており、
それ以前は、鎌倉の唐音も含めて ts や tʃ のような音はサ行で写されています。

そこで問題になるのは茶がチャになる原因ですが、おそらくはこれは現代ペキンの cha
のような音を写したのではなく、借用元はおそらく tæ のような音だったのだろうと
思います。



251 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/30(月) 18:13:49.17 0.net
茶にはサという音もあるから、こちらが破擦音を写そうとしたものだろうね。


252 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/30(月) 23:32:10.52 0.net
中(チュウ)や直(チョク)や着(チャク)などはtia,tiu,tioを日本流に表記したものかな


253 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/31(火) 02:03:40.50 0.net
漢語方言だとビン語がt系統で英語のteaなどの元、
官話系などが破擦音でペルシャ語・ロシア語などのチャイの元だというね
後者の末尾のイはそういう韻尾を持つ方言があったのか、
それともペルシャ語のエザーフェに先行する挿入母音が再解釈されたのか


254 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/31(火) 02:55:48.32 0.net
院政期に初出の12世紀京都語の「チャ」の音は、どう考えても[tja]だよなあ。
世界的には、tea系とcha系に分けるのが主流らしいが、
福建系/広東系という対立を脇において、
無理矢理当てはめるとすれば、
「加藤茶」の「チャ」は、tea系に含めるべきといえるのかもしれない。
そして「茶道」の「サ」が、cha系に含まれる。
逆説的だが、おそらくこっちの整理のほうがマシだ。
前者は、「打(ダ)」とよく似た、12世紀のおそらく江南由来で、
後者が、真正の唐宋音になる。筋は悪いけどね…

255 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/31(火) 07:55:53.36 0.net
朝鮮語読みでもチャ차とタ다があるね

256 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/31(火) 14:34:27.48 0.net
ベトナムだと trà と chè の二音。後者の母音がちょっと気になるところ。

くわしくは知らないけれど、朝鮮語のチャはかなり新しいんじゃないんでしょうか?


257 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/02(木) 04:45:06.74 0.net
>>256
> くわしくは知らないけれど、朝鮮語のチャはかなり新しいんじゃないんでしょうか?

朝鮮館訳語に茶を「叉」としているとのことで、これはチャらしい。
したがって15世紀には存在したようだ。


258 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/22(水) 02:44:49.09 0.net
「雄」の音は日本語では「ユウ」朝鮮語では「ウン」みたいな音(中舌母音)で、子音は母音の前に無いけど、
普通話では「ション」台湾語では「ヒョン」みたいに子音があるけど、中古音の段階では子音はどうなっていたんだろう
あと、「葉」の音は日本でも中国でも(少なくとも普通話と広東語では)子音がないけど、マハーカッサパの音訳に「摩訶迦葉」を用いたように
葉の語頭にsの音を伴っていたようだけど、これは中古音の段階でも、同じ字で子音の伴う発音と伴わない発音があったんだろうか

259 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/28(火) 16:58:56.46 0.net
>>258

「雄」…中古音では匣母(喩母三等、/ɦ/)で、喩母三等は現代語ではゼロに
なり、日本・朝鮮の漢字音はその音に規則的に対応しています。
ペキン語であれば yong2 となるべきところです。そうならないのは何故かと
いうと、よくわからないのです。

"yong2" という音の字は非常に少なくて、一応「顒・喁」の二文字は yong2 と
読むことになっているのですが、どちらも滅多に使わない字です。

歴史的にいうと「容・溶・融・栄・庸・傭」なども yong2 にならなければ
おかしいのですが、現在のペキン音では「容・溶・融・栄」は rong2 になり、
「容」と同音だったはずの「庸・傭」は yong1 になっています。

いっぽう他の声調(yong1, yong3, yong4)ではこのような例外は発生して
いません。

ここから考えられるのは、yong2 という「口にしてはいけない単語」があり、
それを避けようとして例外が発生した、ということです。その単語は何かという
と、おそらく「熊」でしょう。クマを意味する yong2 を避けるために同音の
字(「熊」じしんを含む)の音を変えた、ということです。この現象はかなり
古くからあったらしく、ベトナム漢字音の hùng、広東語の hung(-yan) など、
北方語以外にも広く見られます。



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