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【上古・中古】 漢字音スレ 【中・日・朝・越】

1 :名無し象は鼻がウナギだ!:2011/10/26(水) 19:46:28.37 0.net
上古音・中古音・近古音など、過去の漢字音や、
中国語の諸方言や、日本語、朝鮮語、ベトナム語など、
漢字文化圏の漢字音について語るスレです。

<基礎資料>
中国語方言字音データベース
http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/fangyin.htm
韓国語漢字音データベース(単漢字)
http://homepage2.nifty.com/ichimat/kanji/
Asia言語研究舗ベトナム語
http://ttr.a.la9.jp/
漢越辭典摘引 Hán Việt Từ Điển Trích Dẫn
http://vietnamtudien.org/hanviet/

過去スレ
【各国語の漢字音比較】
http://mimizun.com/log/2ch/gengo/1061625854/
【各国語の漢字音比較】PART2
http://unkar.org/r/gengo/1126463814

228 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/25(水) 20:57:15.00 0.net
意味はわかるけど文法が変でむしろ別の言語に似ていて、実は訓読みがあったんじゃないかと考えてもいい漢文って、
日本語以外ではなんかないのかな?

229 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/25(水) 21:58:39.37 0.net
中国南部の諸方言や少数民族言語は文法がむしろタイ語などに似ていて漢字を現地語独自の訓読みする場合もあるが

230 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/25(水) 22:31:04.07 0.net
トカラ語とか突厥辺りの訓読みとかないかな?

231 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/25(水) 23:20:03.24 0.net
朝鮮の吏読も入るかな。日本とは違い発展しなかったけど。でも冬ソナのロケ地の南怡島は
ナミ「ド」じゃなくてナミ「ソム」というな。島を「ソム」というような非公式な訓は今でも存在するのか?

232 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/26(木) 11:48:16.03 0.net
岬・串を「コッ」とか。

233 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 04:33:47.08 0.net
朝鮮語にも
天 ハヌル・チョン
地 タン・ジ
玄 コムル・ヒョン
黄 ヌルル・ファン
みたいな形で訓はあるだろ。漢文を読むことの第一歩はこれを暗記すること。
実社会の運用で「島」を「ソム」と読むことはないが
もちろんこの字の訓はと聞かれたら「ソム・ド」だ

234 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 06:06:31.05 0.net
車を「コ(連濁でゴ)」というのも訓なのかな

235 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 11:23:14.61 0.net
>>234氏の話で思い出したが、なぜ自転車は「チャジョンチャ」
じゃなくて「チャジョンゴ」なのか?よく分からん
自動車はチャドンチャなのに

236 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 13:43:08.82 0.net
チャリンコ?


237 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 14:59:08.93 0.net
それは確かチャジョンゴの済州島方言版の「チャルンケ」が語源だとかいう説をどこかで見たことがある
あるいは関西生まれの擬音語かもしれないけど

238 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 16:34:00.98 0.net
>>234
庫の読みがコなことから分かるように、
車をコと読むのは古音の一つじゃないっけか。
どれくらい遡れるかは分からんけども。

239 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 17:07:20.15 0.net
中国にもそっちの音もいちおう残ってて
将棋のコマの香車に当たるのを車ju1って言うんじゃなかったっけ
辞書引いてないから自信ないや

240 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 20:35:06.87 0.net
車の音まとめ

日本 シャ・キョ・コ

中国 che1 ju1

朝鮮 차 cha 거 k(g)eo

241 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 20:46:47.69 0.net
>>238
後漢末の『釈名』に「古者曰車聲如居」とあるから相当古い音だろう

242 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/27(金) 23:18:33.05 0.net
人力車もイルリョッコと読むらしい

243 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 03:37:43.20 0.net
上古音でどうだったのか気になる。kchとかchkが語頭に来ると相当発音しづらいけど


244 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 16:18:02.90 0.net
>>243
日本語でシャになるほうの「車」は、中古で tɕʰia のような音で、この tɕ tɕʰ などの
音は k kʰ または  t tʰ が後ろの前舌母音にひかれて変化したものと考えられています。
これは形声文字に大量の例がある(示-祁, 氏-祇, 支-技, 臭-嗅, 赤-赫, 咸-鍼 etc.)
ことから、確かなものと考えられます。

ではどうして「氏」は歯音になったのに「祇」はそうならなかったかというと、いまひとつ
よくわかりません。李方桂は「氏」の上古音を grji- 「祇」を gji- だったとしています。
「車」ではシャのほうを khrjiag, キョのほうを kjag としています。
あるいは別の方言からの借用とか、文白異読のような現象があったとも考えられます。

シャとキョの関係がどうなっているのかも、よくわからないところがあります。無気音と
有気音の違いも気になるところです。

河野六郎「転注考」では「車」の二つの読みを取りあげて、同字異読だとしていますが、
これだと語源的に関係があるのかどうかはとりあえず無視していることになります。

別な論は単語家族説で、Sagart ではシャのほうを k-hla, キョのほうを k-la と再構
して、それぞれ (h)la (「輿」など) に k- (具象名詞を作る接頭辞)がついた形と
考えています。ただ、この人の上古音は過激すぎて、ちょっとついていけないところが
あります。



245 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 17:11:51.77 0.net
Sagart を見てたら Pulleyblank の「車」が印欧語からの借用という説が
書いてあったのでちょっと見てみた。

印欧祖語で「輪」を意味する *kʷolo- およびそれを重ねた *kʷekʷlo- (英語
wheel, サンスクリットのチャクラ etc.) という語があって、
http://starling.rinet.ru/cgi-bin/response.cgi?single=1&basename=/data/ie/piet&text_number=+603&root=config

が中国に *kʷlà の形で借用され、 a の前では kʷ → k の変化がおきるので、規則的に
  kʷlà → k(l)à → kɨa̯ (キョ)
となる。いっぽう後者は *kʷəkʷlà の形で借用され、
  kʷəkʷlà → kklà: → kʰlia: → kʰjia: → tɕʰia (シャ)
となったとのこと。


246 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 17:21:06.20 0.net
車をキョと読む例(単独、または複合語で)は文献上どれだけあるの?

247 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 20:57:01.08 0.net
日本の古代の部曲・氏族名で車持(くらもち)ってのがあるけど何なんだろう?
この「車」は天皇の御輿のことらしいけど。


248 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/28(土) 23:09:38.75 0.net
>>245
kwekla(記号ほか略して)という段階の2音節語は
漢字でどう書くのでしょうか。双声の連綿字ですよね?

249 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/29(日) 02:22:40.00 0.net
初学の者です。
中古章母が日本漢音でシャと摩擦音で表されるのはなぜでしょうか。
チの破擦音の系列が日本語にはあったはずなので、わざわざ摩擦音であらわす必要は無かったと思うのですが。
詳しい方どうかご教示下さい

250 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/30(月) 16:08:44.48 0.net
>>249

チが破擦音になったのは(少なくとも京都の標準的な言葉では)16世紀と言われており、
それ以前は、鎌倉の唐音も含めて ts や tʃ のような音はサ行で写されています。

そこで問題になるのは茶がチャになる原因ですが、おそらくはこれは現代ペキンの cha
のような音を写したのではなく、借用元はおそらく tæ のような音だったのだろうと
思います。



251 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/30(月) 18:13:49.17 0.net
茶にはサという音もあるから、こちらが破擦音を写そうとしたものだろうね。


252 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/30(月) 23:32:10.52 0.net
中(チュウ)や直(チョク)や着(チャク)などはtia,tiu,tioを日本流に表記したものかな


253 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/31(火) 02:03:40.50 0.net
漢語方言だとビン語がt系統で英語のteaなどの元、
官話系などが破擦音でペルシャ語・ロシア語などのチャイの元だというね
後者の末尾のイはそういう韻尾を持つ方言があったのか、
それともペルシャ語のエザーフェに先行する挿入母音が再解釈されたのか


254 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/31(火) 02:55:48.32 0.net
院政期に初出の12世紀京都語の「チャ」の音は、どう考えても[tja]だよなあ。
世界的には、tea系とcha系に分けるのが主流らしいが、
福建系/広東系という対立を脇において、
無理矢理当てはめるとすれば、
「加藤茶」の「チャ」は、tea系に含めるべきといえるのかもしれない。
そして「茶道」の「サ」が、cha系に含まれる。
逆説的だが、おそらくこっちの整理のほうがマシだ。
前者は、「打(ダ)」とよく似た、12世紀のおそらく江南由来で、
後者が、真正の唐宋音になる。筋は悪いけどね…

255 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/31(火) 07:55:53.36 0.net
朝鮮語読みでもチャ차とタ다があるね

256 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/31(火) 14:34:27.48 0.net
ベトナムだと trà と chè の二音。後者の母音がちょっと気になるところ。

くわしくは知らないけれど、朝鮮語のチャはかなり新しいんじゃないんでしょうか?


257 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/02(木) 04:45:06.74 0.net
>>256
> くわしくは知らないけれど、朝鮮語のチャはかなり新しいんじゃないんでしょうか?

朝鮮館訳語に茶を「叉」としているとのことで、これはチャらしい。
したがって15世紀には存在したようだ。


258 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/22(水) 02:44:49.09 0.net
「雄」の音は日本語では「ユウ」朝鮮語では「ウン」みたいな音(中舌母音)で、子音は母音の前に無いけど、
普通話では「ション」台湾語では「ヒョン」みたいに子音があるけど、中古音の段階では子音はどうなっていたんだろう
あと、「葉」の音は日本でも中国でも(少なくとも普通話と広東語では)子音がないけど、マハーカッサパの音訳に「摩訶迦葉」を用いたように
葉の語頭にsの音を伴っていたようだけど、これは中古音の段階でも、同じ字で子音の伴う発音と伴わない発音があったんだろうか

259 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/28(火) 16:58:56.46 0.net
>>258

「雄」…中古音では匣母(喩母三等、/ɦ/)で、喩母三等は現代語ではゼロに
なり、日本・朝鮮の漢字音はその音に規則的に対応しています。
ペキン語であれば yong2 となるべきところです。そうならないのは何故かと
いうと、よくわからないのです。

"yong2" という音の字は非常に少なくて、一応「顒・喁」の二文字は yong2 と
読むことになっているのですが、どちらも滅多に使わない字です。

歴史的にいうと「容・溶・融・栄・庸・傭」なども yong2 にならなければ
おかしいのですが、現在のペキン音では「容・溶・融・栄」は rong2 になり、
「容」と同音だったはずの「庸・傭」は yong1 になっています。

いっぽう他の声調(yong1, yong3, yong4)ではこのような例外は発生して
いません。

ここから考えられるのは、yong2 という「口にしてはいけない単語」があり、
それを避けようとして例外が発生した、ということです。その単語は何かという
と、おそらく「熊」でしょう。クマを意味する yong2 を避けるために同音の
字(「熊」じしんを含む)の音を変えた、ということです。この現象はかなり
古くからあったらしく、ベトナム漢字音の hùng、広東語の hung(-yan) など、
北方語以外にも広く見られます。



260 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/28(火) 18:52:15.75 0.net
>>2593
しかし中国の古典では、虎に対して熊は猛獣としてあまり出てこないし、
字書を見ても「熊、俗人忌之、有不言。」といった文は見たことないぞ。

261 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/29(水) 06:29:17.74 0.net
印欧語だとクマがタブー視されたために色を表す語などへの
言い換えが起こっているので、そこからの連想で>>259のような
考察が生まれたんでしょうね

262 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/29(水) 21:35:33.69 0.net
>>260
熊を「大爺」ということはありますね。
適当に検索したら、こことか。
http://www.humancn.com/html/93/5/5306/1.htm


263 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/29(水) 22:21:49.63 0.net
国境紛争で有名な大ウスリー島を中国で「黒瞎子島」というのは
クマの島ということらしい。この「黒瞎子」とか「狗駝子」とか
いうのは禁忌の言いかえなんだろうか。


264 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/30(木) 00:00:03.58 0.net
禁忌という動機もあるだろうけど、
音素や声調が少なめな北方語なだけに
隠語やあだ名などのヴァリエーションがある中で
多音節の形を好むということもあるかもしれないね
西北で普通の形容詞にAAB型を多用する方言があったりするのもそれかな


265 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/31(金) 16:36:02.40 0.net
>>258
「葉」はいろいろややこしいです。

まず、「葉」という字は、意味によって二つの音がある、多音字です。
中古音では木の葉を意味するときは iep、地名では ɕiep のような音でした。
「摩訶迦葉」については後者の音を使ったものでしょう。

では何で同じ字に二つの音があるのかというと、上古音の知識が必要になります。
おなじ声符をもつ漢字の声母が d - th - ゼロ(喩母四等) - ɕ というパターンで
あらわれることがあります。たとえば釈迦の釈(釋)でいうと、
鐸(d)澤擇(d') - 蘀(th) - 譯驛(ゼロ) - 釋(ɕ)
のようになっています。これを解釈して Pulleyblank は上古に l と hl があり、
l が直音で d・拗音でゼロになり、hl が直音で th・拗音で ɕ になった、と考え
ました。「葉」の例でいうと、木の葉は上古で liap、地名は hliap のような音で、
近い音だったので同じ字をあてた、ということになります。

李方桂はもうちょっと保守的に、l と hl でなく r と hr にしています (l は
来母にとっておく)が、発想は近いです。

「摩訶迦葉」は支婁迦讖訳の『般舟三昧経』に見えていますが、これは後漢にすでに
「葉」の声母が hl でなく、中古的な ɕ かそれに近い音になっていた、と考えられ
る点で興味深いです。もちろん音訳字の音が原音にどれだけ近かったかは不明ですし、
当時の原語の発音がよくわからない点も問題ではありますが。

外国語の音訳という目的では、「葉」のような多音字ではなく、もっとまちがえられ
にくい字を使ったほうがよいように思われますが、なんでそうしなかったのかは不明
です。ただ、たとえば中古音で「葉」と同音の「摂」を使ってはどうか、と考えて
みると、「摂」は「聶」と声符にもっているからわかるように、上古音では鼻音で
はじまる hniap のような音であったらしく、あるいは後漢でもまだ鼻音が残って
いたのかもしれません。



266 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/31(金) 18:10:16.42 0.net
hl>ɕ って無理がないか?

267 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/08/31(金) 21:24:24.87 0.net
え?よくある口蓋化じゃないの?

268 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/01(土) 01:28:55.04 0.net
確か粤語の一種の台山語だとsからhlに変化したと記憶している。このこととhlからɕへの変化は多分全く関係ないけど、こんな変化もあるということで

269 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/01(土) 06:17:32.19 0.net
>木の葉は上古で liap
英語のleafだな

270 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/01(土) 15:50:10.85 0.net
leaf はゲルマン語で孤立してるからあんまり発展性がなさそう。

それよりここはチベット語で。

チベット語では葉を lo ma というけれど、Jaschke の辞書によると
西部方言で lob ma と言い、lo ma 接尾辞の ma の影響で -b が
落ちたものかもしれない。
もっともネットで検索してみつかったここの p.24 (62 leaf) を見ると
ラダックでも loma のようだが。
http://www.sil.org/acpub/repository/34641.pdf

また、「葉」とおなじ声符をもつ「蝶」はチベット語で phye ma leb
と言い、「(小麦などの)粉」を意味する phye ma を除くと leb に
なる。


271 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/01(土) 22:14:16.28 0.net
>>249
上代日本語の段階で言うと、サ行がツァ・チ・ツ・チェ・ツォのような破擦音だったと考えられている。
一方、タ行はタ・ティ・トゥ・テ・トだった。

ただし、サ行はサ・シ・ス・シェ・ソだったという説もある。
例えば「さ」を表記するのに、ツァという音を持つ漢字も、サという音を持つ漢字も両方使われている。

恐らく当時の日本語話者にとって、ツァもサも「さ」と認識される音だったのだろうし、
日本書紀α群のような中国語話者が書いた部分でも両方が使われていることからすると、
実際にツァもサも自由異音として存在したのではないかと思われる。

当時の日本語では、ツァ行音もサ行音も、サ行の異音だったのだろう。
漢字を取り入れることでできた拗音でも、例えばシャ行にはチャ行音もシャ行音も含まれることになった。
だから日本漢字音では、破擦音と摩擦音の区別が失われている。

チ、ツ、チャ行などは、16世紀まではティ、トゥ、テャ行音であり、破裂音だった。

272 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/01(土) 23:51:50.15 0.net
サ行が破擦とかうさんくさいよな。
/ts/を持たないが/s/を持つ言語なら
アイヌ語とか、ラテン語とか、フィンランド語とかいくらか見られるが、
その音価は破裂のない[s]であって[ts]ではない。これが1つ。
たとえば/k/は多くの言語にあるが、
それを[k]と発音したり[x]と発音したりという言語はめずらしい。
破裂の有無という聴覚的に結構な差をもたらす要素が自由異音という点が気にかかる。
これが1つ。
またタが[tsa]でチが[tʃi]なのだとすれば、tsi,tʃaなどの漢字音が入ることで
両者が音素として分離してもよさそうなものだ。
また現代人がフ[ɸu]を利用してファɸaやフォɸoが発音できるように、
上代人もtʃaは発音できるだろう。
そしてそれを「チア」のように二文字で表してもよさそうなものだ。
そうなっていないのが1つ。

この3点をすっきり解消する解釈はあるか?

273 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/01(土) 23:59:32.02 0.net
サが[tsa]でシが[tʃi]のまちがいだ。
もうひとつ言わせてもらえば、
[ti]と[tʃi]はiの影響で聞いた印象はtaとtʃaよりも接近するから、
チとシの誤記がそこそこあればシがtʃiというのもうなづける。それはあるのか?


274 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/02(日) 07:32:51.71 0.net
誤記というわけではないが、上代東国方言では、「ち」が「し」と書かれることがある。
これは、東国では「ち」が「ティ」→「チ」に口蓋化する変化が早く起きていて、
それが畿内の話者にとって「し」(当時は「チ」)に聞こえたのだと解釈されている。

275 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/02(日) 10:06:41.40 0.net
有声音なら摩擦音と破擦音の間の敷居はそう高くない
[z]と[dz]が異音で現れる言語なんて現代日本語含めたくさんあるだろう
調音方法の聴覚印象上の決定的な差、という考え方は一面的すぎないか
あと、通時変化の例でなら
蒙古文語の/q//k/がハルハ方言の[χ][x]に対応
ラテン語の“c”/k/が仏語の“ch”[∫]や“c”[k][s]に対応
といった例があるね



276 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/02(日) 19:27:58.49 0.net
熊といえば、なんでパンダって知られてなかったんだろ?
大熊猫なんていい加減な名前じゃなくて、専用の漢字があったっていいのに。

277 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/02(日) 21:36:06.33 0.net
パンダの生息する地域は古代には全てチベット系の異民族が住む地域だったから
漢族は知らなかったのだろう

278 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/02(日) 21:42:18.09 0.net
四川は官話区だからね
なんでも内乱で漢人(つまり都市部平野部ってことか)の人口が
ゼロに近くなったことがあり、今の住人は北方からの移民の子孫だとか
一字の動物名が作られたような時代とは言葉が断絶してることになる

本当は字書か類書の動物名に該当するものがあるのかもしれない
あるいは山海経で怪異の名にされていたり

279 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/02(日) 22:43:27.96 0.net
「貘」がいわゆるバク(tapir)じゃなくてバンダという説はあったよね
白黒まだらで、「銅鉄を食らう」という説明は竹を食うことの誤伝とか


280 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/03(月) 01:38:12.18 0.net
>>277 西安に比較的近い秦嶺山脈にもパンダはいるけど、長安では知られてなかったのかな。
牡丹の原産地があの辺りで、古くから栽培化されてるくらいだから、漢族が山に入ってないはずは無いんだけど。

281 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/03(月) 04:56:48.80 0.net
>>276
ここによると、タヴィド神父がパンダの毛皮をはじめて見たとき、
猟師は「黒白熊」と呼んでいたという。現地では一般には「白熊」
とか「花熊」と呼ぶそうだ。
http://www1.ihns.ac.cn/readers/mao.pdf

どちらにせよ、知られてはいたけど今のように注目はされていなかった
ということなのでは。


282 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/07(金) 16:36:16.50 0.net
ではチベット語でかつてパンダを何と呼んでいたか……というと
これもよくわからない。
今はいちおう dom khra (まだらの熊)というようだけれど、
あまり古くなさそう。「花熊」を直訳した可能性もあり。

チベットの民話には動物が出てくるものが多いけれど、パンダが
出てくる話は聞いたことないし。やっぱりあまりポピュラーじゃ
なかったんじゃないかな。


283 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/17(月) 00:32:44.98 0.net
より数が多いレッサーパンダが出てくる民話はないのか?

284 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/17(月) 16:59:47.27 0.net
風太伝説

285 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/20(木) 18:56:23.19 0.net
日本の漢字には、中国の元の意味と違う字があります。
読み方も色々です。
これはもう日本の漢字は中国とは別の言語で独立してると
考えたほうがいいという事でしょうか?


286 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/02(火) 20:26:41.26 O.net
漢字は文字であって言語ではない。
言語として見ると、日本語と中国語は元々全く別の独立した言語だ。

287 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/04(木) 06:58:26.06 O.net
微妙にスレタイからずれるかもしれないけど、質問です

現代中国語が孤立語なのは歴史時代に様々な民族と接触する中で文法要素がすり減ったからで、上古の中国語では他のシナ・チベット語族の言語のように語形変化もあった訳じゃないですか
でも漢字は明らかに孤立語向きというか語形変化する言語に向いてないと思うのですが、昔の漢民族は文章を書く際に漢字でどうやって語形変化を表現していたのですか?
同じ表意文字でもヒエログリフやマヤ文字は語形変化による音の変化や語に付着する接頭辞接尾辞をちゃんと書き表すことが出来る構造を持ってますけど、漢字にはそれすら無いですよね
そんな文字が上古時代に成立した理由が分かりません
もっと言うなら、かつて語形変化のあった言語から漢字のような孤立語特化の文字が生まれた理由が分かりません

288 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/04(木) 11:27:55.34 0.net
我と吾が一人称の格の違いを現わしたものだって説はあるな。これに従うと語形変化で全く違う字になるってことか


289 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/04(木) 15:59:59.52 0.net
吾と我、汝(女)と爾、其と之がそれぞれ主格・属格と対格・与格に相当するという説があるね。
また漢字が必ずしもフォローしきれていない派生がある。
好(上声で「よい」、去声で「このむ」)、知(平声で動詞「しる」、去声で形容詞または名詞「物知り(であること)」)、
などなど。漢字を見るとその多くは場当たり的に仮借の原則で当てている。
付(動詞)と附(形容詞または名詞?)のような区別はたまにあるが、体系的には見られない。

漢語はピジン化がどんどん進行していき、派生による語形の区別が無効化されていってできていった
それと並行して漢字は象形・指示によって生み出され仮借と形声の原則を多用して表語的になっていった
大局的にはそういうことだろう。

ギャロン語のような保守的なシナ・チベット語を見ると、派生や時制・人称などの接辞が
子音一個が加わったり交代したりと非常に細かく、最初から単音字母のアルファベットを持っていないと
とても忠実に記述できるようなものではない。音節ごとに意味のまとまりがあることが
自明の言語で、外来要素もなしに音節未満の子音や母音まで必要と考えるのは困難だったろうと想像する。


290 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/04(木) 18:10:02.95 0.net
上古音の時代でも、そんなにきちんと語形変化をしていたことが明らかなんだろうか?
比較的それらしいのは、代名詞に格があったかもっていう程度だよね。

去声が-sに遡る可能性も指摘されているけど、それだって上古音の時代にまだ-sが発音されていたかは分からない。
漢字が発達しつつあった時代には、既に語形変化はほぼすり減っていたんじゃないだろうか。
孤立語化がかなり進んでいた段階で漢字ができたと考えれば自然だ。

291 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/04(木) 18:23:52.16 0.net
-sって発音してたとしたら、-sを持つ語の後ろに母音で始まる語が来た時には
リエゾン起こすよな。となると-as a-という並びがあったとすると
それが-a sa-の漢字があてられてもいいわけじゃん。そういうのってあるの?


292 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/04(木) 19:10:42.07 0.net
中国語では本当にゼロ子音の音節は無かっただろう。
影母でも咽頭の緊張があって、[ʔ] と解釈される。

第一、入声の-k, -t, -p は歴史時代にも普通にあったし、南方方言には今でもあるが、
それがリエゾン(というかアンシェヌマンというべきだ)を起こすという話は聞いたことがない。

293 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/04(木) 19:24:24.36 0.net
現代語で語気助詞の啊を呀・哇・哪などと書き分けることがあるぐらいかな

294 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/05(金) 03:07:51.84 0.net
>>292
広東語の音声を聞いていたら-tで終わる音節のあとに語気助詞のアーというのが
続いた時、ラーという音になった例があった。どのくらい普通なのか詳しい人に訊きたいところだ。


295 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/04(日) 08:47:29.60 0.net
スレから逸れるが、
孤立語→膠着語、屈折語へと(?) あるいは、
その逆で、言語は孤立語へと進むのかしら?

296 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/04(日) 14:12:19.98 0.net
孤立語→膠着語 中古漢語→現代漢語
膠着語→孤立語 *オーストロアジア祖語→タイ語、ベトナム語、太古漢語→上古漢語
屈折語→孤立語 英語
屈折語→膠着語 ヒンディー語

こんな所だろうか

297 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/05(月) 01:22:10.47 0.net
さすがに孤立語から屈折語と言う変化を遂げたものはないか
膠着語→屈折語だとテュルク語とか?動詞の後に人称語尾がついたりするし。あるいはチュバシ語と共通の祖語の段階で既にあったのかな

298 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/05(月) 15:24:04.48 0.net
>>297
テュルク語は人称語尾がペタペタくっついてる感じで、未だに膠着語に
分類されているはずだが

299 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/05(月) 15:28:47.23 0.net
中国において、有が英語の不定冠詞a、在が定冠詞Theに値するものの存在を表す
という説もあるな

300 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/05(月) 17:31:37.45 0.net
>>298
その人称語尾がひとつの形態素で特定の時制やヴォイスやモダリティの組み合わせも表していたら、
あるいは動詞語幹に時制その他の機能を担った交替形があったり、
または名詞の格語尾の一つ一つが性や数を担っていれば屈折語になるね
テュルク語は一形態素一機能の典型的な膠着語
>>299
それは同じ存在主体でも有の目的語は不定または新情報で
在の主語は定または旧情報だということだね


301 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/07(水) 17:51:38.08 0.net
接中辞のあるオーストロネシア祖語からチャム語を経て孤立語になった、海南島の回族の言語は296のパターンだと
2つ目と3つ目のどちらだろう

302 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/08(木) 09:18:44.54 0.net
>>301
・接中辞でも意味の派生関係が明確ならば膠着的 よって2つ目

・チャム語は古くからオーストロネシア語族とみなされてきたが、
少数のオーストロアジア語族要素の方が基層であると考える泉井久之助の説も無視できない
・チャム語はクメール語などと同様にほとんど孤立語(たぶん)
・回輝語の場合、接辞は摩滅したか化石化して生産的ではないと思われるのでたぶん孤立語
声調言語化は孤立語である事と直接関係がなく、クメール語のように声調のない孤立語も存在する

303 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/08(木) 19:33:02.15 0.net
ベトナム語もオーストロアジア語族要素の方が基層と考えられており、
接辞が磨滅した代わりに声調言語化したらしい。孤立語に分類される。

304 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/09(金) 12:53:53.78 0.net
孤立語で声調もないクメール語は母音も子音もやたら複雑だけど、やはり文法の簡素化を音素の増強で補ったのかな

305 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/10(土) 05:37:19.03 O.net
孤立語だと一形態素一音節だから、
意味を区別するためには必然的に音節の種類が多くならざるを得ない。

そのためには、声調を増やすか、子音・母音を増やすかしないといけない。

クメール語は声調がないし、子音音素や母音音素の種類も特段多くはないが、
二重子音や二重母音で音節の種類を稼いでるようだな。

306 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/10(土) 06:03:08.31 0.net
緊喉母音と弛喉母音がある

307 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/10(土) 08:07:56.01 0.net
単音節語であることと孤立語であることに直接の関連性はない
単音節の膠着語もあれば多音節の孤立語もありうるだろう

308 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/11(日) 15:02:10.87 O.net
そのような実例はあるか?

309 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/11(日) 18:38:59.44 0.net
単音節の膠着語というと個々の形態素は原則として単音節だが
それらが接着されて複合語を作るような言語だろう
現代中国語はほぼそれに近いし、チベット・ビルマ語派もあてはまる
多音節の孤立語は、上記にある回輝語も部分的にそれに相当する
声調言語にはなったものの、単音節語化は不十分で、多音節のままの形態素が残っている

オーストロアジア語族の語彙的要素の語根はCVCVCが基本だと広く考えられていて、
AA語自体は接辞の使用による膠着が盛んだが、それが衰退して孤立語になったとしたら
これに当たることになる
まあこれについてはデータを見ないとなんとも言えないけれどね

310 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/12(月) 11:18:46.78 0.net
多音節の孤立語 英語が実質的にそうか。それ由来のクレオールも?

311 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/12(月) 17:36:57.21 O.net
英語は印欧語の中ではかなり孤立語に近づいたほうとは言え、
基礎的な動詞の多くが思いっきり屈折してるし、まだまだ孤立語とは言えないだろう。
孤立語的と言えるのは名詞ぐらいだ。
形容詞と規則動詞は膠着語的とも言えるかもしれない。

312 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/12(月) 17:43:56.27 0.net
コーマンの匂い

313 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/12(月) 18:41:26.40 0.net
膠着と孤立は、実際には連続的だからなあ。
into the pre-history という英語の句で、pre以外は膠着しない前置する単語群とされているが、
これは日本語で膠着成分とされる助詞と、よく考えれば何が違うの?という話になる。
一般の語彙に「てにをは」なる表現があるとおり、これは、バラバラにしても、
西欧の印欧語でいう、冠詞や前置詞程度の意味を持ち得るんだよね。
俺自身は、日本語は典型的な膠着語ではなく、かなり孤立語っぽい言語だと理解している。

314 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/12(月) 21:31:38.11 0.net
開音節的だから取り外し可能なんだな。
とはいえ動詞の活用の「未然・連用・連体・終止・仮定・命令」は膠着どころか屈折的でもある
まあ音韻が変化している部分が持つ意味が、屈折語の変化の部分と比べて極めて限定的ではあるが。
なんで膠着語なのにこんな活用が生まれたんだろう。大昔の母音調和の名残かな

315 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/12(月) 22:24:21.64 0.net
   ◇       ミ ◇
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316 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/13(火) 14:26:21.15 0.net
>>314
何故母音で規則変化するんだろうね。
助詞じゃダメだったんだろうか?
それとも元々あ行の助詞があったんだろうか?

317 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/13(火) 18:48:46.36 0.net
>>313
むしろ格語尾を失って前置詞を発達させた英語のような言語は
本当はその意味でも孤立語というより膠着語に近い段階ではないだろうか

四分法が立てられた時代は前置詞に格と同等の役割があるという視点はまだなかったように思う
前置詞は歴史的経緯から語として綴られているが、その箇所における出現は義務的だ

典型的な孤立語は動詞と目的語の組み合わせを並列させることで接置詞の代わりにするし
前置詞に見えるものは実は動詞の別用法だったり、動詞の代わりにできるものだったりする
(serial-verb構文またはparataxis、ここでは前者を連鎖動詞構文と呼ぶことにする)

英語がそれでも孤立語的とみなされたのは、語順がSVO、SとOがともに無格という
条件と関係がある。こうした言語ではVがSとOの境界の役割を果たすため両者を区別する
必要がなく、逆にSとOを逆転させただけで文の意味が変わる

しかし典型的な孤立語ではSVOタイプならSVOVO(中国語、インドネシア語など)、SOV構文なら
SOVOV(チベット・ビルマ語の一部など)という形を取るが、英語の前置詞は基本的に動詞にはならない

318 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/12/01(土) 06:17:13.91 0.net
タイ語がシナチベット語族から数詞を借用したのはいつなの?
(nueng) (song) sam si ha hok chet paet kao sip

日本語や朝鮮語と同じく中古漢語から借用したように思えるが、どうして固有語彙が廃れたのかとか、数詞以外の漢語語彙が借用されなかったのかは気になる

319 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/12/01(土) 22:17:03.56 0.net
タイ語での「托鉢」は漢語由来だっけ

320 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/12/01(土) 23:36:47.18 0.net
タイ・カダイ語族としてシナ・チベット語族とは別にするとした場合タイ・カダイ語族の固有数詞ってどんなんになるんだ?

321 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/12/02(日) 18:22:44.34 0.net
>>318

詳しく知りませんが、(狭義の)タイ語全体に共通していることから、最低でも千年は前。
また「5」の母音が o でなく a になっていることから、中古音よりかなり前である
可能性が高いと思います。
漢語からの借用としては十二支が有名(タイ語の十二支は漢語に由来しないが、ほかの
多くのタイ系の言語では古い漢語からの借用が残っている)で、そこでも「午」の母音が
a になっています(李方桂によるとアホム語 shi-ngā ルー語 sa-ŋa4 布依語 sa3)。

>>320
http://www.zompist.com/asia.htm#tai
で、たとえば Nung Ven (En) を見ると「三」以降は tu pa ma nam となっていて、
これはたとえばインドネシア語の tiga empat lima enam が単音節化したもののように
見えますね。

322 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/12/02(日) 18:37:09.17 0.net
>>321
(狭義の)タイ語全体というのは Thai でなく Daic のつもりでした。すみません。

323 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/12(土) 07:03:36.74 0.net
全くのビギナーなんですが、
ピンインでいうところの /zh, ch, sh/ や /j, q, x/などの声母は
どのような音韻法則に基づいて誕生した音なのでしょうか

324 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/13(日) 01:15:31.16 0.net
>>323
北京語の /j, q, x/ は日本音でサ行になるもの (積、妻、西など) と
カ行になるもの (鶏、奇、希など) があることから分かるように、
/z, c, s/ と /g, k, h/ の二系統が、介音 /-y-/ による口蓋音化の
進行の結果、遂に合流したものです。

zyi → ji
cyi → qi
syi → xi

gyi → ji
kyi → qi
hyi → xi

北京語には「キー」も「ツィー」もなくなりました。

北京以外の北方方言では、/gyi, kyi, hyi/ は /ji, qi, xi/ に
なったのに /zyi, cyi, syi/ はそのままというケースもあります。
北京から汽車で一時間かそこらのところにもそういう区別が残って
いるらしい。北京内でも京劇では区別します。
(斉[ツィー] : 奇[チー] etc.)

区別する場合、/zyi, cyi, syi/ を尖音といい、/ji, qi, xi/ を
団音といいます。(尖団分別)

/zh, ch, sh/ の方はもともと [tʃ, tʃ', ʃ] だったと考えられて
いるようですが、変化の条件はよく知らないので、ここで逃げます。
詳しい人、よろしく。このグループでもとくに /r/ が曲者ですね。
これはまだ定説がないのかも知れません。

325 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/13(日) 01:35:22.60 0.net
>>323 (続き)
中国語音韻学の入門用に便利な本があるのでご紹介。
唐作藩著『漢語音韵学常識』上海教育出版社、1972
鶴本書店というところで1050円で出ています。

鶴本書店
http://turumoto.koshoten.net/catalog/index.php

日本語訳 (『漢語音韻学入門』明治書院) は絶版らしい。
日本の古本屋には出ています。

326 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/13(日) 15:57:46.52 0.net
なるほど。ありがとうございました。
「四」や「子」などといった単語はsやzの後にiが接続します子音の口蓋化を恐れて母音の方を

327 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/16(水) 05:50:06.61 0.net
>>326

「四」 Xィー ケだった キが、 コか ts(h), dz, s, z ナ
は i が曖昧 閧 オた。これ 牛\ 「時代 サう チた キ。日本語で
「 q」がイス チ 「る Aそ ωサ fし 「 キ。

そ 椏_ u西」 ゥ i漢音 Zイ ゥもヘ 焉j が i ゥったた
ア ωサを も vわれ キ。「 E悉」 燗鮪桙 q音 Iわって
いたた ア ωサを起こさ ゥったも キ。

「西」 ェスィーからシー チた 芒r的新しく、「西瓜」がスイカ ヘ
こ ωサが起き 「 「音が 「ったこ 示し 「 キ。

328 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/16(水) 05:58:59.39 0.net
うお、化けた。すみません。

>>326

「四」は古くはスィーのような音だったのですがて、なぜか ts(h), dz, s, z
の後ろではi が曖昧化しました。これはかなり古い時代におきた現象のようで
す。日本語で「椅子」がイスになるのはその変化を反映しています。

その当時「西」は、漢音「セイ」にみられるように母音が i ではなかったために
この変化を免れたものと思われます。「昔・悉」のように子音で終わる字もこの
変化を起こさなかったようです。

「西」がスィーからシーに変わったのは比較的新しく、「西瓜」がスイカなのは
この変化が起きる前の音がはいったことを示しています。

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