2ちゃんねる ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

上代特殊仮名遣い 二音目

1 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/23(土) 20:31:32.19 0.net
前スレ:上代特殊仮名遣い
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1305988303/

立てた

2 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/23(土) 21:31:56.81 0.net
>>1


3 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 01:34:02.99 0.net
前々スレ
ttp://logsoku.com/thread/academy6.2ch.net/gengo/1228873581/
避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/10958/1283085223/

Wikipedia 上代特殊仮名遣
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E4%BB%A3%E7%89%B9%E6%AE%8A%E4%BB%AE%E5%90%8D%E9%81%A3
橋本進吉「古代国語の音韻に就いて」
ttp://www.aozora.gr.jp/index_pages/person61.html
有坂秀世「古事記に於けるモの仮名の用法について」
ttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/arisaka/arisaka_mo.html
森博達『日本書紀の謎を解く―述作者は誰か』
ttp://www.amazon.co.jp/dp/4121015029/
森博達『日本書紀 成立の真実 - 書き換えの主導者は誰か』
ttp://www.amazon.co.jp/dp/4120042820/
森博達『古代の音韻と日本書紀の成立』
ttp://www.amazon.co.jp/dp/4469220817/


4 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 03:01:27.49 0.net
上代日本語音節表 その1([]内は森博達による日本書紀α群の推定音価)

(イ)            .| エ [je]             | ヤ [jɑ] .| ヨ乙 [jə] .| ヨ甲 [jo] .| ユ [ju]
イ [i]            |         え [əĕ]     | ア [ɑ]   | オ [ə]            | ウ [u]
ヰ [wi]           | ヱ [we]            | ワ [wɑ] |           ヲ [wo] .| (ウ)

キ甲 [ki] .| キ乙 [kɪ] .| ケ甲 [ke] .| ケ乙 [kəĕ] .| カ [kɑ] | コ乙 [kə] | コ甲 [ko] .| ク [ku]
ギ甲 [ŋgi] | ギ乙 [ŋgɪ] | ゲ甲 [ŋge] | ゲ乙 [ŋgəĕ] | ガ [ŋgɑ] | ゴ乙 [ŋgə] | ゴ甲 [ŋgo] | グ [ŋgu]


5 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 06:42:40.76 0.net
やり直し

上代日本語音節表([]内は森博達による日本書紀α群の推定音価)
(イ)            | エ [je]            .| ヤ [jɑ] .| ヨ乙 [jə]  .| ヨ甲 [jo]  .| ユ [ju]
イ [i]           .|         え [əĕ]   .| ア [ɑ]   | オ [ə]           .| ウ [u]
ヰ [wi]          | ヱ [we]           | ワ [wɑ] |         ヲ [wo]   | (ウ)
キ甲 [ki] .| キ乙 [kɪ] . | ケ甲 [ke] . | ケ乙 [kəĕ] | カ [kɑ]  | コ乙 [kə] .| コ甲 [ko] .| ク [ku]
ギ甲 [ŋgi] | ギ乙 [ŋgɪ] | ゲ甲 [ŋge] | ゲ乙 [ŋgəĕ] | ガ [ŋgɑ] | ゴ乙 [ŋgə] | ゴ甲 [ŋgo] | グ [ŋgu]
シ [tʃi]          | セ [tʃe]           .| サ [tsɑ] .| ソ乙 [tsə] | ソ甲 [so]  | ス [su]
ジ [dʒi]          | ゼ [dʒe]           .| ザ [dzɑ] | ゾ乙 [dzə].| ゾ甲 [zo] .| ズ [zu]
チ [ti]           | テ [te]           | タ [tɑ]  .| ト乙 [tə]  | ト甲 [to]  .| ツ [tu]
ヂ [di]          .| デ [de]           .| ダ [dɑ] .| ド乙 [də] .| ド甲 [do] .| ヅ [du]
ニ [ni]          .| ネ [ne]           .| ナ [nɑ] .| ノ乙 [nə] .| ノ甲 [no] .| ヌ [nu]
リ [li]           | レ [le]             | ラ [lɑ]  .| ロ乙 [lə]  | ロ甲 [lo]  | ル [lu]
ヒ甲 [pi]  | ヒ乙 [pɪ] .| ヘ甲 [pe] | ヘ乙 [pəĕ] .| ハ [pɑ] ..|         ホ [po]   | フ [pu]
ビ甲 [bi] .| ビ乙 [bɪ] | ベ甲 [be] . | ベ乙 [bəĕ] . | バ [bɑ] |         ボ [bo]   | ブ [bu]
ミ甲 [mi] .| ミ乙 [mɪ] ..| メ甲 [me] | メ乙 [məĕ] | マ [mɑ] |         モ [mo]   | ム [mu]
 原文ではサ行のt、ザ行のdは上付き文字のͭとͩ

6 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 11:45:48.24 0.net
α群って中国人の発音ってこと?

7 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 14:13:15.23 0.net
テスト

8 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 14:15:36.59 0.net
>>6
日本語母語話者の発音を、中国語母語話者が聴き取って漢字で表記したもの。

9 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 14:19:21.06 0.net
前スレ699です。
前スレのうち、まともな議論をピックアップして、テンプレのお手伝いをしようかと思ったのですが、
有意義な議論が、ばらばらと多数のレスに、微妙に散在していることに気付きました。
これは、テンプレを無駄に食う形になるので、各自で適宜検討したほうがよさそう。
従って、前スレのコピペ無しに、いきなり議論を始めます。

今から書く私見は、699に頂いたレスを考慮して、現時点で一応まとめた私見です。
森推定音をベースにしながら、途中で斜めにディスるという、なかなかひどいことをやってますが、
その点も含めて、批判等いただければと思います。

10 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 14:29:21.01 0.net
第1 「玉突き説」の意味
前スレ699の核心である「玉突き」というのは、エ甲がエ乙を突き飛ばした、ということなのですが、
これは、エ乙から見ると、
「迫ってきたエ甲と、合体するのが嫌だったから、這々の体で後ろに逃げ出した」
と解することも出来るように思われます。
これが、これから書く説の考え方の出発点です。


11 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 14:35:58.44 0.net
第2 エ甲乙【各段】音節の音価
前スレ699&921で述べた考え方からすると、エ甲乙は、いずれも最古の形は多重母音であり、
それが融合して、8母音の体を為した、ということになります。
ここは通説通り、
エ甲</ia/
エ乙</ai/
を承認します。この2つ、ネタは同じなのに、なぜ合体を嫌う場面が出てきたのか?それも一部で。
そうすると、エ甲は、頭子音に接続する母音が前舌iであるのに、
エ乙は、頭子音に接続する母音が後舌(当時)のaである。
これが何か重大な差異を引き起こしているのではないか。

一般に、こういう場合、子音が強く影響を受けるのはiのほうで、要するに拗音化あるいは口蓋化する傾向にあります。
エ甲は、口蓋化、とまではいかなくても、古い場面では、半母音[j]が挟まっていたのではないか。

12 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 14:48:36.89 0.net
第3 エ乙がエ甲の告白を「ふった」場合とは
そうすると、エ乙にとって、エ甲との合体を拒絶したい場合とは、
エ甲の子音が口蓋化または間に拗音が挟まって、同じ「行(子音)」とは認めがたい場合ではないか、
と考えられることになります。
仮に、セディーユを口蓋化または拗音化の記号と仮に採用すると、
Ci, Cæ <Cia, Ce<Cai ならば、Cæ→Ce合流
Çi, Çæ<Çja, Ce<Cai だと、Ç≠Cにより、Çe / C@j

これが承認されれば、同じ原理でイ甲乙も処理できる【はず】
これで、エ甲乙とイ甲乙の平仄が揃うことも、簡単に説明できる【はず】なのですが…

13 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 14:53:58.58 0.net
第4 ふった行と受け入れた行
ところが、具体的にふった行と受け入れた行を比較すると、話は決して単純では無い。
頭子音を並べると一目瞭然
×(ふった行)…k, ng, p, b, (m)
○(受け入れた行)…s, z, t, d, n, r

どうみても逆。あきらかに○のほうが、比較言語学的に口蓋化しやすい子音が並んでいる。
ということで、この説は単純には適用できないっぽい。

14 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 15:00:44.16 0.net
第5 議論の表裏を逆転させてみる
「受け入れた行」のほうが、口蓋化しやすいのなら、話を反転させてみる、ということができないだろうか。
つまり、eも前舌であることに変わりは無いのだから、
・受け入れた行の子音は、i(イ甲), e(エ乙), æ(エ甲), ï(イ乙) の場合に、口蓋化をしていた
・受け入れなかった行の子音は、i(イ甲)だけで口蓋化していた

こうすれば、同じ議論を適用して、イ甲乙と、エ甲乙の合流/分裂の平仄がとれていることを説明できる。

15 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 15:05:22.46 0.net
第6 補遺(弱点)
もちろん、こんなことが明らかなら、8世紀段階の森推定音の音価推定に確実に反映しているはずだ、
あれほど豊富な介音を持つ中古漢字音による転写で、
この手の口蓋化の痕跡が、森をしても発見できない、という怪奇現象はありえない、
というのが、この説の致命傷になることは、重々承知です。


口蓋化という観点は、いろんな先行研究があるので、
俺が思いつくことは、誰か確実に思いついているはずなんだよね。前スレにも近い議論があったし。

16 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 15:07:12.85 0.net
>>8
なんで別人だと言えるの?

17 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 15:08:45.12 0.net
>>14訂正です。
(訂正後)
・受け入れた行の子音は、i(イ甲), e(エ乙), æ(エ甲), ï(イ乙) の場合に、口蓋化をしていた
・受け入れなかった行の子音は、i(イ甲)、æ(エ甲)だけで口蓋化していた




18 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 15:16:33.28 0.net
第7 思考の元ネタ
もうお気づきの人も多いかも知れませんが、この発想の元ネタは、名古屋弁です。
いわゆる「でぁーこん」。「だいこん(大根)」の連母音融合なのですが、
「でぁーこん」は、決して「じゃーこん」にはならないわけです。
こういう場合に、「エァ」は「ヤー」に統合されずに保存される。
「いこめぁー」は、河村たかし名古屋市長の発音でさえ、「いこみゃー」になっているのに、
「でぁーこん」は「でぁーこん」のまま。
これは、口蓋化で子音が変化したため、「やー」と「えぁー」が合体拒絶している。

19 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 15:16:51.11 0.net
仮名遣いが2系統あって、なんかの次世代規格のようにその折衷案で統一されて、
元の仮名遣いの名残が甲乙として残っていたというのはどうかな?

20 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 15:22:17.23 0.net
>>16
万葉集や日本書紀などで、万葉仮名を用いて表記されている言語は明らかに日本語である。
(どう見ても中国語ではない。さすがにこれを否定されるようでは議論にならない)

しかし、日本書紀のα群と呼ばれる部分では、万葉仮名に使われている漢字の字音や、
文法ミス、内容などから、明らかに中国語母語話者が書いたと考えられる形跡が発見できる。

筆記者は中国語母語話者なのに、書かれているのは日本語なのだから、
中国人が自分以外の日本人の発音を聞いて日本語を表記したと考えられる。

β群については、筆記者が日本語母語話者だと推定されるから、
筆記者自身が、自分の認識している漢字音(日本語母語話者の耳なので、無気音と有気音の区別や、
kとhの区別などができていない)を元に、自分で日本語を表記したと考えられる。

21 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/24(日) 15:24:25.53 0.net
第8 おまけ
これらの母音が、複合母音だった、あるいは拗音だったという説を敷衍すると、
ひょっとすると、「万葉仮名八十音図(笑)」の「ア行」が、きれいに埋まるのかなあとも思っています。

イ乙はui起源なのですから、/wi/(ヰ)としてしまう。エ甲はiaだから/ja/(ヤ)、オ甲は/wa/(ワ)
これで、ア行はきれいに「埋まります」
ア イ ヰ ウ ヤ エ(イェ) ワ オ乙 の8つ。
ワ行も、「ヲ(甲のみ)」以外はなんとかなります。woは難問ですがね。音素論としては/wwa/なのだろうか。

22 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 15:47:33.44 0.net
>>20
中国語と日本語の定義がよくわからないからなんとも言えない。

大陸系言語話者が列島に無かったとも言えないし、国情に詳しい人が居ても
別に不思議はない気がするんだけど、なんか根拠があるのかなと。

23 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 16:42:17.35 0.net
大陸系言語の定義がわからない
国情に詳しい人の国情とはどの国か、人とはどの国の人か

24 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 16:46:38.70 0.net
漢字圏の当時の言語分布ってどうなってるの?

25 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 16:54:27.51 0.net
ええと、ちょっと横レスいれると、
β群の表記の癖は、「中国語の陝西地方出身者」と推定されるのですよ。
陝西の非鼻音化は、隋唐帝国の首都標準語を介して、日本漢字音の漢音に反映しているんだけど、
今でも、西安あたりには残っているんだよね。残っているほうが驚きなんだけど。

26 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 17:02:32.57 0.net
βじゃなかったαだった。スマソ。

27 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 17:56:32.34 0.net
>>25
それは、それ以降の変遷とされるものとは無縁な言葉が残ってたってこと?

28 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 19:11:27.97 0.net
>>25
森はα群のうち前半が續守言、後半が薩弘格という説を立てたけど
そうだとしたら二人とも長安生まれだったのかな
はるばる旧百済領までやって来て捕虜となり、海を渡って日本へ
故郷への思いはいかばかりか

29 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 20:09:51.40 0.net
関ヶ原辺りにチャイナタウンがあったんだろうか?

30 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 20:23:00.98 0.net
彼ら2人が日本語学習用に単語帳作ったというのはどう?
だから甲乙だけで丙以降が無いみたいな。

31 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 21:06:17.44 0.net
単語帳を作ったとして、甲乙のような区別ができる理由が何も無い。

彼ら2人とは違う日本人が書いたと推定される日本書紀β群や万葉集、古事記にも、
使われる字種がかなり違う(古事記ではモの甲乙があるという違いもある)にも関わらず
グループ分けとしては同じものが見られるから、その可能性は否定される。

音声言語としての上代日本語自体に見られる違いが、中国人が書記する際にも
日本人が書記する際にも反映されたと考えないと、このような現象は合理的に説明できない。

32 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 21:53:57.66 0.net
甲と乙で収集者が違った。
字を変えて書いた人がわかるようにした。

33 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 22:32:05.96 0.net
>>18
本筋とズレて申し訳ないが名古屋市長のは意図的に演じている名古屋弁、もしくは
タモリの漫才とかの影響が大きいからじゃないか?
大正生まれの祖母の発音は「いこめぁー」に近かった記憶がある。記憶だけでアレだが


34 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 23:05:24.82 0.net
>>21
オ甲乙は二重母音→子音円唇化で説明できるかと
オ甲がuo→wo、オ乙がo
これならホとモで先に音が消えたのも説明がつく
ただこれだと中国語発音といまいち整合性がとれないんだよな

35 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/24(日) 23:21:32.74 0.net
二重母音uoだったらウ用の字+オ乙用の字の二つを使って母音1個を書いてもよさそうなもんだ。


36 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/25(月) 03:06:24.07 0.net
> 699 ◆nLORzldheo さん
前スレの要点を全部貼るのは無理でもこれだけは貼ってよw
>イ甲 イ乙 ウ
>エ乙 オ乙 オ甲
>エ甲    ア

>>10-17を要約すると、
i1 = i, i2 = ï, e1 = æ, e2 = e, C = 非口蓋化子音 , Ç = 口蓋化子音 で、
 合流した行   Ci1 Ci2 Ce1 Ce2 → Ci Ce
 合流しない行 Çi1 Ci2 Çe1 Ce
かと思いきやそうではなくて
 合流した行   Çi1 Çi2 Çe1 Çe2 → Çi Çe
 合流しない行 Çi1 Ci2 Çe1 Ce2
という理解でいい?

37 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/25(月) 03:21:04.60 0.net
>>15
たしかにチ・ヂは口蓋化しちゃってるとまずいかもしれないね。
でも森も推定音は一試案だと断ってるし、特にエ段は具体的な音価については
慎重な言い回しで断定を避けてるよ。
シ・ジ・セ・ゼには口蓋化した子音を推定してるし、エ甲については祭韻 -iɛi が最も近いと言ってる。
テ・デ・ネについては漢字音側の事情でそちらから口蓋化の有無を探るのは微妙みたい。
イ甲乙の対立を子音の口蓋化の有無とする服部説を否定してはいるけど、
あくまで対立は母音の音価の違いによると言ってるだけで、イ甲が口蓋的な母音であることは認めている。

38 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/25(月) 03:36:51.72 0.net
>>21
それは上代語のア・ヤ・ワの三行の起源を4母音祖語の「ア行」一つに求めるってこと?
それとも祖語にもヤ行・ワ行はあったがア行からも一部が合流したってこと?
ヤ行・ワ行の動詞もあるよね。

ヲには複数の起源があるかもしれないと思う。
一部が *wo2 < *uə に由来するのは確かと思われる。
一部は *'o1 < *au に由来するかも?

イ乙には *ui の他に*əi に由来するものもあるかもしれないけど、
これはア行エ乙に行ったってことでいいの?

39 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/25(月) 14:45:04.70 0.net
通時的に見て上代から現代諸方言までア行、ヤ行、ワ行は音節数が少ないのがむしろ普通
他の行と同じ枠組みで考えて大丈夫なのか


40 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/25(月) 19:28:16.06 0.net
というかここまで来るとア行って概念自体に意味があるのかどうか
(子音)+(半母音)+母音 って構造で考えた場合それはもうア行ってより中古音の影母だよね。

ai,oiと対応した下降二重母音って可能性もあるui>wi?はともかく、ia,uaは上昇二重母音だろうし
二重母音でなかったとしてもia,uaに遡れるア行のエ,オ甲類はヤ,ワになるほうが自然だと思うけど

41 :699 ◆nLORzldheo :2012/06/26(火) 00:44:35.04 0.net
>>36
ありがd。
自説の説明まで省いたのは、確かに不親切極まりないものでした。
他の説ばかり気にしていて、自説の説明をすっかり失念していましたw
まとめもありがとう。その通りです。正に、大山鳴動して…です。
699母音図からの通時論を考えたので、道具立てが仰々しくなっただけで、
特に、共時的には実に平凡な見解です。共時的には甲乙の口蓋化論に帰着してしまいます。
>>37
そう言って頂けると心強いですが、まだまだザル議論ですね。口蓋化といっても、程度があるわけで、
東京方言のカ行のような、それこそ「ロシア人にしか聞き取れないレベルでの口蓋化」なのか、
あるいは、東北方言のカ行のような、当該話者が聞き取れるレベルでの口蓋化なのか。

それから、第8の「母音図」は、ある種のお笑いネタです。
きちんと議論できる人は、こだわらないでくださいなw
森推定でのア行が「5つ」なので、「ほらやっぱり。5母音は永久不滅の絶対真理なんだよ!」
と言われることを防ぐために、いわば「現代仮名遣い的」に穴埋めしました、というだけの話です。

42 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/26(火) 20:32:39.92 0.net
一番波
これなんと読むんですか?


43 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/27(水) 07:17:12.10 0.net
>>42
たぶん「一番波が速い時間」「一番波の穏やかな場所」といった句で見かけたんだと想うけど、
それで一語の単語なわけじゃないよ。この一番というのは most/more than any other のこと。
つまり「一番波の穏やかな場所= the place where waves are more quiet than in any other place」

44 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/28(木) 06:51:03.14 0.net
>>41
絶対真理というなら、むしろ音が変わるというのを絶対真理としていないかという話だな。
語族を言う場合に、変わらないといえば語族の否定になるが、孤立語ではそんなことはない、
変わりにくいから取り残されたとしたほうが説明しやすいこともある。

45 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/28(木) 13:59:33.86 0.net
孤立語にも方言差はあるだろ
隔りが小さいだけで本質的には語族と同じだ


46 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/28(木) 14:02:29.34 0.net
スレ的には関係ないけど上代以前に予想される子音の音韻変化ってどんな感じだろ

47 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/28(木) 16:12:11.85 0.net
正書法で吸収できる差が方言で、できないのが言語差?

48 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/28(木) 19:12:50.34 0.net
孤立した言語でも、過去の姿が文献記録などから判明している言語で、
長期間に渡って全く発音が変化していないような言語などない。

日本語でも、仮名が発明された後ですら、ハ行の音の変化(ファ行音→ハ行音)、
ハ行転呼(語中のハ行がワ行へ変化)、「ゐ」、「ゑ」、「を」と「い」、「え」、「お」の合流
(ウィ→イ、ウェ→イェ、オ→ウォ)、セの音価の変化(シェ>セ)、エとオの音価の変化(イェ→エ、ウォ→オ)、
「ち」「つ」「ぢ」「づ」の破擦音化(ティ→チ、トゥ→ツ、ディ→ヂ、ドゥ→ヅ)、
「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の合流(ヂ→ジ、ヅ→ズ)などが起きている。

仮名が発明された後の中央語では、たまたま母音は安定していたが、子音はかなり変化した。
上に挙げた以外にも、拗音、撥音、長音といった特殊音素の新たな確立もあった。
日本語だって決して「音が変わらない言語」などではない。
子音が明らかに変化しているのに、母音は過去どれだけ遡っても変化しなかったと考えるのは不自然だ。

49 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/29(金) 00:43:56.34 0.net
文献記録からは音が変わったのか表記が変わったのかわからない。
外国人の記録にしてもソラミミアワーの世界で、確認程度にしかならない。

>子音が明らかに変化しているのに、母音は過去どれだけ遡っても変化しなかったと考えるのは不自然だ。
変化していたものが急に安定する方が不自然。
逆に言えばその「自然じゃない」変化の理由が立証できれば説得力を持ってくるんじゃないかな?

それがないから、なんか上代の仮名遣の話というより、弥生時代とかの想定発音の話にすりかわっている印象。

50 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/29(金) 01:46:35.53 0.net
>>49
ずっと誤解しているみたいだけど、音韻変化に、その意味での自然科学的理由(因果律)は無いよ。
音韻というのは、何か知らんが、あるとき突然、勝手にしかも急激に変わる。
急に変わる時期が終わると、ゆっくり変わる時期がしばらく続くことが多い。
なぜそうなるのかは、誰も分からないし、おそらく理由は無い。
(こういう偶然的現象は、自然科学でもないわけではないけどね)

この学問、本当に面白いところがあって、自然科学的因果律を求めると、かえって真正のトンデモになる。
そのドツボに嵌まった二大巨頭が、小泉保と山口幸広。嵌まったトラップは二人とも本質的に同じ。

51 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/29(金) 02:44:36.25 0.net
>>50
> 音韻というのは、何か知らんが、あるとき突然、勝手にしかも急激に変わる。
音韻に限らず、「誤用」や言葉の流行り廃りもそうだよね。

例えば「雑誌に載っていた→若い世代にバカウケ→定着」みたいに履歴を辿ることは
幾らか可能であっても、「じゃあ雑誌の編集者はどうしてそんな言い回しを想いついたの?」
という問いには「若い世代にバカウケしそうな言い回しを考えた」という以上は出てこない。
しかもこれは単なる動機に過ぎないのであって、言葉が広まり定着した根本的な理由を
説明しているわけではないし、多分それは幾ら考えてもムリ。

52 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/29(金) 04:47:29.22 0.net
「万有引力はどのように働くか」ということは数式で説明できても、
「なぜそのような法則があるのか」という部分を辿って行くと、
最も根源的な法則が存在する理由は自然科学では説明できないのに似ている。

53 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/29(金) 07:53:03.49 0.net
モノが何故あるのかなんてことはわからないけど
どう変わるのかについては、物理化学はかなり解明しているんじゃないの?
それに比べると、なんか錬金術レベルの説明なんだよね。

54 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/29(金) 12:48:40.82 0.net
この点に関して言語学は錬金術以前だよ。
「物は落ちる。理由?知らん。」と言って説明なんて夢のまた夢の段階なんだから。

55 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/29(金) 17:05:41.74 0.net
言語ってさ、一種の慣習法だと思うんだよね

56 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/29(金) 21:00:15.86 0.net
>>53
「どう変わるのか」だったら「逆行同化」だの「順行同化」だの「軟口蓋化」だの「硬口蓋化」だの
「子音弱化」だの「母音割れ」だの、色々な説明があるじゃん
そういうのじゃだめなの?

というか、言語学の説明が拙かろうかどうだろうが、言語が必ず変わっていくのは事実だし
逆に2000年間も変わらなかった言語は一つたりとも実証されていない

57 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/30(土) 07:15:30.17 0.net
言語が必ず変わるという事実はない。あるなら出すべき。

変わったといわれるそれらは別の言語であり、似ている事実はあっても変わった事実はない。

58 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/30(土) 09:35:22.70 0.net
で、上代特殊仮名遣いとの関係は?

59 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/30(土) 10:57:33.00 0.net
>>56
ワガ+イヘ→ワギヘ 「逆行同化」
ワガ+イヘ→ワガヘ 「順行同化」

個々の現象は「説明」できるが、相反する二つの現象がなぜ共存するかは「解明」されていない。

60 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/30(土) 15:51:05.76 0.net
昭和時代の日本語と今の日本語も別の言語であって変わった事実は無いと言えるの?

61 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/30(土) 16:08:54.38 0.net
>>46
魏志倭人伝を見るとhがあったらしいね。上代語には無いから消滅したんだろう。
あと村山七郎が唱えた語頭濁音説もあるね。
他にŋとかもあったかもしれないし、
あと前スレでsが無くてtsがあるのは変だって言ってた人がいたけど
もしかしたら上代以前は両方あったかもね。
〜サメ(雨)、〜シネ(稲)とかも何かの子音の痕跡かも。


62 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/30(土) 19:56:08.02 0.net
魏志倭人伝が九州で採集したからH音があるかもしんない。


63 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/30(土) 19:58:33.54 0.net
一行で書き込んでしまった。
つまり、記紀万葉は畿内方言で書かれてるからH音がないけど、
九州ならあったとかあるかもしれない。魏志倭人伝にH音があるなら。
そう考えると、魏志倭人伝のH音も説明がつく

64 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 00:56:29.32 O.net
>>54 それで問題はない。物は何度でも落として実験できるが、言語の特定の通時的変化は 1 回限りだ。類例を集めて法則のようなものを考えたとしても、予測どおりになるかどうかを確かめることはできない。
言語学、特に史的言語学は自然科学にはなれないし、それを目指してはならない。医学や心理学も、真の人体実験は行えない (許されない) という点では言語学に似ている。自然科学より高次の「人間学」というべきだろう。

65 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 08:18:45.97 0.net
>>61
d
スペイン語では「h」音が3度なくなって4度目が現れてるらしいし
消えては生まれる子音だよね

66 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 10:31:33.23 0.net
>予測どおりになるかどうかを確かめることはできない。
天候だって一度きりの変化だけと、予報は可能。
結果を知らなければ明日だろうが10年前だろうが一緒だし。
つまり、予測できないのは単純にデータ不足なんじゃないの?
競馬の勝ち馬と同じだったら学問なんて言えないよ。

67 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 13:46:23.56 0.net
>>66 気象予報そのものは自然科学ではない。
自然科学と統計学を応用して予測しているんだが、小さな実験はできるはずだ (風洞など)
翌日には結果がわかるので統計にフィードバックできる。
上のような条件が調わない地震予知は全く実用に至らない。

68 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 16:58:17.27 0.net
自分の言ったこと忘れるなよ。携帯とPCで別人のフリをしてるのか?

1回限りだから予測を確かめられないと>>64は言っている。
それに対し、
1回限りでも予測が確かめられる反例を挙げて、
データ不足だからそもそも予測がされないと>>66は言っている。

69 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 17:11:07.41 0.net
>>68
> 1回限りだから予測を確かめられないと>>64は言っている。
言っていない。>>64 をよーく読んでごらん。

70 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 17:18:03.05 0.net
言っていないことを立証するか、同一人物であることを証明すべき。

71 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 17:23:10.17 0.net
>>70 君が「言っている」と思うなら、「言っている」ということでいいんじゃないの?w
ここにジャッジはいないし、「こいつ誤読してるな」と思っても、いちいち指摘するとは限らない。

72 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 17:24:15.84 0.net
それは学問ではない という話だろ。

73 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 17:33:30.06 0.net
とにかく、>>57のように混ぜっ返す行為には意味はない。
「言語は変化しない、変わったと言われるそれらは別の言語だ」というのなら、
上代日本語と現代日本語も別の言語だ。
そして、別の言語である以上、母音体系が同じである保証など何もない。

74 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 17:36:20.66 0.net
>上代日本語と現代日本語も別の言語だ。
母音体系が違うと言えるなら、別言語と言ってもいいんじゃない?

75 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 17:48:08.75 0.net
>>72 実験室で再現できず、周期的に繰り返されることもない現象を扱うかぎり、真の自然科学にはなりえないってことだよ。

76 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 18:02:20.83 0.net
>>75
実験室で再現するのは、証明する手段の一つでしかない。
そもそも、光子の有無で挙動が変化してしまうような世界の話じゃない。

77 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 18:21:35.09 0.net
ある特定の一人が喋る言語ですら、人生の間で変化していくのにな。
語彙はもちろんだが、音韻体系だって、言語習得期を過ぎてもある程度は変化することがある。

78 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 18:23:14.78 0.net
1人の人間が別言語を喋ることはあるんだから、言語変化の証明にはならないけどね。

79 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 18:32:26.54 0.net
>>68-71
横からだが >>64
>言語の特定の通時的変化は 1 回限りだ。類例を集めて法則のようなものを考えたとしても、
>予測どおりになるかどうかを確かめることはできない。
>>68
>1回限りだから予測を確かめられない
と解釈したわけだな。元の説明もアレだが後の要約もアレだな。

「変化はその時限りの個別的なものであり、類例から帰納的に法則を見出して予測を立てたとしても
その予測の通りになるというものではない」ってことだろ、>>64 は。
なにしろ光子などと違って、類例サンプルが法則を持つ程に等質である事は証明できないからな。

80 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 18:36:36.40 0.net
結局サンプルデータ不足なんだろ? ごちゃごちゃいわなきゃいいんだよ。

81 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/01(日) 18:47:47.50 0.net
理論から予測したものが適合しないなら、その理論がダメダメだって話でしかない。
それを指摘しない態度は学問的じゃないね。

82 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/02(月) 00:41:13.81 0.net
>>76
> 実験室で再現するのは、証明する手段の一つでしかない。
いや、極言すれば唯一の確実な手段だ。
天文学は例外的。

>>80-81 サンプル数は統計的精度を高める (だろう) というだけのこと。
あしたの天気を予測するのも、医者が効くだろうと予測して投薬するのも、本質的には勝ち馬予想と変わらない。
人工衛星の軌道を予測するのとは本質的に違う。君はそれがわかってないからダメダメなんだよ。
言語変化の予測などやっても、適合するかどうか判明するのに少なくとも数十年、多くの場合 100 年以上かかる。
さらに、当たったとしても何ら実益をもたらさない。全くの無価値。
気象予報や医学は、当たる確率が高ければ大きな実益をもたらす。その点も勝ち馬予想と全く同じ。
自然科学であるかどうかなんてどうでもいいことだろう。

83 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/02(月) 05:23:51.94 0.net
>>82
例外があって唯一とはどういう思考回路なのか。

軌道予測とは本質的に違うとはなにか?
実益性は学問の要件ではなく、むしろカテゴリ違いだ。
ではラプラスの魔のようなものが居るとでも思っているのか?
それなら月周回衛星はもっと長生きさせられるだろう。
昨日のうるう秒の原因はなんだ?
違うと言うだけ言ってその違いを説明しないトンデモはダメダメだ。

何事も誤差は当然あって、その範囲も計算予想できれば実用可能なだけ。
そのふり幅が一つでも違っていれば大惨事であり、科学技術はそういうもの。

学問を商利用するのは勝手だが、学問を実益と区別できない奴は荒らしでしかない。
どうでもいいことなら他カテゴリの板へ移れ。

84 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/02(月) 16:43:50.13 0.net
>>83
> 例外があって唯一とはどういう思考回路なのか。
ほらまた「極言すれば」を見落としたw

> 軌道予測とは本質的に違うとはなにか?
わからなければよろしい。

> 違うと言うだけ言ってその違いを説明しないトンデモはダメダメだ。
ほんとにトンデモだと思ってるのかねw
計算にミスがなければ必ずこうなるというのは、確率の問題じゃないだろ。
確率はどんなに高くても、最後の最後は賭けなんだよ。

> 学問を商利用するのは勝手だが、学問を実益と区別できない奴は荒らしでしかない。
実益=商利用と短絡するのは性根がさもしい。医学は実益を前提とした学問だ。
「気象学と天気予報とはイコールじゃないんですが」と気象学者はよく言う。
それ自体自然科学とはいえない、実益を目的とした気象予報を持ち出すのがおかしい。

> どうでもいいことなら他カテゴリの板へ移れ。
物理学や化学のような「科学の共通語」、実験室的自然科学のみを「学問」と呼ぼうとしたのがそもそも間違い。
対象の性質によって、学問にはさまざまな方法論がある。予測行為とは無縁な分野があっても何らおかしくない。
全部学問だ。差別をするなってことだよ。

85 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/02(月) 17:25:45.07 O.net
またこの二人の言い争いか。
言語学板なのに、自然科学の論理について長文で言い争うのが好きだねえ。
去年か一昨年にもこのスレで延々と言い争ってたっけ。
このモードに入ると周りの迷惑も省みず板違いな論争を続けるから厄介だ。
一ヶ月くらいは言語学の話ができないかもしれない。

86 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/03(火) 09:22:43.09 0.net
知識はあっても周囲の状況が読めない、読まないという点では
一種のキチガイといえる

87 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/03(火) 10:01:02.42 0.net
言語学が何を目指すべきかは重要な問題であり、上代特殊仮名遣をどう扱うべきかという個別のテーマにも当然関わって来る。
板違いでもスレ違いでも気違いでもない。

88 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/03(火) 17:47:30.99 0.net
ならせめて言語学に関わる形で議論をしてくれ。
俺だって自然科学には興味があるが、ここには上代特殊仮名遣いの議論をしに来ているんだ。

89 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/03(火) 17:48:34.14 0.net
>>86
キチガイが周囲の状況から浮いてるのがわかる電波なら問題ないさ、
周囲の支配を許してしまってカルト化してるトンデモが問題なんだよ。

90 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/03(火) 18:03:50.01 0.net
>>88
学問とギャンブルの区別がつかないゲーム脳には無理だろ。
勝っても負けても「損はない」のが学問で、「損がない」ように仕込むのが商売
ということがわからないので、議論が台無しでも負けなければいいと思ってるんだよ。

91 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 01:05:26.26 0.net
>>90
ここで熱心に自説を書く何人かの人は自説の弱いところも書いた上で
他人の批判により自説を洗練させようという謙虚さがある
(藤井を除く)
議論にはそういう柔軟さが必要だよね
勝つことが目的化した人はその点でやっかい

92 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 02:50:38.92 0.net
>>88 言語が時間とともに変化した事例は数多くある。
将来の変化まで予測できるような法則が見出せないとしても、上代と後の時代とで音が変わったということは十分ありうるし、
そう考えることは不合理でも非科学的でもない。
わかりやすい話だと思うが。

>>90
> 勝っても負けても「損はない」のが学問で、「損がない」ように仕込むのが商売
商売の話などしていない。こいつはいちいち藁人形だからどうしようもない。
医学は万人の実益のためにある。理念としては。
天気予報は自然科学なのか、そうでないのか。または学問なのかそうでないのか。
天気予報は利用する人の実益のためにあるんじゃないのか。
ノイズがなければ 100 パーセント成立する、物理学や化学の法則のような予報は可能なのか。
可能なはずだと信じてそれを目指しているのか。
あるいは、物理学や化学の法則も統計的事実にすぎず、これまでたまたま例外がなかっただけなのか。
よーく考えてみることだな。

>>91
> 勝つことが目的化した人はその点でやっかい
藁人形論法はその典型。

93 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 05:00:22.84 0.net
「言語は必ず変わる」という命題を否定するのは、「人は必ず死ぬ」という命題を否定するようなものだと思った。

94 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 08:55:38.22 0.net
>>93みたいなのがトンデモ。

人のいずれかが死ぬのは確認できるが、言語のいずれが変わるのは確認されていない単なる信仰。
んで確認するために実験室が居るだのいやそんなものは要らないだの天文学が例外だのって話で
脱線していったのに、最初からわかってない人も居るんだよな。

95 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 12:32:59.70 0.net
ググってもよくわからんのだけど大野説って4母音?8母音?5母音?
というか時期によって変遷したのかな

96 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 13:33:10.75 0.net
>>92
勝ちに拘るギャンブラーさんにまともな商売の話ができるわけないのだから、
あなたについての話だというでっち上げこそが藁人形論法なんだけど、まあ自覚ないんだろうな。
商売人とはここで言うならコテハンの彼であって、どう考えてもその存在は藁人形とは言えない。
名無しのギャンブラーさんが操り人形の可能性はわからないけど。

97 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 15:13:43.55 0.net
サンプル数が足りているかいないかを言い争っているのか。
それってここでやってて結論出るのかな。

98 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 17:41:12.70 O.net
言語変化自体を否定するなんて頭がおかしいとしか思えない。
日本語の発音が太古の昔から一切変わっていないとでも主張するのだろうか。
ただの無意味な混ぜっ返しにしか思えない。

99 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 18:13:43.69 0.net
>>94
これまで、複数の時代の姿が確認された言語は、全て何らかの変化を起こしている。
逆に、全く変化しなかったことが確認された言語は無い。

「反例があるかもしれない」というのなら、「死んでいない人が見つかるかもしれない」ということだってできる。

100 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 18:37:16.85 0.net
変化を否定したところで、それが不変の主張になるわけじゃないけどね。
鉛が金になるのもアイヌ語が標準語になるのも、変化したと思いこむ奴は手品のカモってだけ。

101 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 19:36:27.10 0.net
>>94
> 言語のいずれが変わるのは確認されていない単なる信仰。
すべて必ず変わるとは私は言っていない。
変わらなかったと仮定すると、上代特殊仮名遣についての説明は、変わったと仮定した場合より複雑になるから、
変わらなかったとする仮説には乗れないということ。

> んで確認するために実験室が居るだのいやそんなものは要らないだの天文学が例外だのって話で
> 脱線していったのに

>>54
>「物は落ちる。理由?知らん。」と言って説明なんて夢のまた夢の段階なんだから。

重力が万有引力の 1 つの現れであることは天体観測から導かれ、万有引力定数はキャヴェンディシュの実験装置により求められた。
全く脱線していない。

102 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 20:30:09.01 0.net
変わる前後の姿が確定してはじめて、「変わった」という主張が仮説となるであり、
前の姿がわからないのがそもそもの問題であって、最初から違うと主張すればその仮定すら困難になる。
とりあえず変わっていないと仮定し、その説明が破綻することで変わったことが主張できるだろう。
しかし、より複雑になるとは主張するものの、破綻するという主張はない。

物理は実験室という条件を仮定することによってその他の項を誤差として無視した
式を求められるというだけであり、シンプルな式の方が正しいわけではない。
それはあくまで固定した条件の時の近似式にすぎない。

103 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 22:49:40.52 0.net
>>102
> 変わる前後の姿が確定してはじめて、「変わった」という主張が仮説となるであり
説明すべき現象はわかっている。後代とは異なる書き分けがなされている上代の文献の姿だ。
それが何を反映しているかがわからない。
音が「変わっていない」と仮定することと、「変わった」と仮定することとはあくまで対等だ。
いや対等じゃない、変わっていないと仮定する方が優先されると言い張るなら、それこそ信仰のようなものだからどうしようもない。

> しかし、より複雑になるとは主張するものの、破綻するという主張はない。
仮定を加えることは可能だから、破綻はしない。
しかし、仮定が多く複雑になったら支持できない。

> シンプルな式の方が正しいわけではない。
シンプルな方を正しいと見なすんだよ。
誤差として無視できない、説明すべき現象が新たに示されたら、前の仮説は書き換えられる。

104 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 22:57:58.40 0.net
>シンプルな方を正しいと見なすんだよ。
複雑な方に書き換えられる例が見つかる時点で、シンプルな方が正しいとみなせるという説明は破綻している。
あとは宗教裁判でしかない。

105 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 23:20:07.05 0.net
>>104
> 複雑な方に書き換えられる例が見つかる時点で、シンプルな方が正しいとみなせるという説明は破綻している。
見つかるか見つからないかわからないから、見つからない間はシンプルな方を正しいと見なすというルールになっている。
科学史上、見つかって複雑に書き換えられた仮説もあるし、まだ見つからなくてずっと生き続けている仮説もある。
「正しい」=「真理」ととらえるなら、真理は 1 つのはずだから、確かに破綻している。しかしそれでよい。
人間は真理を知ることはできない。

> あとは宗教裁判でしかない。
話が全く逆。1 つの真理を求めるから宗教裁判に陥るのであって、学問を「現象説明ゲーム」にとどめておけば、そういうことにならなくて済む。
ルールに従ってゲームをしよう、ゲームであるからには勝負を楽しもうということ。
勝っても負けても、その判定がいつまで有効かはわからない。時代が移り新事実が報告されて、かつての勝敗が逆転することはしばしばある。

106 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 23:38:54.95 0.net
ゲームにおけるルールというのは、双方(と審判)の合意により成立するものであり、
そんな合意はどこにも存在していないから勝手なルールは無効である。

そしてここはそんなゲームをする場ではなく、学問のカテゴリである。
学問がゲームなどというのは、ギャンブラーさんの一方的な主張にすぎず、一般的ではない。

107 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 23:50:02.26 0.net
てかさ、「言語は永久に変化しない可能性がある」というのは、明らかにトンデモだぞ。
この理由は、
「伝言ゲームを何回やっても絶対に一度も間違えないのは、全知全能の神様だけである」
ということによる。
言語が、人の間のコミュニケーションに関する記号であって、エホバとアラーの間のツールではない以上、
使われていくうちに、必ずどこかが変化する。大抵はそれはバグとして始まる。
このようなことは、意思が介在しない自然科学の世界でもあることで、
>>94が使っているパソコンのOSも、西暦2200年になっても全くバグが発生しないということはあり得ない。
要するにエントロピー法則と、本質的には同じものだ。
だが、人間には意思というものがあるから、偶然と確率論以上の何かが生まれてしまう。
それが言語学の面白いところだし、非自然科学である所以でもある。
自然科学だと言っている人は眉唾w

108 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/04(水) 23:53:46.78 0.net
>>107
言語の定義が厳格であれば、言語は永久に変化しない。
新しい言語がうまれることは当然ある。

109 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 00:05:20.64 0.net
>>106
> 学問がゲームなどというのは、ギャンブラーさんの一方的な主張にすぎず、一般的ではない。
学問のプロなら全員が受け入れている、一般的な考え方。
・観察される現象を十分に説明できる仮説である
・それより少ない仮定をもって現象を説明できる (よりシンプルな) 仮説がない
この 2 つにあてはまると判断したとき初めて、プロの学者は自分の仮説を論文にしたり、学会で発表したりする。
読み手や聴衆、ジャッジであるプロも、このルールに合意している。
客観的には上にあてはまらない場合も多いが、それは主張した学者の過失や能力不足であって、ルール無視ではない。
明らかにルールを無視した内容のことを書いたり話したりすれば、プロ失格の烙印を押されるだろう。

>>105
> 勝っても負けても、その判定がいつまで有効かはわからない。時代が移り新事実が報告されて
補足しておくと、新事実は出ないが、よりシンプルな説明が提示されて、勝者が交代することもある。

110 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 00:14:24.22 0.net
プロはそれが職業であり、商売。
学問は商売に利用できるが、商売ではない。
その違いがあいかわらずわかっていない。

ここでプロを名乗ってるのは総スカンの人だけじゃないか?

111 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 00:14:38.64 0.net
もうさあ、「言語は永遠に変化しない」とか主張してるこの一人の馬鹿は、邪魔だから出ていってくれないかな。
何か意味のあるネタを提供するわけでもなく、単に茶々を入れてるだけだよね。
まさか本気で、奈良時代の日本語も現代と全く同じだったと主張したいわけでもないだろうし。

>>108のような「厳格な定義」をすれば、普通に日本語で会話しているAさんとBさんだって
実は別の言語を話していることになるし、Aさんが10時半に話した言語と10時45分に話した言語だって別の言語だ。
Aさんが10時40分に新しい単語を覚えて、Aさんの日本語の語彙が変化したように見えるかもしれないが、
10時半のAさんの言語と10時45分の言語は別の言語であり、似ている事実はあっても変わった事実はないということになる。
10時40分に新しい言語が生まれたのであって、これは一人の言語が別言語を話す事例に過ぎないことになる。

だが、こんな「厳格な定義」に何の意味があるのだろう?馬鹿馬鹿しい。

112 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 00:19:57.04 0.net
>>111
バカな話に突っ込むバカがバカなだけ。

トンデモでもナンデモない。

113 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 00:24:15.28 0.net
>>108 新しい言語が生まれて、古い言語とは違う音韻体系をもっていたという場合も当然ある。
それですべて解決するだろw

>>110 科学史上の重要人物のほとんどが、それこそプロ中のプロたちだったぞ。
どう説明するの?w

114 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 00:27:50.39 0.net
>>108>>108>>108>>108

はい終了。
この発言が得られたので、この問題は解決した。
紛う事なき見事な馬脚。
前スレの藤井といい、ある程度泳がせたほうが、面白い結果が生まれる気がするw

115 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 00:35:16.74 0.net
>>113-114
別の言語だったら、変化だと仮定した時の話がすべて破綻するんだよ。

116 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 00:56:19.68 0.net
世にも珍しい錬金術の実演
野次馬 「最初よく見えなかった、元々金だったんじゃないのか?」
錬金術師「すり替えたんだから鉛だったに決まってるだろ、疑いは晴れたか?」
野次馬 「それ普通の手品じゃん」


117 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 03:22:35.43 0.net
>>115 上代日本語と後代の言語とが別の言語だったとしても、上代特殊仮名遣について、上代語に 88-89 音節の区別があったとする説明は、何ら影響を受けない。
どこも破綻しない。完全解決。

118 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 03:53:13.66 0.net
88音節の朝鮮語で完全解決か、よかったね。

119 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 04:20:09.51 0.net
>>118 朝鮮語か何か知らないが、上代語は後代の言語とは別の言語だったというなら、
「現代日本語と同じ音節数だったかも」と疑ってみる必要は全くない。
88-89 音節あったとする説明が最もシンプルだ。完全解決。

120 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 04:39:46.63 0.net
>>59
そりゃ、さいごの「へ」がミソだろ。
この場合は、同化によって発音コストが下がるが、どっちにしても結果は同じ。
これが前後によって発音コストが変われば、発音コストの低い方に変化するだろう。

121 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 06:26:27.62 0.net
>>115
「同じ言語が変化した」「別の言語が新しく生まれた」

同じ現象を言い方を変えて言っているだけで、結局言っていることは同じ。
88音節の上代日本語が滅び、48音節の中古日本語が生まれた。何の問題もない。

上代日本語、中古日本語、中世日本語、近世日本語、現代日本語は似ているだけで別の言語。
各時代ごとに古い言語が滅び、新しい言語が生まれたということ。
別の言語なのだから、音韻体系が全く同一である必要性など何一つ無い。
これで満足したか?バカ。

122 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 07:09:25.00 0.net
おぅ、やっと終わったか。

で、699 ◆nLORzldheoのイエ甲乙の口蓋化説に対して疑問なんだけど
唐代中国語では口蓋化のある・なしは結構厳密に区別するもんだけど
森推定音でイエの甲乙はそれ反映してないっすよね?

123 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 08:22:54.38 0.net
>>121
どこが同じなんだ?
変化と違って、新しく生まれる場合には音韻上の制約はない。

124 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/05(木) 17:46:41.07 O.net
>>123
音韻上の制約が無いなら、なおさらそれまであった言語と同じ保障はない。
上代日本語と現代日本語は他人の空似であって、
上代日本語の母音体系を考えるときに現代日本語の母音体系に縛られる必然性は一切無いということになるな。

125 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/06(金) 07:33:28.16 0.net
音韻が同じ必然性が一切無い別の言語の音韻を推定することはできない。

126 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/06(金) 07:43:42.94 0.net
現代日本語や中古日本語から推定しなければいい。
現代日本語や中古日本語を一切忘れて、上代特殊仮名遣いから純粋に上代日本語の姿を観察すれば、
音節が88または87種あることが分かる。

48種などと考えるのは、中古日本語の考えに引きずられた考え方。
中古日本語と同じ必然性は一切無いのだから。

127 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/06(金) 08:07:36.84 0.net
>音節が88または87種あることが分かる。
そんなことはわからない。
音が一切なく、筆談していたかもしれない。

128 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/06(金) 09:39:21.93 0.net
つまり上代日本語は世界初の音を持たない人工言語だったというのかwww

129 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/06(金) 15:40:22.50 0.net
>>108で決着して、
こいつの言っていることには、一切学問的意義・価値は無いことが判明したから、
もう、何を書こうがディスって、通常の議論を始めようかと思うんだけど、
まともなみなさんはどう思われます??

>>127
     (´・ω・`)
   /     `ヽ.   お薬増やしておきますねー
  __/  ┃)) __i |
/ ヽ,,⌒)___(,,ノ\

130 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/06(金) 16:13:40.02 0.net
>>129
そもそも板違いギャンブラーの相手をするなって主張だろ。


131 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/06(金) 20:52:11.18 O.net
ただの嫌韓厨が何をほざくか>>118

132 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 00:06:50.48 O.net
朝鮮語は1000音節以上あるからな。

133 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 00:20:55.76 O.net
エ乙は本当に二重母音だったのか?
中国語側の事情で二重母音を持つ字で書かざるを得なかっただけで、
本当は単母音だったのか?

134 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 00:25:55.46 0.net
万葉集の文字全部拾ったら1000位になるんだっけ?

135 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 02:09:04.07 0.net
甲音と乙音を移した漢字の読み方の差はどんなふうになってるんだっけ
必ずしも同じ文字を移した漢字でも全部の母音が一致してないのもあったような

136 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 02:54:51.67 0.net
高秀晩 上代日本語の母音体系について
ttp://repository.cc.sophia.ac.jp/dspace/handle/123456789/3969

この人の説は過去スレでもたしか出てないと思うけどどうだろう?
イ乙とエ乙が二重母音だったと言っている。
ア/a/、イ甲/i/、ウ /u/、エ甲 /e/、オ甲 /o/、オ乙 /ə/
イ乙/ïi/、エ乙/ai/


137 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 03:17:51.21 0.net
朝鮮文字は確か1万以上のコード領域を専有しているとか聴いたが

138 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 10:56:43.41 0.net
>>136 語源的に i2, e2 が二重母音に遡る可能性は高い。
しかし、母音連続を嫌う奈良時代の日本語の段階で、まだ二重母音のままだったと考えるのは無理がある。

139 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 22:46:38.83 0.net
森が言うように日本書紀の段階でまだエ乙が二重母音であったなら
イ乙も二重母音でもおかしくないと思うけどな
漢字音から見てもそれを否定できる確たる証拠は無いよね?

140 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 22:55:37.20 0.net
そもそも日本書紀の言語って公用語だろ?
実在言語、つまりどこかの方言である必要ってなにかあるの?

141 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 22:57:11.34 0.net
歌謡は歌われるものなんだから音声言語として実在する必要があるだろう。

142 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 23:00:48.97 0.net
漢字音を追究することも大事だとは思うけど、結局は近似値だからね。
正確な音価は永遠に謎なんだろうな。

143 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/07(土) 23:07:10.50 0.net
別にめいめいが勝手に読めばいいじゃん。
翻訳しようが読み下しだろうが表現力の一部と言えるし、
読めない楽譜は歌えない。

144 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 00:30:37.19 0.net
めいめいが勝手な歌を歌うというのも、あまりありそうにない話だ。

145 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 01:05:38.93 0.net
作詞作曲で歌が決まるなら、紅白に歌手は要らないんじゃないの?

講義だって、先生が1人ならそれをひたすらおぼえるだけだけど、
複数居れば勝手なことを言ってる筈。
そういう場合信じない方を捨てるか、両方が立つような話を書くのが普通だけど、
両論併記してあるのが書記の評価の高さでもあるし。

146 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 02:54:42.37 0.net
いろいろな歌手がカヴァーしている曲でも、めいめいが勝手に歌っているわけではない。
同じ曲だという保証はある。
日本書紀の場合、言語でなくて内容を伝えることが目的の部分は、漢文で書いてある。
音仮名で記した歌謡は、やはり言語を伝えることが目的だったのだろう。
要するに、このとおりに歌えと。書かれた当時の人には一定の読み方ができたと考えるのが妥当だよ。

147 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 05:44:41.54 0.net
言葉は意味を伝えるためにある。
言語を伝えるという概念があれば、周辺各国の言語の状況ももっと判明していい筈。

結局、内容が確かであればいい話であって、誰でも知ってるものはご当地の人に聞いたほうがはやい。

148 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 06:48:38.93 0.net
>>140
日本書紀ならまだともかく、万葉集なんて東国方言の歌が大量にあるぐらいだから
実在言語でないと言うのはむちゃくちゃ苦しいぞw

149 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 15:03:52.78 0.net
通用する地域が広がる程、どこかの一方言と言うのはあやしくなる。

似非関西弁を大阪弁と言いはるようなものじゃないか?

150 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 15:35:13.43 0.net
日本語の方言を分析した結果、琉球語も含めた日本語族の祖語は2000年くらい前に作られたっていう結果が出てなかったっけ
そうであれば、祖語成立から700年程度しか経っていない日本書紀の時代は
今より方言差が少なかった可能性がある

151 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 15:41:39.59 0.net
一定率の変化を前提としなければ、その手の計算は成立しないでしょ。

152 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 15:57:07.87 O.net
>>149
万葉集の場合、多数の方言の寄せ集めとみたほうがいい。
時代的にも100年以上のばらつきがあり、決して単一の時代の単一の方言を反映したものではない。

153 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 16:09:52.82 0.net
結局、東歌は訛って読むべきなの?それとも統一発音で読むべきなの?

154 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 21:22:43.83 0.net
>>153
仮名文字50音で、音を強引に11世紀標準に平準化してぶっ潰し、
更に歴史的仮名遣い読みで、もう一度21世紀標準までぶっ潰しているんだから、その質問は全く無意味。
音韻としては、もはや原形をとどめていない。
アメリカ人が、日比谷を「ハァーイバイイエエイ」
四条河原町を「シャァイジェョケャウウロウメエェィチャァイー」
と読むのとほとんど同じレベル。

まあ、潰し方に法則がある限り、まあ文学鑑賞としては好きに読めば良いんだよ。
イヨンヒみたいな妄想は勘弁して欲しいけどw

155 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 22:19:23.16 0.net
>>153 現代人が訛って読むって、どうやると?

156 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/08(日) 22:46:25.13 0.net
>>146が一定の読み方があるって言ってるのは嘘なの?

157 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/09(月) 00:02:01.02 0.net
>>146 は「あった (はずだ)」と言っている。「ある」とは言ってない。

158 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/09(月) 01:31:16.66 0.net
「あった」と言うなら、少なくとも死語としては「ある」筈だよね?

159 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/09(月) 01:51:53.34 O.net
あったはずなのは読み方であって、語ではない。読み方は人に属し、読めたはずの人はすべて死んでいる。つまり死語も読み方も今はない。

160 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/09(月) 01:59:11.22 0.net
話者が死んでいれば死語であって、死語すら存在しなければ事実無根。

161 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/09(月) 07:06:24.31 0.net
>>153
現代日本語で関西弁を読む時とほぼ同様でええで
文字をそのまま読めばおおよそ再現できるけど
/u/の円唇化みたいな情報は欠落するから注意が必要やな(アドバイス)

162 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/09(月) 08:02:03.93 0.net
>>160 読み方は語ではないから、死語とは無関係。
まあ、読めたはずだというのは「事実無根」だな。
古代人もマスターベーションしただろう、とかいうのと同趣w

163 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/09(月) 08:11:58.73 0.net
仮名遣いは読み方だから、語とは無関係だと?

結局、ギャンブラーが言うことに根拠はないって話だな。
あったらゲームの賭けが成立しないだろうし。

164 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/09(月) 20:02:09.38 0.net
「仮名遣い」は「一定の読み方」 (>>146) ではない。

165 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 09:02:40.68 0.net
南蛮人のラテン字日本語、妙にcとqとkが書き分けられてるんだけれど
日本人は別段区別していないカ行の音なんだよねー。


166 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 09:39:40.09 0.net
>>165 語によってどれを使うか決まっているなら、当然 (少なくともポルトガル人にとっては) 違う音だったんじゃないかと疑われることになる。

167 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 09:58:00.89 0.net
語によって違う音であれば、同じ字に違う音価があることになり、字の違いを音の違いと言えなくなる。

168 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 10:01:40.72 0.net
>>167
> 語によって違う音であれば ←×
○語によって違う字であれば…

169 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 10:02:57.07 0.net
>>168
>>166は字が違うとは言っていない。

170 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 10:05:28.64 0.net
>>169 >>166 は「違う音であれば」とも言っていない。

171 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 10:06:46.19 0.net
>>170
疑われることになる(誰にだ?)と言っている。

172 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 10:09:48.84 0.net
「語によって違う音であれば」とは言っていない。
そんなことを疑うのは研究者に決まっている。

173 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 10:12:33.10 0.net
>語によってどれを使うか決まっているなら、当然違う音だったんじゃないかと(研究者に)疑われることになる。


174 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 10:15:53.75 0.net
つまり、ギャンブラーさんは研究者が疑うことに賭けてるだけで、自分は別に言ってないってことだね。

175 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 11:02:20.05 0.net
そんな研究がないところを見ると、語による文字の書き分けはされていないのだろう。

176 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 17:49:51.06 0.net
>>165
それは音節による書き分け。
カはca、キはquiまたはqi、クはqu、ケはqueまたはqe、コはcoと書かれていることが多い。
キをci、ケをceと書かないのは、当時のガリシア・ポルトガル語で、
ci、ceがそれぞれ [si]、[se] と発音されたからだと考えられる。
ガがga、ギがgui、グがgu、ゲがgue、ゴがgoとなるのも同様に、ポルトガル語側の事情。

177 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 19:32:33.93 0.net
ユキ (雪) のキは必ず 'ki' だがツキ (月) のキは必ず 'qi' だとか、
そういったのでないと、このスレには関わりがない。

178 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 20:40:35.23 0.net
Nippon go no [ca ci cu ce co] wa [c] de tooitu site, caite yoi to omohu.


179 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/10(火) 21:32:15.30 0.net
日本人キリシタンの書いたローマ字とかないの?

180 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/11(水) 22:20:10.66 0.net
Aru, Nippongo syou ziten, Rodregez no hon, Iwanami bunko bon.
1620 nen .

181 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/14(土) 06:28:07.19 0.net
それバレテンが書いたんじゃないの?

日本人かどうかで転写に違いが認められなければ音の聞き分けと書き分けの関係は言えないね。
教わった綴りでそのまま書いただけだ。

182 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/14(土) 09:39:43.23 0.net
語による書き分けがないなら、誰が書こうと問題にならない。>>177
あとバレテンじゃなくてバテレン (伴天連) な。Padre (神父、司祭) の訛り。

サンディエゴ・パドレスは、街の歴史にちなんでそのニックネームにしたんだろうけど、
選手全員がカトリック神父であるかのような印象を受ける。
日本人にはわかりにくい感覚だ。

183 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/14(土) 14:02:45.89 0.net
>語による書き分けがないなら、誰が書こうと問題にならない。>>177
177だと言えなければ違うことを書こうと問題にならない。

音の聞き分けと書き分けの相関性が問題。

184 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/14(土) 22:44:28.70 0.net
>>177 は正しい。上代特殊仮名遣とは、要するに >>177 のような現象だ。
われわれに与えられているのは昔の文字と語だけであって、紙の資料から音は聞こえて来ない。
「何種類の音があったか」は根拠をもって推定できるが、「どんな音だったか」は憶測にとどまる。

185 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/14(土) 22:50:23.96 0.net
183で言っているのはそんなことじゃない。
「誰が書こうと」の「誰」が117だと言えなければ別の主張で当然だという話。

186 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/14(土) 22:56:18.48 0.net
>>182 の「誰が書こうと」は、当然「ポルトガル人が書こうと日本人が書こうと」という意味。

187 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/14(土) 23:58:16.19 0.net
>>183は「誰が書こうと」とは書いていない。182でない別人が問題の提示、
つまり「違うこと」を書いている。


188 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 00:18:06.74 0.net
>>187
> >>183は「誰が書こうと」とは書いていない。
書いている。>>182 を引用している。

189 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 00:19:38.87 0.net
引用しているのだから書いていない。
それとも同一人物だと証明できるのか?

190 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 00:34:58.31 0.net
>>189 引用しているのだから、書いている。
同意するにも反対するにも、まず引用元の意図を正しく理解しなければならない。
スレッドにも文脈というものがある。
>>183 >>185 >>187 >>189 の主張は、誰にも理解されないだろう。

191 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 00:37:44.95 0.net
証明できないのだから書いていない。

別人が別のことを書いているのだから、意図が違うのは当然だ。
その意図を正しく理解せよ。

192 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 03:00:46.44 0.net
>>191 支離滅裂w

193 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 03:29:02.58 0.net
支離滅裂なのは>>188の方
もし、引用しただけで書いたことになるのなら、>>188は「書いていない」と書いたことになる。


194 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/15(日) 08:39:37.80 0.net
お前らバカじゃないのかこのやりとりw
これでまた例の二人が「引用とは」「論理とは」とか言い争い始めたらホントに怒るぞw
傍から見たらみんな名無しだから、どれが誰のレスか、何を主張したいのか分からん。
一旦ここまでの流れをリセットして自分の主張を分かりやすく書け。

195 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/07/16(月) 00:04:47.43 0.net
>>193
> >>188は「書いていない」と書いたことになる。
なるよ。だから、いやそれは嘘だ、書いている、と更新している。
>>183 は更新していない。ただ誤読している。

>>194 リセットなんかする必要はない。>>177

196 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/11(火) 09:25:12.02 0.net
上代仮名遣の研究がしたいのですが,どの先生が第一人者とされていますか。

197 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/11(火) 19:39:38.07 0.net
大野晋じゃないか?
タミル語説とか言い出しておかしくなる前の成果は普通にすごい
8母音から4母音に(全てではないにしても一部は)遡るという説も説得力がある。

198 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/12(水) 00:23:30.42 0.net
>>196, 197
たしかに大野は橋本の直系だし卒論も上代特殊仮名遣いについてのものだったけど、いまはそんなに影響力ないんじゃないかしら(故人だし)。
存命の人なら、松本克己とか森博達とか安田尚道とか小倉肇とか。故人なら亀井孝、服部四郎、有坂秀世。

199 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/12(水) 07:31:39.08 0.net
4母音に遡るとすれば、そこから8母音の恐竜と5母音の鳥に枝分かれした
みたいな説は成立しないの?

その後の5母音が8母音を前提としているみたいな有力な根拠はあるのだろうか?

200 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/12(水) 07:32:28.95 0.net
8母音から5母音へ変化していく過程は文献記録に残っているだろう。

201 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/12(水) 07:45:31.97 0.net
母音がわかる文献なんてそもそも希少じゃない?
周辺諸語なんてそもそも文献自体あるのかわからないような感じだし。

202 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/12(水) 19:11:57.49 O.net
8世紀の文献記録には、例えばト甲とト乙、キ甲とキ乙といった音節が
最初はよく区別されているが次第に合流していく過程が記録されている。

具体的な音価は分からないが、音節の合流があったことは分かる。

203 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/12(水) 21:34:10.02 0.net
なんで区別できていたものが一部だけできなくなるのさ?
それが音価の変動だとしたらその時点で別物であって、それらが繋がってるのかわからないよ。


204 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/12(水) 21:52:30.11 O.net
例えば16世紀から17世紀にかけては、ジとヂ、ズとヅが合流していったことが文献から分かる。

それまで違うものとして扱われていた音節が、
互いに書き誤りが多くなり、やがて同じ音節の異体字と化していく。

205 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 04:49:17.75 0.net
そんなことは聞いていないと思うよ。
そもそも4から8にどれだけの文献があるの?
錬金術のようにその変化を説明する有力な模式がなければ、
それは単に対象がすりかわってしまっただけだということ。
ナマリはナマリ、キンはキン。

206 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 06:33:39.30 0.net
何が言いたいのか分からないが、音韻変化自体を否定したい人がまた現れたんだろうか?

4母音説は8母音時代の文献記録から推測されるさらに過去の形であって、
それを直接に記録している文献は無い。
4母音の時代があったとしても、8世紀からさらに数百年から千数百年は遡った時代だろう。

207 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 06:52:29.01 0.net
つまり、8から4を推測できるのと同様に、5から8が推測できないのなら、
いくら記録があってもそれは単に似てるだけだってこと。

208 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 07:18:43.31 0.net
>>207
5から8もある程度推測できるだろ。独立形と被覆形とか、動詞の活用形と語幹とか。

ただ、新しい形から古い形を完全に推測できないことも言語変化には多い。
ある程度痕跡があっても、合流などがあれば完全な情報は失われてしまう。

209 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 07:40:15.94 0.net
推測できなきゃそもそも説になんないよ。

問題は4から5への変化に、8が不可欠かどうかって事。
子供の父親が祖父ではない証拠。

210 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 15:44:31.24 0.net
また分からず屋の人が現れたのか
まともに相手しても不毛なんだよな

>>196
俺は森博達に一票

211 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 17:42:41.11 0.net
>>196
釘貫亮はどう?

212 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 18:31:52.07 0.net
また>>108が現れたのか。

213 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/13(木) 19:59:38.77 0.net
俺も森博達に一票だな。
漢字音の深い知識に裏打ちされて、奈良時代の音韻体系をあれほど説得力を持って
明快に解き明かしたのは凄い。論文を読んでいると質のよい推理小説のようで面白い。

214 :>>196:2012/09/13(木) 20:12:13.61 0.net
みなさんお答えくださってありがとうございます。
まだまだ不勉強なので,皆さんのお挙げくださった諸先生の論文を読んでみて,しかるのちにきめたいと思います。

215 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/15(土) 02:23:46.26 0.net
>>210 >>212
なんで4→5説と不変説(計画言語?)の区別がつかない訳?

今までの話って、サザエさん一家の続柄の証明で、
サザエとタラの親子関係の証拠としてワカメのオカッパを出してくるようなものだからダメなんだよ。

都で4→8が起こったとすれば、それこそ中間形態が地方に残存していたとしてもおかしくないわけで、
国家の拡大と空洞化によって、それらも技術移転で記録されるようになり、
(ガラパゴス仕様が世界標準に置き換えられるように)
やがて乗っ取られ吸収されてしまったと考えることもできるということ。

それを否定するには不可逆の変化であると主張すればよいだけなのだけど、
それをしていないから納得しないんだよね。

216 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/15(土) 10:42:07.54 0.net
4 の時代があったという推定に確実な根拠はない。
その説は大野晋という学者の権威に依存しているだけ。
8 より前は単母音の他に重母音があったかもしれず、全部足せば 8 より多かった可能性も十分ある。

217 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/15(土) 18:33:28.43 0.net
露出形と被覆形の対応や動詞活用から、
エ乙の一部がアイに、イ乙の一部がオ乙イまたはウイに遡りそうなことは分かる。

4母音しか無かったという説は思い切った説だが、少なくとも8世紀の8母音体系より前に
違った状態があったと思うのは自然なことだろう。8世紀の状態は明らかに変化の途中だし不安定な体系だ。

4母音説はそれなりに支持はあると思うが、確実な証拠もないため定説にもなっていないという状態だろう。

4母音説は、単母音が4つということであって、それらを組み合わせた重母音の存在を前提にしている説ではないか。
少なくとも、アイ、ウイ、オ乙イの下降二重母音3つは存在していたという説だろう。
これらはそれぞれエ乙、イ乙、イ乙になった。

218 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/15(土) 22:35:07.87 0.net
>>215
前スレに、その議論はあったじゃないか。
4→8の変化における、畿内との「時間差」の一端が、万葉集東歌(奈良時代東国語)に表れている、という見解。
東歌は、8母音のいくつかが、なぜか混同されているような記述がされていて、
これは、8母音にまつわる通時変化の何かを示している、と考えるのは、ごく自然なことだ。
先行・後行、どちらの考え方も成り立ち得る。
まあ、>>216の言うとおり、4母音は、「大野4母音説」でしかなくて、
一人の学者の内的構成説に過ぎない。
ただ、いつのまにか、学界の趨勢として、オ乙の音価が修正されているという面白い変化はあるので、
みんながたたき台にする「議論の前提」になっているのは、事実だと思う。

それはそうと、4→5説のほうが、むしろ著しく立論が困難で内科医?

219 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/09/21(金) 07:01:47.93 0.net
上代東国語の母音体系はどんなものだったんだろうね?
なぜ八丈方言には上代東国語の母音体系の痕跡が全然無いのだろうか。

220 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/06(土) 08:46:25.51 O.net
>>217
4母音説は上代より更に昔にはa,i,u,oの4母音だったという説だという認識で大丈夫だと思うけど、だとしたらエ甲はどこから出てきたの?

というか、4母音説の解説のあるサイトとか文献を誰か教えてくれ
定説じゃないからかもしれないが、なかなか見つからない

221 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/06(土) 16:23:03.41 0.net
大野晋でぐぐれ

222 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/09(火) 17:26:18.34 0.net
というか中公文庫に入ってるのを買って読めばいい
あれにはホの甲乙が上代に痕跡的に残ってる説も載ってて興味深い

223 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/11(木) 08:58:18.79 O.net
古事記や万葉集時点での日本語の音韻体系が崩壊途中であることは5母音説の人以外はみんな認めてると思うけど、そもそも、その崩壊を遡った場合全ての子音が8母音を持った時代があったというのは定説なの?
太古の4母音体系が変化する際に、一部の子音だけが甲乙の母音を持ったと考えた方が素直だと思うんだが
無論上代の時点で既に合流してしまっていた甲乙もあると思うけど(「し」とか「ほ」とか)、遡れば全ての音節が甲乙の別を持っていたというのは言い過ぎだと思う


224 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/11(木) 15:24:36.66 0.net
その場合甲乙の母音を持つ子音の条件は何かという問題がある。


225 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/11(木) 22:35:22.61 0.net
ここに書き込むことじゃないんだけど、ここの住人でここしか書くことがないんでここに書くけど、
日本語の最近の3モーラの短縮形の言葉が気になってるんだ。
スマホとかクラブとかなんだけど、
LLHというか、半疑問形みたいな語尾上げ口調気味に発音してる人がいるような気がするんだ。
さらに、三モーラの後に、発音しない四モーラがあるような。半疑問形みたいな?(この〜みたいな?って形で半疑問形が流布したような気がする)
で、その半疑問形のように空白の四モーラがあるようなスマホとかクラブ(踊るほう)のようなイントネーションの場合、
イントネーションだけじゃなく、つまり、ピッチの調節だけじゃなく、ストレスアクセントもかかってるような気がするんだよ。
スマホのホの部分が、強いストレスがかかってより大きいエネルギーで発音されてるような気がする。
で、それが半疑問形の4モーラが3モーラに短縮されたことによる、代償延長ならぬ代償縮小で、
3モーラ目に強いストレスがかかってるのかなって、直感なんだけど。
どこにも書き込むとこないんで、ここの住人なんでここに書きこみました。
音韻の話してるしいいかなておもて

226 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 08:00:31.03 O.net
オの甲乙が揃っていたという説にはあまり異論がないと思うけど
イとエの甲乙は揃っていたか意見が分かれるよね
子音の口蓋化の有無だという意見もあるし

227 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 13:44:25.23 O.net
>>226
アイヌ語への古い借用語で「神→kamuy」「箸→pasuy」という例もあるし、子音の性質からしても「し」に元々甲乙の別があったのは確実だろうね
ただ、「ち」「に」「り」に甲乙があったとまで断言するのは痕跡を誰かが見つけるまでは避けるべき

ただ、仮に4母音説が正しいと仮定した場合エ段の甲乙は揃ってなかったと思う

228 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 14:00:00.54 O.net
肝心の自分の意見を書くのを忘れた
「ち」には甲乙があった可能性が高いと思うけど、もしかしたら「に」と「り」には無かったのでは

あと、4母音説が正しいとしたら、何故エ段自体が後から出来たのにエ段の甲乙が揃って互いに相補的に対立してるのかが分からない
どちらも二重母音から二次的に生まれた母音同士が、たまたま互いが互いの相補的な対立音としての立ち位置を得るなんてあり得るのかな
他の段の甲乙が単語内で対立するのは母音調和の痕跡だとしても、その状態になるまでには相当な時間が掛かるだろうし
森博達の研究では魏志倭人伝の中の日本語での甲乙の対立は上代語より厳格みたいだから、その頃には既に8母音が成立していたことになる
書いてるうちに、4母音説は成り立たないんじゃないかと思えてきた
仮に正しいとしても、4母音だった時代は邪馬台国の時代から更に1000年以上遡るんじゃないかな

229 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 16:14:27.63 0.net
4母音と母音調和は両立しないと思う。
というのは母音調和による母音の対立があったときに、母音A,B,C,Dのうち
A,B対C,Dという形しかとれないからだ。これでは限られすぎる。
テュルク諸語に8つほど母音があるのとは事情が異なっている。
母音調和が存在した時代が4母音であった時代よりも前の場合、
4よりは多かった母音が合流していって4になり、その後また数を増やして4より多くなり、
さらにまたもどって最終的にaiueoにおちつくという変動を経たことになるが、
母音調和の「痕跡」といえるものが残っているのは不自然だ。分からなくなっているほうが自然。


230 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 16:19:59.52 O.net
上代では今宵の音が「コ乙ヨ甲イ甲」だったらしいし、上代では母音調和や8母音への変化が終わってから既にかなりの時間が経ってたんだろうな
じゃなきゃ、オ段であるコ乙とヨ甲が共存する訳がない

231 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 16:55:49.83 0.net
祖語において a i u ə の4母音説を採るなら、二重母音は有りうる組合せの
ai au aə ia iu iə ua ui uə əa əi əu (aa ii uu əə)
が、全てあったとは言わないまでも、おそらく大半が揃っていただろう。
さらに三重母音もあったかもしれない。

ところで、上代語に pi1to2- / puta-、mi1- / mu-、yo2- / ya- という対をなす一群の数詞があり、
これは一見、古い母音調和の痕跡のように見える。
しかし、>>229が指摘したように、祖語において陽母音 a u と陰母音 ə i が
語幹内で共存しなかったと仮定すると、上に挙げた二重母音のうち
ai aə ia iu ui uə əa əu
が存在しえなかったことになり、上代語と結びつけるのが困難な母音体系になってしまう。
祖語が4母音+多重母音だったならば、母音調和は無かったと言わねばならない。


232 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 16:56:34.76 0.net
4母音祖語において母音調和があったとするには、多重母音に含まれる i u は
純粋な母音と同じものではなく半母音 ĭ ŭ 乃至 y w だったと考える必要がある。
その場合にありうる多重母音をすべて挙げると
ay aw ya yay yaw wa way waw
(iy) iw (yi yiy yiw) wi (wiy) wiw
uy (uw) yu yuy (yuw wu wuy wuw)
əy əw yə yəy yəw wə wəy wəw
となる。祖語のどの母音と上代語のどの母音を紐づけるか、少しややこしそうだ。


233 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 17:10:47.06 O.net
>>231を見て思いついた
4母音説が正しいかどうかは置いておくとして、逆に上代の少し前までは母音が8より多かったと考えたら駄目なのかな
少なくとも上代日本語に母音調和の痕跡らしきものがあり、3世紀にはその書き分けが上代より厳格だったことが分かってるけど、
日本語に母音調和が存在したと仮定して陽母音と陰母音を分類した場合、その比があまりにもアンバランスで不自然なのは周知の通り
だとしたら、上代では陰母音は1つしか存在しないけど、かつては陰母音が複数存在していたのが上代に既に他の母音と合流していたと考えたら母音調和の説得力は増すんじゃない?

あくまでも思いつきだから、何かしら突っ込まれるだろうことは分かってるけど

234 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 17:26:50.98 0.net
なるほど
モンゴル語やトルコ語のように円唇母音が4つくらいあったとかね


235 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 17:53:25.69 O.net
日本語の接頭辞と接尾辞で同じ形のそれでは用法が同じなのは何故なのか
接頭辞のかと接尾辞のか、同さと同さでは用法や意味がほぼ同一

236 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/12(金) 18:12:40.28 0.net
母音の数は長母音と短母音、口母音と鼻母音を別に数えない場合、大体1〜9個を持つ言語で占められる。
母音が8つ以上の言語だと、aiueo5母音+ä,ö,ü,あいまい母音e のドイツ語とか、母音調和を持つテュルク語があるが、
母音体系を見ると、開口度は3段階か4段階(a-e-i/a-o-uか、eとoに広/狭が加わることもある)で
aiueoに中舌母音とか円唇前母音が加わる形で数を増やしている。
8母音説で仮定される体系(a,i,u,広いe 狭いe o 中舌母音2つ)をいじって母音を入れるとなると、
円唇前母音しかもう入れる空き間がないと思われる。
(平唇後舌母音は後の合流でiになるとは思えないので除く)

一番単純なのはöとüとiが合流して新たなiとなったと考えることだが、
eとoがある中でiと合流するとは限らない。また前舌母音の合流にひっぱられて後舌のほうでも合流が起きる可能性もある。

237 :233:2012/10/12(金) 20:07:31.04 O.net
>>236
上代語の母音8つも舌の位置と唇の開き方で定義されてるけど、それを考えた時に大半が陽母音で陰母音が1つだけなんていう不自然な体系はおかしいと思ったんだ
母音調和というのは発音時のエネルギーを最小限にすることにより単語を発音しやすくするためのものであって、そのルールは舌の位置と唇の開きに因ってる訳じゃない
であるからには、舌と唇のそれが陰母音の側に属する消えた母音が上代語の前の時代にはいくつかあったんじゃないか?ということ

なんか、考えてることが上手く文章に出来てなくてすまない


238 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/15(月) 00:31:56.62 0.net
俺は、上代以前の日本語には母音調和なんか本来無くて、
有坂法則はo1とo2が統合されて区別を失う過程で生じたんだろうと思うよ。


239 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/15(月) 00:48:21.40 0.net
po2, bo2, wo2 が po1, bo1, wo1に
→ o2の前後のo1がo2に
→ uの後のo2がo1に
→ aの前後のo2がo1に
→ mo2がmo1に
思いつきなんでかなり適当だが
こんな感じでo1とo2がに徐々に統合されたんじゃないかな

240 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/15(月) 14:22:35.75 0.net
陽母音が多くて陰母音が一つだけってそんなに不自然か?
陽母音 a o ū
陰母音 e
中性母音 u i
満洲文語はこんなだけど。

陽母音 a o1
陰母音 o2
中性母音 u i1
(二重母音由来? i2 e1 e2)
上代日本語はこれでいいかな?

満洲語も現代口語では文語より前舌母音が増えてるらしい。



241 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/15(月) 15:31:43.93 0.net
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Evenki_language
エベンキ語と満洲語の母音体系がかなり違うから
満洲語のほうが基層に扶余系言語の影響があって母音体系が変わったのか?
で、扶余系と日本語が同祖だから満洲語と上代日本語と似てるのか?
とも考えたが、ナナイ語を見ると満洲語にかなり近いから、違うか。
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Nanai_language


242 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/10/15(月) 15:35:17.15 0.net
考えたらナナイ語も位置的には扶余系の影響受けててもおかしくはない場所だな。
ツングース祖語はどっちに近いんだろ。

243 :藤井游惟:2012/11/17(土) 05:14:08.11 0.net
現代日本人(特に関西方言話者)は、今でも「有坂三法則」その他と全く同じ法則に基づいて、o1、o2を発音し分けています。
http://music.geocities.jp/konatarosu/Hakusonkou/6shou.html

244 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/11/21(水) 19:29:18.78 0.net
おい藤井游惟よ、スレ住人の指摘を悉く無視してまた出て来よって
貴様は随分しつこい奴だな
2ちゃんねるは貴様の商材を宣伝する場所じゃないんだ
管理人に広告費払ってから出直してこい

245 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/12/22(土) 18:16:30.91 0.net
なんで なが(長)+いき(息)→なげき なのに
あら(荒)+いそ(磯)は"あれそ"にならず"ありそ"なんだろう?

246 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/07(月) 11:39:58.25 0.net
>>245 たぶんアクセントの違いが原因。
なが (長、LL)+いき (息、LH)>なげき (LLL)
あら (荒、HH)+いそ (磯、HH)>ありそ (*HHH <推定>)

247 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/19(土) 17:22:02.91 0.net
時代別国語辞典の上代編に、裸のオは乙類のオではないかという新説がある、と紹介されてますが
それについてのその後をフォローしたいんですが、何を読めばいいでしょうか?

248 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/19(土) 17:23:11.89 0.net
>>128
手話言語があるので、音を持たない自然言語も普通にあるよ
上代日本語がそうだってことはまずないが

249 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/19(土) 18:47:18.91 0.net
>>247
あの辞書が出た頃は新説だったのかな?
俺はア行のオはふつうにオ乙だと思ってるけど(大野四母音から考えて)。
その後については俺も知りたい。

250 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/21(月) 14:59:04.92 0.net
オ段の甲乙は円唇音かどうかの違いじゃないかという可能性から考えて
オとヲが本来はオ甲乙だったんじゃないかと疑っている
そうすると一応、全行埋まるんだよな

251 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/24(木) 08:40:19.61 0.net
もし全てのオ甲がuaからの縮約で生まれたんならオ甲は存在せずにワになっててもおかしくないけど、
オ甲のソースがuaだけかってのには疑問が残るな。

それとは別に/wʌ〜wə/→/o/って変化は普通に起こりそうだから、
そういう意味では平安初期のオ/ヲ対立が非円唇/円唇ってのはまるきり無いわけでもないかも。藤井じゃないがw

252 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/02(土) 20:19:36.02 0.net
重いので注意
オックスフォードの上代日本語コーパス
ttp://vsarpj.orinst.ox.ac.uk/corpus/ojcorpus.html

ここでは甲類のエがヤ行のエ(ye)として扱われてる
今の説ではそうなの?

253 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/05(火) 11:05:40.10 0.net
>>252
重すぎるわ、適度にページ分割せんかい、ボケって英語でメールだしといて。
フリーズしてもうたやないかい

254 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/05(火) 15:20:39.05 0.net
ためしにダウンロードしてみたら8.8MBあったぞ

255 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/05(火) 22:13:08.57 0.net
万葉集や記紀歌謡をちゃんと全部甲乙ヤ行エかき分けて書き下してるのって始めてみた

というか、むしろちゃんと書き分けるのがデフォじゃないのがおかしい

256 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/10(日) 23:58:56.23 0.net
エと江はちゃんと書き分けてあるが(エの元は江だから、よう考えるとこの書き方おかしいな)
セがseになってたり甲乙をwi,ye,woで通してたり何か変
仮にye,woは妥当だとしても、なら残存した行からしてiは"yi"でしょ

257 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/12(火) 00:25:24.79 0.net
ダウンロードしてみた。
>>252 ありがとう。

このファイル、中身がダブってるのかな。
試しに比賣とか比古とか検索してみたら
古事記歌謡も万葉集も同じ個所が二度ずつ出てきた。

i乙をwiと解釈するのは初めて見た。
考えられる解の一つだろうね。大勢とは思えないけど。
(yi : i、ye : e、wo : o という解釈の方が、少なくとも
上代特殊仮名遣い消滅直前のシステムとしては自然に感じられる)

ファイルが大きすぎるので、古事記歌謡1ファイル、
万葉集は巻ごとに1ファイルというふうに少しずつ分けて
テキストファイルにコピーしてみた。

ところがこれでは漢字の部分とローマ字の部分が分かれてしまって
一行にならない。EZHTMLというソフトを使ってテキストファイルから
htmlファイルに作り直そうとしているが、まだ1ファイルもできない。
万葉集20ファイル完成するのはいつのことやら。
だれかがメールを出してくれるか、先方に気が付くやつがいて修正
してくれるのを待つ方が早いかね。(当方他力本願なので)

ともあれ本来デフォルトであるべき甲乙分別の資料がほとんどない
のだから、やはりありがたいことだよ。
教えてくれた >>252 さんに感謝!

258 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/12(火) 05:37:24.51 0.net
記紀歌謡なら甲乙付いてるのあるよ。
ttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/syokiuta.txt
ttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/kojkiuta.txt

259 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/12(火) 23:59:51.14 0.net
>>258
ありがとう。

260 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/13(水) 04:08:11.32 0.net
eは基本乙類という認識なのかな?

>>257
初心者の自分の質問が、逆に役に立ったのなら
ありがたいです。

>このファイル、中身がダブってるのかな。
或伝 みたいな多少違うテキストも全文載せてるので、それのせいかもしれません


>i乙をwiと解釈するのは初めて見た。
どこでみたのか思い出せませんが、日本人学者の中にも
乙類をwi的にする説があるという解説を日本語で読んだ記憶があります
(見つけたら報告します)

261 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/13(水) 04:35:48.01 0.net
>htmlファイルに作り直そうとしているが、まだ1ファイルもできない。
ブラウザの”ソースを表示”などで、HTMLの形で落としてみてはどうでしょう?

262 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/13(水) 23:47:04.01 0.net
>>257
どうなんだろ。五十音に執着しすぎじゃね?
歴代スレで、繰り返し論じられる古典的問題だけどさ。

音声的に[ji]が存在しなかったのは、これは無論確実だけど、
音素的にも、/ji/(/yi/)は、上代語には存在しないんじゃないの?

現代語(共通語または東京方言)でも、「思う」を例にとって、
omowa naiなのに、omoWI masu, omoWU, omoWE ba, omoWE, omoWoH
だから、「い」「う」「え」「お」は、音韻的にワ行であってア行ではないのだ、
という人はまずいない。

263 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 01:43:18.16 0.net
というか/ji/は不安定というか無理のある発音すぎる気が
よく母音の違いじゃなく子音の口蓋化じゃね?という話がこのスレでも出るけど、
イ段の口蓋化は発音しにくくて、エ段の口蓋化と同程度まで生き残れるとは思えない

264 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 15:49:42.68 0.net
イ段は口蓋化がデフォで口蓋化しないほうが発音しにくいんじゃね?

265 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 23:32:10.60 0.net
>>252作った人と思われるFrellesvigはイの甲類を音声的にyiと考えてるみたいだね。
http://vsarpj.orinst.ox.ac.uk/corpus/corpus.html#display
http://namakajiri.net/nikki/old-japanese-reconstructions/

森博達とかは、乙類をiとしてたけど、これって中舌から前舌への動きといってるんだよね。
yiみたいなもんじゃね?

266 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 23:47:51.01 0.net
http://vsarpj.orinst.ox.ac.uk/corpus/corpus.html#display
http://namakajiri.net/nikki/old-japanese-reconstructions/

http://www.amazon.co.jp/gp/reader/0521653207/ref=sib_dp_pt#reader-link の読める所とhttp://ci.nii.ac.jp/naid/110009479840の書評を合わせると

語中の音は有声音化、濁音と清音の区別は、現在の東北弁や九州弁と同じく鼻音と前の母音の鼻母音化で弁別。
エは乙類エが基本でayかey、甲類エはye。
サ行音はサtsa、シshi、スsuかtsu、セshe、ソ甲swo、ソ乙tso
Frellesvigの復元的には、音声はこんなかんじになるんだろうか?

紫草能 muradzagyi no
尓保敝類妹乎 nyibob-yeru yĩmo wo
尓苦久有者 nyigu-gu arãmba
人嬬故尓 pyidõndũma yuwãynyi
吾戀目八方 waray kwobwĩ-may ya mo

語中で有声音化とか鼻音の前が鼻母音化とかどの範囲だかわからんけど。

267 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 23:55:58.38 0.net
ムラヅァギュィ ノ ニュィボビェル ユィンモ ウォ ニュィググ アランバ
ピュィドンドゥンマ ユワインニュイ ワライ クゥォブィンマイ ヤ モ

268 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/15(金) 02:54:27.29 0.net
>現在の東北弁や九州弁と同じく鼻音と前の母音の鼻母音化で弁別。
東北と九州(と沖縄)にモーラがないから、
上代日本語はシラビーム言語だった、みたいな話だな。

シラビームって正直良くわからんが
東北の人に音で区切って書いてみてください、といった場合
学校で習ったとおり、「ン」も区切って書くよな。
つまり、シラビームってのは、当事者の意識じゃないんだろ?
何が基準になってるんだろう。

269 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/16(土) 21:32:56.74 0.net
エ乙がay,eyなんだったら
アの字とイの字二つで一音に当てて書いている例があってもいいようなものだが
それはあるの?

270 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/17(日) 21:10:49.48 0.net
wa wi we wo ya yu ye yo(甲)yo(乙)も二つの文字で表してる例がないなら、それも不思議じゃないんじゃない?
そもそも漢字自体が三重母音とかでできてる一音節も一文字で表してる文字だし。

むしろ二重母音じゃない説ってあるの?
いや、母音音声復元の根拠って、森博達の以外知らないけど

271 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/17(日) 21:13:14.54 0.net
kamu+i(甲)→kami(乙)
ama+i(甲)→ame(乙)

って説ならあったはず

272 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/04/13(土) 11:27:42.68 0.net
波照間方言では、キ甲と、ク+イに由来するキ乙と、コ乙+イに由来するキ乙の3種類がそれぞれ区別されてるみたいだね。
沖縄方言だと、キ甲と、ク+イに由来するキ乙が合流して、コ乙+イに由来するキ乙は区別される状態のようだ。
首里方言で、月(ツキ乙〜ツク)がツィチなのに、木(キ乙〜コ乙)がキなのはそういうことらしい。

273 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/04/18(木) 07:25:27.59 0.net
>ク+イに由来するキ乙と、コ乙+イに由来するキ乙

そもそも、上代語でこれの区別がはっきり判明している語ってあまり多くないんじゃないか?
クが茎、月、槻、尽く、コ乙が木、起く、ガ行まで入れても、グが過ぐ、くらいか。
少ない例からあまり敷衍して考えるのはどうなんだろう。

しかも木は上代東国でケ乙、沖縄の古語でケだから例外っぽいし。

274 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/04/21(日) 13:16:22.01 0.net
>>272
波照間方言では具体的にどんな語形になってるの?

275 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/04/26(金) 21:14:54.77 O.net
形態論的に論じてるの松本氏以外にありませんか?

276 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/05(日) 08:12:35.63 0.net
イ列の甲乙の別は、実はずっと後まであったのではないか。
四段活用動詞の連用形が音便を起こすのに対して、上二段活用動詞の連用形は音便を起こさない。

付き1て→付いて 尽き2て→×尽いて
嗅ぎ1て→嗅いで 過ぎ2て→×過いで
会ひ1て→会うて・会って 強ひ2て→×強うて・×強って
飛び1て→飛うで・飛んで 伸び2て→×伸うで・×伸んで

万葉仮名から平仮名・片仮名に移った時、清濁の書き分けをやめたのと一緒に、
甲乙の書き分けもやめて、文脈任せにしたとは考えられないか。

277 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/05(日) 19:55:38.60 0.net
>>276 「つきたち (<つき2たち、月立)」→「ついたち」の例もあるからそれは違うだろう。
動詞の音便形は、イ列の甲乙の別のあった時代に既に型が決まっていたが、文献には現れず、
文献に現れるようになった平安時代には、新しい音便形は作られなかった、
ただし動詞以外はその限りではなかった、と考えるべきではないか。

278 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/07(火) 03:02:05.59 0.net
活用形はあくまで活用形だからね
他の品詞と異なった音韻変化をすることもありうる

279 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/11(土) 17:41:37.68 0.net
>>274
琉球方言新資料を用いた上代特殊仮名遣いの検討
http://www.academia.edu/1989545/_Reconsidering_certain_manyogana_distinctions_a_new_perspective_based_on_evidence_from_Ryukyuan_dialects_

キ甲
/sɨnu/ (着物)
/sɨmu/ (肝)
/sɨkuɴ/ (聞く)
/ɨsɨ/ (息)
/sasɨ/ (岬)
/basɨ/ (脇)
/sɨnu/ (昨日)

キ乙(コ乙+イ)
/kiː/ (木)
/ugiruɴ/ (起きる)

キ乙(ク+イ)
/sɨkɜɴ/ (月)
/sɨkɨpinʦɨ/ (月日)
/kɨsɨ/ (霧)
/hukɨ/ (茎)

280 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/13(月) 12:12:05.74 0.net
9月20日 18:00
猫を虐殺! 川崎市エリート職員を逮捕(夕刊フジ)
 猫虐待で川崎市のエリート職員が逮捕−。猫の体に粘着テープを巻き、
身動きがとれないようにして衰弱死させたとして、
警視庁蒲田署は20日、動物愛護法(虐待)の疑いで川崎市建設局用地第二課主査、
上原宏之容疑者(38)=東京都大田区西六郷=を逮捕した。

 調べでは、上原容疑者は今月9日ごろ、大田区仲六郷の区立仲三児童公園にいた
猫を捕まえ、胴体に粘着テープを巻き付けて自分の車に閉じ込め、
約1週間にわたり水も餌も与えず死なせた疑い。
猫の死骸(しがい)は近くの小学校の校庭で発見された。

上原容疑者は「仕事でストレスがたまり、イライラしてやった」
などと供述しているという。
現場付近では9月3日以降、衰弱死した猫7匹が見つかっており、
同署で関連を調べている。

 上原容疑者は明治大学政経学部経済学科卒業後、昭和62年に川崎市職員となり、
清掃局や宮前区役所を経て、平成13年から建設局に。
今年4月、主査に昇格していた。

 同市建設局では「非常に優秀な人材で、このような事件を起こすとは
想像もつかない」と話している。

Copyright 2002,TheSankeiShimbun.

281 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/23(木) 19:47:12.03 0.net
琉球方言は上代特殊仮名遣いを反映していないんじゃなかったか

282 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/02(日) 22:27:46.08 0.net
反映してるという説は結構昔からあるはず。

奄美方言にオ段の甲乙が反映しているという説もあったが、
そちらは上代特殊仮名遣いの反映ではなく、特定の音韻環境でウが弱化したということだったと思う。

イ段の甲乙については、沖縄方言のキの例が有名だけど、「木」「起きる」のような例外があって、
それに対して「ウ+イ」由来と「オ乙+イ」由来でさらに区別することで説明できるというのが最近の説。

283 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/04(火) 09:27:11.28 0.net
手斧(テウナ)がテオノの音変化と聞いてマナコとかにある母音調和説を思い出したんだけど、
この変化って起こった時期とか既に分かってるの?
もし上代以前からの発音でかつ上記の説に従うとしたらオ乙がより古くは2つ以上の異なった母音に遡れることが言えないかなと思ってみたり
ただ、そこまで古いんなら被覆形になってた方が自然だと思うんだけど...

284 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/06(木) 21:50:57.39 O.net
係り結びて当時は口語だったのかしら

285 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/08(土) 22:36:02.50 0.net
もちろん口語だった。会話文にもたくさん出て来る。

286 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/09(日) 21:19:32.62 0.net
八丈方言や琉球方言の口語にも係り結びが残ってるしな。

287 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/09(日) 21:25:14.19 0.net
今の言葉のどこかに係り結びは残りこそすれ、消えることはないと思う。

288 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/15(土) 14:10:13.28 0.net
 
甲骨文字は、日本の「アヒル草文字」が原型となっている、と推測できます。
【 古代文字(神代文字)便覧 】
http://kodaimoji-binran.blogspot.jp/
 

289 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/07/10(水) NY:AN:NY.AN 0.net
>>283
ちょっと調べた限り用例は江戸時代以降のものだから上代特殊仮名遣いとは連続しないだろう。

発音上は、テウォノ→テオノ→テョーノ→チョーノ(表記上は「てうの」)だろうし

290 :国語学者:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN 0.net
>>260
i乙をwiと解釈するのは、安田尚道「上代語の母音はいくつあったか」(学燈
社『国文学』昭和57年12月号)によれば、菊沢季生が述べているという。
これは、菊沢(1935)『国語音韻論』のことで、p.138に見える。

291 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/07/25(木) NY:AN:NY.AN O.net
ストラスティンによればツングース語の祖形はCVCに遡るが、日本語の根幹部分である四段動詞の語幹はCVCという形をしている
更には上代日本語には母音調和の痕跡も存在していて、チュルク語やツングース語などと共通する
上代日本語の形容詞は名詞的な品詞であり語形が変わらないが、形容詞が語形変化しないのはモンゴル語やツングース語の顕著な特徴の一つ
(ただし、形容詞のアクセントは名詞より動詞に近い)
流音が語頭に立たない点も他のアルタイ諸語と共通してるし、更にはモンゴル語とツングース語は遡れば日本語と同じく開音節だったと推定される

以上のことから日本語がアルタイ語族の一員であることが強く示唆されるけど、だとしたらどのような経緯を辿って日本語はアルタイ語族から分岐したのだろうか
上に書いたように日本語の文法要素は明らかにアルタイ語族起源だけど、上代特殊仮名遣いも含めた上代日本語の音韻体系は結構アルタイ語と遠いよね
日本語の語彙のかなりの部分はAN語起源と思われるから日本語はAN語の単語を大量に借用したアルタイ語だと思うけど、日本語の音韻はどう変遷したんだろう
AN祖語は4母音体系だけど、AN語族の中には4→5の推移で5母音体系に形を変えた言語もあるから、それも参考になりそう

292 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/13(火) NY:AN:NY.AN O.net
あげ

293 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/13(火) NY:AN:NY.AN 0.net
さげ

294 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/17(土) NY:AN:NY.AN 0.net
母音融合を起こした直後の母音体系はこんな感じか。開音節だったと考えると、
もしかしたらスラヴ祖語みたいに鼻母音もあったのかもしれないな。
i(i1)[i](イ甲) y(i2)[ɪ]<[ɨ](イ乙) u[u](ウ)
e(e2)[əĕ]<[e]?(エ乙) ъ(o2)[ə](オ乙) o(o1)[o](オ甲)
ě(e1)[e]<[æ]?(エ甲) a[ɑ](ア)

母音調和を考えると母音融合以前はこんな感じだったのかもしれない。
陽母音:o(o1)[o](オ甲)a[ɑ]か[ɔ](ア)u[u](ウ)
陰母音:ö(o2)[ø](オ乙、エ乙がないなら[e]かも)ä(e1)[æ](エ甲の一部)
y(i2)[y](イ乙の一部)
中立母音:i(i1)[i](イ甲)(e(e2)[e](エ乙の一部))

>>41
イ段とエ段の甲乙がある時期に「ロシア人にしか聞き取れないレベルでの
口蓋化」の有無による弁別だとしたら現在の日本語の拗音と類似しているのに、
現在の日本語の外来語以外で区別する段としない段が逆だというのが気になるな。
タ・ダ・ナ・ラ行での甲乙の統合から口蓋化の有無による弁別がイ段では口蓋化、
エ段では非口蓋化して消滅していく一方、漢語の流入によってア・ウ・オ段で
新たに拗音が誕生し口蓋化の有無による弁別自体は別の段で生き残った。
また、セはそれ以前に統合したことで最後までエ段の非口蓋化から取り残されたということかな。

295 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/22(木) NY:AN:NY.AN O.net
過去スレで8母音体系を奈良時代に持ってたのはかなり限られた地域に限られるんじゃないかという意見があったが、これはなかなか面白いと思う
8母音の区別は現代の諸方言では跡形も無く消滅していて、現代の方言のみを使って日本祖語を再構しようとしても8母音を再構するのは不可能だろう
では何故8母音の痕跡を僅かなりとも残してる方言が一つも無いかと考えた時に、そもそも8母音体系は上代の奈良の辺りにしか無かったのではないかという議論は成り立ち得るんじゃないか?
事実、万葉集などから導かれる上代東国方言は5母音体系だ
8母音説の消極的根拠の一つに「8母音体系の前にあったと推定される4母音体系から現代の5母音体系は直接導き出せない」ということが言われるが、>>291氏が言及しているように南島語には祖語の4母音から5母音に変わった言語が実際にあるんだよね
南島祖語の母音はa,i,u,eで、これは上代日本語のa,i,u,o2に対応するから母音の音韻はかなり近い
だから、4母音から5母音への変化が決してあり得ないとは俺には思えない
正しかったとしても証明は出来ないだろうが、大半の方言では4母音から5母音に直接変わったが、上代奈良方言などの少数の方言でのみ8母音に変化したと考えることに何か問題はあるだろうか?

296 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/22(木) NY:AN:NY.AN O.net
そしてこれは上代特殊仮名遣いとはあまり関係が無い話だが、ハ行転呼は何故起こったのだろう
ハ行転呼という現象は本土との交流が地理的に隔絶されていた琉球方言や八丈方言などを含むあらゆる方言で起きていて、一つたりとも起きなかった方言が存在しない
だが、朝鮮漢字音は日本では失われたpの音を現代に至るまで1500年も保っている
となれば日本語にハ行転呼を必然とする何かがあったと考えるのが自然だが、一体ハ行転呼が起きた理由は何なのだろうか

これは更なる余談になってしまうが、断片的に再構される三国時代の新羅語と高麗語の間にはあまり差が無いし、変化が非常に激しいとされる朝鮮語も高麗時代までは比較的安定していたんだろうな
高麗時代の後期に大母音推移が起き、それからは現代に至るまで非常に激しい変化を続けることとなったが

297 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN 0.net
昨日の夕方から酒呑みながら、民俗学にちょっとはまってる人と、ちょっと論争になって、ケガレはケ(気)+カレ(枯れ)でケガレだ。
日常のケ→ケガレ→ハレの構造的循環がみたいな話をしてたんだけど、
ケは乙類だからそれはないって言って、八母音の説明を軽くして(上代特殊仮名遣いすら知らない人だった)、
乙類のケは、後ろに動詞が来て融合したら、カガレになるはず、
サケがサカモリ、サカヅキ、サカヤになるように、そうなるはずだ。
って言ったら、ケギ(普段着)、ケツケ(毛つけ・田植えとかのことらしい)、ケビツ(米櫃)とかいう言葉があって、
カになってないじゃないって言われて論破された。
けど、おかしいよね?ケ+カレでケガレって。

298 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN 0.net
その話で相手の「ケガレ=気+枯る」を否定するだけなら、土俵を語義に持ちこむのがよいと思う。
けがれるというのはあるものに異物が入りこむとかよくない状態になるというニュアンスを持っている。
一方枯れるというのは、植物が生気を失う、一部分が死ぬという意味だ。
そして気(け)は、雰囲気、生気。よって気+枯れるという語が仮にあるとすると、
その語は「元気がなくなる」とか「霊力が衰える」とかそういう意味になるはずだろう。
だがこれは汚れるの意味とは明らかに異なる。たとえば月経は伝統的にケガレに含まれると思うが、
上代以前の人間が血が出る=生気の欠如とみなしたかというとそうではないだろう。

こういう趣旨のことを話せばよい。

299 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 15:11:48.25 0.net
エ乙とかイ乙でも必ずしも被覆/露出形の対立を持つとは限らないでしょ。
語義についても結構変化しやすいし、今のところ完全に否定はしきれないと思う。
というか、気の読みとしてのケは基本音読みだからハレとケのケに気の字を当てるのは誤解を招きやすいんじゃないかと。

とはいえ、この手の話はどうしても単なる語呂合わせになっちゃいがちだから、
言語学的な見地からきちんと慎重に検討するべきってことはちゃんと認識してもらうべきだよね

300 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 22:52:24.88 0.net
ケガレのケがケ甲ならその時点でその語源説は破綻するが、
ケ乙なら反論不可能じゃないかな。ケガレって万葉仮名であると思うが。
調べてみないとわからないな

301 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 23:18:22.59 P.net
>>297
反論だとしても、もう少し練らないとww

・まず、前提作業として、気の漢字音「キ」の転訛との区別を精密に行う
・その上で、けがれの「け」が、上代仮名遣いで乙類であることを確定する
・さらに、音韻法則から、*ka-iという形を説得的に提示する
・本論として、「香」(か。ka)の分布と照らし合わせながら、語根としてどんな音があり得るか検討する

このような議論を丁寧に始めると、民俗学者は、十中八九、見る見る顔を曇らせるけどね。
こういう精密な議論は「想像力を奪うから、大嫌い」なんだとさ。
あいつら、言語学者より、むしろ宗教家に余程近いメンタリティの持ち主で、
「神」の語源は「火(か)」と「水(み)」なのだ!だから神棚に火と水を供えるとき、神々は降臨するのである!
と著書に記した、ある有名風水師と発想は同じ。
宗教家が一番嫌うものの一つが、実は言語史なんだ。
彼らからすると、学問的復元音なんて、宗教的インスピレーションを台無しにする、無粋極まりないものらしい。
そして、なぜかこの発想とそっくりの発想を、論理的学問であるはずの民俗学者が継承する例が大変に多いw

302 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 23:46:09.34 0.net
民俗学でいうケガレのケは気の漢字音じゃないよ。気って漢字で表現されることが多いけど、
食べ物のケ、髪の毛のケ、食物のケ、で生命エネルギーを意味するものだそうだ。
朝餉のアサゲのケ(ゲは後世に濁音化したもの)、夕餉のケ、土産(お宮でもらうお下がりのケ)のケ、宴(ウタゲ、歌を詠む場での食事)のケ、
これらは食とかいう字であらわされて、乙類のケだ。
これが、枯れる状況がケ+枯れるでケガレになったというのが、民俗学での通説(といってもいいらしい)なんだ。
おかしいと思うんだけど、ここ半世紀ぐらい反論らしい反論はないみたい。
民俗学と国語学は隣接学問だと思うんだが、反論されてない以上、反論しきれない?
正しいと立証はできていないが、間違ってると立証するのは不可能なんで通用してる状態なのかな。

303 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 23:53:54.10 P.net
>>302
>食べ物のケ、髪の毛のケ、食物のケ、で生命エネルギーを意味するものだそうだ。

民俗学の本体は、この信じられない粗雑さなんだよなあ…
本当に、言霊と称して日本語の語呂合わせに熱中する、一部の新興宗教の教祖と同じ。
このスレにいるような人なら、ごく初歩的なネタとして、民俗学オカルトの「予洗」としての腑分けは出来ると思う。
食べ物は乙種のケで、*kaiつまり本体は*ka。動詞「噛む」との関係も含めて検討する必要あり。
髪の毛の「毛」の復元音は、*k@iで、こちらは「木(キ乙。*k@)」と深い関係が疑われる(俺は同じ起源と理解している)
木と毛は本当に同源で、おそらく、「にょきにょき生えてくるもの」が原義。

304 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 00:12:01.63 0.net
>>303
けど、日本民俗学の祖、柳田國男は国語学者の金田一さんの師匠で、
柳田民俗学の民俗学的資料集めと、国語学の方言学のインフォーマント調査は同じインフラを使ったというか、
柳田さんの調査方法を引き継いだものらしいんだ。
いや、民俗学をちょっと調べてるんだけど、反論不可能なんだよね、ケガレ。
あと、噛むと食べ物のケは同じというのは、南島語を調べた泉井久之助も似たような議論してたような、どっかで、
あと、村山七郎が南島語で*ka食べることってしてて、ウナギと関連付けたりしてるんだけど、
安本美典が、南島語の植物語と日本語の身体語との関連を、
葉と歯、芽と目、木と毛でやってるんで、そこは食べ物のケと植物のケは同語源になってもおかしくないような。
まぁ、安本さんは統計学で有意義と認定されるって言われるとどうも数学しらんので反論できないんだが。
で、いろいろ調べてるんだけど、どうにも反論の立証はできないんだよな。

305 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 00:28:56.62 0.net
ケガル、ケガスのケの甲乙は不明。
ケ乙 (気) は、上代語では、「火気(ほけ)」「塩気(しほけ)」のような接尾語であり、
「気(け)-」という形の語は認められない。「気-枯る」という分析は難しい。

306 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 00:34:57.18 P.net
いっちゃ何だけど、安本の「統計学」は、わざと悪用している嫌いがある。
言語史の「閉じた因果性前提」の議論とは、別物の方法をわざとまぜてる。

論理的批判としては、青森のごった煮の「け」つまり*kaと、髪は長〜い友達wの「け」*k@は、
少なくとも統合不能な別単語だ、というところで、彼らの主張する「ケの原義は生命エネルギー」なる概念が分断される。
言語とは、「ある音色の列と、ある概念の、1:1の連関」なのだから、これで反論は果たされる。
その上で、*kaについて、「香り(*ka)」「嗅ぐ(*ka-~-k-)」「風(kaze)」などとの関係を検討しつつ、
「香(いわばプシュケー)が無くなった」のが「穢れ」なのだ、と解釈するのならご自由に、といったところだろうな。

307 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 01:04:07.59 P.net
306続き。おそらく、>>1に照らして、言語屋的な分類をするなら、次のようになると思う。

A 「空中を漂うあやしい気体」 復元語根:*ka
「香」「嗅ぐ」とおそらく同源。「風邪」「風」との関係も強い。
B 「口をもぐもぐ動かして食べる食い物」 復元語根:*ka
「噛む」と同源の可能性が高い。
C 「にょきにょき伸びてくる何か」 復元語根:*k@
「毛」および「木(例外的なキ乙)」と同源。「毛」は造語力が強く、人間の体毛をほぼ全部網羅する(比較言語的には稀有)

この3つの語義なら、日本語史に馴染んでいれば、ごく自然に受け入れられると思う。
そしてABCに解体された段階で、民俗学の「生命エネルギー説」は崩壊する。
「けがれ」は、仮に「け」を乙類だとしても、語義的にAにしか接続し得ないし、
そうすると「ゆうげ」だの「けのしる」だの「うたげ」だの「けつけ」だのとは切断される。
そして、Aプロパーに絞ったとしても、>>305後半の批判が該当する。

308 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 01:09:51.02 P.net
この3つを、

「空中を漂う精気(A)」こそが、世界の活力の本質である。それは、万物をにょきにょき生えさせ(C)、
人間はそれをもぐもぐと食べて(B)、生命を維持する。これこそ「森羅万象の源となる生命エネルギー」なのだ!

と言えば、3つは連関する。だが、これ、どこをどうみても、宗教家の布教演説にしか見えないww
あいつら(今の日本の民俗学者たち)、やっぱり宗教家なんだよ。客観的な学問をやってる連中じゃない。

309 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 21:32:09.83 0.net
「毛」は「白髪」から考えて *kai じゃないの?
コ乙と関連するような例があるの?

310 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/03(火) 21:29:30.56 0.net
>>296
イージーな考え方をしてしまえば、微妙に違うp音だったんだろうな
古代日本語の方が微妙に唇の合わせ方が弱かったとか
逆に、ヨーロッパでよくあるh音の無声化は日本語にはないし。単にh音の歴史が浅いせいもあろうが。

311 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/04(水) 12:09:10.43 0.net
>>310
hの無声化はいつかは日本語でも起こると思う
今までだって(*b)→p→Φ→f→hと日本語のハ行は弱くなり続けてきたんだから、数百年後にはh→ゼロの変化が起きてるはず

日本語には祖語の頃からhが無かったのか、それとも上代以前に無声化して消滅したのかどっちなんだろうな
上代日本語のサ行でtsの音とsの音が混在してることから、上代以前の日本語がもう少し子音を持ってたことは推測出来るが

312 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/04(水) 20:20:23.54 0.net
>>311
個人的にサ行の子音がはさつ音tsだったという説は信用しない。
というのもsを音素に持つがtsを持たない言語で、音節頭で自由異音的にtsと発音する言語は
メジャーな言語では存在しないからだ。アイヌ語はチcがあるからそれをさけるためだと思うがsがtsにはならない。
俗ラテン語でsがtsになるなら、cが口蓋化して音価[ts]にはならない。
そのへん言語を横断して見るに、ややうさんくさいところがある。

hは破裂音の前に来ると発音しづらい。また摩擦音の後に来て、そこで終わると聞きとりにくい。
破裂音の後にに来ると有気破裂音に容易に転化する。
そこで、hは母音の支えを直接受けられる位置で、単子音として出てくる言語が多い。つまりhaかahだ。
で、hが上代日本語以前に存在したとすると

(a)子音つかないア行の頭に存在したが、脱落した(語中では二重母音化を引き起こす)
(b)音節末にhがあって、それが(他の子音とともに)開音節化に巻きこまれて消滅した

の二つが候補となるが、古いh-を持つ語を取りこんだなら語頭がア行の語がもっと多くていいよな。
音節頭だけに出現するとするのは頻度的に弱い。
というわけでhを仮定するならCVCの音節が可能で前後のCにどちらも立ちえたとしたい。

313 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/04(水) 22:07:02.05 0.net
>>312
元々日本語にはsとtsの両方の音があったんじゃないかな
君が言うように確かにsとtsが自由異音として出現するのはおかしいし、森博達の推定からしても自由異音だとは思えない
でも、日本語に本源的なtsの音が存在したのは「ふたぐ/ふさぐ」のような交代形から見て確実
もしも上代のサ行がsだったならtと混同を起こさないはずだし
AN祖語にはsとtsの両方が再構されるから、それを引き継いである段階までは両方の音が異なる音韻として共存してたんだと思う
文献資料で証明できる中でも例えば平安時代にkとkwが(kwaと元々存在しなかったkwoを除いて)合流したりしたこともあるし、それと同じように上代以前にsとtsが合流したんじゃないか
上代以前の日本語はもっと子音が豊富だったんだと思う

hについては同意
日本語の四段動詞の語幹はCVCだし、どう考えても古い時代の日本語は閉音節的な言語だったはず
琉球諸語との比較から上代以前には語末にngがある語があったという説があるし、日本祖語の時代には語末子音の存在が許されてたんだろう
ただ、仮にhが過去に存在したと仮定しても痕跡が残っていそうな語が思いつかない
最初から無かったか、あったとしても合成語の語中ですら完全に無声化して消滅して痕跡すら残ってないんだろうな…

314 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/05(木) 06:54:17.17 0.net
有声音の方はdzが本来的な音でzが二次的だっていう感覚に問題はないのに
なんでtsの方だけ気にするんすか

315 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/05(木) 15:44:36.73 0.net
>>314
上代サ行ts説は、「上代の日本語のサ行の子音はtsであった」というもので、
「上代のサ行の子音は(ヅとズが室町時代に混同されたように)古いtsとsが合流してできたものである」というところまでは含まない。
ならば初めに見るべきは音素/s/を持つが/ts/を持たない言語であって、合流があったことが分かっている後代の日本語ではないわな。
室町日本語と同様のことが上代の少し前に生じたというなら、
現代のzは語頭や強調して発音するときに破裂を持ちやすいという傾向から考えて、
語頭では中国語の中古音[ts]の漢字で、語中では[s]の漢字で書かれる傾向があればいいわけだ。それはあるのかな。

316 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/05(木) 20:11:12.33 0.net
>>315
/dz/と/z/はザ・ゼ・ゾではなにかが合流したってわけじゃないでしょ。
遡れるだけ昔をさかのぼってもずっと混同されっぱなしだ。

317 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/05(木) 22:18:35.86 0.net
>>316
村山説を見てると日本語がAN祖語から継承した本源的なザ行音はdzじゃなくてzだとしか思えない
日本語に本源的な有声音があったかは分からないけど、仮にあったとしたらzじゃない?

318 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/06(金) 05:17:26.06 0.net
ハ行音がかつてはhではなくpだったことも考え合わせると、上代日本語からさらに遡った時代には
日本語には摩擦音が全く無かった可能性というのも考えられる。
そうなると、ザ行がdzだったということのみならず、サ行も本源的には全てtsだった可能性も考えられる。

その場合、むしろ参考にすべきは「sを音素に持つがtsを持たない言語」ではなく
「tsを音素に持つがsを持たない言語」となるだろう。
ただ、そんな言語が自然言語にどれだけあるかはよく分からないが。

319 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/06(金) 06:32:38.13 0.net
最低、現代日本語は語頭については「dzを音素にもつがzを持たない言語」でしょ
他の言語の事情はしらないけど

語頭を含めないと「dzもzも持つ言語」だけど、あまりそんな言い方しない
(たとえば語頭ではg、語中ではngだけど母音の前にngが立つ言語という言い方はしない)

320 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/09(月) 07:00:35.79 0.net
>>311
魏志倭人伝の頃にはh音あったっぽいよな
卑弥呼、卑弥弓呼の呼や好古都の好は暁母だからh音だよな

321 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/09(月) 12:15:54.03 I.net
>>320
当時の呼の音はhwoで、奈良時代と平安時代の資料では呼がwoの表記に使われてる
仮に古墳時代にhの音があったとすればh→wというハ行転呼と同じ音韻変化が上代にも起きてたことになる
或いは、当時の漢字音にはwoという発音が無かったから、最初から呼がwoの表記に使われていた可能性もある

322 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/10(火) 06:37:34.58 0.net
>>311
日本語の基本的な音韻の変化は唇音の弱化であって、喉音は変化していないからhがこれ以上弱くなることは無さそう

・pの弱化
・合拗音の消滅
・uの非円唇化

全部唇音の弱化とみなせる。
みんなそんなに口開くのめんどいか。

323 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 02:15:01.60 0.net
>>322

逆に口を閉じたくないんじゃないか(笑)

324 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 15:18:57.74 0.net
>>322
ワ行がア行に合流して消滅する可能性はありそう
「ゐ」と「ゑ」と「を」は音韻としては既に消滅してるし、数百年後には「わ」も消えてそうだ
「わ」と「あ」が合流しても、そこまで大きな支障は無さそうなのも大きいな
もしくは、文法機能を考えたら本源的なワ行音がア行に合流して消滅、ハ行起源のワ行音はそのまま残る可能性もあるか

325 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 22:07:09.77 0.net
>もしくは、文法機能を考えたら本源的なワ行音がア行に合流して消滅、ハ行起源のワ行音はそのまま残る可能性もあるか

これってもしかして格助詞の「は」のことを言ってる?
格助詞の「は」以外にもハ行起源のワ行音っていっぱいあるよ(というか語中のワの大半はハ由来)

326 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 22:26:03.26 0.net
>>322>>324
琉球方言の一部では母音間でk(*ka/ke/koに由来)→h→ゼロ子音という変化が起きてるし
wの消滅も本土方言より進んでるな
本土方言もそうなるかもしれない

327 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 22:56:06.02 0.net
逆方向に考えると、遥か昔はワ行ウとア行ウが区別されていた時代もあったのかもしれないな…

328 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/12(木) 02:15:03.12 0.net
[wu(:)][wω(:)] と [u(:)][ω(:)] とが対立する言語ってあるかな。
英語の woo と oo とは別の語だが、oo は間投詞で、完全な対立とは言いがたい。
[ji(:)][jI(:)] と [i(:)][I(:)] とについてもどうだろう。
英語には yeast と east,year と ear などの例があるが。

329 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/12(木) 02:20:36.72 I.net
>>328
jiとiは朝鮮語やロシア語では母音として対立してるね
母音としてじゃなく対立してる言語は思い浮かばないが

330 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/12(木) 05:08:00.17 0.net


331 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/12(木) 07:53:06.44 0.net
>>328
それはwやuが今と同じ発音だという仮定が成り立つ場合でしか意味をなさないよね。
ワ行が何らかの変化の結果wとなったのなら、それ以前は区別があった可能性があるわけで。
# もっとも、区別が失われたとしても、それは文献の無いほど古い時代のことだろうからどうにもならんのだけど。

332 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/13(金) 16:24:26.92 0.net
>>331
村山説を読み解く限り、日本語のwは本源的な音韻ではないっぽい
AN語のvが変化したwも一部にはあるが、大半はアルタイ・AN起源両方の単語のuaの二重母音がwになったのが起源らしい
中期朝鮮語にもw音は存在しないし、多分日本祖語にはwは無かったはず
yがアルタイ語のdが起源だとはっきりしてるのとは対照的だな

333 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/13(金) 17:34:45.97 0.net
日本語がAN語とアルタイ語の混合で生まれた事に異議は無いが、両者由来の音韻って分離できるものなのか?

334 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/13(金) 22:18:12.99 0.net
自分は日本語がAN語とアルタイ語の混合だという説はあまり信用してないな
そもそもアルタイ祖語があるともあまり思えないし

日本語のヤ行がdに遡るってのも胡散臭い
与那国方言が根拠の一つになってるけど、薬缶が/daɡaɴ/になるなど、明らかに後代の改新くさい
仮に日本語の /j/ とアルタイ諸語の /d/ の対応が本物だったとしても、分岐あるいは借用の時点では /j/ で、
アルタイ諸語側で /d/ に変わったというほうがそれらしい

あと、中期朝鮮語にも /w/ はあるよね

335 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/15(日) 00:29:46.85 0.net
>>334
与那国方言を根拠にしてるのはストラスティンの学派だけで、ボビンや村山はそれを否定してるよ
その上で、yamaとdabanやyopaとdolbaなどの対応を根拠に日本語のy音をアルタイ起源だと主張してる

yが古形である可能性については同意
マクロアルタイ語族説が正しいと仮定した場合、比較的古形を保存しているのが日本語とチュルク語であることには異論は無いと思う
そしてモスクワ学派が再構したアルタイ祖語説によると、これらの音韻は日本語とチュルク語でy、モンゴル語とツングース語と朝鮮語でdに対応してる
自分としては(アルタイ語族説の成否とは無関係に)モンゴル語・ツングース語のdと日本語のyの対応は本物だと思うが、祖語時点ではdではなくyで、日本語が古形を保ってる可能性が高いだろう
逆に言えば、地理的な接触が一切無かったはずのチュルク語と日本語の間にy音を持つ対応語がいくつか見つかれば、アルタイ語族説の実在性は一気に高まるだろうな

336 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/17(火) 18:52:45.83 0.net
>>327>>328
音声学に詳しくないんだけど、ワ行ウとア行ウやヤ行イとア行イを
発音だけで見分ける方法ってあるのか?
四つ仮名だって、混同せずに残ってる地域では音としては「ジヂズヅ」ではなくなってるのに

337 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/17(火) 19:58:16.78 0.net
>>336
yiとiを聞き分けるのは日本人には至難の業(ロシア人は出来てるけど)だが、wuとuは結構音が違わないか?
リック・フレアーはWoooooooooo!が決め台詞だけど、あれを耳だけで聞いてア行のウだって判断する日本人はまずいないだろ

338 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/18(水) 03:27:22.45 0.net
>>336
' >>327-328 '

339 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/18(水) 03:45:29.72 I.net
そもそも今話題になってるyiは半母音+母音のyiなのか、ロシア語や韓国語にあるような単独の母音要素としてのyiなのかどっちなんだ?
単独の母音要素としてのyiならロシア語や韓国語にあるが、例えば日本語や英語の音韻構造のような半母音yと母音iに分割できるyi音がある言語なんてあるのか?

340 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/18(水) 06:43:35.09 0.net
ヤ行が現代日本語と同じ音価/y/であれば、ア行イと区別つかない。
ヤ行が昔/d/だったり、他の音価(/l/でも/x/でも/ʒ/でもなんでもいいよ)だったら
ア行イと区別つく。

逆にヤ行イとア行イが昔区別ついていたのなら、現代日本語と音価が違う傍証になるんでは。

341 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/18(水) 23:01:05.54 0.net
英語のeastとyeastみたいに、/i/ と /ji/ でも区別を付けられないことはないよ

342 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/19(木) 17:30:42.00 0.net
「射る」と「鋳る」がヤ行上一段なのは矢と湯が関係あるから、なんて
うさんくさい話を高校時代に習ったけど、そういやなんで「ヤ行上一段」
なんてのがあるんだろうな
ちょっと話題はそれるけれども。

343 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/19(木) 20:00:22.95 0.net
どうなのかな。
"射る"と"沃る"は個人的にはヤ行じゃなくてア行だとは思っているけど、
"鋳る"がどうにも判らない。

344 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 02:22:35.68 I.net
射るも鋳るもヤ行イである根拠が無いからな
矢→射るはまだその可能性もありそうだと言えるけど、湯→鋳るはいくらなんでも無理がある
湯→鋳るが正しいなら鋳るに「水を温める」「湯を沸かす」というような意味が無ければおかしい

ところで、オオカミの語源って何なんだろうか
ググってみても「オオカミ=大神」という語呂合わせの俗説しか出てこなくて困る

345 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 02:54:10.21 0.net
ttp://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/223547/m0u/ゆ/
ゆ【湯】
4 鋳造に用いる、金属を熱して溶かしたもの。

346 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 03:19:07.10 0.net
http://www6.ocn.ne.jp/~kanpanda/yamainu3.html

347 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 09:53:02.68 0.net
倭名抄で上代仮名遣いを論じちゃう男の人って…

348 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 22:23:50.67 0.net
>>345
仮に湯と鋳るが同源語なら、湯という言葉の原義は「鋳造に用いる金属を熱して溶かしたもの」で、それが熱せられた水を指す言葉に転用されたことになる
だが、製鉄関連の非日常的な言葉が熱せられた水という日常的に使われる単語に転用される蓋然性は極めて低い
やはり湯の原義は「熱せられた水」で、それが見た目が似ている溶けた鉄を指し示す用語に後から転用されたんだろう
となれば、湯と鋳るの類似は偶然ということになる

349 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 22:51:07.40 0.net
>>348
時代的に銅(青銅)じゃね?と突っ込もうとしたが、調べてみたら鋳鉄も入っていたんだな。ちょっと意外だ。

350 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 22:54:06.43 0.net
湯(熱せられた水、日常語)

湯(金属を熱して溶かしたもの、専門用語)

鋳る(専門用語)

の順に派生したんでしょ
何か問題有る?

351 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/22(日) 13:03:03.95 0.net
むしろ、「鋳る」は「沃る」由来なんじゃないかな。
熔融金属を型に注ぎ込むのを「沃る」と見立てたのだろうと。
「沃る」だと湯でなくとも水でも油でも成立するので、湯との関連は無い(少なくとも可能性は低い)と言えそう。
ただ、「沃る」もあ/や行が分からないので何も解決にならないのだけど(笑)。

352 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/22(日) 20:14:42.08 0.net
音韻として考えたらyiが長期間安定して存在するのは難しいけど、yi2なら普通に発音できるよね?
上代日本語にyiが無いのは発音し辛いから上代特殊仮名遣いの崩壊より先行してyi>iに変化したと考えられるけど、yi2すら上代日本語に無いのは何故だろう

353 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/22(日) 20:36:11.51 0.net
中国語側で識別できる文字対が無いとかはどうなのかな。専門じゃないから分からんけど。
u/wuも案外そうだったりしてね?

354 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/23(月) 05:37:16.14 0.net
ヤ行の調音点はサタナラ行と近いから、それらと同様にyi1とyi2は歴史時代以前に融合してしまったのかもしれない。
wi1とwi2の違いがなくなっちまったのは謎だけど

355 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/23(月) 11:42:05.35 0.net
橋本によって万葉集の野の発音はno1であるとされたのが定説になってるけど、これの根拠って何なの?
上代の野ってどう考えてもnuだと思うんだが

>>354
村山は上代以前の日本語にwi2を再構してるね
井と猪はwi2だったらしい

356 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/23(月) 23:47:18.71 0.net
>>352
その場合i1とi2はどの音を仮定してるの?

357 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/24(火) 17:30:26.33 0.net
>>355
橋本以前はナ行だけヌ甲/ヌ乙/ノという区別があるとされてたけど
それは変だからって話だろ
他の行と同じくヌ/ノ甲/ノ乙の方が自然

358 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/24(火) 18:00:33.18 0.net
>>357
それを言ったら、イ段とエ段の甲乙だって無い行はあるじゃん
例えば山口佳紀は上代以前の日本語にウ段の甲乙の存在を主張してるし、それがナ行に最後に残ったと考えるのはそんなに不自然なのかな

359 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/24(火) 21:50:10.46 0.net
上代特殊假名遣を論じてゐる假名遣が現代表記と云ふのも奇異な話だ。

360 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/24(火) 22:41:53.09 0.net
万葉がなならともかく、定家だの契沖だの程度じゃヒヨッコだというのは変わらんよ

361 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/25(水) 06:26:12.77 0.net
イエオ段の甲乙は子音の調音点によって崩壊の差があるっていうわかりやすい性質があるんだけど
ウ段でなぜナ行が残るのかさっぱりわからん。

オ段と同じように、唇音では先に崩壊して軟口蓋音では比較的後まで残る、
という性質ならちょっとは理解できたんだけど

362 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/25(水) 22:18:05.03 0.net
藤井何とかが主張してる朝鮮語の母体は百済語って説はどう思う?
五母音説はともかく、こっちの説にはそれなりの説得力があると思うが

363 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/25(水) 23:12:54.16 0.net
>>355>>357>>358
この議論は何なのだ…?

江戸時代の国学ならいざしらず、音素(音韻)と音声という
近代言語学のツールを持っている俺らにとっては、
「野は、ヌ乙なのかノ甲なのか?」という議論は、もはや何の意味もないはずなんだけど。
山口佳紀は、かつての渾然一体とした国文学者というより、ただの古典文学者なので、
言語史とは本来無関係な「用字法に関する、あまり意味のない議論」をしているだけだと思う。
本来、甲乙論というのはここに始まるのだけど、
これだけ議論ツールが揃うと、ただの文学者の訓詁の出番は、この点ではなくなってしまう。

8世紀の畿内語を考える上で、/no1/が/nu/と弁別される音素としてたち得るか?
という議論は、当然あるけどね。355の質問の趣旨自体は、俺は問題なく理解できるんだけど、
357の受け方が変過ぎる。

364 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/25(水) 23:25:06.15 0.net
>>355>>357-358
この議論は何なのだ…?

江戸時代の国学ならいざしらず、音素(音韻)と音声という
近代言語学のツールを持っている俺らにとっては、
「野は、ヌ乙なのかノ甲なのか?」という議論は、もはや何の意味もないはずなんだけど。
山口佳紀は、かつての渾然一体とした国文学者というより、ただの古典文学者なので、
言語史とは本来無関係な「用字法に関する、あまり意味のない議論」をしているだけだと思う。
本来、甲乙論というのはここに始まるのだけど、
これだけ議論ツールが揃うと、ただの文学者の訓詁の出番は、この点ではなくなってしまう。

8世紀の畿内語を考える上で、/no1/が/nu/と弁別される音素としてたち得るか?
という議論は、当然あるけどね。355の質問の趣旨自体は、俺は問題なく理解できるんだけど、
357の受け方が変過ぎる。

365 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/26(木) 00:16:59.20 I.net
いや、o1とo2があるのならu1とu2があっても別におかしくないじゃん
オの甲乙って要は円唇非円唇の差でしょ?
だったらウにも甲乙があった方がむしろ自然

366 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/26(木) 07:07:24.58 0.net
どちらかというと奥舌か中舌かの差では?

367 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/27(金) 06:16:32.20 0.net
>>364
それは、上代特殊仮名遣いを音韻の調音の差だという前提で語っているから出てくる話で、
甲乙の差をアクセントやら条件異音を外国語話者が聴きとった結果だとやらで語る立場の場合
今までどおり「オ乙」とか「ウ甲」とか言わざるを得ないと思う

368 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/27(金) 17:26:33.98 0.net
オの円唇非円唇の差ってようするに/wo/と/o/の差ってこと?
無知でスマソ

369 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/27(金) 18:55:04.65 0.net
>>365
そう考えた場合の「ウ乙」なる母音って、それは【イ乙】と言うんじゃないんですかねえ?


五十音の訓詁に縛られた文学屋的甲乙論は、この発想に欠けるんだよ。
万葉仮名の文字面と五十音図だけを脳内に入れて、ずっと眺めているから、思いつきもしないんだ。
オに甲乙があれば、ウにだって甲乙があってもいいじゃないか、と考えて疑問を抱かない。

だから、音声論と音韻論の素養のある人は、「オに甲乙ならウに甲乙!」なんてアホなことは考えず、
「オ乙と【エ乙】が、なぜ(8世紀の畿内語で)弁別されて『いた』のだ?」
という疑問を抱くことになる。
これは、国文プロパーの極めて古い段階の議論でも、
すでに大野晋が、深刻な疑問として指摘していた。出来る人は出来るんだよ。
復元音声の観点から、森はエ乙を多重母音的に理解して、「エ乙の独自調音点」は立てていないし、
通常の音韻学の発想があれば、問題はやはりこちらに収斂することになる。

370 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/27(金) 21:31:21.02 0.net
>>368
後舌円唇の[o]と中舌非円唇の[ə]だったんだと思う。
それだと比較的安定的な下記の母音構造になる

狭舌 「イ甲」-「イ乙」-「ウ」
中舌 「エ甲」-「オ乙」-「オ甲」
広舌 「エ乙」-「ア」

371 :699 ◆nLORzldheo :2013/09/27(金) 23:04:44.01 0.net
>>370
ひさしぶりに北w

コテの通り、前スレ699なんだけど、もし俺の説を紹介したのなら、甲乙が逆だよ。
一応ざっと確認してみたが、甲乙を逆にする見解は、書き込まれていなかった。
【俺説】
狭舌 「イ甲」-「イ乙」-「ウ」
中舌 【エ乙】-「オ乙」-「オ甲」
広舌 【エ甲】   -   「ア」


【8母音説における通説的見解】
狭舌 「イ甲」  - 「イ乙」  - 「ウ」
中舌 「エ甲」-「エ乙」-「オ乙」-「オ甲」
広舌          「ア」
(なお、森7は、「ア」は後舌に後退し、「エ乙」が「オ乙+i」のような二重母音になる)

372 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 02:00:33.69 0.net
>>364
山口説では、音韻論的にu2の成立(u1は本源的な母音とする)についても論じてるんだが
具体的には「au>u2」と「o2u>u2」だな
これなら音韻として他の母音と独立して存在可能だったはず

それに山口説は文献時代以前の日本語にウの甲乙の存在を主張するものであって、上代日本語の時点ではu2はu1に合流したとしてる
4母音から8母音に変わる過渡期に、二重母音発祥のu2が一時的に存在した可能性はそれなりにあると思うけどな

373 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 02:40:36.97 0.net
>>372
その説、ありとあらゆる面で詰んでるよ…

o2u…有坂法則第2原則違反
au+o2u→u2合流…有坂法則第3原則違反
au→u2…調音点からして、常識的に考えて、立つならo3またはe3。さらに森7推定音声と全く不調和。

何もかもが駄目すぎて、拾いようがないように見える。
森復元音声で、aが後舌であると提唱され、これが有坂法則と平仄が取れることまでわかった以上、
この説はほぼ全ての命脈を絶たれてるw

374 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 06:55:27.20 0.net
>>371
エ甲のほうが広舌なのはなんでだっけ。森推定音を素直にプロットすると370になりそうなんだけど
東国方言でエ甲はアと、エ乙はオ乙と混同されやすいから?

375 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 09:20:01.49 0.net
aとo2が同一語根内で並存しないのって一種の母音調和だよね?

376 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 14:41:51.41 0.net
>>373
有坂の法則は同一単語(これも何を言い表してるのか曖昧だけど)の中だけで結合則が決まってるってだけで
複合語の場合にはo2+uもありうるんじゃない?

例えば上一段活用はo2あるいはuで終わる音が語根だったと推定されるけど
この終止形はo2+う(居)あるいはu+う(居)だと思われる

更に、東国方言で思い出したけど、東国では終止形は-u、連体形は-o1の形だったんで
畿内と東国が別れる前は終止形-u1、連体形-u2だったのかもしれない。

377 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 15:06:00.28 0.net
>>373
上代日本語の分析からは山口説は否定できないでしょ
有坂法則は上代日本語時点での規則であって、それ以前の時代に当てはまるかは分からない
例えばかつてo2uとauがあったとしても、それがu2になって更にuに合流したとしたら、上代日本語時点では有坂法則が成り立つことになる
4母音時代には重母音が豊富に存在したと思われるけど、その中にはo2uもあったはず

378 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 15:07:44.49 0.net
上二段?

379 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 15:10:26.83 0.net
イ乙とオ乙が中舌だとして、どうしてイのほうは前舌のほうの母音と合流してオのほうは後舌のほうの母音と合流したんすか?
両方後舌のほうにいったり、合流先が7:3で前後に割れたりしないんすか?

380 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 15:59:26.01 0.net
>>379
確かに上代特殊仮名遣いは合流過程がキモい。
特にオ段は量が多い方の乙音が少ない方の甲音に吸収されていくんだから
何か特別な理由がないとこの説明はできないと思う

2つのエ段音に邪魔されてオ乙が前舌音に移行できなかったのかな??

>>378
上二段だった。失礼。

381 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 18:59:06.97 0.net
>>380
オ乙の発音は元々eだったと思う
でも後からエ甲乙が生まれたんだから、奈良時代には既にoに近い音に変化してたんでしょ

382 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 21:04:18.37 0.net
俺もオ乙はeだった説だわ
前スレにも書いたけど、有坂法則でオ甲←→オ乙の対立が一番強いことから
オ甲は二次的な音じゃなくて昔からある単母音だという推論から

狭舌 イ甲-ウ
中舌 オ乙-オ甲
広舌 ア

この形を再興してみた。これだとどう考えてもオ乙の音価は/e/

383 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 21:20:02.74 0.net
オ乙とオ甲を対立的に見るのは
オ乙同士は結合するけどオ甲同士はほとんど結合しない、というのがなあ

384 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/28(土) 23:32:03.42 0.net
そこは謎だな。オ甲の出現率が低いのと同様に。

385 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/29(日) 13:19:20.11 0.net
むしろ、オ甲の成立がイ乙エ甲エ乙よりかなり早かったというのはどうだろう
日本語の本源的な母音はa,i(i1),u,e(o2)の4つなんだけど、日本語が成立してしばらく後にo1が先に出現したという考え
元々4母音であったことはAN祖語の母音と4母音説で推定される音韻が綺麗にa,i,u,eで一致することからも正しいと思われるが、
日本語と同じくAN語から分岐して開音節言語となったポリネシア語族ではoが発生して日本語と同じく5母音になってるんだよ
前スレでも4母音体系から5母音体系への推移はあり得ないって言ってる人がいたけど、ポリネシア語という実例があるんだよね
a,i,u,e→a,i,u,o2,o1→a,i1,i2,u,e1,e2,o1,o2という推移を主張してみる
これなら、>>382-383で上がった問題点を包括的に解消出来るよね

386 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/29(日) 14:41:24.67 0.net
>>385
俺自身は反対なんだけど、言いたいことはわかる。というか、AN語を比較しながら見てると、その発想になるよね。

aiu古e→ oが発生 → 古eが流浪の旅に出る → 新eが発生 → 古eが居場所がなくなる → どっかに吸収されてa新eiou

フィリピンやマレー系の言語をみてると、大体こんな感じ。確かにトリガーはoの発生に見える。
ここでいう古eの「音価のぶれ」というか、所在なげな流浪っぷりは、普遍的なんだよなあ。
日本語のオ乙もどうやらそうだし、(関係あるかどうかは分からないけど)朝鮮語のeuもそう。
aと伍して母音調和の主幹を担う、超主要母音であるにも関わらず、
正確な文献が残る1世紀間だけでも、
@\ → 7 → O → V (x-sampa表記)
これだけぶれてる。
漢字音からの類推だと、この古音はどうやらeなので、一体どんだけ流浪してるんだよ?という話。

387 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/29(日) 15:27:12.37 0.net
euじゃなくてeoでは?

388 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/29(日) 17:06:07.91 0.net
朝鮮語のeu(eo?)が@\だったっていうのはどの文献に出てるの?

389 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/29(日) 18:41:41.70 0.net
aiue のところにoが出現したらaiueoの5母音で安定するだけで、
だいぶあとに新eが来ても旧eに食われて5母音が維持される方が自然だろう。
なぜe(オ乙)が後舌に寄るのか。
o出現のときにすでにeが後舌化していたなら、
新o(o1)と旧o(o2)が旧のほうに同化されてオの甲乙の別はたもたれないと思う。
eが半端に中舌あたりに来ている段階で新たにoが出現したら、
やっぱり新oの影響で旧o(中舌)がいっせいに後舌化するか、新oと差を作るためにeにもどるかする可能性が高い。

オ乙を初め前舌と仮定してその音価を移動させるのは、強引な感がいなめない。

390 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/29(日) 20:15:40.96 0.net
>>385
すると日本語の母音の動きとしては

AN祖語時代 : ieau
五母音時代(1) : uあたりからoが発生、ieaou
母音調和時代 : [i]中性母音 [e]前舌母音 [aou]後舌母音にカテゴリわけ
(ココらへんからeがəになっていく)
-iによる造語時代 : やたらに母音が衝突、ai→e2、ui・əi→i2、ia→e1が生まれる
五母音時代(2) : 母音が整理され、ieaouに戻る

っていう流れなのかな?オ乙の遊離は母音調和の時代に原因がありそうな気がしてきた
ちなみにこの流れの続きは

長音開合時代 : au→ɔ ou→oという2つの母音が生まれ、長音だけ六母音に
五母音時代 : 母音が整理され、みたびieaouに戻る

っていう感じかな?なぜかuがɯになっているけど

391 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/29(日) 23:47:53.94 0.net
朝鮮語は百済語が元になったもの
新羅語じゃない

http://music.geocities.jp/konatarosu/Hakusonkou/7shou.html

392 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 05:58:32.27 0.net
また前スレでも暴れまわった藤井説か

・オ甲乙は意味の弁別に役立っており異音ではない
・朝鮮語┤は漢字音から見ると古くは/e/だった

ここらへんの反論を何回も見てきただろうに・・・

393 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 06:10:19.51 0.net
>>390
その五母音時代(1)というのは粗くいって西暦何世紀ごろを想定で?
-iによる造語時代の後半の連母音の融合が完全に終わったのが
奈良時代より少し前だからたとえば西暦600としますわ。
で連母音の融合の開始が西暦500年としますわ。で母音調和時代が200年つづいて西暦300年ですわ。
五母音時代1は西暦100年とか紀元前の話になりますがもっと前ですか?

394 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 07:15:55.20 0.net
ㅓ が /e/ に対応するというのには疑問もあるらしい
ㅕ のほうが本当に /e/ に対応する母音で、ㅓ 自体は /ə/ だったとする説もあるとのこと

ㅕ も /jə/ だったが、半母音の影響で前舌化して [je] になっていたため、
漢字音の /e/ の転写に使われたのではないかとのこと

서 저 처 のような音節ではㅓ がエ段に対応するように見えるが、
これらの子音の後では半母音が失われたので、本来は 셔 져 쳐 だったものがエ段に対応するものだそうだ

元々 ㅓ のものを見ると、確かにエ段だけでなくオ段に対応するもののほうが多いので、
単純に漢字音で /e/ に対応するから古形はエ段だと即断はできなさそう

395 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 13:14:42.57 0.net
>>390
村山説を支持する立場からすると、その流れは少しおかしいように感じる
この説では-iはAN祖語の他動詞形成接辞を継承したものということになるんだけど、それだと五母音時代と母音調和時代には機能していなかった-iが突然ある時期に復活したことになってしまう
一応、-iに関してはアルタイ語起源の接辞-riがルーツである可能性もあるけど、-riが起源であるとするとrが語中で消失したと考えなければならなくなる
朝鮮語では三国時代から高麗時代の間に実際に語中の-riが消失してるから日本語でも同じ変化が起きたと考えてもいいけど、それだと今度は-るで終わる動詞が何故あるのかが説明出来ない

>>385の祖語の4母音だった状態から一度5母音になった時代が存在するという説には賛成なんだが、それ以降の推移に関しては今挙げた問題点を解決出来るアイデアが思いつかないから難しいな

396 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 13:15:31.96 0.net
訂正

× 語中の-riが消失
○ iが後続するrが消失

397 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 20:32:15.30 0.net
>>394
wikipediaで朝鮮漢字音をしらべてみたけど┤はオ段に対応するもののほうが多い、なんてことはなかったよ?
どこらへんの情報?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%BC%A2%E5%AD%97%E9%9F%B3

伊藤智ゆきは文庫本がないんで入手する気にならん。。。

ちなみに
・古代朝鮮語ではeに相当する語がないためəとその複合音を当てて代用していた
・上代特殊仮名遣いは古代朝鮮語の話者が条件異音を聞き取った
この両方を主張するのなら、上代特殊仮名遣いのうちエ甲乙とオ乙が混乱している箇所をみつけないとダメだと思う。

398 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 21:24:41.16 0.net
>>395
> この説では-iはAN祖語の他動詞形成接辞を継承したものということになるんだけど、

それ本当に正しいの?
パッと思いつくだけでも 起こす(o2ko2) 起きる(o2ko2 -i)みたいに
むしろ-iがつくのが自動詞のやつが見つかるんだけど

399 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 23:09:52.04 0.net
>>398
AN語族(特にオセアニア諸語)では、祖語起源の-iは言語によってかなり多彩な挙動を示してる
そのことから考えると、日本語で-iが単なる動詞形成接辞に変化してもおかしくない

400 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 23:20:24.76 0.net
>さて、高句麗・百済・新羅の三国の民衆の言語をそれぞれ高句麗語・百済語・新羅語と呼んだ場合、朝鮮語学者は「中世・現代標準朝鮮語は新羅語の後裔」と事も無げに言う。
>しかし、この命題は「朝鮮民族を初めて政治的に統一したのが新羅だった」という歴史的根拠だけに基づくもので、言語学的な根拠は限りなくゼロに近い。
>なぜなら、7世紀以往の高句麗語・百済語・新羅語の異同を論じられるほどの言語資料は残っていないのである。
>ある程度まとまった資料があるのはこの12世紀、高麗朝時代までである。
>ここで注意が必要なのは、高麗朝は京畿道の開京(開城)、李朝も京畿道の漢陽(ソウル)を首都としており、そこは三国時代には百済と高句麗が取り合いをしていた地域、三韓時代には馬韓地方に属する、ということである。
>特に『華夷訳語朝鮮館訳語』『鶏林類事』を著した中国人外交官が首都以外に住んでいたわけがなく、これら李朝・高麗朝時代に編纂された資料は、首都のある京畿道方言≒百済語≒馬韓方言を「標準朝鮮語」と見なして書かれているのである。

401 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 23:21:13.72 0.net
>上述のように、高麗朝の『鶏林類事』以降の資料は、京畿道方言を標準朝鮮語と見なしていることは明らかであり、現代標準朝鮮語がその後裔であることは疑いない。
>そして、この京畿道は三国時代には百済と高句麗の係争の地であり、三韓時代には馬韓地方である。
>そして、後に新羅となる辰韓は三韓時代に既に後「言語法俗與馬韓不同」、すなわち馬韓とは方言差があった。
>では馬韓方言と辰韓方言を話す人間がどちらが多かったかというと、魏志によれば、馬韓は「大國萬餘家、小國數千家、總十萬餘戸」であるのに対し、弁辰(弁韓と辰韓)は「弁、辰合二十四國、大國四五千家、小國六七百家、總四五萬戸」でしかない。
>また、辰韓の人口を、上述のように辰韓とは別の方言を話していたと思われる全羅道(弁韓)を除いて三万戸と仮定すれば、辰韓方言話者は馬韓方言話者の三分の一程度に過ぎない。
>食料の移入・輸入が困難であった前近代農耕民社会の人口は、耕地面積によって規定されるのであり、三韓から三国時代、統一新羅時代、高麗時代、李朝時代と時代とともに人口は増えたとしても、馬韓方言話者と辰韓方言話者の比率は変わらなかったはずである。
>従って、方言人口の面から見れば、朝鮮語を代表する方言は馬韓方言、即ち百済語である。

402 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 23:22:40.76 0.net
>「新羅は旧百済・高句麗地域の支配の為に、新羅語(辰韓方言)を話す役人や兵士を送り込んだはずであり、そこから新羅語は全域に広がったはず」などと言うかもしれないが、もともと辰韓方言話者は馬韓方言話者の三分の一しかいないのである。
>旧百済・高句麗地域支配の為に送り込まれた者など、さらにその何分の一かであって、その地域の総人口から見れば微々たるもの、その程度のことで地域全体の方言が変わったりはしない。
>京都出身の細川家に200年以上支配された熊本の民衆が京都弁を話していないのを見れば明らかである。
>もし、現在の標準朝鮮語、最も方言人口の多い中部方言が新羅語(辰韓方言)の後裔だと言うのであれば、新羅は統一後に

>@辰韓地域と馬韓地域の住民の総取り替えを行った
>A馬韓(百済)地域の住民を皆殺しにするか、全て域外に追放し、その跡地に新羅の住民を移住させ、その後に現在の方言差が生じた

>と考えるしかないが、新羅がそんなことを行った形跡は全くない。  
>テレビもラジオも義務教育もない前近代社会においては、政治権力が変わったからといって、新政権が異言語・異方言を話す新住民を大量に送り込んだり、土着の住民の皆殺しや強制移住・追放などを行わない限り、
>土着の住民は先祖伝来の言語・方言をそのまま話し続けるのであり、新羅がそんなことを行った形跡がない以上、高麗朝以降の中世・現代標準朝鮮語の祖は百済語・馬韓方言だと考えるしかない。

これに反論するのは不可能だろ
朝鮮語が新羅起源ではなく百済起源なのは明らか

403 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 23:27:14.99 0.net
うーん、o1先行による6→5体系の試論は、どうも今ひとつだなあ。
さすがに、ちょっと無理があるんじゃないかね。

俺は結構素朴に考えている。次のような感じ。議論としては「プレ時代699説」になる。
古いeを暫定的に@で示す。音韻は何も挟まず、音声はxsampaを使い[ ]で挟むことにする。

1 祖語4母音:a[A] i[i] u[u] @[@\]
 素直に、母音三角形としてはY字型を想定する。

1+ 有坂法則の意味
 ウラルアルタイ的母音調和というより、順逆双方の同化現象の中で、@が仲間はずれにされたことではないか。
 Y字型の中で、@だけが中間点にある。つまり、安定頂点音3+中間音1という感覚。

2 中間音が形成されて7母音:a[A] i[i] u[u] @[@\] y[1] e[e] o[o]
 これは、Yの頂点を結ぶ ▽型の各辺の中点3つに、母音連続による中間音が生じた、と単純な内在変化で考える。
 この形は、現存する言語では、標準インドネシア語と同じ。

3 エ甲が加わり原型の8母音(699説):a[A] i[i] u[u] @[@\] y[1] e[e] o[o] ae[{]
 前舌側にもう一つ中間音が加わる。なぜこの形が許されるのか?といえば、
 下顎は円弧型に動くため、母音三角形は、音声上は「左片のほうが長い」から。
 従来の万葉仮名との対応で言えば、
 ア=a[A] イ甲=i[i] ウ=u[u] オ乙=@[@\] イ乙=y[1] エ乙=e[e] オ甲=o[o] エ乙=ae[{]

4 aeの高舌化による、中段に4つ母音が並ぶ8世紀畿内語通説。あとは通説に同じ。

404 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 23:30:25.97 0.net
言語の乗り換えを完全否定キタw
それもしかして藤井が言ってるの?

405 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/30(月) 23:39:50.76 0.net
403訂正および補足。
2は、標準インドネシア語と同じではないね。インドネシア語には、高舌の中間音がない。

祖語の4母音というのは、3母音+1母音という内在的対立を抱えていたのではないか。
これがAN祖語と同源なのかどうかは、正直分からない。
基本的には@は「仲間はずれ」だった。しかし、接辞として-iが頻発した結果、これとは結びつかざるをえない。
そこで、@iを除いて、Y字自体の内部では、母音連続を持たないことになる。

他方、3母音体系は、母音融合時に、はみでた中間音を発生させやすい数学的性質を持つ。
だから、3母音それぞれの中点、つまり▽の中点について、3つ中間音が発生して、合計7母音になった。
ここは、素朴に幾何学的に考えて、3つの中間音を導けば良い。

メカニズム的にはこんな感じ。いかがだろうか。

406 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 02:20:39.75 0.net
3の段階でのエ乙の発生の由来はなんですか?
これも連母音融合?

407 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 02:47:15.35 0.net
>>385だけど、俺がオ甲の成立が早かったんじゃないかと考えるのは>>386が挙げてくれたAN語的な目線の他にも理由があったりする
i2,e1,e2は母音融合で生まれたとされてるけど、(定説では)o1はuの低舌化で生まれたとされてるんだよね
二重母音由来であるi2,e1,e2がほぼ同時期に生まれたと考えるのは分かるけど、母音融合が原因じゃないo1までがi2,e1,e2と同時に生まれたと考える根拠は無いと思う

408 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 05:50:36.61 0.net
>>399
-iは被覆/露出形の対立のように名詞化接辞でもあるように見えるんだけど
これも他動詞形成接辞から出てきた?ちょっと強引じゃない?

-iに機能が多すぎて、俺としては-C(任意の子音)iという接辞の子音部分が弱化して同じ-iになったように見える
候補としてはlとかngとsとかかか?

409 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 05:58:24.07 0.net
>>403
有坂法則にオ甲が含まれていて、しかもそれが例外なしの結構強い法則だからこそのオ甲先行切なんですがそれは

410 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 07:04:16.72 0.net
>>400-402
言語学的な根拠もあるよ
地名により復元される形態素の中で後の朝鮮語に明らかに繋がるものが結構ある。

また、吏読では助詞や動詞語尾などが新羅語の漢字表記で書かれるが、
これが中期朝鮮語のものとかなり一致することからも、言語的に新羅語が中期朝鮮語に繋がることは明らか。

ウィキペにある例を示すと

      新羅語     中期朝鮮語
・格語尾
主格   伊・是      -i
属格   衣・矣      -ʌi/-ɯi
      叱         -s
対格   乙         -r, -rʌr / -rɯr, -ʌr / -ɯr
処格   中・良中     -ai/-əi (吏読ではhʌi/ahʌi)
具格   留        -ro, -ʌro/ɯro
共格   果        -wa/-kwa
呼格   良・也      -a/-ja

・副語尾
      隠        -n, nʌn/nɯn, ʌn/ɯn
      置        -to

411 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 07:08:15.13 0.net
・用言語尾
終止形  如        -ta
      古        -ko
連体形  尸        -r
      隠        -n
      期        -ʌn
接続形  古・遣      -ko
      弥        -mjə
      良        -a/-ə
      如可       -taka

接尾辞
尊敬   賜        -si-
謙譲   白        -sʌβ-

新羅語に関しては比較的資料が豊富だから、特に吏読に残りやすい文法的要素(助詞など)はかなり分かっている。
そしてそれが中期朝鮮語と相当一致することから、新羅語が中期朝鮮語に繋がる言語であることは疑いようもない。
その間に数は少ないが高麗語の資料もあり、変化の経過をある程度追うこともできる。

百済語、高句麗語に関しては地名などからの僅かな形態素しか分かっていないが、新羅語とはかなり違っており、
現代朝鮮語には繋がりそうにない。
これらの言語には日本語との類似も指摘されているが、新羅語にはそのようなことはない。

412 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 12:56:11.31 0.net
>>408
例えばオセアニア諸語にはAN祖語から継承した-iが形容詞形成接辞に変化してる言語もある
それくらいに幅広い変化を示してる接辞だから、名詞化接辞に変化することすら不自然ではない

-Ciを想定するなら、他言語との比較から導ける候補はアルタイ語の-riくらいだろう
実際、村山は四段動詞の活用語尾のルーツを-riだと推定してる
だがそれだと、>>395で指摘したように何故rが消滅した場合と消滅してない場合とがあるのかが全く分からないんだよな…

413 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 20:26:36.64 0.net
>>412
-riと-iの変化は、上代によく見られたル・ラル=ユ・ラユの交替とか、命令接辞ロ=ヨの交替とかを想定させるな・・・
東国と畿内の差かな・・・?

414 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 20:58:21.97 0.net
>>409
403は、その話の解決試案でもあるよ。ポイントは、
「有坂法則を、ウラルアルタイ的な母音調和ではなく、順逆自在の同化現象と理解する」ところにある。

此処から先は、俺もまだ抽象論の段階だが、ちょっと披露してみることにする。
aiu@のY字型4母音体系と、その頂点を結ぶ▽の中点に中間音が発生したとして、
o1つまり「辺auの中点」だけが特異になる点は、「@とも、iとも、直接関係を持ち得ない」という点にある。

一見大きく@と対立するかに見えるaやu本体(頂点母音)のほうが、
実は、@自体と「Y部分の線分(三角形内部の線分)」で結ばれている。

さらにiは、@と結ばれているのみならず、文法上特異な働きをするためだと思われるが、
有坂法則の上でも「中性化」されて結合無双状態になっている。

ところが、o1は、@とも結ばれていないし、iとも直接結ばれていない。
この点は、原始4母音どれとも違うし、他の中間音2つとも違う。

抽象的に考えて、二次的に発生したo1は、@と一番「縁遠い」ということになる。
有坂法則でo1関連が厳格に現れる理由は、これに尽きるのではないかと思う。
具体例をもう少し挙げないと、説得力は持たないだろうけどね。

415 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 22:00:53.36 0.net
>>393
魏志倭人伝の人名・地名にeがほとんど現れないことから、AD0〜300年あたりまでは母音調和時代〜五母音時代(2)の間じゃないかな
「難升米」みたいな固有名詞も現れるけどコレどう見ても再構形は「nasimai」だろ

416 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 22:02:01.62 0.net
失礼、母音調和時代から〜iによる造語時代だった

417 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 22:43:27.09 0.net
疑問なんだけど魏志倭人伝の時代まで遡った漢字音の再構ってどのくらい正確なの?
もし漢字音を再構するときに倭人語の地名や人名も参考にしてるなら
それは循環論法ってやつになるよね
そのへんの正確性は梵語とかが担保してるのかな?

418 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/01(火) 23:03:50.96 0.net
中古音に関しては諸方言の漢字音の祖形(?語はそれよりやや古く分岐)と見なせるし、
日本語、朝鮮語、ベトナム語の漢字音も参照できるし、かなり精度は高く、学者の間での差異も比較的少ないはず
ただ、『切韻』のものは6〜7世紀の体系だから、魏志倭人伝の時代とは開きがある

上古音だと学者による差がかなり大きくて、確度が高いとは言いがたい
『詩経』だと紀元前11〜6世紀だから、擬似倭人伝よりも相当前

擬似倭人伝は両者の中間の時代だけど、どういう漢字音だったかは説が分かれるはず
上古音から中古音の間にどのような過程を経て変化したんだろうか?

419 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 00:43:22.16 0.net
>>410-411
>三国時代にまで遡れる言語資料は、高麗朝時代に編纂された『三国史記』(金富軾 1145年)、『三国遺事』(仏僧「一然」編 13世紀末)などの史書に残る人名・地名などが殆どであり、文法・語彙・発音などのなどがわかる資料は、
>『三国遺事』に14首、『大華厳首座円通両重大師均如伝』(通称『均如伝』 1075)に11首、合計25首残る「郷歌」という歌謡だけなのである。
>「郷歌」というのは次のようなものである。

(中略)

>一見漢文のように見えるが、下線部分は朝鮮式借音仮名で書かれた助詞や活用語尾などである。
>例えば、「隠」は「〜は」に当たる助詞の「은」、「乙」は「〜を」に当たる「을」、「古」は「〜て」に当たる助詞の「고」である(と解されている)。
>そして、名詞や動詞・形容詞の語幹部分、「東京」「明」「月」などは漢字の意味を生かして「訓読み」にしたはずであるが、これらを実際にどう発音したのかはわからない。
>そして、『三国遺事』『均如伝』に収録されている25首の郷歌は全て「新羅」の歌であり、これらの助詞や活用語尾は中世・現代朝鮮語で理解できることから、「中世・現代標準朝鮮語の祖は新羅語」という命題の唯一の言語学的根拠となっている。

>しかし、それは論理の飛躍であり、ここから確実に言えることは「新羅語は朝鮮語の枠内の言語であった」ということだけであり、百済語や高句麗地域の朝鮮語と比較してのことでない以上、それ以上のことは言えない。

420 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 00:47:46.81 0.net
>>410-411
>では、三国時代の百済語や高句麗地域の朝鮮語の資料はというと、『三国史記』の「地理史」に出てくる地名から数十語が知られるのみなのである。
>統一新羅時代の757年に、政令によって朝鮮固有語の地名が漢字二字の漢風に改められたが、その改名は朝鮮語地名を漢字で意訳する形で行われ、「地理志」にはその由来が書かれている。
>例えば、元は固有語で「水の谷」/mul-tan/と呼ばれていた場所が、漢字で「水谷」/수곡/と改められた、と言う風に。
>但し、その元となった朝鮮固有語もまた朝鮮式の借音仮名で書かれており、それをどう発音したかもまた正確にはわからないのである。

>このように、三国時代の新羅語の資料が残っているといっても、たった25首の「郷歌」だけであり、
>まして百済語や高句麗地域の朝鮮語の資料など、『記紀万葉』に膨大な資料がある同時代の日本語に比べれば「無いに等しい」のであり、「中世・現代標準朝鮮語の祖は新羅語」などと言う命題は、資料では確かめようがないのである。
>資料で確かめようの無いことは、歴史や言語社会学的に考察してゆくしたkない。

>上述のように、高麗朝の『鶏林類事』以降の資料は、京畿道方言を標準朝鮮語と見なしていることは明らかであり、現代標準朝鮮語がその後裔であることは疑いない。
>そして、この京畿道は三国時代には百済と高句麗の係争の地であり、三韓時代には馬韓地方である。


高句麗語は中期朝鮮語ともそれなりの類似が見られる
pahei>pahoiやpatan>patahなどだ
このことからも、朝鮮語の新羅語起源説に何の根拠も無いことは明らか

421 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 00:57:11.57 0.net
>>410-411
結論は否定しないけど(統一新羅300年あるし、その後の高麗が中身は新羅の承継だ)

こうやって見ると、イ・ヨンヒや藤村由加の電波本というのは、
本当に、自画像の投影そのものなんだな。
どう読んだら良いのか、根拠が実にあやふやなのは、大和の万葉集ではなく、新羅の郷歌なんだよなあ。
ちょっとした文才と想像力があれば、名古屋弁や茨城弁などの個性的方言を使って、
余裕で「郷歌は読める」んじゃないだろうか。
日本全国各地、いろんな方言で新羅郷歌を読んだら、何かと楽しそうだな。
仏を称える歌のはずが、「茨城のヤンキーが、集団珍走したあとみんなで青姦した」なんて意味になったりしてww

422 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 01:36:43.60 0.net
電波ゆんゆんの長文コピペは藤井某君の自画像だったりしてw

423 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 01:50:22.93 0.net
ttp://www26.atwiki.jp/crescent_castle/pages/58.html
南朝鮮の氏族の本貫を見たら、最大の金海金氏は加羅系だが
2位の密陽朴氏以下、大姓は新羅系が多いな。
百済や高句麗なんかほとんどない、北にはいるのかもしれないが。
でも北朝鮮もたしか平安、咸鏡はそれぞれ全羅、慶尚から
移民が昔入ったらしいし、意外と南と変わらないかもね。
こうして見ると「百済の種は遂に絶えた」という支那正史の記述も
大げさとはいえ大筋では事実に近いことは言ってたんだな。
まあ本貫なんてどれほど当てになるか怪しい物ではあるが参考まで。

424 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 05:46:20.86 0.net
朝鮮語スレでやってくれないか。
って、今はないのか。

別途立ててくれてもいいよ。

425 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 07:26:09.26 0.net
なんでちゃんと「吏読」というワードを出してるのに、
25の「郷歌」だけだと堂々と嘘を付くんだろう。

吏読なら郷歌より遥かに数は多いし、他にも口訣などがあるだろ

つうかその文ググってみたらクソ藤井のページじゃねえか
反論する価値もないわ
トンデモどころかただの嘘つきだ
何も知らない素人を騙せればそれでいいだけの詐欺師

426 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 14:55:43.28 0.net
>>425
言っとくけど俺は藤井の5母音説には反対だぞ
だが、この朝鮮語の起源に関する部分の主張は正しいと思ってるだけ

>>420の最後で少し例を挙げたように、高句麗語と中期朝鮮語の間には明らかに繋がりがある
百済語に関しては実例がほぼ無いので全く不明だが、高句麗語とされる地名の地域の多くが高句麗と百済の係争地であった以上、百済でも高句麗語に近い言語(=京畿道方言)が話されていた可能性は高いと思われる
であるからには、高句麗語と中期朝鮮語の間に明確な繋がりがある以上、朝鮮語が百済語起源という主張は十分に成立し得る

427 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/02(水) 21:19:20.78 0.net
>>425
吏読と郷歌を混同して、更に内容を盛るのは、イ・ヨンヒの芸風だよね。意図してか理解不足かは知らないけど。
藤井が同じように混同するので、つまり藤井はイ・ヨンヒの影響をまともに受けていることがバレる。

それでもなお、小倉説に代表される新羅語解釈は、本当かな?と思われる面は確かにある。
質・量共に、文字面の情報量が少なすぎるので、
趙義成が言うように、「泣きそうなほど資料が足りない」と泣き言を言い、
学問的言及は周辺的な事柄以外行わないのが、一番知的に誠実な態度だと思う。

個人的には、高麗語は新羅語の直系だと思うよ。
朝鮮語の方言差の少なさから考えても、これくらいの時期に一気に広がったと解するのが自然。

428 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 03:48:18.78 0.net
三韓・三国時代からの方言差を引きずってるとしたら
日本語の本土方言と琉球・八丈方言くらいの差が
生まれててもおかしくないもんな

429 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 04:10:24.73 0.net
ド素人の疑問なのだが、甲乙の漢字の使い分けというのは
どのようにして決まったのだろう?

奈良時代当時の日本人は甲乙の漢字を使い分けてはいたけど
漢字音との対応付けは適当だったということだけれど

もともと中国人が甲乙にあたる漢字を発音に基づいてそれぞれいくつか選んだが
時代が下るにつれ日本人が使う漢字のバリエーションを増やした結果
漢字音に基づかない表記が氾濫したけど使い分け自体は続いた
ということになるの?

430 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 07:03:25.86 0.net
「高句麗語には中期朝鮮語と共通する単語が複数存在する」

少なくとも朝鮮語が新羅語単独起源であるという説は、このたった一行で完全に論破出来るんだけどな
高句麗語とされる地名の大半が百済と高句麗の係争地帯の地名であることも明白な事実だし、であるからには百済でも新羅語や高句麗語と近い言語が話されていた可能性は極めて高い
そして、百済語も朝鮮語の一派であったならば中期朝鮮語のルーツは百済語であった可能性が極めて高いことになる

>>428
朝鮮半島南部(百済や新羅のあった辺り)の東西の幅はおよそ200km程度
これを日本に当てはめると、大阪から静岡までより短い距離になる
琉球方言や八丈方言のように海を隔ててる訳でもない上に、通行が困難な山も無く大阪名古屋間よりちょっと多いくらいの距離しかない
それだけ狭い範囲の中でそんな大きな方言差が生まれるはずがないだろ

そして朝鮮半島北部には元々韓族は住んでおらず、後代に南部からかなりの数の移民が入っている
朝鮮語の方言差が小さいのはそのためだ

431 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 07:16:11.53 0.net
その論理だとむしろ百済語じゃなくて高句麗語由来になるだろ
しかも「共通する単語が複数存在するから起源」って、借用語だの偶然の類似だのそういうのまるっきり無視かよ
新羅語はもっと多数の(しかも高率の)「共通する単語」があるのにそっちは無視かい?

432 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 07:22:07.02 0.net
ていうか何で朝鮮語の話になったんだ
上代特殊仮名遣いの話だよな
唐突に藤井信者が出てきてからおかしくなったのか

433 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 07:29:26.89 0.net
>>431
だから

>高句麗語とされる地名の大半が百済と高句麗の係争地帯の地名である

って書いただろ
脊髄反射で文句を言う前にまずは当時の地図くらい見てから語れよ
どちらにしても確かめようは無いが、もしかすると高句麗語とされる単語の過半数が実は百済語である可能性すらあるんだが?
いずれにせよ「百済と高句麗の係争地帯=京畿道」で中期朝鮮語と繋がりのある言語が話されていたことは事実であるし、であるからにはそれが後の京畿道方言=中期朝鮮語のルーツであると考えるのは自然なことだが?

3行目に至っては主張が支離滅裂で何が言いたいのか理解不能
何故新羅語と中期朝鮮語に共通する単語があることが、高句麗語と百済語が朝鮮語ではなかったことの根拠になるんだ?

434 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 16:46:12.94 0.net
文字は1100行余りの全編にわたって360か所に書き添えられ、中には、「伊勢」の「伊」のつくりの
部分など漢字を省略した文字も多くあったということです。
小林名誉教授によりますと、これらの文字は漢文を読み下すために使われたとみられ、漢字の横に
添えられた読みがなとみられる文字は、新羅の言語だということです。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1378130632/501-600


これ本当か
奈良時代に新羅語がこれだけ大量に発見されたら大発見じゃないのか

435 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 17:28:36.94 I.net
そういえば、AN語絡みでたまに話題に出るrosetta_stoneの管理人も高句麗語に関しては藤井説とほぼ同じ主張をしてるんだよね
「高句麗語は実は百済語で、中期朝鮮語と同じ系統の言語」という藤井説と極めて近い主張がされてる

http://homepage3.nifty.com/rosetta_stone/wissenshaft/koguryon_AN.htm

436 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 19:34:13.74 0.net
現代朝鮮語が新羅につながるのか百済につながるのかは関係なくて、
それは上代特殊仮名遣いとは関係するのかってのがこのスレ的に気にするべきところなんだけど
どっちでも関係のない話だよね?

437 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 20:58:14.22 P.net
「(王氏)高麗語は、新羅語とは全く完全に一切無関係であって、百済語または高句麗語の末である!」
と言い切ってしまうと、小さなことを解決しようとして、却って大きな問題が生じるからねえ。
これは無理筋だと思うよ。

・朝鮮語は、今に至るまで、北部ほど方言差が少なくなる。咸興に至っては、固有の古来の方言はない。
・済州島を除き、慶尚道方言が、最も対立要素が多く、内部の方言差が大きく、かつバリエーションに富んでいる。
・全羅・忠清・京畿の方言を一体視できるか?といえば、そんなことはない。
・未だかつて、全羅道方言から「百済語要素」なるものを抽出するに成功した学者は、誰一人いない。

統一新羅の下で新羅語が広まったが、それでも辺縁には固有の要素が見られた。
それを中部朝鮮的と名付けるのなら、高麗語には中部的要素が多く見られる。
また、一部ではあるが、女真的要素の混入とみられる要素もある。

この辺で留めるのが、妥当なんじゃないかね。
俺のこの説は、金思火華説から、イデオロギーである「三韓&高句麗最初から同一言語ドグマ」を除いたもの。

438 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 21:25:21.73 0.net
>>437
>朝鮮語は、今に至るまで、北部ほど方言差が少なくなる。咸興に至っては、固有の古来の方言はない。

これに関しては、中学校の歴史の教科書レベルの知識があれば理由が分かるだろ
韓族の原住地(三韓があった場所)は朝鮮半島南部であって、北部には住んでいなかった
そして朝鮮半島北部が朝鮮民族の支配下に入ったのは、新羅が唐を破った676年以降
であるからには、676年以降に南部から移民した人間が現在の北部地域に住む人間の祖先であることになる
こういった歴史的経緯がある以上、南部より北部の方が方言差が少ないのは当たり前だろう
中国の普通話と四川方言の間にほとんど方言差が無いのと同じ理由だ

二番目に関しては、まだ理由は分からない
三番目と四番目に関しては、元々新羅語と百済語と高句麗語が同じ系統の言語だと考えれば解決する話

というか、俺は一言も

>(王氏)高麗語は、新羅語とは全く完全に一切無関係であって、百済語または高句麗語の末である!

だなんて言ってないんだが
もちろん、新羅語も高麗語と関係のある言語の一つだよ
俺の主張は、新羅語と百済語と高句麗語は同じ祖語から生まれた同一言語の方言だという内容

439 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 22:05:48.03 0.net
とりあえず、これ以上の朝鮮語の起源論争についてはどこか別のしかるべき場所でやらないか
荒れそうであまり気が乗らないが朝鮮語スレを立ててそっちでやるとかさ

440 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/03(木) 22:21:46.15 0.net
ハングル板でやろう(提案)

441 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/04(金) 06:22:56.69 0.net
>>430
つ津軽弁・南部弁
つ薩摩弁・熊本弁

442 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/04(金) 08:42:34.37 0.net
淵蓋蘇文=伊梨柯須彌(イリ・カスミ)は新羅語や中期朝鮮語で解釈できますか?

>元々新羅語と百済語と高句麗語が同じ系統の言語
支那の歴史書には高句麗語と扶余語やワイ語が似ているとは書いてあるが
高句麗語と新羅語が似てるなんて一言も書いてないんだよな。
もっと前の時代から韓人とワイバク人は完全に別扱いだし。
新羅は半島統一でワイ系諸民族も取り込んだわけだから
統一新羅以降の言語にその痕跡が残っていても不思議ではないし。

>それだけ狭い範囲の中でそんな大きな方言差が生まれるはずがないだろ
狭い割には三韓時代には方言差というか言語差があったみたいですがそれは

443 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/04(金) 08:49:29.70 0.net
考えたらここ上代特殊仮名遣いスレだった
完全にスレ違いだな
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gogaku/1366589389/l50
朝鮮語スレ無いみたいだから立つまで↑でやろう

444 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/04(金) 12:29:37.11 0.net
つ出雲弁・石見弁
つ那覇弁・山原弁

445 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/04(金) 15:10:21.79 0.net
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1380866633/

立ててきた

>>442

>支那の歴史書には高句麗語と扶余語やワイ語が似ているとは書いてあるが
>高句麗語と新羅語が似てるなんて一言も書いてないんだよな。

これについては、中国の史書における「高句麗語」と三国史記における「朝鮮語」の定義が異なっていると考えられる
中国の史書で語られている高句麗語は扶余人が話していた言語だと思われるが、三国史記に登場する高句麗語は全て韓族の居住地域の地名だ
当然、前者の定義における高句麗語が新羅語と同系統であるはずがない


>狭い割には三韓時代には方言差というか言語差があったみたいですがそれは

スペイン語とポルトガル語は同じイベリア半島にあり同じラテン語を祖とする隣り合った国の言語だけど、普通に言語差があるじゃん
新羅語百済語高句麗語の間に言語差があっても何もおかしくないだろ

446 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/04(金) 15:24:16.01 0.net
>>437
一部論旨を訂正
>>430で「通行が困難な山も無く」って言ったのは訂正する
「慶尚道=旧新羅地域」の方言が一番複雑なのは、地理的に新羅地域が小白山脈で百済や高句麗の地域と隔てられてるからだと思われる

447 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/05(土) 13:26:12.06 0.net
>>445のスレに朝鮮語百済語起源説についての主張の論旨を簡潔にまとめたものを載せておいた

448 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/05(土) 20:06:49.56 0.net
じゃあ、>>390辺りに戻って5母音説の是非について語ろうぜ

449 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/05(土) 21:02:43.13 P.net
>>448
それでは早速w
403ベースに、390にやや批判的な立論をしてみる。といっても本質的な論理操作は、それほど違わないけどw

原始4母音を立てて、音韻構造としてY字型を想定する、
そして、二重母音から7母音に移行する、と考えた時、
大変不思議なのは、
▽の中点には二重母音が発生したが、肝心のY部分の各辺中点はどこに行ったの?ということ。
これ、@i→i2以外は「行方不明」になってる。
これは「そもそも不存在。それが有坂」というのが通説なのだが、これが鍵のような気がするんだ。
例えば、@a,@uのような連続は、実は存在していて、
その少なくとも一部が、@,a,uに吸収された、と理解できないだろうか。
有坂法則の、a,u/@の対立がわずかに不明瞭である理由は、この「部分混濁」にあるのではないか。

そして、この現象と、ua→o1の成立が同時である、と考えれば、
二重母音起源のo1だけが、却って@に対して「純潔貞操を守っている」と言えることになる。

450 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/05(土) 22:11:26.44 0.net
>>390について違う方向から考えてて思いついたんだけど、日本語のyとアルタイ語のdの比較はわりと正確だとされてるじゃん
日本語とツングース語の比較だとyo1pa(夜は)とdolba、yo2(四)とd&uuml;ginなどが例に挙がるけど
でもこの例だとuの低舌化で生まれたはずのo1がツングース語のoに、元からあったo2は&uuml;に対応しているように見える
一般的に日本語のアルタイAN混合起源説においては元から日本にいたAN語族の言語を基層に後からアルタイ語族が来たとされるけど、
となればツングース系と思われる語族を話す人々が日本に来たのは>>390でoが誕生した時代だったってことになるのかな?
最初の5母音時代の頃の日本語は、純粋なAN語だったということになるんだろうか

451 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/05(土) 22:14:10.80 0.net
ごめん、文字化けした
>>450で化けてるのはウムラウト付きのuのことね

452 :390:2013/10/06(日) 07:30:16.46 0.net
>>449
それだと、@を含まないi+a、a+i、u+iのような組み合わせに有坂法則がなりたたない説明がしづらくない?
あと、中世の6母音体系を考えると、必ずしもすべての中点に新しい母音が来るわけではなさそう

453 :390:2013/10/06(日) 07:42:44.12 0.net
>>450
有坂法則がツングースの母音調和に影響されてできたってのを考えると
陽母音由来の dolba が yo1に、
陰母音由来の d&uuml;gin が yo2に対応するのは
筋がよさそうだけど。

それよりo1がuからできたってのを考えなおすほうがいいような気がしてきた。
o1の出現率がすくないのはo1があとから出来たからって考えてたんだけど
そうじゃなくて稲作伝来とともにANの語彙を大量に仕入れた際に、元の@をeに転写したせいで
o1の出現率が減ってしまったのかもしれない。

454 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 07:44:52.43 0.net
>>453
なるほどuuml;が出ない。

455 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 08:32:25.57 0.net
>>453
>稲作伝来とともにANの語彙を大量に仕入れた際

こう言っちゃうとアルタイ語が先にあったことになっちゃうから、>>390の仮説と思いきり矛盾しない?
>>390の説はAN語が先にあった(最も初期の段階の日本祖語は純粋なAN語だった)ことが前提だし
俺も先にあったのはAN語で後から来たのがアルタイ語だと思ってるから、これには同意できない

他に>>390の問題点を挙げるなら、この説だと上代寸前まで日本語に語末子音が生き残ってたことになってしまうことかな
-iによる造語(が文法的機能を担っていた)時代は>>415が指摘したように3世紀後半くらいまで続いたと思われるが、日本語の中には-iが支え母音となって語末子音が残ったと思われる言葉もあるんだよね
(支え母音による語末子音の残存はポリネシア諸語などにも見られる)
となると、-iによる造語が行われていた3世紀後半まで日本語には語末子音が存在していたことになってしまう
しかし、それだと例えば魏志倭人伝などに現れる日本語の表記と矛盾することになる
(森博達による分析によれば魏志倭人伝における日本語の表記には語末子音の無い文字しか使われていない)
それに、>>395で指摘した-iの起源も重大な問題になる
俺は>>385なんだけど、「日本語祖語はAN語の体系を継承した4母音体系だった」「日本語には8母音時代以前にも5母音時代が存在した」という部分に関しては多分間違ってないと思うんだが、
その下の母音調和時代と-iによる造語時代の設定に関してはもう少し検討する必要がありそう

いっそ>>390の表の母音調和時代と-iによる造語時代の順番を逆にすればいいんじゃないかと考えたんだが、そうしてしまうと今度はi2,e1,e2が何故母音調和に関わっていないのかという部分を説明できなくてはならなくなるし…
でも、o1が陽母音として母音調和することは、少なくとも母音調和時代以前からo1が存在していたことの根拠にはなり得ると思う

456 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 08:51:14.57 0.net
そこで>>455で指摘した問題点について解決法を考えてみたんだが、-iには少なくとも2種類あったと考えるのはどうだろう
この考えの元ネタは村山説なんだけど、まずAN語由来の日本祖語時代からあった-iが支え母音として語末子音を残存させて、
語末子音が完全に消滅した後に入ってきた新しい-iが母音融合を引き起こしてi2,e1,e2を産んだという発想
俺には>>455についての解決案はこのアイデアしか思い浮かばなかった

この場合、二度目の-iの語源はやはりツングース語の-riだと考える
日本語にアルタイ語が流入したのは>>390の表で言う5母音時代の末期と想定して、アルタイ語の流入と共にその影響によって母音調和時代が始まったとする
この時に、他の要素と共に-riも日本語に入り、そしてこれが動詞の活用語尾となって動詞の活用が生まれた
その後はしばらくそのままの状態が保たれたけど、ある時iが後続するrが消滅する変化が日本語でも起きたことにより連母音が誕生
それをきっかけにi2,e1,e2が生まれ8母音体系に突入…というアイデアなんだが、どうだろう
これなら、ある程度問題点を解決しつつ>>390を補強できると思うんだけど
何か批判等があれば聞かせてほしい

457 :390:2013/10/06(日) 11:53:16.50 0.net
>>455
まず単純な疑問なんだけど、語末子音の支え音として-iがあるんだったら、
魏志倭人伝などで記述された中国語には語末子音は残らず、Ciとして転写されるのでは?
(上古音では-iはないだろうからCieiあたりになるだろうけど)

458 :390:2013/10/06(日) 12:44:52.24 0.net
>>455
あと、いっそ日本祖語がAN祖語であったっていう仮説を諦めたほうが説明早いかとおもって>>453みたいに言っちゃった。
つまり修正390表としては

5母音時代(1) : 日本祖語 aeiou
AN祖語導入時代 : aəiuを大量に取り入れてoが相対的に減る ... 稲作導入の前1〜1世紀あたり
(同時にAN祖語の影響でeがəに遊離)
母音調和時代 : ツングース語の影響で有坂法則発生 ... 朝鮮南部に進出した1〜3世紀あたり
(>>456にあるとおり、同時に-riによる造語が盛んになり母音衝突が頻発)
上代特殊仮名遣時代 : 5〜8世紀、ただし8世紀あたりにはすでに半分以上崩壊
5母音時代(2) : 漢語導入で母音衝突が再び頻発、勢いで音便も発生 ... 〜10世紀くらいまで
オ開合時代 : 母音衝突をなんとかしようと一時的に再度母音が増える ... 〜15世紀くらいまで
5母音時代(3) : 今に続く

これのいいところは日本語の母音の遷移を「外来語の導入で母音がおかしくなったのを5母音に戻そうとする」という流れ1本で説明できるところ
まずいところはANでもアルタイでもない大本の日本語は何者なんだよという疑問がさっぱり解決しないこと・・・

459 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 15:32:52.96 P.net
あー、やっぱりそうだったのかー。390には、「アイウエオ5母音ドグマ」がベースに存在するのな。
「論理的に蛇足に近い、アイウエオ型の5母音」が、それも頻発するので、薄々感づいてはいたが、
信仰告白されると、改めてちょっとがっかりだなあ。
まあ、神様の道が正しいかもしれないから、これ以上、この観点での言及は避けるけど。

気を取り直して、450の話を俺なりに検討してみたい。
その例から考えれば、もう最初から独立o1を立ててしまう、という発想は可能だ。
この方向性で気になるのは、あの「学問の部屋」の人も示唆していたが、
「南方基層・北方表層」は逆なのではないか?ということ。北方が基層で南方が表層の可能性がある。
この方向性を貫くと、(彼の説からはここから外れていくが)「基層に母音調和がある」と考えることになる。
日本語の古層に、厳格な母音調和の痕跡を求めるなんて、先行研究だらけの死屍累々だが、
考えてみる価値はあるのかもしれない。

460 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 17:44:51.42 0.net
>>457-458
森博達の分析によると、魏志倭人伝に記述された日本語は有意に語末子音が無い文字ばかりで表記されてるらしい
つまり、3世紀には日本語の語末子音は既に崩壊していたことになる

それはそうと、日本祖語がAN語だったという部分を放棄した理由を教えてほしい
俺が>>390の年表でまずいと思ったのは主に母音調和時代と-iによる造語時代に関する解釈であって、AN祖語時代と五母音時代(1) に関しては特に致命的な問題点は無いと思うんだが
その問題点も>>456のアイデアである程度解決できると思うし

461 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 17:46:21.91 0.net
AN語時代 : a,i,u,e 語末子音あり
五母音時代(1) : uあたりからoが発生、a,i,u,ə,o -iが機能
(この間にツングース語の流入、語末子音の消滅、-iが化石化)
母音調和時代 : 陽母音[a,o]陰母音 [ə]中性母音 [i,u]にカテゴライズ -riが機能
-iによる造語時代 : -riのrが消滅したことにより連母音が大量に発生、ai→e2、ui,əi→i2、ia→e1が生まれる 母音が増えたことにより母音調和が崩壊
八母音時代 : a,i1,i2,u,e1,e2,o1,o2 八母音体系が機能
五母音時代(2) : 八母音体系が崩壊し、a,i,u,e,oに統合


>>450>>456で提起した問題点を踏まえた上での俺の解釈はこんな感じ
タイミングとしては、日本語の語末子音が消滅したのはツングース語と接触した時と考えるのが妥当だろう


>>459
それは無いんじゃないか?
日本語の最古層に母音調和を求めるのは無理だと思うし、というかrosetta_stoneの人の説は「北方基層・南方上層」って意味じゃないと思う
あの人の説は半島南部でツングース語の一派がAN語と接触することによって原日本祖語が誕生、その後日本祖語を話す一派が九州に渡ったことにより九州北部にいたAN語と接触して日本祖語になったという立論だと解釈してる
あくまで基層はツングース語で、AN語と複数回に渡る接触をしたためにAN語の影響が極めて強くなったというのがあの人の主張だろう
ただ、rosetta_stoneの人の説に従うなら日本祖語にo1を立てることになるのは確かだと思う

462 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 17:48:04.27 0.net
ごめん、訳の分からないことを言ってしまった
>>461の最後の方を訂正する
基層は九州北部のAN語で、そこに既にAN語の影響を受けた後のツングース語の一派が来たのが日本祖語という説なんじゃないか

463 :390:2013/10/06(日) 18:32:51.19 0.net
>>460
ごめん、俺の理解がかなり及んでないかもしれないんだけど、
俺の理解では支え母音として-iがあることと3世紀に語末子音が存在しなかったことは両立できる
現代日本語は支え母音が-u(音価としては/ɯ/)だから、この状態で外国人が日本語の外来語を転写すると
フルーツ→furu-tsu みたいに語末子音がでてこないじゃん。この状態とは違うの?

> それはそうと、日本祖語がAN語だったという部分を放棄した理由を教えてほしい
消極的な理由は、別にAN語を祖語にo1の出現率が少ない理由が説明できそうなこと、
積極的な理由は、そのほうがe→o2の流浪の由来を説明しやすいこと。

あと祖語がANでなければ即ツングース(アルタイ)に由来を探るのも短絡的じゃね?って思って。
東アジアにはANとツングース系しか言語ないのかと。

464 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 20:32:41.48 0.net
>>463
ごめん、俺の言葉選びが悪かった
支え母音になったのはたまたまで、-iは文法的機能を持ってたと思われるから現代日本語の-ɯの例とは違う
フルーツの例で言うと、元々furu-tsだったのが-iが語末に付いた形が生まれてfuru-tsとfuru-tsiが文法的に共存してる時代があって、
やがて語末子音が失われたことによりfuru-tsはfuruに変化したけど、後者では-iと結合したことにより語末子音tsが保たれてfuru-tsiのまま残ったという解釈
全く同じ現象がポリネシア諸語にも起こってるから、日本語でもこの変化があったんじゃないかと思ってる
奈良時代以降に入ってきた「別」という漢字音の発音は室町時代辺りまでbetだったらしいし、少なくとも上代語には現代日本語のような意味の支え母音は無かったと思う

e→o2の由来について考えるなら、それこそAN語起源だと考えた方が説明しやすいと思う
実際に同じような状況を比例した言語がマラヨ・ポリネシア語派にはいくらでもあるし

祖語がAN語でもアルタイ語でもないなら、想定されるのはアイヌ語だろうね
アイヌ語の母音は日本語と同じでa,i,u,e,oの5つだし、アイヌ語と同源だと考えれば日本語祖語に5母音を想定するのは可能だと思う
ただ、アイヌ語に日本語との類似語は日本語からの借用語と思われる言葉を除けばほぼ皆無だし、アイヌ語との類似は日本語よりむしろ朝鮮語との方が大きい
日本語に抱合語的な特徴が全く残ってないから、日本語とアイヌ語を同源と考えるのはかなり難しそうだ

465 :390:2013/10/06(日) 22:14:42.26 0.net
>>464
支え母音による語末子音の保存って-i以外にもあるでしょ。例えば四段動詞の終止形-uとか。
かならずしも-iによる造語時代と子音連続の忌避の時代を関連付けなくてもいいと思う。

> 日本語に抱合語的な特徴が全く残ってないから、日本語とアイヌ語を同源と考えるのはかなり難しそうだ
これは言語の基層は統語的機能の方に残るっていう説を支持してる感じ?
日本語にはAN語族にある接中辞や豊富な数指標(双数とか三数とか)ないから、AN語も同じく同源とはいえなくなりそうだけど
この説に基づくと日本語の起源はツングース系か。

ただ、>>461にあるとおり、ツングース語の流入によって母音連続や子音連続が忌避されるようになったってのは順当に思う
時期的に並べるとそこらへんが一番あやしい。

466 :390:2013/10/06(日) 22:27:25.61 0.net
突っ込まれどころ多すぎて全部返答してるか自信ないぜ

>>e→o2の由来について考えるなら、それこそAN語起源だと考えた方が説明しやすいと思う
これが一番気になる。
e→əに変化した言語は、一体何が原因でそうなっちまったんだ?
あと、それらの言語でoは派生したの?してないの?

467 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 22:31:06.27 P.net
議論が正攻法で活発なのは喜ばしいんだけど、
うむ、やっぱり390ベースの議論は、どうも俺にはしっくり来ないなあ。
俺自身が、昨夏の議論に参加していたから、その後遺症なのか、
「10世紀前半まで、日本語の母音体系が、アイウエオ型5母音だったことは、史上一度たりとも無かった。」
という、この考えが逆にドグマかもしれないけどね。

あと、大学者も含めて、なぜかみんな前提としているんだけど、
「北方言語との接触で、母音調和が導入された」って、よく考えるととても変な話で、
このメカニズムは、もし主張するなら、かなり慎重な精査が必要。

468 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 22:54:42.72 P.net
もう一つ面白い話を付け加えてみる。
奈良期の日本側文献に残る、東北蝦夷の言語を、ちょうど高句麗地名のように研究した
在野の研究者がいるんだけど、彼が、興味深いことを記している。
どうも、蝦夷語の、それも今のアイヌ語に近い語彙に含まれる/o/が、乙類で転写されているらしいことなんだよね。
つまり、蝦夷語のうち、日本語オ段で転写されている母音は、なんと中舌だった可能性が高い。

彼の話は、その後、小泉保の強烈毒電波をまともにうけて、
「ズーズー弁縄文起源説」に斜め上に飛んでいってしまうから、
そこから先の考察は、完全無視すればよいのだが、地名等に関する考察は、一概に否定出来ない。
アイヌ語ですら、古来あいうえお型5母音だった、とすら言えないことになる。

469 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 23:18:20.23 0.net
気仙郡の理訓許段神社<rik-un-kotan(高地にある村)とかか
延喜式神名帳は時代的に遅いけれども。

470 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 23:21:52.62 0.net
>>465
>支え母音による語末子音の保存って-i以外にもあるでしょ。例えば四段動詞の終止形-uとか。

ごめん、これについては動詞の活用形の起源についてのアイデアが何も思いつかないから保留
一応考えはあるにはあるんだけど、まだ>>461と整合をつけられてない
普通に考えたら日本語の文法要素の根幹は四段動詞だと思うんだが、それだと二段動詞やカ行変格動詞をどう扱えばいいのかが分からない
むしろ普遍的な四段動詞が後から出来たもので例外的なカ変なんかが古いとも考えられるし、最古の活用形は四段活用か二段活用かカ変活用か、どれなんだろう


>これは言語の基層は統語的機能の方に残るっていう説を支持してる感じ?

いや、日本語の文法はツングース語が流入した時に極めて大きく変化したんだと思う
アイヌ語との比較の場合は、借用語を除けば日本語との同源語が全く発見されないのが致命的なんじゃないかな


>>466
o2の変遷に関しては、>>386が代わりに説明してくれたような感じ
何が原因かは分からないけど多くのAN語でこうした変化が起こってるし、日本語のo2も同じような推移を辿ってる
俺が日本祖語をAN語だと想定してるのは、母音体系がa,i,u,o2で綺麗に一致することと祖語由来のeが変遷する現象が日本語にも見られるから
ツングース語のoと日本語のo1が対応することから考えても、AN語が先でツングース語が後だったとしか思えない

471 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/06(日) 23:25:11.90 0.net
>>468
アイヌ語の祖語の再構ってどれくらい進んでるの?
アイヌ祖語絡みの学説ってあんまり見たことが無いんだけど

472 :390:2013/10/07(月) 07:07:05.87 0.net
>>470
動詞の活用形については、大野晋の説だったか忘れたけど終音の違いにより活用がわかれたんでないの?
四段動詞 ... 末尾子音
上二段動詞 ... -a終わり
下二段動詞 ... -o2あるいは-u終わり
上一段動詞 ... -i1終わり
カ変動詞 ... -o1終わり

ラ変は意味的に-u(居)がつかないから終止形がウ段で終わらない。傍証はヲリのアクセント

5母音時代(1)と俺が想定した音がだいたい出てきて、母音の発生確率ともあってるから気に入ってるわ。

>>アイヌ語との比較の場合は、借用語を除けば日本語との同源語が全く発見されないのが致命的なんじゃないかな
それもそうっすね。一応語彙にも文法にも頼らない松本克己のような人もいるけどあれどこまで信用できるの?

>>何が原因かは分からないけど多くのAN語でこうした変化が起こってるし、日本語のo2も同じような推移を辿ってる
この原因不明感が気持ち悪くて。

原初の所属不明な日本語⇒AN語流入(e中舌化済み)⇒アルタイ系言語流入

これなら説明簡単じゃん?

473 :390:2013/10/07(月) 07:10:33.23 0.net
>>468
o1への転写は100%ないの?
それなら少し理由を考えなきゃいけないんだけど、
もしo2への転写が多いくらいの話だったら日本語側で上代特殊仮名遣いが崩壊してたのかもしれないよ
なんせ東国方言は畿内に先立って崩壊していたんだし。

ひょっとすると東国は8母音時代がなかったのかもしれないし。

474 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 08:35:02.53 P.net
>>473
東歌の様相は、どうみても「先に8母音が崩壊した」とは言えないはず。
東国方言の音韻の手短なまとめを、
前スレ699説の、699直前の議論から一部転載する。

>東歌の「訛り」は、
>・イ乙とウがgdgd
>・エ甲がアになる
>・エ乙がエ甲になる
>・エ乙とオ乙がgdgd(引用註:中部地方の場合)
>・一部のウがオ甲となる(これは文法的問題とされる)

699説の意義はさておき、この客観的様相から、
「先に崩壊し(てaeiouになってい)た」と、どこをどう捻ったら解釈できるのか、
俺には不思議でしょうがない。
母音数との関係では、「乙類の、甲種からの独立音性」を「補強」する側の変化・混同ばかり。

475 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 14:42:23.61 0.net
>>472
別に大野説でも村山説(二段活用がAN語起源で先、四段活用がツングース起源で後とする)でもいいんだけど、それだと>>461とどう整合性を取っていいのかが分からないんだよね
俺は二段動詞と四段動詞のどっちが先だったかはともかく、四段動詞の活用語尾の起源は村山説に従ってツングース起源の-riだと思ってるんだが、それだとツングース語が入ってからも日本語に語末子音が残っていたと解釈しなければならなくなる
ただ四段活用の已然形の語尾が-e2であることを考えるとそもそも語幹に語末子音があったとも言えなくなるし、その辺りをどう考えればいいのかがさっぱり分からない
四段活用をツングース語流入前の五母音(1)にまで遡る最古の活用形態と考えてもいいけど、そもそも四段動詞がカ変などより古いという根拠が無いとそう主張するのは厳しいし
あと、カ変の語幹って-o1終わりじゃなくない?
カ変の未然形と命令形の活用は-o2だし、語幹に-o1を再構する根拠は無いと思う

松本説というと、類型地理論だっけ
正直あれは電波説の類だと思う
LとRの区別の有無なんて他の言語の影響で簡単に変わるし、形容詞の形態や一人称複数の排他性なんて歴史時代の日本語だけ見ても大きく変化してるし
というかあれはどう見ても日本語が南方起源であるという結論が先にあった上での立論だからなあ…

多分その順番は成り立たないんじゃないかな
日本語と関係があるのはAN祖語じゃなく台湾諸語と分岐した後のマラヨ・ポリネシア諸語だと思われる(村山説によれば日本語と台湾諸語の対応はかなり希薄)けど、
MP祖語の時点ではまだAN祖語のeはeのままで中舌になってなかったとされてる
eがəに変わったのは比較的遅くだし、əになった後に日本に来たというのは無理がありそう
それに、>>458をベースに考えるなら、仮に5母音体系を持った正体不明の日本語祖語があったとしてもAN語のəはaかeかoに吸収されて独自の音素にはならないと思う

476 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 14:57:46.86 0.net
動詞活用はa,i1,u活用とo2,i1,u活用があって
前者が四段, 後者がカ変サ変
前者の派生が下二段、後者の派生が上二段
ということじゃなかったか

477 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 16:30:17.93 0.net
脇からですいませんが、動詞活用の起源の議論がおもしろそうなんですが、
そこらへんのあらましを知るための本を紹介してはもらえないでしょうか?

478 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 16:35:15.36 P.net
大昔のスレから転載。390は、大野説ではなく別の考え方(大野に先行する説じゃなったかな)
大野説は次のとおりになる。ポイントは、
・未然形を考慮から外している
・o1は関係なくなる

27 : 名無し象は鼻がウナギだ![] 投稿日:2008/10/14(火) 16:02:43 0
大野晋説
*a、i、u、Oが本来的な母音
*ai→E、ia→e、Oi→I、ui→I、ua→oのような母音融合により新しい母音I、e、E、oが生まれた。

*四段、カ変、サ変、ナ変、ラ変は語幹が子音終わりである。
*上一段はi、上二段はuまたはO、下二段はaで終わる語幹を持っていた。

*連用形は、語幹に-iという接辞が加わった。
四段(咲) sak-i→saki カ変(来) k-i→ki サ変(為) s-i→si ナ変(去) in-i→ini ラ変(有) ar-i→ari
上一段(着) ki-i→ki 上二段(起) OkO-i→OkI (尽) tuku-i→tukI 下二段(明) aka-i→akE 

*命令形は、子音語幹の場合、連用形に感動詞-aが加わった。ただしカ変だけはその交替形-Oが加わった。
母音語幹の場合、末尾がやや長母音であるため、母音連続を回避して-yO(東国方言では-rO)を加えた。
四段(咲) saki-a→sake カ変(来) ki-O→kO サ変(為) si-a→se ナ変(去) ini-a→ine ラ変(有) ari-a→are
上一段(着) ki-yO 上二段(起) OkI-yO (尽) tukI-yO 下二段(明) akE-yO 

*終止形は、-u(居)が連用形に加わることでできた。ラ変には意味上重複になるので-uが付かなかった。
上一段では古い時代には終止形が連用形と同形だった。
四段(咲) saki-u→saku カ変(来) ki-u→ku サ変(為) si-u→su ナ変(去) ini-u→inu ラ変(有) ari→ari
上一段(着) ki- →ki→kiru 上二段(起) OkI-u→Oku (尽) tukI-u→tuku 下二段(明) akE-u→aku

*連体形は、終止形に-ruが加わることで出来た。四段とラ変は語幹に直接-ruが付き、子音連続を回避するためrが脱落した。
四段(咲) sak-ru→saku カ変(来) ku-ru→kuru サ変(為) su-ru→suru ナ変(去) inu-ru→inuru ラ変(有) ar-ru→aru
上一段(着) ki-ru→kiru 上二段(起) Oku-ru→Okuru (尽) tuku-ru→tukuru 下二段(明) aku-ru→akuru

479 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 19:19:09.09 0.net
已然は?

480 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 19:48:42.68 0.net
ラ変の「あり」に居る「ゐる」の語幹は/wi/になるだろうから、これが-u(居)という音だったのはまぁわかるとして、
ラ変の「あり」に居るの語幹が付いたら、意味上重複になるってのはわからんでもないんだが、
そしたら、なんで「居る」って終止形はできたんだろうな。
いや、その説がおかしいって反論してるんじゃなくて、不思議だなと。
「あり」よりももっと直接的な意味重複だろうに。
みてみるとか、いている(いてる・いとるが普通か?)とかを言う人がいるようなものかな。

481 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 20:15:05.65 0.net
>>480
意味からして、居(wu)が自動詞で居る(wiru)が他動詞なのでは?

482 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 20:44:15.71 0.net
元々は連用形が終止形兼ねてた、東国方言で終止形が連体接続してる名残があるから
終止形がもともと連体形だったみたいな話だっけ

483 :390:2013/10/07(月) 22:20:32.24 0.net
>>474
その書き込みだけ見ると確かに崩壊して無さそうにもみえるな。
俺の知識もWikiとそこら辺のサイトみただけだから大したことないけど
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%96%B9%E8%A8%80
東国では主に
(1)イ列音がウ列音になる。
(2)エ列甲類音がア列音になる。完了の「り」(中央語ではエ列に接続)がア列に接続する。
(3)エ列乙類音がエ列甲類音になる。
っていう感じでそれなりに母音の数は収束してるよ。本文にも「中央より早く崩壊が進んだ」って書いてるからこれ信用しちまった
なんか反例あったら教えて。

ちなみに(1)と(2)には共通の性質があって、ui1→u、i1a→aのように、
母音重複を融合音で解決するんじゃなくて母音の脱落で解決する傾向にあったと思われる。

あと長野・静岡はこれらの特色は薄いらしく、そのかわり
(4)オ列乙類音とイ列音、エ列乙類音が混同される
が見られる。関東とは別の言葉っぽい。

484 :390:2013/10/07(月) 22:48:41.97 0.net
>>475
>riだと思ってるんだが、それだとツングース語が入ってからも日本語に語末子音が残っていたと解釈しなければならなくなる
>ただ四段活用の已然形の語尾が-e2であることを考えるとそもそも語幹に語末子音があったとも言えなくなるし

どういうことなの・・・・?
自分的に補足すると
1) 動詞の活用の起源は連用形。これに様々な接尾辞がついて現在の動詞の活用ができた
2) 連用形-iの起源はツングース祖語(?)にある-ri
3) 四段動詞は大野説と同じく子音終わり、そのため四段活用があるということは-riが入ってきた時に同時に子音終わりの音があった
4) 子音終わりの音があった時代は母音重複を許す時代と同じだった、そのため融合母音は必要なくi2e1e2は存在しなかった
5) ところが已然形にe2が存在するため、3)の前提と矛盾する

こういう論理展開かな?普通に考えると1)2)3)4)のどっかが違うんだろ
村山七郎読むともうちょっとわかるもんなんかな

485 :390:2013/10/07(月) 22:49:49.86 0.net
>>478
あ、ほんとだカ変はo2じゃん。勘違いしてた。
つーか大野説だったらo1を本来的単母音に数えるわけねーよな。

486 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 22:56:44.00 0.net
つまり、いまの終止形は、〜ます、みたいな、食べ+ます、というようなもんで、〜ます、が、古語の居るの語幹がその役割を果たしていて、
連用形に語尾がついた形だったということなんだろうけど、
終止形がもともと連体形というのは、連体形と終止形がいっしょくたになった、
中世以降、近世からの日本語と同じような状態だったってことかな?

487 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/07(月) 23:42:50.02 0.net
>>481
"居(う)"がワ行と考えてる同志がここにも居たとは!

"居(う)"/"居(ゐ)る"は自他というか二段/一段の差なんだろうね。
ちょうど嚔(ふ)と"嚔(ひ)る"の関係と同じで。
u+a→o1だから、wu+ari→wo1ri→wori(居り)とも辻褄が合う。
なので、終止が"居"由来というのには懐疑的だね。
急居が "つく" でなく "つきう" と読みがなが振られるのもワ行と考えると当り前に見える。

488 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 00:15:31.80 0.net
>>482
昔、活用の成り立ちを自力でつらつら考えていてその結論に達したことがあるけど、
>東国方言で終止形が連体接続してる名残がある
は知らなかった。いい情報サンクス。

>>486
>終止形がもともと連体形というのは、連体形と終止形がいっしょくたになった、
>中世以降、近世からの日本語と同じような状態だったってことかな?

たぶんそうなんだろうと思う。
 連用:-i1、終止:-i1、連体:-u が
 連用:-i1、終止:-u、連体:-u になり、でも同じだと不便なのでもう一度連体に-uをつけて
 連用:-i1、終止:-u、連体:-u/-uru になったんだろうと思う。

489 :488:2013/10/08(火) 00:22:37.04 0.net
で、連用:-i1、終止:-i1、連体:-u 時代の生き残りがラ変(とナ変、カ変)になっただろうな、と思う。

ナ変/カ変は終止:-i1のまま残ったけど、やっぱ終止形が-uじゃないのってオカシクね?となって
-uにしたんだけどうっかり-i1残したまま-uをつけたので
終止が-i1-u→u、連体が-i1-u-u→-uruになったんじゃねーか?
…と妄想混じりに考えてたがどうだろう。

490 :488:2013/10/08(火) 01:01:37.28 0.net
付け加えておくと、語幹が母音で終わる動詞では
ナ変/カ変と同じ道をたどったのが一段で、四段と同じ道をたどったのが二段。

サ変は四段と下二段のハイブリッド。
自動詞の"する"と他動詞の"する"が四段と二段で、
代動詞としても使われる関係で混ざりやすかったとにらんでる。

491 :488:2013/10/08(火) 01:14:22.69 0.net
ついでだ、カ変について。

語幹が子音で終わる動詞には未然(や命令)に-o2を取る動詞が"来"以外にも少なからずあったが、
なんらかの理由で-aに切り替わった。そのとき何故か取り残されたのが"来"である。
"-る"や"-す"をつけた形で-aでなく-o2を取る動詞( "起く/起こる/起こす"、"聞く/聞こす"、"滅ぶ/滅ぼす" )
があるが、これが-o2型未然の名残である。

…となる。

492 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 01:36:56.30 0.net
四段活用で未然形がCoCaになってるやつは
もともとCoCoで有坂法則を満たしてたって意見だよね

松本説だと未然形がaになるのは男性活用、o(2)になるのは女性活用と呼んでたな

493 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 05:40:21.85 0.net
maro2(「まろぶ」などの語幹)ってどう解釈されてるの?
思い切り有坂法則に違反してるけど

>>484
ごめん、言葉足らずだった
補足してくれてありがとう、その論理展開で合ってる
俺は基本的に日本語の形成過程を>>461と考えてるんだけど、それだと四段動詞の語幹が閉音節的であることの説明がつけられないんだよね
活用の起源が連用形である大野説は間違いなく正しいと思うが、思いつくアイデアとしては活用語尾には複数の起源があって成立したのも同時ではないって考えることくらいかな
もしくは、一度>>461を放棄して最初から練り直すべきだろうか

494 :390:2013/10/08(火) 06:38:18.63 0.net
東国方言で終止形が連体接続しているっていうのは知らなかった。
あっちは終止形 -u 、連体形 -o のように厳密に分ける方の方言だと思ってたんで。
それともこの -o が終止形の最古の形?

>>488
いやまて、動詞で一番の勢力を持つ四段動詞が連体形に-ruをつけなくても特に不便がなかったというのも不自然だぞ
四段・ナ変は子音終わりの単語で、連体形の接辞は-nuなどのnで始まる音だったんじゃないか?
ナ変だけ-nで終わるため、nの重合をさけるため-unuになって、弱化か何かの影響で-ruになった。

もしくはすなおに連体形の接辞は-ruだったんだけど、-nruを避けるような発音法則が五母音時代(1)にあったとか。

>>480
「ゐる」の方は「座る」の意味だったんじゃないでしょうか古語的には。

495 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 07:37:40.68 0.net
>>480-481 >>487
今でも西日本(近畿を除く)に見られるように、「あり」に対するのは元々「をり」だよ。

「ゐる」は、>>494でも指摘されてるけど、元々は「座る」という意味の一般動詞だった。
だから他の動詞と同様に -u で終わるのだろう。
琉球諸語では、今でも「座る」の意味で「ゐる」に対応する語形が見られる。

「ゐる」が「たつ」と対になる「座る」の意味だったことは、
「立ち居振る舞い」「居ても立ってもいられない」などの慣用句でも分かる。
「座る」から、「その場に居る」、そして単に「居る」の意味になった。

「すわる」は、「座る」と書くと分かりにくいが元来は「据わる」で、
下二段の他動詞「据ゑる」(据う)に対応する五段の自動詞だった。
「その場に自らを据える」から「据わる」ということ。

496 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 09:12:28.22 0.net
>>494
あ、書き忘れてた。

前提:
・ 大野説ベースである
・ a+i1→e2、i1+a→e1、o+i1→i2、u+i1→i2、u+a→o1
・ a+a→a:、i1+i1→i1:、u+u→u:、a+o2→o2:
・ a+u→u:、i1+u→u:、o2+u→u:
・ a:、i1:、u:、o2:、e2。e1。i2、o1の後に更に母音が続くときは子音が入る(典型的にはrかy)
・ a:、i1:、u:、o2:は表記上はa、i1、u、o2とかわらない
・ 東国では u:がo1に化けた?
で488-491は手を抜いて":"を略記したので、
四段では終止が-u、連体は-u:(=-u-u)、
ナ変/カ変では終止が-u:(=-i1-u)、連体が-u:ru(=-i1-u-u)だな。

497 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 09:23:59.23 0.net
訂正:
×a+a→a:、i1+i1→i1:、u+u→u:、a+o2→o2:
○ a+a→a:、i1+i1→i1:、u+u→u:、o2+o2→o2:

498 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 22:23:40.86 0.net
>>492
そこまで強い主張はしないな。
-o2su/-o2ruを派生する動詞は未然が(Co2)Co2Caのタイプが多いとは思うけど、
逆(Co2Caなら-o2su/-o2ruを派生する)は必ずしも言えないと思うんだ。

499 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 22:46:16.47 0.net
>>468
参考までに、日本語からアイヌ語に借用されたと思われる語彙でo/オ段を含むものを拾ってみた

ko(粉、コ甲)
kosonte(小袖、コ甲ソ甲デ)
menoko(女、メ甲ノ乙コ甲)
iso(磯、イソ甲)
toma(苫、ト甲マ)
yanto(宿、ヤド甲)
noki(軒、ノ甲キ甲)
sirokani, sirokane(銀、シロ甲カネ)
pukuru(袋、フクロ甲)

koppa(木っ端、木はコ乙)
sonpa(蕎麦、ソ乙バ?)
tono(殿、ト乙ノ乙)
tomari(泊、ト乙マリか)
tori(鳥、ト乙リ)
pito(人、ヒ甲ト乙)
nomi(祈、ノ乙ミ甲)
inotu(死者の魂<命?? イノ乙チ)
moto(元、モ乙ト乙)
iro(色、イロ乙)

500 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 22:47:09.87 0.net
puntari(秀吹Aホダリ)
konkani, konkane(黄金、コガネ)
onkami(拝、ヲガミ甲)
otcike(折敷、ヲシキ)
konci(頭巾<巾子、巾は中古音で真韻B類)
konpu(昆布、昆は中古音で魂韻)
matanpusi(鉢巻<綿帽子、帽は中古音で号韻)
konru(氷)
sori(橇)
sito(団子<粢)
tomi(富)
noko(鋸)
nonki(芒)
posomi(細身の刀)
potoki(仏像)
pone, poni(骨)
sippo(塩)
tunpu(部屋<坪)
imo, emo(芋)
ottena(乙名)
siwto(舅姑)
nuyto(縫い糸)
tanpaku(煙草)
peko(牛<東北方言ベコ)

501 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/08(火) 22:48:23.18 0.net
sanniyo(算用)
teppo(鉄砲)
tokuy(友人<得意)
tori(逗留)
hoyco(包丁)
tonka(唐鍬)
punkiyo, punki(奉行)
kayso(会所)
kotco(ご馳走)
kito(ギョウジャニンニク<祈祷蒜?)
ratcako(松明<蝋燭)

ontaro(大樽)
sirosi(印)
saro(猿)
nota(料理のヌタ)
noka(像<額?)

借用年代が古い物ばかりとは限らずむしろ明らかに新しいのも混じってるし
そもそも借用かどうか不確かなものもあるが
まあ気にしないでくれ

502 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/09(水) 06:39:57.74 0.net
>>496
四段動詞の終止形と連体形に、表記に現れない発音の差があったっていう説ね。
俺もこれを信じてるんだけど、その差は母音の長さじゃなくてアクセントの違いだっていう話を聞いたことがある
誰かこれ詳しい人いない?

あと、母音の長さの差は連体形じゃなくて連用形にあったんじゃないかと思ってる
複合音であるi2、e1、e2は少し音の長さが長くて、i1とi2は統合後も音の長さで区別がついていた。

上二段動詞が音便化を起こさなかったのは、この長さによって発音の短絡が起こらなかったからじゃないかと思ってるんだ。

503 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/09(水) 07:23:15.58 0.net
文献時代の動詞活用アクセント(院政期あたりの体系)でも、
四段動詞の終止形と連体形はアクセントが違っていたことがはっきり記録されている。

四段動詞に限らずほとんどの動詞で、終止形は低く終わるが、連体形は高く終わる。
終止形はそこで終わるが、連体形は後に続いていくという文法的機能の差を反映したものと解釈される。

504 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/09(水) 18:25:49.65 0.net
>>502
それについておれは全くしらないけど、
英語の発音で言えば、名詞が形容詞として用いられる場合、
名詞@ 名詞A みたいな形で、名詞@が形容詞になってるような場合、
@のアクセントは弱形になり、Aは強形になりやすく、
英語は等間隔でアクセントのリズムが来るけど、
@の形容詞部分にはアクセントが来なくなるのがふつうみたいな話じゃないの?
連体形は、後ろに体言が来るし、そこらへんで、アクセントが変わるとか?
まぁ、英語はストレスアクセントで、ストレスが弱くなるってのと、
日本語では違いがあるけど、終止形と連体形で発音が変わるというのは、
そういう感じのことかなと、ふと、思った。

505 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/09(水) 19:49:59.30 0.net
>>499
menokoなんかはどう考えてもかなり古い借用語だけど、日本語のme1no2ko1がそのままmenokoで借用されてることからすると、アイヌ語は当時から5母音だったのでは?

506 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/09(水) 21:08:47.88 0.net
me1no2ko1は中央ではいつ廃れたんだろう?
東北ではそれより数百年くらい後まで残ってそうだけど

507 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/09(水) 22:39:46.68 0.net
書き言葉としては廃れていても、口語表現としては結構残っていた可能性もあるんじゃない?
口語表現というか、俗語のようなものは文献では出てこないことはよくある。
また、>>506さんの言うように、東北地方ではかなり古くまで残っていたというのも、ありうるよね。
そうすると、メノコも、比較的近い時代の借用語かもしれない。

508 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/09(水) 23:53:57.94 0.net
メノコって上代の頃にはもう中央語では死語になりかけてたようなかなり古い言葉だよね

509 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 02:34:22.92 0.net
>>502
院政期の動詞活用アクセント(拍数は現代語基準)
現代東京方言では一類が平板型、二類が起伏型の動詞になっている
この他に、例外的なアクセントを持つ語が少数あるがそれはひとまず除く
現代諸方言では連体形の語形とアクセントが引き継がれ、終止形の語形とアクセントは滅んだ
未然形と連用形には後続する助詞によって二種類あったらしい(詳細は忘れた)

       未然I  未然II  連用I  連用II  終止  連体   已然    命令

二拍カ変・サ変
  一類  高    高    降    降    降    高高   高低    降
  二類  高    低    昇    昇    昇    低高   低降    昇

二拍二段
  一類  高    高    降    降    降    高高   高低    高低
  二類  高    低    昇    昇    昇    低高   低降    昇低

二拍一段
  一類  高    高    降    降    高低   高高   高低    高低
  二類  高    低    昇    昇    低降   低高   低降    昇低

二拍四段・ラ変
  一類  高高   高高   高低   高低   高低   高高   高低    高低
  二類  低高   低低   低降   低高   低降   低高   低降    低降

三拍二段
  一類  高高   高高   高低   高低   高低   高高高  高高低   高低低
  二類  低高   低低   低降   低高   低降   低低高  低高低   低降低

三拍四段
  一類  高高高 高高高 高高低 高高低 高高低 高高高  高高低   高高低
  二類  低低高 低低低 低低降 低低高 低低降 低低高  低低降   低低降

510 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 05:12:02.58 0.net
>>509
日本語の方言ってなんでこんなに方言差が少ないんだろうな
地理的に隔絶されて本土方言と交流が無かった八丈方言や琉球方言でもハ行転呼やその手の語形変化は共通して起きてるし、
発音的な変化は諸方言で大きいけど文法的な変化は日本語ってかなり小さいよね

511 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 06:11:12.56 0.net
>>509
そうそう、それが見たかった。ありがとう
たしか終止形では最後の音が高→低になるか、低→降になるかどっちかなんで
アクセント的に低い音の接辞がくっついたこんせきなんじゃないかって言われてて
その候補が-u(居)なんだよな

アクセントの例外がヲリで、この語だけ低高でおわるんで、意味的に重複するような単語なんじゃないかとのこと。

512 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 06:59:28.09 0.net
どうかな。アクセントは必ずしも語構成を反映してるとは限らないと思うが。

513 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 17:59:24.84 P.net
アクセントは極めて重要だと思う。乙種や無アクセント話者はピンと来ないだろうけど、
甲種話者なら、今でも、アクセントをフルに使って、音素だけではわかりにくい形態素を分節している。

日本語史をみると、一貫して、「遡るほど、膠着成分の独立性が、どんどん増していく」んだよね。
これは膠着語一般の性質ではあるが、日本語は特に急速かつ極端で、
記紀がかすかに示す上代語の最古の形は、もはや独立語じゃね?と言わんばかりのバラバラっぷりになる。

>>509の例は非常に重要で、
終止形語尾が独立して「降」、連体形語尾が独立して「高」を持っており、
連用形語尾最末尾が、どうやら「下がり核らしきもの」を持っていたことが、おぼろげながら見えてくる。
(形容詞だとより明瞭になる。上古までの形容詞の語尾は、もはや後置詞としか思えない振る舞いをする)
そして、未然形は独立完結したアクセント型を持たない。これは今の京都大阪方言も同じ。
さらに、それらを取り去った用言語幹は、二型アクセント(HL二種の平板型)に収斂される。
二型であることは、(十分性は持たないが)用言性のメルクマールだった可能性が高い。

俺自身の推測としては、日本語のアクセントは、内在分析するだけで、
-iや-riなどの考察をするずっと前(歴史的には後の段階)で、
あっさり独立詞に腑分けされてしまうのではないか、と思う。
服部だったか村山だったか、日本語の「活用」は、どこまでも非屈折的だ、と断言していたが、これは名言だと思うよ。

514 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 19:25:37.70 0.net
> 連用形語尾最末尾が、どうやら「下がり核らしきもの」を持っていたことが、おぼろげながら見えてくる。
でも、一類二類で位置が半拍ずれてるよね。
元のアクセントの影響を受けた可能性が少なくない、までは妥当だとは思うんだけど、
ぴったり反映しているか(あるいは祖形をそれだけで単純に割り出せるか)、はNoだと思う。

奈良時代と院政期でアクセントがあまり変わらないようだ、ってのはどこかで聞いたような気がするけど、
活用が成立した時代(っていつなんだろうな? かなり古いとは思うが)まで
遡って同じか?は慎重に考える方が良さそうだ。

515 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 19:53:28.91 P.net
>>514
現存最古の資料が、大変に良く出来た「文字資料」であって(院政期京都アクセント)
現存の諸方言アクセントが、(沖縄のAB群の揺れを除き)すべてそれで説明できる以上、
「祖語構築論の論理射程が、テクニカルに12世紀までしか伸び得ない」というのは、確かに言える。
11世紀以前の形については、他の資料がない以上、論理的に断言が出来ない。

ただ、たったこれだけのことでも、単眼的な内的再構だけで、いろんなことが分かる。
終止・連体・命令の語尾アクセントは安定していて、
これが、独立成分が、比較的新しい時期に膠着したことを、強く示唆する。
連用は、一定の法則を持ちながら揺らいでいて、
独立成分起源ではあるが、膠着の時期がより古かったことを示唆する。
未然は独立の語尾を持っておらず、国文法的発想を取るにしても、
活用形として並べること自体、再考を要する事がわかる。

516 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 20:04:35.95 0.net
アクセントに独立性がないから活用形として並べることが再考を要することになるってのは飛躍じゃないんですか。

517 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 20:20:05.31 0.net
ふーむ。
活用形は沢山あったものが(記憶容量節約のために)単純化されて来たのに、
アクセントは逆方向(安定してるのが揺らぐ方向に)に動くのか…不思議だ。

>516
アクセントは置いとくとしても未然形は昔から色々言われてるからねぇ。

518 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 20:38:06.09 P.net
>>517
単純化は単純化だよ。独立性が高い時期には、それ自体が明瞭なアクセントを持っているのに、
膠着が深化すると、自立語の振る舞いに飲み込まれていって、
見かけ上複雑化するが、実際には、単一単位化が進むわけで、エントロピー自体は増大する。
このへんは、ロマンス語の動詞のあのカオスな人称変化みたいなもん。
癒着度が上がるほど、見た目上は却ってカオスになる。

でも、日本語の活用形って、国文法ベースに考えても、特に減ってないよね。
それとも、ナ変が(共通語では)消えたとか、二段が一段になったとか、そういう話のこと?

519 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/10(木) 21:14:48.57 0.net
そそ、そっち。活用型と書こうとしてうっかりした。すまん。

520 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 00:54:23.92 0.net
未然形の起源は6種類くらいあるの?

受身系 る(ゆ)、らる(らゆ)
使役系 す、さす、しむ
打消系 ず、じ、で(ずて)
推量系 む、むず(むとす)、まし、まほし(まくほし)
条件系 ば、ばや
希望系 な、なむ(なも)、ね

>>509
>未然形と連用形には後続する助詞によって二種類あったらしい(詳細は忘れた)
そう言わずに思い出してください

521 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 01:09:39.88 P.net
未然形は固有のアクセントを持たない、ということを、具体的に説明してみる。
これは、上古から今の京都まで原則同じなので、現代語も交えて説明する。

未然形接続の助動詞のうち、
る・らる、す・さす、む(推量)、ぬ系統の否定、
このへんは、固有のアクセントを持たず、動詞に膠着した全体が、動詞の型別アクセントの体系に所属する。
他方、
ず・ざり系統の否定助動詞は、固有の「低」というアクセントを持つ。
(これは、「にす」という複合表現だったことの名残)
だから、
国文法でいう助動詞「ず」は、「ぬ系」と「ず系」で、振る舞い方が違う。

これは現代の甲種アクセントにも明確に引き継がれていて、
関西弁否定の「ん」のうち、終止形の「ん」には固有のアクセントがない。
ところが、連用形「で」に接続する「ん」「い」には、「低」というアクセントがある。
「行かんで」と聞けば、これは「行かぬて」の変化と誰もが思うが、実は「行かずて」の変化であることがわかる。
また、伊勢方面から入ってきつつある表現で、一段動詞につく「やん」がある。
例:食べやん=食べぬ。この「やん」も、固有のアクセントを持たないから、これは「ぬ」起源であることがわかる。
他方、有名な「へん」は、アクセント上は完全に連用形接続の振る舞いをする。
だから、「行かへん」という京都弁は、「か」に化けたにもかかわらず、これは未然形ではない。

522 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 02:05:03.18 0.net
未然形の起源が単一でないなら
アクセントも何種類もあって良さそうだけどそうじゃないんだ

523 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 10:11:41.24 0.net
素人目に見ても、る・らる・ゆ・らゆ・す・さす は自動詞・他動詞作成接辞がシステマチックになったようにしか見えなよな
見る・見ゆ・見らる・見らゆ なんて単語群がそれぞれ一個の単語か、未然形+助動詞かなんて正直分類上の都合だけで
日本語の造語機能としてはひとつの機能から発生したもののように見える

524 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 10:59:22.58 0.net
>>513
膠着語的性質はどんどん薄くなっていくんだけど、遡れば単語が独立していく一方かというと
「吾子」「吾妻」など人称接辞のようなものが現れていって一転アイヌ語っぽくなる。

525 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 11:46:13.45 0.net
>>524
それは人称接辞じゃなくて単に助詞が間に付いてないだけじゃないの?

526 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 16:51:30.60 0.net
>>513
>乙種や無アクセント話者はピンと来ないだろうけど、

これ、現代だけじゃなく、昔も同じ事情だったんじゃね?
アクセントで区別できなかった代償として上代東国では連体形が-o1になったとか。

527 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 18:37:34.64 0.net
はっきりした記録がないので確証は持てないが、いくつかの状況証拠から、
関東地方などが東京式に変化したのは平安中期あたりかそれ以降ではないかという推定がある。
少なくとも、8世紀の時点で既に東国が東京式になっていたと推定させるはっきりした根拠はない。

仮にアクセントが同じだったとしても、語形もアクセントも同じ現代語がそれで不自由していないし、
後世に終止形が連体形に呑み込まれて消失する変化がほとんど全ての方言で起こっているので、
わざわざ区別しようとして語形を変えるほどの動機があったか疑問。
仮に区別したいと思っても、終止形のほうがo1に変化する理由が不明。

528 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 20:53:20.81 0.net
例えば英語でmy friendsって言う場合のmyは人称接辞じゃないし、「吾子」「吾妻」などの場合の吾もそれと同じで単なる一人称代名詞だと思う
この場合の吾が人称接辞だとは思えない
代名詞の例ではないけど上代では形容詞は活用も助詞も伴わずにそのまま名詞に接続してたし、それと似たようなものなんじゃないか?
上古には人称語尾の痕跡が僅かに見られるものの中古にはほぼ完全な孤立語になってた中国語は、その後現代に至るまでに助詞を増やして膠着語に近付いた例があるし、
日本語も遡ればほぼ完全な孤立語のような状態で助詞が無かった時代があったかもしれない

アクセントに関しては村山がAN語のアクセントとツングース語の母音の長短を受け継いだものであるという説を立ててるね
ストロスティンは日本語と朝鮮語の同源語のアクセントが逆転してるという説を立ててる
院政京都アクセントで諸方言のアクセントがほぼ完全に説明でき、奈良時代においても院政期とほぼ同じアクセントだとされる以上、
それ以上の分析についてはAN語やツングース語と比較してアプローチしないと難しいと思う

529 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:01:23.45 0.net
アクセントだって母音体系と同じで不安定になりうるものなはずなのに
400年同じようなアクセントを維持できるもんなんですかね?
それだけ維持できるなら近畿と四国の東京式アクセントは1400年には存在したということもありうるわけで、
そんなわけないじゃんと思うのですが

530 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:05:11.28 0.net
>>529
奈良時代の上代日本語と院政京都方言のアクセントがほとんど同じであることは証明されてるよ
記紀万葉に書かれた万葉仮名の声調と、院政京都方言のアクセントがほぼ完全に一致してる

現代のフィリピン諸語のアクセントは5000年前のAN祖語のアクセントをかなり忠実に受け継いでるし、アクセントが変化しやすいだなんてことは絶対に無い

531 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:06:20.43 0.net
つまり吾(ア)は形容詞だったってこと?そのうち純然たる代名詞である我(ワ)と用例が混乱してなくなっていったのか。
それにしても他の形容詞みたいに-キや-シを後接しなかったのは変だ。

532 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:15:40.32 0.net
関東が東京式に変化したのが平安中期だったってことは、
それ以前は無アクセントか、アクセントを単語の区切りのみに使用する状態だったんじゃないかっていう予想だよ
この説、誰かが唱えてなかったっけ?

ああ、思い出した。
小泉たもt

533 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:19:39.75 P.net
>>524
それ、むしろ、孤立語的状況を示唆する例の一つなんじゃないかね。
「吾」は、「我」と並んで代名詞だったと思うよ。
一人称代名詞が、無節操なインフレを起こすのは、昔から一貫する日本語の伝統芸と言って良い。

「吾 妻」といえば、「私の妻」であり、
「妻 吾」といえば「妻は私だ」という意味になる(こちらは実例は無いと思うけど)
これ、
「高 山(taka yama)」と言えば「高い山」のことで、
「山 高(yama taka) 」と言えば「山は高い」という意味になるという、
かつて大野が出した、上代語最古層の有名な例に近い。
もはやインドネシア語的な孤立語の様相とは、このような事例のこと。

吾でも、例えば、もしも「*吾喰う(a=kupu)」だの「*汝行く(na=yuku)」のような例があれば、
アイヌ語的な抱合語との関係を、真剣に考えなければならないが、
このような人称接辞の抱合事例は、文献の何処にもないし、示唆するネタもないはず。

534 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:34:22.79 0.net
>>531
俺の言いたいことを>>533が代わりに全て言ってしまったけど、吾は一人称単数の代名詞だったと思うよ
そもそも上代語の形容詞は-キや-シなどの活用語尾なんて伴ってない

>>533
完全に同意
遡れば、日本語の文法がそんな感じの孤立語に近い様相だった時代があると思う

「吾」と「我」の違いに関しては、村山説では吾が一人称単数で我一人称複数とされてるね
実際の用法を例に出してたけど、なかなか説得力がある説だと思う

535 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:39:55.04 0.net
>>533
>例えば、もしも「*吾喰う(a=kupu)」だの「*汝行く(na=yuku)」のような例があれば、

正勝吾勝勝速日天忍穂耳命とか?

536 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:49:37.70 0.net
>>530
アクセントが変化しにくいなら現代の日本のアクセントの多様さは
何によって説明されるのですか?もっと均一でもいいでしょうに。

537 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:50:38.59 P.net
>>535
もし抱合だったら、その神名は
(議論の仮定とはいえ、神名を改ざんすることには大変躊躇します。
特に信仰されている方には深くお詫び申し上げます)
*【正吾勝】勝速日天忍穂耳命
こうなるはず。吾の付かない「正勝」が出て、その後で「吾勝」と来るのだから
吾は接辞ではなく代名詞だと分かる。

それ、気になるのはむしろ「勝速日」のほう。
これ、どうよんでも後置修飾またはVO型の語順だよねえ。

538 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:54:02.23 0.net
ふと思ったが、吾(あ) 我(わ) 誰(た) 汝(な) 彼(か)…すべてア段なのは偶然なのかな。

539 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:58:19.80 0.net
>>526
>>272-282らへんの話も絡んでくるけど
日琉祖語から上代畿内語までの間に半狭母音を持つ語の多くが何らかの条件で狭母音化したんだよ
*o1>u/o1
*e1>i1/e1
(*e2>i2/e2)
動詞連体形は-o1が古形で、畿内で-o1>-uの変化があったんだろう。
形容詞連体形も東国が古形で*-ke1>-ki1だろうな、畿内語でもハシケ1ヤシなどに残存している。
上で出てた「起きる」とかは、*-ko2i-*-ke2->-ki2- だろう。
誰だったか忘れたが海外の日琉祖語を研究してる学者もやたらと祖語に*eや*oを立ててたな
ただこの狭母音化が斉一でなく、畿内語にも少ないとはいえ半狭母音がけっこう残っている理由はわからないが。

540 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 21:59:03.43 0.net
あとこれも>>539の傍証になる

> 8 :名無し象は鼻がウナギだ! :2013/10/05(土) 13:24:54.11 0
> >>7
> 「kom,kuma」「kop,kupa-si」「koč,kusi」「kos&iuml;l,kusiro2」など、そこまで多くはないが日本語と中期朝鮮語の間に対応語はある
> これらの場合「中期朝鮮語o⇔日本語u」という母音の対応が綺麗に保たれていて、しかも文化語彙に限られているために借用語と思われる
>
> 他にも島を表す単語の古形は朝鮮語でもsimaだったと思われるし、瓜という単語では「oi,uri」という対応がある
> (朝鮮語におけるiが後続するrの消失は規則対応)
> どちらがどちらに影響を及ぼしたのかは定かではないが、日本語と朝鮮語の間にはそれなりの影響は存在していると考えるのが妥当

541 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:01:00.04 0.net
>>538
偶然でしょう。基礎語なので1音節になるし、
名詞のアの頻度は高いのでね。自分には
足(あ)目(ま)歯(は)毛(か)…すべてア段なのは偶然なのかな
と言っているのと同じに見える。

542 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:09:06.41 0.net
>>537

>【正吾勝】勝速日天忍穂耳命
> こうなるはず。

わかる。動詞「勝つ」に人称接辞が義務的でないって言いたいのだな。

> 吾は接辞ではなく代名詞だと分かる。

わからん。現代日本語の「私」も代名詞だけど、別に「まさに私が勝つ」とも「私がまさに勝つ」とも言えるし。
もちろん現代の孤立語の代表格である中国語でもこんな縛りはない。

543 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:09:38.43 0.net
>>536
何によってって、そりゃAN祖語のアクセントとツングース語の母音の長短を受け継いだことによってじゃん

544 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:10:10.88 0.net
吾の特徴についてみんな抱合語とか抱合語的特徴とか言ってるけど、
名詞や動詞に人称接辞がつくことは別に抱合語の性質じゃないよね

545 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:10:46.00 P.net
>>539
「無原則に2つに割れました、何故かは分かりません」はまずいよ…
そういう事例は、実は無いわけじゃないんだけど、
比較言語学は、そういう事例を、特に祖語構築論の中では扱ってはいけないことになってる。

連体形と連用形の形は、畿内/東国でそれぞれ、-u/-ua<-o1、-i/-ia<e1
素直にこれでいいんじゃないの?西日本ではaが脱落した、ということで。
(縮約時に脱落したのか、それ以前だったのかは論理的に両方あり得る。
あるいは、縮約前に-aが東国で付着した、と考えることも可能。)

546 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:14:17.40 0.net
>>543
>>536が言ってるのは院政期以降の話じゃないの?

547 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:40:45.35 0.net
>>545
ただ、畿内でo1の多くの部分がuに変化したと考えると、
日本語の構成要素にo1がやたらに少ないことの説明にはなりそう

548 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:44:49.72 0.net
>>533
この状態って、「吾妻」で「私の妻」か「私は妻だ」かが判別つかない状態じゃね?

549 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:51:05.11 0.net
上代以前に仮に格助詞がなくて孤立語的だった場合、
SOVの順序はまぎらわしいと思うのだがそのあたりはどうなの?
SOVの孤立語は人を目的語として二つとるときにその関係を表しわける手段を
別に持たないといけないと思うのだが、
格助詞なしで語順の制限も見られないんじゃ欠陥じゃないか。

550 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 22:51:40.61 0.net
>>537
速日は勝の目的語、か?
饒速日とかもいるし、VS型で普通の連体修飾に見えるが。

>>545
無いわけじゃないどころかよくあることだろ。
それを扱っちゃいけないってのも変な話だな。
まあ許すと際限なくトンデモ化するから仕方ないんだろうが。

551 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 23:16:14.22 0.net
>>549
アイヌ語がそうだな。
主格や目的格を表す助詞は無く、語順はSOVが普通だがOSVも可。
3人称以外では動詞に義務的に人称接辞が付くが、3人称はゼロ接辞なので、
主語目的語が全て3人称の場合、判別は文脈に依存するしかない。

場合によっては副助詞eunで間接目的語を表すことも可能だが
使役は動詞接尾辞以外に表す方法が無くeunは使えない。

552 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 23:17:51.33 0.net
ここの「吾妻」って「あづま」それとも「あがつま」?

553 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/11(金) 23:51:29.02 P.net
>>548>>552
それも重要な話だと思う。連濁というのは接辞の名残と理解できるから、
「あづま」とは、つまりa-N-tumaであって、
アルタイ的に言えば属格接辞、AN語的に解釈すれば「なんとなくリンカーっぽいもの」が挟まっている。
だから、「あづま」といえば、「私の妻」一択なんだろうと思う。
"a N tuma"つまり「あづま」が「私の妻」、"A tuma."つまり「あ・つま」が「私は妻である。」なんだろうなあ。

>>551
ただ、アイヌ語は、代名詞、再帰っぽい働きをする代名詞、冠詞的な代名詞などが、抱合接辞化するので、
できる限り代名詞化して、「抱合の外にある項数」を減らすことができる。
これが、アイヌ語が抱合語であると言われる所以。
現実的には、SとOのわかりにくさも、こうやってかなりの部分、解消したのだろうと思う。

554 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 00:03:32.66 0.net
ワとア(我・吾)に関してだが、それこそ、弱形と強形だったのではって思った。
英語の不定冠詞はaだが、これはoneという数詞のワンの弱形のアだし。
ふと、おもった。
あと、ここでもさいさいでてくるロゼッターストーンさんによると、
汝のナムヂのナは一人称の所有で、マイダーリンのマイがナだったとか。
ナセはマイブラザーかマイハズバンド、ナニモは、マイシスターかマイワイフ。
と、言われれば、そうかもってね。で、ナが一人称なら、N+ア(一人称)だけど、
接頭辞としてNを考えれば、〜のっていう、私の、彼の、君の、っていうのノが接頭辞Nの正体では?
って、言っても、君が代のガが〜の、の意味だし、君が代のさざれ石の、のノは、さざれ石ガの意味のガだし、
これは上代ではダメな思い付き理論かな、まぁ、おもいついただけ。

555 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 00:11:13.80 0.net
>>554
ナが親愛を表すなら、たとえば身分が上の人とか、
動物とか、敵対する部族の者とかにナを使っている例があれば一発でアウトだから
それはそれで分かりやすいと思うね。

556 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 01:19:15.95 0.net
>>553
連濁は「単語が連続していることを表す指標」だろ?
人々・国々みたいなものの連濁は属格接辞では説明できない。

とはいえこれ以上文法の話を続けるとさすがにスレ違いだな。
動詞活用の起源くらいまでなら上代特殊仮名遣いと関係はあった

557 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 04:57:06.69 0.net
>>556
連濁は母音調和とかと同じで文法的な意味を持たない単なる発音上の習慣だと思う
上代語にあった布々(しくしく)とか、重複しても濁らない単語もあるし

558 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 10:05:19.10 0.net
そういえば属格の「の」は他の助詞とは違って、アクセントが主要部の影響をうけたり母音調和の影響を受けて「な」になったりするんだよね
こいつだけ結合度が高いのは不思議だ・・・

559 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 17:57:11.43 0.net
>>513の話に戻してみよう。

終止形語尾が独立して「降」、連体形語尾が独立して「高」のアクセントを持っているため
終止形は「-u(低)」連体形は「-u(高)」または「-ru(高)」に当たる接辞が付属して作られたとかんがえられる。

そこで、連体形の接辞は本来-uか-ruかという話だけど
(1)四段動詞では-Cruという形で、子音重複を忌避するようになった時代に-Cuに形になった
(2)四段以外の動詞では-Vi1 + -u という形だったが、さすがに母音が3つ続くと苦しいので -Vi[渡り音r]uという形をとった
のどちらかになると思う。

俺としては、一段動詞の終止形が-i1i1[渡り音r]uという形をとっていたと考えているので
それと相性がいい(2)の考え方の方が正しいと思う

560 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 18:01:10.77 0.net
>>533の考え方をベースに>>461を修正してみた
俺が想定する日本語の形成過程はこんな感じなんだけど、突っ込み所があったら指摘してほしい

1.日本祖語時代

マラヨ・ポリネシア祖語から分岐して誕生
祖語のアクセントをほぼそのまま継承
a,i,u,eの4母音体系 語末子音あり -iが機能
動詞語幹への-iの接続により連用形が発生 助詞「の」が誕生
接頭辞や接中辞などの、AN語的なフォーカスシステムが機能
語順はVSO
膠着語

2.五母音時代(1)

インドネシア諸語と類似した変化により接頭辞が化石化
接中辞は消滅し膠着システムが一度崩壊、孤立語的な文法に
(恐らく膠着システムの崩壊による文法の単純化を補うために)uの低舌化からoが発生
a,i,u,?,oの5母音体系 語末子音あり -iが機能 語順はVSO
孤立語

561 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 18:01:45.54 0.net
3.ツングース語との接触

ツングース語が日本語に流入
それにより語末子音が消滅 語順がSOVに変化 -iが化石化
助詞の大半はこの時にツングース語をベースに誕生
母音調和もこの時に発生
陽母音[a,o] 陰母音[?] 中性母音[i,u]にカテゴライズされる
a,i,u,?,oの5母音体系 ツングース起源の動詞接尾辞-riが機能
-riや助詞が動詞の語尾に付き、連用形以外の活用形が発生 形容詞はツングース語でも無変化詞なので活用が生まれなかった
助詞の大量発生と接尾辞の誕生により再び膠着語に

4.八母音時代

iが後続するrが消滅したことにより主に動詞の語尾を中心に連母音が大量に発生
ai→e2、ui,?i→i2、ia→e1が生まれる
母音が増えたことにより母音調和が崩壊 a,i1,i2,u,e1,e2,o1,o2の八母音体系に

5.五母音時代(2)

八母音体系が崩壊し、a,i,u,e,oに統合
形容詞にも活用が誕生

>>558
すぐ上の表にも書いたように俺は助詞の大半はツングース語起源だと思ってるんだが、助詞「の」に限ってはAN語のngaが起源であるという説がある(村山説)
「の」だけが独立性が低く他の助詞と異なる挙動を示すのは、他の助詞よりも「の」がずっと古い起源を持ってるからなんじゃないか?

562 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 18:46:51.30 0.net
だいたいいい感じだと思うけど、>>450のツングース語の対応や>>540の朝鮮語の例を見るに、
uからo1が生まれたのは3.ツングース語との接触の時か、その後なんじゃないか?

563 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 18:49:26.76 0.net
>>559の(2)の母音が三つ続くのをさける音が
なぜrなのかというところに疑問がある。
i+母音なら[j]を入れたりiを半母音化したりするのが自然ではなかろうか。

564 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 19:55:47.61 0.net
>>562
>>450も俺が書いた(これに気付いたことでoがツングース語流入以前に遡ると考えるようになった)んだけど、
むしろ>>450の対応は>>560の表を補強する傍証になると思う
ツングース語が8母音になった後に入ってきたなら、u"はo2ではなくi2に対応するはずだし
oの発生の時期をAの時代だと考えるのは、そうすればツングース語流入前の日本語をインドネシア諸語と近い形で再構できるから
AN語として日本語を考えた場合、>>560-561のように考えざるを得ないと思う

朝鮮語については、>>540で例に出てる「uri,oi」や「sima,syəm」などの単語では明らかに日本語が古形を保存していることから考えて、
o1とuの対応についても日本語の方が古形を保ってるんじゃないかと思う
朝鮮語でも低舌化による「u→o」の変化が起きたんじゃないか?

565 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 21:30:25.69 0.net
朝鮮語は中期語以降数百年に限ればo→uの変化のほうが顕著だよ

566 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 21:41:36.04 0.net
>>564
>むしろ>>450の対応は>>560の表を補強する傍証になると思う
ここもうちょっと詳しく・・・

ツングース語のuが日本語のo1に対応するのならば

1. ツングース語流入時代日本語のuの音価がuではなく、o1で受け入れるしかなかった
2. ツングース語流入時に日本語にo1はなく、uで受け入れたのちuの一部がo1になった(外来語はo1になりやすい?)
3. ツングース語流入時にoであった語を日本語でo1として受け入れ、ツングース語のほうがo→uに変化した

このぐらいの仮説しか思いつかないんだけど、このうちどれを想定してる?

567 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 22:05:50.29 0.net
>>566
いや、俺が想定してるのは普通に「ツングースo:日本語o1」の対応だよ
「yu(湯),du:l」や 「yuri(助詞のゆり),duli」とかの対応があるから、ツングース語のuはそのまま日本語のuに対応すると思う
具体的に言うと「o1,o」「o2:u"」「u:u」の対応を想定してる

こうやって比較的綺麗に母音が対応するからには、ツングース語の流入時点で既に日本語にはoがあったのかな、と

568 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 22:36:30.65 P.net
>>567
横レスなんだけど、いっその事、有坂とツングースを切っちゃうとか?
8母音形成後にツングースの流入ありとする。
もともと、アルタイと無関係に、4母音以来のゆるい同化法則として有坂があって、
それに、後から来たツングースが、ガチの母音調和として綺麗にハマったと。
だから、助詞が、形の上でもツングース臭いのに、有坂自体は助詞に射程が及ばない(アルタイ的には大変に奇異)と。


俺自体は、着想フレームワーク(想定する流れ)が、修正含む399系諸説と異なるので、
組み込んでいただく必要はありません。木と竹を接ぐような話になりそうだから。

569 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 22:49:39.37 0.net
>>568
「有坂法則は母音調和か?」というのは長らく議論されてきた命題で、(少なくともアルタイ的な)母音調和じゃないという主張もよくあるけど、俺自身は有坂法則はアルタイ的な母音調和の延長線上だと思ってる
アルタイ諸語を適当に見てれば分かるけど、「チュルク語→モンゴル語→ツングース語→中期朝鮮語」の順で母音調和の拘束力が緩くなってるんだよ
「仮にアルタイ語族説が成立するとすれば」最も古形を残しているのがチュルク語であることに異論は出ないと思うけど、そのチュルク語の母音調和は極めて厳格で、以下モンゴル語、ツングース語、中期朝鮮語の順に母音調和が及ぶ射程が短くなっていく
であるからには、中期朝鮮語よりも更に先にある日本語の母音調和が助詞にまで及ばなくても不思議ではないと思うし、そのことがアルタイ的母音調和を否定する根拠になるとも思えない

例えば有坂第三法則なんかはツングース語に全く同じ母音調和がある(ツングース語でもaとəは同一語根内に共存しない)し、有坂法則に関してはツングース由来の可能性が高いと思う

570 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 23:22:27.81 0.net
なぜ地理的に遠いと母音調和がゆるくなってもおかしくないっていうことになるのですか?

571 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 23:27:14.47 0.net
>>570
誰もそんなこと言ってないと思うが

572 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/12(土) 23:32:25.44 P.net
>>569
その、トルコ語云々の話は、そりゃそうなんだけどさ。
トルコ語は、「語頭で8母音だが、語中語末では【4母音】」と音韻処理できるほどの、厳格な母音調和を持っている。
これはこれでいい。

そして、この厳格な体系では、中性母音というのは、そもそも出てこない。
中性が存在する、ということは、すでに母音調和が形骸化をはじめ、崩れ始めているということ。
崩れているということは、元々の祖形があるということ。
そして、母音調和というのは、順行同化の際立った例なのだから、
「元々の祖形」の段階で、きれいに順行同化が決まらなければならないし、
それが調和=母音同化を生む、唯一の力になる。
つまり、中性が出てきたら、その力はすでに失われているということになる。

翻って有坂に戻る。有坂法則は、単語の中で働いている。
つまり、単語の中で自活して働く何らかの要素だ、ということになる。
もしこれがアルタイ的母音調和なのなら、日本語史のある時点で、
上記の力が働いていなければならない。

ところが、有坂には、すでに明らかな中性母音iがある。
ということは、アルタイ的に考えるなら、これを生み出した祖形があるはず。
ところがこれは4母音では、どう捻っても説明がつかない。
普通なら、イ丙とイ丁を設けて、イ甲を分割するのが定石だが、これは完全に道無き道になる。

崩れつつある母音調和が、他の言語に横から割り込んで、
その言語の既存の単語の母音を並べ替えるって、すごく異様な話。

573 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 12:19:26.94 0.net
>>565
oが祖形だとすると日本語で「o→u」の変化を想定しなくちゃいけないけど、それはちょっと無理筋じゃないか?
日本語の方が祖形を保ってるのは明らかなんだし、それなら高麗時代の朝鮮語に日本語と同じ「u→o」の低舌化を想定した方が分かりやすいと思う


ついでに>>561を訂正
日本語の母音調和は陽母音[a,o,u] 陰母音[ə] 中性母音[i]だね

>>572
まず、ツングース語流入時点の日本語は5母音だったと考えてるんだが、アルタイ的な祖形はa,i,u,ə,oの5母音でなら再構できると思う
俺が想定する陽母音[a,o,u] 陰母音[ə] 中性母音[i]という体系は、ツングース語の母音調和体系と酷似してるんだよね
(この類似も、8母音時代以前に5母音の時代があったと考える理由の一つ)
「中性母音があるような母音調和が日本語に入ったのはおかしい」と言われたら反論のしようがないんだけど、
でもそれだけの理由で考えを放棄するにはこの対応はちょっと似すぎてて勿体ないと思う

この想定による母音調和体系は音韻の区分としてはフィン語ともほぼ同じ体系だし、個人的には母音調和の形としてそんなに不自然とも思えない

574 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 12:30:59.18 0.net
>>564>>567に補足

確かに>>560-561の表だとoが生まれたのが表の通りでもツングース語との接触時でもどっちでも特に問題は無いんだけど、
でもこの時には日本語の母音の体系は特に変わってないと思う
何故なら、仮に接触の結果によってoが生まれたのなら同じようにeとかも生まれててもおかしくないけど、日本語とツングース語の間にはe同士が対応する単語が無い
他にも、円唇前舌狭母音であるu"からはほぼ同じ音であるi2が生まれるはずだけど、実際にはu"とi2の対応は存在しないし、ツングース語のu"には日本語のo2が対応してる
にもかかわらず、ツングース語のoはa,i,uと同じように日本語とそのまま対応している
このことから見ると、日本語にはツングース語の流入以前からoが存在したとしか思えない
現代日本語が外来語を取り込む時にはどんな発音の母音も無理やり5母音体系に当てはめて取り込んでしまうけど、ツングース語流入時の日本語でも同じような感じで言葉を取り込んだんだと思う

というのが>>564>>567で言いたかったことなんだけど、言葉足らずでごめん

575 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 15:10:19.80 P.net
>>573
ちょっとまってくれ。
ツングースと断りなしに使ってるけど、どんな母音体系を議論の前提としてる?
俺の知る限り、ツングース祖語の母音体系は、ほぼ次の通りなんだけど。
ドイツ語式にeをウムラウト記号として、
i/ie
ue/u
oe/o
ae/a
これは、最新の知見だと(xsampaで暫定的に示します)
i/i_q
R/R_q
7/7_q
{/{_q

これは使いにくかろうから、記号は、註釈さえあれば、一番馴染みのお好きな書き方でかまわないから、
「横入りしたツングース語の母音体系」と、「在来母音との関係」を、具体的に示してみて欲しい。

576 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 15:47:04.33 0.net
>>575
日本語はツングース祖語から派生して誕生した言語じゃないと考えてるし、ツングース語が日本語に入ったのはわりと遅く(>>561参照)だと思ってるから、
この時日本語に入ったツングース語はツングース祖語ではないと考えてる
というか、その時点では既にツングース諸語もある程度祖語から分岐してたはず

具体的に考えてる日本語に入ったツングース語の母音体系は、満州語に近いような6母音体系
a,i,u,u"(円唇前舌狭母音),e,oの6母音だね
「a,a」「i,i」「u,u」「u":o2」「e:i」「o:o」の対応を想定してる(左がツングースで右が日本語)
満州語の母音調和は陽母音[a,o,u"] 陰母音[e] 中性母音[i,u]だし、日本語の有坂法則とかなり近いと思う

577 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 16:58:56.14 0.net
>>567
ああごめん、uとo1が対応してるのは朝鮮語の方か。朝鮮語のほうは566 3.のように元がoで、uになったのかもしれんな。
つーか朝鮮語はある時点で母音がこんなかんじで変化したんじゃない?

i→i
u:→u
o:→ɯ
a:→ə
u→o
o→ʌ
a→a

アルタイ系の他の言語の母音調和の割り当てを考えるとこう考えるとすっきりする
時期は朝鮮漢字音が形成された8世紀より前。

578 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 17:28:03.61 0.net
>>575
その最近の知見がとっても興味あります。

つーか、ツングース祖語の母音調和ってのは本来的にツングースに備わっていた何かなの?

ウラル語、トルコ語、モンゴル語、ツングース語 いずれにもアルタイ的特徴っていうのがあって、
それ理由でアルタイ諸語っていう言語にまとめられているけど、
それぞれに語彙の対応がなくて、共通の祖語から別れたんじゃなくて交流の結果似たような性質を持つようになった
っていうのが俺の知ってるアルタイ語の知識なんすよ

母音調和もそのアルタイ的特徴の一部で、それはトルコやモンゴルとの接触の結果
後から入ってきたものであるから、ツングース祖語の内的な構造から導きだされたものじゃないと考えてたのよ。
でも575の表によると、ツングース祖語の4母音に舌根後退のようなものが加わって作られたって言ってるみたいなので
そこんとこ詳しいのが知りたいなと。

579 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 17:57:14.63 0.net
大変興味深く、議論を拝読させていただいております。
すみませんが、議論する際、詳しく知りたいならこれを読みなさいっていう、
参考文献のようなものを提示してほしいです。
脇からすいません。

580 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 18:18:59.20 P.net
>>576
それだと、ツングース起源の「外来語」に、有坂が適用できる論拠にはなっても、
ツングース以前から存在する単語群に、有坂が及ぼされている理由には、
やっぱり、ならないんじゃないかなあ。

以下は、俺の母音調和の理解なので、違う見解なら、堂々と反駁論破してほしいのだけど、
真正の母音調和というのは、母音のグルーピングではなく、
最初の母音に顕現する「単語の母音式別」によって、後続の母音が、むしろ音声の上で「引き裂かれる」現象なんだよね。
本来、ツングース祖語や現代トルコ語は、音韻論的には4母音なのであって、
ただし、語頭母音に「陰陽の式別」が現れるために、後続の母音が分裂して2倍の8母音のように見える。
そして、引き裂いても同じ音になる場合が、いわゆる中性母音の原型で、
さらに、中性母音が語頭に立つ場合に、その単語の母音式が消えてゼロ式になる状態が、真正の中性母音。

俺自身は、このような性質が、語族をまたいで言語連合と化してもかまわない、と理解している。
要するに声調言語の分布のようなもので、地理的に語族をまたいで広がることも、十分にありえる。

581 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 19:19:25.26 0.net
>>580
反駁ではありませんが、
個別的な文法上の規則のマネならともなく、
以前の母音の体系の位置づけを大きく変えることになる母音調和が
他の言語にそうやすやすと取りこまれるのは無理があるのではないでしょうか。
この概念的な問題についてはどうお考えですか?
ウズベク語と長い間共存しているペルシャ語も、ウズベク語の影響はあるものの
まだ母音調和を持つ体系に移行していません。

582 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 19:51:13.07 0.net
>>580

> ツングース以前から存在する単語群に、有坂が及ぼされている理由には、
> やっぱり、ならないんじゃないかなあ。

これと

> 俺自身は、このような性質が、語族をまたいで言語連合と化してもかまわない、と理解している。
> 要するに声調言語の分布のようなもので、地理的に語族をまたいで広がることも、十分にありえる。

これが両立しないような気がする。
後から声調を取り入れた言語って、外来語だけじゃなくて固有語にもちゃんと声調をつけるじゃん?
同じく後から母音調和を取り入れた言語も、固有語にも母音調和を波及させるんじゃないか。

583 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 19:55:27.37 0.net
>>580
母音調和の解釈については、俺も全く同じ考え
音韻論から見ればトルコ語の母音は4母音で、その条件異音がそれぞれ1つずつあって8母音に見える、と
最後の2行についても同意

だから意見が食い違ってる部分は「中性母音の生まれた後の母音調和が他言語に影響を及ぼし得るか」の一点になるけど、俺は場合によっては及ぼし得ると思う
というのも、満州語の母音調和をベースに考えた場合、o2に吸収されて消えたu"の代わりにuが中性母音から陽母音に引っ張られたと考えれば日本語の母音調和は説明できる
ツングース語の流入の際に文法が別次元に書き換えられた(語末子音が崩壊、語順がVSOからSVOに代わり、接尾辞と助詞が大量に生まれ孤立語的な形態から膠着語に代わった)ことを考えれば、その時に母音調和が導入されてもおかしくはないだろう

というか、日本語に想定してる母音調和は母音調和としてのバランスは別に悪くないと思う
例えばフィン語の母音調和体系は陽母音[a,o,u] 陰母音[y,&ouml;,&auml;] 中性母音[i,e]だけど、ここから5母音時代の日本語に存在しなかったy,&auml;,eを抜けば有坂法則と全く同じ体系になる
このことからして、日本語に流入したツングース系言語が持ってた母音調和はトルコ語程完全な形を保ってはいなかったにせよ、他言語に影響を及ぼせるくらいの厳格さは維持してたんじゃないかと思うんだ

584 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 19:57:53.93 0.net
ごめん、ウムラウトは文字化けするのを忘れてた

フィン語の体系は陽母音[a,o,u] 陰母音[a",o",y] 中性母音[i,e]ね

585 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 20:57:52.01 0.net
俺は母音調和はツングース語の影響を受けたっていう説には賛成だけど
助詞の成立はツングースとは独立にもっと新しい時代に作られたって考えてるなあ。
理由は>>513にあるとおり、アクセントにしろ母音調和にしろ助詞は付属元の影響をほとんど受けてないってこと
母音調和と一緒に助詞が作られたなら、朝鮮語のように助詞も多少はは母音調和するもんじゃない?

例外は「の」、これだけはツングース語が入ってきた時代より前にあったと思う

586 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 21:09:50.38 0.net
>>585
もっと新しい時代の成立といっても候補になる時代の幅はあまりないと思う。
奈良時代にハ、ニ、ノ、ガ、ヲ、ト、ヨリなどは存在して、ヘが成立の途中。
これだけ出そろうにはけっこうかかってるだろう。
だが西暦100年から700年まで600年しかない。
助詞成立は西暦何年から何年あたりを想定するや?

587 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 21:28:04.11 0.net
あんまり詳しくないんですが、母音調和の話でもなくてすいませんが、
助詞はアクセントの影響を受けないというけど、東京式のアクセントって、
京都式のアクセントに出だしにHがついて、押し出される形のアクセントになっていて、
名詞の語末に本来あった、押し出されたアクセントを助詞が引き受けるみたいな話ありませんでしか?
いえ、母音調和と関係ない話題でちゃちゃ入れて申し訳ありませんけど、ふと、気になって。
平安期以降に生まれた東京式のアクセントの話は、上代以前の母音調和の議論してるんだから、関係ないのはわかるんですけども、

588 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/13(日) 21:33:01.90 0.net
>>585
例えば中期朝鮮語では助詞にまで及ぶ母音調和が機能してたけど、現代朝鮮語の助詞にはその痕跡が日本語の「の」に当たる助詞にしか残ってない
逆に言えば、母音調和の名残を残して2種類存在しているのは「の」だけで、それ以外の助詞は全て一つに統合されて母音調和の痕跡が消えてる
そのことから考えれば、日本語で母音調和が崩壊してから奈良時代までに500年以上の時間があったと仮定すれば、「の」以外の助詞に母音調和の痕跡が残ってないと考えても不思議ではないだろう
例えば魏志倭人伝の時代から記紀万葉までが500年程度だし、日本語が8母音体系に変わって母音調和が崩壊したのはそのくらいの頃だったんじゃないかな

589 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 06:29:45.85 0.net
>>586
一応格助詞だけを想定してみるわ。

ノ・ツ
 ツングースとの接触以前から成立
 西暦300年より前
 母音調和あり・独自アクセントなし(ツは「遠江」で母音調和?アクセントについては未調査)

ニ・ガ・ト・ヨリ
 朝鮮半島に本格進出した300〜800年くらい

590 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 06:39:33.00 0.net
あ、途中で書いちゃった。
特に「ト」に顕著なんだけど、漢文の読み下しの際に発生したんじゃないかと考えてる
つまり時期は朝鮮半島進出なんだけど、由来は中国語の介詞。
他にも漢文読み下しで発生したっぽいのに「シム」とか「ヲモッテ」とか「ヨク〜ス」あるよね、そのたぐい。

ちなみに「ヲ」「ヘ」は歴史時代はじめにはまだ完全に格助詞になっていない
「ヲ」は間投詞、「ヘ」は名詞

591 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 06:40:38.93 0.net
ところで所有格「ノ」「ツ」「ガ」、場所格「ニ」「ヘ」「サ」など機能がかぶる助詞がいっぱいあるのはあれ何だ?

592 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 13:27:00.09 0.net
上代の8母音にIPAを当てるとどうなるの?

593 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 17:48:19.64 0.net
ヨリにヨ甲(リ)とユ(リ)の形があったのは母音調和の痕跡?

>>590
ヲの間投詞用法は格助詞からの転用じゃないかな?

594 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 17:50:41.55 0.net
本筋とあまり関係ない突っ込みで恐縮だけど
満洲語をツングース語の代表みたいに言っちゃうのはどうなん?
女真族が満洲南部に南下してきたのは歴史時代もかなり経ってからで
基層には高句麗、扶余、沃沮の濊貊系諸語があると考えるのが自然だよね
濊貊語の系統は諸説あるがツングース説を取るとしても
満洲北部やシベリアの諸語とは分岐してから相当の年月が経っていたはず

595 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 18:39:00.95 P.net
580です。580には、正しく「蛇の足」が二本あります。一つは>>582ご指摘の通り(3段目最終行)。
もうひとつは、2段目最終行です。この2つは削除してご理解ください。誤りです。

その上でw>>583宛のレスです。
580の真のポイントは、「ウラル&アルタイ型母音調和の本質は、ペアの母音が同一音素」というところなんだ。
だから、陰陽各陣営で、1:1対応して母音数が揃っていなければならないはず。
だから、中性母音が問題というより、「ぼっち母音」が問題になる。
ぼっち母音自体は、あちこちのウラル系・アルタイ系言語に見られるものだけど、
ぼっち母音が存在する体系は、母音調和は、生きた法則としては崩壊してる、と理解すべきだと思う。

再び有坂に戻るんだけど、アルタイ式理解をすれば、
どうやらオ乙のペアは、アらしいことになる。となると、ウがすでにぼっちになる。
さらに、オ甲は、振る舞いとしてはどうみてもぼっち。厳格なのにぼっち。
つまり、「オ乙/ア」のペアだけがあって、あとはボッチ。
この形で、なにか母音整序として積極機能した形跡が伺えない。
壊してしまうだけで、対案が立てられず申し訳ないんだけど、どうもこうとしか言えない気がする。

もし良い案があるのなら、動的に機能したシミュをお願いしたいと思う。

596 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 19:09:00.73 0.net
>>595の指摘通り、日本語の母音調和ってかなりいびつなんで、本来的な機能って感じしないんだよね
いびつといえば満州語もかなりいびつなんだけど、>>594にあるとおり満州語もツングース的な特徴はあとから仕入れたっぽい
こういう風に母音調和を外部から仕入れた言語で、変化が文字に記録されているのが他にもあれば日本語の母音調和時代の
音変化の仕組みも詳しく説明できそうなのにね・・・

ところで>>595の書き込みでもう少し詳しく知りたいんだけど、
削除して理解すべきは
・母音調和の仕組みは語族を超えて波及する
・外部から母音調和を仕入れた言語では固有語では母音調和を波及させられない
これらのうちどっち?

上を否定するならウラル・アルタイ祖語なるものが実在したっていう立場に立つと思うし
下を否定するならウラル・テュルク・モンゴル・ツングースは後年に言語連合を確立し、日本語や満州語はそこに一番半端に加わったっていう立場に立つと思う。

597 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 19:22:38.95 P.net
>>596
そういう意味じゃなくて、
・語頭音節母音に、中性母音が立っても、その単語はゼロ式にはならない。
・声調言語の分布に例えるのは不適切

蛇足2本の中身は、こういうこと。
母音調和で言語連合が起きるのは、俺はあり得ると理解してる。
突き詰めて理解すれば、母音調和とは、「単語が、音韻として『陰陽2式』を獲得すること」なので、
これが、語族を跨いで広まるということは、あり得ると思う。
ここでいう「式」というのは、例えば、日本語の京阪式アクセントで言う、
「高起式」と「低起式」の区別と同じような概念。

598 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 19:39:00.15 0.net
なんかツングース語と日本語の関係があることはもう確定事項のようにして議論が進んでるけど、
元ネタの論を読んでないせいかもしれないが、どうも自分にはそれが事実のようには思えない

ツングース語から語彙が入ってきてからの年代が2000年弱とかそこらとかいう説が出てるけど、
それならもっと誰が見ても分かるぐらいあからさまに酷似した単語がもっと多数ないとおかしいんじゃないのか

助詞には類似した語彙が多数あるとされているのに、一般名詞などにはそれほど多数あるわけじゃないのも疑問
文法的な語だけが多数借用されて、普通の語はそんなに借用されないなんてことがあるんだろうか

599 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 20:21:28.67 0.net
たしかに、2000年前ならヘタしたら琉球方言や八丈方言も
もう分岐してるかもしれないもんな

600 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 20:41:32.89 0.net
記紀万葉が1300年前。
2000年程度なら、語彙がもっと一致してそうだな、確かに。

601 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 21:08:43.88 0.net
ツングース語と日本語の関係は
ヒンディー語と英語の関係より近いのか遠いのか
遠ければとても関係あるとは言えない

602 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 22:03:36.95 0.net
このスレとしては語彙はオーストロネシア語からもらったっていうことになってるから
ツングースの影響は母音調和とか文法とかの限定的なものしかないんじゃないか。
まあ語彙だけなら中国語の影響のほうが多そうだけど

603 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/14(月) 23:06:46.66 0.net
上代以前の日本語にトルコ語みたいな厳格な母音調和ってありうるのかな?
と思って8母音をそれっぽく陽/陰の組にして並べてみたが今一つしっくりこないね
1) a/o2, o1/e2, u/i2, e1/i1
2) a/o2, o1/e1, e2/i2, u/i1
3) a/o2, o1/u, e2/i2, e1/i1
4) a/o2, o1/u, e2/e1, i2/i1

ついでにウラルアルタイ諸語の母音を上代日本語風に表記してみた
トルコ語 a/e, o1/o2, u1/u2, i2/i1
モンゴル語 a/e, o1/o2, u1/u2, i
満洲文語 a/e, o1/ , u2/ , u1, i
中期朝鮮語 a1/e, o/u, a2/i2, i1
フィン語 a1/a2, o1/o2, u1/u2, e, i
マジャル語 a/(e), o1/o2, u1/u2, e, i (<a/e1, o1/o2, u1/u2, e2, i)

604 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/15(火) 06:38:53.52 0.net
そりゃ、日本語の母音調和は
a/@, o/@, u/@, i だもんあわないよ。
満州語も
a/@, o/@, u:/@, i, u じゃなかったっけ。

605 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/16(水) 20:06:16.50 P.net
>>604
7世紀より前の日本語(推定)
a/@, o/ , u/ , i
19世紀満州語
a/@, o/ , u:/ , i, u
そっくりだけど、比較言語学上は、これでは、全くこれっぽっちも使いものにならないよね。
こういうのを「他人の空似」と言う。
日本語起源スレが、こういうものをドヤ顔で取り上げる、素人空似ネタで溢れかえって
方言板のレベルにすら達しない、悲惨な糞カオス状態になってるw
俺も思わずこっちで、多少は文法論議をしてしまいたくなってしまうが、自重しないとねえw

>>598
そうばっかりでもない。俺はずっと390を相手に、批判的に論を詰めることを試みてるけど、
俺自身は、ツングースの影響自体に対して、そもそもかなり懐疑的。
だから、まず有坂回りから攻めてる。いずれ、俺自身の390に対する対案も示そうと思う。

606 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/16(水) 22:19:37.52 0.net
他人の空似でも音変化が起こりうる蓋然性くらいは示せるじゃん。
>>464でe→əの変化がAN語と日本語祖語の両方で起こったのを説明してるけど、
これもいわば他人の空似だ。でも説明としては必要な物だろ。

607 :390:2013/10/16(水) 22:30:46.47 0.net
村山七郎読むまで>>395にはついていけそうにないからしばらく待って。
「日本語の起源」あたりがいいのか

608 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/17(木) 22:19:05.69 0.net
陰陽二式の発音が揃っている状態っていうのは、こういことだな?

1. 全く揃っていない状態

 きゃりーぱみゅぱみゅ

という単語がひとつある

2. 母音調和によって陰陽二式の発音が揃っている状態(中性母音あり)

 きゃりーぴゃみゅぴゃみゅ
 かりーぱむぱむ

という2種類の発音に揃う

3. さらに中性母音が分裂した状態

 きゃりーぴゃみゅぴゃみゅ
 かるぃーぱむぱむ

という2式に揃う

609 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/17(木) 22:21:19.18 0.net
>>563
rが無標の子音としてつかいやすかったんじゃないの?

マヨラー←マヨネーズのどこにラ行があるんだよ

みたいなもんで

610 :天之御中主:2013/10/18(金) 07:55:00.95 i.net
https://www.dropbox.com/s/9wnussdvxf57wds/19790408.pdf
ジャンク言霊でジャンクDNAを響かせろ!
「DNA は言葉と振動の影響で頻繁に再プログラムされている」http://masashirou.exblog.jp/15862113

DNAにまつわる不思議な実験:DNAのテレポート、ミュータント、電磁書き込みhttp://quasimoto.exblog.jp/14967816/

611 :天之御中主:2013/10/19(土) 23:55:42.14 i.net
なぜ?

ヤ行だけイ段が無いのか?

いや

無いとして精査すれば

道は開けるぞ

612 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/22(火) 17:08:02.12 0.net
>>611
ワ行のウ段は?

613 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/23(水) 21:34:08.96 0.net
AN語に関してほぼ何も知らない状態から
日本語との比較言語学のために個別言語をどれか勉強するとしたら、
何語がいい?
または、この本は絶対読んどけよっていうお勧めがあったら教えろください

614 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/24(木) 00:37:56.38 0.net
>>613 まずはインドネシア語でしょう
教材の多さからも学びやすさからもダントツ
AN語入門という意味でもお手頃
次がタガログ語、これも教材は多い
ただ動詞がやっかいなのでこれでフィリピンや台湾の古風なAN語のイメージを掴む
AN語の概説書は英語のでいいのがありそうだけど、とりあえず
「言語学大辞典-世界言語編」の関係項目を読みまくるのがおすすめ

615 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/24(木) 23:43:28.92 0.net
>>614
サンクス!
とりあえずインドネシア語の本をポチった
言語学大辞典は図書館で見てみるわ

616 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/12(火) 01:58:30.46 0.net
なんとなく福田恒存の「私の国語教室」をパラパラやっていたんだが
音韻史って観点からみると相当なトンデモ本だな。

617 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/14(木) 12:35:29.84 0.net
>>616
どういうふうに?簡単な要約で教えてくだされ

618 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/16(土) 23:20:57.47 0.net
>>617
ハ行転呼はなかった、昔のハ行が唇音だったというのはあやしい、
オとヲなどの書き分けは実際の呼び分けではなく漢字に移すとき
本来同一音と認識されていた音を書き分けてしまっただけ、etc
松本説の原型みたいなとこあるな。

元々パラパラやったきっかけは「上代仮名遣いはなかった」と
書いてた記憶があったからなんだが、探し方が悪いのか見つからなかった。

619 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/16(土) 23:36:07.58 0.net
どんな音だったかはいろんな説があるんですよね?
私はイ段に限っては「口蓋化してるかどうかの違い」を支持します
(自動的にエ段も同様になってしまうかもしれませんが)
理由は、現代日本語でも/ki//pi//mi/が口蓋化する傾向にあること だけです

あとは、古代中国語の発音(いろいろ説がある)を調べることと
日本の方言で(特に近畿から離れた地点)「クィ、フィ、ムィ」に近い発音を調べないと分かりません
他の説は中舌母音のしかしりません

620 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/17(日) 11:09:34.24 0.net
>>618
それらは松本説には無いのでは?

621 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/17(日) 22:39:48.06 0.net
>>620
ああ、要するに「本来かき分ける必要がないのにかき分ける」的な発想が
近いな、と思ったということです

622 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/18(月) 01:41:22.89 0.net
>>621
それだけで同一視するのもずいぶん乱暴な話だな

623 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/18(月) 21:11:36.73 O.net
乙類の幾つかは拗音ぢゃないの?
上代特殊仮名遣ひは拗音と直音の書き分けはあったの?

拗音が直音化して消滅することなんて
音韻史ではよくあることだし。

624 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/19(火) 01:23:02.72 0.net
>>622
いやまあ何となく書いただけだから、別に先行例とか言いたいわけじゃないよ

625 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/23(土) 17:03:12.69 P.net
>>623
「拗音」なんて、いかにも餃子臭い話はおやめなされよw

拗音なる概念は、中国語音韻学固有の概念だから、日本語を分析する際には、そもそも適切ではない。
概念として切れ味が悪すぎて、議論そのものがナマクラになってしまう。

代わりに、世界標準の概念を用いた議論として、
「口蓋化があったか?」という議論は、これは昔から散々行われている。

626 :390:2013/11/23(土) 17:52:26.00 0.net
村山七郎やっと読んだ(日本語の起源と語源)
俺の想定と一番の違いは、四段動詞の中でラ行で活用するものは母音語幹だって考えてるところだな。

漁る : asa - ri + u → asari + u → (i脱落)asaru
言ふ : ip -ri + u → ipri + u →(r脱落)ipi + u →(i脱落)ipu

ただ、この説に従うと二段動詞になったヤツと四段動詞のラ行活用になったやつはどうして別れたのかがわからんよな。

>>623
上代特殊仮名遣いの時代は漢字音を呉音・漢音として受け入れている時代と一致するけど
漢字音の拗音と上代特殊仮名遣いは対応を示さないので、別の音だと思われる

627 :390:2013/11/23(土) 22:15:47.98 0.net
んで、『日本語の起源と語源』の内容を振り返りつつ、>>395から始まる村山説ベースの仮説に反応してみようと思う

1. 動詞活用の起源は-riである説について

日本語動詞活用の起源は連用形にあるのは間違いないとおもうけど、その起源をツングース語の現在分詞接辞「-ri」にもっていくのは疑わしいとおもう
理由としては
・連用形と同じく、未然形も起源はツングース諸語の不定時分詞「-ra」に遡るとしているけど、未然形については513-523の議論にもあるとおり
 単一の起源から発生した語形とは思えない。だとすれば、現在分詞「-ri」だけ輸入したというのもおかしい
・基本の動詞語幹に「-ri」が接続したと見る場合、626に書いているとおり母音語幹の動詞がラ行四段活用になってしまう。
 俺としては母音語幹の動詞は二段活用になったと思っている(大野説?)ので、村山説では二段動詞はどうやってできたのか想像できん

対案としては、連用形の起源は名詞化接辞「-i」だと思う。「あるいは」の「い」に痕跡を残してるやつ。
朝鮮語にも類例があるらしいので、朝鮮半島進出時代(1〜3世紀)に取り込んだのではないかと睨んでいる

628 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/23(土) 22:20:33.27 0.net
>>625
そうはいっても、「口蓋化」でピンとくる人はまだまだ少ないだろう
カ行は既に口蓋化してるじゃないかという人もいるかもしれないし

甲乙=口蓋化はわりと有力とは思うんだけど、ただイ段とエ段の口蓋化って
ものすごく発声しにくいからこんなん何百年単位で残りうるのかという疑問はある
よく、さらに古くは甲乙は全部の行にあったのか?って話があるけど
セとかリあたりは遡っても使い分けがない可能性ありそう

629 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/23(土) 22:44:11.18 P.net
>>628
ん?話が逆じゃないか?
前舌母音前の子音は、むしろ発音の「しやすさ」から、口蓋化しやすくなる傾向が、
世界各地の言語で見られるものだよ。
これは、日本語もイタリア語も北京語も英語もみんな同じ。
発音しやすすぎるため、どんどん口蓋化が進行してしまい、
破裂が摩擦になり、摩擦がどんどん弱くなって、そのうちかすれていく。
その意味では「安定しない」のだけど、力学的には逆で、
「発音しやすいため、止めどなく崩れていく」といったほうがいい。

例えば、「シェ」などは、17世紀までは京都の「せ」の標準発音だったことは有名であって、
江戸期以降、おそらく江戸語または東国語の影響で、西日本の多くでも「非口蓋化」が進行した後も、
現代の共通語においても、外来語では、「せ」とは別音節として「しぇ」は安定して成立している。

630 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/23(土) 23:24:25.61 0.net
>>629
でも、上代仮名遣いの口蓋化音って、多分「キィ」「キェ」でしょう
キ・ヒ・ミいずれもエ段はともかくイ段は口蓋化させにくいと思うんだけど。
si→shi→ki ってのなら確かにそれで分かるんだけどさ

631 :390:2013/11/23(土) 23:49:22.41 0.net
2. 子音重複、母音重複、末尾子音はいつから忌避されるようになったか

『日本語の起源と語源』には、protoJ(原始日本語)の再構形の例文がいくつか記載されてるけど、
子音重複も母音重複も末尾子音も何でもアリになってる。
これがいつ、なぜ忌避されるようになったかについては本書内で書かれていない。

このスレの大枠として、子音重複・母音重複・末尾子音は同じ時期になくなっていったっていう考えであってると思うけど
それはいつになるのか。

森博達の魏志倭人伝の分析では3世紀にはすでになくなっていたっていう話だけど、
朝鮮に近い「対馬」(tuts-ma)やら末盧(mat-la)などでは子音の重複か?と思える単語もある
卑弥呼より古い時代の師升(ʃi-ɕiəŋ)なんかもそれかも。

ここから推測するに、1世紀あたりはまだ子音重複等は残っていた。
対馬や末盧は、その時代から中国・朝鮮で通例となっていた宛字を残したもの(なので朝鮮に近い地名に残存している)

そして子音重複等の忌避はやはり1〜3世紀、朝鮮半島への本格進出の時代。
この時に母音重複を嫌って、i2、e1、e2などを生み出していったと思われる
⇒そしてスレタイへ

632 :390:2013/11/24(日) 00:01:53.05 0.net
今のノリは口蓋化?

森推定音だとケヘメ甲は-ei、ケヘメ乙は-ʌiで、どちらも渡り音(拗音)-i-を介さないよね
イ段音はどうだったんだろう

>>630
ヒミヘメはよくわからんけど、キケの口蓋化音と非口蓋化音はわりと区別つくよ
日本語・英語ではキもケも口蓋化してるけど、例えばスペイン語はどっちも口蓋化してないんで
どっかで発音聞いてみるとわかる。喉の奥〜の方で発音してる

633 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/24(日) 00:04:35.07 P.net
>>630
普通に共通語で発音する際の「き」「け」自体、すでに子音はしっかり口蓋化してるよ。
東北方言の、子音が軋むような摩擦音を伴う「き」は更に顕著だけど、
東京方言でも、程度が弱いだけで同じような口蓋化が起きてる。

逆に、kを口蓋化『させず』に「き」「け」と発音することのほうが、
ほとんどの日本人には、大変に難しい。

ロシア人に、"КЪИ"を発音してもらえば、その意味がわかると思う。
これが真に「口蓋化していない」発音だ。

634 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/24(日) 05:34:14.13 O.net
甲類ケはキャ、乙類キはキュ。甲類コはクヮ
これでつじつまが合う。

古代は明瞭な三母音アイウと曖昧母音オ。

IA→E、UA→O になり、明瞭なエオを派生。
五母音体制が固まったあとは、新規の母音はつくられず、
アイウエオのどれかに吸収。

635 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/25(月) 00:19:09.19 0.net
>>625
小中高と国語で拗音と習ったんだが、時代遅れなの?

636 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 15:38:27.74 0.net
ちょっと、スレ違いかもしれんが質問させてください。
古事記の万葉仮名の用法を見てて、いきなりふと疑問になったんだが、
久羅下那州多陀用弊流時(くらげなす漂へる時)、
という古事記本文の文章なんだけど、この「漂へる」がどうにもわからないんだ。
これ、口語文法の下一段活用の連体形になってるよね。おかしくない?
下二段活用なら、「漂ふる」になるはず。漂うは四段活用だから、
「多陀用弊流」が「漂へ」という四段活用の命令形(弊が甲なので、已然形なら乙になるので命令形で確定)に、
「る」という助動詞がついたと解するのも無理がるよね、命令形につく「る」っていう助動詞なんかないし。
「多陀用弊流」の「漂へ」が下二段活用の連用形で、そこに補助動詞がなんかついてるのか?
って分析しようにも、「弊」が甲なんで、下二段活用の連用形ならここは乙じゃないとおかしい。
いや、これは甲乙の書きミスかなにかかな?まったくわからないんで、どなたか分析お願いします。

637 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 16:54:32.88 0.net
完了の助動詞「り」の連体形「る」

638 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 16:58:21.64 0.net
ヒント:完了の助動詞「り」

639 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 17:13:24.65 0.net
いや、完了の助動詞「り」の連体形「る」は、已然形接続でしょ?
四段動詞の已然形は乙なのに、弊は甲なんだよ。
おかしくない?

640 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 17:31:16.69 0.net
まず、↓を読め。
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1052020780

補足:tadayoFi+ari=tadayoFeri

641 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 17:38:54.12 0.net
なるほど、命令形接続だったのね、
リカちゃんサミシイって、「リ」の「カ」んりょうは「サ」変の「ミ」然「シ」段の「イ」然って覚えたから、
已然形なのに、おかしいって思ってしまうよね、これ。

642 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:17:44.99 0.net
横から失礼。命令形は関係ないと思う。
完了の助動詞「り」なんてものも知らないけど
i1 + a → e1 という変形パターンから
「ただよふ」の連用形 + 動詞「あり」の連体形
tadayo1Fi1 + aru → tadayo1Fe1ru と考えている。
つまり >>640 の補足だけですっきりすると思う。

643 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:21:26.39 0.net
>>631
「対馬」や「末盧」は母音の無声化を閉音節と聞き取ったように見えなくもないな

644 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:23:40.19 0.net
已然形接続とする通説のままで放っておいてはまずいから
便宜的に命令形接続としたんだろう。説明のための方便で深い意味は無い。

645 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:43:58.07 0.net
子音+母音のセットになってる音節文字を前提に作られた学校文法の罪深さだよね。
国語文法の接続の規則は。
アルファベットで文法を表記しなおすのも学校教育では無理だろうし、日本語の宿命だな。

646 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:45:24.67 0.net
さしあたって、岩波古語辞典の解説に従っておいていいだろう。

647 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:52:16.62 0.net
子音の口蓋化の有無と母音の音色の両方で甲乙を区別していたってのはどうかな?
奄美大島方言みたいに。
/kï/ [kɨ] /ki/ [kji] /kë/ [kɘ] (/ke/ [kje])
/bï/ [bɨ] /bi/ [bi] /bë/ [bɘ] (/be/ [be])
/mï/ [mɨ] /mi/ [mi] /më/ [mɘ] (/me/ [me])
()内は主に標準語からの借用語に現れる音節

ただし奄美方言では上代語と異なりサ・ナ・ラ行にも区別がある。
歯茎音の後では ï, ë はやや前寄りになるので i, e との差が小さくなってはいるが。
/tï/ [tɪ] /të/ [te̠]
/nï/ [nɪ] /ni/ [ɲi] /në/ [ne̠] /nje/ [ɲe]
/sï/ [sɪ] /si/ [ɕi] /së/ [se̠] /sje/ [ɕe]
/rï/ [rɪ] /ri/ [ri] /rë/ [re̠] (/re/ [re])

648 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:55:31.42 0.net
あれ表示されない
/të/ /në/ /së/ /rë/ の発音記号は e の下に _ ね

649 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 20:51:23.94 0.net
>>642
>完了の助動詞「り」なんてものも知らないけど
という文章に学校文法に対する強い怒りを感じる。
完了の助動詞、つ・ぬ・たり・りを学校で習わなかったわけないだろうに。

650 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 21:46:33.49 0.net
口蓋化の有無で甲乙の差を説明しようとする場合、
甲類が口蓋化音、乙類が非口蓋化音だというのは動かないと思うが。

651 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:11:02.58 O.net
完了助動詞「り」の已然接續は上代假名が意識されてゐないときに
文語文法が確立されたからであって別に間違ひではない。
「話せり」の「せ」には甲乙がないんだし、。

そもそも上代假名を前提にしたら四段の呼稱からをかしい。
「あ・甲い段・う・乙え段・甲え段」の五段活用。

652 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:16:58.91 0.net
>>650
イとエについてはそうだね。
イ甲乙がある行にはエ甲乙もある。
イ甲乙がない行にはエ甲乙もない。

母音ではなく子音の相違で説明しようとするわけだから
その場合オ甲乙も子音の相違で説明する方が整合性が良い。
(唇音化:非唇音化と言えばいいのか?)

上代仮名遣い崩壊直前はこういう状態だったのではないかと思う。
つまり母音音素はすでに5つに減っていたのではないだろうか?

653 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:25:19.32 O.net
唇音行には、イエの甲乙。
齒音行、舌音行には、オの甲乙。
牙音行には、イエオの甲乙。
母音行、介音行には甲乙区別なし。

甲乙が、清濁や鼻音に依存せず、調音点に影響される。

654 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:28:25.80 O.net
失礼、介音行のヨには甲乙あったね。

655 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:38:42.56 O.net
個人的には乙キはキュ、甲ケはキャもしくはキェ、
甲コはクヮもしくはクォだと思ってゐる。

656 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:45:56.45 0.net
イ、エの前だけ口蓋化・非口蓋化が、オの前だけ円唇化・非円唇化の対立があるという体系には、どうも違和感があるんだよな。

現行の言語からも、あまり見つからなそうな音韻体系。

6母音以上の体系から崩れてできたと想定するにしても、起こり得そうな変化が思いつかない。

657 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:48:39.84 0.net
口蓋化・円唇化のあるなしで甲乙を考えるなら、後々五十音図で別の行に分かれただけで
母音については衣=エ甲・江=エ乙、イ=イ甲・ユ=イ乙、オ=オ甲・ヲ=オ乙なんだろう

658 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/28(木) 01:50:11.35 O.net
上代ではサ行はチャ行だったわけで
サ行とタ行は口蓋化と非口蓋化で補完していた。
タ行の拗音がサ行になるという関係。

659 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/28(木) 06:06:57.54 0.net
上代はツァ行だったみたいだけど?

660 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/28(木) 08:16:41.35 P.net
>>656
>イ、エの前だけ
つ【イタリア語】
これは、本当にありふれた話なんだ。
イタリア語読みで、ca, ci, cu, ce, co, ca, chi, cu, che, co
イタリア語は保守的で、他のロマンス語も、基本的にはこの雛型を更に口蓋化進行させた各種パターン。

>オの前だけ
こっちは確かに見当たらない。
朝鮮語のように、大々的に弁別を貫く特徴として理解するならまだしも、
上代日本語に、勝手に「オだけ」持ち込むのは、さすがに恣意的の批判は免れまいw


「拗音」なる枠組みが、むしろ考察を曇らせる不適切な概念であることの一例でもある。
口蓋化と唇音化を並べてアナロジーをしたくなってしまう。中華発想では同じ拗音だからw

661 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/28(木) 16:41:30.24 0.net
>>657
>オ=オ甲・ヲ=オ乙

これは逆だろう
オがオ乙なのはほぼ確定

662 :390:2013/11/28(木) 22:02:12.78 0.net
口蓋化説はこのスレの冒頭で699 ◆nLORzldheoが大作書いてるよね
その弱点は>>15に書いている通り、森推定音に口蓋化が反映されていないってことだと思う
森博達の推定だと
イ甲 -i
イ乙 -I
エ甲 -e
エ乙 -əi
オ甲 -o
オ乙 -ə
なんで、イエの甲乙は口蓋化の区別ではない一方、オの甲乙は円唇化の区別を反映していることになる。

663 :390:2013/11/28(木) 22:32:06.22 0.net
んで、>>656に書いてある疑問に関してだけど、
「イ・エ・オだけに対立がある」っていう発想が現代語から見た視点なわけで、
過去から未来向きに視点を変えると「中舌母音のうちなぜIがイに、əがオに統合されたのか」
っていう話になると思う。

こうなった理由は俺としては「偶然そうなったんじゃない?」以外のアイデアが思いつかない。
というのも、例えば上代の長野・静岡ではオ列乙類音とイ列音、エ列乙類音が混同されているらしいんで、
仮にこの時代に近畿じゃなくて中部地方の日本人が天下を取っていたら
今の俺らは「上代日本語は@段の音(中舌母音)だけ甲乙丙の区別をつけていた」っていう話をしていると思う

664 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/01(日) 12:27:14.91 O.net
母音の対立なら全行に渡って甲乙があるべきなのに特定行しかない。
オ段甲乙は唇音行以外は存在するので円唇化母音とも言へるが
イエ段甲乙は子音の対立だらう。

唇音行に対立があることから円唇化は考へにくい。
口蓋化の可能性が高い。

歯音行・舌音行に口蓋化の対立がないのは
サ行・タ行が既に口蓋化の対立関係にあったから
タ行が口蓋化すると、甲乙類を飛び越えてサ行に移行するから。

ちなみに上代はカ行も口蓋化してゐて
キ乙とケ甲が非口蓋化音っぽい。

どちらにしろ、ネイティブが意識しない条件異音だらうが。

665 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/01(日) 19:06:56.93 0.net
少なくとも条件異音ではない
その差は文法的機能を担っているし、最小対立もたくさんある
条件異音の現れ方をしていない

666 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/01(日) 23:58:35.69 0.net
十の読みで、「ト」の場合は乙類で、「ソ」の場合は甲類なんだな。
これはちょっと不思議だなぁ。語源が違うということはないだろうに。

667 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 00:16:54.78 O.net
この休日を使って、万葉仮名の漢字から、呉音と現代北京音と、
ネットで上古音を比べて、整理してみた。こんなもんでしょう。
基本5母音で、ところどころ y や w が入って拗音化したけど、
倭人にとっては条件異音なので区別できず、渡来人が書き分けていたと。
言語学的にみて単音だけの8母音は不安定だし、
仮に8母音が存在しても、ネイティブが区別できる母音が
短期間で3つも減ることなんてありえない。

a yi wi u ye ei wo o
ka kyi kwi ku kye kei kwo ko
ga gyi gwi gu gye gei gwo go
sa syi syi su sye sye swo so
za zyi zyi zu zye zye zwo zo
ta tyi tyi tu tye tye two to
da dyi dyi du dye dye dwo do
na nyi nyi nu nye nye nwo no
pa pyi pwi pu pye pei po po
ba byi bwi bu bye bei bo bo
ma myi mwi mu mye mei mo mo
ya yi yi yu ye ye ywo yo
ra ryi ryi ru rye rye rwo ro
wa wi wi u we we wo wo

とにかく8母音なんてファンタジーだし、有坂大先生の母音調和も
今ではネットで瞬殺されるレベルの稚拙な統計処理だし。

668 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 00:20:52.48 O.net
条件異音は撤回して修正版

この休日を使って、万葉仮名の漢字から、呉音と現代北京音と、
ネットで上古音を比べて、整理してみた。こんなもんでしょう。
基本5母音で、ところどころ y や w が入って拗音化したけど、
倭人にとっては語の識別には意味がなく、渡来人が書き分けていたと。
言語学的に見て単音だけの8母音は不安定だし、
仮に8母音が存在しても、ネイティブが区別できる母音が
短期間で3つも減ることなんてありえない。

a yi wi u ye ei wo o
ka kyi kwi ku kye kei kwo ko
ga gyi gwi gu gye gei gwo go
sa syi syi su sye sye swo so
za zyi zyi zu zye zye zwo zo
ta tyi tyi tu tye tye two to
da dyi dyi du dye dye dwo do
na nyi nyi nu nye nye nwo no
pa pyi pwi pu pye pei po po
ba byi bwi bu bye bei bo bo
ma myi mwi mu mye mei mo mo
ya yi yi yu ye ye ryo yo
ra ryi ryi ru rye rye rwo ro
wa wi wi u wei wei wo wo

とにかく8母音なんてファンタジーだし、有坂大先生の母音調和も
今ではネットで瞬殺されるレベルの稚拙な統計処理だし。

669 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 02:56:21.29 0.net
なんで呉音や現代北京音と比べたがるのかとか
韻鏡で比較して当時の音を推定とかもうおびただしい数やられてますが何かとか
saじゃなくてtsaだとか
母音の違いでなく拗音化だったとして、なんで渡来人特有で倭人にとっては無関係と言えるの?とか
(これ、松本克己論文も特に根拠なく断定してて意味がわからなかった)
本当にネットで瞬殺なら最新の言語学で否定されてるだろとか

それともあれか、ネットで言いたいだけの人か

670 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 07:11:12.79 0.net
戦後すぐには8母音だったのにそれからわずか1〜2世代で5母音化した日本語名古屋方言とか
19母音だったのが半世紀あまりで12母音になったフランス語パリ方言とか
20世紀初期には10母音だったのに20世紀末期には7母音になった朝鮮語ソウル方言とか

100年しないうちに母音が3つ減ることなんて言語学上ではありふれたことだよ
よく知らないのに「ありえない」なんて言わないほうがいい

671 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 11:30:25.39 0.net
松本説は世界の言語を多数観察した結果の音韻類型論を踏まえている。
「よくある」「ありふれている」なんて誘導的な文言ひとつでひっくり返すより
論文の一本も書いたらどうだろう。こんな所で匿名でこそこそやるんじゃなくてさ。

672 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 11:58:01.09 0.net
てめえで論文書けよ。
はぐらかしはやめろ。

673 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 12:01:10.64 0.net
「短期間で母音が3つも減るなんてありえない」ってのも松本氏が言ったの?

674 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 13:12:37.88 0.net
森説の7母音体系に対しては、非常に安定しているから急に5母音になることは考えにくい
というようなことを言っていたような

675 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 13:45:44.05 0.net
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gengo1939/1984/86/1984_86_5/_article/-char/ja/より

しかし, 森氏の「7母音音素説」の最大の難点は, この体系が, すでに述べた
ように, 類型論的に異論のないきわめて安定した姿を呈しているという正にその
点にあると言わなければならない。このような母音体系で/i/と/ï/, /e/と/əi/,
とりわけ/ə/と/o/が全面的に合流するというような大変化は, よほどの言語
外的, あるいは内的な圧迫要因がないかぎり, 到底起りそうもないからである。

676 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 15:42:30.62 0.net
> 「よくある」「ありふれている」なんて誘導的な文言ひとつでひっくり返すより

発端の人の
> 短期間で3つも減ることなんてありえない。
> とにかく8母音なんてファンタジー
> 今ではネットで瞬殺されるレベルの稚拙な統計処理
「誘導的な文言」の山には一ミリも問題意識を感じないらしい。不思議な人だ
そもそもなんで突然「松本説」言い出したの?
だれも松本説の是非について語ってないんだけど……

677 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 15:53:35.49 0.net
>>670
名古屋弁や仏語や朝鮮語のそれらの母音がすべて均等の機能負担量だと思う?
仏語を例に取れば生成音韻論で構造分析したらラテン語の5母音体系が復元されてしまった
っていう話があるよね
現代北京語をa、シュワ、引き伸ばし音素の3母音とみたのはトゥルベツコイだったか、
非言語学者が文字を当てたらいくつの母音に分析するかは観察者次第になってしまうだろう
母音調和のような組織的な支えの仕組みがない限り、もともと8母音だの10母音だのは
偏りの多い仮初めの体系じゃないかな

678 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 15:56:15.62 0.net
>>677
だから上代8母音もあくまで過渡的なものという説があるわけで
結局「ありふれたこと」という決め付けに対する反証にしかならないんだが

679 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 17:58:26.01 0.net
どっちかっていうと上古・中古にあんなに豊富な主母音を持っていた中国語が
モンゴルの影響で3母音(しかも広・中・狭という珍しい3母音)に収束してしまったほうが
ありえなくてビビる。

文献が残ってなかったら複数の学者から否定されてるレベル

680 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 19:46:56.86 0.net
母音の数の話になってるけど、
印欧関連の知識全くないんだけど、
子音だけで母音を表記しないっていう古代のユダヤとか聖書関連のヤハウェとかの話も意味わからんよね。
母音が一つしかない言語もあるとか。

681 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 22:16:05.16 0.net
アラビア文字は今でも基本的に子音しか表記しないよ

682 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 22:51:17.31 0.net
>>677
その一行目の問いかけは、
「名古屋弁や仏語や朝鮮語のそれらの母音は、均等ではない機能負担量だった

機能負担量が不均等だったがゆえに短期間で母音数が大きく減ったのであって、
上代日本語はそれとは事情が違うから当てはまらないだろ」

という反語ってことでいいの?

でも、上代日本語の8母音(かどうかは分からないが便宜的に)は、
それぞれの間にかなりの出現頻度の差があったことが知られているよ

つまり、名古屋弁や仏語や朝鮮語では母音の機能負担量が不均等だったがゆえに母音が短期間で減りえたとすれば、
上代日本語にも同じことが成り立つよね

683 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 22:59:19.94 0.net
あと、いわゆる上代特殊仮名遣い自体は、古事記や日本書紀や万葉集に現れるのが典型的だけど、
大量の文献によってはっきりと現れるのは8世紀初期のもの。

それ以前にも断片的な日本語表記はあって、8世紀初期の使い分けから明確かつ体系的に外れるものは無いので、
7世紀にも同様の状態だった可能性は比較的高いが明確には言えない。

そして8世紀中の文献を通じて、上代特殊仮名遣が徐々に崩壊していく姿が観察でき、
最後まで残ったコ/ゴの甲乙が消えるのが9世紀半ば。

つまり、文献上で上代特殊仮名遣が実証できるのはせいぜい1世紀半〜2世紀で、
最初から既に崩壊過程の途上だったと思われるので、それほど安定した体系だったと仮定する必要はない。

むしろ逆に、森博達説に対して松本氏が反論として「安定しすぎている」と批判したほど。
類型上極端に不自然なものは考えにくいが、かといってあまりに安定した体系を想定すると、
短期間で変化してしまった説明が難しくなる。

684 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 23:22:43.61 0.net
> 上代特殊仮名遣が徐々に崩壊していく姿

ただこれ、オ段についてはかなりはっきりした崩壊過程が見られるけど
イ・エ段は崩壊過程がよくわからない(オ段みたいに順番にこわれていかない)
んだよな

685 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/03(火) 00:56:25.01 O.net
本当に甲乙オ段は難しい。特に甲乙ヨはなぜこんな対立があるのかなぞ。

ただ、甲乙イはイとウィの対立、甲乙エはイェとエィの対立であることは
母音融合の理論からも万葉仮名の上古音からも明らか。

なぜ歯音、舌音にその対立がなかったのか議論の余地はあるが
いずれにしても消滅の運命にあったのは確か。


ロマンのある仮設として上代版大母音推移。上古音だと

ウ段=ユ段
甲オ段=ウ段
乙オ段=オ段

なんだな。
甲乙オ段が合流した行からユ段の直音化が起き、ウ段になったとか。

686 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/03(火) 07:10:38.33 0.net
甲乙イがイとウィというのは疑問だなあ。
やはりイ乙は中舌的と考えるのがいいんじゃないの。
イ甲とエ甲は子音側にも口蓋化ありで。

687 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/03(火) 07:16:45.21 0.net
ユ段w
言語学版にはもったいない。日本史版にでも行ったら?

688 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/03(火) 08:41:46.21 O.net
英語では、ウー→ユーの移行があるんだから、
例、CUTE(キュート)、SURE(シュア)、TUBE(テューブ)、
別段、ユがウになっても不思議じゃないよ。
キュシュテュ→クストゥと直音化したと。

万葉仮名では甲オ段の多くがウ段音なので、
もしかして今のウ段は拗音じゃなかったのかなって。
実際、万葉仮名の久や周は拗音だし。

689 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 18:08:34.71 0.net
携帯の人ってやっぱり藤井なの?
突っ込み所が多すぎてどこから突っ込んだらいいかわからないレベルの事を大量に書き散らしてるけど

690 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 19:54:57.57 0.net
少し上の人はともかく、今散発的に書き込んでる携帯の人は条件異音に固執してないから
違うと思う

691 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 20:32:41.32 0.net
でもまぁ、同類だな。

692 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 20:56:42.76 0.net
藤井さんは本人が運営してるサイトみたことあるけど、
もうなんとも言えない気持ちになったわぁ

693 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 22:21:03.94 0.net
また乗り込んでくると不快なだけだから
その名前出さない方が良いんじゃないかな

694 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 22:27:36.34 0.net
ここには来ないでしょ、来てもフルボッコされるだけだし。
素人さん相手にトンデモかましてるだけだから。

695 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 01:17:45.63 P.net
>>667
syiなんて、ふなっしーかよwwww
>>685
そりゃ、あんたが拗音に執着しているからだwwww

ネタなりにおもしろい奴だと思うw
反面教師的に、上代特殊仮名遣いの初歩的なアウトラインが見えてくる。
ヨに甲乙が揃っていることは、
「少なくとも、オの甲乙は、後に導入される『拗音なる、かなづかいのための概念』とは無関係である」ことを、
たった1例で雄弁に示すものだろう。
「ユ段」なるものも、今の朝鮮人なら言ってもおかしくない。
「偉大なウリマルは25母音あるニダ。劣等ミンジョク・チョッパリのサルどもは、たったの5母音ニダね」
という、伝統的なヘイトスピーチとして有名な話は、
/jV/を独立した母音数としてカウントしてしまうからで、
この発想だと、日本語は現時点でも「8母音」ということになり、「ユ段」が堂々出現するww
尤も、jVをカウントしない朝鮮語の単母音は、今の標準語で8母音しかないし、
そもそも訓民正音の原始設計思想でも、(現代語とはラインナップが異なるが)そもそも母音は7つと想定されている。
(点単独・縦棒・横棒・点が上・点が下・点が右・点が左で合計7つ)

696 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 01:59:00.92 P.net
8母音がファンタジーだというのは、それ自体はかまわないというか、
考え方として、そんなに突飛なものでもないんだけど、
上代の仮名遣いを素直に読んで、それを内的再構すると、
落ち着くところは、5母音じゃなくて4母音なんだよね。
6や3という少数説もあるが、大野が示した4というのが、論理的に一番自然な線だ。
この「4母音」こそは、具体的な表れ方や、まさに「機能負担」によって導かれる結論。

俺など、667を読んで腸がよじれそうなくらい嗤ったのだが、
何がおかしいって、
「強引に5母音に嵌めこんでいて、その滑稽さに気づいていない」
ところだったりする。
上代の万葉仮名を真面目に読んでいないから、4という数字を思いつかない。
本当に、このスレは、何度も何度も、とんでも学会の学芸会が繰り広げられる。
いつも素人の突っ込みどころは同じ。そしてそのトンデモの方向性も同じ。

697 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 06:26:27.10 0.net
>>695
いやまあ、イ段の乙が口蓋化っていう説をとるなら、仮にその音が五十音図作られるまで
残ったとき、「ユ段」みたいな言い方で呼ばれる可能性は結構あるのでは。

なんというか、上代特殊仮名遣いって有名な割にそこにスポットを当てて学説的に概観する
解説書ってのが皆無で、どれもこれも他の古代史の話題がメインだったり日本語通史だったりで
どうしても説明不十分になってしまってるのが何度も同じ方向性のトンデモを呼ぶ理由になってる気がする。
条件異音説を唱える本って定期的に登場するし。

698 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 08:11:07.01 0.net
だからさあ、イエ段に口蓋化の有無を考えるにしたって、その場合は甲類が口蓋化音で乙類が非口蓋化音だってのが定石だろうに。
前舌的な甲類が非口蓋化音で中舌的な乙類が口蓋化音ってどんな音韻体系だよ。

699 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 21:34:45.13 0.net
しかし>>685を見てもどこにも乙類が口蓋化してるなんて話は書いていない。
いったい誰がなんの説を批判しているんだ。最近の流れは

700 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 21:54:28.96 0.net
オ段の甲乙の違いは喉音の有無ではないだろうか、ソシュールの喉音理論でも、
あちこちに付随してると仮定されてるし。
http://www.youtube.com/watch?v=mgLmKTJ9oQs
この曲の4:52秒ぐらいからの「よ」の発音みたいに、喉音のHがついてたのかもしれない。

701 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 21:55:52.45 0.net
オ段の甲乙の違いは喉音の有無ではないだろうか、ソシュールの喉音理論でも、
あちこちに付随してると仮定されてるし。
http://www.youtube.com/watch?v=mgLmKTJ9oQs
この曲の4:42秒ぐらいからの「よ」の発音みたいに、喉音のHがついてたのかもしれない。

時間指定ミスった、4:52じゃなくて、4:42だった。

702 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 23:18:08.95 0.net
>>701
これは関係ないだろ。
歌で母音を伸ばす時に喉音を入れる歌手は大勢いる。
たとえば
http://www.youtube.com/watch?v=_XK8_a5GFXw

「す」を sü と発音する歌手がいたが、
だからウ段は ü 段だったということになるかねwww

703 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/06(金) 00:11:41.69 P.net
699です。699説に、ちょっと風味付けをした説を考えてみました。
オッカムの剃刀に斬られそうな少々面倒な説ですが、
これは、「森の復元音」という、現実上の音声推定に、平仄を合わせるためです。
>>11-17
なのですが、この発想からすれば、
「エ甲乙(&イ甲乙)があること(>>14でいえば「ふった」こと)」と、
「4母音で言う/i/のみ、前の子音が口蓋化していること」は、論理的に同値です。
ということは、口蓋化の強弱については、二分法のみならず、「三分法」も可能であるわけです。
だとすれば、「受け入れた側(甲乙の無い側)」に、2つの方向性があっても不思議ではない。

少なくとも、奈良平安にかけての畿内語では、t,dは口蓋化の片鱗をまったく見せません。
ここが劇的に変わるのは中世以降で、どうも東国の影響のようです。
そして、rも口蓋化し難い。nは微妙です(「に」をイタリア人が聞けばgnだと言うでしょうね)

t,dについては、まったく口蓋化していなかった、としても、同じ議論は可能なはず。
k,ng,p,bだけが、「適度に口蓋化していた」ため、エ甲乙・イ甲乙が融合できず、横並びになってしまい、
オ乙がセットバックする契機を作ることになった(森説では、そもそも音声的にエ乙とオ乙はバッティングする)
これで、オ乙が揺らいでしまい、オ乙の後舌化が始まることになる。
そして、今度はオ甲乙が合体して、後舌に納まってしまうと、エが一種類しかない行でも、ひきずられてオ乙が後退する。
また、中舌母音枠が消えると、イ乙も居所がなくなって、イに統合されてしまう。

いかがでしょうか。

704 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/08(日) 09:18:27.68 O.net
ア(A)、甲イ(I)、ウ(U)、乙オ(O)
乙イ(UI)、甲エ(IA)、乙エ(AI)、甲オ(AU)

A__I__UI__U__IA__AI__AU__O
A__I______U______EI______O
KA_KI_KWI_KU_KYE_KEI_KOU_KO
GA_GI_GWI_GU_GYE_GEI_GOU_GO
CA_CI_____CU_CYE_____COU_CO
ZA_ZI_____ZU_ZYE_____ZOU_ZO
TA_TI_____TU_TYE_____TOU_TO
DA_DI_____DU_DYE_____DOU_DO
NA_NI_____NU_NYE_____NOU_NO
PA_PI_PWI_PU_PYE_PEI_____PO
BA_BI_BWI_BU_BYE_BEI_____BO
MA_MI_MWI_MU_MYE_MEI_MOU_BO
YA________YU_YE______YOU_YO
RA_RI_____RU_RYE_____ROU_RO
WA____WI_________WEI_____WO

705 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/08(日) 18:49:58.85 0.net
あ、699 ◆nLORzldheoが帰ってきた。
>>703の「三分法」っていうのがいまいちわからないんだけど、
699としては

・特に口蓋化している音: キヒミケヘメ甲
・半分口蓋化している音 : シチニリセテネレ
・特に口蓋化していない音 : キヒミケヘメ乙

っていう3分割を考えてるっていう考えでいいのかな?
で、郊外化していない キヒミケヘメ乙が中舌母音だったため、
ヘメ乙とのバッティングを避けるためにホモ乙が甲の方に融合した、というストーリー。

706 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:35:19.80 P.net
>>705
基本的には、そういうことなんだけど(押し出し過程の具体的想定は、前スレに書いてます)
私の議論はいつもそうなんですがw、もう少しザックリと巨視的に考えています。
資料と矛盾なく、演繹できるところまでの「詰め」は、みなさんの批判を仰ぎながらということでw
(いつのまにか、IPAが使えなくなったので、x-sampaで代用します。みにくいですが)

エ甲つまり[{]が高舌化して、本来のエ乙[e]に合流を迫った時、
頭子音によって、次の3つのパターンに分かれた(三分法)。

T型(非口蓋化型)
P型(iのみ口蓋化型)
S型(広範に口蓋化型)

TPSは、つまり、それぞれタ行、ハ行、サ行ということです。(Kが出て来ないところに注意)
本来は、PとSは、各々FとCと書きたいところですが、分かりやすさを優先してこの表記にします。
特にSについては、完全に便宜的なものです。

707 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:39:31.62 P.net
続き。
T型の場合。
この場合、音声的に少々口蓋化していたとしても、
同時代の母語話者が、それを曲がりなりにも音素的な差として認識する状態ではなかった。
この場合、[{]と[e]の合流について、子音側の障碍は一切ありません。
したがって、エの甲乙は合流する。そして、オ乙[@]は圧迫を受けずそのまま。
この場合、半狭母音の段には、[e] [@] [o]の3つが並ぶことになります。(4つではない)
イ乙の問題だけ残りますが、これは後ほど。

708 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:43:52.68 P.net
S型の場合。
この場合も、T型と全く同じで、障碍は存在しません。具体的に森想定音で書いてみますが、
699の当初の形においては、
エ甲[tS}] エ乙[tSe] オ甲[tso] オ乙[ts@]
と、こうなるわけです。エ甲が高舌になれば、エ乙と問題なく合流して[tSe]となると。
オ乙は子音自体が違います[ts]ので、エ甲乙と、オ乙が混同されることは、二重の意味で存在しない。

709 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:52:38.98 P.net
問題はP型です。
P型の場合、ハ行で代表しますが、
へ甲[pj}] へ乙[pe] ホ甲[p@] ホ乙[po]
こうなっていた、と想定します。
こうなると、へ甲が[pje]となっても、へ乙とは合流できません。
しかし、pの口蓋化の安定度は中途半端で、[pje]/[pe]を対立させるほどではない。
そこで、[pe]の母音が、「俺は口蓋化してないぜ!」と言わんばかりに
奥にずるりとズレて、[p@e]のような変な多重母音になる。
「口蓋化プロセスから逃げるための調音点移動」ということで、
そのまま高舌方向ではなく、直角に曲がって奥舌への玉突きが起きます。

そうすると、ホ乙[p@]の領域が侵されてしまい、ホ乙が更に後に玉突きになる。
おそらく最初は[p7]のような音だったのでしょう。しかし、[p7]/[po]の対立を維持できるほど、
オ甲の後舌・円唇性が鉄板では無いから、なんとなく[po]に収まってしまう。
ここにオの甲乙が、音素の上でも消滅する。

710 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:58:01.43 P.net
基本の3つのパターンはこのようです。
「フルスペックで残ったカ行は?」ということですが、
カ行は、P型とT型の中間なのではないか、と理解しています。
エ甲乙に関してはP型と同様の動きをし、かつ、[k@]と[ko]の対立が残存した。
これは、Kの調音点の恩恵なのだろうと思います。
後舌の微妙な母音弁別をアシストする頭子音Kの力は強く、
おそらく、[k7]/[ko]の対立として、ここだけ百年長く生き延びたのではないか、と推測しています。

711 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 23:12:03.12 P.net
こうやってみると、8世紀の段階では、カ行が例外に近く、
本来は、半狭母音の欄には、「母音が3つがマジョリティ」ということが、浮き彫りになります。
これは>>5を見れば明らかなのですが、
「中段に母音が4つも!」という大野の悩みは、杞憂だったのかもしれません。
ひょっとすると、エ乙とオ乙は、「音声的にはほぼ同じ音」([@\]か)だったのかもしれない。
つまり、8世紀段階では、
<一般>
i (I)  u
e @¥ o
      A
<例外としてのカ行>
i  I   u
e @ 7 o
      A

最初の699想定と、形の上ではさほど違いが無いことが分かります。
(これは、森想定に対する「安定的すぎ」批判の本来の中身で、675引用先自体の論理は、いまひとつしっくりこない)

712 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 23:18:25.42 P.net
最後に、イ甲乙ですが、これは音韻表を見てすぐに分かるように、
中段でエ乙が支える音であって、オ乙が支える音ではありません。
699以来の説を前提にすれば、このことの意味は、おそらく2つある。
一つは、イ甲との間の弁別を支える問題として、口蓋化問題は、避けて通れないだろうこと。
もう一つは、円唇性の問題は、朝鮮語などと違い、日本語では一貫して大きく機能していないこと。

もうお分かりだと思いますが、私自身は、具体的音声の推定としては、>>647のような発想に近いものです。
つまり、子音も母音も両方に差を認めるので、
その意味では、「同母音で口蓋化ではないよ」という森説の骨子に矛盾するものではありません。

まあ、こんなところですかね。複雑になっただけで、本質的な批判点には答えられてないかもw

713 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/09(月) 12:07:57.54 0.net
森想定の元になった中古音の方から見て有りうるんだろうか?>カ行だけ母音の音価が違う

714 :390:2013/12/10(火) 21:24:44.44 0.net
>イ甲との間の弁別を支える問題として、口蓋化問題は、避けて通れないだろうこと

森推定音ではいまいち明らかになっていないけど
河野六郎とかは

・イ甲 : 口蓋化した拗音を持つ漢字
・イ乙 : 口蓋化していない拗音を持つ漢字

が割り当てられてるって指摘してたみたいだよね
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/metadb/up/kiyo/AN00090146/kokubungakukou_51_10.pdf

少なくともイ列は口蓋化のある・なしで甲乙が分かれていたと考えてもいいのかも

715 :390:2013/12/10(火) 21:45:57.00 0.net
そこから想定すると、元々イ甲+アが由来だったエ甲も口蓋化していると考えていいのかもしれない。
以前の書き込み(662)で森推定音が口蓋化してないって言ったけど、
よくよくスレ最初辺りの書き込みみると>>37で森博達も口蓋化の否定はしてないって書いてた。

ただ、俺も森説と同じく、たとえ口蓋化していても
当時の日本人の感性では子音は同じ音だと認識していたと思ってる。

716 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/12(木) 20:21:13.10 O.net
口蓋化←サ行⇔タ行→円唇化
口蓋化←ザ行⇔ダ行→円唇化
口蓋化←ヤ行⇔ラ行→円唇化

の対立でイエ段甲乙の対立が存在できなかったと見る。

717 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/15(日) 13:11:23.91 0.net
>>560だけど、いろいろ検討してみたけど確かに>>605の有坂法則に関する指摘は致命的だった
そこで、改めて根拠を挙げながら自説を検討し直してみようと思う

まず、ツングース語の一派がAN語の語彙を大量に取り入れて日本語が生まれたとする村山説とは逆に、AN語から分岐した一派が比較的遅くにツングース語の影響を受けて日本語が成立したと考える
具体的には、日本語祖語は西マラヨ・ポリネシア語派(つまりフィリピン諸語、インドネシア諸語と同じ系統)に属する言語だっただろう
根拠は同源と思われる単語が大量に存在すること、日本語の単語のアクセントがMP祖語のものをほぼそのまま継承していると思われること、
古い時代の日本語がa,i,u,eの4母音体系であったと思われること、日本語がインドネシア諸語と類似した形(孤立語的)だった時代があると思われること
日本語が古い時代にインドネシア諸語と類似した変化をしたと考える根拠は、同じように接頭辞が化石化して接中辞は消滅していること、
孤立語的な文法だったと思われる時代があること、日本語が他の西MP諸語と同じような母音体系の変化をしていること
母音体系については>>386が説明してくれているけど、西MP諸語で起きた母音体系の変遷は明らかに日本語のそれと全く同じ

次にツングース語が流入したと思われる時代だが、ツングース語のu"が日本語のo2に対応していることから流入が8母音時代以前に遡ることは確実だろう
何故なら、もしも8母音時代に流入していたならば、円唇前舌狭母音であるu"はほぼ同じ音である日本語のi2に対応するはずだから
そして語彙と比べて助詞にツングース語由来の単語の割合が多い理由も、一度孤立語のようになっていたのがツングース語の影響で膠着語に戻ったためであると考えれば説明できる
形容詞が上代には活用しなかったのはツングース語では形容詞が無変化詞だからであると考えられるのが根拠の一つ
日本語の語順がSVOになったのもこの時だろう

718 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/15(日) 13:12:49.11 0.net
致命的なのは、有坂法則をどう考えるかという部分
仮に有坂法則を母音調和と解釈するならば、その体系は陽母音[a,o,u] 陰母音[ə] 中性母音[i]となる
これは満州文語の母音調和とほとんど同じ体系だし、現代フィン語の体系とも類似しているので母音調和としてそれ程おかしな体系ではない
ここまではいい
問題は、>>572>>595の指摘について上手く解答できないこと
当初は有坂法則に使われているa,o,u,ə,iの5母音が俺が想定するツングース語流入時の日本語の母音体系と綺麗に一致することと、
「チュルク語→モンゴル語→ツングース語→中期朝鮮語(→日本語)」の順で地理的に連続して母音調和の拘束力が緩くなってることの2点を根拠に有坂法則をアルタイ的な母音調和だと解釈してたんだが、
そう考えるには中性母音についての説明をしなければならないが、アルタイ語に限らず母音調和を有する言語をいろいろ調べてみたけど確かに祖語段階で既に中性母音を持っていた言語は存在しないんだよね
すると、>>595の言うように有坂法則を機能的な母音調和体系として解釈することが困難になってしまう
もっとも、日本語の場合はウラル諸語やアルタイ諸語のそれとは違って本源的なものではない(仮に俺が考える>>560の時系列を放棄したとしても日本語に本源的な母音調和を再構するのは困難だろう)から、
「他言語から借用したものであり本源的なものではないため」と問題点を説明することは不可能ではないけど、
だとしても今度は何故統語的に不完全な母音調和を借用し、しかもそれが固有語をも統語するほど強く影響したのかという点について説明しなくてはならなくなるが、それも困難
せめて古代朝鮮語における母音調和の体系が明らかになれば(朝鮮語の母音調和も多分本源的なものではないだろう)それを参考に出来るんだけど
今挙げた問題点は俺の考える>>560の説だけに限らず、日本語の起源を考える上で必ずぶつかる問題だと思うんだけど、有坂法則って一体何なのだろう?

719 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/15(日) 13:25:52.79 0.net
村山説だとuは陽性と陰性の両方あって、両者は後に合流して中性としていたような

720 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/15(日) 18:09:36.43 0.net
有坂の法則ってなんだろうとのことだが、
池上禎造先生の名前も入れて差し上げて・・・・
確か、12月の中旬、今頃が命日だったはず。

721 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/17(火) 11:21:42.37 0.net
八母音説批判についてはどう考えてるの?

722 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/17(火) 14:30:02.15 O.net
>>721
奈良時代に8母音だったことは確実
ただ、母音体系の変遷については通説の「4→8」ではなく「4→5→8」だったと思う
日本語祖語の母音がa,i,u,o2だったことは大野説に従うけど、比較的早い時期にo1が生まれて、i2,e1,e2はかなり後になって生まれたと考えてる
i2,e1,e2が母音融合により生まれたのに対して、o1はuの低舌化により生まれたとされることもあるし、両者は明らかに別質だろう

723 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/18(水) 03:02:38.24 O.net
>>722
イ乙とエ乙とオ甲は合拗音、エ甲は開拗音。
純粋な短母音はア、イ甲、ウ、オ乙の4つ。

イ乙とオ甲は直音化して消滅。
エ甲とエ乙は直音化するも第5の母音として残存。

724 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/19(木) 02:37:36.75 0.net
八母音ってアイウエオワヰヱのお燗

725 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/19(木) 08:31:44.20 O.net
ア・イ・ヰ・ウ・イェ・ヱ・ヲ・オ

726 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/22(日) 15:55:56.96 0.net
>>718
中期朝鮮語は現代朝鮮語よりかなり厳格な母音調和があるが
その延長線上で考えれば古代朝鮮語の母音調和はさらに厳格だったのでは?
朝鮮語の母音調和が本源的でないとすると、
用言の活用形、いわゆる語基に現れる母音の数が
ちょうど陰陽の組数に限られるのはどうしてかって話になる。

727 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 04:18:03.37 0.net
>>726
朝鮮語は高麗時代中期に大母音推移をしてるらしいことが分かってるけど、じゃあそれ以前の朝鮮語は?と考えた時に、
資料が少ないのがネックだけど古代朝鮮語はそれなりに日本語に近い言語だったんじゃないかと思ってるんだよね
俺は朝鮮語には詳しくないし本格的な検討をした訳でもないけど、中期朝鮮語的な母音調和が古代朝鮮語にあったとは思わない
朝鮮語の文法は高麗時代に構築されたものであって、それ以前の古代朝鮮語と中期朝鮮語の間には古英語と現代英語くらいの距離があるんじゃないかな

728 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 12:21:33.39 0.net
>>725
あー、ieoのヰヱヲがアイウエオに足される母音扱いか〜

ワはアに対応して存在してるから母音と別でその行にア行5母音以外の3母音を充てたんだなキット

729 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 12:23:32.29 0.net
オも特別扱いされそうだから別のウにどうにかなにかが当て嵌まらないだろうか?とかともチョイ思ったりもするけどw

730 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/23(月) 15:06:05.78 P.net
ちょっとだけ余談をしてみるよw

中期朝鮮語に関しては、母音体系はきれいな「2×4−1=7」なんだよね。
体系自体は非常にクリアで、これ自体に、二次的移入だの何だのという議論は、ほぼ挟めない。
問題は、母音の具体的音価が、人間の舌の動きとして、母音調和の体を為さないこと。
ここから、文字化以前の朝鮮語における(高麗?)母音遷移説が唱えられている。

「2×4(4母音の2倍)」というのは、
トルコ語をはじめとして、ユーラシア東部由来の母音の一つのひな型。
母音調和の議論を踏まえれば、これはつまり「母音は『4つ』」ということで、
母音4つというのは、ウラル・アルタイ・オーストロネシアと、ユーラシア東半分のかなりの言語において
語族を跨いで、どこか言語連合的に、「原始的な形」として広がっている。

母音は5つが安定というのは、本当は、インド・ヨーロッパ語族における「広域的な常識」で、
今の、カオスのような母音をもつ英語仏語などでも、ベースには5母音がある。
印欧祖語というより、ある程度分化した印欧語が、古い時期に基礎母音を3または5ベースで鉄板化した。
大野ですら、西欧由来の「印欧語ローカルの常識」に騙されていたのかもしれない。
というより、日本における5母音発想の原典は、サンスクリットの文字表だから、
日本人は、千年来、「印欧語の基本5母音神話」に、延々と騙され続け、
5母音カルトを、今もなお崇拝し続けているのかもしれない。

731 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 16:11:34.83 0.net
単に元の母と四つに別たれた母の和で五母音なのであろうが

神と祇

天津神と国津神

天神地祇でア行ワ行の二行が対になってるとかの話なのではあるまいか?

732 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 16:24:14.38 0.net
>>730
中期朝鮮語の母音に関しては詳しい訳じゃないからこれ以上の言及は避けるけど、上代以前の日本語の母音に関しては5母音だった時代があると思うよ
だって有坂法則を成してる母音はa,i1,u,o1,o2の5母音なんだもん
このことから母音融合によって生まれたi2,e1,e2は有坂法則が崩壊した後に生まれた母音であることが分かるし、逆に言えば8母音時代以前は5母音だったんだろう

何より、印欧語とは無関係にa,i1,u,o1,o2の5母音体系はAN語的に考えて不自然なものではないんだし
>>415辺りの議論になるけど、i2,e1,e2って下手したら5世紀とか6世紀くらいに生まれたかなり新しい母音なんじゃないかな
松本氏の指摘のように上代特殊仮名遣い的な8母音体系が安定して長期間存在したとは思えないし、5世紀に生まれて300年後の奈良時代には既に崩壊しかけていたと考えるのは自然だと思う

733 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 16:42:59.53 0.net
o1がかなり早くから存在した根拠として>>567でツングース語との対応を挙げたけど、
もう一つ、魏志倭人伝に書かれてる日本語の固有名詞の漢字の中古音を見ても当時の日本語のo1の音韻がoだったことは明らか
盧(lo),孤(ko),古(ko)など、o1の音価はかなり安定してる

それに対しi2,e1,e2はほぼ出てこないし、極論だけど邪馬台国で使われてた日本語は5母音だった可能性も十分にあると思う
日本語の母音体系の変遷は「4→5→8→5」だろうが、8母音の時代はかなり短かったんだろう

734 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/24(火) 00:32:28.88 P.net
>>733
その上古音に関しては、問題は「それ、実はウの音写じゃないの?」という疑念を、
中国語の側からも、日本語の側からも、どうしても払拭できないところにある。
オの甲乙の弁別は、中国側から攻めればかなり確実に分かるが、
ウとオ甲の弁別は、実のところ、「後世の日本語で対応する音がオ段だから」という以上の説明は出来ない。
そして、これでは説明の体を全く為していないんだ。

藤井対策以外では、オについては甲乙で悩む必要は今ではあまりないと思う。
それよりも、オ甲とウの弁別のほうが、真の問題として浮上してくる。
皮肉にも、オなのかウなのか、という、本居以来の最初の議論に、見方によっては回帰しているとも言える。

735 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 01:10:58.50 0.net
「ノ」の甲乙についていえば、石塚も「ヌ」が二種類で、「ノ」は一種類と見てたんだよね。

736 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 01:23:42.38 0.net
>>734
魏志倭人伝の中古音を見る限り、uとo1はかなりはっきりと書き分けられてると思う
狗(kəu),句(kəu),不(pIuət)など後のuに繋がる漢字に関しては多少の揺らぎがあるとはいえどれもuが入った漢字で書かれてる(əu→uは自然な母音融合)し、
o1に関してはどれもCo(Cは子音)という音の漢字で書かれててほぼ揺らぎが無い
毛(mau)なんかは例外的にu音が入ってるo1の例だけど、これに関してはau→oは自然な母音融合だし

多分、奈良時代の彦(piko)に対応する狗奴国語の発音が卑狗(piekəu)なのがo1とuの弁別をややこしくしてるんだろうけど、
これに関しては狗奴国の方言では彦という単語のuが低舌化しなかったと考えるしかないんじゃないかな
狗奴国の位置として有力なのは現在の岐阜や愛知の付近だから、その辺りの上代方言が再構されないことには決着のつきようがない議論だって点には同意せざるを得ないけど…
ただここまではっきり書き分けられてるんだから個人的にはuとo1は分別されてたんだと思う

737 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 01:40:20.09 0.net
>>736
ちょっと、ズレるけど、突っ込みいれさせてもらうよ。
>狗奴国の位置として有力なのは現在の岐阜や愛知の付近だから
邪馬台国畿内説に立っているんだろうけど、そこも私は異議を申し立てたいがどうでもいい。
狗奴国の方言は関係ないよ、魏志倭人伝のインフォーマントは邪馬台国側の人間なんだから、邪馬台国の人間が狗奴国方言を魏の使者の前で復元して、
それを採集したという前提をおいてしまうことになるよ。いや、ないことはないのかもしれないが、ちょっと、前提条件として無理があると思うよ。
むしろ、魏志倭人伝の邪馬台国を畿内から外して、記紀万葉時代の畿内と別物って考えるほうがいいんじゃないかな。

738 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/24(火) 02:01:37.19 P.net
しまった。馴染みの薄い話に、ちょっとフライングで変な話を書いてしまった。
魏志倭人伝のそこで並べられた漢字に関しては、日本語側で比定すると、むしろ「ア」に親和的な単語が多い。
アは後舌だったという、森推定音の射程はここまで及ぶわけで、
ウとオ甲の弁別という、小さな話ではなくなっていく。
uaなのか、aなのか、uなのか、それともきちんと弁別されたo1なのか。

これは、魏という時代の推定漢字音が微妙だ、という問題もからんでくる。
後漢末以来の内乱で、漢字音が激変している最中の時期だ。
これらの例から「uともaとも異なるo1が弁別されていた」とは、とてもじゃないけど推定できないと思う。

739 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 03:29:22.07 O.net
a、i、u、∂

a、i、u、o、∂

a、i、wi、u、ye、e、o、∂

a、i、u、e、o

740 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 05:55:24.01 0.net
>>733
>>734と同じ理由で、i1だと思われているものについても実はe1の音写だった
という可能性も排除できないな。

741 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 06:41:43.06 0.net
>>734の指摘している、日本語からも漢字音からも語形を確定できないという問題は
上代語にたまに現れ、琉球など遠隔地の方言にも僅かな痕跡が見られる半狭母音〜狭母音の語形の揺れ
(例えば、妻籠をツマゴ2ミ2、腓をコ1ムラ〜クブラ、平坂を比良坂〜幣羅坂、など)とあわせて、
前々から気になってた。
祖語再建の上で重要だと思うけどあまり問題にされないよね。
それどころか上代文献でさえ今までの読み方の正当性が疑われかねない話なのに。

742 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 13:51:41.53 O.net
>>740

さすがにi1は、 iもしくはyi。
i1はデフォで口蓋化だから、i2は非口蓋化もしくは円唇化のマーク。母音としてはi。

743 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 16:06:50.62 0.net
韓国人の反日暴走を止めよう!

●テキサス親父がホワイトハウス公式サイト上で
グレンデール市の売春婦像を撤去しろという署名を立ち上げました。
サインと拡散を是非、宜しくお願いします。

2014年1月10日までに100,000筆の署名が必要です。
初めて署名される方への解説です。 
http://staff.texas-daddy.com/?eid=454

署名サイトはこちら
https://petitions.whitehouse.gov/petition/remove-offensive-state-glendale-ca-public-park/3zLr8dZh

744 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/24(火) 23:42:41.39 P.net
脱線っぽいけど面白いし、示唆するものも多いので、話に参加してみたいと思う。

>>741
多分、「けつねうどん(有名な大阪方言)」のような、
「時に生じるアドホックな低舌化」だと理解されて、ヌルーされてしまうんだろうね。
けつねうどんではあるが、「たのけうどん」にはならず、これはアドホックな低舌化にすぎない。

だけど、御指摘の通り、上代語は体系が違うので、話は簡単ではない。
特に「平坂」の「幣(pe1)」は結構深刻で、*pia-saka(サ行子音sは暫定値)になるから、
ただのアドホックな低舌化とは言い難くなる。

そして、o1の場合、まさにこの「アドホックな低舌化」が、一つのカギを握っているように見える。
この問題は深刻であることには、心底同意する。

745 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/25(水) 13:27:00.35 0.net
面白いことに、平坂の「ヒラ」という語は
ttp://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:2TNCHxaQh9YJ:ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/nkjn/details.php%3FID%3DNK44716+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp&client=opera
上代語だけでなく各地の方言にも「ヘラ」の形が散見される上に、
アイヌ語のpira、朝鮮語のbyeorangと、言語(語族)の境を越えて分布してるんだよな。
坂、傾斜地、崖、岸など意味のずれが生じてはいるが。

因みにbyeorangのyeoという母音は、「2×4−1=7」の、「−1」の失われた陽母音に
おそらく由来すると考えられ(だから母音調和の規則に反して陰母音yeoと陽母音aが共存)、
また朝鮮固有語の体言の語末の-ngは、古い末子音*-hが失われた代償として付加された場合が多いようだ。
そんなわけで古代朝鮮語では上代日本語pi1ra~pe1raにより近かったと思われる。

746 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/25(水) 13:30:46.32 0.net
あ、別に「ヒラ/ヘラ」の起源が古代朝鮮語だと主張してるわけではないので悪しからず

747 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/25(水) 18:53:27.69 0.net
古代に関して考えると、弥生系と縄文系で言語が違っている可能性も大なんだよな
弥生語は古代朝鮮語に近くておかしくないし、縄文語はアイヌ語か、あるいはオーストロネシア語族に近い何か
東北アジアに系統不明な言語がやたら多いのは初期にかなりバラバラな民族の混血があったからだと睨んでるんだけど

748 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 02:07:57.04 0.net
>>737
考古学的に考えて、邪馬台国九州説はもう成り立たないでしょ
邪馬台国は畿内で、邪馬台(yamato2)は同じ発音の大和(yamato2)のことだと思う

まあそれはともかくとしても、卑狗って一般名詞単体で表記されてるなら確かにそうだけど、この場合「狗古智卑狗(kəu,ko,tIe,pie,kəu)」って固有名詞じゃん
普通に考えてこれは彼の公式の名乗りな訳で、であるからには邪馬台国人もそれをそのまま単語として認識して伝えることは別に不自然ではない思う


>>738
解釈がおかしかったら謝るけど、論旨を要約すると「魏の時代の漢字音が上古音と中古音のどちらに近いか分からないから日本語側の音韻を推定できない」ってことだよね?
それに関しては俺も確かだと思う
>>736では魏志倭人伝が中古音表記であるという前提で書いたけど、中古音でCo(Cは子音)の発音の漢字はどれも上古音ではCagの形だしね
確かに音韻の方向から確定的な結論を出すのは難しいだろうけど、音素としてならたとえ魏代の漢字音が分からずとも分析は可能なんじゃないかな
森博達の研究によれば、魏志倭人伝の日本語表記にはある程度の信頼性があると結論されてる
明確な書き分けが見られる以上はたとえ具体的な音韻の推定が困難だったとしても音素として3世紀の日本語が「『5母音的』な音韻体系だった」
もしくは「後にa,o1,o2となる母音が『音素として』弁別されていた」という結論を出すのは十分に可能だろう

加えて、俺は魏志倭人伝で使われてる漢字音は中古音だったと思ってる
根拠は森博達も指摘しているように、日本語の表記に語末子音の無い漢字が使われていること
三韓や夫餘など他の言語の表記には子音終わりの単語が豊富に使われているのに対して、日本語の表記には中古音で母音終わりの漢字ばかりが使われている
例えば「邪馬台」の発音は上古音であれば(ŋiag,mag,təg)だけど中古音なら(yia,ma,təi)になる
日本語表記に信頼性があり、かつ意図的に語末子音の無い漢字が使われていたなら、魏志倭人伝の漢字音は中古音だったと結論付けるのが自然だろう

749 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 02:16:27.79 0.net
>>745
それと、これは脱線だけど、

>古い末子音*-hが失われた代償として付加された場合が多いようだ。

この一文が気になった
朝鮮語には本源的なhが存在しないというのが定説だったと思うんだけど、だとするとこのhの起源を考える必要があるんじゃないかな
もし両者が同源(もしくはどちらかからの借用)だと考えるならば、*-hの更に古形を再構しなければならないのでは?

750 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 12:01:30.01 0.net
>>748
「対馬」の「対」は?

751 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 12:17:14.22 0.net
>>744
「けつね」は低舌化なのか?むしろ古語の残存では

752 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/26(木) 19:58:50.15 P.net
>>736>>748
とても気になる記述が、これらのレスにあるんだよな。
揚げ足取りのように見えるかもしれないが、
もし、それなりに精密な議論をしようとするなら、これらは致命的な粗雑さだと思われるので、
一言触れておくことにするよ。

1つ目。
>əu→uは自然な母音融合
>これに関してはau→oは自然な母音融合

魏志を編纂する調査として、魏の使者が西日本のどこか(おそらく博多だろう)で、
どんなプロセスで現地語を聞き取り、どのようにして文字(漢字)に落としたか、考えてみてほしい。
中国人が、当時は無文字民族(魏志)の倭人の発音を聞き取り、自分の脳内辞書にある、近似した音の文字に音写する。
その間の時間は、どう考えても【数秒】だ。
母音融合というのは、最低でも【数十年】の間に、同一言語の間で通時的に起きるもの。
「他の言語を聞いたときに、数秒で勝手に融合される」ことは、絶対にあり得ない。
中国語の音素は複雑だが、おそらくより単純な倭人語の発音を、聞き取って音写する場合は、
「音素をピックアップして近似する」ことになるだろう。この方法は、森が丁寧に考証している方法でも同じだ。

753 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/26(木) 20:07:29.25 P.net
2つ目。

>俺は魏志倭人伝で使われてる漢字音は中古音だったと思ってる
>根拠は森博達も指摘しているように、日本語の表記に語末子音の無い漢字が使われていること

「上古音に全部末子音を振る」のは、一つの仮説でしかない。
古くからの有力説ではあるが、強力な反対説もあって、未だに論争が続いている。
森は、当然その議論をよく踏まえたうえで、倭人伝の日本語音写の開音節性を論じているが、
だからと言って、魏の言語が「中古音だった」と考えているわけではない。

そしてもう一つは、上古音・中古音というのは、一定の安定期の想定音というだけで、
例えば末子音の変化と、核母音の変化が、連動して一斉に切り替わるわけではない。
だから、開音節的な漢字が出現したからと言って、核母音の推定音を隋唐と同じだと推測する必然性は何処にもない。


どうも、私には議論が乱暴に見えるよ。
やっぱり、「まず5母音ありき」の厄介な信仰に嵌ってないかい?

754 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 21:10:55.77 0.net
やたらと-gが末子音に来る上古音は古い再建という感じ。
近年はやたら閉音節だらけにする上古音はあまり主流ではないのでは?
チベット語派との比較でも否定的な結果が出ているようだし。

755 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/27(金) 19:03:36.30 0.net
オ甲になった音とウのままの音の条件の差が明らかにならない限り、
オ甲のウ低舌化なんて余計なプロセスは
オッカムの剃刀の対象じゃね?

756 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/28(土) 00:54:34.59 0.net
話の流れ的には、オッカムさん、あんたの剃刀でけつねうどんのけつね、切って貰おうか?
ってことなんだろうけどね。

757 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/28(土) 05:56:23.06 0.net
切れるんじゃない?
関西弁にケとキの音の差があっても、ケツネウドンのような低舌化は起こる

原始日本語にウとオ甲の差があっても、低舌化は起こる

オ甲がウから生まれたというプロセスを仮定する必要がない
→剃刀

758 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/28(土) 13:34:55.12 P.net
>>756>>757
ありがとう。それで良いんだと思う。
大阪方言に、「き」と「け」が両方存在するから、「けつねうどん」が安定したんだよね。
対照的な例が、同じく大阪方言で言えば「せやねん」になる。
「せやねん」の「せ」は、「や」の半母音が「そうやねん」の「そう」が縮約された「そ」の母音を逆行同化して、
最初は、[s@]のような、曖昧母音または中舌母音になっていた。
ところが、大阪方言には、この音が安定した音素として存在しない。
そうすると、「そやねん」か「せやねん」の二択になり、結局「せやねん」に落ち着きつつある。


o1は、先にuaの融合として音素が成立してから、
その後で、アドホックな低舌化によるものが、合流してきたのではないだろうか。
既存の議論とも、特に矛盾は生じない。

759 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/28(土) 13:41:09.08 0.net
いや、そこはオッカムさんは剃刀つかえるけど、きつねうどんがなんでけつねうどんになったの?
ってことを切り刻めないとまずいんじゃないの?
受け皿として、もとから低舌化の母音があったっていう前提をおいてるけど、
そもそもなかったら?っていう話でしょ、きつけがけつねになる時、けが最初かあったっていう条件があればいいけど、
ないとどうなるるの?って話でしょ。

760 :390 ◆oflnzmdu96 :2013/12/29(日) 10:05:59.51 0.net
「けつね」の「け」は後ろの「ね」に同化した現象で、
どっちかっていうと有坂の法則に関連した動きじゃないか
他にもヒレ肉の「ヘレ」があるけどどれも店屋で出る食べ物なのは
なにか特有の文化があるもんかな

761 :390 ◆oflnzmdu96 :2013/12/29(日) 10:15:18.49 0.net
ちなみにちょっと前に中古音と上古音の話が出たんでまざってみよ。
例え中国語の上古音が今の英語みたいに子音終わりばっかりだったとしても、
日本語の音を転写するときに無理にでも何らかの文字つかわなゃいけないんだから、
やっぱり-gで終わる音を使ってたとおもうよ。
というわけで末尾音が母音か子音かを根拠に当時の中国語の音価を推定するのは厳しいと思う。

ただ邪馬台の邪の頭子音から見ると中古音に近いと見た方がいいよね、、、

762 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/01(水) 22:05:21.78 0.net
>>760
店内や厨房で慌しく大声を出す場面では舌の動きをサボる低舌化も捗るってことなんでは

763 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/01/03(金) 08:24:31.77 0.net
760の書き込みに補足。
有坂な法則にと関連した動きっていうとまるで現代の関西弁にまで有坂の法則が残ってるような言い方だったけど、
言いたかったのは有坂の法則と同じ原理で単語内の同化現象なんじゃないの
っていみだった。

ちなみにアルタイ諸語の母音調和も、このテの同化現象であって、言語の系統関係を証明するほど本質的ではない
⇒アルタイ祖語のような単一の言語にさかのぼることはできない
と、考えているんだけど
このスレの最近の流れは違う感じかな

764 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/04(土) 03:52:17.90 0.net
>>758
' >>756-757 '

765 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/06(月) 12:07:29.28 0.net
思うんだけど、甲乙で話すのやめない?
具体的な字群出して話したほうが、なんか見えてきたりしないかな?

766 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/07(火) 22:03:03.60 0.net
>763
関西方言には有坂の法則が残っているよ
↓を見てごらん
http://music.geocities.jp/konatarosu/Hakusonkou/6shou.html

767 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/09(木) 12:41:54.31 0.net
>>766
リアル基地外のサイトじゃねーか

768 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/09(木) 17:32:25.09 0.net
>>767 初見のサイトだけどどの辺がおかしいの?

769 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/10(金) 02:55:54.16 0.net
>>768
過去スレを見ればよろし、藤井は当該スレでは完全に論破されて終了してる。

770 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/10(金) 18:24:57.46 0.net
藤井さんはなぁ。もうテンプレでツッコミどころをまとめる?
ある意味、トンデモなんだけどトンデモじゃない擬態されてるのが問題だよねぇ

771 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/11(土) 07:50:48.55 0.net
>>770
俺にはどこがトンデモなのかわからんが
有坂三法則を例外までふくめてちゃんと説明してるじゃないか?

772 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/11(土) 14:27:18.88 0.net
そうだな。トンデモである根拠が聞きたい。

773 :699 ◆nLORzldheo :2014/01/11(土) 14:50:46.65 P.net
あ゙ーー、めんどくさいwまた藤井かw


これは論理的に綺麗に決着済みだから、いいんだけどね。
藤井説なるものは、つまるところ「音韻の定義」がおかしいんだよ。
音韻(音素)とは、「当該言語(話者)が、弁別に採用【しない】音色の差異」が正解だが、
藤井は「話者が、弁別を【出来ない】音色の差異」と理解してる。ここが誤り。
音韻論に関する議論をするのに、
最初の最初の基本定理である、音韻の定義が誤りだから、そこからの論理展開が全部誤りになる。
論理的には、これで説明終了。あとは枝葉の話でしかない。

774 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/11(土) 19:40:00.21 0.net
リンクされた6章を読んでみたけど、
そこに書かれたオ段甲乙の書き分け則の説明は、その音韻の独自定義とはまるで無関係だったぞ。
まあ最後にその定義に従って「記述していたのは外国人だ」と来るけど
それこそ枝葉で無視すればいい。本人はそこを言いたいのかもしれないが。

775 :699 ◆nLORzldheo :2014/01/12(日) 01:40:04.56 P.net
>>774
理論の根拠を注意深く追ってみ?結局「藤井音韻定義の誤り」に行きつくから。
藤井の書き分け法則なるものは、
「日本人には、聞き取【れ】ないが、現代朝鮮人には聞き取【れ】る音色の差異」という理由づけになってる。
ここから出てくるのは、朝鮮語や日本語の、「初等語学テキストの、実用リスニング術指南」だけだ。
条件異音の法則の体を為していない。
これを他の奴が何度指摘しても、藤井は全く理解できないのは、
藤井の脳内の音韻の定義が、誤った「藤井流」だからで、藤井がここを改める気が無い限り、どうしようもない。

776 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 01:51:22.89 0.net
藤井説を別にしても、条件異音説って一般向けに日本語の本を書いてる人に
やけに採用者が目立つような。
割とそれ自体がトンデモに近いと思う説なんだが、なんか人によっては惹きつけるものがあるんでしょうか。

777 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 09:42:30.96 0.net
わかりやすいから?
安牌のアンパイのン
案外のアンガイのン
案内のアンナイのン
日本語話者は区別してないけど、外国話者に聞き取らせてアルファベット表記させたら、
m、ng,nって別表記するよって言われたら、ああ、そういうことか!って納得しちゃう人はしちゃうでしょ。
まぁ、これは完全な条件異音だけど。

778 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 14:36:43.94 0.net
>>775
いやあ全然分からん。
聞き取れるか聞き取れないかも論点とは無関係に見えるし。
あとそれは条件異音とは言わないということなら、条件異音という言葉を使わなければどうなんだ?
或いは独自用語にでも置き換えれば解決するのか?

779 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 15:12:50.60 0.net
俺は775さんやないけども、条件異音ってのは777さんが言うてるような後ろに来る子音の条件で音が変わってるけれども、
別にそれを対立の要素と判定してない場合、異音でもかまわんってことやろ。
藤井の言うとんのは、その条件はなんもないんや。夜と世のよは関西人は今でも違う発音してるっていうけど、
そうでっかっていう話や。さいどすか、ほうでんねんなぁって言う話なんや。
でや、問題はここらや。夜と世、違うように発音してるとするわな、関西人が。そうすっとやな、
なんでそれ、違うように関西人は発音しとんの?って話や。違うように発音する条件はなんぞあるんかいな?って話や。
条件はなんもない、一字音で、後ろとか前に特別の音が来るとか、高音とか低音のアクセント(ピッチの違いをアクセントって言うのは日本語やからええやろ)も関係ないなら、
なんでちゃう音で発音しとんねんってことや。違うように発音しとんのやったら、それはちゃう音やって、関西人は認識しとるんとちゃうの?
前後の子音やら母音にも影響されず、単独の語が別音やと認識しとるさかいに、別の音で発音しとんのやろ?
英語の母音はぎょーさんあるけど、あれは、ローマ字作ったラテン語ユーザーのローマ人が5母音やったさかい、その5母音でaeiouってやってもうて、
そこにいくつもの母音をあてはめたけど、条件異音やのうて、夜と世とか、単独で母音に違いがあって、単語を識別しとんのやったら、
それが現代関西人にまで受け継がれてるんやったら、なんで5母音になっとるんやって話やわな。50音作ったんは関西人やで、関西人が音の識別しとんのやったら、
それがない5母音はおかしいやろ。条件異音で、よもとよがでよのお音が違うとかとちゃうで、世と夜の音がちゃうって話やからな。

780 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 15:31:11.12 0.net
>>777の例をとるなら、日本語に「アンナイ」「アク゜ナイ」「」「アムナイ」
の対立があったらそりゃ条件異音じゃないよねっていう
そりゃ同音異義語ってのはあるが、日本語の同音異義語はほとんどが漢語で
そうじゃないものは大抵甲乙対立かアクセントの対立がある

781 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 16:28:31.77 0.net
条件異音の条件を明示されないと条件異音と認定できません。
それで終わる話じゃないの?

782 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 17:05:50.09 0.net
>>779
条件は何もないとは、どういうこと?
節まで設けて世と夜の違いはアクセントによると論じているけど。
あ、お前らひょっとして読んでないな?俺は頑張ったっていうのに!
現代関西弁の例とかどうでもいい部分が長くて面倒臭いんだぞ。

783 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/13(月) 06:46:30.84 0.net
年明けて久しぶりに来てスレが伸びてると思ったら
まーたまた藤井かよw
本っっ当にしつこい野郎だなw

784 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/13(月) 14:59:56.18 0.net
うざがられつつも続けてしまうけど
>>780
ちょっと分からないなあ。藤井説では条件異音と言っているくらいだから対立はないとする立場だよ?
何に対する批判なんだ、それ?
>>781
条件はまとめと要約で2度も出てくる親切設計。

785 :699 ◆nLORzldheo :2014/01/13(月) 15:58:10.48 P.net
>>770
やっぱりやりますかねえ。
この藤井闇鍋、どうも、素人は「美味い美味い」と言って食べてしまうらしいからなあ。

高低アクセントが高いと舌が下がる(または円唇性が無くなる)という、
驚愕の説を挙げておきながら、
実質論拠は、イミフな非科学的実験と「声楽では当たり前なんだそうです」の一言だろ…
これ、不十分な科学っぽい論考まがいと、他分野の論拠無き権威づけを組み合わせて、
どっちもちょっと見れば明らかなgdgdなのに、コラボでごまかして逃げ切ってしまうという方法。
気付かない人は気付かないんだよなあ。
そして、それでも無理っぽくなると、自由異音に逃げる。
でも真正の自由異音なら、書き分けにはならんはずだよな。

結局、音韻の定義がおかしいから、こんな論考まがいの説を思いつくんだよ。
藤井の根幹は「朝鮮人には聞き取れる」なんだ。だからこうなる。
もしアクセントが鍵だというのなら、甲乙はアクセントの書きわけだったのだ、と言えばいいのだ。
アクセントは音素だからね。でもそう言わないってことは、そう言えないということ。
だから、一部は自由異音だと逃げ、
最終的に「日本人には分からんだろうが、朝鮮人が聞き取ったのだ」と言って不可知領域に逃げ込む。

786 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/13(月) 17:09:25.11 0.net
おお、やっと期待通りの反論が来たな。(負け惜しみに響く。)
俺も
> 実質論拠は、イミフな非科学的実験と「声楽では当たり前なんだそうです」の一言だろ…
が駄目なところだと思っていて、反論するならさっさとそこを突けば済む話なのに
なぜ音韻の定義がだの条件異音がどうだのしか出ないのかが疑問だった。
自由異音は多分普通の意味では使ってないと思うよ。
定義が問題になるなら自由異音の方だろうね。

そりゃあアクセントのそのものの書き分けじゃないとしているんだから、そうは言えないわなあ。
それは意地惡すぎるだろう。
2段落目のそれ以外の部分は前のめり過ぎてよく分かんね。
例えば俺が藤井の音韻の定義にも根拠にも従わず藤井説を再定義したらどうなんの?

787 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/13(月) 21:26:20.02 0.net
>なぜ音韻の定義がだの条件異音がどうだのしか出ないのかが疑問だった。

いやもう、そこがダメなら言語学の議論としては論外でダメダメだろw
往生際悪いなw

788 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/14(火) 18:12:57.24 0.net
アクセントの高低によりオの甲乙が決まるというようなことを言っているけど、
奈良時代のアクセントはほぼ分かっていて(厳密には院政期のものが分かっているんだけど、それとほぼ同じであることが分かっている)、
それとオの甲乙を比較したときにアクセントでは全然説明が付かないことが過去スレでも実証済み。

そもそも藤井の説はアクセントの他にも条件を持ちだしていて、さらにそれらが自己矛盾しているような代物だし
それらの条件を信じて文献上の例と当てはめてみても全然事実と合わない。とても「条件異音」とは言えない。

789 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/14(火) 18:31:24.57 0.net
2010年6月頃に藤井説で議論になった時期があったがログとしてはこのあたりか

http://www.logsoku.com/r/gengo/1228873581/296-685

ずいぶん長いからこれを読み直せというのは酷かもしれないけど、
また議論するとしてもこのときの繰り返しの域を出ない気がするなぁ

790 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/14(火) 19:41:33.60 0.net
>>787
そこが駄目ならそうだが、俺はそこが駄目だとは思っていない。
繰り返しになるが「日本人には聞き取れないだ」という定義には依存していないので
そこが狂っていてもどうでもいい。
それどころか
>(コの甲乙は)日本人でもちょっと訓練すれば聞き分けられたからであろう。
と言っているくらいで、全然聞き取れる。他の甲乙だってもうちょっと頑張れば大丈夫だろう。
条件異音は問題ないというか、何が問題にされているのかわからなかったんだけど
>>788にあるような意味?

今更ながら俺が何をしたいのかを明確にしておくと、
元々が>>774なので、>>773は批判になっていないと言いたい。他のにもついででレスしたけど。

791 :699 ◆nLORzldheo :2014/01/14(火) 22:26:03.58 P.net
藤井説の誤謬の構造が、どうしても分かりませんか?
論理を埋められないのなら、もう少し丁寧に、コツコツ書いてみますけど。

藤井さんは、アクセントだ!と言いつつ、結局一部しか説明できていないわけ。
都合のよい資料だけ持ってきて強弁してるが、それでも反例の存在は無視できない。

そこで、自由異音だと言い始めた。定義がおかしい。
定義を曲げて自由異音を持ち込んでも、まだ全部の説明が付かない。

ここで藤井さんは、「でしょう?これは朝鮮人が聞き取って書き分けたんですよ」と言ってる。
これ、朝鮮人が聞き取って書き分けたのであって、日本人は聞き取れないんです!と言い、
これこそが「条件異音」なのですよ!条件は朝鮮人の脳内にあるのです!
我々日本人は、私藤井以外は知覚できませんけどね!朝鮮人に聞けばすぐに分かりますよ!
と言って論理をひっくり返し、不可知領域に逃げ込んで、藤井定義を打ち立ててる。


これ、科学的によく説明のできない事象を取り上げて、「これこそ神の力、神の奇跡なのです!」
といって、わけのわからないニセ神様をおっ立てるカルトの教祖と同じ論理なんだ。
2ちゃん的に言えば、「天狗のしわざ」なんだよね。天狗が朝鮮人になっただけ。

792 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/14(火) 23:15:19.12 0.net
要は条件異音を持ち出してる奴は「藤井説」の定義部分で>>774とすれ違ってるんだよ。
藤井の主張は
 オ甲乙はアクセントの違いで説明できる
→(条件/自由)異音である
→日本人には聞き取れない
→朝鮮人が聞き取った
って構造で、多くのスレ民は矢印含んだ全てを「藤井説」と呼んでるのに対して
>>774の想定してる「藤井説」は最初の部分だけであってそれ以降のトンデモは問題にしていないから、
それに対して二番目の矢印の破綻を指摘するのは確かに的外れで、本来すべき反論は>>788


しかし、こう書き出してみると最初の矢印もアクセントが原因の音韻変化なぞいくらでもあるんだから破綻してるよなw

793 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/15(水) 07:29:54.08 0.net
過去スレで、藤井が主張していた条件を整理すると

1. イ・エ段と共存しているなら、そのオ段は乙類。
2. アクセントが低いならそのオ段は甲類。アクセントが高いなら、そのオ段は乙類。

さらに1.と2.を組み合わせると、藤井説が正しいなら以下のことも言える。

3. イ・エ段と共存しているなら、そのオ段はアクセントが高い。

それを元に、実例と合うか検証したのが以下。
http://www.logsoku.com/r/gengo/1228873581/582-589
http://www.logsoku.com/r/gengo/1228873581/650
http://www.logsoku.com/r/gengo/1228873581/657

アクセントと上代特殊仮名遣の両方が分かるものに限っても、条件に合わないものは17/42(40.4%)もある。
当然ながら、母語話者には弁別に使われない条件異音だったら、その「条件」に従えばどちらなのか100%予測できるはずなのに。

予測できない確固たる異例が1つでも出現した時点で、それは自由異音ではなく別音素になる。
(様々な言語で、ほとんど条件異音と言えそうな分布なのに、ほんの数個の例外により別音素と見なされている音素が存在する)

上代の文献を見ると、上代特殊仮名遣は明らかにアクセントと全く独立していて、
アクセントを知っていても甲乙どちらか予測できない。

仮に「条件異音」なら、藤井説はその「条件」の抽出に完全に失敗していることになる。
百済人だろうが何人だろうが、他言語話者には聞き取れるし「書き分け」という形になる2つの違う音があるけど、
日本語話者は区別していなかったと主張するなら、日本語の側に「この場合は必ずこちらの音になる」という「条件」があるはず。
その「条件」さえきちんとした形で示してもらえれば誰もが納得するし、それ以外の説明は蛇足で不要。

「自由異音」というなら、「書き分け」のほうもグダグダになるはずだが、実際は8世紀初期時点では明瞭な書き分けがあるのでそちらには逃げられないよ。

794 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/15(水) 21:45:34.27 0.net
>>782
済まん。読んでない。今度はちゃんと読みます。済みませんでした。

795 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/08(土) 19:47:20.87 0.net
少し話題が逸れてしまうかもしれないのですが、
古典での二段活用動詞が母音語幹とされているのは何故なんですか?
上代の甲乙が関わるのかなぁと思ったりもするのですが、
語幹を子音とせず、二段に渡って変化する母音の方を語幹とする根拠を知りたいです。
何か参考になる書籍などがあればそれも是非教えて頂きたいです。

796 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/14(金) 02:33:56.51 O.net
誰の文法論よ。

797 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/02/23(日) 07:46:56.06 0.net
なんか過去の書き込み遡ると、藤井サン呼び込んだのは自分の書き込みっぽいね。すまんかった。

んで、話の流れを大幅に戻すけど、>>758で語られてたo1がuaの融合で現れたという説が、
どうも未だに納得しきれない。

というのも、他の母音(i2やe2)のように、-iによる造語が多発して母音衝突が増えたという契機が、
o1には見当たらないから。e1は完了「り」のように相当明確な痕跡が見えるんだけどね。

というわけで俺はo1が他の母音からできたという考えをいっそ捨ててしまった。
このスレの前半では村山説と他のAN語の傾向から、o1がuから派生したことが読み取れるようなことが書いてたけど、
俺の入手した書籍(日本語の起源と語源)にはそういうの書かれてなかった
っていうかむしろuが2種類あったくらいの勢いのことが書いてた。

まだAN語関連の知識が足りないせい?だれかココらへんの情報詳しい人いない?

798 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/23(日) 12:24:34.24 0.net
「日本語の起源と語源」には、陽性oはua,oa,a等からの派生とか書いてたような

799 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/02/23(日) 14:28:22.89 0.net
まじで?手元の本(一版)だと

p13 古代日本語の母音構成

陽性母音 a o u
陰性母音 ə ö ü
中性母音 i

って書いてあるし

p131に「古代日本語o1がアルタイ陽性母音oに対応し、それにさかのぼると見ることは再検討を要すると思う」
とは書いてるけど、uaやらoaから派生っていう記述は見つけられなかった。
っていうか祖語に「o」aなんてものがあるならo1はやっぱり本来的単母音なんじゃないか・・・

800 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/23(日) 15:05:35.59 0.net
図書館でちら見したのをメモっただけだから手元に実本がなく確認はできん、すまん
確かpreOJ(799の図)からOJへの母音組織の変移を説明してるところ辺りだったと思うけど...

801 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/23(日) 15:12:03.01 0.net
ただ、主張するところは
アルタイ語由来の陽性母音oは日本語の(陰性)o2に合流してしまい、o1との繋がりはない
ということで、o1の由来自体については強い主張はしていなかったと思う

802 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/02/23(日) 17:55:44.63 0.net
ごめんちょっとそれっぽいのみつけた。

p129
「私の見るところ、o1の音価は服部四郎、柴田武の説くようにɔであるが、それは*oにさかのぼるのではなくて、u'a,o(a,aにさかのぼる」

どうもアルタイ語由来の単語については

o1 : ua oa a
o2 : o ə ö

という対応ができますよ、という話をしているらしい。
日本語の母音調和はアルタイ語の母音調和と素直に繋がらないっていうことを言いたかったようで
だいたい趣旨は>>801の言うとおりだったね。

803 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/02/23(日) 18:31:59.94 0.net
ただ、ここで疑問に思うのは、アルタイ語oがなにゆえ日本語のo2なんかに合流してしまったのかっていう話。
>>450みたいな例を見る限り、ツングースoがそのまま日本語o1に対応する場合もあるようだし。

思うに、日本語の母音調和時代にo1の一部がo2に合流し、その結果「o1の出現率が見かけ上少なく見える」という現象が発生してしまったのではないだろうか。
この仮説をたてると

・村山説 日本語のo1とo2の対立はアルタイ語のoの陰陽の対立と素直に結びつかない
・森説 魏志倭人伝(1〜3世紀)の日本語は日本書紀(8世紀)に比べて明確にo1の出現率が高い

これの両立ができるように思う。
問題はo1のうちo2に合流した音と合流しなかった音はどうして別れてしまったのか、という点だな。。。

804 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/06(木) 01:48:03.36 0.net
水500tを鍋に入れ火にかけ
湯が沸騰する前に水溶き片栗粉を入れる
沸騰してとろみがついたところで溶き卵1個を流しいれ
チキンラーメンにぶっかけて蓋をして2分半
旭ポン酢を大匙3倍まわしいれて
コショウをかけて全体をよくかき混ぜる
最後にラー油をたっぷりかけて完成

805 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/06(木) 02:26:53.92 0.net
>>804
テレビでやってたスーラータンメンもどきの作り方です、メモすることがなかったので、
このスレは落ちないし、そんなに早く流れないので、メモがわりにスレを使わせてもらいました。
すいませんでした。

806 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/07(金) 16:51:30.91 0.net
>>804-805
そういう用途に使えるスレがあるのでお使いください。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gogaku/1386410974/

807 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/17(月) 17:42:07.81 0.net
>>797>>802-803
>日本語の母音調和はアルタイ語の母音調和と素直に繋がらない

俺は>>461だけど、いろいろ考えてみた結果、スレでも何回か突っ込まれた通り日本語の母音調和はアルタイ的な母音調和とは無関係だと思うようになった
確かに有坂法則をアルタイ語と結びつけるのは無理だと思うし、有坂法則は日本語がアルタイ語と接触する前の時代にAN語の枠内で生まれた発音ルールなんじゃないかな
ただ、子音構造がAN語時代と比べて大幅に簡略化した結果ただでさえ同音異義語が生まれやすくなってる状況だったのに、更に母音の組み合わせパターンを狭めるような有坂法則が生まれたのは不思議に感じる


>むしろuが2種類あった

上代以前の日本語にu1とu2が存在したという説は複数の学者が別々に主張しててかなり根強いね
これに関してはアイデアが無いんだけど、実際のところはどうなんだろう

808 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/17(月) 17:43:46.74 0.net
>話の流れを大幅に戻すけど、>>758で語られてたo1がuaの融合で現れたという説が、どうも未だに納得しきれない

俺はo1の起源は母音融合とuの低舌化の両方だと思う
AN語はa,i,u,əの4母音だし、大野晋が唱えたように日本語祖語の母音体系はそれをそのまま受け継いだものだとしか思えない
ただ、o1が生まれた母音融合の起きた時期がi2やe2が生まれた母音融合の時期よりかなり早かったんだと考えてる
根拠はいくつかあって、まず「-iによる造語が多発して母音衝突が増えたという契機」は明確なアルタイ由来の要素だけど、silaw→siro1のようにo1に関してはAN語の中だけで起源が説明できる例がある
それに、上の方でも書いたけどi2やe2が早い時期に生まれてたなら円唇前舌狭母音であるツングース語のu"は日本語のi2に対応してなければおかしく、u"が日本語のo2に対応していることからも日本語のi2やe2が生まれたのがかなり遅い時期だったことが分かる
つまり時系列としては「o1の誕生→アルタイ語との接触→i2やe2の誕生」という順番だと思ってる
だから、ツングース語のoは日本語との接触時点で既に生まれていた日本語のo1に対応したはず
一方で、apuy→apo1y→po1i→pi2(火)のように明らかにuの低舌化によってo1が生まれたと考えられる例もあるから、o1の起源は低舌化と母音融合の両方だろう


>日本語の母音調和時代にo1の一部がo2に合流し、その結果「o1の出現率が見かけ上少なく見える」という現象が発生

>>450を書いた時からu"に関してはわりとはっきりとo2に対応するのにoに関してはo1に対応する場合とo2に対応する場合があったから不思議に思ってたけど、こう考えれば納得がいくね
何故そうなったのかはこれから考えてみるけど、魏志倭人伝の頃の日本語が上代日本語とは母音体系的にはかなり違うものだったのは間違いないと思う

809 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/18(火) 01:03:24.88 0.net
魏志倭人伝の日本語と上代日本語で母音体系がかなり違うと言い出すと、
魏志倭人伝は当時の九州方言を採集したもので、上代日本語の畿内地方と違って当然と言い立てる人がニヤニヤしながら出てくるんで、
そこらへんはみんな避けてるよね。言語学の話をしてるのに、歴史学というか考古学の人たちが引用してへんなとこから矢がとんできて、
民俗学やら考古学やらが入り混じったカオスワールドの邪馬台国がどこにあったかっていう話に引きずり込まれる

810 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/18(火) 07:12:59.42 0.net
>>807で「有坂法則が生まれたのは不思議」って書いたけど、俺は有坂法則は最初期の日本語では多分文法的な意味を持ってたと理解してるんだ
そう考えるようになったからこそ、上の方で何度も主張した有坂法則のアルタイ起源説を撤回したんだけど
a⇔o2の関係は対立というよりもむしろ文法要素じゃん
例えばkarasu⇔ko2ro2suのような同源と思われる交替語がいくつもあるし、有坂第三法則は大昔には派生語を作るための文法システムだったんだと思う

分からないのは第二法則
第一法則に関してはo1がuの低舌化で生まれたからってことで説明が出来るから、つまり有坂法則はo2とa,uの対立と言えるけど、どうしてuとo2が対立するのかが分からない
uとo2にはaとo2にあるような強い関係性なんて無いと思うし、少なくともこれが第一法則のように文法要素として機能してた痕跡は残ってないと思う
だからといって、子音体系が簡略化された結果母音にかなりの機能負担が掛かってたはずなのに、ただ発音しにくいって理由だけでこういう法則が生まれるのは不自然に感じる


>>797
u1,u2説について少しだけ考察してみた
一語例に出すなら村山はツングース語uyu→日本語o2yo2guの対応を主張してる
俺は>>567で書いた通りツングース語のuには日本語のuが対応すると考えてるんだけど、
実際大半の単語ではu:uだけどこの例みたいに少数ながらu:o2の対応を見せる場合もあるらしいのは確かみたい
この多重対応の理由は分からないけど、何故か有坂第二法則が存在しているように日本語のuとo2の間には何かしらあるような感じはする

811 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/03/20(木) 06:45:29.23 0.net
>>610
a←→o2の交替語についてはオノマトペで頻発してるんだったかな?
朝鮮語はこういう母音調和の対の発音で造語するシステムがあるんで、
こっちの影響を受けたのかもしれない

ただ、有坂第一法則って一番例外が多いんだよね。あんまり本質っぽい感じしない。

>>809
忠告ありがとう。俺は魏志倭人伝の時代と上代の時代は通時的な変化だと思ってるんだけど
なんかヤバい人たちに絡まれそうだよね。あんま深入りしないどこう・・・

812 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/03/20(木) 06:54:24.05 0.net
ごめんさっきの610は>>810の間違い。

ついでに追記

>>810
u←→o2の対立は有坂第三法則だったっけ
これの例外の半数は [C]utsiro2っていう発音の並びだったはずなんで
iが支え音になってないとo2かu・o1かのどっちかに発音が偏るような現象が起きたんじゃないか(完全に推測)

813 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/21(金) 00:08:09.47 0.net
*CuCo2>CuCo1
みたいな変化はあったかもね

814 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/03/21(金) 06:22:51.26 0.net
うわ、後から見なおしてみると第一、ニ、三の指し示し先が無茶苦茶だな。
第一がo1←→o2
第二がu←→o2
第三がa←→o2
の対立だったね・・・

ところでapuy→apo1y→po1i→pi2この流れだけど、poってpo1とpo2の区別ってどうやってつけるんだっけ

815 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/03/28(金) 19:41:39.74 0.net
上の話が中途半端なんで少し進めて書いてみる。

apuyって単語は日本語のpoiよりどう考えてもアイヌ語のapeに近いよね。
つーわけで、こういうミッシングリンクを考えてみた

Sapuy [AN祖語]

apey [ミッシングリンク]
│└pey─pəy─pi2[OJ]
ape [アイヌ語]

o2を更に遡るとeになるっていう説は結構魅力的だと思うけど、
裏付けとなるべき日本語o2とアイヌ語eが対応してる借用語が他にみつからないんだよね・・・

816 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/30(日) 22:02:32.62 O.net
>>815
o2は5母音体系から見た場合曖昧母音だから、それがたまたまアイヌ語ではeに吸収されただけだと思う
日本語ではo2はo1に吸収されたけど、o1じゃなくaやe1に吸収されててもおかしくはなかっただろうし、偶然としか言いようがない
日本語とアイヌ語の間に系統的な関係は無いと思う(あるなら朝鮮語以上に日本語に似てないのはおかしい)

ただ、太古に5母音を想定する場合a,i,u,o2,o1という5母音体系が安定するのかという問題はあるよね
これだとo2だけが曖昧母音になるから長期間音素を保てるか分からない
俺はo2はAN語の母音をそのまま上代まで受け継いだと思ってるからo2の古い音価がeだとは思わないけど、
もしかしたら一度音価がeに変わったのが上代の直前に生まれたe1に押し出されてまた元の音価に戻った可能性も無くはないと思う

それから、apuy→po1yに関してはuの低舌化を前提にしたただの推測です
apu+ruで炙るという動詞があるから、日本語にapuyという単語がかつて存在したのは間違いない

817 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/01(火) 21:33:06.94 0.net
>>816
そういえば上代の長野・静岡方言では曖昧母音のo2とe2とi2が全部i1と混乱してるらしいね。
これがアイヌ語ではeに統合しがちなのかもしれないなー。

818 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/02(水) 00:31:43.85 O.net
>>817
また話がそれてしまうけど、何故o2がi1と混乱してるんだろう
i2とe2がi1と混乱するのは自然だけど、o2って5母音話者の感覚からすればaとuとoの中間であって、i1とはかなり遠いと思うんだけど

そういえば、書いてて気になったけど上代のe1ってiaの母音融合だからかなりはっきりと唇を平たくする音で、
唇を平たくしないまま発音する現代の標準語的なeとは違うよね
aiの母音融合であるe2は標準語のeみたいな音だったと思っていいのかな?
これだとe2は曖昧母音扱いになるから、よりはっきりした発音を持つe1に吸収された理由が分かる

819 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/02(水) 06:38:57.96 0.net
森推定音ではe1がe、e2がəiなんで、e2の方が曖昧かつ二重母音なんで、はっきりした音素の方に吸収されたのかもね
日本語が音節→拍に移行する際に、二重母音が嫌われたっていうのもあるかも

中部方言の方であいまい母音が全部同じ音に統一されてる問題としては、
その実はi1があいまい母音になってしまう現象みたいに見える
現代の日本語でこんな方言ないんで頭ひねるだけだけど。。。

820 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/02(水) 19:59:53.80 0.net
「来あり」→「けり」のようにe1の少なくとも一部がia由来であること、
「せ」「ぜ」が森推定音で口蓋化音と推定されていることから考えると、
上代の時点ではやはりエ段甲類の音節は全て口蓋化していたんだろうか。
「て」はティエ、「ね」はニェのように。

これをはっきり否定した推定とか、否定できる根拠ってある?
漢字語でエ段拗音が発生しなかったことも、当時のエ段甲類が口蓋化していたと考えると説明しやすいし。

821 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/02(水) 20:18:33.81 O.net
>>819
e2が二重母音だってことは、e2が母音融合が終わってから生まれたかなり新しい母音要素だってことになるよね
ko2+i→ki2(木),to2ko2+ipa→to2ki2wa(常磐)など、o2とi1が融合するとi2になる場合がある一方、
to2no2+iri→to2ne2ri(舎人)という例もある
常識的に考えれば前者の方が古い対応だし、このことから日本語の母音が生まれた順番が「a,i1,u,o2→o1→i2,e1→e2」であることが分かる
e2が二重母音なのも、e2が生まれた頃には既に日本語では二重母音が排除されなくなってたんじゃないかな
上代中部方言のi1に関しては、この方言ではi1が現代標準語に近いような、唇が丸いまま発音する音になってたとか?
それならi1とo2が合流してもまだ不思議じゃないと思う

822 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/04(金) 06:29:16.53 0.net
>>820
手元の『日本書紀の謎を解く』を見ると
甲乙の区別があるケヘメでは、日本書紀α群の漢字を見ると
エ甲が斉開四(再構形 -ei)
エ乙が[口偏に台、うまく出せない...;_;) (再構形 -ʌi)
になってて、いずれも介音 -i- はついていないみたいだね

区別のないシチニリは手持ちに情報がないけど、こっちは口蓋化してる可能性はある

823 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/04(金) 06:35:23.27 0.net
>>821
ああそうだ、時々o2+iがeになる語があるんで気になってたけど、作られた時代が違うっていう可能性もあるんか。
比較的対応が多い自動詞←→他動詞対立やら、名詞の被覆系←→露出系対応なんてのは
古い時代にできたものかもね。

それにしても現代標準語ってi1が円唇化してるっけ?俺はしてない

824 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/08(火) 12:21:56.30 O.net
>>823
e2が最後に出来たんじゃないかって言ったけど、o2+iがi2になってることからするとe1もi2より後に出来たんじゃないかな
普通に考えたらo2+iって融合したらe1になると思うし、事実o2とiの連続母音だったe2は後に融合してe1になってる
なのにより古い時代ではo2+iがi2になっていることからすると、この頃にはまだe1も存在しなかったのでは?と思える
最初にa,i,u,o2があり、o1が生まれ、i2が生まれ、e1が生まれ、最後にe2が生まれたというのが日本語の母音の成立過程なんじゃないか?

表現に語弊があったかな
標準語のiって関西弁とか韓国語のiみたいにはっきりと唇を平らにしないじゃん?
それのことね
上代の日本人の感覚からすれば、標準語のiは多分曖昧母音に聞こえるだろうなと

825 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/09(水) 06:55:47.18 0.net
概ねいい感じだと思うけど、古代の音韻が中舌〜後舌に偏りすぎじゃね?

[i][ə][ua]→[i][ə][uoa]→[i][ɨə][uoa]→[ie] [ɨə][uoa]

前から俺主張してる通り、こんな感じだと自然なんだけど

[ie][uoa]→[ie][ɨ][uoa]→[i][ɨə][uoa]→[ie] [ɨə][uoa]

eがəに変化したあたりで、[i][ɨə][uoa]この母音体系の前舌に空きが生じて
e1やらe2が発生する起因を与えた

826 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/09(水) 12:19:16.03 O.net
>>825
森推定音によれば上代のaは今と違って中舌母音だったようだし、バランスは取れてると思う
前舌i、中舌a,o2、後舌u,o1で上手く割り振られてるし

日本語の歴史から考えればi2,e1,e2は後代に生まれた母音であって、8母音体系のバランスがおかしいことは何ら不自然なことではないはず
むしろ、>>732で書いた通り不安定で不自然な母音体系だったからこそ8母音体系は2、300年で崩壊したんじゃないかな?

古い時代にo2の音価がeだったというのには同意できない
俺は日本祖語の母音は大野説の通り4母音だったと思うし、日本語のo2の起源は明らかにAN祖語の母音をそのまま受け継いだものであり、日本祖語の時代から既に上代と同じ音価だったはず
日本語と特に関係が深いと思われる西マラヨ・ポリネシア諸語における母音体系の推移の傾向から類推すればo1が誕生した前後に一時的にo2の音価がeに変わって、
現代と同じaiueoの5母音体系だった時期が上代以前にもあった可能性は十分にあるけど、でもそれだけじゃo2の音価がeだった時期があると内的再構をするにはいささか根拠が薄い
ある程度根拠をもって言えるのはa,i,u,o2,o1の5母音体系だった時代があったということまでだと思う

827 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/09(水) 21:18:26.68 0.net
>>826

> 森推定音によれば上代のaは今と違って中舌母音だったようだし

これまた『日本書紀の謎を解く』からの引用で申し訳ないんだけど、コレしか持ってないから許して。
p82に「α群ではマを除いて前舌[-a]韻の字を一切用いず、奥舌[-ɑ]韻を常用しているのです」
って書いてるから、森推定音では奥舌だ。

ただ、すでにe1もe2もある8母音時代の話なんであんま参考にならんかも

あと、日本祖語が4母音だったっていう話の根拠が「AN祖語では4母音だった」っていう話くらいしか出てなくて、
それって本来
・日本祖語が4母音だった→AN祖語も4母音である→日本祖語はAN祖語と同根である
って論理で進めなきゃいけないところを
・AN祖語が4母音である→日本祖語はAN祖語と同根である→日本祖語も4母音であろう
っていう進め方になってない?って気がする

あ、あとそもそもAN祖語がaəuiの4母音だっていう話の出典もわからん。
これは俺が勉強不足なだけだけど。

828 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/10(木) 20:42:36.31 0.net
ごめん自分で書いてておかしいのに気づいた。
>>450にもあるけど、ツングース系のyはo2に割り当てられるんだっけ。
すでにi2=ɨがあるんなら、y=i2に割り当てられてもおかしくないから、i2がɨになる前に絶対
[i][ə][uoa]っていう状態があるはずだよな。

>>825は取り消しで、どうぞ

829 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/18(金) 02:49:43.95 0.net
>>829
質問スレいけや、ドアフォ

830 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/22(火) 15:34:07.07 O.net
>>827
ごめん、aが中舌っていうのは訂正する
まさしく上代以前、まだi2が生まれてない頃にi・o2・u,o1,aという5母音体系だった時代があるはずなんだよね

日本祖語の母音に関しては、大野晋の4母音説が根拠
出現頻度とか文法要素との結び付きから見て日本祖語がa,i,u,o2の4母音だったとするのは説得力があると思う

AN祖語の母音体系はBlustの再構で、ほぼ定説になってるよ

831 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/22(火) 15:56:41.93 O.net
それから、>>824で母音の誕生した順番に触れたけど、それに関して一つ思いついた
ma(目)→miru(見る)、ya(矢)→(y)iru(射る)、yu(湯)→(y)iru(鋳る)のように、古代の日本語にはa,u→iという母音変化をしたと思われる語彙がある
でも、この母音変化は不自然だし突然a,u→iという変化が起きたとは思えない
じゃあ何故こういう対応になってるのかだけど、古い時代にはこれらの動詞のi1はi2だったんじゃないか?と思う
古い時代にはmaにiが付いてmaiという動詞として活用されていたのがi2が出来た際にaiが融合してi2になり(まだ日本語にe1やe2が存在しなかったため)、i2がどこかの時点でi1に変化した
そしてこうして生まれたmiという語幹にruが付けられて現在のmiruになった

かつてmaがそのまま「見る」という意味の動詞の語幹として使われていたことはnaga+mai(眺め)という単語の存在から証明される
また、i2→i1への変化については、村山説によればwi(井)、wi(猪)などは元はi2だったのがi1に変化したとされる
>>803のo1→o2の変化があったという説に刺激されて考えてみたけど、これだけの根拠があれば古代の日本語においてi2→i1の変化があったことはそれなりの説得力で主張出来ると思う

832 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/23(水) 03:35:01.21 0.net
>>830-832
Blustね。ありがとう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Proto-Austronesian_language#Blust.27s_reconstruction
こっちに名前載ってたわ。

コレ見るとほぼ4母音で問題ないっぽいすね。
子音の方はかなり上代日本語とかけ離れてるけど、これどういう対応が想定されてるんだろ。

ちなみにi2→i1に変化したと思われる例としては、他にも
黄泉(被覆形yo2mo2:露出系yo2mi) 奥:沖(被覆形oku:露出系oki1)
があるっていわれてるよね。来(未然形 ko2: 連用形ki1)もこの仲間かもしれん。
古いi2は由来が古い分、統合真っ最中だったのかもなー。

ちなみに832で出された例が全部上一段活用なのが気になるけど、
これが何を示唆してるんだかちょっとわからない。

833 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/23(水) 15:20:05.00 O.net
>>832
村山説をベースにちょっと修正してみたけど、大体こんな感じ
不明なものはAN祖語における出現頻度が稀か、もしくは日本語と関係ある語例の数が少なくて対応が分からない

p→p t→t、もしくはs
k→k q→消失
b→p d→t
D→不明
g→k j→不明
m→m n→n
gn→不明 ng→n
S→消失 s→s、もしくはt
h→消失 C→s?
c→s z→s
l→r、語頭ではt
N→r r→r
R→消失、もしくはy
w→w y→iに合流?
v→w


問題点としては大きく2点で、tとsが多重対応してるのとR(フランス語のrと同じ音)が多重対応してる点
前者に関しては、日本語におけるtとsの混乱(fusagu⇔futaguなど)が理由の一つだと思われ、残りは泉井説によれば該当する単語に前鼻音化を仮定すれば解決できる
(ms→t、mt→sという対応を想定する)
なので大きな問題は無いけど、まずいのはRの多重対応
Rが消失したと思われる語例が大量にある一方で、Rがyに変化したと思われる例も同じくらいある
しかもtuyu(露)とtu(血)のようにRが消失した場合とyに変化した場合のダブレットまでも存在してる
これに関してはこれといった条件も見つからない不規則対応だから本当にまずい

834 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/24(木) 15:11:42.05 O.net
>>832
つまり、i2はe1やe2より起源が古い分混乱して統合されるのも早かったってこと?
木(被覆形ko2、露出形ki2)みたいな明らかに古い起源を持つ語彙でもi2が見られるから、単純にi1とi2が統合されかけてたかというのには疑問がある
とは言っても木と語幹の形が同じ来(ko2)はi1になってたりするし、俺もどういう条件でi2→i1の変化が起きたかは思いつかないけど


日本語には全く関係ないけど、Rとrの関係って面白いね
AN語(主にインドネシア諸語)ではR→rの変化が起きたけど、フランス語では逆にr→Rの変化が起きた
このことはなかなか面白い

835 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/24(木) 20:09:44.80 0.net
日本語祖語をAN語との関係で見ていく場合、地理的にはAN語の故地は台湾近辺というか、台湾と過程したら、
やはり、台湾→沖縄→日本(九州→近畿?)という流れになるのだろうか。まぁ、それでも、日本語には北方系の要因も多々あるので、
台湾→沖縄→九州?あたりで、クレオール言語としての日本語祖語は生まれて、そこから沖縄に南下したのかも知れんが、
トマ・ペラールの「日琉祖語の分岐年代」
http://www.academia.edu/2374529/_
で、日本語祖語を上代日本語からの内的再建で4母音体系(大野1977)してるけど、日本語と琉球語の比較からいえば、
日本語祖語は6母音だよって言ってるんだよね。簡単にいうと、上代日本語のイ甲が琉球語では、イとエに、
ウがウとオに分かれると。上代日本語から大野が再建した4母音と、AN祖語でブラストが再建した4母音を比較する場合、
その通り道にある琉球諸語を取り込んで母音体系を再建すると、6母音になりますよって言われると、
AN祖語の4母音と大野が上代日本語から内的再建した日本語祖語の4母音をダイレクトにつなぐような議論はちょっとどうかな。

836 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/24(木) 21:07:16.05 0.net
久々に参上w
大変申し訳無いが、399説(の立論の方向性)に正直関心がないので、
(俺にはどうでもいい議論に見える。特にo1の意義。単に過渡期の一つの形なだけじゃね?)
暫くたまにromってたんだけど、>>835が面白そうなので。

ペラール説的な発想は、少なくとも、たたき台としては重要かもしれない。
この発想、そのすぐ後のアクセント論でも明確なんだけど、
「謎の区別があったら、未知の音素を、必要なだけどんどん立ててしまおう。
音素が大インフレを起こしても、とりあえず構わない。精査はその後すればよいのだから。」
という考え方になる。
早くから精査し過ぎると、見落としが出てくる可能性が否定出来ないから、
とりあえず「大インフレ論」は、非常に重要な視点になると思う。
大野4は、確かに精査しすぎかもね。


なお、AN説については、台湾→南西諸島→九州というルートを想定する人は、実はあんまりいない。
大陸の祖語が、江南から直接九州、または朝鮮のフェリー沈没のあたりを経由、という説が多い。

837 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/24(木) 21:16:17.91 O.net
>>835
それについてなんだけど、考古学によればAN民族は台湾から先島諸島までしか北上してないんだよね
先島諸島と沖縄諸島の間にはかなりの距離があって、古い時代の人々はこの距離を航海できなかったらしい
だから台湾→沖縄→九州という流れではない

他のルートを考えると、AN民族が中国南部から台湾に渡る際に日本にも渡ってきたという可能性も考えられる
(つまり、AN祖語と日本祖語が共通の祖語から派生したという考え)けど、これだと日本語と西MP語族との顕著な類似を説明できない

じゃあどのルートで日本に来たかというとそれも難しいんだけどね
でも、少なくとも沖縄は通ってないのは確実だし、定説通り琉球語は日本語から後世に派生した言語と見なして問題はないと思う

838 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/24(木) 21:42:53.33 0.net
さらにペラール説に関連して。
俺が気になるのは、もう一つ「山口佳紀説」なんだよね。

俺は、個人的な思考スタイルとして、母音三角形から「幾何学的」に考える癖が強く、
母音の組み合わせから、いわば「代数学的」に考えるのは、正直とても不得意。
山口説は、俺は何から何まで頭を抱えてしまう難解な説なのだが、
彼の説は「徹底して代数的」なので、
俺の手が届かない、何かの重要な説明をしているような気がしてならない。

俺は琉球方言も得意じゃないので、苦手なもの同士になるんだけど、
ペラール説と山口説の交点に、何か重要な鍵があるような気がする。

839 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/25(金) 11:12:05.67 0.net
言語資料が比較的新しい時代の琉球諸語を根拠にして日琉祖語が6母音として再建するのは無理があると思うんですが・・・・
このペラール説というのは斯界で広く受容されてる学説なんですか?
アマチュアの私は初めて知ったけど。

840 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/25(金) 18:27:59.20 0.net
つまり
          AN祖語(4母音){ブラスト推定}
AN祖語祖語<
          日本語祖語祖語(江南あたり?)↓
                                                            上代日本語祖語(4母音){大野推定}
                         日本語祖語(母音数不明){ペラール推定では6母音}<               
                                                            琉球諸語祖語(6母音){ペラール推定}
うーん、ペラール説は琉球諸語の問題とするしかないのかな。

841 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/26(土) 07:12:02.49 0.net
>>840
分岐はもっと新しいところにくるんじゃないかな?
「日琉祖語の分岐年代」のpdf見ると、「上代東国方言や八丈語の資料も*eと*oの再建を裏付けている」
とあることから、上代東国方言の分岐時にはまだ6母音の痕跡を残していると見るべき。
(たぶん形容詞や動詞の連体形「長け」「行こ」などのことを言っていると思われる)
        
日AN祖語
↓――――――――――――――――――↓
日琉祖語(江南あたり、6母音)       AN祖語(4母音){ブラスト推定}
↓――――――――――――――↓
上代日本語祖語(6母音)    琉球諸語祖語(6母音)
↓―――――――――↓
近畿方言祖語(4母音) 東国方言祖語(6母音)
↓              ↓
近畿方言(8母音)   東国方言(5母音)

こうかと。
分岐不明の音変化が出たら新しい音を再興すべき、っていう考えは比較言語学の王道だけど、
ちょっと今までの常識とはかけ離れてるよな。

>> 838
米の伝達もそのルートらしいね。
ただいつも思うのが、先島諸島〜沖縄本島を渡れない連中が江南〜九州みたいな
遣唐使の時代だって死ぬルートを渡れるのかっていう疑問。

>> 837
いや、他の人も興味なかったみたいだよ。正直すまんかった。

842 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/26(土) 07:23:47.30 0.net
>>833
日本語と朝鮮語の漢字音対応みたいだね。
日-朝
h-p b-p
t-t d-t
k-k g-k
s-s、もしくはc、?
m-m n-n
r-r、もしくはj、?
みたいな。

漢字音における中国語のようなミッシングリンクを探したくなるな。
前述のペラールは行き過ぎにしても、AN祖語と日本語を兄弟にして
Rの来源に二種類を仮定するもう一つの親言語を設定したほうがいいかもしれない。

843 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 09:36:27.63 0.net
日本語とAN語族が同系統であることなんて定説にもなってないのに、そっちの4母音の説明の都合が悪くなるからって、
明らかに同系統であることが証明されてる琉球諸語との比較で出された6母音説をすぐ否定しようとするのは態度としてどうなの?

まずは日本語と琉球諸語の語形をきっちり説明できる祖語を再構するべきで、
AN祖語との比較はそれからやることだと思うんだが。

村山に悪く言えば傾倒してる人が多いようだけど、そういう議論をするならまずは日琉祖語の土台を固めてからじゃないかい?
ペラールの説はちゃんと比較言語学の王道の手続きに沿ったものだと思うし、「行き過ぎ」とか「常識とかけ離れてる」っていうのはどうかな。
6母音なら「大インフレ」と言うほどでもなく普通に有り得る母音数だし。

844 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 10:26:00.18 0.net
本土の諸方言を総合しても基本的に5母音であって上代の母音体系(仮に非5母音だとして)にたどりつけないのに、
同じぐらい時間たってる流求から6母音だとどうして分かるものなの?

845 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 11:31:50.99 0.net
>>844
本土の諸方言が分岐したのよりも琉球諸語が分岐したほうが古いんだから、
琉球諸語にのみ残ってる痕跡があっても全然不思議じゃないと思うけど。
「同じぐらい時間たってる」わけじゃないだろう。

本土方言の発音を比較しても、鎌倉時代より前に遡ることは難しいけど、
琉球諸語には本土での奈良時代以前に遡る特徴が残っている。

例えばイ・エ・オとヰ・ヱ・ヲの区別とか、ハ行のp音などは
本土方言には一切残存していないが、琉球諸語には残っている。

846 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 13:49:02.22 O.net
>>840-842
日本語とAN語の分岐がそんなに古いのはあり得ない
仮に中国南部で共通祖語から日本祖語とAN祖語が分岐したなら、日本語はもっと台湾諸語に類似していなければおかしいはず
しかし、実際には日本語の子音体系は台湾諸語とはあまり対応しないし、台湾諸語との対応語も少ない
子音体系に関しては複雑なAN祖語からスタートして日本語以上に単純化したポリネシア諸語の例もあるから問題ないけど、対応語の少なさに関しては説明がつかない
日本語はもう少し時代を下った、西MP語族からの分岐と考えるのが妥当
フィリピンやインドネシアの諸語と同系だろう

847 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 14:28:11.81 0.net
しかし、ANの原郷は台湾と推定されていて、
フィリピンは台湾の南で、日本は北なんだよね。
地理的にちょっと難があるよね。

848 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 15:50:08.94 0.net
黒潮に乗ればフィリピンから日本まで直通で来れるんじゃないかな。
北欧のヴァイキングが北海から地中海のシチリアまで大航海して建国した例もあるんだし。

849 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 15:56:30.61 0.net
ベラール説とやらが俺は観れないんだけど、
観てもいないのにものいうのも気が引けるんだが(そのURLを踏むと、承認しますか?とかいろいろ出てきて、承認しますってしても見れない)、
どうやって琉球諸語を6母音と認定したのか説明してくれないかな?
おもろそうしは日本語の仮名表記されてるはず、たとえ、琉球諸語が100母音あろうとも、琉球諸語は5母音としか推定できないぞ。
いや、見れない人間が文句を言ってもおかしいけど、5母音しか表記できないかな文字を借用した琉球諸語からどうやって6母音という話が出てるんだ

850 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 16:59:32.24 O.net
>>849
論旨を簡潔に纏めると、上代近畿方言のi1が現代琉球方言のiとi"に、uがuとoに対応するから日琉祖語は6母音だったという主張
日本祖語では日琉祖語にあったiとeが合流してi1に、uとoが合流してuになったと考えるらしい

琉球方言の分岐は9世紀〜10世紀とするのが定説だし、分岐をそんなに古い年代に設定するのは確かに面白い説だと思う
ただ、>>835のリンク先に書いてある内容だけじゃ記述が簡潔すぎて説の正否を論ずるのも無理がある
本当に「2通りに対応します」としか根拠が示されてなくてそれに関する掘り下げが一切されてない

851 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 19:28:55.58 0.net
>>849
「おもろさうし」という文献資料に頼るのではなく、
どちらかというと現代琉球諸語から琉球祖語を再構し、
それと上代日本語(およびその内的再構から導き出される日本祖語)を比較して、
日琉祖語に存在したと思われる母音を再構している。

琉球諸語の多様性を甘く見ていないか?
「おもろさうし」だけではあくまで沖縄語(沖縄本島南部およびその周辺の言語)の古態しか分からない。
しかし、奄美語から与那国語までの現代諸語に共通して見られる特徴があれば、
それは琉球諸語の分岐した年代(すなわち琉球祖語の年代)に遡る可能性が高いと考えられる(共通改新と考えられる場合はもちろん除く)

852 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 19:35:06.56 0.net
>>850
「琉球方言の分岐は9世紀〜10世紀とするのが定説」って、何を言ってるんだ?
確かにそういう説も無いわけでもないが、様々な説の中でかなり新しいほうに推定した下限の説だろう。
昔から古墳時代あたりの年代に推定する説が多いし、上代語や、それより古い形を残したと考えられる形態も多い。
少なくとも8世紀の時点で分岐していないと説明できない言語事実が多いのだから、9〜10世紀というのは信じがたい説だ。

どうもこのスレの人、AN語説には熱心な割に、琉球諸語についての基礎知識を欠いている人がいないか。
まずは日本語族の中で足元を固めておかないと、他の語族と比較なんてできないだろう。そこはしっかりしてほしい。

853 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 20:04:44.68 0.net
アン語て、何でんねん?

854 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/28(月) 07:35:12.23 0.net
>>852
分岐の根拠を9世紀くらいに持ってくる説の根拠は、だいたいの場合ハ行転呼音が琉球諸語でも見られることによるものだと思う。
これだけ素直に観察すると、分岐年代は9世紀近辺に持っていかざるをえないんだけど
一方でエとイェの区別に相当するものを持っていたりと、古い時代の言語現象の残存も多いんで、みんな悩んでるところなんだ。

で、今までの俺の知識だと、琉球語は5母音になってからの音変化しか遡れない、と思ってたので
さっき見たペラールの説がにわかには信じられないわけよ。
850-851にあるとおり、URLから見れる情報には概略しか載ってないんでもうちょっと根拠がほしいなと。

853は琉球語に詳しそうなんで、基礎知識がつかめそうな書籍とか、
あるいはペラールの一番よさげな論文とか情報持ってきてくれない?
俺もむっちゃ興味ある。

855 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/28(月) 07:59:07.07 0.net
7世紀に日本祖語から分岐しましたね。

856 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/28(月) 22:22:03.07 0.net
>>854
「9世紀近辺に持っていかざるをえない」「みんな悩んでる」って、そんなこと本当に言えるだろうか?
9世紀説を支持してる人ってほとんど見たことがないが…

ハ行転呼は結局「語中での有声化」「語中での摩擦の弱化」というごく普遍的な音韻変化の組み合わせ。
よくある音韻変化が共通に見られるとしても、「共通改新」と捉えて何の問題もない。
ハ行のp音の保存、ア行エとヤ行エの区別の保存、イ・エ・オとヰ・ヱ・ヲの区別の保存など、
これらは9世紀よりも前に分岐したと考えないと説明できない。

例えばゲルマン祖語の *īsą は英語でもドイツ語でも /aɪs/ になっているけど、
これをもって英語とドイツ語の分岐は17世紀以降だとは言えないし、
北京語でも広東語でもいわゆる尖団の区別が失われて合流しているけど、
それをもって北京語と広東語の分岐は清代以降だとは言えない。

さらに言うなら、ハ行転呼に限ったって、琉球諸語では「大」(おほ)を「ウプ」「ウフ」のような語形で残している方言が多いという事実がある。
円唇母音 /o/ に挟まれた環境では /p/ がハ行転呼を受けずに残った例と見られる。9世紀以降の分岐とするとこの説明は難しい。

あと、根拠としてはだいぶ弱くなるが、言語年代学的な推定でも琉球諸語と日本語との分岐は9世紀よりかなり古い結果になることが多い。
誤差も大きいから何とも言えないけど、一般的に考えても、分岐から1000年強にしては基礎語彙の違いが大きすぎる。

857 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/28(月) 23:21:30.26 0.net
だで、9じゃ無くて7世紀だら?

858 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/29(火) 07:47:37.64 0.net
>>856
「9世紀近辺に持っていかざるを得ない」のは「ハ行転呼音だけ素直に観察すると」だよな。
他の言語事実をみるとそうとも限らないし、俺も9世紀に分岐は遅すぎだとおもうぜ。

ちなみにじゃあいつ分岐したかについては、まだ定説になるような結論は出てないんじゃない?

俺としては3〜5世紀の間、日本語に末尾子音や語頭の濁音が完全に消えたあたりだと思う。
(3世紀あたりには難升米[nansimai]やら投馬[duma]などの発音が残っていた)

859 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/29(火) 16:34:59.02 O.net
琉球方言の分岐は少なくとも8母音体系が崩壊した後だと考えるのが定説だったと思うんだけど違うの?
だから9世紀頃って言ったんだけど
遅いものだと、11世紀〜12世紀頃の分岐とする説もあるよね

いずれにせよ、上の資料だけでは説を肯定するにも否定するにもあまりにも簡潔すぎる
あれだけじゃ「こういう説もあるんだ」としか言いようがないし、独自の解釈でもいいからもう少し深く説明してほしい

860 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/29(火) 18:24:07.75 0.net
>>897
横レススマソが広東語は尖団の区別は失われてないんだが(´・ω・`)

861 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/29(火) 22:00:05.18 0.net
>>859
琉球諸語では日琉祖語の*uiと*əi(上代日本語ではいずれもイ乙類になった)の区別がかなり明確に保存されているから、上代日本語よりも古い時代に分岐したのは間違いない
ペラールの論文にあるように、波照間方言では*ki、*kui、*kəiが相互に区別されていたりする
八母音体系が完全に崩壊した後に分岐したあとに分岐したなら、こんな現象はあり得ない。

波照間方言を抜きにすれば琉球諸語は確かに5母音体系の祖語に遡れるように見えるが、
それでも日琉祖語の*uiが琉球祖語の*iに、日琉祖語の*əiが琉球祖語の*eに対応している
例えば「木」は琉球祖語で*keとなるように見えるがこれは*kəiだからだし、「落ちる」は*oteruのように見えるがこれは*ətəiruだからだと考えられる。

ハ行にp音を保存しているのも本土の中央語では9世紀前期には失われていた特徴だし、オとヲの区別も10世紀前期には失われた特徴。
11〜12世紀なんて推定はほとんど見たことがないし、間違っても定説ではあり得ない。
確かにその時期に入ったと推定できる借用語などはあるが、こういう場合は古いほうが分岐年代で、新しいほうは共通改新や借用と見なすべき。

862 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 01:05:22.16 0.net
上代日本語で短母音化した二重母音の区別が残っているだけなら、それは別にAN語との関係で問題ではないよね。
二重母音の6母音なら、整合的に4母音説に取り込める。

863 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/30(水) 01:24:30.42 0.net
ちょっとだけ交通整理。

ペラール説の「恐るべき」キモは、すでに指摘されているけど、
日琉祖語の想定母音「6」が、内的構成の「大野4」に「先行する」と考えていること。
つまり、6→4→8(7)→5となる。論旨が短すぎるが、大野4自体は、否定されていない。
844の批判が鋭く的確であって、大野4自体と、「ANが4であること」は、
たとえ大野自身が勝手に妄想(?)していたという事実があったとしても、論理的に別の話。

ペラールは、大野の内的再構に【先行する】問題を、比較言語学的に論じている話で、示唆するところは大きい。
大野の再構で閉じてしまった議論を、再び開かせる意義がある。
従来の他の説が、大野の先(プレ大野)を見通していた可能性もあるからだ。
俺は山口説に注意を喚起してみた(丸投げだけどさw)けど、服部説なども含めて、
従来、「大野4&8‐森7モデル」に駆逐されたとされた各説についても、再考すべき価値はあると思う。


なお、俺は琉球方言の分岐年代に関しては、「こだわるべきではない」と思っている。
切り込み方を変えると、全く異なる年代が出てくるのが琉球方言。
アクセントに関しては、どうみても西南九州アクセントのただの延長で、論理的には14世紀以降という数字すら出てくる。
俺自身は、松森ABC説は、緩やかながら傾向を持っている以上、二次変化と理解しているので、
現在の近畿以上の古形は、アクセントについては無いと理解している。
にも関わらず、ペラールはここでも平安末京都の5+αに、当然のものとして、そのままABCを「足し上げる」ので、
それで、「方法論的インフレ説」と言ったのさ。

864 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 06:50:56.26 0.net
>>863
>アクセントに関しては、どうみても西南九州アクセントのただの延長で、論理的には14世紀以降という数字すら出てくる。
>俺自身は、松森ABC説は、緩やかながら傾向を持っている以上、二次変化と理解しているので、
>現在の近畿以上の古形は、アクセントについては無いと理解している。

いやいやいやいやいや、そんなむちゃくちゃな…

松森説は明らかに琉球祖語に日本祖語とは別のアクセント区分があったことを示しているし、
日本祖語と琉球祖語で別の区分が再構できる以上、それを組み合わせた日琉祖語には
さらに別の区分が再構できると考えるのは比較言語学的に至極真っ当だろう

日本祖語の「類」と琉球祖語の「系列」の違いが、アクセントの中に閉じる問題か(例えば長母音と関係があるなど)という問題はあるが、
この2つの違いは、歴史時代以前の、日本語のアクセントや音韻を探る重要な鍵になりうる情報だろう。

「二次変化」というのは、例えば外輪東京式に対する北奥羽式などで見られるように、
明確な条件によって祖形からの変化が説明できるような場合に用いるべき。
日本祖語の「類」から琉球祖語の「系列」を説明しようとしても、その「二次変化」の条件は説明できない。

二拍名詞四類・五類のどの語がB系列で、どの語がC系列になるか、日本祖語をいくら眺めてもその情報は出てこない。
そうである以上、日琉祖語には何らかの別の区分を立てるのが比較言語学的な常道だろう。
繰り返しになるが、規則も立てられないのに「二次変化」などの説明に逃げるべきではない。

アクセントの問題は、音韻の問題(特に上代特殊仮名遣を含む母音の問題)と決して無関係ではないと考えられるから、
そこで「西南九州アクセントのただの延長」などとおかしな理解をしているようでは困る。

865 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 06:58:20.21 0.net
一応念の為に補足しておくと(これは単なる書き間違いと思うが)
「類」と「系列」の所属語彙の違いを仮に無視するとしても、
琉球祖語に立てられるのは、二拍名詞で1・2/3・4・5の「西南九州二型式」に近いアクセントではなく、
1・2/3/4・5の「外輪東京式」に近いアクセント。

二拍名詞に3つの型を区別する、外輪東京式に近いアクセントは、
徳之島、沖永良部島、沖縄本島北部、那覇、久米島、与那国島など各地に分布しており、
各方言で明確な対応が見られる。

866 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 08:09:50.28 0.net
大野4に先行して、ペラール6があるとするなら、
大野4は上代語と琉球諸語分岐語ということになるのかな?
大野4〜上代8(森二重母音含む)〜現代5という流れを見ると、
中舌母音や二重母音が形成されては、前舌母音や後舌母音に合流して消えていくというのを繰り返していて、
そういった中舌母音や二重母音が大野4以前にあったのが、ペラール6の正体と考えればいいのかな。
てっとり早く理解するなら。

867 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 08:10:42.60 0.net
867
二行目訂正
大野4は上代語と琉球諸語の分岐後ということになるのかな?

868 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 11:55:50.22 0.net
6-4-8母音をへたって、5母音化以後は大体安定して1000年以上続いてるのに
その前の日本語どんだけ母音変わってんだよと思うね。

869 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 12:15:29.27 0.net
a, i, u, e, o の5母音体系が特別に安定だから、それにいったん到達した言語はしばらく安定した状態を保ちやすいというだけで、
それ以前には激しい変化があっても別に不思議じゃないと思うよ。

例えばスペイン語はここ数百年目立った母音変化が無いようだけど、
英語、フランス語、朝鮮語などの母音変化はめまぐるしい。

870 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 12:32:47.08 0.net
俺は5母音が安定してるから、1000年も安定してるとは思わないなぁ。
やっぱり、中舌母音は不安定なんだよ、だから、生まれては前舌母音や後舌母音に合流しちゃう。
けど、そんな不安定な中舌母音や二重母音も、普通に前舌母音や後舌母音の連続の中で生まれちゃう。
そこで、1000年の安定を作ったのは、日本語がモーラ言語になったからじゃないかな。
直観的な考えで、なんの根拠もないけど

871 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 13:28:14.58 0.net
本州だけでも5母音ではなくなった方言が山ほどあるからモーラは関係無さそう。

872 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 14:13:33.32 0.net
>>804
遅レスですが、作ってみました。
美味しかったです。

873 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/30(水) 15:52:41.42 0.net
いや室町時代に6母音体系になってるし、特別5母音で安定してるわけじゃないよ

874 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 18:03:08.42 0.net
長母音に限って言えば、アウの融合で開音のオーが発生して、17世紀に消滅するまでの3〜4世紀ほどは6母音体系だったね。
短母音は変化しなかったけど、連母音の発生と融合による長母音の発生、長母音の合流というのはそれなりの変化とも言える。

875 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 19:59:30.56 0.net
>>874
そこなんだよね、短母音は変化しなかったけど、連母音の発生と融合による長母音の発生と合流って、
俺が直観的に日本語がモーラ言語だったからだと思うんだよね。
イウって発音はユーになるし、ウイはウイだし、エオはエオで、オエはオエだけど、
これ、モーラの縛りなくて、英語みたいなストレスアクセントで、ストレスとストレスが等間隔になってリズムの等時性があると、
ストレスとストレスの間のストレスが来ない部分が長いと早口言葉みたいになるし、弱いアクセントしかないからはっきり発音しない弱形になるし、
そういうモーラがない環境が、中舌母音や二重母音を生み出しやすいんじゃないかって思うんだよね、根拠なしに直観だけど。
けど、しっかりモーラあれば、短母音が連続しても、中舌母音は生み出されない、それが、まがりなりにも安定的な1000年を産んだんじゃないかなって思う。

876 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/30(水) 20:06:59.55 0.net
>>864-866
批判はご尤も。現在の通説からすれば、そういう批判が来るのが当然でしょう。
ちょっと踏み込み過ぎましたかね。アクセント論に関しては、
私がちょっと風変わりな独自の説を持っているので、うっかり踏み込み過ぎました。
古い説の筆致でごまかそうと思ったけれど、ごまかしきれなかったw

ちょっとスレチになりますが、琉球方言のアクセント論について、私の見解を簡単に述べようと思います。
まだまだ練られておらず、みなさんどころか、藤井も含めて叩かれるような面がありますが、
その点は分かっておりますので、ご容赦ください。考える種としての試論の試論として。

理解の鍵は、平安京都アクセントを記した類義抄自体の、「類番号の配列」にあります。
これ、なんとなく並べているのではありません。
L・高起類が先、低起類が後。
M・下がり目・上がり目が遅いほうが先、早い(語頭に近い)ほうが後。
ポイントは、Mの法則にあります。2音節名詞の表と、3音節名詞の表と、
松森ABCと類義抄アクセントの類を対応させた表を、少し眺めてみてください。あることに気づきませんか?

「類番号が大きいほど、C系に偏る(類番号が小さいほど、B系に偏る)」のです。

そして、3音節名詞6類7類に至っては、C系列一択になります。3音節で混乱しているのは4類5類だけ。

877 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/30(水) 20:19:09.80 0.net
3拍6・7類(C一択)を、4・5類(BC混在)と分けるものは?と問われれば、
これは、アクセント史に関する理解があれば、次から次へと出てくるでしょう。

甲種で言えば、67類は「平安来の下がり目を保存している」とも言えますし、「平安来の純正低起類」ともいえる。
反対に、45類は、いわゆる「せり上がり現象」を経て、「低起から高起への鞍替え」がおきている。

他にもいろんな見方が可能です。乙種外輪に関する古典的通説で言えば、
外輪において、理論上「頭高型になる」のが67類。「起伏型になる」のが45類。
なお、外輪の場合は123類(A系列)は、「平板型」で統一されます。

ただ、この原則は2音節名詞では当てはまらない。
しかし、3音節名詞をひな形として見ると、
2音節名詞においても、よく似た「傾斜」が見られる。2音節3類はB系に偏り、5類はC系に偏る。
そして、3音節4類も、統計有意とまでは言えないけど、5類よりはB系よりになる。
おそらく、鍵は、低平類(低起平板類=2拍3類、3拍4類)の、通時的動向であるように見える。

ここで気づくのは、西南九州と琉球方言では、低平類を無標にする傾向が強く、代わりに高平類を有標にする傾向が強い、
まとまったものとしては、全国でも珍しい方言である、ということ。
西南九州2型が、広い範囲でこのmarkの逆転が見られることと、松森の系列論は、同系統ではないか?

878 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/30(水) 20:27:45.36 0.net
立論自体が、まだ議論の体をなしていないことは明らかですが、少なくとも次のことは言えるだろう。
松森ABC系列論は、従来の本土アクセントの「類」の諸相と、非常に強い相関を持っていて、
単純に、「祖アクセントにおいて、未知の区別を保存しているものと考える」ことは、難しいのではないか。
ペラールよろしく、
日琉祖語の2音節名詞は、
「1 2 3B 3C 4B 4C 5B 5C (+6 7 8 9)の、8類(例外も含め12類)が存在したのです」
というのは、作業仮説としてはあり得ても、
これが本筋ではないと思うんだ。作業仮説としては非常に有益なんだけどね。
これが、私の言うところの「方法論としてのインフレ論」ということ。

以上が、さらっと書いた864の真意です。
ご批判は甘んじて受けます。

879 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/01(木) 07:24:36.60 0.net
>>865
アクセントはあんま詳しくないから変な突っ込みかもしれないけど、

> 琉球祖語に立てられるのは、二拍名詞で1・2/3・4・5の「西南九州二型式」に近いアクセントではなく、
> 1・2/3/4・5の「外輪東京式」に近いアクセント。

先のペラールのpdf見ると
「1・2/3/4・5の外輪式アクセントを示す方言が琉球列島に一つもない」なんて書いてない?
むしろ琉球諸語で確立できるのは1・2/3・4・5/4・5(3類がB系列に割当たるのは例外っぽい)

それぞれ概略しか見たことないからどっちが正しいのかさっぱり判断付かないけど、
どれ信用したらいいのコレ

880 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/01(木) 07:40:44.55 0.net
あと、本土日本語のアクセントの類って、最大さかのぼれるのは11世紀末(類聚名義抄成立付近)でしょ?
ってことはアクセントの問題だけを突き詰めたところで、日琉分岐は一番遅くて11世紀あたりまで設定することが可能じゃん。

つーわけで、>>863には琉球方言の分岐年代を「こだわるべきではない」と書いてるけど、
こと上代特殊仮名遣いをメインテーマとして考える場合、むしろアクセントの問題の方が「こだわるべきではない」問題のように思える。

俺としてはアクセントより琉球諸語におけるi2の2つの割り当ての方が気になるわー。
>>821あたりで指摘されてるけど、iui・o1i・o2iの組み合わせは素直にi2になったものばかりでは
ないような片鱗を見せてるし、
琉球語への対応を詳しく見ると何か見えてくるかもしれない

881 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 09:37:06.92 0.net
873ですが、
朝になったらおでこと頬っぺたと鼻にニキビできてました。
心当たりは>>804だけです、ニキビが出やすい料理だと思われます。
お気をつけ下さい。

882 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 12:30:23.01 0.net
>>878
その仮説の安直な反論として「2音節の名詞に8つもパターンを設けるのは
弁別のための余剰が大きすぎて不自然」が考えられる。
単音節言語ならともかく、2音節ならアクセントの区別がなくとも同音異義語はかなり回避できるのに、
そのうえ8種のアクセントを使い分ける意味があるのか。
本土方言が5母音+アルファで共通しているのに対してアクセントはかなりまちまちであることからして、
母音の音価と音素数よりもアクセントのほうがより変化しやすいと考える。
8アクセントができても本土琉球の分岐の前にすぐ崩壊したと思うね。

883 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 12:48:04.37 0.net
>>736がやっちゃったんじゃないかな。
>奈良時代の彦(piko)に対応する狗奴国語の発音が卑狗(piek?u)なのがo1とuの弁別をややこしくしてるんだろうけど
これって、ペラールさんのいう、ウとオが上代の奈良方言で合流しちゃったんじゃね?
って話とパラレルだよね?魏志倭人伝時代が日琉祖語の6母音と、整合が取れてるよねってなると、
邪馬台国畿内説が崩壊して、邪馬台国は九州方言で採取されて、それが日琉祖語でしたっていう話を補強するよね。

884 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 13:07:32.42 0.net
上古漢語の発音も分かっていないのに
仮定の上に仮定を乗せすぎた話は避けるべきだと思う。

885 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 13:42:19.11 0.net
邪馬台国畿内説だと、邪馬台国は大和で狗奴国は三遠式土器の三河や遠州を想定する。
しかし、邪馬台国九州説だと、邪馬台国は北九州で狗奴国は南九州を想定してる。
で、ペラールさんは、オがウとオに分かれるといってるとなると、
狗奴国のピクは、琉球祖語と上代日本語の対応と合致するよねって想定しても問題はないでしょ。
というか、東遷説を補強するよね、これって。

886 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 13:48:38.76 O.net
アクセントに関しては、>>880の指摘の通り琉球諸語のそれが上代日本語に先行するとは限らないんじゃないの?
院政京都アクセントと上代日本語の漢字の声調はほぼ一致するから日本語のアクセントは奈良時代にまでは遡れるけど、奈良時代の平城京アクセントより琉球祖語アクセントが古いとは限らないじゃん


>>861
ありがとう
改めてリンク先も読んでみたけど、琉球諸語の分岐は恐らく上代以前で間違いないね

ところで、リンク先ではki(木)の琉球祖語をkeって再構されてるけど、それならeが日琉祖語に遡る根拠が無くない?
琉球祖語にeが存在したことは認めるけど、それなら本土方言と違って琉球諸語ではo2iがeに変化したと考えればeの起源を説明できる
上でも書いたように上代日本語でもto2no2+i1ri1=でto2ne2ri1になった例があるし、むしろこの母音融合は自然
リンク先では昼と蒜の区別が根拠に挙げられてるけど、これも琉球祖語でアクセントが変化した際に同音異義語の発生を避けるために変化したとも考えられる
この説の最大の焦点はeの起源だと思うんだけど、そのeについての例がリンク先ではこの2つしか挙げられてないから何とも


>>883
まず、畿内説は考古学で既に事実上の定説になってるから言語学的なアプローチでそれを覆すのは無理がある

というか百歩譲って魏志倭人伝の日本語が九州方言だとしても、それが日琉祖語だとするのは無理でしょ
魏志倭人伝の日本語には明らかにeが存在しない

887 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 14:17:07.99 0.net
>>886
考古学上の問題は、ここの言語学板で論議でしても仕方ないからせんが、鐙問題があるし、東遷説なら、一世代で北九州勢力が吉備勢力と結合して畿内制圧したという仮定と矛盾しない。
そもそも、機内各地の戦国時代でいう掘りを持った集落が掘りを放棄した年代との合致もできる。
それ以前には、狼煙の昨日をもった高地性集落が、東遷時期を境にして、放棄されているという事実もある。
考古学的に北九州説が成り立たないというのは、発掘がニュータウン建設に伴う工事が多い奈良盆地の特殊事情を我田引鉄した畿内説のプロパガンダと言える。
まぁ、それはいい、この言語板でそれは言わない。
北九州に大野4勢力、南九州にペラール6勢力があったとすればいい。
そうすれば、邪馬台国のヒコが狗奴国のピクになってる説明はつく、これは、邪馬台国九州説の反撃の狼煙だよ。
気分的に、進撃の巨人だよ、エレンになった気分だよ、言語学は周辺分野でちゃんと勉強してないけど、この板をチェックしててよかった。
本腰いれて、ちょっとやる気になってる、囚われた屈辱は、反撃の嚆矢だって感じだよ。

888 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 14:24:25.44 0.net
つまり、魏志倭人伝にエがないのは、それは大野4がエをないって言ってたののと無人しない。北九州だ。
けど、コがクなってる、狗奴国でクになるなら、それはペラール6を示唆してるっていうこだってことだよ。
三遠が狗奴国なら、ペラール6母音的なものが沖縄から発見されたっていうのは、
畿内説にとっては、致命傷になるよね、ちょっと、一時的にだけど、言語学に本腰いれるわ。
救われるかもしれん、おれ

889 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 15:10:52.79 0.net
スレ伸びてるから何か来たかと思ったらまともな議論で良かったw
まあ践むべき順序としては>>843の言う通りだよね
ペラールの、祖語にe*とo*を建てて日本祖語でi*、u*と合流したと考える説は検討する価値あると思う
つーか前に>>539-540でそれっぽいことを言ってみたんだが案の定サクッと却下されたw

890 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 15:54:54.21 0.net
>>847
台湾諸語は一度大陸に渡ってから台湾に戻ってきたので日本とフィリピンは周圏的分布になった…なんて考えるのは無理あるか
>>851
往々にしておもろの語彙が沖縄よりも先島や奄美に残ってたりするけどね
おもろさうし自体にも奄美関連の歌が若干あって、奄美出身者から採録された可能性も捨てきれない
>>856
ハ行転呼しないのは「大」やごく少数の語に限られた例で、琉球のどの方言でもほとんどの語彙で転呼するのが一般的では?
>ア行エとヤ行エの区別の保存、イ・エ・オとヰ・ヱ・ヲの区別の保存など、
これは違例も少しあるんだよね(得る→ji:juN、終はる→?uwajuN、など)
というか9世紀じゃ畿内でもそれらの変化が始まったばかりで早すぎないか?
>>861
「落ちる」については、別の上二段動詞「出来る」*dekeruもあるからそこまで古いと断定していいのかどうか
上二段動詞は九州諸方言で多様な形で現れるんでそちらも絡めて考える必要があるかもしれない
>>876-878
うーん、それは気づかなかった!
>>886
本当にeは存在しないのか?漢字音の再構次第でどうとも言えそうだけど

891 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:05:23.44 0.net
つーか邪馬台国まで絡めちゃうと、場合によっては、
畿内というか瀬戸内以東の方言と西南九州方言の分岐を考えて、
さらにそれと琉球祖語の分岐との後先まで考えなきゃいけないかもしれないな

しかし問題を難しくしてるのは、おそらく琉球方言が歴史上常に、または断続的にかなり長い間
九州やその他本土の方言と接触していたであろうことだよね
何が祖語由来で何が何時の借用やらわかったもんじゃないし
近現代に起きた琉球方言と本土標準語の接触によるウチナーヤマトグチの誕生のようなプロセスが
実は琉球列島や故地たる九州で過去に何回も起きていたかもしれない

あと思ったんだけど、上代東国〜伊豆諸島〜八丈島の方言と琉球祖語って有史以降のどこかで接触してないかな?
海流的に流れ着きやすいみたいだしどっちも為朝伝説がある
八丈方言の論文見てたら「一つ」を「テツ」というようなんだが、これ琉球と共通だ
古琉球で「木」を「け」というのも東国から伊豆経由の流れの可能性が考えられるかも?
琉球でタ行四段動詞の禁止形が「持つな」=「ムトゥナ」<*motonaのように*-toに遡りうる形なのも
上代東国や八丈の連体形と関係あるんだろうか?
肝心な八丈の禁止形がわからないのでアレだが

892 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:28:37.44 0.net
>>891
王朝国家時代の道による区分の南海道を思い起こさせるな。
紀州根来の津田算長が種子島と交易して鉄砲をいちはやく入手したという伝承も想起させるし、
紀州の熊野灘周りの交易船が船に流された時、八丈島によって水や食料を補給したという慣行もある。
実際に、そうした場合に八丈島に流された宇喜多秀家が福島正則が江戸に運ぶ酒をおねだりして一樽恵んでもらったという話もある。
海路があるなら、東北の北前船の寄港地が上方方言と類似して、内陸部の東北方言と隔絶してるという現象もある。

893 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:35:25.31 0.net
「てつ」だったら「ひとつ」に対して崩れた「ひてつ」という異形が各地に勢力が弱いながらあっただけじゃないの。

894 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:41:25.10 0.net
ここは言語学板なんだから「邪馬台国はどこか」は単なる板違い。
そういう話を始めると無知低脳キチガイが雪崩れ込んできてスレがゴミだらけになる。

895 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:53:35.33 0.net
>>893
「ひてつ」と「ひとつ」とくれば、「けけれ」と「こころ」の万葉集の東国方言とぴったりあってしまう。
崩れた異形と言い難い。

896 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/01(木) 22:19:14.38 0.net
なんか雰囲気でペラール(元ネタは服部四郎?)説が広く受け入れられつつあるけど、大丈夫か。
今のところ根拠として提示されてるデータは昼/蒜と馬/海の対立だけだぞ。

ペラールや>>539は八丈方言や、その祖先の上代東国方言の動詞・形容詞連体形に
*e、*oが残ってるっていうけど、琉球諸語の連体系にはそういう名残ないじゃん。
ていうか動詞連体形のだいたいが-juruじゃん。

日本語の祖語にAN祖語がそのまま相当することに懐疑的だったんで、
俺としては自分の説を補強する*e、*oはありがたいんだけど
さすがにこれだけで判定するのは乱暴っぽいなぁ・・・

ちなみに3世紀あたりの日本語にeがなさそうってのは森博達が調査した結果じゃなかったっけ。
一方o1は奈良時代よりも多く、Co1Co1っていう並びも存在しているんで、
>>886のいうとおりeだけ怪しい。

897 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 22:35:01.08 0.net
言語学大辞典かセレクションの琉球諸方言のとこ後で見とこっと(メモ)

898 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 22:38:46.57 0.net
正直、南西諸島の言語が日本語族になったのは、源平合戦以降もしくは南北朝以降だと思う。

899 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 00:22:14.16 O.net
馬と海の対立が例に出されてるけど、umi(海)って日琉祖語に遡れるほど古い言葉なの?
海のより古い形ってwataだと思うんだが

900 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 01:44:54.00 0.net
>>896の話の前提として、沖縄の首里方言の動詞の活用の体系を簡単に書いておく。

動詞に本土とおおよそ同じ活用形、すなわち
未然、連用、終止、連体、已然、仮定形と、若干例外的な形である下略形という形がある。
そしてこれはkaka(-n 書かない 未然)のように、動詞本体のみによる形(かりに本活用と呼ぶ)と、
本土の「おる」対応する成分-junが連用形(kachi-)についたものに由来する形(かりに-jun活用と呼ぶ)の
二つの系列がある。本活用と-jun活用が全部の活用形にあって計14個なのかというとそうではなくて、
本活用が欠けているところに-jun活用が補助的に用いられる。
未然形はkaka- 連用形はkachi- 終止形はkachi-jum、連体形はkachi-juru
仮定形はkakee(<kaki-ja <kaki-wa <kaki-ba) 命令系はkaki
そして-junはもともと独立の動詞なのでそれぞれ本活用と同じ-jura,-juri-などの形も可能で、
その場合「〜している」という意味になる。
本来進行を表していた「〜よる」が、終止・連体形の穴埋めになっているわけだ。

901 :名無し:2014/05/02(金) 02:01:14.74 0.net
柴崎勇太(開智高校、明治大学)は穢多。

902 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 02:26:09.04 0.net
・-junは進行の意味を持っていて、本土の西日本の「連用形+おる」と酷似していること
・本土の「連用形+おる」は「おる」が(生物の)存在動詞として一般化した中世の成立とみられること
・活用の体系に部分的に-junを持つ語形が入りこんでいること

からして、
琉球でも中世には本土と大体同じ体系を持っていたが、時代が降って終止形と連体形の機能の欠けが生じ、
それを補って進行態を引っ張ってきたために、進行態の系列が動詞の活用にくみこまれ、本土と差が広がった

というシナリオが考えられる。琉球諸方言には上代的な要素と中世的な要素が並存しているが、
動詞はその中世的な要素の代表であって、上代以前の話には使えない。

ちなみに形容詞は、語幹+sa(-さ)+-an(本土「ある」に対応する)による-san/-shanの語尾を持っていて、
本土の連用形「-く」以外の形(ク活用由来のものは-ku、シク活用由来のものは-shiku。
シク活用由来のものは-shi-sa > -ssha >-shaとなって-shanという語尾を持つ)は滅んでいる。
形態の変化は新しいほうが複雑であるよりも古いほうが複雑のことが比較的多いという経験則からして、
連用形以外の語形が琉球で発達する前に-saを使う形が成立したという解釈は不利だろう。形容詞の体系も新しい。

903 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 03:12:53.82 0.net
>>899
ワタが古くウミが新しいという関係とは限らないぞ。
ワタとウミが同義語として用いられる → ウミの使用頻度が増加する → それによってワタだけ古風な語と思われるようになる → ワタがほとんど滅ぶ
→ 古風な語を残しやすい歌でワタ-を持つ語が運よく残る

というのかもしれん。たとえば中国語の前置詞将と把は、同じ用法で長い間それほど差がなく用いられたが、現代では把が普通で将が古語になってしまっている。

904 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/02(金) 16:14:06.22 0.net
>>902
おー、情報整理ありがとう
要は現代の琉球諸語を比較検討しても、活用形から*eや*oは再興できないってことだよね
おもろさうしあたりを調べれば何かわかったりするもんかもしれんけど。

905 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 18:03:10.02 0.net
口語では本活用の終止形・連体形が「連用形+おる」に取って代わられているが
文語、特に韻文(琉歌)では頻繁に使われるよ。
口語でも禁止形やごく限られた助詞を伴う場合に使われる。

形容詞のサ語尾は九州の一部に見られる「サ詠嘆法」との関連が考えられる。
まあそんなに古い物ではないのは確かだろう。

906 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 23:31:46.67 0.net
昼と蒜、馬と海しかデータだしてないけど、ちょっと気になることがある。
馬と海だけがペラール説の根拠なら、これは馬と海だけの特殊事情で、
日琉祖語の話ではないかもしれん。
それこそ、きつねがけつねになったような、感じで、上舌化の影響で、
ウミはオミにって流れはありうる。
というか、問題はウマなんだよな。これ、日琉祖語なんかじゃないと思うんだ。
だって、馬は日本にもともといない動物だし、これの語源は漢語のマーだろ。和語にウマはなかった。
平安期まで、日本語のウには強い鼻音が掛かっていたと大野が言ってたけど、
だから、ンマがウマになったわけで、比較的に新しい時代の言葉。
これで、日琉祖語が上代語のウがウとオに分かれるという立証にはできんよ。
もし、馬と海だけが根拠なら。ペラール説ってどこまで信用できるんだ?ってとこを検証するのが先だよ、
AN祖語と日本語の検証の前に日琉祖語を検証すべしってのは正論だけど、
その前に、ペラール説の検証だよ。

907 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 03:04:17.07 0.net
南は首里方言でンマヌファ(午の方)

908 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/03(土) 05:53:08.74 0.net
ごめん、気になって897の
>3世紀あたりの日本語にeがなさそう
ってのを裏取りしようとしたんだけど、
しらべたらそれっぽいのがいくつかあった。

http://yamatonokuni.seesaa.net/article/31704456.html

ここにまとまってるけど、
候補として挙げられそうなのは415とかにもあげた「難升米」の「米mai」(韻目「齊」)e2
あと「柄渠觚」の「柄piang」(韻目「映」)e1
どっちも人名っぽいし、はたして音韻として二重母音でなくきちんと/e/になってるのか?という疑問はあるけど、
一応上げておいた。

その一方で、i2の候補っぽいのは鬼・惟など複数みつかるんで、やっぱi2の方が成立は古いっぽい。

909 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 10:30:22.67 0.net
>>906
ペラールのこっちの論文では馬/海のほかに向かう/麦、百足/婿、臼/薬を挙げている。
http://www.academia.edu/4260621/Ryukyuan_perspectives_on_the_proto-Japonic_vowel_system

910 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 10:35:10.04 0.net
薩摩甑島の方言で「海」をオーミ、オミンナカなどと言う
ttp://hotarugaikegengokenkyuuzyo.web.fc2.com/vocabulary_Koshiki_Islands.xls
(漁業語彙の210)

911 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 16:40:13.37 0.net
英語かぁ

912 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 17:01:21.85 0.net
英語なら文句言うなよ、村山とか、ロシア語のポリワーノフ論文読んでたんだぞ

913 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 20:56:34.99 0.net
日本語で書いてくれてもいいんじゃないかっていう気持ちもわからんでもないけどな。
日本語と琉球諸語を比較した論文なら、読む人は日本語できない人とか想定できないしな。

914 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/03(土) 22:59:53.28 0.net
>>909
英語かぁ

でも複数の例が出ててわかりやすいね
ここで注目すべきはWhitman(1985)の指摘かな
日琉祖語の*eと*əが相補関係を持っていて、
[流音・濁音]+iuの前の場合だけeになり、それ以外の場合はもっぱらəになるってやつ。

例外はtəri、nəriらしいんだけど、təriの方は
朝鮮語tʌrkからの輸入かもしれないし
これが正しければaiueo5母音→aiuəoっていう説がもう一度検討できるかも

915 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/04(日) 11:24:03.45 0.net
そういえば、「日」も古琉球時代のかな文献でしばしば「へ」と書かれているが、
日琉祖語では*peなんだろうか?

たとえば、真珠湊碑文(1522年)の
ttp://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:522Ppy4p0NUJ:kaihousyoukoku.k.asablo.jp/blog/2012/04/22/6421658+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
>四月九日きのとのとりのへに

916 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/04(日) 14:04:29.83 0.net
昼がピルで蒜がペルなら、日はピになるんじゃないかなぁ。

917 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/04(日) 14:37:12.20 O.net
>>908
奈良時代にも二重母音のままだったe2が魏志倭人伝で二重母音なのは自然だけど、同じようにe1も二重母音で表記されている
だから3世紀にはまだe1も無かったと思うんだよね
上代特殊仮名遣いはかなり新しい形で、8母音体系は4〜5世紀に誕生して8世紀には既に崩壊しかけていたかなり不安定で短い期間だけ存在した形だったんだと思う

918 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 10:22:12.80 0.net
>>879
そこは
>「類」と「系列」の所属語彙の違いを仮に無視するとしても、
というところで説明している。

かつては、琉球諸語の「系列」と、本土の「類」の所属語彙の違いを無視して、
二拍名詞なら琉球祖語のA系列が本土の一類・二類、B系列が三類、C系列が四類・五類に相当するように扱われることが多かった。

そうすると、琉球諸語でA/B/Cという区別を保持しているものは、本土だと1・2/3/4・5という外輪東京式と同じ区別の仕方になるし、
A/B・CというようにB系列とC系列が合流している方言は、本土だと1・2/3・4・5という西南九州二型式と同様の区別に相当する。
A・B/Cという合流の仕方なら、1・2・3/4・5という形に近く、博多方言に近い合流の仕方ということになる。

>>863
>アクセントに関しては、どうみても西南九州アクセントのただの延長で、
と書いているが、仮に上記のように「類」と「系列」の違いを無視しても、外輪東京式相当や博多相当の区別がある以上、その説明はできない。

ところで、松森の系列論で指摘されているように、本土の一類・二類と琉球諸語のA系列はかなりよく対応するとしても、
B・C系列と三・四・五類の間には相当大きな所属語彙のズレがあり、三類だがC系列という語彙もいくつか存在するし、
四類・五類はB系列とC系列にほぼ半々に分かれて所属している。

そう考えると、ペラールのように
>「1・2/3/4・5の外輪式アクセントを示す方言が琉球列島に一つもない」
というのも全く正しい説明で、1・2/3/4・5という区別そのものを持った方言は琉球諸語には一つも無い。

919 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 17:35:03.37 0.net
>>829
質問スレがないんだけど?

920 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/05(月) 18:07:20.33 0.net
おう、情報整理ありがとう。要は>>863に意見がいいたくて、例をあげただけで説明自体は不完全だったってこと?
説明自体はペラールのが正しいんだな?

アクセントの方は本筋から外れそうだけどちょっと面白いから考えてみた
多少大雑把だけど、2拍名詞のアクセントを分類すると

(1)日流祖形 1/2/3/4B/4C/5B/5C
(2)琉球諸語 12/34B5B/4C5C
(3)京阪式 1/23/4B4C/5B5C
(4)東京式 12/3/4B5B4C5C
(5)2式 12/34B5B4C5C
(6)1式 1234B5B4C5C

こんな風に別れるってことかな。
>>863では「西南九州アクセントのただの延長」って書いてるけど、上をざっと眺めると逆に
琉球諸語から西南九州式アクセントが派生した可能性だってあるわけだな。

921 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 18:54:03.60 0.net
1/2/3/4B/4C/5B/5C
の具体的な音高は何を想定しているんだ?
拍ごとに高低のどちらかが割り振られてそのパターンで類が分かれるとすると、

高高、高低、低低、低高、低(高低)で、もうパターンありえなくないか?
4B が(低高)高、4Cが低高で、5Bが(低高)低、5Cが低(高低)みたいにするのか?

922 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 19:45:48.40 O.net
とりあえずペラール説には2つ疑問があるんだけど

・琉球祖語のアクセントが院政京都アクセント(及びそこから遡れる上代平城京アクセント)に先行するという根拠は何?
・琉球諸語では狭母音化によりo→u,e→iという変化が本土方言からの分岐後に起きたと考えるのが定説だけど、これによる影響をペラール説では取り除けてるの?

アクセントは琉球諸語独自の変化の可能性も当然あるけど、ここまで琉球諸語のアクセントが院政京都アクセントに先行する根拠は全く示されてないよね
これを示してくれなきゃ話にならない
母音に関しては琉球諸語で狭母音化が起きたならば、その影響でiとuが本土方言と多重対応を示すのはある意味当然
事実、ペラール説の内容はそのeとoに関するものだし
例に出された多重対応が狭母音化による後代のものではないという根拠と、狭母音化に因らないiとuの多重対応があるのかを示してほしい

923 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 20:26:34.28 0.net
>>921
今はアクセントにその痕跡が残っているかもしれないってだけで
その日流祖形の区別も高低アクセントだったとする必要あるの?
ストレスだろうが有声無声だろうが母音の長短だろうが末尾子音の有無だろうが
なんでもよくね?

924 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 20:45:56.11 0.net
>>923
いやアクセント以外の要素が原因が区分が生じたってのもかまわないけども、
母音の長短や末尾子音の有無なんてうさんくさいものを立てようという気がしないのよな俺。
信憑性の低めの仮説をなりたたせるためにさらに信憑性の低いシナリオを必要とするわけだろ?
それよりはアクセントの合流の線がいきましょうってことよ。

925 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/05(月) 20:54:59.20 0.net
>>922

俺もあんま詳しくないけど、今現在の理解で回答

> ・琉球祖語のアクセントが院政京都アクセント(及びそこから遡れる上代平城京アクセント)に先行するという根拠は何?

琉球諸語のアクセント区別である「系列」が、院政期京都アクセントである「類」と一部異なるアクセントになっているため。
>>920に示したとおり、3/4/5類に相当するアクセントが、それぞれバラバラにB系列・C系列にマッチするそうな
(具体例載ってるサイトないのでよくわからん・・・)
3類がC系列にマッチするのはレアケースなんで、二次変化の可能性もあるが、
4類・5類がB系列C系列に別れる法則が明らかになってないんで、素直に(このスレで何度か出てる比較言語学の王道で)解析すると
昔4B/4C/5B/5Cという区分があり、日琉分岐の際に別々に合流したっていうのが今回の説の流れ。

>・琉球諸語では狭母音化によりo→u,e→iという変化が本土方言からの分岐後に起きたと考えるのが定説だけど、これによる影響をペラール説では取り除けてるの?
本土方言でuに相当するものがuとNに別れるっていう話じゃなかったっけ
琉球諸語/本土方言
*u N/u
*o u/u
みたいな?>>922で上げている狭母音化は、琉球諸語/本土方言が u/oで対応する形なんで、別の現象だと思う

926 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/05(月) 21:04:44.06 0.net
>>923
高起群の1/2とA系列が有意に一致してるらしいんで、何らかの高低アクセントの反映なんじゃないかと思うけど。
試案として、名詞では失われた上昇アクセントが日琉分岐前はあったとか。

3B 低低 3C 昇低(レアケース)
4B 低高 4C 昇高
5B 低降 5C 昇降

単語内にアクセントの上昇が2回起こることをふせぐため、高昇のように1類2類を分割するようなアクセントはなかった
低昇のようなアクセントはなんでなかったのかっていわれるとちょっとよくわからない。

927 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 06:26:06.50 O.net
>>925
書き方が悪かった
狭母音化でoがuに、eがiに変化したら、玉突き的に元からあったuとiがそれぞれ別の母音になってもおかしくないじゃん
例えば、英語の大母音推移は2つの母音(iとu)の発音が変化したのをきっかけに玉突き的な変化によって起きてる
だから琉球諸語でも同じように狭母音化が起きた時に元からあったiとuの発音が変化して、それがペラール説の根拠であるiとuの上代語との多重対応の原因になってる可能性があるよね
その可能性をペラール説では取り除けてるのかを聞きたい

928 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 07:33:40.99 0.net
>>927
さすがにそのぐらいのことは考慮されてるよ。

琉球諸語の基本について知らない人も多いみたいなので、ここで振り返ってみたい。
日本語族のうち琉球語派は、大きく北奄美語群と南奄美語群に分かれる。
北奄美語群は奄美語、国頭語、沖縄語に、南奄美語群は宮古語、八重山語、与那国語に分けられる。

琉球諸語のうち首里・那覇方言を含む沖縄語が圧倒的に有名なため、「琉球諸語は3母音」と思っている人が多い。
確かに国頭語、沖縄語、与那国語では、イ段とエ段の母音が /i/ に、ウ段とオ段の母音が /u/ に合流している。

しかし、奄美語、宮古語、八重山語では、イ段とエ段の母音が区別されていて、短母音に関しては4母音が基本となっている。
奄美語ではイ段が前舌の /i/ でエ段が中舌の /ï/ となっている。
一方、宮古語、八重山語では、逆にエ段が前舌の /i/ で、イ段は摩擦の強い舌先母音 /ɿ/ となる。
/ɿ/ は特に宮古語で摩擦が強く、/s/ や /z/ のように振る舞うこともあるが、八重山語では方言により /i/ に変化していることもある。

一方で、ウ段とオ段は母音としては全ての方言で /u/ に合流している。
奄美語では一部に /o/ が対応することがあるが、前後の環境により、一度 /u/ に合流したものの一部が /o/ に変化したとも言われている。

929 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 07:53:32.77 0.net
琉球諸語では、イ段とウ段に対応する音節は子音側に変化が見られることも多い。
特に奄美語と国頭語では、イ段とウ段に対応する音節の子音に咽頭化が見られる方言が多い。
また閉音節が許容される方言(加計呂麻方言や宮古方言など)では、イ段やウ段の母音が脱落して閉音節になっていることもある。

例えば「き・ぎ」に対応する音節は沖縄語では子音が口蓋化して「チ・ジ」のようになっているし、与那国語では「ティ・ディ」になっている。
「に・ぬ」に対応する音節は撥音化して「ン」に変化していることが多いし、/-m/ という閉音節がある宮古語では「み・む」がその元であることが多い。

一方で、エ段とオ段に対応する音節は、母音が変化する一方で、子音は原型を保っている場合が多い。
半狭母音の狭母音化が起きたとき、イ段とウ段がエ段とオ段との区別を保とうとして、玉突き上に変化を起こしたと思われる。
全ての音節が変化を起こしたわけではなく、イ段とエ段、ウ段とオ段のそれぞれ一部が合流してしまっている場合ももちろんあるが、
ある方言だけを見ても元がどちらか判別できる場合は結構多いし、琉球諸語を突き合わせれば祖語でどちらだったかは基本的に分かる。

上記のことを考慮しつつ、現代琉球諸語の祖語の母音体系を再構すると、基本的には中古日本語と同様の5母音になるが、
本土方言では /i/ なのに琉球祖語では /*e/ になったり、本土方言では /u/ なのに琉球祖語では /*o/ になるものが一部にある。
それがペラール説の根拠になっている。

930 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 10:25:49.34 0.net
>>928
方言周圏論みたいな感じだな。

931 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 10:28:14.86 0.net
>>925
日本語の「類」と、琉球語の「系列」対応の具体例

一拍名詞
一類 - A系列 毛・血・帆・実
二類 - A系列 名・葉・日
三類 - B系列 木・酢・手・荷・根・火・穂・目・湯
五類 - B系列 歯

二拍名詞
一類 - A系列 飴・蟻・烏賊・魚・牛・上・風・釜・傷・釘・口・鍬・腰・酒・下・裾・袖・鷹・筒・鳥・西・布・箱・鼻・羽・髭・筆・星・右・水・虫・森・枝・嫁
二類 - A系列 痣・石・歌・音・紙・牙・旅・橋・旗・人・冬・胸
三類 - A系列 実(さね)
三類 - B系列 犬・芋・色・馬・亀・草・雲・米・島・汁・脛・綱・角・面・波・糠・花・豆・耳・山・斧
三類 - C系列 瓶・蚤・浜・骨
四類 - B系列 板・瓜・傘・肩・角・鎌・汁・他・味噌・蓑・麦・藁
四類 - C系列 息・糸・臼・海・中・針・船・箆・末
五類 - B系列 雨・腿・夜
五類 - C系列 影・声・足袋・露・鍋・前・桶

三拍名詞
一類 - A系列 踊り・飾り・鰹・竈・鎖・毛虫・桜・印・畳・隣・寝言・鼻血・祭り・六日・涎・夫
一類 - B系列 車
一類 - C系列 昔
二類 - A系列 二人・三つ・六つ・八つ・四つ
三類 - A系列 黄金・力
四類 - B系列 戦・鏡・暦・俵・袴
四類 - C系列 扇・刀・瓦・昨日・言葉・白髪・硯・筵
五類 - B系列 油・五つ・命・胡瓜・涙・枕
五類 - C系列 蜻蛉・従兄弟・親子・襷・情け・柱
六類 - C系列 兎・鰻・虱・裸
七類 - C系列 蚕・薬・鯨・盥・畑・一つ・一人

932 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 18:35:00.20 0.net
命(ヌチ)涙(ナダ)みたいに琉球方言で拍数が少なくなってる語って
アクセントを考える場合は他の語と一緒でもおkなの?

933 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 19:22:26.39 0.net
>>932
琉球諸語において、上古・中古日本語や現代共通語と比較して
音韻変化の結果拍数が増えたり減ったりしている語はたくさんあるが、
「系列」は原則として保存される。

例えば三拍のC系列の語が音韻変化で二拍になっていても、その方言における二拍のC系列のアクセントで現れる。
逆に二拍のB系列の語が三拍に伸びていても、三拍のC系列語として現れる。

中古日本語の「高起/低起」の区別と、西南九州二型式の「A型/B型」の区別が、拍数が違っても保存されているのと似ている。
琉球諸語のアクセントは、三型式アクセントの振る舞いに近いと言えるかもしれない。

934 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/06(火) 19:29:23.87 0.net
>>931
情報ありがとう。
3拍の六類、七類はいずれも低高?という形をとっていて、これがC系列にしか分類されないことから
やっぱりC系列って基本的に語頭に昇調のアクセントを持っていたんじゃないかな―
本土日本語ではいずれかのタイミングで昇アクセントが名詞から消え、低に合流した。

935 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 20:49:26.63 0.net
>>920
>琉球諸語から西南九州式アクセントが派生した可能性だってあるわけだな。
そこはペラール説の「琉球祖語は9〜11世紀まで九州に在地した」って部分と繋がってくんのかね

どうしても根拠が薄弱なんでまともな学問の俎上に載せがたいんだけど
やっぱりミッシングリンクは隼人なんだと思うよ
隼人語は日本語族であり
琉球祖語とは隼人語であり
九州のいくつかの方言の基層もまた隼人語である
(9〜11世紀まで下るなら「末期隼人語」「ポスト隼人語」と言うべきか)
隼人というピースを入れるとパズルがぴったりはまるんだよね

さらにもっと妄想で補完すると
言語年代学で日琉分岐が紀元前後とか出るのは
弥生化した縄文人=西北九州弥生人の話す「クレオール弥生語(仮)」の成立した年代
西北九州弥生人→狗奴国→熊襲→隼人→貴海国→グスク文化=琉球王国 と時代が下るにつれ南へ遷移した

936 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/06(火) 21:55:35.88 0.net
>>935
> 琉球祖語は9〜11世紀まで九州に在地した
これを、無理に異民族の隼人や熊襲と結びつける必要もないとは思った。

琉球諸語と双璧の日本語姉妹言語に八丈方言があるじゃん。
こいつらは上代東国方言の子孫の説が濃厚だけど、上代東国方言話者は実際に8世紀あたりには関東に住んでいた人たちで、
さらに蝦夷みたいな異民族でもなんでもなく今の大和民族だった。

そこから考えると、西南九州に残存していた琉球諸語の祖先語をしゃべる人たちも
今の九州方言とはつながらない琉球祖語をしゃべる大和民族だったんじゃない?

937 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 22:31:37.53 0.net
そこはいろいろと政治的にも微妙な問題だが
琉球諸語で日本本土を「大和」、日本本土人を「大和人」に対応する語で言うところがキモだと思うんだよ
少なくとも明治までは「大和」の埒外にあると自認していたということ

そもそも熊襲や隼人が厳密な意味でどこまで「異民族」だったのかもわからない
皇室までもが正史において南九州の出自で隼人と同祖だと自ら表明しているくらいだ
大和国家成立の時に統一されずそのまま数百年残った同族の分派だったかもしれない
今となっては歴史の闇の中だが、畿内日本語とさほど変わらない言語(方言)を喋ってた可能性もあるんじゃ?
まあいくら言っても妄想の域を出ないけどねw

938 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:19:18.84 0.net
ヤマトンチュ、ヤマトって言い方はどれぐらい古いのかな?
日本が対外的にヤマトって言ってた頃から、日本に変更する前に、
琉球諸語で日本の謂いとしてヤマトが言われてたのか、
もっと新しい時代のような気もするんだけど。
平安期には、日本の対外呼称は日本になってると思うんだが。

939 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:24:17.14 0.net
途中で書き込みしちゃったけど、続き、
都市国家ローマが領域国家ローマを表すし、
漢中地方から中国統一した漢王朝が漢という領域国家になったけど、
三輪山の東の狭い地域の大和が盆地全体の地域名に、日本列島全体の領域国家名に成長したのなら、
それが対外呼称として使われた時期って、かなり短期間だよね、復古的に江戸時代に大和って言う言葉が、
また国学者が使いだすけど。
比較的、新しい時代の言葉だと思うんだよね、ヤマト、ヤマトンチュって

940 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:26:32.87 0.net
まぁ、2世紀の邪馬台国=ヤマトなら、問題ないけどさ

941 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:27:28.55 0.net
文章を細かく投稿して申し訳ないです、エンター一発で書き込みされる仕様になぜかなってました。
読みづらくて済みません。

942 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:37:40.19 0.net
>>940
板違い。出て行け低脳!

943 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:56:11.79 0.net
>>942
おいおい、さすがにこれは板違いではないだろ。
異民族という認識をもつかどうか、それは、言語的に、民俗的に、同族と認定できないと当時の人間が認識したかどうかっていうのが根底にあるって推測できるんだから。
ウチナーとヤマトが言語的にさほどの差異がない状態の時期、日琉祖語の分岐時には別種族としての対外呼称は生まれないだろうと。
そういう推測が成り立つから、対外呼称の成立時期が日琉祖語の分岐の下限時期よりも新しい時代である証明とはいわないが、
補強材料になるんだから。

944 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 02:07:11.55 0.net
>>938
琉球諸語はそんな大昔まで資料辿れんよ
「大和」ないし「大和人」は、1501年の『海東諸国紀』語音翻訳、1534年の『使琉球録』夷語、明代の『琉球館訳語』、
それに『おもろさうし』にもある。このへんが文献で遡れる最古
ちなみにこの頃「大和人」は「ヤマドピチュ」と発音されていた(中国人や朝鮮人にはそう聞こえた)ようだ。

945 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 02:38:40.46 0.net
>>944
文献資料では1501年が最古なのか、というか、貴方すごいですね、よくそんなことを知っていらっしゃる。
では、琉球諸語で、ヤマト・ヤマトンチュっていう言葉は、各方言で大きな差異はありますか?
つまり、琉球祖語時代に流入したと思われるような差異があるのでしょうか?
というか、調べた人がいるかどうかも判らないニッチな質問してすいません。

946 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/07(水) 17:37:43.69 0.net
いや、隼人が日本語族をしゃべる人たちだっていうんならそれでも別にいいよ。
趣旨としては同じだから。異民族がいつまでどこにいたかって話は、言語とはまた別に議論したほうが良いかと思う。

つーか使用言語と自認する民族・エスニックグループが不一致な場合なんて山ほどあるのに
「言語が違う」ことを安易に「民族が違う」って言ってしまった937がおかしかった。すまん。

947 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 18:19:13.28 0.net
言語が違ってしまうと民族として同一視できなくなるという場合もあるという話してるのでは?
アングロサクソンは古英語時代はブリテン島に渡ったゲルマン人で、
海を渡らなかったゲルマン人とさほどの違いはないのに、
同じゲルマン人だけどもフランス語を使うノルマンフレンチに征服されて、
民族的にはゲルマン人のままでも、使用言語が比較言語学的には同一系統でも、
もう別言語になってしまえば多民族として互いに認識してしまうのはいつだったのでしょう?
っていう話ではないの?

948 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 21:38:33.42 0.net
9〜11世紀の九州のどこかに日本を「大和」とのみ呼ぶ方言があったんだろうか?不思議だね

民族の異同と言語は必ずしも関連しないんじゃないか?
アイルランド人が英語ばかり話してアイルランド語をほとんど話さなくてもアングロサクソンになったわけじゃないだろう
スコットランド人なんかスコットランドゲール語、古英語系スコットランド語、スコットランド英語の3つの「固有の言語」を持っている
世界のピジン・クレオール言語の話者の多くは、複合的だったり曖昧なアイデンティティの持ち主も少なくないんじゃないか

>>938
対外呼称というより、自称の一つとして使われた年代と考えたら
もっと広い年代を取れるんじゃないか
しかも地名や国名、民族名はえてして古い物が残りやすいし

949 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 21:52:26.52 0.net
ちょっと脇道にそれてるから本題に戻そう

>>928
>一方で、ウ段とオ段は母音としては全ての方言で /u/ に合流している。
>奄美語では一部に /o/ が対応することがあるが、前後の環境により、一度 /u/ に合流したものの一部が /o/ に変化したとも言われている。
どうもそれだけでは説明つかない節がある。
第一に、>>279のリンク先のパッパラルド説によれば、奄美の加計呂麻方言と八重山の波照間方言で、共通の語においてオ段がoで現れる。
祖語のアクセント等が関係あるのかもしれないが、現時点ではまだ誰も決定的な理由を説明できていないようだ。
第二に、特に語中の*koがho>oと変化した場合は必ずoが現れる。tokoro>tohoro>to:ro>toro(所)など。
沖縄にもそれらしき例がある。
ttp://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/nkjn/details.php?ID=NK60325
>ヨーネー
>『混効験集』の「よこなひ(乾・時候)」の項に「宵也 やうなひ共」とある。
ちなみにこの語は奄美でもヨネという(奄美から沖縄へ借用されたか??)。

あとどこで読んだか忘れたんでソース出せなくてすまんが、沖縄本島のどこだかの方言でもわりと最近まで
オ段をʊで発音して区別していたとか、伊波普猷か誰かが書いていたような気がした。

950 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 22:19:36.25 0.net
おみ どんごどんて

951 :699 ◆nLORzldheo :2014/05/07(水) 22:44:04.48 0.net
>>918
松森説の意義を、特別に重要視して唱導したい気持ちはわかるけど…

>B・C系列と三・四・五類の間には相当大きな所属語彙のズレがあり、
>三類だがC系列という語彙もいくつか存在するし、
>四類 【  ・  五  類  】 は 『B系列とC系列に【  ほ  ぼ  半  々  】に分かれて』所属している。
(強調処理は俺)

これは言いすぎだよ。5類の系列は明らかにC寄りに偏っており、B所属は少数例外に属する。
「金田一旧通説に対する、松森の問題提起」という段階では、
ABC系列論の独立性は、強く主張されて然るべきものではある。

しかし、松森説が、主流学説として完全承認された現在では、
むしろ、金田一通説から平山くらいまでの旧通説が、系列論を「低起類における類の例外」として片付けた、
その意義(=つまり、従属性を以って理解し得るような偏りがあったこと)が、
今度は裏返しの問題として、無視できないものになる。
松森派(本人ではなく)は、系列を類と対等に並べたいという気持ちが強すぎて、系列を金科玉条にしすぎ。


俺がここに着目するのは、系列と類との間の偏りで、「4類と5類」との間に離隔があることなんだ。
つまり、琉球方言は、4類と5類の区別を、傾向として緩やかに保存していることになる。
松森信者は、系列の独立性にこだわって、「どっちも半々」と強引に主張するため、
皮肉にも、この重大な問題を見落としてしまう。

952 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/08(木) 02:16:05.78 0.net
>>945
大したことないよググれば出てくるし

>では、琉球諸語で、ヤマト・ヤマトンチュっていう言葉は、各方言で大きな差異はありますか?
ヤマトという語自体は各方言で語形に大きな差が付きにくいと思うが与那国ではたしかダマトゥといったはず
与那国で借用語まで強制的に語頭ヤ行をダ行に変えるのかどうか知らないが
もしそうでなければ琉球祖語時代と見ていいだろうと思う
ヤマトンチュは各方言で「ヒト」ないし「〜ビト」に対応する語を後に付けている

953 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/08(木) 21:23:57.57 0.net
>>949
oが残ってる例もあるのか・・・
これで八丈方言みたいに終止形-u、連体形-oの形が残っていれば面白いんだけど
現代語では終止形も連体形も昔のがのこってないんだよね・・・

954 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/09(金) 00:48:28.91 0.net
ttp://blogs.yahoo.co.jp/upoirav/1630854.html
宮古の伊良部方言でも「「お」と「う」の中間音」があって、主にオ段に現れるようだ。
残念ながら連体形の-oは見当たらないが。

955 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/09(金) 21:18:21.89 0.net
こっち見ると、おもろさうしでは雪をyokiって15回くらい書いてたって言ってるな。
http://hal.archives-ouvertes.fr/docs/00/37/33/03/PDF/PJEOEOJ.pdf

上代東国方言ではyo2ki1表記だったけど、これは近畿の人間が聞いたからyo1ki1の間違いじゃね?
みたいなことが書いてた。。。

956 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 03:55:26.20 0.net
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/psycho/1393514224/8
  ↑ ↑   ↑ ↑   ↑ ↑

957 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 06:16:56.30 0.net
万葉集だともう上代仮名遣いの一部崩壊が始まってるか

ペラール説によれば、上代語で Ci1Ci1 という語形を持つ語は、子音を考慮しなければ
日琉祖語で *CiCi/*CiCe/*CeCi/*CeCe の4つの形を想定しうるってことだよね
母音の制限で *i と *e は共存できないとかはあったんだろうか

上代語で *Ce1Ce1 *Ce2Ce2 *Co1Co1 のような語はほとんど存在しない
例外は中部方言で *Ce2Ce2 が残存、古事記のmo1ko1(<裳子か?)、時代が下るが新撰字鏡の「えめむし」、くらいか
日琉祖語から畿内上代語までの間のどこかで、それぞれ Ci1Ci1 Co2Co2 CuCu に変化したのかな?
母音の並びを制限する謎の力が働いて有坂法則を生み出したのか

958 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 18:03:17.26 0.net
西南九州や石川県白峰の方言にも長母音があるが、
琉球祖語C系列(またはその日琉祖語における前身)を起源とする
長母音ないしアクセントの痕跡が残存している可能性はないんだろうか

ttp://jairo.nii.ac.jp/0001/00009313
>九州西南部には長母音のかなり多い方言がある。長崎県
>の島原半島方面から熊本県西南部をへて、薩南の甑島、種
>子、屋久に及ぶ方言地帯がそれである。


http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1324346484/503
> 新田哲夫 白山麓白峰の方言特徴と昔話に見られる方言の語法 (2)
> ttp://hdl.handle.net/2297/23821
> (p.7)
> 桶 オーケ ヲゥーキ
> 鍋 ナーベ ナービ
> 喉 ノード ヌーディー
> 影 カンゲ カーギ
> 虹 ニョージ ヌージ
> 二つ フターツ ターチ
>
> ネットサーフィンしてて偶然見つけたんだが
> 北陸の山奥の方言と沖縄の首里那覇方言で同じ箇所に長母音が現れる語があるんだな
> 偶然の一致か、日本祖語からの継承か、院政期アクセントとの対応で説明できるのかはわからないが

959 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/10(土) 20:52:31.59 0.net
>>958
932の表と比較すると、「影」だけC系列と一致するな・・・
琉球祖語→西南九州方言の流れもあながち無理筋とはいえないかもしれない

思うに699の勘もある程度は正しかったんだよ。
派生方向が逆なだけで、西南九州方言と琉球諸語にはある程度の系統関係はあるはず。

960 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 21:19:16.39 0.net
語中の濁音の前鼻音がなくなる時期に例外的に長母音化を引き起こした名詞があったという可能性。
まずそれを考えねばなるまい。

961 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 21:23:07.19 0.net
ド素人の妄想で申し訳ないんですが、
@ブラスト4(台湾)→A日琉祖語6(不明だが、沖縄経由でなく、中国南部経由で北九州か朝鮮半島)→上代日本語祖語4(北九州〜近畿のどこか?)
                   ↓
                 琉球祖語6(九州南部?)
ということを前提にして、@とAの間での4から6の母音増大なんだけど、
どっかで、AN祖語は北方系と接触して日本語になってるとみるなら、@とAの間に北方系との接触があったと見れば、
それが4母音から6母音の契機(中国南部から北上して満州〜朝鮮半島〜北九州のどこか?)になったってことなのかな?
日本語がクレオール言語という前提でいえば、そうなるよね。

962 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 21:41:45.89 0.net
クレオールだなんていう前提はどこから

963 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 21:51:50.55 0.net
言語が接触したときに母音体系がどうなるかっていうところがブラックボックスなのに、
接触にたよるってのはきついわな。前提が危なすぎる。

964 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 22:20:42.95 0.net
>>926
その場合、三拍はどうなるの?

>>931
三つ・六つ・八つ・四つ って本土古語や琉球祖語では二拍じゃないの?
蜻蛉はあきづ?
話題になってる大和は何類になるんだろ

>>951
三拍名詞ではもっと露骨に偏ってるもんね

>>957
謎の力って何だよw

>>959
鍋と桶もC系列じゃね
あ、九州の話?

965 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 22:41:14.81 0.net
>似ているのは、種子島方言であって、唖・帯・蛇・虹・百舌鳥等の限られた名詞にだけ長い音を使う

首里那覇方言 唖(別語) 帯ウービ 蛇フィーブ(稀) 虹ヌージ 百舌鳥(いない?)

九州でも琉球でも、語頭の長母音には、祖語由来かもしれない本来のものと
二次的にイ段・ウ段音の前で長くなったのと、二種類混じってるんじゃないかな?

にしても>>931だけじゃちょっと少なすぎるな
そもそも琉球諸方言でどの語がどの系列に属するかってのもあやふやな部分があるみたいだね
提唱者の松森氏自身が地域によって異なる系列に属する語があるとか言ってるしw

966 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 23:03:53.68 0.net
日本語クレオール言語説の人は、
日本語とAN語の生きたクレオールの例として、宜蘭クレオールの研究が進むのを待とう
http://www.ninjal.ac.jp/publication/review/0301/pdf/NINJAL-PReview030105.pdf

967 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 23:20:26.36 0.net
グスクって、バイキングのモット・アンド・ベーリーみたいなもんじゃないの?
南西諸島で日本語族の言語が話され始めるのは、稲作が始まるグスク時代以降だと思うんだが

968 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/11(日) 01:41:21.96 0.net
>>967
本当にそうなら先住民がいたみたいな伝承とかあるはずだろうし、言語の基層にも影響を与えてる筈だろ

969 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/11(日) 03:24:18.06 0.net
考古学的にだろうが民俗学的にだろうが通説に反することを事実であるかのように主張するときにこそコテハン付けてほしい

970 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/11(日) 07:57:33.03 0.net
>>964
> その場合、三拍はどうなるの?
単語のはじめが低高の場合、上昇アクセント相当だとみなされた、とかんがえると
六類・七類がC系列しかない事実と符合すると思う

問題は低低低・低低高アクセントのはずの四類・五類にも一部C系列があることで、
こいつの理由はよくわからないや。
低低昇・低昇高アクセントがあったと類推することも可能だけど、
・降アクセントは単語の末尾にしか現れなかった。同様に昇アクセントも単語の最初にしか現れないはず
・降アクセントは三拍以上の名詞に現れなかった。同様に昇アクセントも三拍以上には現れないはず
っていうことを考えると、無理筋っぽいよなー。
誰かここらへん解決できる人いない?

>謎の力って何だよw
有坂の法則を生み出した何かだな。アルタイ諸語の母音調和とかゲルマン諸語のウムラウトとかにも
同類の謎パワーが働いているんじゃないだろうか。

>鍋と桶もC系列じゃね
ホントだ見逃してた

971 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 08:06:04.81 I.net
>>970
上でも書いたけど、有坂法則は母音調和でもアルタイ起源でもないと思う
正確には有坂第一法則なんだけど、これは古い時代には言葉のニュアンスを変える文法要素だったんだと思ってる
AN語で前鼻音化によって言葉のニュアンスを変えてたように、極めて古い時代の日本語ではaとo2を交代させることによってニュアンスを変えてた
その痕跡はpata+i(果て)とpo2to2+ri(辺)のようなダブレットに痕跡が残ってる
有坂法則の中でこの第一法則が一番例外が多いのも、単に三つの中で一番古いからその分崩壊も進んでるんだと思う
だから有坂第一法則に関しては母音調和じゃないと思うし、アルタイ語との接触より前の時代にまで遡る、確認出来る限り最古に近い文法要素だと思ってる

これがあるから俺はペラール説には懐疑的なんだけどね

972 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 16:28:12.94 0.net
>>971
文法というべきかどうか知らないけど、おおむね賛成。

> 極めて古い時代の日本語ではaとo2を交代させることによってニュアンスを変えてた

その通りだと思う。もっと新しい時代にも a : o2 の対比があり (さやぐ : そよぐ、等)、
オノマトペでは現代にも残っている (カラカラ : コロコロ、等)。

a : o2 は原始日本語の根底的な母音対比と思われる。
それを素通りして母音調和とかアルタイ語とか言うのはどうも胡散臭い。

973 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 18:00:28.08 0.net
文法要素というより語彙要素かな

974 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 18:02:03.43 0.net
はて、ほとり以外にはどういう語があるの?

975 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 19:16:20.78 0.net
a/o2以外にはどういう母音の組があるの?
数詞を見るとiとuが組になりそうだが

976 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 20:10:54.70 0.net
i    u
  o2
  a

図にすればこうなるから、i と u もペアになるね。数詞が傍証になるし。
(o2 は a の上ではなく a の「向こう側」に書く方がよさそうだ)
結局は大野四母音だから、嫌がる人もいるだろうな。

977 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/12(月) 20:37:39.11 0.net
>>971
そいつぁ母音交替による造語機能だ。
971で謎の力って書いたやつは同一単語内の同化現象で、また別の話だ。

いや、ひょっとすると有坂の法則っていうのは
第一・第二法則 ... 同一単語内にə/uoが現れるとどちらかに同化される
第三法則 ... əとaを交替することで造語する機能
という別の原理を法則として一緒にしたものなのかもしれない。

第三法則のほうはかなり古くからあるものの一方、第一法則は3世紀(伊都国に柄渠觚さんがいた頃)は
働いていなかった法則みたいだし

978 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 20:51:15.03 0.net
母音の数が少ないのに音節の同化で同音語発生させたらどうするの?という疑問がある。
まあアクセントにたよれるわけだが。

979 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 02:48:58.93 0.net
数詞はなぁ、
 i u

o2 a
なら綺麗なんだけどな。

980 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 02:50:22.55 0.net
あ、半角はスペース一個しか繁栄されないんだよね
 i       u

  o2    a
だったら綺麗な分布なんだけどね

981 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 03:07:12.12 0.net
綺麗だと思うけど……

Fi1to2tu : Futatu   i1 : u  o2 : a
mi1tu : mutu     i1 : u
yo2tu : yatu     o2 : a

982 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/13(火) 05:40:43.90 0.net
母音だけ見ると結構整ってるけど、
>>931のようにアクセントもまぜると「一つ」だけ例外だったりして
何か隠し要素が潜んでる気がするんだよね

983 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 06:48:16.91 0.net
なんの根拠もない妄想開始。
uは村山も言及してるが、大野が平安期まで強い鼻音を帯びていたと。
で、uを村山は鼻音を帯びたuもあったしてと、よくつかってるけど、
aも遡れば、鼻音を帯びたものと帯びてないものに分けれるとしたら、
i : 鼻母音u
o2 : 鼻母音a
とすれば、数詞は綺麗になるよね、AN語っぽくなるし

984 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 11:31:53.57 I.net
>>981
村山説によれば、一(pito2)の古形は上代語にもよく出てくるito2で、putaとの類推でpが付いてpito2になったとする
そして、pito2+tuのアクセントはLHLだけどito2のアクセントはHLで、puta+tu(HHL)と語頭アクセントが一致する
つまりito2を古形と考えれば>>981は母音対応とアクセント共に完全に一致してる

やっぱりこれが最古の日本語の母音体系だったと思うよ

985 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/13(火) 22:25:21.14 0.net
>>984
ちょっとまて

ito2 HL
putatu HHL

ここからの類推で

pito2tu LHL

なんで低起型の単語が生まれてくるんだ、その説はもう少し考えたほうがいいぞ

それにしても古形がito2だっていう話はちょっと興味あるな。
>>891にあるように、一つには「tetu」っていう異系があるんだけど、
itetu→[近畿方言]itətu→pitətu
  →[東国方言]tetu
  →[琉球方言]tetu→titu

なのかも。琉球方言のアクセントがきになるな。八丈方言にはアクセントがないからしょうがないとして。

986 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 00:30:59.83 0.net
琉球では「ふたつ」もta:tsiになってあたまのfuは落ちている。
pitetuを古形にすべきだ。

987 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 02:01:09.17 0.net
>>985
「一つ」は琉球祖語の段階ではまだ*pitotuないし*pitetuとp音が残っていたのは、宮古や八重山で今も残っているから確かだろう。
以下に述べる理由も加味して琉球祖語において「一つ」は*tetuではないと考えられるので、
八丈方言とは互いに独立して同じ変化が起きたか、または琉球祖語より遅い時代の借用か、だろう。


>>929への追加になるんだが、琉球の全域または大部分の諸方言で、
無声閉鎖音が、イ段とエ段、ウ段とオ段の合流に先立って、おそらく「2つに分裂した」と思われる。
すなわち、ア段・エ段・オ段は無声有気非喉頭化音となり、
イ段・ウ段、促音の後、首里方言のti:ci(一つ)やtai(二人)の語頭のような縮約された音節では、無声無気喉頭化音となった。

沖縄中南部を中心とする諸方言では両者がほとんど痕跡を残さずに対立を失って再合流した(一部地域で分裂自体が無かった可能性も否定しない)が、
他の諸方言ではさらなる音韻変化を引き起こして痕跡を残してから合流したり、あるいは今日まで残存したりしている。
沖縄北部や久高、奄美、先島の一部では、前者が一部の語で摩擦音化したり、さらに弱化し脱落する現象が見られる(k>h(>ゼロ)、cj>sj(>s)など)。
宮古で*ku>f(u)、*pu>f(u)など、八重山でも類似の変化が起きているが、これらは後者がさらに変化したものである可能性がある。
現在も与那国、それと沖縄北部や奄美には両者が対立する方言があり(ただし、原則として語頭のみに区別を残し
語中では摩擦音化したものを除きどちらかに合流している方言が多い)、これらの諸方言では普通、「一つ」の語頭音は後者で発音される。
沖縄中南部でも、那覇市垣花や旧久米村で区別が一部残っている(他の方言にもあるかも)ので、同様に発音されるはずだが未確認。

988 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 02:12:53.29 0.net
>>929は面白いね。
平安以降の本土日本語の「5母音」というのも、音素論的には、実はどうにでもなり得るものだったりする。
今の東日本方言は、「4母音」であって、いわゆる50音図における「イ段」と「ウ段」の別は、子音の区別なのだ、
と理解することも、やってやれないことはない。
東京方言だと語頭が例外になるが、茨城以北では語頭単独母音は4つなので、
東北弁の場合、出入りはあるが、(「あい」融合音を除き)4母音として、
音素論的には、矛盾なく完全に説明できてしまう。
こんな話、「あいうえお五十音信者」は悶絶死しそうだけどな。

もちろん、この4母音は、大野4と無関係であることは言うまでもないが、
5を絶対の黄金数と考えないほうがいい、というのは、足許の日本語共通語ですら言えること。

989 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 02:53:53.83 0.net
i,uが支える子音だと喉頭化するというのはどういう音声上の理屈からなの?

990 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 03:15:08.68 0.net
>>989
横レスだけど、多分次のような過程だと思う。

狭母音が無声化→完全脱落=頭子音の複数→支えられずに摩耗→閉鎖だけ残り咽頭へセットバック→咽頭化

狭母音の無声化は、通常子音の側では口蓋化を随伴して、調音点が手前へ出てくるんだけど、
これは調音点が狭まることでもあるから、口蓋化ではなく、閉鎖音化という方向性もあり得る。
そして、閉鎖音の成れの果てが咽頭音で、調音点は逆にセットバックすることになる。


「語頭の入声音」というか、「朝鮮語の濃音の成り立ち(通説)」に似てるというか何というか。
母音が潰れた時、閉鎖音を好むのは、広い意味で、西南日本的だとしみじみ思う。
東日本だと、外破を開いたままにするが、西日本は折りたたむ傾向が一般に強い。
そういえば、九州の一部では、kwがpになる地域「関白=ぱんぱく」があるよね。
宣教師文献にあるので、桃山時代に遡る。

991 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/14(水) 06:59:06.68 0.net
対馬(tutsma)や末盧(matra)のような語も、古い子音重複の名残だと思ったけど、実はi、uの無声化ないし脱落かもしれんなー。
語源的には津+島、松+浦で完全に説明つくし。

>>987みるとito2説はポイーかな。
アクセントが変わってるのは、さらなる古形の残存ということで。

992 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 09:46:26.90 I.net
>>991
むしろ琉球諸語が日本語で一を意味する言葉がpito2に変わってから分岐したという根拠だと思うんだけど
一(pito2)と語幹を共有する言葉には「ひたすら」「ひたむき」や「等しい」などがあるし、pita〜pito2が語幹であるこれらの単語の意味から見てpito2がito2と同源なのは明らか
ましてやito2は母音だけじゃなくアクセントまでputaと一致するし、余程の根拠がない限りito2が古形であることを否定するのは無理がある
そしてこれが否定されない限り、日本語に例証される最古形の母音体系は大野説の4母音だということになる

993 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 16:39:06.65 0.net
>>992
「ひたすら」「ひたむき」のヒはたしか乙類じゃなかったか

>>984
それならpito2-が高低でputa-が高高だからアクセント一致してなくないか

>>978
それはあるよね
セム語やカフカス諸語みたいな子音が豊富な言語じゃないんだからさ
アクセントに頼るだけじゃ、歌を歌う時とかどうすんだってのもあるし

>>970
>・降アクセントは三拍以上の名詞に現れなかった。同様に昇アクセントも三拍以上には現れないはず
低低降や昇低低があったんでは


というか、そもそも論として、単一の「琉球祖語」は本当に存在したんだろうか
九州にいる間にかなりの方言分化を経てから各集団がバラバラに南西諸島に移住してきたとしたら?
グスク時代から約1000年で方言差が激しいのも一つはそういう理由かもしれない
さらに先住民族がいたはずだから九州方言とのクレオール言語ができたのかもしれないし

994 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 16:45:15.90 I.net
>>993
沖縄に先住民族はいないよ
先島諸島には台湾から北上してきたAN民族がいたけど、それ以外の琉球列島は九州から縄文人が来るまで無人だった
だから先住民族の言語の影響を探るなら先島諸島の言語に対象が限定される

995 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 17:03:33.82 0.net
先住民族がいれば言語接触は起こりうるが、
なぜそれをピジン・クレオールに限ろうとするのかがいつも不思議。

996 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 17:08:50.51 0.net
次スレたてました。

上代特殊仮名遣い 三音目
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1400054868/

997 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 21:57:53.89 0.net
思いつきだけど
日琉祖語にあるという*eと*oも
*a/ə, *u~/*i~(鼻母音?), *o/*u, *e/*i みたいな感じで
*iや*uと母音交替してたんじゃないかな?
上代畿内でiやuと合流して消えたのは母音交替自体が廃れたから

>>994
じゃあ沖縄の縄文人が琉球祖語話してたのかよ?さすがにそりゃないだろJK
さほど大昔でもない平安〜鎌倉頃の文献でも鬼界が島だの食人国だの言ってたんだから
何かしら先住民族がいたような記憶があったんじゃないの?
沖縄では大昔を「裸世」というらしいね

>>996

998 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/15(木) 00:33:41.15 0.net
            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,,,,,,,,,  <  いくわよネジ
    |;;;;;;;;;|   \________________
    |;;;;;;;;;|
   ノゝ・_・) _√ ̄i_  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ノノ'"'πヾ(゚Д゚ ) < オチゆーな
  _ノノU;;;;;;;| ノ# ̄ヽ   \_____________
 |__|];;;;;;;;|ノ__#_ヾ

埋め、999だけに

999 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/15(木) 00:36:48.80 0.net
               ┌┐                                ●●●
    人          ││                              ●\  ●\
   ノ二\  ナ ゝゝ   V                 ●●●        ●\     ●\
     /   / 乙 つ  O               ●\   ●\      ●\       ●\
                  ●●●        ●\      ●\    ●\       ●\
                 ●\   ●\      ●\      ●\    ●\        ●\
       ●●\     ●\     ●\    ●\       ●\   ●\        ●\
        ●\    ●\      ●\    ●\       ●\    ●\       ●\
        ●\    ●\      ●\    ●\      ●\    ●\     ●\
       ●\    ●\       ●\    ●\      ●\      ●\    ●\
       ●\    ●\      ●\    ●\     ●\        ●●● \
      ●\     ●\      ●\      ●\   ●\           \\\
      ●\     ●\     ●\        ●●● \
     ●\      ●\   ●\           \\\
     ●\        ●●● \                              ┌┐ ┌┐
    ●\          \\\      ┣━┳┃┃      ┃          ││ ││
   ●●●\                      ┃   ┃┃┃ ┣┓ ━╋ ━╋  V   V
   \\\\                     ┛     ━┛ ┃   ┏┫ ┏┫  O  O

     ∧∧   )      (´⌒(´
  ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;
      ズザーーーーーッ

1000 :2ch.net投稿限界:Over 1000 Thread
2ch.netからのレス数が1000に到達しました。

総レス数 1000
485 KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver.24052200