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上代特殊仮名遣い 二音目

1 :名無し象は鼻がウナギだ!:2012/06/23(土) 20:31:32.19 0.net
前スレ:上代特殊仮名遣い
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1305988303/

立てた

247 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/19(土) 17:22:02.91 0.net
時代別国語辞典の上代編に、裸のオは乙類のオではないかという新説がある、と紹介されてますが
それについてのその後をフォローしたいんですが、何を読めばいいでしょうか?

248 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/19(土) 17:23:11.89 0.net
>>128
手話言語があるので、音を持たない自然言語も普通にあるよ
上代日本語がそうだってことはまずないが

249 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/19(土) 18:47:18.91 0.net
>>247
あの辞書が出た頃は新説だったのかな?
俺はア行のオはふつうにオ乙だと思ってるけど(大野四母音から考えて)。
その後については俺も知りたい。

250 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/21(月) 14:59:04.92 0.net
オ段の甲乙は円唇音かどうかの違いじゃないかという可能性から考えて
オとヲが本来はオ甲乙だったんじゃないかと疑っている
そうすると一応、全行埋まるんだよな

251 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/01/24(木) 08:40:19.61 0.net
もし全てのオ甲がuaからの縮約で生まれたんならオ甲は存在せずにワになっててもおかしくないけど、
オ甲のソースがuaだけかってのには疑問が残るな。

それとは別に/wʌ〜wə/→/o/って変化は普通に起こりそうだから、
そういう意味では平安初期のオ/ヲ対立が非円唇/円唇ってのはまるきり無いわけでもないかも。藤井じゃないがw

252 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/02(土) 20:19:36.02 0.net
重いので注意
オックスフォードの上代日本語コーパス
ttp://vsarpj.orinst.ox.ac.uk/corpus/ojcorpus.html

ここでは甲類のエがヤ行のエ(ye)として扱われてる
今の説ではそうなの?

253 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/05(火) 11:05:40.10 0.net
>>252
重すぎるわ、適度にページ分割せんかい、ボケって英語でメールだしといて。
フリーズしてもうたやないかい

254 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/05(火) 15:20:39.05 0.net
ためしにダウンロードしてみたら8.8MBあったぞ

255 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/05(火) 22:13:08.57 0.net
万葉集や記紀歌謡をちゃんと全部甲乙ヤ行エかき分けて書き下してるのって始めてみた

というか、むしろちゃんと書き分けるのがデフォじゃないのがおかしい

256 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/10(日) 23:58:56.23 0.net
エと江はちゃんと書き分けてあるが(エの元は江だから、よう考えるとこの書き方おかしいな)
セがseになってたり甲乙をwi,ye,woで通してたり何か変
仮にye,woは妥当だとしても、なら残存した行からしてiは"yi"でしょ

257 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/12(火) 00:25:24.79 0.net
ダウンロードしてみた。
>>252 ありがとう。

このファイル、中身がダブってるのかな。
試しに比賣とか比古とか検索してみたら
古事記歌謡も万葉集も同じ個所が二度ずつ出てきた。

i乙をwiと解釈するのは初めて見た。
考えられる解の一つだろうね。大勢とは思えないけど。
(yi : i、ye : e、wo : o という解釈の方が、少なくとも
上代特殊仮名遣い消滅直前のシステムとしては自然に感じられる)

ファイルが大きすぎるので、古事記歌謡1ファイル、
万葉集は巻ごとに1ファイルというふうに少しずつ分けて
テキストファイルにコピーしてみた。

ところがこれでは漢字の部分とローマ字の部分が分かれてしまって
一行にならない。EZHTMLというソフトを使ってテキストファイルから
htmlファイルに作り直そうとしているが、まだ1ファイルもできない。
万葉集20ファイル完成するのはいつのことやら。
だれかがメールを出してくれるか、先方に気が付くやつがいて修正
してくれるのを待つ方が早いかね。(当方他力本願なので)

ともあれ本来デフォルトであるべき甲乙分別の資料がほとんどない
のだから、やはりありがたいことだよ。
教えてくれた >>252 さんに感謝!

258 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/12(火) 05:37:24.51 0.net
記紀歌謡なら甲乙付いてるのあるよ。
ttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/syokiuta.txt
ttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/kojkiuta.txt

259 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/12(火) 23:59:51.14 0.net
>>258
ありがとう。

260 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/13(水) 04:08:11.32 0.net
eは基本乙類という認識なのかな?

>>257
初心者の自分の質問が、逆に役に立ったのなら
ありがたいです。

>このファイル、中身がダブってるのかな。
或伝 みたいな多少違うテキストも全文載せてるので、それのせいかもしれません


>i乙をwiと解釈するのは初めて見た。
どこでみたのか思い出せませんが、日本人学者の中にも
乙類をwi的にする説があるという解説を日本語で読んだ記憶があります
(見つけたら報告します)

261 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/13(水) 04:35:48.01 0.net
>htmlファイルに作り直そうとしているが、まだ1ファイルもできない。
ブラウザの”ソースを表示”などで、HTMLの形で落としてみてはどうでしょう?

262 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/13(水) 23:47:04.01 0.net
>>257
どうなんだろ。五十音に執着しすぎじゃね?
歴代スレで、繰り返し論じられる古典的問題だけどさ。

音声的に[ji]が存在しなかったのは、これは無論確実だけど、
音素的にも、/ji/(/yi/)は、上代語には存在しないんじゃないの?

現代語(共通語または東京方言)でも、「思う」を例にとって、
omowa naiなのに、omoWI masu, omoWU, omoWE ba, omoWE, omoWoH
だから、「い」「う」「え」「お」は、音韻的にワ行であってア行ではないのだ、
という人はまずいない。

263 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 01:43:18.16 0.net
というか/ji/は不安定というか無理のある発音すぎる気が
よく母音の違いじゃなく子音の口蓋化じゃね?という話がこのスレでも出るけど、
イ段の口蓋化は発音しにくくて、エ段の口蓋化と同程度まで生き残れるとは思えない

264 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 15:49:42.68 0.net
イ段は口蓋化がデフォで口蓋化しないほうが発音しにくいんじゃね?

265 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 23:32:10.60 0.net
>>252作った人と思われるFrellesvigはイの甲類を音声的にyiと考えてるみたいだね。
http://vsarpj.orinst.ox.ac.uk/corpus/corpus.html#display
http://namakajiri.net/nikki/old-japanese-reconstructions/

森博達とかは、乙類をiとしてたけど、これって中舌から前舌への動きといってるんだよね。
yiみたいなもんじゃね?

266 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 23:47:51.01 0.net
http://vsarpj.orinst.ox.ac.uk/corpus/corpus.html#display
http://namakajiri.net/nikki/old-japanese-reconstructions/

http://www.amazon.co.jp/gp/reader/0521653207/ref=sib_dp_pt#reader-link の読める所とhttp://ci.nii.ac.jp/naid/110009479840の書評を合わせると

語中の音は有声音化、濁音と清音の区別は、現在の東北弁や九州弁と同じく鼻音と前の母音の鼻母音化で弁別。
エは乙類エが基本でayかey、甲類エはye。
サ行音はサtsa、シshi、スsuかtsu、セshe、ソ甲swo、ソ乙tso
Frellesvigの復元的には、音声はこんなかんじになるんだろうか?

紫草能 muradzagyi no
尓保敝類妹乎 nyibob-yeru yĩmo wo
尓苦久有者 nyigu-gu arãmba
人嬬故尓 pyidõndũma yuwãynyi
吾戀目八方 waray kwobwĩ-may ya mo

語中で有声音化とか鼻音の前が鼻母音化とかどの範囲だかわからんけど。

267 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/14(木) 23:55:58.38 0.net
ムラヅァギュィ ノ ニュィボビェル ユィンモ ウォ ニュィググ アランバ
ピュィドンドゥンマ ユワインニュイ ワライ クゥォブィンマイ ヤ モ

268 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/15(金) 02:54:27.29 0.net
>現在の東北弁や九州弁と同じく鼻音と前の母音の鼻母音化で弁別。
東北と九州(と沖縄)にモーラがないから、
上代日本語はシラビーム言語だった、みたいな話だな。

シラビームって正直良くわからんが
東北の人に音で区切って書いてみてください、といった場合
学校で習ったとおり、「ン」も区切って書くよな。
つまり、シラビームってのは、当事者の意識じゃないんだろ?
何が基準になってるんだろう。

269 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/16(土) 21:32:56.74 0.net
エ乙がay,eyなんだったら
アの字とイの字二つで一音に当てて書いている例があってもいいようなものだが
それはあるの?

270 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/17(日) 21:10:49.48 0.net
wa wi we wo ya yu ye yo(甲)yo(乙)も二つの文字で表してる例がないなら、それも不思議じゃないんじゃない?
そもそも漢字自体が三重母音とかでできてる一音節も一文字で表してる文字だし。

むしろ二重母音じゃない説ってあるの?
いや、母音音声復元の根拠って、森博達の以外知らないけど

271 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/03/17(日) 21:13:14.54 0.net
kamu+i(甲)→kami(乙)
ama+i(甲)→ame(乙)

って説ならあったはず

272 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/04/13(土) 11:27:42.68 0.net
波照間方言では、キ甲と、ク+イに由来するキ乙と、コ乙+イに由来するキ乙の3種類がそれぞれ区別されてるみたいだね。
沖縄方言だと、キ甲と、ク+イに由来するキ乙が合流して、コ乙+イに由来するキ乙は区別される状態のようだ。
首里方言で、月(ツキ乙〜ツク)がツィチなのに、木(キ乙〜コ乙)がキなのはそういうことらしい。

273 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/04/18(木) 07:25:27.59 0.net
>ク+イに由来するキ乙と、コ乙+イに由来するキ乙

そもそも、上代語でこれの区別がはっきり判明している語ってあまり多くないんじゃないか?
クが茎、月、槻、尽く、コ乙が木、起く、ガ行まで入れても、グが過ぐ、くらいか。
少ない例からあまり敷衍して考えるのはどうなんだろう。

しかも木は上代東国でケ乙、沖縄の古語でケだから例外っぽいし。

274 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/04/21(日) 13:16:22.01 0.net
>>272
波照間方言では具体的にどんな語形になってるの?

275 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/04/26(金) 21:14:54.77 O.net
形態論的に論じてるの松本氏以外にありませんか?

276 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/05(日) 08:12:35.63 0.net
イ列の甲乙の別は、実はずっと後まであったのではないか。
四段活用動詞の連用形が音便を起こすのに対して、上二段活用動詞の連用形は音便を起こさない。

付き1て→付いて 尽き2て→×尽いて
嗅ぎ1て→嗅いで 過ぎ2て→×過いで
会ひ1て→会うて・会って 強ひ2て→×強うて・×強って
飛び1て→飛うで・飛んで 伸び2て→×伸うで・×伸んで

万葉仮名から平仮名・片仮名に移った時、清濁の書き分けをやめたのと一緒に、
甲乙の書き分けもやめて、文脈任せにしたとは考えられないか。

277 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/05(日) 19:55:38.60 0.net
>>276 「つきたち (<つき2たち、月立)」→「ついたち」の例もあるからそれは違うだろう。
動詞の音便形は、イ列の甲乙の別のあった時代に既に型が決まっていたが、文献には現れず、
文献に現れるようになった平安時代には、新しい音便形は作られなかった、
ただし動詞以外はその限りではなかった、と考えるべきではないか。

278 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/07(火) 03:02:05.59 0.net
活用形はあくまで活用形だからね
他の品詞と異なった音韻変化をすることもありうる

279 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/11(土) 17:41:37.68 0.net
>>274
琉球方言新資料を用いた上代特殊仮名遣いの検討
http://www.academia.edu/1989545/_Reconsidering_certain_manyogana_distinctions_a_new_perspective_based_on_evidence_from_Ryukyuan_dialects_

キ甲
/sɨnu/ (着物)
/sɨmu/ (肝)
/sɨkuɴ/ (聞く)
/ɨsɨ/ (息)
/sasɨ/ (岬)
/basɨ/ (脇)
/sɨnu/ (昨日)

キ乙(コ乙+イ)
/kiː/ (木)
/ugiruɴ/ (起きる)

キ乙(ク+イ)
/sɨkɜɴ/ (月)
/sɨkɨpinʦɨ/ (月日)
/kɨsɨ/ (霧)
/hukɨ/ (茎)

280 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/13(月) 12:12:05.74 0.net
9月20日 18:00
猫を虐殺! 川崎市エリート職員を逮捕(夕刊フジ)
 猫虐待で川崎市のエリート職員が逮捕−。猫の体に粘着テープを巻き、
身動きがとれないようにして衰弱死させたとして、
警視庁蒲田署は20日、動物愛護法(虐待)の疑いで川崎市建設局用地第二課主査、
上原宏之容疑者(38)=東京都大田区西六郷=を逮捕した。

 調べでは、上原容疑者は今月9日ごろ、大田区仲六郷の区立仲三児童公園にいた
猫を捕まえ、胴体に粘着テープを巻き付けて自分の車に閉じ込め、
約1週間にわたり水も餌も与えず死なせた疑い。
猫の死骸(しがい)は近くの小学校の校庭で発見された。

上原容疑者は「仕事でストレスがたまり、イライラしてやった」
などと供述しているという。
現場付近では9月3日以降、衰弱死した猫7匹が見つかっており、
同署で関連を調べている。

 上原容疑者は明治大学政経学部経済学科卒業後、昭和62年に川崎市職員となり、
清掃局や宮前区役所を経て、平成13年から建設局に。
今年4月、主査に昇格していた。

 同市建設局では「非常に優秀な人材で、このような事件を起こすとは
想像もつかない」と話している。

Copyright 2002,TheSankeiShimbun.

281 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/05/23(木) 19:47:12.03 0.net
琉球方言は上代特殊仮名遣いを反映していないんじゃなかったか

282 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/02(日) 22:27:46.08 0.net
反映してるという説は結構昔からあるはず。

奄美方言にオ段の甲乙が反映しているという説もあったが、
そちらは上代特殊仮名遣いの反映ではなく、特定の音韻環境でウが弱化したということだったと思う。

イ段の甲乙については、沖縄方言のキの例が有名だけど、「木」「起きる」のような例外があって、
それに対して「ウ+イ」由来と「オ乙+イ」由来でさらに区別することで説明できるというのが最近の説。

283 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/04(火) 09:27:11.28 0.net
手斧(テウナ)がテオノの音変化と聞いてマナコとかにある母音調和説を思い出したんだけど、
この変化って起こった時期とか既に分かってるの?
もし上代以前からの発音でかつ上記の説に従うとしたらオ乙がより古くは2つ以上の異なった母音に遡れることが言えないかなと思ってみたり
ただ、そこまで古いんなら被覆形になってた方が自然だと思うんだけど...

284 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/06(木) 21:50:57.39 O.net
係り結びて当時は口語だったのかしら

285 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/08(土) 22:36:02.50 0.net
もちろん口語だった。会話文にもたくさん出て来る。

286 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/09(日) 21:19:32.62 0.net
八丈方言や琉球方言の口語にも係り結びが残ってるしな。

287 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/09(日) 21:25:14.19 0.net
今の言葉のどこかに係り結びは残りこそすれ、消えることはないと思う。

288 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/06/15(土) 14:10:13.28 0.net
 
甲骨文字は、日本の「アヒル草文字」が原型となっている、と推測できます。
【 古代文字(神代文字)便覧 】
http://kodaimoji-binran.blogspot.jp/
 

289 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/07/10(水) NY:AN:NY.AN 0.net
>>283
ちょっと調べた限り用例は江戸時代以降のものだから上代特殊仮名遣いとは連続しないだろう。

発音上は、テウォノ→テオノ→テョーノ→チョーノ(表記上は「てうの」)だろうし

290 :国語学者:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN 0.net
>>260
i乙をwiと解釈するのは、安田尚道「上代語の母音はいくつあったか」(学燈
社『国文学』昭和57年12月号)によれば、菊沢季生が述べているという。
これは、菊沢(1935)『国語音韻論』のことで、p.138に見える。

291 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/07/25(木) NY:AN:NY.AN O.net
ストラスティンによればツングース語の祖形はCVCに遡るが、日本語の根幹部分である四段動詞の語幹はCVCという形をしている
更には上代日本語には母音調和の痕跡も存在していて、チュルク語やツングース語などと共通する
上代日本語の形容詞は名詞的な品詞であり語形が変わらないが、形容詞が語形変化しないのはモンゴル語やツングース語の顕著な特徴の一つ
(ただし、形容詞のアクセントは名詞より動詞に近い)
流音が語頭に立たない点も他のアルタイ諸語と共通してるし、更にはモンゴル語とツングース語は遡れば日本語と同じく開音節だったと推定される

以上のことから日本語がアルタイ語族の一員であることが強く示唆されるけど、だとしたらどのような経緯を辿って日本語はアルタイ語族から分岐したのだろうか
上に書いたように日本語の文法要素は明らかにアルタイ語族起源だけど、上代特殊仮名遣いも含めた上代日本語の音韻体系は結構アルタイ語と遠いよね
日本語の語彙のかなりの部分はAN語起源と思われるから日本語はAN語の単語を大量に借用したアルタイ語だと思うけど、日本語の音韻はどう変遷したんだろう
AN祖語は4母音体系だけど、AN語族の中には4→5の推移で5母音体系に形を変えた言語もあるから、それも参考になりそう

292 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/13(火) NY:AN:NY.AN O.net
あげ

293 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/13(火) NY:AN:NY.AN 0.net
さげ

294 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/17(土) NY:AN:NY.AN 0.net
母音融合を起こした直後の母音体系はこんな感じか。開音節だったと考えると、
もしかしたらスラヴ祖語みたいに鼻母音もあったのかもしれないな。
i(i1)[i](イ甲) y(i2)[ɪ]<[ɨ](イ乙) u[u](ウ)
e(e2)[əĕ]<[e]?(エ乙) ъ(o2)[ə](オ乙) o(o1)[o](オ甲)
ě(e1)[e]<[æ]?(エ甲) a[ɑ](ア)

母音調和を考えると母音融合以前はこんな感じだったのかもしれない。
陽母音:o(o1)[o](オ甲)a[ɑ]か[ɔ](ア)u[u](ウ)
陰母音:ö(o2)[ø](オ乙、エ乙がないなら[e]かも)ä(e1)[æ](エ甲の一部)
y(i2)[y](イ乙の一部)
中立母音:i(i1)[i](イ甲)(e(e2)[e](エ乙の一部))

>>41
イ段とエ段の甲乙がある時期に「ロシア人にしか聞き取れないレベルでの
口蓋化」の有無による弁別だとしたら現在の日本語の拗音と類似しているのに、
現在の日本語の外来語以外で区別する段としない段が逆だというのが気になるな。
タ・ダ・ナ・ラ行での甲乙の統合から口蓋化の有無による弁別がイ段では口蓋化、
エ段では非口蓋化して消滅していく一方、漢語の流入によってア・ウ・オ段で
新たに拗音が誕生し口蓋化の有無による弁別自体は別の段で生き残った。
また、セはそれ以前に統合したことで最後までエ段の非口蓋化から取り残されたということかな。

295 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/22(木) NY:AN:NY.AN O.net
過去スレで8母音体系を奈良時代に持ってたのはかなり限られた地域に限られるんじゃないかという意見があったが、これはなかなか面白いと思う
8母音の区別は現代の諸方言では跡形も無く消滅していて、現代の方言のみを使って日本祖語を再構しようとしても8母音を再構するのは不可能だろう
では何故8母音の痕跡を僅かなりとも残してる方言が一つも無いかと考えた時に、そもそも8母音体系は上代の奈良の辺りにしか無かったのではないかという議論は成り立ち得るんじゃないか?
事実、万葉集などから導かれる上代東国方言は5母音体系だ
8母音説の消極的根拠の一つに「8母音体系の前にあったと推定される4母音体系から現代の5母音体系は直接導き出せない」ということが言われるが、>>291氏が言及しているように南島語には祖語の4母音から5母音に変わった言語が実際にあるんだよね
南島祖語の母音はa,i,u,eで、これは上代日本語のa,i,u,o2に対応するから母音の音韻はかなり近い
だから、4母音から5母音への変化が決してあり得ないとは俺には思えない
正しかったとしても証明は出来ないだろうが、大半の方言では4母音から5母音に直接変わったが、上代奈良方言などの少数の方言でのみ8母音に変化したと考えることに何か問題はあるだろうか?

296 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/22(木) NY:AN:NY.AN O.net
そしてこれは上代特殊仮名遣いとはあまり関係が無い話だが、ハ行転呼は何故起こったのだろう
ハ行転呼という現象は本土との交流が地理的に隔絶されていた琉球方言や八丈方言などを含むあらゆる方言で起きていて、一つたりとも起きなかった方言が存在しない
だが、朝鮮漢字音は日本では失われたpの音を現代に至るまで1500年も保っている
となれば日本語にハ行転呼を必然とする何かがあったと考えるのが自然だが、一体ハ行転呼が起きた理由は何なのだろうか

これは更なる余談になってしまうが、断片的に再構される三国時代の新羅語と高麗語の間にはあまり差が無いし、変化が非常に激しいとされる朝鮮語も高麗時代までは比較的安定していたんだろうな
高麗時代の後期に大母音推移が起き、それからは現代に至るまで非常に激しい変化を続けることとなったが

297 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN 0.net
昨日の夕方から酒呑みながら、民俗学にちょっとはまってる人と、ちょっと論争になって、ケガレはケ(気)+カレ(枯れ)でケガレだ。
日常のケ→ケガレ→ハレの構造的循環がみたいな話をしてたんだけど、
ケは乙類だからそれはないって言って、八母音の説明を軽くして(上代特殊仮名遣いすら知らない人だった)、
乙類のケは、後ろに動詞が来て融合したら、カガレになるはず、
サケがサカモリ、サカヅキ、サカヤになるように、そうなるはずだ。
って言ったら、ケギ(普段着)、ケツケ(毛つけ・田植えとかのことらしい)、ケビツ(米櫃)とかいう言葉があって、
カになってないじゃないって言われて論破された。
けど、おかしいよね?ケ+カレでケガレって。

298 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN 0.net
その話で相手の「ケガレ=気+枯る」を否定するだけなら、土俵を語義に持ちこむのがよいと思う。
けがれるというのはあるものに異物が入りこむとかよくない状態になるというニュアンスを持っている。
一方枯れるというのは、植物が生気を失う、一部分が死ぬという意味だ。
そして気(け)は、雰囲気、生気。よって気+枯れるという語が仮にあるとすると、
その語は「元気がなくなる」とか「霊力が衰える」とかそういう意味になるはずだろう。
だがこれは汚れるの意味とは明らかに異なる。たとえば月経は伝統的にケガレに含まれると思うが、
上代以前の人間が血が出る=生気の欠如とみなしたかというとそうではないだろう。

こういう趣旨のことを話せばよい。

299 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 15:11:48.25 0.net
エ乙とかイ乙でも必ずしも被覆/露出形の対立を持つとは限らないでしょ。
語義についても結構変化しやすいし、今のところ完全に否定はしきれないと思う。
というか、気の読みとしてのケは基本音読みだからハレとケのケに気の字を当てるのは誤解を招きやすいんじゃないかと。

とはいえ、この手の話はどうしても単なる語呂合わせになっちゃいがちだから、
言語学的な見地からきちんと慎重に検討するべきってことはちゃんと認識してもらうべきだよね

300 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 22:52:24.88 0.net
ケガレのケがケ甲ならその時点でその語源説は破綻するが、
ケ乙なら反論不可能じゃないかな。ケガレって万葉仮名であると思うが。
調べてみないとわからないな

301 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 23:18:22.59 P.net
>>297
反論だとしても、もう少し練らないとww

・まず、前提作業として、気の漢字音「キ」の転訛との区別を精密に行う
・その上で、けがれの「け」が、上代仮名遣いで乙類であることを確定する
・さらに、音韻法則から、*ka-iという形を説得的に提示する
・本論として、「香」(か。ka)の分布と照らし合わせながら、語根としてどんな音があり得るか検討する

このような議論を丁寧に始めると、民俗学者は、十中八九、見る見る顔を曇らせるけどね。
こういう精密な議論は「想像力を奪うから、大嫌い」なんだとさ。
あいつら、言語学者より、むしろ宗教家に余程近いメンタリティの持ち主で、
「神」の語源は「火(か)」と「水(み)」なのだ!だから神棚に火と水を供えるとき、神々は降臨するのである!
と著書に記した、ある有名風水師と発想は同じ。
宗教家が一番嫌うものの一つが、実は言語史なんだ。
彼らからすると、学問的復元音なんて、宗教的インスピレーションを台無しにする、無粋極まりないものらしい。
そして、なぜかこの発想とそっくりの発想を、論理的学問であるはずの民俗学者が継承する例が大変に多いw

302 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 23:46:09.34 0.net
民俗学でいうケガレのケは気の漢字音じゃないよ。気って漢字で表現されることが多いけど、
食べ物のケ、髪の毛のケ、食物のケ、で生命エネルギーを意味するものだそうだ。
朝餉のアサゲのケ(ゲは後世に濁音化したもの)、夕餉のケ、土産(お宮でもらうお下がりのケ)のケ、宴(ウタゲ、歌を詠む場での食事)のケ、
これらは食とかいう字であらわされて、乙類のケだ。
これが、枯れる状況がケ+枯れるでケガレになったというのが、民俗学での通説(といってもいいらしい)なんだ。
おかしいと思うんだけど、ここ半世紀ぐらい反論らしい反論はないみたい。
民俗学と国語学は隣接学問だと思うんだが、反論されてない以上、反論しきれない?
正しいと立証はできていないが、間違ってると立証するのは不可能なんで通用してる状態なのかな。

303 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/01(日) 23:53:54.10 P.net
>>302
>食べ物のケ、髪の毛のケ、食物のケ、で生命エネルギーを意味するものだそうだ。

民俗学の本体は、この信じられない粗雑さなんだよなあ…
本当に、言霊と称して日本語の語呂合わせに熱中する、一部の新興宗教の教祖と同じ。
このスレにいるような人なら、ごく初歩的なネタとして、民俗学オカルトの「予洗」としての腑分けは出来ると思う。
食べ物は乙種のケで、*kaiつまり本体は*ka。動詞「噛む」との関係も含めて検討する必要あり。
髪の毛の「毛」の復元音は、*k@iで、こちらは「木(キ乙。*k@)」と深い関係が疑われる(俺は同じ起源と理解している)
木と毛は本当に同源で、おそらく、「にょきにょき生えてくるもの」が原義。

304 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 00:12:01.63 0.net
>>303
けど、日本民俗学の祖、柳田國男は国語学者の金田一さんの師匠で、
柳田民俗学の民俗学的資料集めと、国語学の方言学のインフォーマント調査は同じインフラを使ったというか、
柳田さんの調査方法を引き継いだものらしいんだ。
いや、民俗学をちょっと調べてるんだけど、反論不可能なんだよね、ケガレ。
あと、噛むと食べ物のケは同じというのは、南島語を調べた泉井久之助も似たような議論してたような、どっかで、
あと、村山七郎が南島語で*ka食べることってしてて、ウナギと関連付けたりしてるんだけど、
安本美典が、南島語の植物語と日本語の身体語との関連を、
葉と歯、芽と目、木と毛でやってるんで、そこは食べ物のケと植物のケは同語源になってもおかしくないような。
まぁ、安本さんは統計学で有意義と認定されるって言われるとどうも数学しらんので反論できないんだが。
で、いろいろ調べてるんだけど、どうにも反論の立証はできないんだよな。

305 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 00:28:56.62 0.net
ケガル、ケガスのケの甲乙は不明。
ケ乙 (気) は、上代語では、「火気(ほけ)」「塩気(しほけ)」のような接尾語であり、
「気(け)-」という形の語は認められない。「気-枯る」という分析は難しい。

306 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 00:34:57.18 P.net
いっちゃ何だけど、安本の「統計学」は、わざと悪用している嫌いがある。
言語史の「閉じた因果性前提」の議論とは、別物の方法をわざとまぜてる。

論理的批判としては、青森のごった煮の「け」つまり*kaと、髪は長〜い友達wの「け」*k@は、
少なくとも統合不能な別単語だ、というところで、彼らの主張する「ケの原義は生命エネルギー」なる概念が分断される。
言語とは、「ある音色の列と、ある概念の、1:1の連関」なのだから、これで反論は果たされる。
その上で、*kaについて、「香り(*ka)」「嗅ぐ(*ka-~-k-)」「風(kaze)」などとの関係を検討しつつ、
「香(いわばプシュケー)が無くなった」のが「穢れ」なのだ、と解釈するのならご自由に、といったところだろうな。

307 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 01:04:07.59 P.net
306続き。おそらく、>>1に照らして、言語屋的な分類をするなら、次のようになると思う。

A 「空中を漂うあやしい気体」 復元語根:*ka
「香」「嗅ぐ」とおそらく同源。「風邪」「風」との関係も強い。
B 「口をもぐもぐ動かして食べる食い物」 復元語根:*ka
「噛む」と同源の可能性が高い。
C 「にょきにょき伸びてくる何か」 復元語根:*k@
「毛」および「木(例外的なキ乙)」と同源。「毛」は造語力が強く、人間の体毛をほぼ全部網羅する(比較言語的には稀有)

この3つの語義なら、日本語史に馴染んでいれば、ごく自然に受け入れられると思う。
そしてABCに解体された段階で、民俗学の「生命エネルギー説」は崩壊する。
「けがれ」は、仮に「け」を乙類だとしても、語義的にAにしか接続し得ないし、
そうすると「ゆうげ」だの「けのしる」だの「うたげ」だの「けつけ」だのとは切断される。
そして、Aプロパーに絞ったとしても、>>305後半の批判が該当する。

308 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 01:09:51.02 P.net
この3つを、

「空中を漂う精気(A)」こそが、世界の活力の本質である。それは、万物をにょきにょき生えさせ(C)、
人間はそれをもぐもぐと食べて(B)、生命を維持する。これこそ「森羅万象の源となる生命エネルギー」なのだ!

と言えば、3つは連関する。だが、これ、どこをどうみても、宗教家の布教演説にしか見えないww
あいつら(今の日本の民俗学者たち)、やっぱり宗教家なんだよ。客観的な学問をやってる連中じゃない。

309 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/02(月) 21:32:09.83 0.net
「毛」は「白髪」から考えて *kai じゃないの?
コ乙と関連するような例があるの?

310 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/03(火) 21:29:30.56 0.net
>>296
イージーな考え方をしてしまえば、微妙に違うp音だったんだろうな
古代日本語の方が微妙に唇の合わせ方が弱かったとか
逆に、ヨーロッパでよくあるh音の無声化は日本語にはないし。単にh音の歴史が浅いせいもあろうが。

311 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/04(水) 12:09:10.43 0.net
>>310
hの無声化はいつかは日本語でも起こると思う
今までだって(*b)→p→Φ→f→hと日本語のハ行は弱くなり続けてきたんだから、数百年後にはh→ゼロの変化が起きてるはず

日本語には祖語の頃からhが無かったのか、それとも上代以前に無声化して消滅したのかどっちなんだろうな
上代日本語のサ行でtsの音とsの音が混在してることから、上代以前の日本語がもう少し子音を持ってたことは推測出来るが

312 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/04(水) 20:20:23.54 0.net
>>311
個人的にサ行の子音がはさつ音tsだったという説は信用しない。
というのもsを音素に持つがtsを持たない言語で、音節頭で自由異音的にtsと発音する言語は
メジャーな言語では存在しないからだ。アイヌ語はチcがあるからそれをさけるためだと思うがsがtsにはならない。
俗ラテン語でsがtsになるなら、cが口蓋化して音価[ts]にはならない。
そのへん言語を横断して見るに、ややうさんくさいところがある。

hは破裂音の前に来ると発音しづらい。また摩擦音の後に来て、そこで終わると聞きとりにくい。
破裂音の後にに来ると有気破裂音に容易に転化する。
そこで、hは母音の支えを直接受けられる位置で、単子音として出てくる言語が多い。つまりhaかahだ。
で、hが上代日本語以前に存在したとすると

(a)子音つかないア行の頭に存在したが、脱落した(語中では二重母音化を引き起こす)
(b)音節末にhがあって、それが(他の子音とともに)開音節化に巻きこまれて消滅した

の二つが候補となるが、古いh-を持つ語を取りこんだなら語頭がア行の語がもっと多くていいよな。
音節頭だけに出現するとするのは頻度的に弱い。
というわけでhを仮定するならCVCの音節が可能で前後のCにどちらも立ちえたとしたい。

313 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/04(水) 22:07:02.05 0.net
>>312
元々日本語にはsとtsの両方の音があったんじゃないかな
君が言うように確かにsとtsが自由異音として出現するのはおかしいし、森博達の推定からしても自由異音だとは思えない
でも、日本語に本源的なtsの音が存在したのは「ふたぐ/ふさぐ」のような交代形から見て確実
もしも上代のサ行がsだったならtと混同を起こさないはずだし
AN祖語にはsとtsの両方が再構されるから、それを引き継いである段階までは両方の音が異なる音韻として共存してたんだと思う
文献資料で証明できる中でも例えば平安時代にkとkwが(kwaと元々存在しなかったkwoを除いて)合流したりしたこともあるし、それと同じように上代以前にsとtsが合流したんじゃないか
上代以前の日本語はもっと子音が豊富だったんだと思う

hについては同意
日本語の四段動詞の語幹はCVCだし、どう考えても古い時代の日本語は閉音節的な言語だったはず
琉球諸語との比較から上代以前には語末にngがある語があったという説があるし、日本祖語の時代には語末子音の存在が許されてたんだろう
ただ、仮にhが過去に存在したと仮定しても痕跡が残っていそうな語が思いつかない
最初から無かったか、あったとしても合成語の語中ですら完全に無声化して消滅して痕跡すら残ってないんだろうな…

314 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/05(木) 06:54:17.17 0.net
有声音の方はdzが本来的な音でzが二次的だっていう感覚に問題はないのに
なんでtsの方だけ気にするんすか

315 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/05(木) 15:44:36.73 0.net
>>314
上代サ行ts説は、「上代の日本語のサ行の子音はtsであった」というもので、
「上代のサ行の子音は(ヅとズが室町時代に混同されたように)古いtsとsが合流してできたものである」というところまでは含まない。
ならば初めに見るべきは音素/s/を持つが/ts/を持たない言語であって、合流があったことが分かっている後代の日本語ではないわな。
室町日本語と同様のことが上代の少し前に生じたというなら、
現代のzは語頭や強調して発音するときに破裂を持ちやすいという傾向から考えて、
語頭では中国語の中古音[ts]の漢字で、語中では[s]の漢字で書かれる傾向があればいいわけだ。それはあるのかな。

316 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/05(木) 20:11:12.33 0.net
>>315
/dz/と/z/はザ・ゼ・ゾではなにかが合流したってわけじゃないでしょ。
遡れるだけ昔をさかのぼってもずっと混同されっぱなしだ。

317 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/05(木) 22:18:35.86 0.net
>>316
村山説を見てると日本語がAN祖語から継承した本源的なザ行音はdzじゃなくてzだとしか思えない
日本語に本源的な有声音があったかは分からないけど、仮にあったとしたらzじゃない?

318 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/06(金) 05:17:26.06 0.net
ハ行音がかつてはhではなくpだったことも考え合わせると、上代日本語からさらに遡った時代には
日本語には摩擦音が全く無かった可能性というのも考えられる。
そうなると、ザ行がdzだったということのみならず、サ行も本源的には全てtsだった可能性も考えられる。

その場合、むしろ参考にすべきは「sを音素に持つがtsを持たない言語」ではなく
「tsを音素に持つがsを持たない言語」となるだろう。
ただ、そんな言語が自然言語にどれだけあるかはよく分からないが。

319 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/06(金) 06:32:38.13 0.net
最低、現代日本語は語頭については「dzを音素にもつがzを持たない言語」でしょ
他の言語の事情はしらないけど

語頭を含めないと「dzもzも持つ言語」だけど、あまりそんな言い方しない
(たとえば語頭ではg、語中ではngだけど母音の前にngが立つ言語という言い方はしない)

320 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/09(月) 07:00:35.79 0.net
>>311
魏志倭人伝の頃にはh音あったっぽいよな
卑弥呼、卑弥弓呼の呼や好古都の好は暁母だからh音だよな

321 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/09(月) 12:15:54.03 I.net
>>320
当時の呼の音はhwoで、奈良時代と平安時代の資料では呼がwoの表記に使われてる
仮に古墳時代にhの音があったとすればh→wというハ行転呼と同じ音韻変化が上代にも起きてたことになる
或いは、当時の漢字音にはwoという発音が無かったから、最初から呼がwoの表記に使われていた可能性もある

322 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/10(火) 06:37:34.58 0.net
>>311
日本語の基本的な音韻の変化は唇音の弱化であって、喉音は変化していないからhがこれ以上弱くなることは無さそう

・pの弱化
・合拗音の消滅
・uの非円唇化

全部唇音の弱化とみなせる。
みんなそんなに口開くのめんどいか。

323 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 02:15:01.60 0.net
>>322

逆に口を閉じたくないんじゃないか(笑)

324 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 15:18:57.74 0.net
>>322
ワ行がア行に合流して消滅する可能性はありそう
「ゐ」と「ゑ」と「を」は音韻としては既に消滅してるし、数百年後には「わ」も消えてそうだ
「わ」と「あ」が合流しても、そこまで大きな支障は無さそうなのも大きいな
もしくは、文法機能を考えたら本源的なワ行音がア行に合流して消滅、ハ行起源のワ行音はそのまま残る可能性もあるか

325 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 22:07:09.77 0.net
>もしくは、文法機能を考えたら本源的なワ行音がア行に合流して消滅、ハ行起源のワ行音はそのまま残る可能性もあるか

これってもしかして格助詞の「は」のことを言ってる?
格助詞の「は」以外にもハ行起源のワ行音っていっぱいあるよ(というか語中のワの大半はハ由来)

326 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 22:26:03.26 0.net
>>322>>324
琉球方言の一部では母音間でk(*ka/ke/koに由来)→h→ゼロ子音という変化が起きてるし
wの消滅も本土方言より進んでるな
本土方言もそうなるかもしれない

327 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/11(水) 22:56:06.02 0.net
逆方向に考えると、遥か昔はワ行ウとア行ウが区別されていた時代もあったのかもしれないな…

328 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/12(木) 02:15:03.12 0.net
[wu(:)][wω(:)] と [u(:)][ω(:)] とが対立する言語ってあるかな。
英語の woo と oo とは別の語だが、oo は間投詞で、完全な対立とは言いがたい。
[ji(:)][jI(:)] と [i(:)][I(:)] とについてもどうだろう。
英語には yeast と east,year と ear などの例があるが。

329 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/12(木) 02:20:36.72 I.net
>>328
jiとiは朝鮮語やロシア語では母音として対立してるね
母音としてじゃなく対立してる言語は思い浮かばないが

330 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/12(木) 05:08:00.17 0.net


331 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/12(木) 07:53:06.44 0.net
>>328
それはwやuが今と同じ発音だという仮定が成り立つ場合でしか意味をなさないよね。
ワ行が何らかの変化の結果wとなったのなら、それ以前は区別があった可能性があるわけで。
# もっとも、区別が失われたとしても、それは文献の無いほど古い時代のことだろうからどうにもならんのだけど。

332 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/13(金) 16:24:26.92 0.net
>>331
村山説を読み解く限り、日本語のwは本源的な音韻ではないっぽい
AN語のvが変化したwも一部にはあるが、大半はアルタイ・AN起源両方の単語のuaの二重母音がwになったのが起源らしい
中期朝鮮語にもw音は存在しないし、多分日本祖語にはwは無かったはず
yがアルタイ語のdが起源だとはっきりしてるのとは対照的だな

333 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/13(金) 17:34:45.97 0.net
日本語がAN語とアルタイ語の混合で生まれた事に異議は無いが、両者由来の音韻って分離できるものなのか?

334 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/13(金) 22:18:12.99 0.net
自分は日本語がAN語とアルタイ語の混合だという説はあまり信用してないな
そもそもアルタイ祖語があるともあまり思えないし

日本語のヤ行がdに遡るってのも胡散臭い
与那国方言が根拠の一つになってるけど、薬缶が/daɡaɴ/になるなど、明らかに後代の改新くさい
仮に日本語の /j/ とアルタイ諸語の /d/ の対応が本物だったとしても、分岐あるいは借用の時点では /j/ で、
アルタイ諸語側で /d/ に変わったというほうがそれらしい

あと、中期朝鮮語にも /w/ はあるよね

335 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/15(日) 00:29:46.85 0.net
>>334
与那国方言を根拠にしてるのはストラスティンの学派だけで、ボビンや村山はそれを否定してるよ
その上で、yamaとdabanやyopaとdolbaなどの対応を根拠に日本語のy音をアルタイ起源だと主張してる

yが古形である可能性については同意
マクロアルタイ語族説が正しいと仮定した場合、比較的古形を保存しているのが日本語とチュルク語であることには異論は無いと思う
そしてモスクワ学派が再構したアルタイ祖語説によると、これらの音韻は日本語とチュルク語でy、モンゴル語とツングース語と朝鮮語でdに対応してる
自分としては(アルタイ語族説の成否とは無関係に)モンゴル語・ツングース語のdと日本語のyの対応は本物だと思うが、祖語時点ではdではなくyで、日本語が古形を保ってる可能性が高いだろう
逆に言えば、地理的な接触が一切無かったはずのチュルク語と日本語の間にy音を持つ対応語がいくつか見つかれば、アルタイ語族説の実在性は一気に高まるだろうな

336 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/17(火) 18:52:45.83 0.net
>>327>>328
音声学に詳しくないんだけど、ワ行ウとア行ウやヤ行イとア行イを
発音だけで見分ける方法ってあるのか?
四つ仮名だって、混同せずに残ってる地域では音としては「ジヂズヅ」ではなくなってるのに

337 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/17(火) 19:58:16.78 0.net
>>336
yiとiを聞き分けるのは日本人には至難の業(ロシア人は出来てるけど)だが、wuとuは結構音が違わないか?
リック・フレアーはWoooooooooo!が決め台詞だけど、あれを耳だけで聞いてア行のウだって判断する日本人はまずいないだろ

338 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/18(水) 03:27:22.45 0.net
>>336
' >>327-328 '

339 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/18(水) 03:45:29.72 I.net
そもそも今話題になってるyiは半母音+母音のyiなのか、ロシア語や韓国語にあるような単独の母音要素としてのyiなのかどっちなんだ?
単独の母音要素としてのyiならロシア語や韓国語にあるが、例えば日本語や英語の音韻構造のような半母音yと母音iに分割できるyi音がある言語なんてあるのか?

340 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/18(水) 06:43:35.09 0.net
ヤ行が現代日本語と同じ音価/y/であれば、ア行イと区別つかない。
ヤ行が昔/d/だったり、他の音価(/l/でも/x/でも/ʒ/でもなんでもいいよ)だったら
ア行イと区別つく。

逆にヤ行イとア行イが昔区別ついていたのなら、現代日本語と音価が違う傍証になるんでは。

341 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/18(水) 23:01:05.54 0.net
英語のeastとyeastみたいに、/i/ と /ji/ でも区別を付けられないことはないよ

342 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/19(木) 17:30:42.00 0.net
「射る」と「鋳る」がヤ行上一段なのは矢と湯が関係あるから、なんて
うさんくさい話を高校時代に習ったけど、そういやなんで「ヤ行上一段」
なんてのがあるんだろうな
ちょっと話題はそれるけれども。

343 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/19(木) 20:00:22.95 0.net
どうなのかな。
"射る"と"沃る"は個人的にはヤ行じゃなくてア行だとは思っているけど、
"鋳る"がどうにも判らない。

344 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 02:22:35.68 I.net
射るも鋳るもヤ行イである根拠が無いからな
矢→射るはまだその可能性もありそうだと言えるけど、湯→鋳るはいくらなんでも無理がある
湯→鋳るが正しいなら鋳るに「水を温める」「湯を沸かす」というような意味が無ければおかしい

ところで、オオカミの語源って何なんだろうか
ググってみても「オオカミ=大神」という語呂合わせの俗説しか出てこなくて困る

345 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 02:54:10.21 0.net
ttp://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/223547/m0u/ゆ/
ゆ【湯】
4 鋳造に用いる、金属を熱して溶かしたもの。

346 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 03:19:07.10 0.net
http://www6.ocn.ne.jp/~kanpanda/yamainu3.html

347 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/09/21(土) 09:53:02.68 0.net
倭名抄で上代仮名遣いを論じちゃう男の人って…

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