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上代特殊仮名遣い 二音目

611 :天之御中主:2013/10/19(土) 23:55:42.14 i.net
なぜ?

ヤ行だけイ段が無いのか?

いや

無いとして精査すれば

道は開けるぞ

612 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/22(火) 17:08:02.12 0.net
>>611
ワ行のウ段は?

613 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/23(水) 21:34:08.96 0.net
AN語に関してほぼ何も知らない状態から
日本語との比較言語学のために個別言語をどれか勉強するとしたら、
何語がいい?
または、この本は絶対読んどけよっていうお勧めがあったら教えろください

614 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/24(木) 00:37:56.38 0.net
>>613 まずはインドネシア語でしょう
教材の多さからも学びやすさからもダントツ
AN語入門という意味でもお手頃
次がタガログ語、これも教材は多い
ただ動詞がやっかいなのでこれでフィリピンや台湾の古風なAN語のイメージを掴む
AN語の概説書は英語のでいいのがありそうだけど、とりあえず
「言語学大辞典-世界言語編」の関係項目を読みまくるのがおすすめ

615 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/10/24(木) 23:43:28.92 0.net
>>614
サンクス!
とりあえずインドネシア語の本をポチった
言語学大辞典は図書館で見てみるわ

616 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/12(火) 01:58:30.46 0.net
なんとなく福田恒存の「私の国語教室」をパラパラやっていたんだが
音韻史って観点からみると相当なトンデモ本だな。

617 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/14(木) 12:35:29.84 0.net
>>616
どういうふうに?簡単な要約で教えてくだされ

618 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/16(土) 23:20:57.47 0.net
>>617
ハ行転呼はなかった、昔のハ行が唇音だったというのはあやしい、
オとヲなどの書き分けは実際の呼び分けではなく漢字に移すとき
本来同一音と認識されていた音を書き分けてしまっただけ、etc
松本説の原型みたいなとこあるな。

元々パラパラやったきっかけは「上代仮名遣いはなかった」と
書いてた記憶があったからなんだが、探し方が悪いのか見つからなかった。

619 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/16(土) 23:36:07.58 0.net
どんな音だったかはいろんな説があるんですよね?
私はイ段に限っては「口蓋化してるかどうかの違い」を支持します
(自動的にエ段も同様になってしまうかもしれませんが)
理由は、現代日本語でも/ki//pi//mi/が口蓋化する傾向にあること だけです

あとは、古代中国語の発音(いろいろ説がある)を調べることと
日本の方言で(特に近畿から離れた地点)「クィ、フィ、ムィ」に近い発音を調べないと分かりません
他の説は中舌母音のしかしりません

620 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/17(日) 11:09:34.24 0.net
>>618
それらは松本説には無いのでは?

621 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/17(日) 22:39:48.06 0.net
>>620
ああ、要するに「本来かき分ける必要がないのにかき分ける」的な発想が
近いな、と思ったということです

622 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/18(月) 01:41:22.89 0.net
>>621
それだけで同一視するのもずいぶん乱暴な話だな

623 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/18(月) 21:11:36.73 O.net
乙類の幾つかは拗音ぢゃないの?
上代特殊仮名遣ひは拗音と直音の書き分けはあったの?

拗音が直音化して消滅することなんて
音韻史ではよくあることだし。

624 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/19(火) 01:23:02.72 0.net
>>622
いやまあ何となく書いただけだから、別に先行例とか言いたいわけじゃないよ

625 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/23(土) 17:03:12.69 P.net
>>623
「拗音」なんて、いかにも餃子臭い話はおやめなされよw

拗音なる概念は、中国語音韻学固有の概念だから、日本語を分析する際には、そもそも適切ではない。
概念として切れ味が悪すぎて、議論そのものがナマクラになってしまう。

代わりに、世界標準の概念を用いた議論として、
「口蓋化があったか?」という議論は、これは昔から散々行われている。

626 :390:2013/11/23(土) 17:52:26.00 0.net
村山七郎やっと読んだ(日本語の起源と語源)
俺の想定と一番の違いは、四段動詞の中でラ行で活用するものは母音語幹だって考えてるところだな。

漁る : asa - ri + u → asari + u → (i脱落)asaru
言ふ : ip -ri + u → ipri + u →(r脱落)ipi + u →(i脱落)ipu

ただ、この説に従うと二段動詞になったヤツと四段動詞のラ行活用になったやつはどうして別れたのかがわからんよな。

>>623
上代特殊仮名遣いの時代は漢字音を呉音・漢音として受け入れている時代と一致するけど
漢字音の拗音と上代特殊仮名遣いは対応を示さないので、別の音だと思われる

627 :390:2013/11/23(土) 22:15:47.98 0.net
んで、『日本語の起源と語源』の内容を振り返りつつ、>>395から始まる村山説ベースの仮説に反応してみようと思う

1. 動詞活用の起源は-riである説について

日本語動詞活用の起源は連用形にあるのは間違いないとおもうけど、その起源をツングース語の現在分詞接辞「-ri」にもっていくのは疑わしいとおもう
理由としては
・連用形と同じく、未然形も起源はツングース諸語の不定時分詞「-ra」に遡るとしているけど、未然形については513-523の議論にもあるとおり
 単一の起源から発生した語形とは思えない。だとすれば、現在分詞「-ri」だけ輸入したというのもおかしい
・基本の動詞語幹に「-ri」が接続したと見る場合、626に書いているとおり母音語幹の動詞がラ行四段活用になってしまう。
 俺としては母音語幹の動詞は二段活用になったと思っている(大野説?)ので、村山説では二段動詞はどうやってできたのか想像できん

対案としては、連用形の起源は名詞化接辞「-i」だと思う。「あるいは」の「い」に痕跡を残してるやつ。
朝鮮語にも類例があるらしいので、朝鮮半島進出時代(1〜3世紀)に取り込んだのではないかと睨んでいる

628 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/23(土) 22:20:33.27 0.net
>>625
そうはいっても、「口蓋化」でピンとくる人はまだまだ少ないだろう
カ行は既に口蓋化してるじゃないかという人もいるかもしれないし

甲乙=口蓋化はわりと有力とは思うんだけど、ただイ段とエ段の口蓋化って
ものすごく発声しにくいからこんなん何百年単位で残りうるのかという疑問はある
よく、さらに古くは甲乙は全部の行にあったのか?って話があるけど
セとかリあたりは遡っても使い分けがない可能性ありそう

629 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/23(土) 22:44:11.18 P.net
>>628
ん?話が逆じゃないか?
前舌母音前の子音は、むしろ発音の「しやすさ」から、口蓋化しやすくなる傾向が、
世界各地の言語で見られるものだよ。
これは、日本語もイタリア語も北京語も英語もみんな同じ。
発音しやすすぎるため、どんどん口蓋化が進行してしまい、
破裂が摩擦になり、摩擦がどんどん弱くなって、そのうちかすれていく。
その意味では「安定しない」のだけど、力学的には逆で、
「発音しやすいため、止めどなく崩れていく」といったほうがいい。

例えば、「シェ」などは、17世紀までは京都の「せ」の標準発音だったことは有名であって、
江戸期以降、おそらく江戸語または東国語の影響で、西日本の多くでも「非口蓋化」が進行した後も、
現代の共通語においても、外来語では、「せ」とは別音節として「しぇ」は安定して成立している。

630 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/23(土) 23:24:25.61 0.net
>>629
でも、上代仮名遣いの口蓋化音って、多分「キィ」「キェ」でしょう
キ・ヒ・ミいずれもエ段はともかくイ段は口蓋化させにくいと思うんだけど。
si→shi→ki ってのなら確かにそれで分かるんだけどさ

631 :390:2013/11/23(土) 23:49:22.41 0.net
2. 子音重複、母音重複、末尾子音はいつから忌避されるようになったか

『日本語の起源と語源』には、protoJ(原始日本語)の再構形の例文がいくつか記載されてるけど、
子音重複も母音重複も末尾子音も何でもアリになってる。
これがいつ、なぜ忌避されるようになったかについては本書内で書かれていない。

このスレの大枠として、子音重複・母音重複・末尾子音は同じ時期になくなっていったっていう考えであってると思うけど
それはいつになるのか。

森博達の魏志倭人伝の分析では3世紀にはすでになくなっていたっていう話だけど、
朝鮮に近い「対馬」(tuts-ma)やら末盧(mat-la)などでは子音の重複か?と思える単語もある
卑弥呼より古い時代の師升(ʃi-ɕiəŋ)なんかもそれかも。

ここから推測するに、1世紀あたりはまだ子音重複等は残っていた。
対馬や末盧は、その時代から中国・朝鮮で通例となっていた宛字を残したもの(なので朝鮮に近い地名に残存している)

そして子音重複等の忌避はやはり1〜3世紀、朝鮮半島への本格進出の時代。
この時に母音重複を嫌って、i2、e1、e2などを生み出していったと思われる
⇒そしてスレタイへ

632 :390:2013/11/24(日) 00:01:53.05 0.net
今のノリは口蓋化?

森推定音だとケヘメ甲は-ei、ケヘメ乙は-ʌiで、どちらも渡り音(拗音)-i-を介さないよね
イ段音はどうだったんだろう

>>630
ヒミヘメはよくわからんけど、キケの口蓋化音と非口蓋化音はわりと区別つくよ
日本語・英語ではキもケも口蓋化してるけど、例えばスペイン語はどっちも口蓋化してないんで
どっかで発音聞いてみるとわかる。喉の奥〜の方で発音してる

633 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/24(日) 00:04:35.07 P.net
>>630
普通に共通語で発音する際の「き」「け」自体、すでに子音はしっかり口蓋化してるよ。
東北方言の、子音が軋むような摩擦音を伴う「き」は更に顕著だけど、
東京方言でも、程度が弱いだけで同じような口蓋化が起きてる。

逆に、kを口蓋化『させず』に「き」「け」と発音することのほうが、
ほとんどの日本人には、大変に難しい。

ロシア人に、"КЪИ"を発音してもらえば、その意味がわかると思う。
これが真に「口蓋化していない」発音だ。

634 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/24(日) 05:34:14.13 O.net
甲類ケはキャ、乙類キはキュ。甲類コはクヮ
これでつじつまが合う。

古代は明瞭な三母音アイウと曖昧母音オ。

IA→E、UA→O になり、明瞭なエオを派生。
五母音体制が固まったあとは、新規の母音はつくられず、
アイウエオのどれかに吸収。

635 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/25(月) 00:19:09.19 0.net
>>625
小中高と国語で拗音と習ったんだが、時代遅れなの?

636 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 15:38:27.74 0.net
ちょっと、スレ違いかもしれんが質問させてください。
古事記の万葉仮名の用法を見てて、いきなりふと疑問になったんだが、
久羅下那州多陀用弊流時(くらげなす漂へる時)、
という古事記本文の文章なんだけど、この「漂へる」がどうにもわからないんだ。
これ、口語文法の下一段活用の連体形になってるよね。おかしくない?
下二段活用なら、「漂ふる」になるはず。漂うは四段活用だから、
「多陀用弊流」が「漂へ」という四段活用の命令形(弊が甲なので、已然形なら乙になるので命令形で確定)に、
「る」という助動詞がついたと解するのも無理がるよね、命令形につく「る」っていう助動詞なんかないし。
「多陀用弊流」の「漂へ」が下二段活用の連用形で、そこに補助動詞がなんかついてるのか?
って分析しようにも、「弊」が甲なんで、下二段活用の連用形ならここは乙じゃないとおかしい。
いや、これは甲乙の書きミスかなにかかな?まったくわからないんで、どなたか分析お願いします。

637 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 16:54:32.88 0.net
完了の助動詞「り」の連体形「る」

638 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 16:58:21.64 0.net
ヒント:完了の助動詞「り」

639 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 17:13:24.65 0.net
いや、完了の助動詞「り」の連体形「る」は、已然形接続でしょ?
四段動詞の已然形は乙なのに、弊は甲なんだよ。
おかしくない?

640 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 17:31:16.69 0.net
まず、↓を読め。
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1052020780

補足:tadayoFi+ari=tadayoFeri

641 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 17:38:54.12 0.net
なるほど、命令形接続だったのね、
リカちゃんサミシイって、「リ」の「カ」んりょうは「サ」変の「ミ」然「シ」段の「イ」然って覚えたから、
已然形なのに、おかしいって思ってしまうよね、これ。

642 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:17:44.99 0.net
横から失礼。命令形は関係ないと思う。
完了の助動詞「り」なんてものも知らないけど
i1 + a → e1 という変形パターンから
「ただよふ」の連用形 + 動詞「あり」の連体形
tadayo1Fi1 + aru → tadayo1Fe1ru と考えている。
つまり >>640 の補足だけですっきりすると思う。

643 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:21:26.39 0.net
>>631
「対馬」や「末盧」は母音の無声化を閉音節と聞き取ったように見えなくもないな

644 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:23:40.19 0.net
已然形接続とする通説のままで放っておいてはまずいから
便宜的に命令形接続としたんだろう。説明のための方便で深い意味は無い。

645 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:43:58.07 0.net
子音+母音のセットになってる音節文字を前提に作られた学校文法の罪深さだよね。
国語文法の接続の規則は。
アルファベットで文法を表記しなおすのも学校教育では無理だろうし、日本語の宿命だな。

646 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:45:24.67 0.net
さしあたって、岩波古語辞典の解説に従っておいていいだろう。

647 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:52:16.62 0.net
子音の口蓋化の有無と母音の音色の両方で甲乙を区別していたってのはどうかな?
奄美大島方言みたいに。
/kï/ [kɨ] /ki/ [kji] /kë/ [kɘ] (/ke/ [kje])
/bï/ [bɨ] /bi/ [bi] /bë/ [bɘ] (/be/ [be])
/mï/ [mɨ] /mi/ [mi] /më/ [mɘ] (/me/ [me])
()内は主に標準語からの借用語に現れる音節

ただし奄美方言では上代語と異なりサ・ナ・ラ行にも区別がある。
歯茎音の後では ï, ë はやや前寄りになるので i, e との差が小さくなってはいるが。
/tï/ [tɪ] /të/ [te̠]
/nï/ [nɪ] /ni/ [ɲi] /në/ [ne̠] /nje/ [ɲe]
/sï/ [sɪ] /si/ [ɕi] /së/ [se̠] /sje/ [ɕe]
/rï/ [rɪ] /ri/ [ri] /rë/ [re̠] (/re/ [re])

648 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 18:55:31.42 0.net
あれ表示されない
/të/ /në/ /së/ /rë/ の発音記号は e の下に _ ね

649 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 20:51:23.94 0.net
>>642
>完了の助動詞「り」なんてものも知らないけど
という文章に学校文法に対する強い怒りを感じる。
完了の助動詞、つ・ぬ・たり・りを学校で習わなかったわけないだろうに。

650 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 21:46:33.49 0.net
口蓋化の有無で甲乙の差を説明しようとする場合、
甲類が口蓋化音、乙類が非口蓋化音だというのは動かないと思うが。

651 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:11:02.58 O.net
完了助動詞「り」の已然接續は上代假名が意識されてゐないときに
文語文法が確立されたからであって別に間違ひではない。
「話せり」の「せ」には甲乙がないんだし、。

そもそも上代假名を前提にしたら四段の呼稱からをかしい。
「あ・甲い段・う・乙え段・甲え段」の五段活用。

652 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:16:58.91 0.net
>>650
イとエについてはそうだね。
イ甲乙がある行にはエ甲乙もある。
イ甲乙がない行にはエ甲乙もない。

母音ではなく子音の相違で説明しようとするわけだから
その場合オ甲乙も子音の相違で説明する方が整合性が良い。
(唇音化:非唇音化と言えばいいのか?)

上代仮名遣い崩壊直前はこういう状態だったのではないかと思う。
つまり母音音素はすでに5つに減っていたのではないだろうか?

653 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:25:19.32 O.net
唇音行には、イエの甲乙。
齒音行、舌音行には、オの甲乙。
牙音行には、イエオの甲乙。
母音行、介音行には甲乙区別なし。

甲乙が、清濁や鼻音に依存せず、調音点に影響される。

654 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:28:25.80 O.net
失礼、介音行のヨには甲乙あったね。

655 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:38:42.56 O.net
個人的には乙キはキュ、甲ケはキャもしくはキェ、
甲コはクヮもしくはクォだと思ってゐる。

656 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:45:56.45 0.net
イ、エの前だけ口蓋化・非口蓋化が、オの前だけ円唇化・非円唇化の対立があるという体系には、どうも違和感があるんだよな。

現行の言語からも、あまり見つからなそうな音韻体系。

6母音以上の体系から崩れてできたと想定するにしても、起こり得そうな変化が思いつかない。

657 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/27(水) 22:48:39.84 0.net
口蓋化・円唇化のあるなしで甲乙を考えるなら、後々五十音図で別の行に分かれただけで
母音については衣=エ甲・江=エ乙、イ=イ甲・ユ=イ乙、オ=オ甲・ヲ=オ乙なんだろう

658 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/28(木) 01:50:11.35 O.net
上代ではサ行はチャ行だったわけで
サ行とタ行は口蓋化と非口蓋化で補完していた。
タ行の拗音がサ行になるという関係。

659 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/28(木) 06:06:57.54 0.net
上代はツァ行だったみたいだけど?

660 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/28(木) 08:16:41.35 P.net
>>656
>イ、エの前だけ
つ【イタリア語】
これは、本当にありふれた話なんだ。
イタリア語読みで、ca, ci, cu, ce, co, ca, chi, cu, che, co
イタリア語は保守的で、他のロマンス語も、基本的にはこの雛型を更に口蓋化進行させた各種パターン。

>オの前だけ
こっちは確かに見当たらない。
朝鮮語のように、大々的に弁別を貫く特徴として理解するならまだしも、
上代日本語に、勝手に「オだけ」持ち込むのは、さすがに恣意的の批判は免れまいw


「拗音」なる枠組みが、むしろ考察を曇らせる不適切な概念であることの一例でもある。
口蓋化と唇音化を並べてアナロジーをしたくなってしまう。中華発想では同じ拗音だからw

661 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/11/28(木) 16:41:30.24 0.net
>>657
>オ=オ甲・ヲ=オ乙

これは逆だろう
オがオ乙なのはほぼ確定

662 :390:2013/11/28(木) 22:02:12.78 0.net
口蓋化説はこのスレの冒頭で699 ◆nLORzldheoが大作書いてるよね
その弱点は>>15に書いている通り、森推定音に口蓋化が反映されていないってことだと思う
森博達の推定だと
イ甲 -i
イ乙 -I
エ甲 -e
エ乙 -əi
オ甲 -o
オ乙 -ə
なんで、イエの甲乙は口蓋化の区別ではない一方、オの甲乙は円唇化の区別を反映していることになる。

663 :390:2013/11/28(木) 22:32:06.22 0.net
んで、>>656に書いてある疑問に関してだけど、
「イ・エ・オだけに対立がある」っていう発想が現代語から見た視点なわけで、
過去から未来向きに視点を変えると「中舌母音のうちなぜIがイに、əがオに統合されたのか」
っていう話になると思う。

こうなった理由は俺としては「偶然そうなったんじゃない?」以外のアイデアが思いつかない。
というのも、例えば上代の長野・静岡ではオ列乙類音とイ列音、エ列乙類音が混同されているらしいんで、
仮にこの時代に近畿じゃなくて中部地方の日本人が天下を取っていたら
今の俺らは「上代日本語は@段の音(中舌母音)だけ甲乙丙の区別をつけていた」っていう話をしていると思う

664 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/01(日) 12:27:14.91 O.net
母音の対立なら全行に渡って甲乙があるべきなのに特定行しかない。
オ段甲乙は唇音行以外は存在するので円唇化母音とも言へるが
イエ段甲乙は子音の対立だらう。

唇音行に対立があることから円唇化は考へにくい。
口蓋化の可能性が高い。

歯音行・舌音行に口蓋化の対立がないのは
サ行・タ行が既に口蓋化の対立関係にあったから
タ行が口蓋化すると、甲乙類を飛び越えてサ行に移行するから。

ちなみに上代はカ行も口蓋化してゐて
キ乙とケ甲が非口蓋化音っぽい。

どちらにしろ、ネイティブが意識しない条件異音だらうが。

665 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/01(日) 19:06:56.93 0.net
少なくとも条件異音ではない
その差は文法的機能を担っているし、最小対立もたくさんある
条件異音の現れ方をしていない

666 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/01(日) 23:58:35.69 0.net
十の読みで、「ト」の場合は乙類で、「ソ」の場合は甲類なんだな。
これはちょっと不思議だなぁ。語源が違うということはないだろうに。

667 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 00:16:54.78 O.net
この休日を使って、万葉仮名の漢字から、呉音と現代北京音と、
ネットで上古音を比べて、整理してみた。こんなもんでしょう。
基本5母音で、ところどころ y や w が入って拗音化したけど、
倭人にとっては条件異音なので区別できず、渡来人が書き分けていたと。
言語学的にみて単音だけの8母音は不安定だし、
仮に8母音が存在しても、ネイティブが区別できる母音が
短期間で3つも減ることなんてありえない。

a yi wi u ye ei wo o
ka kyi kwi ku kye kei kwo ko
ga gyi gwi gu gye gei gwo go
sa syi syi su sye sye swo so
za zyi zyi zu zye zye zwo zo
ta tyi tyi tu tye tye two to
da dyi dyi du dye dye dwo do
na nyi nyi nu nye nye nwo no
pa pyi pwi pu pye pei po po
ba byi bwi bu bye bei bo bo
ma myi mwi mu mye mei mo mo
ya yi yi yu ye ye ywo yo
ra ryi ryi ru rye rye rwo ro
wa wi wi u we we wo wo

とにかく8母音なんてファンタジーだし、有坂大先生の母音調和も
今ではネットで瞬殺されるレベルの稚拙な統計処理だし。

668 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 00:20:52.48 O.net
条件異音は撤回して修正版

この休日を使って、万葉仮名の漢字から、呉音と現代北京音と、
ネットで上古音を比べて、整理してみた。こんなもんでしょう。
基本5母音で、ところどころ y や w が入って拗音化したけど、
倭人にとっては語の識別には意味がなく、渡来人が書き分けていたと。
言語学的に見て単音だけの8母音は不安定だし、
仮に8母音が存在しても、ネイティブが区別できる母音が
短期間で3つも減ることなんてありえない。

a yi wi u ye ei wo o
ka kyi kwi ku kye kei kwo ko
ga gyi gwi gu gye gei gwo go
sa syi syi su sye sye swo so
za zyi zyi zu zye zye zwo zo
ta tyi tyi tu tye tye two to
da dyi dyi du dye dye dwo do
na nyi nyi nu nye nye nwo no
pa pyi pwi pu pye pei po po
ba byi bwi bu bye bei bo bo
ma myi mwi mu mye mei mo mo
ya yi yi yu ye ye ryo yo
ra ryi ryi ru rye rye rwo ro
wa wi wi u wei wei wo wo

とにかく8母音なんてファンタジーだし、有坂大先生の母音調和も
今ではネットで瞬殺されるレベルの稚拙な統計処理だし。

669 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 02:56:21.29 0.net
なんで呉音や現代北京音と比べたがるのかとか
韻鏡で比較して当時の音を推定とかもうおびただしい数やられてますが何かとか
saじゃなくてtsaだとか
母音の違いでなく拗音化だったとして、なんで渡来人特有で倭人にとっては無関係と言えるの?とか
(これ、松本克己論文も特に根拠なく断定してて意味がわからなかった)
本当にネットで瞬殺なら最新の言語学で否定されてるだろとか

それともあれか、ネットで言いたいだけの人か

670 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 07:11:12.79 0.net
戦後すぐには8母音だったのにそれからわずか1〜2世代で5母音化した日本語名古屋方言とか
19母音だったのが半世紀あまりで12母音になったフランス語パリ方言とか
20世紀初期には10母音だったのに20世紀末期には7母音になった朝鮮語ソウル方言とか

100年しないうちに母音が3つ減ることなんて言語学上ではありふれたことだよ
よく知らないのに「ありえない」なんて言わないほうがいい

671 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 11:30:25.39 0.net
松本説は世界の言語を多数観察した結果の音韻類型論を踏まえている。
「よくある」「ありふれている」なんて誘導的な文言ひとつでひっくり返すより
論文の一本も書いたらどうだろう。こんな所で匿名でこそこそやるんじゃなくてさ。

672 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 11:58:01.09 0.net
てめえで論文書けよ。
はぐらかしはやめろ。

673 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 12:01:10.64 0.net
「短期間で母音が3つも減るなんてありえない」ってのも松本氏が言ったの?

674 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 13:12:37.88 0.net
森説の7母音体系に対しては、非常に安定しているから急に5母音になることは考えにくい
というようなことを言っていたような

675 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 13:45:44.05 0.net
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gengo1939/1984/86/1984_86_5/_article/-char/ja/より

しかし, 森氏の「7母音音素説」の最大の難点は, この体系が, すでに述べた
ように, 類型論的に異論のないきわめて安定した姿を呈しているという正にその
点にあると言わなければならない。このような母音体系で/i/と/ï/, /e/と/əi/,
とりわけ/ə/と/o/が全面的に合流するというような大変化は, よほどの言語
外的, あるいは内的な圧迫要因がないかぎり, 到底起りそうもないからである。

676 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 15:42:30.62 0.net
> 「よくある」「ありふれている」なんて誘導的な文言ひとつでひっくり返すより

発端の人の
> 短期間で3つも減ることなんてありえない。
> とにかく8母音なんてファンタジー
> 今ではネットで瞬殺されるレベルの稚拙な統計処理
「誘導的な文言」の山には一ミリも問題意識を感じないらしい。不思議な人だ
そもそもなんで突然「松本説」言い出したの?
だれも松本説の是非について語ってないんだけど……

677 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 15:53:35.49 0.net
>>670
名古屋弁や仏語や朝鮮語のそれらの母音がすべて均等の機能負担量だと思う?
仏語を例に取れば生成音韻論で構造分析したらラテン語の5母音体系が復元されてしまった
っていう話があるよね
現代北京語をa、シュワ、引き伸ばし音素の3母音とみたのはトゥルベツコイだったか、
非言語学者が文字を当てたらいくつの母音に分析するかは観察者次第になってしまうだろう
母音調和のような組織的な支えの仕組みがない限り、もともと8母音だの10母音だのは
偏りの多い仮初めの体系じゃないかな

678 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 15:56:15.62 0.net
>>677
だから上代8母音もあくまで過渡的なものという説があるわけで
結局「ありふれたこと」という決め付けに対する反証にしかならないんだが

679 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 17:58:26.01 0.net
どっちかっていうと上古・中古にあんなに豊富な主母音を持っていた中国語が
モンゴルの影響で3母音(しかも広・中・狭という珍しい3母音)に収束してしまったほうが
ありえなくてビビる。

文献が残ってなかったら複数の学者から否定されてるレベル

680 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 19:46:56.86 0.net
母音の数の話になってるけど、
印欧関連の知識全くないんだけど、
子音だけで母音を表記しないっていう古代のユダヤとか聖書関連のヤハウェとかの話も意味わからんよね。
母音が一つしかない言語もあるとか。

681 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 22:16:05.16 0.net
アラビア文字は今でも基本的に子音しか表記しないよ

682 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 22:51:17.31 0.net
>>677
その一行目の問いかけは、
「名古屋弁や仏語や朝鮮語のそれらの母音は、均等ではない機能負担量だった

機能負担量が不均等だったがゆえに短期間で母音数が大きく減ったのであって、
上代日本語はそれとは事情が違うから当てはまらないだろ」

という反語ってことでいいの?

でも、上代日本語の8母音(かどうかは分からないが便宜的に)は、
それぞれの間にかなりの出現頻度の差があったことが知られているよ

つまり、名古屋弁や仏語や朝鮮語では母音の機能負担量が不均等だったがゆえに母音が短期間で減りえたとすれば、
上代日本語にも同じことが成り立つよね

683 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 22:59:19.94 0.net
あと、いわゆる上代特殊仮名遣い自体は、古事記や日本書紀や万葉集に現れるのが典型的だけど、
大量の文献によってはっきりと現れるのは8世紀初期のもの。

それ以前にも断片的な日本語表記はあって、8世紀初期の使い分けから明確かつ体系的に外れるものは無いので、
7世紀にも同様の状態だった可能性は比較的高いが明確には言えない。

そして8世紀中の文献を通じて、上代特殊仮名遣が徐々に崩壊していく姿が観察でき、
最後まで残ったコ/ゴの甲乙が消えるのが9世紀半ば。

つまり、文献上で上代特殊仮名遣が実証できるのはせいぜい1世紀半〜2世紀で、
最初から既に崩壊過程の途上だったと思われるので、それほど安定した体系だったと仮定する必要はない。

むしろ逆に、森博達説に対して松本氏が反論として「安定しすぎている」と批判したほど。
類型上極端に不自然なものは考えにくいが、かといってあまりに安定した体系を想定すると、
短期間で変化してしまった説明が難しくなる。

684 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/02(月) 23:22:43.61 0.net
> 上代特殊仮名遣が徐々に崩壊していく姿

ただこれ、オ段についてはかなりはっきりした崩壊過程が見られるけど
イ・エ段は崩壊過程がよくわからない(オ段みたいに順番にこわれていかない)
んだよな

685 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/03(火) 00:56:25.01 O.net
本当に甲乙オ段は難しい。特に甲乙ヨはなぜこんな対立があるのかなぞ。

ただ、甲乙イはイとウィの対立、甲乙エはイェとエィの対立であることは
母音融合の理論からも万葉仮名の上古音からも明らか。

なぜ歯音、舌音にその対立がなかったのか議論の余地はあるが
いずれにしても消滅の運命にあったのは確か。


ロマンのある仮設として上代版大母音推移。上古音だと

ウ段=ユ段
甲オ段=ウ段
乙オ段=オ段

なんだな。
甲乙オ段が合流した行からユ段の直音化が起き、ウ段になったとか。

686 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/03(火) 07:10:38.33 0.net
甲乙イがイとウィというのは疑問だなあ。
やはりイ乙は中舌的と考えるのがいいんじゃないの。
イ甲とエ甲は子音側にも口蓋化ありで。

687 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/03(火) 07:16:45.21 0.net
ユ段w
言語学版にはもったいない。日本史版にでも行ったら?

688 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/03(火) 08:41:46.21 O.net
英語では、ウー→ユーの移行があるんだから、
例、CUTE(キュート)、SURE(シュア)、TUBE(テューブ)、
別段、ユがウになっても不思議じゃないよ。
キュシュテュ→クストゥと直音化したと。

万葉仮名では甲オ段の多くがウ段音なので、
もしかして今のウ段は拗音じゃなかったのかなって。
実際、万葉仮名の久や周は拗音だし。

689 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 18:08:34.71 0.net
携帯の人ってやっぱり藤井なの?
突っ込み所が多すぎてどこから突っ込んだらいいかわからないレベルの事を大量に書き散らしてるけど

690 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 19:54:57.57 0.net
少し上の人はともかく、今散発的に書き込んでる携帯の人は条件異音に固執してないから
違うと思う

691 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 20:32:41.32 0.net
でもまぁ、同類だな。

692 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 20:56:42.76 0.net
藤井さんは本人が運営してるサイトみたことあるけど、
もうなんとも言えない気持ちになったわぁ

693 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 22:21:03.94 0.net
また乗り込んでくると不快なだけだから
その名前出さない方が良いんじゃないかな

694 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/04(水) 22:27:36.34 0.net
ここには来ないでしょ、来てもフルボッコされるだけだし。
素人さん相手にトンデモかましてるだけだから。

695 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 01:17:45.63 P.net
>>667
syiなんて、ふなっしーかよwwww
>>685
そりゃ、あんたが拗音に執着しているからだwwww

ネタなりにおもしろい奴だと思うw
反面教師的に、上代特殊仮名遣いの初歩的なアウトラインが見えてくる。
ヨに甲乙が揃っていることは、
「少なくとも、オの甲乙は、後に導入される『拗音なる、かなづかいのための概念』とは無関係である」ことを、
たった1例で雄弁に示すものだろう。
「ユ段」なるものも、今の朝鮮人なら言ってもおかしくない。
「偉大なウリマルは25母音あるニダ。劣等ミンジョク・チョッパリのサルどもは、たったの5母音ニダね」
という、伝統的なヘイトスピーチとして有名な話は、
/jV/を独立した母音数としてカウントしてしまうからで、
この発想だと、日本語は現時点でも「8母音」ということになり、「ユ段」が堂々出現するww
尤も、jVをカウントしない朝鮮語の単母音は、今の標準語で8母音しかないし、
そもそも訓民正音の原始設計思想でも、(現代語とはラインナップが異なるが)そもそも母音は7つと想定されている。
(点単独・縦棒・横棒・点が上・点が下・点が右・点が左で合計7つ)

696 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 01:59:00.92 P.net
8母音がファンタジーだというのは、それ自体はかまわないというか、
考え方として、そんなに突飛なものでもないんだけど、
上代の仮名遣いを素直に読んで、それを内的再構すると、
落ち着くところは、5母音じゃなくて4母音なんだよね。
6や3という少数説もあるが、大野が示した4というのが、論理的に一番自然な線だ。
この「4母音」こそは、具体的な表れ方や、まさに「機能負担」によって導かれる結論。

俺など、667を読んで腸がよじれそうなくらい嗤ったのだが、
何がおかしいって、
「強引に5母音に嵌めこんでいて、その滑稽さに気づいていない」
ところだったりする。
上代の万葉仮名を真面目に読んでいないから、4という数字を思いつかない。
本当に、このスレは、何度も何度も、とんでも学会の学芸会が繰り広げられる。
いつも素人の突っ込みどころは同じ。そしてそのトンデモの方向性も同じ。

697 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 06:26:27.10 0.net
>>695
いやまあ、イ段の乙が口蓋化っていう説をとるなら、仮にその音が五十音図作られるまで
残ったとき、「ユ段」みたいな言い方で呼ばれる可能性は結構あるのでは。

なんというか、上代特殊仮名遣いって有名な割にそこにスポットを当てて学説的に概観する
解説書ってのが皆無で、どれもこれも他の古代史の話題がメインだったり日本語通史だったりで
どうしても説明不十分になってしまってるのが何度も同じ方向性のトンデモを呼ぶ理由になってる気がする。
条件異音説を唱える本って定期的に登場するし。

698 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 08:11:07.01 0.net
だからさあ、イエ段に口蓋化の有無を考えるにしたって、その場合は甲類が口蓋化音で乙類が非口蓋化音だってのが定石だろうに。
前舌的な甲類が非口蓋化音で中舌的な乙類が口蓋化音ってどんな音韻体系だよ。

699 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 21:34:45.13 0.net
しかし>>685を見てもどこにも乙類が口蓋化してるなんて話は書いていない。
いったい誰がなんの説を批判しているんだ。最近の流れは

700 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 21:54:28.96 0.net
オ段の甲乙の違いは喉音の有無ではないだろうか、ソシュールの喉音理論でも、
あちこちに付随してると仮定されてるし。
http://www.youtube.com/watch?v=mgLmKTJ9oQs
この曲の4:52秒ぐらいからの「よ」の発音みたいに、喉音のHがついてたのかもしれない。

701 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 21:55:52.45 0.net
オ段の甲乙の違いは喉音の有無ではないだろうか、ソシュールの喉音理論でも、
あちこちに付随してると仮定されてるし。
http://www.youtube.com/watch?v=mgLmKTJ9oQs
この曲の4:42秒ぐらいからの「よ」の発音みたいに、喉音のHがついてたのかもしれない。

時間指定ミスった、4:52じゃなくて、4:42だった。

702 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/05(木) 23:18:08.95 0.net
>>701
これは関係ないだろ。
歌で母音を伸ばす時に喉音を入れる歌手は大勢いる。
たとえば
http://www.youtube.com/watch?v=_XK8_a5GFXw

「す」を sü と発音する歌手がいたが、
だからウ段は ü 段だったということになるかねwww

703 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/06(金) 00:11:41.69 P.net
699です。699説に、ちょっと風味付けをした説を考えてみました。
オッカムの剃刀に斬られそうな少々面倒な説ですが、
これは、「森の復元音」という、現実上の音声推定に、平仄を合わせるためです。
>>11-17
なのですが、この発想からすれば、
「エ甲乙(&イ甲乙)があること(>>14でいえば「ふった」こと)」と、
「4母音で言う/i/のみ、前の子音が口蓋化していること」は、論理的に同値です。
ということは、口蓋化の強弱については、二分法のみならず、「三分法」も可能であるわけです。
だとすれば、「受け入れた側(甲乙の無い側)」に、2つの方向性があっても不思議ではない。

少なくとも、奈良平安にかけての畿内語では、t,dは口蓋化の片鱗をまったく見せません。
ここが劇的に変わるのは中世以降で、どうも東国の影響のようです。
そして、rも口蓋化し難い。nは微妙です(「に」をイタリア人が聞けばgnだと言うでしょうね)

t,dについては、まったく口蓋化していなかった、としても、同じ議論は可能なはず。
k,ng,p,bだけが、「適度に口蓋化していた」ため、エ甲乙・イ甲乙が融合できず、横並びになってしまい、
オ乙がセットバックする契機を作ることになった(森説では、そもそも音声的にエ乙とオ乙はバッティングする)
これで、オ乙が揺らいでしまい、オ乙の後舌化が始まることになる。
そして、今度はオ甲乙が合体して、後舌に納まってしまうと、エが一種類しかない行でも、ひきずられてオ乙が後退する。
また、中舌母音枠が消えると、イ乙も居所がなくなって、イに統合されてしまう。

いかがでしょうか。

704 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/08(日) 09:18:27.68 O.net
ア(A)、甲イ(I)、ウ(U)、乙オ(O)
乙イ(UI)、甲エ(IA)、乙エ(AI)、甲オ(AU)

A__I__UI__U__IA__AI__AU__O
A__I______U______EI______O
KA_KI_KWI_KU_KYE_KEI_KOU_KO
GA_GI_GWI_GU_GYE_GEI_GOU_GO
CA_CI_____CU_CYE_____COU_CO
ZA_ZI_____ZU_ZYE_____ZOU_ZO
TA_TI_____TU_TYE_____TOU_TO
DA_DI_____DU_DYE_____DOU_DO
NA_NI_____NU_NYE_____NOU_NO
PA_PI_PWI_PU_PYE_PEI_____PO
BA_BI_BWI_BU_BYE_BEI_____BO
MA_MI_MWI_MU_MYE_MEI_MOU_BO
YA________YU_YE______YOU_YO
RA_RI_____RU_RYE_____ROU_RO
WA____WI_________WEI_____WO

705 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/08(日) 18:49:58.85 0.net
あ、699 ◆nLORzldheoが帰ってきた。
>>703の「三分法」っていうのがいまいちわからないんだけど、
699としては

・特に口蓋化している音: キヒミケヘメ甲
・半分口蓋化している音 : シチニリセテネレ
・特に口蓋化していない音 : キヒミケヘメ乙

っていう3分割を考えてるっていう考えでいいのかな?
で、郊外化していない キヒミケヘメ乙が中舌母音だったため、
ヘメ乙とのバッティングを避けるためにホモ乙が甲の方に融合した、というストーリー。

706 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:35:19.80 P.net
>>705
基本的には、そういうことなんだけど(押し出し過程の具体的想定は、前スレに書いてます)
私の議論はいつもそうなんですがw、もう少しザックリと巨視的に考えています。
資料と矛盾なく、演繹できるところまでの「詰め」は、みなさんの批判を仰ぎながらということでw
(いつのまにか、IPAが使えなくなったので、x-sampaで代用します。みにくいですが)

エ甲つまり[{]が高舌化して、本来のエ乙[e]に合流を迫った時、
頭子音によって、次の3つのパターンに分かれた(三分法)。

T型(非口蓋化型)
P型(iのみ口蓋化型)
S型(広範に口蓋化型)

TPSは、つまり、それぞれタ行、ハ行、サ行ということです。(Kが出て来ないところに注意)
本来は、PとSは、各々FとCと書きたいところですが、分かりやすさを優先してこの表記にします。
特にSについては、完全に便宜的なものです。

707 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:39:31.62 P.net
続き。
T型の場合。
この場合、音声的に少々口蓋化していたとしても、
同時代の母語話者が、それを曲がりなりにも音素的な差として認識する状態ではなかった。
この場合、[{]と[e]の合流について、子音側の障碍は一切ありません。
したがって、エの甲乙は合流する。そして、オ乙[@]は圧迫を受けずそのまま。
この場合、半狭母音の段には、[e] [@] [o]の3つが並ぶことになります。(4つではない)
イ乙の問題だけ残りますが、これは後ほど。

708 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:43:52.68 P.net
S型の場合。
この場合も、T型と全く同じで、障碍は存在しません。具体的に森想定音で書いてみますが、
699の当初の形においては、
エ甲[tS}] エ乙[tSe] オ甲[tso] オ乙[ts@]
と、こうなるわけです。エ甲が高舌になれば、エ乙と問題なく合流して[tSe]となると。
オ乙は子音自体が違います[ts]ので、エ甲乙と、オ乙が混同されることは、二重の意味で存在しない。

709 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:52:38.98 P.net
問題はP型です。
P型の場合、ハ行で代表しますが、
へ甲[pj}] へ乙[pe] ホ甲[p@] ホ乙[po]
こうなっていた、と想定します。
こうなると、へ甲が[pje]となっても、へ乙とは合流できません。
しかし、pの口蓋化の安定度は中途半端で、[pje]/[pe]を対立させるほどではない。
そこで、[pe]の母音が、「俺は口蓋化してないぜ!」と言わんばかりに
奥にずるりとズレて、[p@e]のような変な多重母音になる。
「口蓋化プロセスから逃げるための調音点移動」ということで、
そのまま高舌方向ではなく、直角に曲がって奥舌への玉突きが起きます。

そうすると、ホ乙[p@]の領域が侵されてしまい、ホ乙が更に後に玉突きになる。
おそらく最初は[p7]のような音だったのでしょう。しかし、[p7]/[po]の対立を維持できるほど、
オ甲の後舌・円唇性が鉄板では無いから、なんとなく[po]に収まってしまう。
ここにオの甲乙が、音素の上でも消滅する。

710 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 22:58:01.43 P.net
基本の3つのパターンはこのようです。
「フルスペックで残ったカ行は?」ということですが、
カ行は、P型とT型の中間なのではないか、と理解しています。
エ甲乙に関してはP型と同様の動きをし、かつ、[k@]と[ko]の対立が残存した。
これは、Kの調音点の恩恵なのだろうと思います。
後舌の微妙な母音弁別をアシストする頭子音Kの力は強く、
おそらく、[k7]/[ko]の対立として、ここだけ百年長く生き延びたのではないか、と推測しています。

711 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 23:12:03.12 P.net
こうやってみると、8世紀の段階では、カ行が例外に近く、
本来は、半狭母音の欄には、「母音が3つがマジョリティ」ということが、浮き彫りになります。
これは>>5を見れば明らかなのですが、
「中段に母音が4つも!」という大野の悩みは、杞憂だったのかもしれません。
ひょっとすると、エ乙とオ乙は、「音声的にはほぼ同じ音」([@\]か)だったのかもしれない。
つまり、8世紀段階では、
<一般>
i (I)  u
e @¥ o
      A
<例外としてのカ行>
i  I   u
e @ 7 o
      A

最初の699想定と、形の上ではさほど違いが無いことが分かります。
(これは、森想定に対する「安定的すぎ」批判の本来の中身で、675引用先自体の論理は、いまひとつしっくりこない)

712 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/08(日) 23:18:25.42 P.net
最後に、イ甲乙ですが、これは音韻表を見てすぐに分かるように、
中段でエ乙が支える音であって、オ乙が支える音ではありません。
699以来の説を前提にすれば、このことの意味は、おそらく2つある。
一つは、イ甲との間の弁別を支える問題として、口蓋化問題は、避けて通れないだろうこと。
もう一つは、円唇性の問題は、朝鮮語などと違い、日本語では一貫して大きく機能していないこと。

もうお分かりだと思いますが、私自身は、具体的音声の推定としては、>>647のような発想に近いものです。
つまり、子音も母音も両方に差を認めるので、
その意味では、「同母音で口蓋化ではないよ」という森説の骨子に矛盾するものではありません。

まあ、こんなところですかね。複雑になっただけで、本質的な批判点には答えられてないかもw

713 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/09(月) 12:07:57.54 0.net
森想定の元になった中古音の方から見て有りうるんだろうか?>カ行だけ母音の音価が違う

714 :390:2013/12/10(火) 21:24:44.44 0.net
>イ甲との間の弁別を支える問題として、口蓋化問題は、避けて通れないだろうこと

森推定音ではいまいち明らかになっていないけど
河野六郎とかは

・イ甲 : 口蓋化した拗音を持つ漢字
・イ乙 : 口蓋化していない拗音を持つ漢字

が割り当てられてるって指摘してたみたいだよね
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/metadb/up/kiyo/AN00090146/kokubungakukou_51_10.pdf

少なくともイ列は口蓋化のある・なしで甲乙が分かれていたと考えてもいいのかも

715 :390:2013/12/10(火) 21:45:57.00 0.net
そこから想定すると、元々イ甲+アが由来だったエ甲も口蓋化していると考えていいのかもしれない。
以前の書き込み(662)で森推定音が口蓋化してないって言ったけど、
よくよくスレ最初辺りの書き込みみると>>37で森博達も口蓋化の否定はしてないって書いてた。

ただ、俺も森説と同じく、たとえ口蓋化していても
当時の日本人の感性では子音は同じ音だと認識していたと思ってる。

716 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/12(木) 20:21:13.10 O.net
口蓋化←サ行⇔タ行→円唇化
口蓋化←ザ行⇔ダ行→円唇化
口蓋化←ヤ行⇔ラ行→円唇化

の対立でイエ段甲乙の対立が存在できなかったと見る。

717 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/15(日) 13:11:23.91 0.net
>>560だけど、いろいろ検討してみたけど確かに>>605の有坂法則に関する指摘は致命的だった
そこで、改めて根拠を挙げながら自説を検討し直してみようと思う

まず、ツングース語の一派がAN語の語彙を大量に取り入れて日本語が生まれたとする村山説とは逆に、AN語から分岐した一派が比較的遅くにツングース語の影響を受けて日本語が成立したと考える
具体的には、日本語祖語は西マラヨ・ポリネシア語派(つまりフィリピン諸語、インドネシア諸語と同じ系統)に属する言語だっただろう
根拠は同源と思われる単語が大量に存在すること、日本語の単語のアクセントがMP祖語のものをほぼそのまま継承していると思われること、
古い時代の日本語がa,i,u,eの4母音体系であったと思われること、日本語がインドネシア諸語と類似した形(孤立語的)だった時代があると思われること
日本語が古い時代にインドネシア諸語と類似した変化をしたと考える根拠は、同じように接頭辞が化石化して接中辞は消滅していること、
孤立語的な文法だったと思われる時代があること、日本語が他の西MP諸語と同じような母音体系の変化をしていること
母音体系については>>386が説明してくれているけど、西MP諸語で起きた母音体系の変遷は明らかに日本語のそれと全く同じ

次にツングース語が流入したと思われる時代だが、ツングース語のu"が日本語のo2に対応していることから流入が8母音時代以前に遡ることは確実だろう
何故なら、もしも8母音時代に流入していたならば、円唇前舌狭母音であるu"はほぼ同じ音である日本語のi2に対応するはずだから
そして語彙と比べて助詞にツングース語由来の単語の割合が多い理由も、一度孤立語のようになっていたのがツングース語の影響で膠着語に戻ったためであると考えれば説明できる
形容詞が上代には活用しなかったのはツングース語では形容詞が無変化詞だからであると考えられるのが根拠の一つ
日本語の語順がSVOになったのもこの時だろう

718 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/15(日) 13:12:49.11 0.net
致命的なのは、有坂法則をどう考えるかという部分
仮に有坂法則を母音調和と解釈するならば、その体系は陽母音[a,o,u] 陰母音[ə] 中性母音[i]となる
これは満州文語の母音調和とほとんど同じ体系だし、現代フィン語の体系とも類似しているので母音調和としてそれ程おかしな体系ではない
ここまではいい
問題は、>>572>>595の指摘について上手く解答できないこと
当初は有坂法則に使われているa,o,u,ə,iの5母音が俺が想定するツングース語流入時の日本語の母音体系と綺麗に一致することと、
「チュルク語→モンゴル語→ツングース語→中期朝鮮語(→日本語)」の順で地理的に連続して母音調和の拘束力が緩くなってることの2点を根拠に有坂法則をアルタイ的な母音調和だと解釈してたんだが、
そう考えるには中性母音についての説明をしなければならないが、アルタイ語に限らず母音調和を有する言語をいろいろ調べてみたけど確かに祖語段階で既に中性母音を持っていた言語は存在しないんだよね
すると、>>595の言うように有坂法則を機能的な母音調和体系として解釈することが困難になってしまう
もっとも、日本語の場合はウラル諸語やアルタイ諸語のそれとは違って本源的なものではない(仮に俺が考える>>560の時系列を放棄したとしても日本語に本源的な母音調和を再構するのは困難だろう)から、
「他言語から借用したものであり本源的なものではないため」と問題点を説明することは不可能ではないけど、
だとしても今度は何故統語的に不完全な母音調和を借用し、しかもそれが固有語をも統語するほど強く影響したのかという点について説明しなくてはならなくなるが、それも困難
せめて古代朝鮮語における母音調和の体系が明らかになれば(朝鮮語の母音調和も多分本源的なものではないだろう)それを参考に出来るんだけど
今挙げた問題点は俺の考える>>560の説だけに限らず、日本語の起源を考える上で必ずぶつかる問題だと思うんだけど、有坂法則って一体何なのだろう?

719 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/15(日) 13:25:52.79 0.net
村山説だとuは陽性と陰性の両方あって、両者は後に合流して中性としていたような

720 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/15(日) 18:09:36.43 0.net
有坂の法則ってなんだろうとのことだが、
池上禎造先生の名前も入れて差し上げて・・・・
確か、12月の中旬、今頃が命日だったはず。

721 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/17(火) 11:21:42.37 0.net
八母音説批判についてはどう考えてるの?

722 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/17(火) 14:30:02.15 O.net
>>721
奈良時代に8母音だったことは確実
ただ、母音体系の変遷については通説の「4→8」ではなく「4→5→8」だったと思う
日本語祖語の母音がa,i,u,o2だったことは大野説に従うけど、比較的早い時期にo1が生まれて、i2,e1,e2はかなり後になって生まれたと考えてる
i2,e1,e2が母音融合により生まれたのに対して、o1はuの低舌化により生まれたとされることもあるし、両者は明らかに別質だろう

723 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/18(水) 03:02:38.24 O.net
>>722
イ乙とエ乙とオ甲は合拗音、エ甲は開拗音。
純粋な短母音はア、イ甲、ウ、オ乙の4つ。

イ乙とオ甲は直音化して消滅。
エ甲とエ乙は直音化するも第5の母音として残存。

724 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/19(木) 02:37:36.75 0.net
八母音ってアイウエオワヰヱのお燗

725 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/19(木) 08:31:44.20 O.net
ア・イ・ヰ・ウ・イェ・ヱ・ヲ・オ

726 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/22(日) 15:55:56.96 0.net
>>718
中期朝鮮語は現代朝鮮語よりかなり厳格な母音調和があるが
その延長線上で考えれば古代朝鮮語の母音調和はさらに厳格だったのでは?
朝鮮語の母音調和が本源的でないとすると、
用言の活用形、いわゆる語基に現れる母音の数が
ちょうど陰陽の組数に限られるのはどうしてかって話になる。

727 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 04:18:03.37 0.net
>>726
朝鮮語は高麗時代中期に大母音推移をしてるらしいことが分かってるけど、じゃあそれ以前の朝鮮語は?と考えた時に、
資料が少ないのがネックだけど古代朝鮮語はそれなりに日本語に近い言語だったんじゃないかと思ってるんだよね
俺は朝鮮語には詳しくないし本格的な検討をした訳でもないけど、中期朝鮮語的な母音調和が古代朝鮮語にあったとは思わない
朝鮮語の文法は高麗時代に構築されたものであって、それ以前の古代朝鮮語と中期朝鮮語の間には古英語と現代英語くらいの距離があるんじゃないかな

728 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 12:21:33.39 0.net
>>725
あー、ieoのヰヱヲがアイウエオに足される母音扱いか〜

ワはアに対応して存在してるから母音と別でその行にア行5母音以外の3母音を充てたんだなキット

729 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 12:23:32.29 0.net
オも特別扱いされそうだから別のウにどうにかなにかが当て嵌まらないだろうか?とかともチョイ思ったりもするけどw

730 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/23(月) 15:06:05.78 P.net
ちょっとだけ余談をしてみるよw

中期朝鮮語に関しては、母音体系はきれいな「2×4−1=7」なんだよね。
体系自体は非常にクリアで、これ自体に、二次的移入だの何だのという議論は、ほぼ挟めない。
問題は、母音の具体的音価が、人間の舌の動きとして、母音調和の体を為さないこと。
ここから、文字化以前の朝鮮語における(高麗?)母音遷移説が唱えられている。

「2×4(4母音の2倍)」というのは、
トルコ語をはじめとして、ユーラシア東部由来の母音の一つのひな型。
母音調和の議論を踏まえれば、これはつまり「母音は『4つ』」ということで、
母音4つというのは、ウラル・アルタイ・オーストロネシアと、ユーラシア東半分のかなりの言語において
語族を跨いで、どこか言語連合的に、「原始的な形」として広がっている。

母音は5つが安定というのは、本当は、インド・ヨーロッパ語族における「広域的な常識」で、
今の、カオスのような母音をもつ英語仏語などでも、ベースには5母音がある。
印欧祖語というより、ある程度分化した印欧語が、古い時期に基礎母音を3または5ベースで鉄板化した。
大野ですら、西欧由来の「印欧語ローカルの常識」に騙されていたのかもしれない。
というより、日本における5母音発想の原典は、サンスクリットの文字表だから、
日本人は、千年来、「印欧語の基本5母音神話」に、延々と騙され続け、
5母音カルトを、今もなお崇拝し続けているのかもしれない。

731 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 16:11:34.83 0.net
単に元の母と四つに別たれた母の和で五母音なのであろうが

神と祇

天津神と国津神

天神地祇でア行ワ行の二行が対になってるとかの話なのではあるまいか?

732 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 16:24:14.38 0.net
>>730
中期朝鮮語の母音に関しては詳しい訳じゃないからこれ以上の言及は避けるけど、上代以前の日本語の母音に関しては5母音だった時代があると思うよ
だって有坂法則を成してる母音はa,i1,u,o1,o2の5母音なんだもん
このことから母音融合によって生まれたi2,e1,e2は有坂法則が崩壊した後に生まれた母音であることが分かるし、逆に言えば8母音時代以前は5母音だったんだろう

何より、印欧語とは無関係にa,i1,u,o1,o2の5母音体系はAN語的に考えて不自然なものではないんだし
>>415辺りの議論になるけど、i2,e1,e2って下手したら5世紀とか6世紀くらいに生まれたかなり新しい母音なんじゃないかな
松本氏の指摘のように上代特殊仮名遣い的な8母音体系が安定して長期間存在したとは思えないし、5世紀に生まれて300年後の奈良時代には既に崩壊しかけていたと考えるのは自然だと思う

733 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/23(月) 16:42:59.53 0.net
o1がかなり早くから存在した根拠として>>567でツングース語との対応を挙げたけど、
もう一つ、魏志倭人伝に書かれてる日本語の固有名詞の漢字の中古音を見ても当時の日本語のo1の音韻がoだったことは明らか
盧(lo),孤(ko),古(ko)など、o1の音価はかなり安定してる

それに対しi2,e1,e2はほぼ出てこないし、極論だけど邪馬台国で使われてた日本語は5母音だった可能性も十分にあると思う
日本語の母音体系の変遷は「4→5→8→5」だろうが、8母音の時代はかなり短かったんだろう

734 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/24(火) 00:32:28.88 P.net
>>733
その上古音に関しては、問題は「それ、実はウの音写じゃないの?」という疑念を、
中国語の側からも、日本語の側からも、どうしても払拭できないところにある。
オの甲乙の弁別は、中国側から攻めればかなり確実に分かるが、
ウとオ甲の弁別は、実のところ、「後世の日本語で対応する音がオ段だから」という以上の説明は出来ない。
そして、これでは説明の体を全く為していないんだ。

藤井対策以外では、オについては甲乙で悩む必要は今ではあまりないと思う。
それよりも、オ甲とウの弁別のほうが、真の問題として浮上してくる。
皮肉にも、オなのかウなのか、という、本居以来の最初の議論に、見方によっては回帰しているとも言える。

735 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 01:10:58.50 0.net
「ノ」の甲乙についていえば、石塚も「ヌ」が二種類で、「ノ」は一種類と見てたんだよね。

736 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 01:23:42.38 0.net
>>734
魏志倭人伝の中古音を見る限り、uとo1はかなりはっきりと書き分けられてると思う
狗(kəu),句(kəu),不(pIuət)など後のuに繋がる漢字に関しては多少の揺らぎがあるとはいえどれもuが入った漢字で書かれてる(əu→uは自然な母音融合)し、
o1に関してはどれもCo(Cは子音)という音の漢字で書かれててほぼ揺らぎが無い
毛(mau)なんかは例外的にu音が入ってるo1の例だけど、これに関してはau→oは自然な母音融合だし

多分、奈良時代の彦(piko)に対応する狗奴国語の発音が卑狗(piekəu)なのがo1とuの弁別をややこしくしてるんだろうけど、
これに関しては狗奴国の方言では彦という単語のuが低舌化しなかったと考えるしかないんじゃないかな
狗奴国の位置として有力なのは現在の岐阜や愛知の付近だから、その辺りの上代方言が再構されないことには決着のつきようがない議論だって点には同意せざるを得ないけど…
ただここまではっきり書き分けられてるんだから個人的にはuとo1は分別されてたんだと思う

737 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 01:40:20.09 0.net
>>736
ちょっと、ズレるけど、突っ込みいれさせてもらうよ。
>狗奴国の位置として有力なのは現在の岐阜や愛知の付近だから
邪馬台国畿内説に立っているんだろうけど、そこも私は異議を申し立てたいがどうでもいい。
狗奴国の方言は関係ないよ、魏志倭人伝のインフォーマントは邪馬台国側の人間なんだから、邪馬台国の人間が狗奴国方言を魏の使者の前で復元して、
それを採集したという前提をおいてしまうことになるよ。いや、ないことはないのかもしれないが、ちょっと、前提条件として無理があると思うよ。
むしろ、魏志倭人伝の邪馬台国を畿内から外して、記紀万葉時代の畿内と別物って考えるほうがいいんじゃないかな。

738 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/24(火) 02:01:37.19 P.net
しまった。馴染みの薄い話に、ちょっとフライングで変な話を書いてしまった。
魏志倭人伝のそこで並べられた漢字に関しては、日本語側で比定すると、むしろ「ア」に親和的な単語が多い。
アは後舌だったという、森推定音の射程はここまで及ぶわけで、
ウとオ甲の弁別という、小さな話ではなくなっていく。
uaなのか、aなのか、uなのか、それともきちんと弁別されたo1なのか。

これは、魏という時代の推定漢字音が微妙だ、という問題もからんでくる。
後漢末以来の内乱で、漢字音が激変している最中の時期だ。
これらの例から「uともaとも異なるo1が弁別されていた」とは、とてもじゃないけど推定できないと思う。

739 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 03:29:22.07 O.net
a、i、u、∂

a、i、u、o、∂

a、i、wi、u、ye、e、o、∂

a、i、u、e、o

740 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 05:55:24.01 0.net
>>733
>>734と同じ理由で、i1だと思われているものについても実はe1の音写だった
という可能性も排除できないな。

741 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 06:41:43.06 0.net
>>734の指摘している、日本語からも漢字音からも語形を確定できないという問題は
上代語にたまに現れ、琉球など遠隔地の方言にも僅かな痕跡が見られる半狭母音〜狭母音の語形の揺れ
(例えば、妻籠をツマゴ2ミ2、腓をコ1ムラ〜クブラ、平坂を比良坂〜幣羅坂、など)とあわせて、
前々から気になってた。
祖語再建の上で重要だと思うけどあまり問題にされないよね。
それどころか上代文献でさえ今までの読み方の正当性が疑われかねない話なのに。

742 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 13:51:41.53 O.net
>>740

さすがにi1は、 iもしくはyi。
i1はデフォで口蓋化だから、i2は非口蓋化もしくは円唇化のマーク。母音としてはi。

743 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/24(火) 16:06:50.62 0.net
韓国人の反日暴走を止めよう!

●テキサス親父がホワイトハウス公式サイト上で
グレンデール市の売春婦像を撤去しろという署名を立ち上げました。
サインと拡散を是非、宜しくお願いします。

2014年1月10日までに100,000筆の署名が必要です。
初めて署名される方への解説です。 
http://staff.texas-daddy.com/?eid=454

署名サイトはこちら
https://petitions.whitehouse.gov/petition/remove-offensive-state-glendale-ca-public-park/3zLr8dZh

744 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/24(火) 23:42:41.39 P.net
脱線っぽいけど面白いし、示唆するものも多いので、話に参加してみたいと思う。

>>741
多分、「けつねうどん(有名な大阪方言)」のような、
「時に生じるアドホックな低舌化」だと理解されて、ヌルーされてしまうんだろうね。
けつねうどんではあるが、「たのけうどん」にはならず、これはアドホックな低舌化にすぎない。

だけど、御指摘の通り、上代語は体系が違うので、話は簡単ではない。
特に「平坂」の「幣(pe1)」は結構深刻で、*pia-saka(サ行子音sは暫定値)になるから、
ただのアドホックな低舌化とは言い難くなる。

そして、o1の場合、まさにこの「アドホックな低舌化」が、一つのカギを握っているように見える。
この問題は深刻であることには、心底同意する。

745 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/25(水) 13:27:00.35 0.net
面白いことに、平坂の「ヒラ」という語は
ttp://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:2TNCHxaQh9YJ:ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/nkjn/details.php%3FID%3DNK44716+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp&client=opera
上代語だけでなく各地の方言にも「ヘラ」の形が散見される上に、
アイヌ語のpira、朝鮮語のbyeorangと、言語(語族)の境を越えて分布してるんだよな。
坂、傾斜地、崖、岸など意味のずれが生じてはいるが。

因みにbyeorangのyeoという母音は、「2×4−1=7」の、「−1」の失われた陽母音に
おそらく由来すると考えられ(だから母音調和の規則に反して陰母音yeoと陽母音aが共存)、
また朝鮮固有語の体言の語末の-ngは、古い末子音*-hが失われた代償として付加された場合が多いようだ。
そんなわけで古代朝鮮語では上代日本語pi1ra~pe1raにより近かったと思われる。

746 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/25(水) 13:30:46.32 0.net
あ、別に「ヒラ/ヘラ」の起源が古代朝鮮語だと主張してるわけではないので悪しからず

747 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/25(水) 18:53:27.69 0.net
古代に関して考えると、弥生系と縄文系で言語が違っている可能性も大なんだよな
弥生語は古代朝鮮語に近くておかしくないし、縄文語はアイヌ語か、あるいはオーストロネシア語族に近い何か
東北アジアに系統不明な言語がやたら多いのは初期にかなりバラバラな民族の混血があったからだと睨んでるんだけど

748 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 02:07:57.04 0.net
>>737
考古学的に考えて、邪馬台国九州説はもう成り立たないでしょ
邪馬台国は畿内で、邪馬台(yamato2)は同じ発音の大和(yamato2)のことだと思う

まあそれはともかくとしても、卑狗って一般名詞単体で表記されてるなら確かにそうだけど、この場合「狗古智卑狗(kəu,ko,tIe,pie,kəu)」って固有名詞じゃん
普通に考えてこれは彼の公式の名乗りな訳で、であるからには邪馬台国人もそれをそのまま単語として認識して伝えることは別に不自然ではない思う


>>738
解釈がおかしかったら謝るけど、論旨を要約すると「魏の時代の漢字音が上古音と中古音のどちらに近いか分からないから日本語側の音韻を推定できない」ってことだよね?
それに関しては俺も確かだと思う
>>736では魏志倭人伝が中古音表記であるという前提で書いたけど、中古音でCo(Cは子音)の発音の漢字はどれも上古音ではCagの形だしね
確かに音韻の方向から確定的な結論を出すのは難しいだろうけど、音素としてならたとえ魏代の漢字音が分からずとも分析は可能なんじゃないかな
森博達の研究によれば、魏志倭人伝の日本語表記にはある程度の信頼性があると結論されてる
明確な書き分けが見られる以上はたとえ具体的な音韻の推定が困難だったとしても音素として3世紀の日本語が「『5母音的』な音韻体系だった」
もしくは「後にa,o1,o2となる母音が『音素として』弁別されていた」という結論を出すのは十分に可能だろう

加えて、俺は魏志倭人伝で使われてる漢字音は中古音だったと思ってる
根拠は森博達も指摘しているように、日本語の表記に語末子音の無い漢字が使われていること
三韓や夫餘など他の言語の表記には子音終わりの単語が豊富に使われているのに対して、日本語の表記には中古音で母音終わりの漢字ばかりが使われている
例えば「邪馬台」の発音は上古音であれば(ŋiag,mag,təg)だけど中古音なら(yia,ma,təi)になる
日本語表記に信頼性があり、かつ意図的に語末子音の無い漢字が使われていたなら、魏志倭人伝の漢字音は中古音だったと結論付けるのが自然だろう

749 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 02:16:27.79 0.net
>>745
それと、これは脱線だけど、

>古い末子音*-hが失われた代償として付加された場合が多いようだ。

この一文が気になった
朝鮮語には本源的なhが存在しないというのが定説だったと思うんだけど、だとするとこのhの起源を考える必要があるんじゃないかな
もし両者が同源(もしくはどちらかからの借用)だと考えるならば、*-hの更に古形を再構しなければならないのでは?

750 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 12:01:30.01 0.net
>>748
「対馬」の「対」は?

751 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 12:17:14.22 0.net
>>744
「けつね」は低舌化なのか?むしろ古語の残存では

752 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/26(木) 19:58:50.15 P.net
>>736>>748
とても気になる記述が、これらのレスにあるんだよな。
揚げ足取りのように見えるかもしれないが、
もし、それなりに精密な議論をしようとするなら、これらは致命的な粗雑さだと思われるので、
一言触れておくことにするよ。

1つ目。
>əu→uは自然な母音融合
>これに関してはau→oは自然な母音融合

魏志を編纂する調査として、魏の使者が西日本のどこか(おそらく博多だろう)で、
どんなプロセスで現地語を聞き取り、どのようにして文字(漢字)に落としたか、考えてみてほしい。
中国人が、当時は無文字民族(魏志)の倭人の発音を聞き取り、自分の脳内辞書にある、近似した音の文字に音写する。
その間の時間は、どう考えても【数秒】だ。
母音融合というのは、最低でも【数十年】の間に、同一言語の間で通時的に起きるもの。
「他の言語を聞いたときに、数秒で勝手に融合される」ことは、絶対にあり得ない。
中国語の音素は複雑だが、おそらくより単純な倭人語の発音を、聞き取って音写する場合は、
「音素をピックアップして近似する」ことになるだろう。この方法は、森が丁寧に考証している方法でも同じだ。

753 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/26(木) 20:07:29.25 P.net
2つ目。

>俺は魏志倭人伝で使われてる漢字音は中古音だったと思ってる
>根拠は森博達も指摘しているように、日本語の表記に語末子音の無い漢字が使われていること

「上古音に全部末子音を振る」のは、一つの仮説でしかない。
古くからの有力説ではあるが、強力な反対説もあって、未だに論争が続いている。
森は、当然その議論をよく踏まえたうえで、倭人伝の日本語音写の開音節性を論じているが、
だからと言って、魏の言語が「中古音だった」と考えているわけではない。

そしてもう一つは、上古音・中古音というのは、一定の安定期の想定音というだけで、
例えば末子音の変化と、核母音の変化が、連動して一斉に切り替わるわけではない。
だから、開音節的な漢字が出現したからと言って、核母音の推定音を隋唐と同じだと推測する必然性は何処にもない。


どうも、私には議論が乱暴に見えるよ。
やっぱり、「まず5母音ありき」の厄介な信仰に嵌ってないかい?

754 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/26(木) 21:10:55.77 0.net
やたらと-gが末子音に来る上古音は古い再建という感じ。
近年はやたら閉音節だらけにする上古音はあまり主流ではないのでは?
チベット語派との比較でも否定的な結果が出ているようだし。

755 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/27(金) 19:03:36.30 0.net
オ甲になった音とウのままの音の条件の差が明らかにならない限り、
オ甲のウ低舌化なんて余計なプロセスは
オッカムの剃刀の対象じゃね?

756 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/28(土) 00:54:34.59 0.net
話の流れ的には、オッカムさん、あんたの剃刀でけつねうどんのけつね、切って貰おうか?
ってことなんだろうけどね。

757 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/28(土) 05:56:23.06 0.net
切れるんじゃない?
関西弁にケとキの音の差があっても、ケツネウドンのような低舌化は起こる

原始日本語にウとオ甲の差があっても、低舌化は起こる

オ甲がウから生まれたというプロセスを仮定する必要がない
→剃刀

758 :699 ◆nLORzldheo :2013/12/28(土) 13:34:55.12 P.net
>>756>>757
ありがとう。それで良いんだと思う。
大阪方言に、「き」と「け」が両方存在するから、「けつねうどん」が安定したんだよね。
対照的な例が、同じく大阪方言で言えば「せやねん」になる。
「せやねん」の「せ」は、「や」の半母音が「そうやねん」の「そう」が縮約された「そ」の母音を逆行同化して、
最初は、[s@]のような、曖昧母音または中舌母音になっていた。
ところが、大阪方言には、この音が安定した音素として存在しない。
そうすると、「そやねん」か「せやねん」の二択になり、結局「せやねん」に落ち着きつつある。


o1は、先にuaの融合として音素が成立してから、
その後で、アドホックな低舌化によるものが、合流してきたのではないだろうか。
既存の議論とも、特に矛盾は生じない。

759 :名無し象は鼻がウナギだ!:2013/12/28(土) 13:41:09.08 0.net
いや、そこはオッカムさんは剃刀つかえるけど、きつねうどんがなんでけつねうどんになったの?
ってことを切り刻めないとまずいんじゃないの?
受け皿として、もとから低舌化の母音があったっていう前提をおいてるけど、
そもそもなかったら?っていう話でしょ、きつけがけつねになる時、けが最初かあったっていう条件があればいいけど、
ないとどうなるるの?って話でしょ。

760 :390 ◆oflnzmdu96 :2013/12/29(日) 10:05:59.51 0.net
「けつね」の「け」は後ろの「ね」に同化した現象で、
どっちかっていうと有坂の法則に関連した動きじゃないか
他にもヒレ肉の「ヘレ」があるけどどれも店屋で出る食べ物なのは
なにか特有の文化があるもんかな

761 :390 ◆oflnzmdu96 :2013/12/29(日) 10:15:18.49 0.net
ちなみにちょっと前に中古音と上古音の話が出たんでまざってみよ。
例え中国語の上古音が今の英語みたいに子音終わりばっかりだったとしても、
日本語の音を転写するときに無理にでも何らかの文字つかわなゃいけないんだから、
やっぱり-gで終わる音を使ってたとおもうよ。
というわけで末尾音が母音か子音かを根拠に当時の中国語の音価を推定するのは厳しいと思う。

ただ邪馬台の邪の頭子音から見ると中古音に近いと見た方がいいよね、、、

762 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/01(水) 22:05:21.78 0.net
>>760
店内や厨房で慌しく大声を出す場面では舌の動きをサボる低舌化も捗るってことなんでは

763 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/01/03(金) 08:24:31.77 0.net
760の書き込みに補足。
有坂な法則にと関連した動きっていうとまるで現代の関西弁にまで有坂の法則が残ってるような言い方だったけど、
言いたかったのは有坂の法則と同じ原理で単語内の同化現象なんじゃないの
っていみだった。

ちなみにアルタイ諸語の母音調和も、このテの同化現象であって、言語の系統関係を証明するほど本質的ではない
⇒アルタイ祖語のような単一の言語にさかのぼることはできない
と、考えているんだけど
このスレの最近の流れは違う感じかな

764 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/04(土) 03:52:17.90 0.net
>>758
' >>756-757 '

765 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/06(月) 12:07:29.28 0.net
思うんだけど、甲乙で話すのやめない?
具体的な字群出して話したほうが、なんか見えてきたりしないかな?

766 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/07(火) 22:03:03.60 0.net
>763
関西方言には有坂の法則が残っているよ
↓を見てごらん
http://music.geocities.jp/konatarosu/Hakusonkou/6shou.html

767 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/09(木) 12:41:54.31 0.net
>>766
リアル基地外のサイトじゃねーか

768 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/09(木) 17:32:25.09 0.net
>>767 初見のサイトだけどどの辺がおかしいの?

769 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/10(金) 02:55:54.16 0.net
>>768
過去スレを見ればよろし、藤井は当該スレでは完全に論破されて終了してる。

770 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/10(金) 18:24:57.46 0.net
藤井さんはなぁ。もうテンプレでツッコミどころをまとめる?
ある意味、トンデモなんだけどトンデモじゃない擬態されてるのが問題だよねぇ

771 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/11(土) 07:50:48.55 0.net
>>770
俺にはどこがトンデモなのかわからんが
有坂三法則を例外までふくめてちゃんと説明してるじゃないか?

772 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/11(土) 14:27:18.88 0.net
そうだな。トンデモである根拠が聞きたい。

773 :699 ◆nLORzldheo :2014/01/11(土) 14:50:46.65 P.net
あ゙ーー、めんどくさいwまた藤井かw


これは論理的に綺麗に決着済みだから、いいんだけどね。
藤井説なるものは、つまるところ「音韻の定義」がおかしいんだよ。
音韻(音素)とは、「当該言語(話者)が、弁別に採用【しない】音色の差異」が正解だが、
藤井は「話者が、弁別を【出来ない】音色の差異」と理解してる。ここが誤り。
音韻論に関する議論をするのに、
最初の最初の基本定理である、音韻の定義が誤りだから、そこからの論理展開が全部誤りになる。
論理的には、これで説明終了。あとは枝葉の話でしかない。

774 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/11(土) 19:40:00.21 0.net
リンクされた6章を読んでみたけど、
そこに書かれたオ段甲乙の書き分け則の説明は、その音韻の独自定義とはまるで無関係だったぞ。
まあ最後にその定義に従って「記述していたのは外国人だ」と来るけど
それこそ枝葉で無視すればいい。本人はそこを言いたいのかもしれないが。

775 :699 ◆nLORzldheo :2014/01/12(日) 01:40:04.56 P.net
>>774
理論の根拠を注意深く追ってみ?結局「藤井音韻定義の誤り」に行きつくから。
藤井の書き分け法則なるものは、
「日本人には、聞き取【れ】ないが、現代朝鮮人には聞き取【れ】る音色の差異」という理由づけになってる。
ここから出てくるのは、朝鮮語や日本語の、「初等語学テキストの、実用リスニング術指南」だけだ。
条件異音の法則の体を為していない。
これを他の奴が何度指摘しても、藤井は全く理解できないのは、
藤井の脳内の音韻の定義が、誤った「藤井流」だからで、藤井がここを改める気が無い限り、どうしようもない。

776 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 01:51:22.89 0.net
藤井説を別にしても、条件異音説って一般向けに日本語の本を書いてる人に
やけに採用者が目立つような。
割とそれ自体がトンデモに近いと思う説なんだが、なんか人によっては惹きつけるものがあるんでしょうか。

777 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 09:42:30.96 0.net
わかりやすいから?
安牌のアンパイのン
案外のアンガイのン
案内のアンナイのン
日本語話者は区別してないけど、外国話者に聞き取らせてアルファベット表記させたら、
m、ng,nって別表記するよって言われたら、ああ、そういうことか!って納得しちゃう人はしちゃうでしょ。
まぁ、これは完全な条件異音だけど。

778 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 14:36:43.94 0.net
>>775
いやあ全然分からん。
聞き取れるか聞き取れないかも論点とは無関係に見えるし。
あとそれは条件異音とは言わないということなら、条件異音という言葉を使わなければどうなんだ?
或いは独自用語にでも置き換えれば解決するのか?

779 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 15:12:50.60 0.net
俺は775さんやないけども、条件異音ってのは777さんが言うてるような後ろに来る子音の条件で音が変わってるけれども、
別にそれを対立の要素と判定してない場合、異音でもかまわんってことやろ。
藤井の言うとんのは、その条件はなんもないんや。夜と世のよは関西人は今でも違う発音してるっていうけど、
そうでっかっていう話や。さいどすか、ほうでんねんなぁって言う話なんや。
でや、問題はここらや。夜と世、違うように発音してるとするわな、関西人が。そうすっとやな、
なんでそれ、違うように関西人は発音しとんの?って話や。違うように発音する条件はなんぞあるんかいな?って話や。
条件はなんもない、一字音で、後ろとか前に特別の音が来るとか、高音とか低音のアクセント(ピッチの違いをアクセントって言うのは日本語やからええやろ)も関係ないなら、
なんでちゃう音で発音しとんねんってことや。違うように発音しとんのやったら、それはちゃう音やって、関西人は認識しとるんとちゃうの?
前後の子音やら母音にも影響されず、単独の語が別音やと認識しとるさかいに、別の音で発音しとんのやろ?
英語の母音はぎょーさんあるけど、あれは、ローマ字作ったラテン語ユーザーのローマ人が5母音やったさかい、その5母音でaeiouってやってもうて、
そこにいくつもの母音をあてはめたけど、条件異音やのうて、夜と世とか、単独で母音に違いがあって、単語を識別しとんのやったら、
それが現代関西人にまで受け継がれてるんやったら、なんで5母音になっとるんやって話やわな。50音作ったんは関西人やで、関西人が音の識別しとんのやったら、
それがない5母音はおかしいやろ。条件異音で、よもとよがでよのお音が違うとかとちゃうで、世と夜の音がちゃうって話やからな。

780 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 15:31:11.12 0.net
>>777の例をとるなら、日本語に「アンナイ」「アク゜ナイ」「」「アムナイ」
の対立があったらそりゃ条件異音じゃないよねっていう
そりゃ同音異義語ってのはあるが、日本語の同音異義語はほとんどが漢語で
そうじゃないものは大抵甲乙対立かアクセントの対立がある

781 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 16:28:31.77 0.net
条件異音の条件を明示されないと条件異音と認定できません。
それで終わる話じゃないの?

782 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/12(日) 17:05:50.09 0.net
>>779
条件は何もないとは、どういうこと?
節まで設けて世と夜の違いはアクセントによると論じているけど。
あ、お前らひょっとして読んでないな?俺は頑張ったっていうのに!
現代関西弁の例とかどうでもいい部分が長くて面倒臭いんだぞ。

783 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/13(月) 06:46:30.84 0.net
年明けて久しぶりに来てスレが伸びてると思ったら
まーたまた藤井かよw
本っっ当にしつこい野郎だなw

784 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/13(月) 14:59:56.18 0.net
うざがられつつも続けてしまうけど
>>780
ちょっと分からないなあ。藤井説では条件異音と言っているくらいだから対立はないとする立場だよ?
何に対する批判なんだ、それ?
>>781
条件はまとめと要約で2度も出てくる親切設計。

785 :699 ◆nLORzldheo :2014/01/13(月) 15:58:10.48 P.net
>>770
やっぱりやりますかねえ。
この藤井闇鍋、どうも、素人は「美味い美味い」と言って食べてしまうらしいからなあ。

高低アクセントが高いと舌が下がる(または円唇性が無くなる)という、
驚愕の説を挙げておきながら、
実質論拠は、イミフな非科学的実験と「声楽では当たり前なんだそうです」の一言だろ…
これ、不十分な科学っぽい論考まがいと、他分野の論拠無き権威づけを組み合わせて、
どっちもちょっと見れば明らかなgdgdなのに、コラボでごまかして逃げ切ってしまうという方法。
気付かない人は気付かないんだよなあ。
そして、それでも無理っぽくなると、自由異音に逃げる。
でも真正の自由異音なら、書き分けにはならんはずだよな。

結局、音韻の定義がおかしいから、こんな論考まがいの説を思いつくんだよ。
藤井の根幹は「朝鮮人には聞き取れる」なんだ。だからこうなる。
もしアクセントが鍵だというのなら、甲乙はアクセントの書きわけだったのだ、と言えばいいのだ。
アクセントは音素だからね。でもそう言わないってことは、そう言えないということ。
だから、一部は自由異音だと逃げ、
最終的に「日本人には分からんだろうが、朝鮮人が聞き取ったのだ」と言って不可知領域に逃げ込む。

786 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/13(月) 17:09:25.11 0.net
おお、やっと期待通りの反論が来たな。(負け惜しみに響く。)
俺も
> 実質論拠は、イミフな非科学的実験と「声楽では当たり前なんだそうです」の一言だろ…
が駄目なところだと思っていて、反論するならさっさとそこを突けば済む話なのに
なぜ音韻の定義がだの条件異音がどうだのしか出ないのかが疑問だった。
自由異音は多分普通の意味では使ってないと思うよ。
定義が問題になるなら自由異音の方だろうね。

そりゃあアクセントのそのものの書き分けじゃないとしているんだから、そうは言えないわなあ。
それは意地惡すぎるだろう。
2段落目のそれ以外の部分は前のめり過ぎてよく分かんね。
例えば俺が藤井の音韻の定義にも根拠にも従わず藤井説を再定義したらどうなんの?

787 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/13(月) 21:26:20.02 0.net
>なぜ音韻の定義がだの条件異音がどうだのしか出ないのかが疑問だった。

いやもう、そこがダメなら言語学の議論としては論外でダメダメだろw
往生際悪いなw

788 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/14(火) 18:12:57.24 0.net
アクセントの高低によりオの甲乙が決まるというようなことを言っているけど、
奈良時代のアクセントはほぼ分かっていて(厳密には院政期のものが分かっているんだけど、それとほぼ同じであることが分かっている)、
それとオの甲乙を比較したときにアクセントでは全然説明が付かないことが過去スレでも実証済み。

そもそも藤井の説はアクセントの他にも条件を持ちだしていて、さらにそれらが自己矛盾しているような代物だし
それらの条件を信じて文献上の例と当てはめてみても全然事実と合わない。とても「条件異音」とは言えない。

789 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/14(火) 18:31:24.57 0.net
2010年6月頃に藤井説で議論になった時期があったがログとしてはこのあたりか

http://www.logsoku.com/r/gengo/1228873581/296-685

ずいぶん長いからこれを読み直せというのは酷かもしれないけど、
また議論するとしてもこのときの繰り返しの域を出ない気がするなぁ

790 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/14(火) 19:41:33.60 0.net
>>787
そこが駄目ならそうだが、俺はそこが駄目だとは思っていない。
繰り返しになるが「日本人には聞き取れないだ」という定義には依存していないので
そこが狂っていてもどうでもいい。
それどころか
>(コの甲乙は)日本人でもちょっと訓練すれば聞き分けられたからであろう。
と言っているくらいで、全然聞き取れる。他の甲乙だってもうちょっと頑張れば大丈夫だろう。
条件異音は問題ないというか、何が問題にされているのかわからなかったんだけど
>>788にあるような意味?

今更ながら俺が何をしたいのかを明確にしておくと、
元々が>>774なので、>>773は批判になっていないと言いたい。他のにもついででレスしたけど。

791 :699 ◆nLORzldheo :2014/01/14(火) 22:26:03.58 P.net
藤井説の誤謬の構造が、どうしても分かりませんか?
論理を埋められないのなら、もう少し丁寧に、コツコツ書いてみますけど。

藤井さんは、アクセントだ!と言いつつ、結局一部しか説明できていないわけ。
都合のよい資料だけ持ってきて強弁してるが、それでも反例の存在は無視できない。

そこで、自由異音だと言い始めた。定義がおかしい。
定義を曲げて自由異音を持ち込んでも、まだ全部の説明が付かない。

ここで藤井さんは、「でしょう?これは朝鮮人が聞き取って書き分けたんですよ」と言ってる。
これ、朝鮮人が聞き取って書き分けたのであって、日本人は聞き取れないんです!と言い、
これこそが「条件異音」なのですよ!条件は朝鮮人の脳内にあるのです!
我々日本人は、私藤井以外は知覚できませんけどね!朝鮮人に聞けばすぐに分かりますよ!
と言って論理をひっくり返し、不可知領域に逃げ込んで、藤井定義を打ち立ててる。


これ、科学的によく説明のできない事象を取り上げて、「これこそ神の力、神の奇跡なのです!」
といって、わけのわからないニセ神様をおっ立てるカルトの教祖と同じ論理なんだ。
2ちゃん的に言えば、「天狗のしわざ」なんだよね。天狗が朝鮮人になっただけ。

792 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/14(火) 23:15:19.12 0.net
要は条件異音を持ち出してる奴は「藤井説」の定義部分で>>774とすれ違ってるんだよ。
藤井の主張は
 オ甲乙はアクセントの違いで説明できる
→(条件/自由)異音である
→日本人には聞き取れない
→朝鮮人が聞き取った
って構造で、多くのスレ民は矢印含んだ全てを「藤井説」と呼んでるのに対して
>>774の想定してる「藤井説」は最初の部分だけであってそれ以降のトンデモは問題にしていないから、
それに対して二番目の矢印の破綻を指摘するのは確かに的外れで、本来すべき反論は>>788


しかし、こう書き出してみると最初の矢印もアクセントが原因の音韻変化なぞいくらでもあるんだから破綻してるよなw

793 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/15(水) 07:29:54.08 0.net
過去スレで、藤井が主張していた条件を整理すると

1. イ・エ段と共存しているなら、そのオ段は乙類。
2. アクセントが低いならそのオ段は甲類。アクセントが高いなら、そのオ段は乙類。

さらに1.と2.を組み合わせると、藤井説が正しいなら以下のことも言える。

3. イ・エ段と共存しているなら、そのオ段はアクセントが高い。

それを元に、実例と合うか検証したのが以下。
http://www.logsoku.com/r/gengo/1228873581/582-589
http://www.logsoku.com/r/gengo/1228873581/650
http://www.logsoku.com/r/gengo/1228873581/657

アクセントと上代特殊仮名遣の両方が分かるものに限っても、条件に合わないものは17/42(40.4%)もある。
当然ながら、母語話者には弁別に使われない条件異音だったら、その「条件」に従えばどちらなのか100%予測できるはずなのに。

予測できない確固たる異例が1つでも出現した時点で、それは自由異音ではなく別音素になる。
(様々な言語で、ほとんど条件異音と言えそうな分布なのに、ほんの数個の例外により別音素と見なされている音素が存在する)

上代の文献を見ると、上代特殊仮名遣は明らかにアクセントと全く独立していて、
アクセントを知っていても甲乙どちらか予測できない。

仮に「条件異音」なら、藤井説はその「条件」の抽出に完全に失敗していることになる。
百済人だろうが何人だろうが、他言語話者には聞き取れるし「書き分け」という形になる2つの違う音があるけど、
日本語話者は区別していなかったと主張するなら、日本語の側に「この場合は必ずこちらの音になる」という「条件」があるはず。
その「条件」さえきちんとした形で示してもらえれば誰もが納得するし、それ以外の説明は蛇足で不要。

「自由異音」というなら、「書き分け」のほうもグダグダになるはずだが、実際は8世紀初期時点では明瞭な書き分けがあるのでそちらには逃げられないよ。

794 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/01/15(水) 21:45:34.27 0.net
>>782
済まん。読んでない。今度はちゃんと読みます。済みませんでした。

795 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/08(土) 19:47:20.87 0.net
少し話題が逸れてしまうかもしれないのですが、
古典での二段活用動詞が母音語幹とされているのは何故なんですか?
上代の甲乙が関わるのかなぁと思ったりもするのですが、
語幹を子音とせず、二段に渡って変化する母音の方を語幹とする根拠を知りたいです。
何か参考になる書籍などがあればそれも是非教えて頂きたいです。

796 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/14(金) 02:33:56.51 O.net
誰の文法論よ。

797 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/02/23(日) 07:46:56.06 0.net
なんか過去の書き込み遡ると、藤井サン呼び込んだのは自分の書き込みっぽいね。すまんかった。

んで、話の流れを大幅に戻すけど、>>758で語られてたo1がuaの融合で現れたという説が、
どうも未だに納得しきれない。

というのも、他の母音(i2やe2)のように、-iによる造語が多発して母音衝突が増えたという契機が、
o1には見当たらないから。e1は完了「り」のように相当明確な痕跡が見えるんだけどね。

というわけで俺はo1が他の母音からできたという考えをいっそ捨ててしまった。
このスレの前半では村山説と他のAN語の傾向から、o1がuから派生したことが読み取れるようなことが書いてたけど、
俺の入手した書籍(日本語の起源と語源)にはそういうの書かれてなかった
っていうかむしろuが2種類あったくらいの勢いのことが書いてた。

まだAN語関連の知識が足りないせい?だれかココらへんの情報詳しい人いない?

798 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/23(日) 12:24:34.24 0.net
「日本語の起源と語源」には、陽性oはua,oa,a等からの派生とか書いてたような

799 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/02/23(日) 14:28:22.89 0.net
まじで?手元の本(一版)だと

p13 古代日本語の母音構成

陽性母音 a o u
陰性母音 ə ö ü
中性母音 i

って書いてあるし

p131に「古代日本語o1がアルタイ陽性母音oに対応し、それにさかのぼると見ることは再検討を要すると思う」
とは書いてるけど、uaやらoaから派生っていう記述は見つけられなかった。
っていうか祖語に「o」aなんてものがあるならo1はやっぱり本来的単母音なんじゃないか・・・

800 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/23(日) 15:05:35.59 0.net
図書館でちら見したのをメモっただけだから手元に実本がなく確認はできん、すまん
確かpreOJ(799の図)からOJへの母音組織の変移を説明してるところ辺りだったと思うけど...

801 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/02/23(日) 15:12:03.01 0.net
ただ、主張するところは
アルタイ語由来の陽性母音oは日本語の(陰性)o2に合流してしまい、o1との繋がりはない
ということで、o1の由来自体については強い主張はしていなかったと思う

802 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/02/23(日) 17:55:44.63 0.net
ごめんちょっとそれっぽいのみつけた。

p129
「私の見るところ、o1の音価は服部四郎、柴田武の説くようにɔであるが、それは*oにさかのぼるのではなくて、u'a,o(a,aにさかのぼる」

どうもアルタイ語由来の単語については

o1 : ua oa a
o2 : o ə ö

という対応ができますよ、という話をしているらしい。
日本語の母音調和はアルタイ語の母音調和と素直に繋がらないっていうことを言いたかったようで
だいたい趣旨は>>801の言うとおりだったね。

803 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/02/23(日) 18:31:59.94 0.net
ただ、ここで疑問に思うのは、アルタイ語oがなにゆえ日本語のo2なんかに合流してしまったのかっていう話。
>>450みたいな例を見る限り、ツングースoがそのまま日本語o1に対応する場合もあるようだし。

思うに、日本語の母音調和時代にo1の一部がo2に合流し、その結果「o1の出現率が見かけ上少なく見える」という現象が発生してしまったのではないだろうか。
この仮説をたてると

・村山説 日本語のo1とo2の対立はアルタイ語のoの陰陽の対立と素直に結びつかない
・森説 魏志倭人伝(1〜3世紀)の日本語は日本書紀(8世紀)に比べて明確にo1の出現率が高い

これの両立ができるように思う。
問題はo1のうちo2に合流した音と合流しなかった音はどうして別れてしまったのか、という点だな。。。

804 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/06(木) 01:48:03.36 0.net
水500tを鍋に入れ火にかけ
湯が沸騰する前に水溶き片栗粉を入れる
沸騰してとろみがついたところで溶き卵1個を流しいれ
チキンラーメンにぶっかけて蓋をして2分半
旭ポン酢を大匙3倍まわしいれて
コショウをかけて全体をよくかき混ぜる
最後にラー油をたっぷりかけて完成

805 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/06(木) 02:26:53.92 0.net
>>804
テレビでやってたスーラータンメンもどきの作り方です、メモすることがなかったので、
このスレは落ちないし、そんなに早く流れないので、メモがわりにスレを使わせてもらいました。
すいませんでした。

806 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/07(金) 16:51:30.91 0.net
>>804-805
そういう用途に使えるスレがあるのでお使いください。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gogaku/1386410974/

807 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/17(月) 17:42:07.81 0.net
>>797>>802-803
>日本語の母音調和はアルタイ語の母音調和と素直に繋がらない

俺は>>461だけど、いろいろ考えてみた結果、スレでも何回か突っ込まれた通り日本語の母音調和はアルタイ的な母音調和とは無関係だと思うようになった
確かに有坂法則をアルタイ語と結びつけるのは無理だと思うし、有坂法則は日本語がアルタイ語と接触する前の時代にAN語の枠内で生まれた発音ルールなんじゃないかな
ただ、子音構造がAN語時代と比べて大幅に簡略化した結果ただでさえ同音異義語が生まれやすくなってる状況だったのに、更に母音の組み合わせパターンを狭めるような有坂法則が生まれたのは不思議に感じる


>むしろuが2種類あった

上代以前の日本語にu1とu2が存在したという説は複数の学者が別々に主張しててかなり根強いね
これに関してはアイデアが無いんだけど、実際のところはどうなんだろう

808 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/17(月) 17:43:46.74 0.net
>話の流れを大幅に戻すけど、>>758で語られてたo1がuaの融合で現れたという説が、どうも未だに納得しきれない

俺はo1の起源は母音融合とuの低舌化の両方だと思う
AN語はa,i,u,əの4母音だし、大野晋が唱えたように日本語祖語の母音体系はそれをそのまま受け継いだものだとしか思えない
ただ、o1が生まれた母音融合の起きた時期がi2やe2が生まれた母音融合の時期よりかなり早かったんだと考えてる
根拠はいくつかあって、まず「-iによる造語が多発して母音衝突が増えたという契機」は明確なアルタイ由来の要素だけど、silaw→siro1のようにo1に関してはAN語の中だけで起源が説明できる例がある
それに、上の方でも書いたけどi2やe2が早い時期に生まれてたなら円唇前舌狭母音であるツングース語のu"は日本語のi2に対応してなければおかしく、u"が日本語のo2に対応していることからも日本語のi2やe2が生まれたのがかなり遅い時期だったことが分かる
つまり時系列としては「o1の誕生→アルタイ語との接触→i2やe2の誕生」という順番だと思ってる
だから、ツングース語のoは日本語との接触時点で既に生まれていた日本語のo1に対応したはず
一方で、apuy→apo1y→po1i→pi2(火)のように明らかにuの低舌化によってo1が生まれたと考えられる例もあるから、o1の起源は低舌化と母音融合の両方だろう


>日本語の母音調和時代にo1の一部がo2に合流し、その結果「o1の出現率が見かけ上少なく見える」という現象が発生

>>450を書いた時からu"に関してはわりとはっきりとo2に対応するのにoに関してはo1に対応する場合とo2に対応する場合があったから不思議に思ってたけど、こう考えれば納得がいくね
何故そうなったのかはこれから考えてみるけど、魏志倭人伝の頃の日本語が上代日本語とは母音体系的にはかなり違うものだったのは間違いないと思う

809 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/18(火) 01:03:24.88 0.net
魏志倭人伝の日本語と上代日本語で母音体系がかなり違うと言い出すと、
魏志倭人伝は当時の九州方言を採集したもので、上代日本語の畿内地方と違って当然と言い立てる人がニヤニヤしながら出てくるんで、
そこらへんはみんな避けてるよね。言語学の話をしてるのに、歴史学というか考古学の人たちが引用してへんなとこから矢がとんできて、
民俗学やら考古学やらが入り混じったカオスワールドの邪馬台国がどこにあったかっていう話に引きずり込まれる

810 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/18(火) 07:12:59.42 0.net
>>807で「有坂法則が生まれたのは不思議」って書いたけど、俺は有坂法則は最初期の日本語では多分文法的な意味を持ってたと理解してるんだ
そう考えるようになったからこそ、上の方で何度も主張した有坂法則のアルタイ起源説を撤回したんだけど
a⇔o2の関係は対立というよりもむしろ文法要素じゃん
例えばkarasu⇔ko2ro2suのような同源と思われる交替語がいくつもあるし、有坂第三法則は大昔には派生語を作るための文法システムだったんだと思う

分からないのは第二法則
第一法則に関してはo1がuの低舌化で生まれたからってことで説明が出来るから、つまり有坂法則はo2とa,uの対立と言えるけど、どうしてuとo2が対立するのかが分からない
uとo2にはaとo2にあるような強い関係性なんて無いと思うし、少なくともこれが第一法則のように文法要素として機能してた痕跡は残ってないと思う
だからといって、子音体系が簡略化された結果母音にかなりの機能負担が掛かってたはずなのに、ただ発音しにくいって理由だけでこういう法則が生まれるのは不自然に感じる


>>797
u1,u2説について少しだけ考察してみた
一語例に出すなら村山はツングース語uyu→日本語o2yo2guの対応を主張してる
俺は>>567で書いた通りツングース語のuには日本語のuが対応すると考えてるんだけど、
実際大半の単語ではu:uだけどこの例みたいに少数ながらu:o2の対応を見せる場合もあるらしいのは確かみたい
この多重対応の理由は分からないけど、何故か有坂第二法則が存在しているように日本語のuとo2の間には何かしらあるような感じはする

811 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/03/20(木) 06:45:29.23 0.net
>>610
a←→o2の交替語についてはオノマトペで頻発してるんだったかな?
朝鮮語はこういう母音調和の対の発音で造語するシステムがあるんで、
こっちの影響を受けたのかもしれない

ただ、有坂第一法則って一番例外が多いんだよね。あんまり本質っぽい感じしない。

>>809
忠告ありがとう。俺は魏志倭人伝の時代と上代の時代は通時的な変化だと思ってるんだけど
なんかヤバい人たちに絡まれそうだよね。あんま深入りしないどこう・・・

812 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/03/20(木) 06:54:24.05 0.net
ごめんさっきの610は>>810の間違い。

ついでに追記

>>810
u←→o2の対立は有坂第三法則だったっけ
これの例外の半数は [C]utsiro2っていう発音の並びだったはずなんで
iが支え音になってないとo2かu・o1かのどっちかに発音が偏るような現象が起きたんじゃないか(完全に推測)

813 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/21(金) 00:08:09.47 0.net
*CuCo2>CuCo1
みたいな変化はあったかもね

814 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/03/21(金) 06:22:51.26 0.net
うわ、後から見なおしてみると第一、ニ、三の指し示し先が無茶苦茶だな。
第一がo1←→o2
第二がu←→o2
第三がa←→o2
の対立だったね・・・

ところでapuy→apo1y→po1i→pi2この流れだけど、poってpo1とpo2の区別ってどうやってつけるんだっけ

815 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/03/28(金) 19:41:39.74 0.net
上の話が中途半端なんで少し進めて書いてみる。

apuyって単語は日本語のpoiよりどう考えてもアイヌ語のapeに近いよね。
つーわけで、こういうミッシングリンクを考えてみた

Sapuy [AN祖語]

apey [ミッシングリンク]
│└pey─pəy─pi2[OJ]
ape [アイヌ語]

o2を更に遡るとeになるっていう説は結構魅力的だと思うけど、
裏付けとなるべき日本語o2とアイヌ語eが対応してる借用語が他にみつからないんだよね・・・

816 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/03/30(日) 22:02:32.62 O.net
>>815
o2は5母音体系から見た場合曖昧母音だから、それがたまたまアイヌ語ではeに吸収されただけだと思う
日本語ではo2はo1に吸収されたけど、o1じゃなくaやe1に吸収されててもおかしくはなかっただろうし、偶然としか言いようがない
日本語とアイヌ語の間に系統的な関係は無いと思う(あるなら朝鮮語以上に日本語に似てないのはおかしい)

ただ、太古に5母音を想定する場合a,i,u,o2,o1という5母音体系が安定するのかという問題はあるよね
これだとo2だけが曖昧母音になるから長期間音素を保てるか分からない
俺はo2はAN語の母音をそのまま上代まで受け継いだと思ってるからo2の古い音価がeだとは思わないけど、
もしかしたら一度音価がeに変わったのが上代の直前に生まれたe1に押し出されてまた元の音価に戻った可能性も無くはないと思う

それから、apuy→po1yに関してはuの低舌化を前提にしたただの推測です
apu+ruで炙るという動詞があるから、日本語にapuyという単語がかつて存在したのは間違いない

817 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/01(火) 21:33:06.94 0.net
>>816
そういえば上代の長野・静岡方言では曖昧母音のo2とe2とi2が全部i1と混乱してるらしいね。
これがアイヌ語ではeに統合しがちなのかもしれないなー。

818 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/02(水) 00:31:43.85 O.net
>>817
また話がそれてしまうけど、何故o2がi1と混乱してるんだろう
i2とe2がi1と混乱するのは自然だけど、o2って5母音話者の感覚からすればaとuとoの中間であって、i1とはかなり遠いと思うんだけど

そういえば、書いてて気になったけど上代のe1ってiaの母音融合だからかなりはっきりと唇を平たくする音で、
唇を平たくしないまま発音する現代の標準語的なeとは違うよね
aiの母音融合であるe2は標準語のeみたいな音だったと思っていいのかな?
これだとe2は曖昧母音扱いになるから、よりはっきりした発音を持つe1に吸収された理由が分かる

819 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/02(水) 06:38:57.96 0.net
森推定音ではe1がe、e2がəiなんで、e2の方が曖昧かつ二重母音なんで、はっきりした音素の方に吸収されたのかもね
日本語が音節→拍に移行する際に、二重母音が嫌われたっていうのもあるかも

中部方言の方であいまい母音が全部同じ音に統一されてる問題としては、
その実はi1があいまい母音になってしまう現象みたいに見える
現代の日本語でこんな方言ないんで頭ひねるだけだけど。。。

820 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/02(水) 19:59:53.80 0.net
「来あり」→「けり」のようにe1の少なくとも一部がia由来であること、
「せ」「ぜ」が森推定音で口蓋化音と推定されていることから考えると、
上代の時点ではやはりエ段甲類の音節は全て口蓋化していたんだろうか。
「て」はティエ、「ね」はニェのように。

これをはっきり否定した推定とか、否定できる根拠ってある?
漢字語でエ段拗音が発生しなかったことも、当時のエ段甲類が口蓋化していたと考えると説明しやすいし。

821 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/02(水) 20:18:33.81 O.net
>>819
e2が二重母音だってことは、e2が母音融合が終わってから生まれたかなり新しい母音要素だってことになるよね
ko2+i→ki2(木),to2ko2+ipa→to2ki2wa(常磐)など、o2とi1が融合するとi2になる場合がある一方、
to2no2+iri→to2ne2ri(舎人)という例もある
常識的に考えれば前者の方が古い対応だし、このことから日本語の母音が生まれた順番が「a,i1,u,o2→o1→i2,e1→e2」であることが分かる
e2が二重母音なのも、e2が生まれた頃には既に日本語では二重母音が排除されなくなってたんじゃないかな
上代中部方言のi1に関しては、この方言ではi1が現代標準語に近いような、唇が丸いまま発音する音になってたとか?
それならi1とo2が合流してもまだ不思議じゃないと思う

822 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/04(金) 06:29:16.53 0.net
>>820
手元の『日本書紀の謎を解く』を見ると
甲乙の区別があるケヘメでは、日本書紀α群の漢字を見ると
エ甲が斉開四(再構形 -ei)
エ乙が[口偏に台、うまく出せない...;_;) (再構形 -ʌi)
になってて、いずれも介音 -i- はついていないみたいだね

区別のないシチニリは手持ちに情報がないけど、こっちは口蓋化してる可能性はある

823 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/04(金) 06:35:23.27 0.net
>>821
ああそうだ、時々o2+iがeになる語があるんで気になってたけど、作られた時代が違うっていう可能性もあるんか。
比較的対応が多い自動詞←→他動詞対立やら、名詞の被覆系←→露出系対応なんてのは
古い時代にできたものかもね。

それにしても現代標準語ってi1が円唇化してるっけ?俺はしてない

824 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/08(火) 12:21:56.30 O.net
>>823
e2が最後に出来たんじゃないかって言ったけど、o2+iがi2になってることからするとe1もi2より後に出来たんじゃないかな
普通に考えたらo2+iって融合したらe1になると思うし、事実o2とiの連続母音だったe2は後に融合してe1になってる
なのにより古い時代ではo2+iがi2になっていることからすると、この頃にはまだe1も存在しなかったのでは?と思える
最初にa,i,u,o2があり、o1が生まれ、i2が生まれ、e1が生まれ、最後にe2が生まれたというのが日本語の母音の成立過程なんじゃないか?

表現に語弊があったかな
標準語のiって関西弁とか韓国語のiみたいにはっきりと唇を平らにしないじゃん?
それのことね
上代の日本人の感覚からすれば、標準語のiは多分曖昧母音に聞こえるだろうなと

825 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/09(水) 06:55:47.18 0.net
概ねいい感じだと思うけど、古代の音韻が中舌〜後舌に偏りすぎじゃね?

[i][ə][ua]→[i][ə][uoa]→[i][ɨə][uoa]→[ie] [ɨə][uoa]

前から俺主張してる通り、こんな感じだと自然なんだけど

[ie][uoa]→[ie][ɨ][uoa]→[i][ɨə][uoa]→[ie] [ɨə][uoa]

eがəに変化したあたりで、[i][ɨə][uoa]この母音体系の前舌に空きが生じて
e1やらe2が発生する起因を与えた

826 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/09(水) 12:19:16.03 O.net
>>825
森推定音によれば上代のaは今と違って中舌母音だったようだし、バランスは取れてると思う
前舌i、中舌a,o2、後舌u,o1で上手く割り振られてるし

日本語の歴史から考えればi2,e1,e2は後代に生まれた母音であって、8母音体系のバランスがおかしいことは何ら不自然なことではないはず
むしろ、>>732で書いた通り不安定で不自然な母音体系だったからこそ8母音体系は2、300年で崩壊したんじゃないかな?

古い時代にo2の音価がeだったというのには同意できない
俺は日本祖語の母音は大野説の通り4母音だったと思うし、日本語のo2の起源は明らかにAN祖語の母音をそのまま受け継いだものであり、日本祖語の時代から既に上代と同じ音価だったはず
日本語と特に関係が深いと思われる西マラヨ・ポリネシア諸語における母音体系の推移の傾向から類推すればo1が誕生した前後に一時的にo2の音価がeに変わって、
現代と同じaiueoの5母音体系だった時期が上代以前にもあった可能性は十分にあるけど、でもそれだけじゃo2の音価がeだった時期があると内的再構をするにはいささか根拠が薄い
ある程度根拠をもって言えるのはa,i,u,o2,o1の5母音体系だった時代があったということまでだと思う

827 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/09(水) 21:18:26.68 0.net
>>826

> 森推定音によれば上代のaは今と違って中舌母音だったようだし

これまた『日本書紀の謎を解く』からの引用で申し訳ないんだけど、コレしか持ってないから許して。
p82に「α群ではマを除いて前舌[-a]韻の字を一切用いず、奥舌[-ɑ]韻を常用しているのです」
って書いてるから、森推定音では奥舌だ。

ただ、すでにe1もe2もある8母音時代の話なんであんま参考にならんかも

あと、日本祖語が4母音だったっていう話の根拠が「AN祖語では4母音だった」っていう話くらいしか出てなくて、
それって本来
・日本祖語が4母音だった→AN祖語も4母音である→日本祖語はAN祖語と同根である
って論理で進めなきゃいけないところを
・AN祖語が4母音である→日本祖語はAN祖語と同根である→日本祖語も4母音であろう
っていう進め方になってない?って気がする

あ、あとそもそもAN祖語がaəuiの4母音だっていう話の出典もわからん。
これは俺が勉強不足なだけだけど。

828 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/10(木) 20:42:36.31 0.net
ごめん自分で書いてておかしいのに気づいた。
>>450にもあるけど、ツングース系のyはo2に割り当てられるんだっけ。
すでにi2=ɨがあるんなら、y=i2に割り当てられてもおかしくないから、i2がɨになる前に絶対
[i][ə][uoa]っていう状態があるはずだよな。

>>825は取り消しで、どうぞ

829 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/18(金) 02:49:43.95 0.net
>>829
質問スレいけや、ドアフォ

830 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/22(火) 15:34:07.07 O.net
>>827
ごめん、aが中舌っていうのは訂正する
まさしく上代以前、まだi2が生まれてない頃にi・o2・u,o1,aという5母音体系だった時代があるはずなんだよね

日本祖語の母音に関しては、大野晋の4母音説が根拠
出現頻度とか文法要素との結び付きから見て日本祖語がa,i,u,o2の4母音だったとするのは説得力があると思う

AN祖語の母音体系はBlustの再構で、ほぼ定説になってるよ

831 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/22(火) 15:56:41.93 O.net
それから、>>824で母音の誕生した順番に触れたけど、それに関して一つ思いついた
ma(目)→miru(見る)、ya(矢)→(y)iru(射る)、yu(湯)→(y)iru(鋳る)のように、古代の日本語にはa,u→iという母音変化をしたと思われる語彙がある
でも、この母音変化は不自然だし突然a,u→iという変化が起きたとは思えない
じゃあ何故こういう対応になってるのかだけど、古い時代にはこれらの動詞のi1はi2だったんじゃないか?と思う
古い時代にはmaにiが付いてmaiという動詞として活用されていたのがi2が出来た際にaiが融合してi2になり(まだ日本語にe1やe2が存在しなかったため)、i2がどこかの時点でi1に変化した
そしてこうして生まれたmiという語幹にruが付けられて現在のmiruになった

かつてmaがそのまま「見る」という意味の動詞の語幹として使われていたことはnaga+mai(眺め)という単語の存在から証明される
また、i2→i1への変化については、村山説によればwi(井)、wi(猪)などは元はi2だったのがi1に変化したとされる
>>803のo1→o2の変化があったという説に刺激されて考えてみたけど、これだけの根拠があれば古代の日本語においてi2→i1の変化があったことはそれなりの説得力で主張出来ると思う

832 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/23(水) 03:35:01.21 0.net
>>830-832
Blustね。ありがとう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Proto-Austronesian_language#Blust.27s_reconstruction
こっちに名前載ってたわ。

コレ見るとほぼ4母音で問題ないっぽいすね。
子音の方はかなり上代日本語とかけ離れてるけど、これどういう対応が想定されてるんだろ。

ちなみにi2→i1に変化したと思われる例としては、他にも
黄泉(被覆形yo2mo2:露出系yo2mi) 奥:沖(被覆形oku:露出系oki1)
があるっていわれてるよね。来(未然形 ko2: 連用形ki1)もこの仲間かもしれん。
古いi2は由来が古い分、統合真っ最中だったのかもなー。

ちなみに832で出された例が全部上一段活用なのが気になるけど、
これが何を示唆してるんだかちょっとわからない。

833 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/23(水) 15:20:05.00 O.net
>>832
村山説をベースにちょっと修正してみたけど、大体こんな感じ
不明なものはAN祖語における出現頻度が稀か、もしくは日本語と関係ある語例の数が少なくて対応が分からない

p→p t→t、もしくはs
k→k q→消失
b→p d→t
D→不明
g→k j→不明
m→m n→n
gn→不明 ng→n
S→消失 s→s、もしくはt
h→消失 C→s?
c→s z→s
l→r、語頭ではt
N→r r→r
R→消失、もしくはy
w→w y→iに合流?
v→w


問題点としては大きく2点で、tとsが多重対応してるのとR(フランス語のrと同じ音)が多重対応してる点
前者に関しては、日本語におけるtとsの混乱(fusagu⇔futaguなど)が理由の一つだと思われ、残りは泉井説によれば該当する単語に前鼻音化を仮定すれば解決できる
(ms→t、mt→sという対応を想定する)
なので大きな問題は無いけど、まずいのはRの多重対応
Rが消失したと思われる語例が大量にある一方で、Rがyに変化したと思われる例も同じくらいある
しかもtuyu(露)とtu(血)のようにRが消失した場合とyに変化した場合のダブレットまでも存在してる
これに関してはこれといった条件も見つからない不規則対応だから本当にまずい

834 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/24(木) 15:11:42.05 O.net
>>832
つまり、i2はe1やe2より起源が古い分混乱して統合されるのも早かったってこと?
木(被覆形ko2、露出形ki2)みたいな明らかに古い起源を持つ語彙でもi2が見られるから、単純にi1とi2が統合されかけてたかというのには疑問がある
とは言っても木と語幹の形が同じ来(ko2)はi1になってたりするし、俺もどういう条件でi2→i1の変化が起きたかは思いつかないけど


日本語には全く関係ないけど、Rとrの関係って面白いね
AN語(主にインドネシア諸語)ではR→rの変化が起きたけど、フランス語では逆にr→Rの変化が起きた
このことはなかなか面白い

835 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/24(木) 20:09:44.80 0.net
日本語祖語をAN語との関係で見ていく場合、地理的にはAN語の故地は台湾近辺というか、台湾と過程したら、
やはり、台湾→沖縄→日本(九州→近畿?)という流れになるのだろうか。まぁ、それでも、日本語には北方系の要因も多々あるので、
台湾→沖縄→九州?あたりで、クレオール言語としての日本語祖語は生まれて、そこから沖縄に南下したのかも知れんが、
トマ・ペラールの「日琉祖語の分岐年代」
http://www.academia.edu/2374529/_
で、日本語祖語を上代日本語からの内的再建で4母音体系(大野1977)してるけど、日本語と琉球語の比較からいえば、
日本語祖語は6母音だよって言ってるんだよね。簡単にいうと、上代日本語のイ甲が琉球語では、イとエに、
ウがウとオに分かれると。上代日本語から大野が再建した4母音と、AN祖語でブラストが再建した4母音を比較する場合、
その通り道にある琉球諸語を取り込んで母音体系を再建すると、6母音になりますよって言われると、
AN祖語の4母音と大野が上代日本語から内的再建した日本語祖語の4母音をダイレクトにつなぐような議論はちょっとどうかな。

836 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/24(木) 21:07:16.05 0.net
久々に参上w
大変申し訳無いが、399説(の立論の方向性)に正直関心がないので、
(俺にはどうでもいい議論に見える。特にo1の意義。単に過渡期の一つの形なだけじゃね?)
暫くたまにromってたんだけど、>>835が面白そうなので。

ペラール説的な発想は、少なくとも、たたき台としては重要かもしれない。
この発想、そのすぐ後のアクセント論でも明確なんだけど、
「謎の区別があったら、未知の音素を、必要なだけどんどん立ててしまおう。
音素が大インフレを起こしても、とりあえず構わない。精査はその後すればよいのだから。」
という考え方になる。
早くから精査し過ぎると、見落としが出てくる可能性が否定出来ないから、
とりあえず「大インフレ論」は、非常に重要な視点になると思う。
大野4は、確かに精査しすぎかもね。


なお、AN説については、台湾→南西諸島→九州というルートを想定する人は、実はあんまりいない。
大陸の祖語が、江南から直接九州、または朝鮮のフェリー沈没のあたりを経由、という説が多い。

837 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/24(木) 21:16:17.91 O.net
>>835
それについてなんだけど、考古学によればAN民族は台湾から先島諸島までしか北上してないんだよね
先島諸島と沖縄諸島の間にはかなりの距離があって、古い時代の人々はこの距離を航海できなかったらしい
だから台湾→沖縄→九州という流れではない

他のルートを考えると、AN民族が中国南部から台湾に渡る際に日本にも渡ってきたという可能性も考えられる
(つまり、AN祖語と日本祖語が共通の祖語から派生したという考え)けど、これだと日本語と西MP語族との顕著な類似を説明できない

じゃあどのルートで日本に来たかというとそれも難しいんだけどね
でも、少なくとも沖縄は通ってないのは確実だし、定説通り琉球語は日本語から後世に派生した言語と見なして問題はないと思う

838 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/24(木) 21:42:53.33 0.net
さらにペラール説に関連して。
俺が気になるのは、もう一つ「山口佳紀説」なんだよね。

俺は、個人的な思考スタイルとして、母音三角形から「幾何学的」に考える癖が強く、
母音の組み合わせから、いわば「代数学的」に考えるのは、正直とても不得意。
山口説は、俺は何から何まで頭を抱えてしまう難解な説なのだが、
彼の説は「徹底して代数的」なので、
俺の手が届かない、何かの重要な説明をしているような気がしてならない。

俺は琉球方言も得意じゃないので、苦手なもの同士になるんだけど、
ペラール説と山口説の交点に、何か重要な鍵があるような気がする。

839 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/25(金) 11:12:05.67 0.net
言語資料が比較的新しい時代の琉球諸語を根拠にして日琉祖語が6母音として再建するのは無理があると思うんですが・・・・
このペラール説というのは斯界で広く受容されてる学説なんですか?
アマチュアの私は初めて知ったけど。

840 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/25(金) 18:27:59.20 0.net
つまり
          AN祖語(4母音){ブラスト推定}
AN祖語祖語<
          日本語祖語祖語(江南あたり?)↓
                                                            上代日本語祖語(4母音){大野推定}
                         日本語祖語(母音数不明){ペラール推定では6母音}<               
                                                            琉球諸語祖語(6母音){ペラール推定}
うーん、ペラール説は琉球諸語の問題とするしかないのかな。

841 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/26(土) 07:12:02.49 0.net
>>840
分岐はもっと新しいところにくるんじゃないかな?
「日琉祖語の分岐年代」のpdf見ると、「上代東国方言や八丈語の資料も*eと*oの再建を裏付けている」
とあることから、上代東国方言の分岐時にはまだ6母音の痕跡を残していると見るべき。
(たぶん形容詞や動詞の連体形「長け」「行こ」などのことを言っていると思われる)
        
日AN祖語
↓――――――――――――――――――↓
日琉祖語(江南あたり、6母音)       AN祖語(4母音){ブラスト推定}
↓――――――――――――――↓
上代日本語祖語(6母音)    琉球諸語祖語(6母音)
↓―――――――――↓
近畿方言祖語(4母音) 東国方言祖語(6母音)
↓              ↓
近畿方言(8母音)   東国方言(5母音)

こうかと。
分岐不明の音変化が出たら新しい音を再興すべき、っていう考えは比較言語学の王道だけど、
ちょっと今までの常識とはかけ離れてるよな。

>> 838
米の伝達もそのルートらしいね。
ただいつも思うのが、先島諸島〜沖縄本島を渡れない連中が江南〜九州みたいな
遣唐使の時代だって死ぬルートを渡れるのかっていう疑問。

>> 837
いや、他の人も興味なかったみたいだよ。正直すまんかった。

842 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/26(土) 07:23:47.30 0.net
>>833
日本語と朝鮮語の漢字音対応みたいだね。
日-朝
h-p b-p
t-t d-t
k-k g-k
s-s、もしくはc、?
m-m n-n
r-r、もしくはj、?
みたいな。

漢字音における中国語のようなミッシングリンクを探したくなるな。
前述のペラールは行き過ぎにしても、AN祖語と日本語を兄弟にして
Rの来源に二種類を仮定するもう一つの親言語を設定したほうがいいかもしれない。

843 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 09:36:27.63 0.net
日本語とAN語族が同系統であることなんて定説にもなってないのに、そっちの4母音の説明の都合が悪くなるからって、
明らかに同系統であることが証明されてる琉球諸語との比較で出された6母音説をすぐ否定しようとするのは態度としてどうなの?

まずは日本語と琉球諸語の語形をきっちり説明できる祖語を再構するべきで、
AN祖語との比較はそれからやることだと思うんだが。

村山に悪く言えば傾倒してる人が多いようだけど、そういう議論をするならまずは日琉祖語の土台を固めてからじゃないかい?
ペラールの説はちゃんと比較言語学の王道の手続きに沿ったものだと思うし、「行き過ぎ」とか「常識とかけ離れてる」っていうのはどうかな。
6母音なら「大インフレ」と言うほどでもなく普通に有り得る母音数だし。

844 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 10:26:00.18 0.net
本土の諸方言を総合しても基本的に5母音であって上代の母音体系(仮に非5母音だとして)にたどりつけないのに、
同じぐらい時間たってる流求から6母音だとどうして分かるものなの?

845 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 11:31:50.99 0.net
>>844
本土の諸方言が分岐したのよりも琉球諸語が分岐したほうが古いんだから、
琉球諸語にのみ残ってる痕跡があっても全然不思議じゃないと思うけど。
「同じぐらい時間たってる」わけじゃないだろう。

本土方言の発音を比較しても、鎌倉時代より前に遡ることは難しいけど、
琉球諸語には本土での奈良時代以前に遡る特徴が残っている。

例えばイ・エ・オとヰ・ヱ・ヲの区別とか、ハ行のp音などは
本土方言には一切残存していないが、琉球諸語には残っている。

846 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 13:49:02.22 O.net
>>840-842
日本語とAN語の分岐がそんなに古いのはあり得ない
仮に中国南部で共通祖語から日本祖語とAN祖語が分岐したなら、日本語はもっと台湾諸語に類似していなければおかしいはず
しかし、実際には日本語の子音体系は台湾諸語とはあまり対応しないし、台湾諸語との対応語も少ない
子音体系に関しては複雑なAN祖語からスタートして日本語以上に単純化したポリネシア諸語の例もあるから問題ないけど、対応語の少なさに関しては説明がつかない
日本語はもう少し時代を下った、西MP語族からの分岐と考えるのが妥当
フィリピンやインドネシアの諸語と同系だろう

847 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 14:28:11.81 0.net
しかし、ANの原郷は台湾と推定されていて、
フィリピンは台湾の南で、日本は北なんだよね。
地理的にちょっと難があるよね。

848 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/26(土) 15:50:08.94 0.net
黒潮に乗ればフィリピンから日本まで直通で来れるんじゃないかな。
北欧のヴァイキングが北海から地中海のシチリアまで大航海して建国した例もあるんだし。

849 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 15:56:30.61 0.net
ベラール説とやらが俺は観れないんだけど、
観てもいないのにものいうのも気が引けるんだが(そのURLを踏むと、承認しますか?とかいろいろ出てきて、承認しますってしても見れない)、
どうやって琉球諸語を6母音と認定したのか説明してくれないかな?
おもろそうしは日本語の仮名表記されてるはず、たとえ、琉球諸語が100母音あろうとも、琉球諸語は5母音としか推定できないぞ。
いや、見れない人間が文句を言ってもおかしいけど、5母音しか表記できないかな文字を借用した琉球諸語からどうやって6母音という話が出てるんだ

850 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 16:59:32.24 O.net
>>849
論旨を簡潔に纏めると、上代近畿方言のi1が現代琉球方言のiとi"に、uがuとoに対応するから日琉祖語は6母音だったという主張
日本祖語では日琉祖語にあったiとeが合流してi1に、uとoが合流してuになったと考えるらしい

琉球方言の分岐は9世紀〜10世紀とするのが定説だし、分岐をそんなに古い年代に設定するのは確かに面白い説だと思う
ただ、>>835のリンク先に書いてある内容だけじゃ記述が簡潔すぎて説の正否を論ずるのも無理がある
本当に「2通りに対応します」としか根拠が示されてなくてそれに関する掘り下げが一切されてない

851 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 19:28:55.58 0.net
>>849
「おもろさうし」という文献資料に頼るのではなく、
どちらかというと現代琉球諸語から琉球祖語を再構し、
それと上代日本語(およびその内的再構から導き出される日本祖語)を比較して、
日琉祖語に存在したと思われる母音を再構している。

琉球諸語の多様性を甘く見ていないか?
「おもろさうし」だけではあくまで沖縄語(沖縄本島南部およびその周辺の言語)の古態しか分からない。
しかし、奄美語から与那国語までの現代諸語に共通して見られる特徴があれば、
それは琉球諸語の分岐した年代(すなわち琉球祖語の年代)に遡る可能性が高いと考えられる(共通改新と考えられる場合はもちろん除く)

852 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 19:35:06.56 0.net
>>850
「琉球方言の分岐は9世紀〜10世紀とするのが定説」って、何を言ってるんだ?
確かにそういう説も無いわけでもないが、様々な説の中でかなり新しいほうに推定した下限の説だろう。
昔から古墳時代あたりの年代に推定する説が多いし、上代語や、それより古い形を残したと考えられる形態も多い。
少なくとも8世紀の時点で分岐していないと説明できない言語事実が多いのだから、9〜10世紀というのは信じがたい説だ。

どうもこのスレの人、AN語説には熱心な割に、琉球諸語についての基礎知識を欠いている人がいないか。
まずは日本語族の中で足元を固めておかないと、他の語族と比較なんてできないだろう。そこはしっかりしてほしい。

853 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/27(日) 20:04:44.68 0.net
アン語て、何でんねん?

854 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/28(月) 07:35:12.23 0.net
>>852
分岐の根拠を9世紀くらいに持ってくる説の根拠は、だいたいの場合ハ行転呼音が琉球諸語でも見られることによるものだと思う。
これだけ素直に観察すると、分岐年代は9世紀近辺に持っていかざるをえないんだけど
一方でエとイェの区別に相当するものを持っていたりと、古い時代の言語現象の残存も多いんで、みんな悩んでるところなんだ。

で、今までの俺の知識だと、琉球語は5母音になってからの音変化しか遡れない、と思ってたので
さっき見たペラールの説がにわかには信じられないわけよ。
850-851にあるとおり、URLから見れる情報には概略しか載ってないんでもうちょっと根拠がほしいなと。

853は琉球語に詳しそうなんで、基礎知識がつかめそうな書籍とか、
あるいはペラールの一番よさげな論文とか情報持ってきてくれない?
俺もむっちゃ興味ある。

855 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/28(月) 07:59:07.07 0.net
7世紀に日本祖語から分岐しましたね。

856 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/28(月) 22:22:03.07 0.net
>>854
「9世紀近辺に持っていかざるをえない」「みんな悩んでる」って、そんなこと本当に言えるだろうか?
9世紀説を支持してる人ってほとんど見たことがないが…

ハ行転呼は結局「語中での有声化」「語中での摩擦の弱化」というごく普遍的な音韻変化の組み合わせ。
よくある音韻変化が共通に見られるとしても、「共通改新」と捉えて何の問題もない。
ハ行のp音の保存、ア行エとヤ行エの区別の保存、イ・エ・オとヰ・ヱ・ヲの区別の保存など、
これらは9世紀よりも前に分岐したと考えないと説明できない。

例えばゲルマン祖語の *īsą は英語でもドイツ語でも /aɪs/ になっているけど、
これをもって英語とドイツ語の分岐は17世紀以降だとは言えないし、
北京語でも広東語でもいわゆる尖団の区別が失われて合流しているけど、
それをもって北京語と広東語の分岐は清代以降だとは言えない。

さらに言うなら、ハ行転呼に限ったって、琉球諸語では「大」(おほ)を「ウプ」「ウフ」のような語形で残している方言が多いという事実がある。
円唇母音 /o/ に挟まれた環境では /p/ がハ行転呼を受けずに残った例と見られる。9世紀以降の分岐とするとこの説明は難しい。

あと、根拠としてはだいぶ弱くなるが、言語年代学的な推定でも琉球諸語と日本語との分岐は9世紀よりかなり古い結果になることが多い。
誤差も大きいから何とも言えないけど、一般的に考えても、分岐から1000年強にしては基礎語彙の違いが大きすぎる。

857 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/28(月) 23:21:30.26 0.net
だで、9じゃ無くて7世紀だら?

858 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/29(火) 07:47:37.64 0.net
>>856
「9世紀近辺に持っていかざるを得ない」のは「ハ行転呼音だけ素直に観察すると」だよな。
他の言語事実をみるとそうとも限らないし、俺も9世紀に分岐は遅すぎだとおもうぜ。

ちなみにじゃあいつ分岐したかについては、まだ定説になるような結論は出てないんじゃない?

俺としては3〜5世紀の間、日本語に末尾子音や語頭の濁音が完全に消えたあたりだと思う。
(3世紀あたりには難升米[nansimai]やら投馬[duma]などの発音が残っていた)

859 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/29(火) 16:34:59.02 O.net
琉球方言の分岐は少なくとも8母音体系が崩壊した後だと考えるのが定説だったと思うんだけど違うの?
だから9世紀頃って言ったんだけど
遅いものだと、11世紀〜12世紀頃の分岐とする説もあるよね

いずれにせよ、上の資料だけでは説を肯定するにも否定するにもあまりにも簡潔すぎる
あれだけじゃ「こういう説もあるんだ」としか言いようがないし、独自の解釈でもいいからもう少し深く説明してほしい

860 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/29(火) 18:24:07.75 0.net
>>897
横レススマソが広東語は尖団の区別は失われてないんだが(´・ω・`)

861 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/29(火) 22:00:05.18 0.net
>>859
琉球諸語では日琉祖語の*uiと*əi(上代日本語ではいずれもイ乙類になった)の区別がかなり明確に保存されているから、上代日本語よりも古い時代に分岐したのは間違いない
ペラールの論文にあるように、波照間方言では*ki、*kui、*kəiが相互に区別されていたりする
八母音体系が完全に崩壊した後に分岐したあとに分岐したなら、こんな現象はあり得ない。

波照間方言を抜きにすれば琉球諸語は確かに5母音体系の祖語に遡れるように見えるが、
それでも日琉祖語の*uiが琉球祖語の*iに、日琉祖語の*əiが琉球祖語の*eに対応している
例えば「木」は琉球祖語で*keとなるように見えるがこれは*kəiだからだし、「落ちる」は*oteruのように見えるがこれは*ətəiruだからだと考えられる。

ハ行にp音を保存しているのも本土の中央語では9世紀前期には失われていた特徴だし、オとヲの区別も10世紀前期には失われた特徴。
11〜12世紀なんて推定はほとんど見たことがないし、間違っても定説ではあり得ない。
確かにその時期に入ったと推定できる借用語などはあるが、こういう場合は古いほうが分岐年代で、新しいほうは共通改新や借用と見なすべき。

862 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 01:05:22.16 0.net
上代日本語で短母音化した二重母音の区別が残っているだけなら、それは別にAN語との関係で問題ではないよね。
二重母音の6母音なら、整合的に4母音説に取り込める。

863 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/30(水) 01:24:30.42 0.net
ちょっとだけ交通整理。

ペラール説の「恐るべき」キモは、すでに指摘されているけど、
日琉祖語の想定母音「6」が、内的構成の「大野4」に「先行する」と考えていること。
つまり、6→4→8(7)→5となる。論旨が短すぎるが、大野4自体は、否定されていない。
844の批判が鋭く的確であって、大野4自体と、「ANが4であること」は、
たとえ大野自身が勝手に妄想(?)していたという事実があったとしても、論理的に別の話。

ペラールは、大野の内的再構に【先行する】問題を、比較言語学的に論じている話で、示唆するところは大きい。
大野の再構で閉じてしまった議論を、再び開かせる意義がある。
従来の他の説が、大野の先(プレ大野)を見通していた可能性もあるからだ。
俺は山口説に注意を喚起してみた(丸投げだけどさw)けど、服部説なども含めて、
従来、「大野4&8‐森7モデル」に駆逐されたとされた各説についても、再考すべき価値はあると思う。


なお、俺は琉球方言の分岐年代に関しては、「こだわるべきではない」と思っている。
切り込み方を変えると、全く異なる年代が出てくるのが琉球方言。
アクセントに関しては、どうみても西南九州アクセントのただの延長で、論理的には14世紀以降という数字すら出てくる。
俺自身は、松森ABC説は、緩やかながら傾向を持っている以上、二次変化と理解しているので、
現在の近畿以上の古形は、アクセントについては無いと理解している。
にも関わらず、ペラールはここでも平安末京都の5+αに、当然のものとして、そのままABCを「足し上げる」ので、
それで、「方法論的インフレ説」と言ったのさ。

864 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 06:50:56.26 0.net
>>863
>アクセントに関しては、どうみても西南九州アクセントのただの延長で、論理的には14世紀以降という数字すら出てくる。
>俺自身は、松森ABC説は、緩やかながら傾向を持っている以上、二次変化と理解しているので、
>現在の近畿以上の古形は、アクセントについては無いと理解している。

いやいやいやいやいや、そんなむちゃくちゃな…

松森説は明らかに琉球祖語に日本祖語とは別のアクセント区分があったことを示しているし、
日本祖語と琉球祖語で別の区分が再構できる以上、それを組み合わせた日琉祖語には
さらに別の区分が再構できると考えるのは比較言語学的に至極真っ当だろう

日本祖語の「類」と琉球祖語の「系列」の違いが、アクセントの中に閉じる問題か(例えば長母音と関係があるなど)という問題はあるが、
この2つの違いは、歴史時代以前の、日本語のアクセントや音韻を探る重要な鍵になりうる情報だろう。

「二次変化」というのは、例えば外輪東京式に対する北奥羽式などで見られるように、
明確な条件によって祖形からの変化が説明できるような場合に用いるべき。
日本祖語の「類」から琉球祖語の「系列」を説明しようとしても、その「二次変化」の条件は説明できない。

二拍名詞四類・五類のどの語がB系列で、どの語がC系列になるか、日本祖語をいくら眺めてもその情報は出てこない。
そうである以上、日琉祖語には何らかの別の区分を立てるのが比較言語学的な常道だろう。
繰り返しになるが、規則も立てられないのに「二次変化」などの説明に逃げるべきではない。

アクセントの問題は、音韻の問題(特に上代特殊仮名遣を含む母音の問題)と決して無関係ではないと考えられるから、
そこで「西南九州アクセントのただの延長」などとおかしな理解をしているようでは困る。

865 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 06:58:20.21 0.net
一応念の為に補足しておくと(これは単なる書き間違いと思うが)
「類」と「系列」の所属語彙の違いを仮に無視するとしても、
琉球祖語に立てられるのは、二拍名詞で1・2/3・4・5の「西南九州二型式」に近いアクセントではなく、
1・2/3/4・5の「外輪東京式」に近いアクセント。

二拍名詞に3つの型を区別する、外輪東京式に近いアクセントは、
徳之島、沖永良部島、沖縄本島北部、那覇、久米島、与那国島など各地に分布しており、
各方言で明確な対応が見られる。

866 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 08:09:50.28 0.net
大野4に先行して、ペラール6があるとするなら、
大野4は上代語と琉球諸語分岐語ということになるのかな?
大野4〜上代8(森二重母音含む)〜現代5という流れを見ると、
中舌母音や二重母音が形成されては、前舌母音や後舌母音に合流して消えていくというのを繰り返していて、
そういった中舌母音や二重母音が大野4以前にあったのが、ペラール6の正体と考えればいいのかな。
てっとり早く理解するなら。

867 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 08:10:42.60 0.net
867
二行目訂正
大野4は上代語と琉球諸語の分岐後ということになるのかな?

868 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 11:55:50.22 0.net
6-4-8母音をへたって、5母音化以後は大体安定して1000年以上続いてるのに
その前の日本語どんだけ母音変わってんだよと思うね。

869 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 12:15:29.27 0.net
a, i, u, e, o の5母音体系が特別に安定だから、それにいったん到達した言語はしばらく安定した状態を保ちやすいというだけで、
それ以前には激しい変化があっても別に不思議じゃないと思うよ。

例えばスペイン語はここ数百年目立った母音変化が無いようだけど、
英語、フランス語、朝鮮語などの母音変化はめまぐるしい。

870 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 12:32:47.08 0.net
俺は5母音が安定してるから、1000年も安定してるとは思わないなぁ。
やっぱり、中舌母音は不安定なんだよ、だから、生まれては前舌母音や後舌母音に合流しちゃう。
けど、そんな不安定な中舌母音や二重母音も、普通に前舌母音や後舌母音の連続の中で生まれちゃう。
そこで、1000年の安定を作ったのは、日本語がモーラ言語になったからじゃないかな。
直観的な考えで、なんの根拠もないけど

871 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 13:28:14.58 0.net
本州だけでも5母音ではなくなった方言が山ほどあるからモーラは関係無さそう。

872 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 14:13:33.32 0.net
>>804
遅レスですが、作ってみました。
美味しかったです。

873 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/04/30(水) 15:52:41.42 0.net
いや室町時代に6母音体系になってるし、特別5母音で安定してるわけじゃないよ

874 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 18:03:08.42 0.net
長母音に限って言えば、アウの融合で開音のオーが発生して、17世紀に消滅するまでの3〜4世紀ほどは6母音体系だったね。
短母音は変化しなかったけど、連母音の発生と融合による長母音の発生、長母音の合流というのはそれなりの変化とも言える。

875 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/04/30(水) 19:59:30.56 0.net
>>874
そこなんだよね、短母音は変化しなかったけど、連母音の発生と融合による長母音の発生と合流って、
俺が直観的に日本語がモーラ言語だったからだと思うんだよね。
イウって発音はユーになるし、ウイはウイだし、エオはエオで、オエはオエだけど、
これ、モーラの縛りなくて、英語みたいなストレスアクセントで、ストレスとストレスが等間隔になってリズムの等時性があると、
ストレスとストレスの間のストレスが来ない部分が長いと早口言葉みたいになるし、弱いアクセントしかないからはっきり発音しない弱形になるし、
そういうモーラがない環境が、中舌母音や二重母音を生み出しやすいんじゃないかって思うんだよね、根拠なしに直観だけど。
けど、しっかりモーラあれば、短母音が連続しても、中舌母音は生み出されない、それが、まがりなりにも安定的な1000年を産んだんじゃないかなって思う。

876 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/30(水) 20:06:59.55 0.net
>>864-866
批判はご尤も。現在の通説からすれば、そういう批判が来るのが当然でしょう。
ちょっと踏み込み過ぎましたかね。アクセント論に関しては、
私がちょっと風変わりな独自の説を持っているので、うっかり踏み込み過ぎました。
古い説の筆致でごまかそうと思ったけれど、ごまかしきれなかったw

ちょっとスレチになりますが、琉球方言のアクセント論について、私の見解を簡単に述べようと思います。
まだまだ練られておらず、みなさんどころか、藤井も含めて叩かれるような面がありますが、
その点は分かっておりますので、ご容赦ください。考える種としての試論の試論として。

理解の鍵は、平安京都アクセントを記した類義抄自体の、「類番号の配列」にあります。
これ、なんとなく並べているのではありません。
L・高起類が先、低起類が後。
M・下がり目・上がり目が遅いほうが先、早い(語頭に近い)ほうが後。
ポイントは、Mの法則にあります。2音節名詞の表と、3音節名詞の表と、
松森ABCと類義抄アクセントの類を対応させた表を、少し眺めてみてください。あることに気づきませんか?

「類番号が大きいほど、C系に偏る(類番号が小さいほど、B系に偏る)」のです。

そして、3音節名詞6類7類に至っては、C系列一択になります。3音節で混乱しているのは4類5類だけ。

877 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/30(水) 20:19:09.80 0.net
3拍6・7類(C一択)を、4・5類(BC混在)と分けるものは?と問われれば、
これは、アクセント史に関する理解があれば、次から次へと出てくるでしょう。

甲種で言えば、67類は「平安来の下がり目を保存している」とも言えますし、「平安来の純正低起類」ともいえる。
反対に、45類は、いわゆる「せり上がり現象」を経て、「低起から高起への鞍替え」がおきている。

他にもいろんな見方が可能です。乙種外輪に関する古典的通説で言えば、
外輪において、理論上「頭高型になる」のが67類。「起伏型になる」のが45類。
なお、外輪の場合は123類(A系列)は、「平板型」で統一されます。

ただ、この原則は2音節名詞では当てはまらない。
しかし、3音節名詞をひな形として見ると、
2音節名詞においても、よく似た「傾斜」が見られる。2音節3類はB系に偏り、5類はC系に偏る。
そして、3音節4類も、統計有意とまでは言えないけど、5類よりはB系よりになる。
おそらく、鍵は、低平類(低起平板類=2拍3類、3拍4類)の、通時的動向であるように見える。

ここで気づくのは、西南九州と琉球方言では、低平類を無標にする傾向が強く、代わりに高平類を有標にする傾向が強い、
まとまったものとしては、全国でも珍しい方言である、ということ。
西南九州2型が、広い範囲でこのmarkの逆転が見られることと、松森の系列論は、同系統ではないか?

878 :699 ◆nLORzldheo :2014/04/30(水) 20:27:45.36 0.net
立論自体が、まだ議論の体をなしていないことは明らかですが、少なくとも次のことは言えるだろう。
松森ABC系列論は、従来の本土アクセントの「類」の諸相と、非常に強い相関を持っていて、
単純に、「祖アクセントにおいて、未知の区別を保存しているものと考える」ことは、難しいのではないか。
ペラールよろしく、
日琉祖語の2音節名詞は、
「1 2 3B 3C 4B 4C 5B 5C (+6 7 8 9)の、8類(例外も含め12類)が存在したのです」
というのは、作業仮説としてはあり得ても、
これが本筋ではないと思うんだ。作業仮説としては非常に有益なんだけどね。
これが、私の言うところの「方法論としてのインフレ論」ということ。

以上が、さらっと書いた864の真意です。
ご批判は甘んじて受けます。

879 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/01(木) 07:24:36.60 0.net
>>865
アクセントはあんま詳しくないから変な突っ込みかもしれないけど、

> 琉球祖語に立てられるのは、二拍名詞で1・2/3・4・5の「西南九州二型式」に近いアクセントではなく、
> 1・2/3/4・5の「外輪東京式」に近いアクセント。

先のペラールのpdf見ると
「1・2/3/4・5の外輪式アクセントを示す方言が琉球列島に一つもない」なんて書いてない?
むしろ琉球諸語で確立できるのは1・2/3・4・5/4・5(3類がB系列に割当たるのは例外っぽい)

それぞれ概略しか見たことないからどっちが正しいのかさっぱり判断付かないけど、
どれ信用したらいいのコレ

880 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/01(木) 07:40:44.55 0.net
あと、本土日本語のアクセントの類って、最大さかのぼれるのは11世紀末(類聚名義抄成立付近)でしょ?
ってことはアクセントの問題だけを突き詰めたところで、日琉分岐は一番遅くて11世紀あたりまで設定することが可能じゃん。

つーわけで、>>863には琉球方言の分岐年代を「こだわるべきではない」と書いてるけど、
こと上代特殊仮名遣いをメインテーマとして考える場合、むしろアクセントの問題の方が「こだわるべきではない」問題のように思える。

俺としてはアクセントより琉球諸語におけるi2の2つの割り当ての方が気になるわー。
>>821あたりで指摘されてるけど、iui・o1i・o2iの組み合わせは素直にi2になったものばかりでは
ないような片鱗を見せてるし、
琉球語への対応を詳しく見ると何か見えてくるかもしれない

881 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 09:37:06.92 0.net
873ですが、
朝になったらおでこと頬っぺたと鼻にニキビできてました。
心当たりは>>804だけです、ニキビが出やすい料理だと思われます。
お気をつけ下さい。

882 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 12:30:23.01 0.net
>>878
その仮説の安直な反論として「2音節の名詞に8つもパターンを設けるのは
弁別のための余剰が大きすぎて不自然」が考えられる。
単音節言語ならともかく、2音節ならアクセントの区別がなくとも同音異義語はかなり回避できるのに、
そのうえ8種のアクセントを使い分ける意味があるのか。
本土方言が5母音+アルファで共通しているのに対してアクセントはかなりまちまちであることからして、
母音の音価と音素数よりもアクセントのほうがより変化しやすいと考える。
8アクセントができても本土琉球の分岐の前にすぐ崩壊したと思うね。

883 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 12:48:04.37 0.net
>>736がやっちゃったんじゃないかな。
>奈良時代の彦(piko)に対応する狗奴国語の発音が卑狗(piek?u)なのがo1とuの弁別をややこしくしてるんだろうけど
これって、ペラールさんのいう、ウとオが上代の奈良方言で合流しちゃったんじゃね?
って話とパラレルだよね?魏志倭人伝時代が日琉祖語の6母音と、整合が取れてるよねってなると、
邪馬台国畿内説が崩壊して、邪馬台国は九州方言で採取されて、それが日琉祖語でしたっていう話を補強するよね。

884 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 13:07:32.42 0.net
上古漢語の発音も分かっていないのに
仮定の上に仮定を乗せすぎた話は避けるべきだと思う。

885 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 13:42:19.11 0.net
邪馬台国畿内説だと、邪馬台国は大和で狗奴国は三遠式土器の三河や遠州を想定する。
しかし、邪馬台国九州説だと、邪馬台国は北九州で狗奴国は南九州を想定してる。
で、ペラールさんは、オがウとオに分かれるといってるとなると、
狗奴国のピクは、琉球祖語と上代日本語の対応と合致するよねって想定しても問題はないでしょ。
というか、東遷説を補強するよね、これって。

886 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 13:48:38.76 O.net
アクセントに関しては、>>880の指摘の通り琉球諸語のそれが上代日本語に先行するとは限らないんじゃないの?
院政京都アクセントと上代日本語の漢字の声調はほぼ一致するから日本語のアクセントは奈良時代にまでは遡れるけど、奈良時代の平城京アクセントより琉球祖語アクセントが古いとは限らないじゃん


>>861
ありがとう
改めてリンク先も読んでみたけど、琉球諸語の分岐は恐らく上代以前で間違いないね

ところで、リンク先ではki(木)の琉球祖語をkeって再構されてるけど、それならeが日琉祖語に遡る根拠が無くない?
琉球祖語にeが存在したことは認めるけど、それなら本土方言と違って琉球諸語ではo2iがeに変化したと考えればeの起源を説明できる
上でも書いたように上代日本語でもto2no2+i1ri1=でto2ne2ri1になった例があるし、むしろこの母音融合は自然
リンク先では昼と蒜の区別が根拠に挙げられてるけど、これも琉球祖語でアクセントが変化した際に同音異義語の発生を避けるために変化したとも考えられる
この説の最大の焦点はeの起源だと思うんだけど、そのeについての例がリンク先ではこの2つしか挙げられてないから何とも


>>883
まず、畿内説は考古学で既に事実上の定説になってるから言語学的なアプローチでそれを覆すのは無理がある

というか百歩譲って魏志倭人伝の日本語が九州方言だとしても、それが日琉祖語だとするのは無理でしょ
魏志倭人伝の日本語には明らかにeが存在しない

887 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 14:17:07.99 0.net
>>886
考古学上の問題は、ここの言語学板で論議でしても仕方ないからせんが、鐙問題があるし、東遷説なら、一世代で北九州勢力が吉備勢力と結合して畿内制圧したという仮定と矛盾しない。
そもそも、機内各地の戦国時代でいう掘りを持った集落が掘りを放棄した年代との合致もできる。
それ以前には、狼煙の昨日をもった高地性集落が、東遷時期を境にして、放棄されているという事実もある。
考古学的に北九州説が成り立たないというのは、発掘がニュータウン建設に伴う工事が多い奈良盆地の特殊事情を我田引鉄した畿内説のプロパガンダと言える。
まぁ、それはいい、この言語板でそれは言わない。
北九州に大野4勢力、南九州にペラール6勢力があったとすればいい。
そうすれば、邪馬台国のヒコが狗奴国のピクになってる説明はつく、これは、邪馬台国九州説の反撃の狼煙だよ。
気分的に、進撃の巨人だよ、エレンになった気分だよ、言語学は周辺分野でちゃんと勉強してないけど、この板をチェックしててよかった。
本腰いれて、ちょっとやる気になってる、囚われた屈辱は、反撃の嚆矢だって感じだよ。

888 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 14:24:25.44 0.net
つまり、魏志倭人伝にエがないのは、それは大野4がエをないって言ってたののと無人しない。北九州だ。
けど、コがクなってる、狗奴国でクになるなら、それはペラール6を示唆してるっていうこだってことだよ。
三遠が狗奴国なら、ペラール6母音的なものが沖縄から発見されたっていうのは、
畿内説にとっては、致命傷になるよね、ちょっと、一時的にだけど、言語学に本腰いれるわ。
救われるかもしれん、おれ

889 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 15:10:52.79 0.net
スレ伸びてるから何か来たかと思ったらまともな議論で良かったw
まあ践むべき順序としては>>843の言う通りだよね
ペラールの、祖語にe*とo*を建てて日本祖語でi*、u*と合流したと考える説は検討する価値あると思う
つーか前に>>539-540でそれっぽいことを言ってみたんだが案の定サクッと却下されたw

890 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 15:54:54.21 0.net
>>847
台湾諸語は一度大陸に渡ってから台湾に戻ってきたので日本とフィリピンは周圏的分布になった…なんて考えるのは無理あるか
>>851
往々にしておもろの語彙が沖縄よりも先島や奄美に残ってたりするけどね
おもろさうし自体にも奄美関連の歌が若干あって、奄美出身者から採録された可能性も捨てきれない
>>856
ハ行転呼しないのは「大」やごく少数の語に限られた例で、琉球のどの方言でもほとんどの語彙で転呼するのが一般的では?
>ア行エとヤ行エの区別の保存、イ・エ・オとヰ・ヱ・ヲの区別の保存など、
これは違例も少しあるんだよね(得る→ji:juN、終はる→?uwajuN、など)
というか9世紀じゃ畿内でもそれらの変化が始まったばかりで早すぎないか?
>>861
「落ちる」については、別の上二段動詞「出来る」*dekeruもあるからそこまで古いと断定していいのかどうか
上二段動詞は九州諸方言で多様な形で現れるんでそちらも絡めて考える必要があるかもしれない
>>876-878
うーん、それは気づかなかった!
>>886
本当にeは存在しないのか?漢字音の再構次第でどうとも言えそうだけど

891 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:05:23.44 0.net
つーか邪馬台国まで絡めちゃうと、場合によっては、
畿内というか瀬戸内以東の方言と西南九州方言の分岐を考えて、
さらにそれと琉球祖語の分岐との後先まで考えなきゃいけないかもしれないな

しかし問題を難しくしてるのは、おそらく琉球方言が歴史上常に、または断続的にかなり長い間
九州やその他本土の方言と接触していたであろうことだよね
何が祖語由来で何が何時の借用やらわかったもんじゃないし
近現代に起きた琉球方言と本土標準語の接触によるウチナーヤマトグチの誕生のようなプロセスが
実は琉球列島や故地たる九州で過去に何回も起きていたかもしれない

あと思ったんだけど、上代東国〜伊豆諸島〜八丈島の方言と琉球祖語って有史以降のどこかで接触してないかな?
海流的に流れ着きやすいみたいだしどっちも為朝伝説がある
八丈方言の論文見てたら「一つ」を「テツ」というようなんだが、これ琉球と共通だ
古琉球で「木」を「け」というのも東国から伊豆経由の流れの可能性が考えられるかも?
琉球でタ行四段動詞の禁止形が「持つな」=「ムトゥナ」<*motonaのように*-toに遡りうる形なのも
上代東国や八丈の連体形と関係あるんだろうか?
肝心な八丈の禁止形がわからないのでアレだが

892 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:28:37.44 0.net
>>891
王朝国家時代の道による区分の南海道を思い起こさせるな。
紀州根来の津田算長が種子島と交易して鉄砲をいちはやく入手したという伝承も想起させるし、
紀州の熊野灘周りの交易船が船に流された時、八丈島によって水や食料を補給したという慣行もある。
実際に、そうした場合に八丈島に流された宇喜多秀家が福島正則が江戸に運ぶ酒をおねだりして一樽恵んでもらったという話もある。
海路があるなら、東北の北前船の寄港地が上方方言と類似して、内陸部の東北方言と隔絶してるという現象もある。

893 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:35:25.31 0.net
「てつ」だったら「ひとつ」に対して崩れた「ひてつ」という異形が各地に勢力が弱いながらあっただけじゃないの。

894 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:41:25.10 0.net
ここは言語学板なんだから「邪馬台国はどこか」は単なる板違い。
そういう話を始めると無知低脳キチガイが雪崩れ込んできてスレがゴミだらけになる。

895 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 16:53:35.33 0.net
>>893
「ひてつ」と「ひとつ」とくれば、「けけれ」と「こころ」の万葉集の東国方言とぴったりあってしまう。
崩れた異形と言い難い。

896 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/01(木) 22:19:14.38 0.net
なんか雰囲気でペラール(元ネタは服部四郎?)説が広く受け入れられつつあるけど、大丈夫か。
今のところ根拠として提示されてるデータは昼/蒜と馬/海の対立だけだぞ。

ペラールや>>539は八丈方言や、その祖先の上代東国方言の動詞・形容詞連体形に
*e、*oが残ってるっていうけど、琉球諸語の連体系にはそういう名残ないじゃん。
ていうか動詞連体形のだいたいが-juruじゃん。

日本語の祖語にAN祖語がそのまま相当することに懐疑的だったんで、
俺としては自分の説を補強する*e、*oはありがたいんだけど
さすがにこれだけで判定するのは乱暴っぽいなぁ・・・

ちなみに3世紀あたりの日本語にeがなさそうってのは森博達が調査した結果じゃなかったっけ。
一方o1は奈良時代よりも多く、Co1Co1っていう並びも存在しているんで、
>>886のいうとおりeだけ怪しい。

897 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 22:35:01.08 0.net
言語学大辞典かセレクションの琉球諸方言のとこ後で見とこっと(メモ)

898 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/01(木) 22:38:46.57 0.net
正直、南西諸島の言語が日本語族になったのは、源平合戦以降もしくは南北朝以降だと思う。

899 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 00:22:14.16 O.net
馬と海の対立が例に出されてるけど、umi(海)って日琉祖語に遡れるほど古い言葉なの?
海のより古い形ってwataだと思うんだが

900 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 01:44:54.00 0.net
>>896の話の前提として、沖縄の首里方言の動詞の活用の体系を簡単に書いておく。

動詞に本土とおおよそ同じ活用形、すなわち
未然、連用、終止、連体、已然、仮定形と、若干例外的な形である下略形という形がある。
そしてこれはkaka(-n 書かない 未然)のように、動詞本体のみによる形(かりに本活用と呼ぶ)と、
本土の「おる」対応する成分-junが連用形(kachi-)についたものに由来する形(かりに-jun活用と呼ぶ)の
二つの系列がある。本活用と-jun活用が全部の活用形にあって計14個なのかというとそうではなくて、
本活用が欠けているところに-jun活用が補助的に用いられる。
未然形はkaka- 連用形はkachi- 終止形はkachi-jum、連体形はkachi-juru
仮定形はkakee(<kaki-ja <kaki-wa <kaki-ba) 命令系はkaki
そして-junはもともと独立の動詞なのでそれぞれ本活用と同じ-jura,-juri-などの形も可能で、
その場合「〜している」という意味になる。
本来進行を表していた「〜よる」が、終止・連体形の穴埋めになっているわけだ。

901 :名無し:2014/05/02(金) 02:01:14.74 0.net
柴崎勇太(開智高校、明治大学)は穢多。

902 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 02:26:09.04 0.net
・-junは進行の意味を持っていて、本土の西日本の「連用形+おる」と酷似していること
・本土の「連用形+おる」は「おる」が(生物の)存在動詞として一般化した中世の成立とみられること
・活用の体系に部分的に-junを持つ語形が入りこんでいること

からして、
琉球でも中世には本土と大体同じ体系を持っていたが、時代が降って終止形と連体形の機能の欠けが生じ、
それを補って進行態を引っ張ってきたために、進行態の系列が動詞の活用にくみこまれ、本土と差が広がった

というシナリオが考えられる。琉球諸方言には上代的な要素と中世的な要素が並存しているが、
動詞はその中世的な要素の代表であって、上代以前の話には使えない。

ちなみに形容詞は、語幹+sa(-さ)+-an(本土「ある」に対応する)による-san/-shanの語尾を持っていて、
本土の連用形「-く」以外の形(ク活用由来のものは-ku、シク活用由来のものは-shiku。
シク活用由来のものは-shi-sa > -ssha >-shaとなって-shanという語尾を持つ)は滅んでいる。
形態の変化は新しいほうが複雑であるよりも古いほうが複雑のことが比較的多いという経験則からして、
連用形以外の語形が琉球で発達する前に-saを使う形が成立したという解釈は不利だろう。形容詞の体系も新しい。

903 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 03:12:53.82 0.net
>>899
ワタが古くウミが新しいという関係とは限らないぞ。
ワタとウミが同義語として用いられる → ウミの使用頻度が増加する → それによってワタだけ古風な語と思われるようになる → ワタがほとんど滅ぶ
→ 古風な語を残しやすい歌でワタ-を持つ語が運よく残る

というのかもしれん。たとえば中国語の前置詞将と把は、同じ用法で長い間それほど差がなく用いられたが、現代では把が普通で将が古語になってしまっている。

904 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/02(金) 16:14:06.22 0.net
>>902
おー、情報整理ありがとう
要は現代の琉球諸語を比較検討しても、活用形から*eや*oは再興できないってことだよね
おもろさうしあたりを調べれば何かわかったりするもんかもしれんけど。

905 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 18:03:10.02 0.net
口語では本活用の終止形・連体形が「連用形+おる」に取って代わられているが
文語、特に韻文(琉歌)では頻繁に使われるよ。
口語でも禁止形やごく限られた助詞を伴う場合に使われる。

形容詞のサ語尾は九州の一部に見られる「サ詠嘆法」との関連が考えられる。
まあそんなに古い物ではないのは確かだろう。

906 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/02(金) 23:31:46.67 0.net
昼と蒜、馬と海しかデータだしてないけど、ちょっと気になることがある。
馬と海だけがペラール説の根拠なら、これは馬と海だけの特殊事情で、
日琉祖語の話ではないかもしれん。
それこそ、きつねがけつねになったような、感じで、上舌化の影響で、
ウミはオミにって流れはありうる。
というか、問題はウマなんだよな。これ、日琉祖語なんかじゃないと思うんだ。
だって、馬は日本にもともといない動物だし、これの語源は漢語のマーだろ。和語にウマはなかった。
平安期まで、日本語のウには強い鼻音が掛かっていたと大野が言ってたけど、
だから、ンマがウマになったわけで、比較的に新しい時代の言葉。
これで、日琉祖語が上代語のウがウとオに分かれるという立証にはできんよ。
もし、馬と海だけが根拠なら。ペラール説ってどこまで信用できるんだ?ってとこを検証するのが先だよ、
AN祖語と日本語の検証の前に日琉祖語を検証すべしってのは正論だけど、
その前に、ペラール説の検証だよ。

907 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 03:04:17.07 0.net
南は首里方言でンマヌファ(午の方)

908 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/03(土) 05:53:08.74 0.net
ごめん、気になって897の
>3世紀あたりの日本語にeがなさそう
ってのを裏取りしようとしたんだけど、
しらべたらそれっぽいのがいくつかあった。

http://yamatonokuni.seesaa.net/article/31704456.html

ここにまとまってるけど、
候補として挙げられそうなのは415とかにもあげた「難升米」の「米mai」(韻目「齊」)e2
あと「柄渠觚」の「柄piang」(韻目「映」)e1
どっちも人名っぽいし、はたして音韻として二重母音でなくきちんと/e/になってるのか?という疑問はあるけど、
一応上げておいた。

その一方で、i2の候補っぽいのは鬼・惟など複数みつかるんで、やっぱi2の方が成立は古いっぽい。

909 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 10:30:22.67 0.net
>>906
ペラールのこっちの論文では馬/海のほかに向かう/麦、百足/婿、臼/薬を挙げている。
http://www.academia.edu/4260621/Ryukyuan_perspectives_on_the_proto-Japonic_vowel_system

910 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 10:35:10.04 0.net
薩摩甑島の方言で「海」をオーミ、オミンナカなどと言う
ttp://hotarugaikegengokenkyuuzyo.web.fc2.com/vocabulary_Koshiki_Islands.xls
(漁業語彙の210)

911 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 16:40:13.37 0.net
英語かぁ

912 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 17:01:21.85 0.net
英語なら文句言うなよ、村山とか、ロシア語のポリワーノフ論文読んでたんだぞ

913 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/03(土) 20:56:34.99 0.net
日本語で書いてくれてもいいんじゃないかっていう気持ちもわからんでもないけどな。
日本語と琉球諸語を比較した論文なら、読む人は日本語できない人とか想定できないしな。

914 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/03(土) 22:59:53.28 0.net
>>909
英語かぁ

でも複数の例が出ててわかりやすいね
ここで注目すべきはWhitman(1985)の指摘かな
日琉祖語の*eと*əが相補関係を持っていて、
[流音・濁音]+iuの前の場合だけeになり、それ以外の場合はもっぱらəになるってやつ。

例外はtəri、nəriらしいんだけど、təriの方は
朝鮮語tʌrkからの輸入かもしれないし
これが正しければaiueo5母音→aiuəoっていう説がもう一度検討できるかも

915 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/04(日) 11:24:03.45 0.net
そういえば、「日」も古琉球時代のかな文献でしばしば「へ」と書かれているが、
日琉祖語では*peなんだろうか?

たとえば、真珠湊碑文(1522年)の
ttp://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:522Ppy4p0NUJ:kaihousyoukoku.k.asablo.jp/blog/2012/04/22/6421658+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
>四月九日きのとのとりのへに

916 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/04(日) 14:04:29.83 0.net
昼がピルで蒜がペルなら、日はピになるんじゃないかなぁ。

917 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/04(日) 14:37:12.20 O.net
>>908
奈良時代にも二重母音のままだったe2が魏志倭人伝で二重母音なのは自然だけど、同じようにe1も二重母音で表記されている
だから3世紀にはまだe1も無かったと思うんだよね
上代特殊仮名遣いはかなり新しい形で、8母音体系は4〜5世紀に誕生して8世紀には既に崩壊しかけていたかなり不安定で短い期間だけ存在した形だったんだと思う

918 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 10:22:12.80 0.net
>>879
そこは
>「類」と「系列」の所属語彙の違いを仮に無視するとしても、
というところで説明している。

かつては、琉球諸語の「系列」と、本土の「類」の所属語彙の違いを無視して、
二拍名詞なら琉球祖語のA系列が本土の一類・二類、B系列が三類、C系列が四類・五類に相当するように扱われることが多かった。

そうすると、琉球諸語でA/B/Cという区別を保持しているものは、本土だと1・2/3/4・5という外輪東京式と同じ区別の仕方になるし、
A/B・CというようにB系列とC系列が合流している方言は、本土だと1・2/3・4・5という西南九州二型式と同様の区別に相当する。
A・B/Cという合流の仕方なら、1・2・3/4・5という形に近く、博多方言に近い合流の仕方ということになる。

>>863
>アクセントに関しては、どうみても西南九州アクセントのただの延長で、
と書いているが、仮に上記のように「類」と「系列」の違いを無視しても、外輪東京式相当や博多相当の区別がある以上、その説明はできない。

ところで、松森の系列論で指摘されているように、本土の一類・二類と琉球諸語のA系列はかなりよく対応するとしても、
B・C系列と三・四・五類の間には相当大きな所属語彙のズレがあり、三類だがC系列という語彙もいくつか存在するし、
四類・五類はB系列とC系列にほぼ半々に分かれて所属している。

そう考えると、ペラールのように
>「1・2/3/4・5の外輪式アクセントを示す方言が琉球列島に一つもない」
というのも全く正しい説明で、1・2/3/4・5という区別そのものを持った方言は琉球諸語には一つも無い。

919 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 17:35:03.37 0.net
>>829
質問スレがないんだけど?

920 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/05(月) 18:07:20.33 0.net
おう、情報整理ありがとう。要は>>863に意見がいいたくて、例をあげただけで説明自体は不完全だったってこと?
説明自体はペラールのが正しいんだな?

アクセントの方は本筋から外れそうだけどちょっと面白いから考えてみた
多少大雑把だけど、2拍名詞のアクセントを分類すると

(1)日流祖形 1/2/3/4B/4C/5B/5C
(2)琉球諸語 12/34B5B/4C5C
(3)京阪式 1/23/4B4C/5B5C
(4)東京式 12/3/4B5B4C5C
(5)2式 12/34B5B4C5C
(6)1式 1234B5B4C5C

こんな風に別れるってことかな。
>>863では「西南九州アクセントのただの延長」って書いてるけど、上をざっと眺めると逆に
琉球諸語から西南九州式アクセントが派生した可能性だってあるわけだな。

921 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 18:54:03.60 0.net
1/2/3/4B/4C/5B/5C
の具体的な音高は何を想定しているんだ?
拍ごとに高低のどちらかが割り振られてそのパターンで類が分かれるとすると、

高高、高低、低低、低高、低(高低)で、もうパターンありえなくないか?
4B が(低高)高、4Cが低高で、5Bが(低高)低、5Cが低(高低)みたいにするのか?

922 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 19:45:48.40 O.net
とりあえずペラール説には2つ疑問があるんだけど

・琉球祖語のアクセントが院政京都アクセント(及びそこから遡れる上代平城京アクセント)に先行するという根拠は何?
・琉球諸語では狭母音化によりo→u,e→iという変化が本土方言からの分岐後に起きたと考えるのが定説だけど、これによる影響をペラール説では取り除けてるの?

アクセントは琉球諸語独自の変化の可能性も当然あるけど、ここまで琉球諸語のアクセントが院政京都アクセントに先行する根拠は全く示されてないよね
これを示してくれなきゃ話にならない
母音に関しては琉球諸語で狭母音化が起きたならば、その影響でiとuが本土方言と多重対応を示すのはある意味当然
事実、ペラール説の内容はそのeとoに関するものだし
例に出された多重対応が狭母音化による後代のものではないという根拠と、狭母音化に因らないiとuの多重対応があるのかを示してほしい

923 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 20:26:34.28 0.net
>>921
今はアクセントにその痕跡が残っているかもしれないってだけで
その日流祖形の区別も高低アクセントだったとする必要あるの?
ストレスだろうが有声無声だろうが母音の長短だろうが末尾子音の有無だろうが
なんでもよくね?

924 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/05(月) 20:45:56.11 0.net
>>923
いやアクセント以外の要素が原因が区分が生じたってのもかまわないけども、
母音の長短や末尾子音の有無なんてうさんくさいものを立てようという気がしないのよな俺。
信憑性の低めの仮説をなりたたせるためにさらに信憑性の低いシナリオを必要とするわけだろ?
それよりはアクセントの合流の線がいきましょうってことよ。

925 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/05(月) 20:54:59.20 0.net
>>922

俺もあんま詳しくないけど、今現在の理解で回答

> ・琉球祖語のアクセントが院政京都アクセント(及びそこから遡れる上代平城京アクセント)に先行するという根拠は何?

琉球諸語のアクセント区別である「系列」が、院政期京都アクセントである「類」と一部異なるアクセントになっているため。
>>920に示したとおり、3/4/5類に相当するアクセントが、それぞれバラバラにB系列・C系列にマッチするそうな
(具体例載ってるサイトないのでよくわからん・・・)
3類がC系列にマッチするのはレアケースなんで、二次変化の可能性もあるが、
4類・5類がB系列C系列に別れる法則が明らかになってないんで、素直に(このスレで何度か出てる比較言語学の王道で)解析すると
昔4B/4C/5B/5Cという区分があり、日琉分岐の際に別々に合流したっていうのが今回の説の流れ。

>・琉球諸語では狭母音化によりo→u,e→iという変化が本土方言からの分岐後に起きたと考えるのが定説だけど、これによる影響をペラール説では取り除けてるの?
本土方言でuに相当するものがuとNに別れるっていう話じゃなかったっけ
琉球諸語/本土方言
*u N/u
*o u/u
みたいな?>>922で上げている狭母音化は、琉球諸語/本土方言が u/oで対応する形なんで、別の現象だと思う

926 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/05(月) 21:04:44.06 0.net
>>923
高起群の1/2とA系列が有意に一致してるらしいんで、何らかの高低アクセントの反映なんじゃないかと思うけど。
試案として、名詞では失われた上昇アクセントが日琉分岐前はあったとか。

3B 低低 3C 昇低(レアケース)
4B 低高 4C 昇高
5B 低降 5C 昇降

単語内にアクセントの上昇が2回起こることをふせぐため、高昇のように1類2類を分割するようなアクセントはなかった
低昇のようなアクセントはなんでなかったのかっていわれるとちょっとよくわからない。

927 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 06:26:06.50 O.net
>>925
書き方が悪かった
狭母音化でoがuに、eがiに変化したら、玉突き的に元からあったuとiがそれぞれ別の母音になってもおかしくないじゃん
例えば、英語の大母音推移は2つの母音(iとu)の発音が変化したのをきっかけに玉突き的な変化によって起きてる
だから琉球諸語でも同じように狭母音化が起きた時に元からあったiとuの発音が変化して、それがペラール説の根拠であるiとuの上代語との多重対応の原因になってる可能性があるよね
その可能性をペラール説では取り除けてるのかを聞きたい

928 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 07:33:40.99 0.net
>>927
さすがにそのぐらいのことは考慮されてるよ。

琉球諸語の基本について知らない人も多いみたいなので、ここで振り返ってみたい。
日本語族のうち琉球語派は、大きく北奄美語群と南奄美語群に分かれる。
北奄美語群は奄美語、国頭語、沖縄語に、南奄美語群は宮古語、八重山語、与那国語に分けられる。

琉球諸語のうち首里・那覇方言を含む沖縄語が圧倒的に有名なため、「琉球諸語は3母音」と思っている人が多い。
確かに国頭語、沖縄語、与那国語では、イ段とエ段の母音が /i/ に、ウ段とオ段の母音が /u/ に合流している。

しかし、奄美語、宮古語、八重山語では、イ段とエ段の母音が区別されていて、短母音に関しては4母音が基本となっている。
奄美語ではイ段が前舌の /i/ でエ段が中舌の /ï/ となっている。
一方、宮古語、八重山語では、逆にエ段が前舌の /i/ で、イ段は摩擦の強い舌先母音 /ɿ/ となる。
/ɿ/ は特に宮古語で摩擦が強く、/s/ や /z/ のように振る舞うこともあるが、八重山語では方言により /i/ に変化していることもある。

一方で、ウ段とオ段は母音としては全ての方言で /u/ に合流している。
奄美語では一部に /o/ が対応することがあるが、前後の環境により、一度 /u/ に合流したものの一部が /o/ に変化したとも言われている。

929 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 07:53:32.77 0.net
琉球諸語では、イ段とウ段に対応する音節は子音側に変化が見られることも多い。
特に奄美語と国頭語では、イ段とウ段に対応する音節の子音に咽頭化が見られる方言が多い。
また閉音節が許容される方言(加計呂麻方言や宮古方言など)では、イ段やウ段の母音が脱落して閉音節になっていることもある。

例えば「き・ぎ」に対応する音節は沖縄語では子音が口蓋化して「チ・ジ」のようになっているし、与那国語では「ティ・ディ」になっている。
「に・ぬ」に対応する音節は撥音化して「ン」に変化していることが多いし、/-m/ という閉音節がある宮古語では「み・む」がその元であることが多い。

一方で、エ段とオ段に対応する音節は、母音が変化する一方で、子音は原型を保っている場合が多い。
半狭母音の狭母音化が起きたとき、イ段とウ段がエ段とオ段との区別を保とうとして、玉突き上に変化を起こしたと思われる。
全ての音節が変化を起こしたわけではなく、イ段とエ段、ウ段とオ段のそれぞれ一部が合流してしまっている場合ももちろんあるが、
ある方言だけを見ても元がどちらか判別できる場合は結構多いし、琉球諸語を突き合わせれば祖語でどちらだったかは基本的に分かる。

上記のことを考慮しつつ、現代琉球諸語の祖語の母音体系を再構すると、基本的には中古日本語と同様の5母音になるが、
本土方言では /i/ なのに琉球祖語では /*e/ になったり、本土方言では /u/ なのに琉球祖語では /*o/ になるものが一部にある。
それがペラール説の根拠になっている。

930 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 10:25:49.34 0.net
>>928
方言周圏論みたいな感じだな。

931 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 10:28:14.86 0.net
>>925
日本語の「類」と、琉球語の「系列」対応の具体例

一拍名詞
一類 - A系列 毛・血・帆・実
二類 - A系列 名・葉・日
三類 - B系列 木・酢・手・荷・根・火・穂・目・湯
五類 - B系列 歯

二拍名詞
一類 - A系列 飴・蟻・烏賊・魚・牛・上・風・釜・傷・釘・口・鍬・腰・酒・下・裾・袖・鷹・筒・鳥・西・布・箱・鼻・羽・髭・筆・星・右・水・虫・森・枝・嫁
二類 - A系列 痣・石・歌・音・紙・牙・旅・橋・旗・人・冬・胸
三類 - A系列 実(さね)
三類 - B系列 犬・芋・色・馬・亀・草・雲・米・島・汁・脛・綱・角・面・波・糠・花・豆・耳・山・斧
三類 - C系列 瓶・蚤・浜・骨
四類 - B系列 板・瓜・傘・肩・角・鎌・汁・他・味噌・蓑・麦・藁
四類 - C系列 息・糸・臼・海・中・針・船・箆・末
五類 - B系列 雨・腿・夜
五類 - C系列 影・声・足袋・露・鍋・前・桶

三拍名詞
一類 - A系列 踊り・飾り・鰹・竈・鎖・毛虫・桜・印・畳・隣・寝言・鼻血・祭り・六日・涎・夫
一類 - B系列 車
一類 - C系列 昔
二類 - A系列 二人・三つ・六つ・八つ・四つ
三類 - A系列 黄金・力
四類 - B系列 戦・鏡・暦・俵・袴
四類 - C系列 扇・刀・瓦・昨日・言葉・白髪・硯・筵
五類 - B系列 油・五つ・命・胡瓜・涙・枕
五類 - C系列 蜻蛉・従兄弟・親子・襷・情け・柱
六類 - C系列 兎・鰻・虱・裸
七類 - C系列 蚕・薬・鯨・盥・畑・一つ・一人

932 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 18:35:00.20 0.net
命(ヌチ)涙(ナダ)みたいに琉球方言で拍数が少なくなってる語って
アクセントを考える場合は他の語と一緒でもおkなの?

933 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 19:22:26.39 0.net
>>932
琉球諸語において、上古・中古日本語や現代共通語と比較して
音韻変化の結果拍数が増えたり減ったりしている語はたくさんあるが、
「系列」は原則として保存される。

例えば三拍のC系列の語が音韻変化で二拍になっていても、その方言における二拍のC系列のアクセントで現れる。
逆に二拍のB系列の語が三拍に伸びていても、三拍のC系列語として現れる。

中古日本語の「高起/低起」の区別と、西南九州二型式の「A型/B型」の区別が、拍数が違っても保存されているのと似ている。
琉球諸語のアクセントは、三型式アクセントの振る舞いに近いと言えるかもしれない。

934 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/06(火) 19:29:23.87 0.net
>>931
情報ありがとう。
3拍の六類、七類はいずれも低高?という形をとっていて、これがC系列にしか分類されないことから
やっぱりC系列って基本的に語頭に昇調のアクセントを持っていたんじゃないかな―
本土日本語ではいずれかのタイミングで昇アクセントが名詞から消え、低に合流した。

935 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 20:49:26.63 0.net
>>920
>琉球諸語から西南九州式アクセントが派生した可能性だってあるわけだな。
そこはペラール説の「琉球祖語は9〜11世紀まで九州に在地した」って部分と繋がってくんのかね

どうしても根拠が薄弱なんでまともな学問の俎上に載せがたいんだけど
やっぱりミッシングリンクは隼人なんだと思うよ
隼人語は日本語族であり
琉球祖語とは隼人語であり
九州のいくつかの方言の基層もまた隼人語である
(9〜11世紀まで下るなら「末期隼人語」「ポスト隼人語」と言うべきか)
隼人というピースを入れるとパズルがぴったりはまるんだよね

さらにもっと妄想で補完すると
言語年代学で日琉分岐が紀元前後とか出るのは
弥生化した縄文人=西北九州弥生人の話す「クレオール弥生語(仮)」の成立した年代
西北九州弥生人→狗奴国→熊襲→隼人→貴海国→グスク文化=琉球王国 と時代が下るにつれ南へ遷移した

936 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/06(火) 21:55:35.88 0.net
>>935
> 琉球祖語は9〜11世紀まで九州に在地した
これを、無理に異民族の隼人や熊襲と結びつける必要もないとは思った。

琉球諸語と双璧の日本語姉妹言語に八丈方言があるじゃん。
こいつらは上代東国方言の子孫の説が濃厚だけど、上代東国方言話者は実際に8世紀あたりには関東に住んでいた人たちで、
さらに蝦夷みたいな異民族でもなんでもなく今の大和民族だった。

そこから考えると、西南九州に残存していた琉球諸語の祖先語をしゃべる人たちも
今の九州方言とはつながらない琉球祖語をしゃべる大和民族だったんじゃない?

937 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 22:31:37.53 0.net
そこはいろいろと政治的にも微妙な問題だが
琉球諸語で日本本土を「大和」、日本本土人を「大和人」に対応する語で言うところがキモだと思うんだよ
少なくとも明治までは「大和」の埒外にあると自認していたということ

そもそも熊襲や隼人が厳密な意味でどこまで「異民族」だったのかもわからない
皇室までもが正史において南九州の出自で隼人と同祖だと自ら表明しているくらいだ
大和国家成立の時に統一されずそのまま数百年残った同族の分派だったかもしれない
今となっては歴史の闇の中だが、畿内日本語とさほど変わらない言語(方言)を喋ってた可能性もあるんじゃ?
まあいくら言っても妄想の域を出ないけどねw

938 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:19:18.84 0.net
ヤマトンチュ、ヤマトって言い方はどれぐらい古いのかな?
日本が対外的にヤマトって言ってた頃から、日本に変更する前に、
琉球諸語で日本の謂いとしてヤマトが言われてたのか、
もっと新しい時代のような気もするんだけど。
平安期には、日本の対外呼称は日本になってると思うんだが。

939 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:24:17.14 0.net
途中で書き込みしちゃったけど、続き、
都市国家ローマが領域国家ローマを表すし、
漢中地方から中国統一した漢王朝が漢という領域国家になったけど、
三輪山の東の狭い地域の大和が盆地全体の地域名に、日本列島全体の領域国家名に成長したのなら、
それが対外呼称として使われた時期って、かなり短期間だよね、復古的に江戸時代に大和って言う言葉が、
また国学者が使いだすけど。
比較的、新しい時代の言葉だと思うんだよね、ヤマト、ヤマトンチュって

940 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:26:32.87 0.net
まぁ、2世紀の邪馬台国=ヤマトなら、問題ないけどさ

941 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:27:28.55 0.net
文章を細かく投稿して申し訳ないです、エンター一発で書き込みされる仕様になぜかなってました。
読みづらくて済みません。

942 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:37:40.19 0.net
>>940
板違い。出て行け低脳!

943 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/06(火) 23:56:11.79 0.net
>>942
おいおい、さすがにこれは板違いではないだろ。
異民族という認識をもつかどうか、それは、言語的に、民俗的に、同族と認定できないと当時の人間が認識したかどうかっていうのが根底にあるって推測できるんだから。
ウチナーとヤマトが言語的にさほどの差異がない状態の時期、日琉祖語の分岐時には別種族としての対外呼称は生まれないだろうと。
そういう推測が成り立つから、対外呼称の成立時期が日琉祖語の分岐の下限時期よりも新しい時代である証明とはいわないが、
補強材料になるんだから。

944 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 02:07:11.55 0.net
>>938
琉球諸語はそんな大昔まで資料辿れんよ
「大和」ないし「大和人」は、1501年の『海東諸国紀』語音翻訳、1534年の『使琉球録』夷語、明代の『琉球館訳語』、
それに『おもろさうし』にもある。このへんが文献で遡れる最古
ちなみにこの頃「大和人」は「ヤマドピチュ」と発音されていた(中国人や朝鮮人にはそう聞こえた)ようだ。

945 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 02:38:40.46 0.net
>>944
文献資料では1501年が最古なのか、というか、貴方すごいですね、よくそんなことを知っていらっしゃる。
では、琉球諸語で、ヤマト・ヤマトンチュっていう言葉は、各方言で大きな差異はありますか?
つまり、琉球祖語時代に流入したと思われるような差異があるのでしょうか?
というか、調べた人がいるかどうかも判らないニッチな質問してすいません。

946 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/07(水) 17:37:43.69 0.net
いや、隼人が日本語族をしゃべる人たちだっていうんならそれでも別にいいよ。
趣旨としては同じだから。異民族がいつまでどこにいたかって話は、言語とはまた別に議論したほうが良いかと思う。

つーか使用言語と自認する民族・エスニックグループが不一致な場合なんて山ほどあるのに
「言語が違う」ことを安易に「民族が違う」って言ってしまった937がおかしかった。すまん。

947 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 18:19:13.28 0.net
言語が違ってしまうと民族として同一視できなくなるという場合もあるという話してるのでは?
アングロサクソンは古英語時代はブリテン島に渡ったゲルマン人で、
海を渡らなかったゲルマン人とさほどの違いはないのに、
同じゲルマン人だけどもフランス語を使うノルマンフレンチに征服されて、
民族的にはゲルマン人のままでも、使用言語が比較言語学的には同一系統でも、
もう別言語になってしまえば多民族として互いに認識してしまうのはいつだったのでしょう?
っていう話ではないの?

948 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 21:38:33.42 0.net
9〜11世紀の九州のどこかに日本を「大和」とのみ呼ぶ方言があったんだろうか?不思議だね

民族の異同と言語は必ずしも関連しないんじゃないか?
アイルランド人が英語ばかり話してアイルランド語をほとんど話さなくてもアングロサクソンになったわけじゃないだろう
スコットランド人なんかスコットランドゲール語、古英語系スコットランド語、スコットランド英語の3つの「固有の言語」を持っている
世界のピジン・クレオール言語の話者の多くは、複合的だったり曖昧なアイデンティティの持ち主も少なくないんじゃないか

>>938
対外呼称というより、自称の一つとして使われた年代と考えたら
もっと広い年代を取れるんじゃないか
しかも地名や国名、民族名はえてして古い物が残りやすいし

949 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 21:52:26.52 0.net
ちょっと脇道にそれてるから本題に戻そう

>>928
>一方で、ウ段とオ段は母音としては全ての方言で /u/ に合流している。
>奄美語では一部に /o/ が対応することがあるが、前後の環境により、一度 /u/ に合流したものの一部が /o/ に変化したとも言われている。
どうもそれだけでは説明つかない節がある。
第一に、>>279のリンク先のパッパラルド説によれば、奄美の加計呂麻方言と八重山の波照間方言で、共通の語においてオ段がoで現れる。
祖語のアクセント等が関係あるのかもしれないが、現時点ではまだ誰も決定的な理由を説明できていないようだ。
第二に、特に語中の*koがho>oと変化した場合は必ずoが現れる。tokoro>tohoro>to:ro>toro(所)など。
沖縄にもそれらしき例がある。
ttp://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/nkjn/details.php?ID=NK60325
>ヨーネー
>『混効験集』の「よこなひ(乾・時候)」の項に「宵也 やうなひ共」とある。
ちなみにこの語は奄美でもヨネという(奄美から沖縄へ借用されたか??)。

あとどこで読んだか忘れたんでソース出せなくてすまんが、沖縄本島のどこだかの方言でもわりと最近まで
オ段をʊで発音して区別していたとか、伊波普猷か誰かが書いていたような気がした。

950 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/07(水) 22:19:36.25 0.net
おみ どんごどんて

951 :699 ◆nLORzldheo :2014/05/07(水) 22:44:04.48 0.net
>>918
松森説の意義を、特別に重要視して唱導したい気持ちはわかるけど…

>B・C系列と三・四・五類の間には相当大きな所属語彙のズレがあり、
>三類だがC系列という語彙もいくつか存在するし、
>四類 【  ・  五  類  】 は 『B系列とC系列に【  ほ  ぼ  半  々  】に分かれて』所属している。
(強調処理は俺)

これは言いすぎだよ。5類の系列は明らかにC寄りに偏っており、B所属は少数例外に属する。
「金田一旧通説に対する、松森の問題提起」という段階では、
ABC系列論の独立性は、強く主張されて然るべきものではある。

しかし、松森説が、主流学説として完全承認された現在では、
むしろ、金田一通説から平山くらいまでの旧通説が、系列論を「低起類における類の例外」として片付けた、
その意義(=つまり、従属性を以って理解し得るような偏りがあったこと)が、
今度は裏返しの問題として、無視できないものになる。
松森派(本人ではなく)は、系列を類と対等に並べたいという気持ちが強すぎて、系列を金科玉条にしすぎ。


俺がここに着目するのは、系列と類との間の偏りで、「4類と5類」との間に離隔があることなんだ。
つまり、琉球方言は、4類と5類の区別を、傾向として緩やかに保存していることになる。
松森信者は、系列の独立性にこだわって、「どっちも半々」と強引に主張するため、
皮肉にも、この重大な問題を見落としてしまう。

952 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/08(木) 02:16:05.78 0.net
>>945
大したことないよググれば出てくるし

>では、琉球諸語で、ヤマト・ヤマトンチュっていう言葉は、各方言で大きな差異はありますか?
ヤマトという語自体は各方言で語形に大きな差が付きにくいと思うが与那国ではたしかダマトゥといったはず
与那国で借用語まで強制的に語頭ヤ行をダ行に変えるのかどうか知らないが
もしそうでなければ琉球祖語時代と見ていいだろうと思う
ヤマトンチュは各方言で「ヒト」ないし「〜ビト」に対応する語を後に付けている

953 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/08(木) 21:23:57.57 0.net
>>949
oが残ってる例もあるのか・・・
これで八丈方言みたいに終止形-u、連体形-oの形が残っていれば面白いんだけど
現代語では終止形も連体形も昔のがのこってないんだよね・・・

954 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/09(金) 00:48:28.91 0.net
ttp://blogs.yahoo.co.jp/upoirav/1630854.html
宮古の伊良部方言でも「「お」と「う」の中間音」があって、主にオ段に現れるようだ。
残念ながら連体形の-oは見当たらないが。

955 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/09(金) 21:18:21.89 0.net
こっち見ると、おもろさうしでは雪をyokiって15回くらい書いてたって言ってるな。
http://hal.archives-ouvertes.fr/docs/00/37/33/03/PDF/PJEOEOJ.pdf

上代東国方言ではyo2ki1表記だったけど、これは近畿の人間が聞いたからyo1ki1の間違いじゃね?
みたいなことが書いてた。。。

956 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 03:55:26.20 0.net
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/psycho/1393514224/8
  ↑ ↑   ↑ ↑   ↑ ↑

957 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 06:16:56.30 0.net
万葉集だともう上代仮名遣いの一部崩壊が始まってるか

ペラール説によれば、上代語で Ci1Ci1 という語形を持つ語は、子音を考慮しなければ
日琉祖語で *CiCi/*CiCe/*CeCi/*CeCe の4つの形を想定しうるってことだよね
母音の制限で *i と *e は共存できないとかはあったんだろうか

上代語で *Ce1Ce1 *Ce2Ce2 *Co1Co1 のような語はほとんど存在しない
例外は中部方言で *Ce2Ce2 が残存、古事記のmo1ko1(<裳子か?)、時代が下るが新撰字鏡の「えめむし」、くらいか
日琉祖語から畿内上代語までの間のどこかで、それぞれ Ci1Ci1 Co2Co2 CuCu に変化したのかな?
母音の並びを制限する謎の力が働いて有坂法則を生み出したのか

958 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 18:03:17.26 0.net
西南九州や石川県白峰の方言にも長母音があるが、
琉球祖語C系列(またはその日琉祖語における前身)を起源とする
長母音ないしアクセントの痕跡が残存している可能性はないんだろうか

ttp://jairo.nii.ac.jp/0001/00009313
>九州西南部には長母音のかなり多い方言がある。長崎県
>の島原半島方面から熊本県西南部をへて、薩南の甑島、種
>子、屋久に及ぶ方言地帯がそれである。


http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1324346484/503
> 新田哲夫 白山麓白峰の方言特徴と昔話に見られる方言の語法 (2)
> ttp://hdl.handle.net/2297/23821
> (p.7)
> 桶 オーケ ヲゥーキ
> 鍋 ナーベ ナービ
> 喉 ノード ヌーディー
> 影 カンゲ カーギ
> 虹 ニョージ ヌージ
> 二つ フターツ ターチ
>
> ネットサーフィンしてて偶然見つけたんだが
> 北陸の山奥の方言と沖縄の首里那覇方言で同じ箇所に長母音が現れる語があるんだな
> 偶然の一致か、日本祖語からの継承か、院政期アクセントとの対応で説明できるのかはわからないが

959 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/10(土) 20:52:31.59 0.net
>>958
932の表と比較すると、「影」だけC系列と一致するな・・・
琉球祖語→西南九州方言の流れもあながち無理筋とはいえないかもしれない

思うに699の勘もある程度は正しかったんだよ。
派生方向が逆なだけで、西南九州方言と琉球諸語にはある程度の系統関係はあるはず。

960 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 21:19:16.39 0.net
語中の濁音の前鼻音がなくなる時期に例外的に長母音化を引き起こした名詞があったという可能性。
まずそれを考えねばなるまい。

961 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 21:23:07.19 0.net
ド素人の妄想で申し訳ないんですが、
@ブラスト4(台湾)→A日琉祖語6(不明だが、沖縄経由でなく、中国南部経由で北九州か朝鮮半島)→上代日本語祖語4(北九州〜近畿のどこか?)
                   ↓
                 琉球祖語6(九州南部?)
ということを前提にして、@とAの間での4から6の母音増大なんだけど、
どっかで、AN祖語は北方系と接触して日本語になってるとみるなら、@とAの間に北方系との接触があったと見れば、
それが4母音から6母音の契機(中国南部から北上して満州〜朝鮮半島〜北九州のどこか?)になったってことなのかな?
日本語がクレオール言語という前提でいえば、そうなるよね。

962 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 21:41:45.89 0.net
クレオールだなんていう前提はどこから

963 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 21:51:50.55 0.net
言語が接触したときに母音体系がどうなるかっていうところがブラックボックスなのに、
接触にたよるってのはきついわな。前提が危なすぎる。

964 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 22:20:42.95 0.net
>>926
その場合、三拍はどうなるの?

>>931
三つ・六つ・八つ・四つ って本土古語や琉球祖語では二拍じゃないの?
蜻蛉はあきづ?
話題になってる大和は何類になるんだろ

>>951
三拍名詞ではもっと露骨に偏ってるもんね

>>957
謎の力って何だよw

>>959
鍋と桶もC系列じゃね
あ、九州の話?

965 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 22:41:14.81 0.net
>似ているのは、種子島方言であって、唖・帯・蛇・虹・百舌鳥等の限られた名詞にだけ長い音を使う

首里那覇方言 唖(別語) 帯ウービ 蛇フィーブ(稀) 虹ヌージ 百舌鳥(いない?)

九州でも琉球でも、語頭の長母音には、祖語由来かもしれない本来のものと
二次的にイ段・ウ段音の前で長くなったのと、二種類混じってるんじゃないかな?

にしても>>931だけじゃちょっと少なすぎるな
そもそも琉球諸方言でどの語がどの系列に属するかってのもあやふやな部分があるみたいだね
提唱者の松森氏自身が地域によって異なる系列に属する語があるとか言ってるしw

966 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 23:03:53.68 0.net
日本語クレオール言語説の人は、
日本語とAN語の生きたクレオールの例として、宜蘭クレオールの研究が進むのを待とう
http://www.ninjal.ac.jp/publication/review/0301/pdf/NINJAL-PReview030105.pdf

967 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/10(土) 23:20:26.36 0.net
グスクって、バイキングのモット・アンド・ベーリーみたいなもんじゃないの?
南西諸島で日本語族の言語が話され始めるのは、稲作が始まるグスク時代以降だと思うんだが

968 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/11(日) 01:41:21.96 0.net
>>967
本当にそうなら先住民がいたみたいな伝承とかあるはずだろうし、言語の基層にも影響を与えてる筈だろ

969 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/11(日) 03:24:18.06 0.net
考古学的にだろうが民俗学的にだろうが通説に反することを事実であるかのように主張するときにこそコテハン付けてほしい

970 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/11(日) 07:57:33.03 0.net
>>964
> その場合、三拍はどうなるの?
単語のはじめが低高の場合、上昇アクセント相当だとみなされた、とかんがえると
六類・七類がC系列しかない事実と符合すると思う

問題は低低低・低低高アクセントのはずの四類・五類にも一部C系列があることで、
こいつの理由はよくわからないや。
低低昇・低昇高アクセントがあったと類推することも可能だけど、
・降アクセントは単語の末尾にしか現れなかった。同様に昇アクセントも単語の最初にしか現れないはず
・降アクセントは三拍以上の名詞に現れなかった。同様に昇アクセントも三拍以上には現れないはず
っていうことを考えると、無理筋っぽいよなー。
誰かここらへん解決できる人いない?

>謎の力って何だよw
有坂の法則を生み出した何かだな。アルタイ諸語の母音調和とかゲルマン諸語のウムラウトとかにも
同類の謎パワーが働いているんじゃないだろうか。

>鍋と桶もC系列じゃね
ホントだ見逃してた

971 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 08:06:04.81 I.net
>>970
上でも書いたけど、有坂法則は母音調和でもアルタイ起源でもないと思う
正確には有坂第一法則なんだけど、これは古い時代には言葉のニュアンスを変える文法要素だったんだと思ってる
AN語で前鼻音化によって言葉のニュアンスを変えてたように、極めて古い時代の日本語ではaとo2を交代させることによってニュアンスを変えてた
その痕跡はpata+i(果て)とpo2to2+ri(辺)のようなダブレットに痕跡が残ってる
有坂法則の中でこの第一法則が一番例外が多いのも、単に三つの中で一番古いからその分崩壊も進んでるんだと思う
だから有坂第一法則に関しては母音調和じゃないと思うし、アルタイ語との接触より前の時代にまで遡る、確認出来る限り最古に近い文法要素だと思ってる

これがあるから俺はペラール説には懐疑的なんだけどね

972 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 16:28:12.94 0.net
>>971
文法というべきかどうか知らないけど、おおむね賛成。

> 極めて古い時代の日本語ではaとo2を交代させることによってニュアンスを変えてた

その通りだと思う。もっと新しい時代にも a : o2 の対比があり (さやぐ : そよぐ、等)、
オノマトペでは現代にも残っている (カラカラ : コロコロ、等)。

a : o2 は原始日本語の根底的な母音対比と思われる。
それを素通りして母音調和とかアルタイ語とか言うのはどうも胡散臭い。

973 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 18:00:28.08 0.net
文法要素というより語彙要素かな

974 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 18:02:03.43 0.net
はて、ほとり以外にはどういう語があるの?

975 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 19:16:20.78 0.net
a/o2以外にはどういう母音の組があるの?
数詞を見るとiとuが組になりそうだが

976 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 20:10:54.70 0.net
i    u
  o2
  a

図にすればこうなるから、i と u もペアになるね。数詞が傍証になるし。
(o2 は a の上ではなく a の「向こう側」に書く方がよさそうだ)
結局は大野四母音だから、嫌がる人もいるだろうな。

977 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/12(月) 20:37:39.11 0.net
>>971
そいつぁ母音交替による造語機能だ。
971で謎の力って書いたやつは同一単語内の同化現象で、また別の話だ。

いや、ひょっとすると有坂の法則っていうのは
第一・第二法則 ... 同一単語内にə/uoが現れるとどちらかに同化される
第三法則 ... əとaを交替することで造語する機能
という別の原理を法則として一緒にしたものなのかもしれない。

第三法則のほうはかなり古くからあるものの一方、第一法則は3世紀(伊都国に柄渠觚さんがいた頃)は
働いていなかった法則みたいだし

978 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/12(月) 20:51:15.03 0.net
母音の数が少ないのに音節の同化で同音語発生させたらどうするの?という疑問がある。
まあアクセントにたよれるわけだが。

979 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 02:48:58.93 0.net
数詞はなぁ、
 i u

o2 a
なら綺麗なんだけどな。

980 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 02:50:22.55 0.net
あ、半角はスペース一個しか繁栄されないんだよね
 i       u

  o2    a
だったら綺麗な分布なんだけどね

981 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 03:07:12.12 0.net
綺麗だと思うけど……

Fi1to2tu : Futatu   i1 : u  o2 : a
mi1tu : mutu     i1 : u
yo2tu : yatu     o2 : a

982 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/13(火) 05:40:43.90 0.net
母音だけ見ると結構整ってるけど、
>>931のようにアクセントもまぜると「一つ」だけ例外だったりして
何か隠し要素が潜んでる気がするんだよね

983 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 06:48:16.91 0.net
なんの根拠もない妄想開始。
uは村山も言及してるが、大野が平安期まで強い鼻音を帯びていたと。
で、uを村山は鼻音を帯びたuもあったしてと、よくつかってるけど、
aも遡れば、鼻音を帯びたものと帯びてないものに分けれるとしたら、
i : 鼻母音u
o2 : 鼻母音a
とすれば、数詞は綺麗になるよね、AN語っぽくなるし

984 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/13(火) 11:31:53.57 I.net
>>981
村山説によれば、一(pito2)の古形は上代語にもよく出てくるito2で、putaとの類推でpが付いてpito2になったとする
そして、pito2+tuのアクセントはLHLだけどito2のアクセントはHLで、puta+tu(HHL)と語頭アクセントが一致する
つまりito2を古形と考えれば>>981は母音対応とアクセント共に完全に一致してる

やっぱりこれが最古の日本語の母音体系だったと思うよ

985 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/13(火) 22:25:21.14 0.net
>>984
ちょっとまて

ito2 HL
putatu HHL

ここからの類推で

pito2tu LHL

なんで低起型の単語が生まれてくるんだ、その説はもう少し考えたほうがいいぞ

それにしても古形がito2だっていう話はちょっと興味あるな。
>>891にあるように、一つには「tetu」っていう異系があるんだけど、
itetu→[近畿方言]itətu→pitətu
  →[東国方言]tetu
  →[琉球方言]tetu→titu

なのかも。琉球方言のアクセントがきになるな。八丈方言にはアクセントがないからしょうがないとして。

986 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 00:30:59.83 0.net
琉球では「ふたつ」もta:tsiになってあたまのfuは落ちている。
pitetuを古形にすべきだ。

987 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 02:01:09.17 0.net
>>985
「一つ」は琉球祖語の段階ではまだ*pitotuないし*pitetuとp音が残っていたのは、宮古や八重山で今も残っているから確かだろう。
以下に述べる理由も加味して琉球祖語において「一つ」は*tetuではないと考えられるので、
八丈方言とは互いに独立して同じ変化が起きたか、または琉球祖語より遅い時代の借用か、だろう。


>>929への追加になるんだが、琉球の全域または大部分の諸方言で、
無声閉鎖音が、イ段とエ段、ウ段とオ段の合流に先立って、おそらく「2つに分裂した」と思われる。
すなわち、ア段・エ段・オ段は無声有気非喉頭化音となり、
イ段・ウ段、促音の後、首里方言のti:ci(一つ)やtai(二人)の語頭のような縮約された音節では、無声無気喉頭化音となった。

沖縄中南部を中心とする諸方言では両者がほとんど痕跡を残さずに対立を失って再合流した(一部地域で分裂自体が無かった可能性も否定しない)が、
他の諸方言ではさらなる音韻変化を引き起こして痕跡を残してから合流したり、あるいは今日まで残存したりしている。
沖縄北部や久高、奄美、先島の一部では、前者が一部の語で摩擦音化したり、さらに弱化し脱落する現象が見られる(k>h(>ゼロ)、cj>sj(>s)など)。
宮古で*ku>f(u)、*pu>f(u)など、八重山でも類似の変化が起きているが、これらは後者がさらに変化したものである可能性がある。
現在も与那国、それと沖縄北部や奄美には両者が対立する方言があり(ただし、原則として語頭のみに区別を残し
語中では摩擦音化したものを除きどちらかに合流している方言が多い)、これらの諸方言では普通、「一つ」の語頭音は後者で発音される。
沖縄中南部でも、那覇市垣花や旧久米村で区別が一部残っている(他の方言にもあるかも)ので、同様に発音されるはずだが未確認。

988 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 02:12:53.29 0.net
>>929は面白いね。
平安以降の本土日本語の「5母音」というのも、音素論的には、実はどうにでもなり得るものだったりする。
今の東日本方言は、「4母音」であって、いわゆる50音図における「イ段」と「ウ段」の別は、子音の区別なのだ、
と理解することも、やってやれないことはない。
東京方言だと語頭が例外になるが、茨城以北では語頭単独母音は4つなので、
東北弁の場合、出入りはあるが、(「あい」融合音を除き)4母音として、
音素論的には、矛盾なく完全に説明できてしまう。
こんな話、「あいうえお五十音信者」は悶絶死しそうだけどな。

もちろん、この4母音は、大野4と無関係であることは言うまでもないが、
5を絶対の黄金数と考えないほうがいい、というのは、足許の日本語共通語ですら言えること。

989 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 02:53:53.83 0.net
i,uが支える子音だと喉頭化するというのはどういう音声上の理屈からなの?

990 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 03:15:08.68 0.net
>>989
横レスだけど、多分次のような過程だと思う。

狭母音が無声化→完全脱落=頭子音の複数→支えられずに摩耗→閉鎖だけ残り咽頭へセットバック→咽頭化

狭母音の無声化は、通常子音の側では口蓋化を随伴して、調音点が手前へ出てくるんだけど、
これは調音点が狭まることでもあるから、口蓋化ではなく、閉鎖音化という方向性もあり得る。
そして、閉鎖音の成れの果てが咽頭音で、調音点は逆にセットバックすることになる。


「語頭の入声音」というか、「朝鮮語の濃音の成り立ち(通説)」に似てるというか何というか。
母音が潰れた時、閉鎖音を好むのは、広い意味で、西南日本的だとしみじみ思う。
東日本だと、外破を開いたままにするが、西日本は折りたたむ傾向が一般に強い。
そういえば、九州の一部では、kwがpになる地域「関白=ぱんぱく」があるよね。
宣教師文献にあるので、桃山時代に遡る。

991 :390 ◆oflnzmdu96 :2014/05/14(水) 06:59:06.68 0.net
対馬(tutsma)や末盧(matra)のような語も、古い子音重複の名残だと思ったけど、実はi、uの無声化ないし脱落かもしれんなー。
語源的には津+島、松+浦で完全に説明つくし。

>>987みるとito2説はポイーかな。
アクセントが変わってるのは、さらなる古形の残存ということで。

992 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 09:46:26.90 I.net
>>991
むしろ琉球諸語が日本語で一を意味する言葉がpito2に変わってから分岐したという根拠だと思うんだけど
一(pito2)と語幹を共有する言葉には「ひたすら」「ひたむき」や「等しい」などがあるし、pita〜pito2が語幹であるこれらの単語の意味から見てpito2がito2と同源なのは明らか
ましてやito2は母音だけじゃなくアクセントまでputaと一致するし、余程の根拠がない限りito2が古形であることを否定するのは無理がある
そしてこれが否定されない限り、日本語に例証される最古形の母音体系は大野説の4母音だということになる

993 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 16:39:06.65 0.net
>>992
「ひたすら」「ひたむき」のヒはたしか乙類じゃなかったか

>>984
それならpito2-が高低でputa-が高高だからアクセント一致してなくないか

>>978
それはあるよね
セム語やカフカス諸語みたいな子音が豊富な言語じゃないんだからさ
アクセントに頼るだけじゃ、歌を歌う時とかどうすんだってのもあるし

>>970
>・降アクセントは三拍以上の名詞に現れなかった。同様に昇アクセントも三拍以上には現れないはず
低低降や昇低低があったんでは


というか、そもそも論として、単一の「琉球祖語」は本当に存在したんだろうか
九州にいる間にかなりの方言分化を経てから各集団がバラバラに南西諸島に移住してきたとしたら?
グスク時代から約1000年で方言差が激しいのも一つはそういう理由かもしれない
さらに先住民族がいたはずだから九州方言とのクレオール言語ができたのかもしれないし

994 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 16:45:15.90 I.net
>>993
沖縄に先住民族はいないよ
先島諸島には台湾から北上してきたAN民族がいたけど、それ以外の琉球列島は九州から縄文人が来るまで無人だった
だから先住民族の言語の影響を探るなら先島諸島の言語に対象が限定される

995 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 17:03:33.82 0.net
先住民族がいれば言語接触は起こりうるが、
なぜそれをピジン・クレオールに限ろうとするのかがいつも不思議。

996 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 17:08:50.51 0.net
次スレたてました。

上代特殊仮名遣い 三音目
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1400054868/

997 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/14(水) 21:57:53.89 0.net
思いつきだけど
日琉祖語にあるという*eと*oも
*a/ə, *u~/*i~(鼻母音?), *o/*u, *e/*i みたいな感じで
*iや*uと母音交替してたんじゃないかな?
上代畿内でiやuと合流して消えたのは母音交替自体が廃れたから

>>994
じゃあ沖縄の縄文人が琉球祖語話してたのかよ?さすがにそりゃないだろJK
さほど大昔でもない平安〜鎌倉頃の文献でも鬼界が島だの食人国だの言ってたんだから
何かしら先住民族がいたような記憶があったんじゃないの?
沖縄では大昔を「裸世」というらしいね

>>996

998 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/15(木) 00:33:41.15 0.net
            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ,,,,,,,,,  <  いくわよネジ
    |;;;;;;;;;|   \________________
    |;;;;;;;;;|
   ノゝ・_・) _√ ̄i_  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ノノ'"'πヾ(゚Д゚ ) < オチゆーな
  _ノノU;;;;;;;| ノ# ̄ヽ   \_____________
 |__|];;;;;;;;|ノ__#_ヾ

埋め、999だけに

999 :名無し象は鼻がウナギだ!:2014/05/15(木) 00:36:48.80 0.net
               ┌┐                                ●●●
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