2ちゃんねる スマホ用 ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

邪馬台国 巨大津波滅亡説

1 :日本@名無史さん:2013/03/29(金) 12:12:53.02 .net
3世紀頃にメガ津波で消滅しました。
日本列島に生きる者の宿命です。
皆さん、諦めましょう。

2 :日本@名無史さん:2013/03/29(金) 13:09:57.78 .net
万世一系の皇国史のイメージが崩れるんでタブーになってます。

3 :日本@名無史さん:2013/03/30(土) 11:27:45.18 .net
このたびの大分県佐伯市・竜神池の津波堆積物調査で、
西暦200年頃、東日本大地震を上回る超巨大津波が九州東海岸を襲ったことが分かった。
およそ卑弥呼の時代である。

http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/5/iin_okamura.pdf
(pdfのp6〜p7、No.3の堆積物黒バンドは西暦684年の天武地震、No.4のバンドが卑弥呼時代のもの)

天照神話には、スサノオノミコトが高天原へ上がる際、山川が揺れ海原がとどろいたので、
アマテラスはスサノオが攻めてきたと想い、弓矢を構えたという。
打ちつづく巨大地震と大津波で皆々が疑心暗鬼になっていたことがうかがえる。
巨大津波に慄いて東に新天地を求めた邪馬台国、
しかし2000年後に再び東日本巨大地震、さて皇国の命運やいかに・・・、

4 :日本@名無史さん:2013/03/30(土) 11:31:24.14 .net
邪馬台国は、富士山の噴火で溶岩流にのみこまれて消滅した。
幻の富士王朝こそ邪馬台国。

5 :日本@名無史さん:2013/03/30(土) 14:42:14.61 .net
筑後川一帯なら湾内だから、まともに波かぶることはないかな?

6 :日本@名無史さん:2013/03/30(土) 15:13:52.02 .net
雲仙岳の噴火の火砕流で対岸への肥後津波はあったらしいけど
地震津波に有明海は強いらしい
もっとも邪馬台国筑後平野なら、神武東遷はなかったかもの意見あり

7 :日本@名無史さん:2013/03/30(土) 15:17:08.49 .net
吉野が里が遺棄されたのは3世紀後半だな。
高地性集落もこの時期か?

8 :日本@名無史さん:2013/03/30(土) 16:15:55.79 .net
吉野ヶ里は縮小しながらも、9世紀までは集落があった。

9 :日本@名無史さん:2013/03/30(土) 20:48:44.53 .net
現場を見たことないので、航空写真での印象だが、
発掘された吉野ヶ里区域は小高い丘でなかったのかな
もともと水が得にくいので住む人はなかったが、大乱抗争勃発でやむを得ず城柵内に避難生活するようになった。
しかし間もなく平和が訪れたので徐々に元の定住地へ戻った。
ただし一部は水も得られたので細々と9世紀まで使用された・・、とか?

10 :日本@名無史さん:2013/03/31(日) 10:48:34.28 .net
吉野ヶ里は9世紀の木簡が出ているから、
権力が他に移ったあとも、役所機能などが残されていたのだろう。

11 :日本@名無史さん:2013/03/31(日) 10:54:31.20 .net
吉野ヶ里は8世紀の集落跡。
年代測定が間違っているんだよ。

12 :日本@名無史さん:2013/03/31(日) 10:58:11.36 .net
典型的な弥生中期の吉野ヶ里が8世紀なら、
日本中の弥生遺跡が800年程新しくなりそうだな。

13 :日本@名無史さん:2013/03/31(日) 11:11:30.48 .net
縄文文化は江戸時代まで続いていたし、
コンクリートで石の代替品を作る技術によって石器文化は今も続いている。
鉄器時代は繁栄を極めていて、東京スカイツリーは鉄器文化の頂点だろう。
稲作文明を守るためにTPPの例外品目にしようと躍起になっている。

人の営みなんて、昔とちっとも変わっちゃいないのだ。

14 :日本@名無史さん:2013/03/31(日) 14:09:35.20 .net
自然災害で争乱状態になることも考えられるからな。

15 :日本@名無史さん:2013/03/31(日) 16:24:17.90 .net
古代気候と社会の共振現象 年輪酸素同位体比法による古代推定降水量の変動
(西暦初頭はpdfの13-16ページ参照)
http://w3serv.nagoya-u.ac.jp/envgcoe/images/events/seminar/fyh21/others/20100309/ppt/lecturer/nakatsuka.pdf

16 :日本@名無史さん:2013/03/31(日) 18:57:46.61 .net
邪馬台国が東九州を襲った大津波で壊滅したとしたら宮崎海岸か志布志湾岸。
大陸から薩摩半島、大隅半島へ上陸し宮崎へと北上した熊襲が邪馬台国か。

17 :日本@名無史さん:2013/04/03(水) 00:48:14.82 .net
日向ってのは神武天皇のふるさとだから、邪馬台国とは限らない。
だから、巨大津波は神武東征の理由にはなりえても、邪馬台国の滅亡理由にはなりえない。
と思う。

18 :日本@名無史さん:2013/04/05(金) 19:01:38.68 .net
魏志倭人伝の邪馬台国はライバル「呉」の牽制の為に「魏」が東南海上に造り出した幻の国である。
同時代に存在した国は大和地方にあったものだけ。これが邪馬台国と言えば邪馬台国と言えなくもない。
従って九州に求めても所詮無理な話しである。

19 :日本@名無史さん:2013/04/06(土) 09:30:37.53 .net
弥生時代(BC400年〜箸墓築造AD250年)の鉄器出土量は 北部九州>>>>>>>>>>近畿 なのをどう説明するんだ?

20 :日本@名無史さん:2013/04/06(土) 09:33:24.59 .net
弥生時代終末期の北部九州、筑紫・博多。

 漢委奴国王(スサノオ)が建国し、帥升(大国主)と続いた倭(和)の奴国【∩銅鐸祭祀】も、跡継ぎを巡る「大乱」により
卑弥呼(アマテラス)の邪馬台国【○銅鏡祭祀】に国を譲る【銅鐸一斉処分:九州=銅鏡に鋳直し/九州以外=埋納】。
 これを不服とした卑弥弓呼の狗奴国と全面戦争になり、倭「和」国は分裂し、卑弥呼は急死する(男弟/魏の張政/
狗奴国による暗殺説)。

-分裂した倭「和」国
奴国(長崎/佐賀)邪馬台国(福岡/大分)筑紫/宇佐┃→安芸→吉備→「大和」朝廷
狗奴国(熊本)─┼─投馬国(宮崎)日向┃↑ ≧神武東征ルート≧
...................隅国(鹿児島)┘

 卑弥呼の跡を継いだ♀女王「台与」は、投馬国長官♂を婿として迎え、旧奴国&隅国(隼人)とも同盟を結び、肥後
狗奴国(後の熊襲)を一網打尽にし、倭「和」国を再統一した。
 「和」国再統一の偉業をなした男系先祖の出自を後世に伝えるため、神武は日向(投馬国)から出航し、中国大陸
における五胡十六国の戦乱の影響から距離を置くべく、都を筑紫・博多から先遣隊長ニギハヤヒが拓いた奈良・三輪
山麓(纏向)へ東遷し、その女系先祖・卑弥呼(アマテラス)&台与以来の【○銅鏡祭祀】「大和」朝廷を創始する。

※古事記・日本書紀が、日向長官の先祖であるイザナギ・イザナミを漢委奴国王(スサノオ)の両親、台与の伯母・卑
弥呼(アマテラス)をその姉としたのは、「大和」朝廷・天皇家(♂日向長官と♀筑紫女王「台与」夫妻の子孫=神武の
末裔)による系図操作。
 ∩銅鐸祭祀をしていた漢委奴国王(スサノオ)と帥升(大国主)は、倭(和)建国の功績を消され出雲に祀られる。

21 :日本@名無史さん:2013/04/06(土) 09:34:18.38 .net
-「大和」朝廷における、♂日向(投馬国)系大王と♀筑紫(邪馬台国)系大王の(双方の男系男子途絶による)政権交代

4世紀〔前期古墳〕三輪(銅鏡)王朝(1神武〜14仲哀)=♂日向(投馬国)系大王【四道将軍派遣→国造任命→ヤマトタケル九州平定】
5世紀〔中期古墳〕河内(鉄剣騎馬)王朝(15応神〜25武烈)=♀筑紫(邪馬台国)系大王【神功の三韓征伐→倭の五王(讃珍済興武)】
   →(高句麗の南侵に脅かされた)金官伽耶(任那)・百済・新羅への軍事支援により「鉄の大量供給ルート」を確保し、王権強大化
6世紀〔後期古墳〕近江王朝(※26継体〜38天智〜50桓武〜現在)=♂日向(投馬国)系大王【仏教伝来→白村江の戦い→律令国家】


-26継体・27安閑・28宣化=日向系大王〔樟葉宮→筒城宮→弟国宮→磐余玉穂宮〕
  …継体大王の「大和」入りが筑紫系皇族の抵抗で大幅遅延→「筑紫国造・磐井の乱」を誘発
-29欽明〜♀35皇極(37斉明)=筑紫系大王〔飛鳥・板葺宮〕
  …筑紫系大臣、蘇我氏(娘達を続々大后に→外戚として大王を操縦)による日向系皇族大弾圧→「乙巳の変」(大化の改新)へ
-38天智・39弘文=日向系大王〔近江大津宮〕
  …「白村江の戦い」完敗→百済・任那滅亡で半島権益(鉄の大量供給ルート)を喪失。国力低下→「壬申の乱」へ
-40天武〜♀46孝謙(48称徳)=筑紫系「天皇」〔飛鳥・浄御原宮→藤原京→平城京/恭仁京/難波宮〕
  …両系和解の古事記・日本書紀・風土記編纂(日向系大王の活躍=筑紫系大王の活躍)→「長屋王の変」「道鏡事件」へ
-49光仁・50桓武〜南北朝〜現在=日向系天皇〔長岡京/平安京〕
  …筑紫系天皇の奈良〔平城京〕から、本拠地・近江(琵琶湖)近くの〔長岡京/平安京〕に遷都

22 :日本@名無史さん:2013/04/06(土) 18:51:28.04 .net
津波、火山の爆発で神武は行われたでしょうね。
神武天皇の東征の碑が大隅半島の霧島市福山宮浦神社、
東串良町柏原にあります。
当時、火山も活発で生活に支障が出たのでしょう。

23 :日本@名無史さん:2013/04/06(土) 19:40:23.01 .net
>>18
魏も呉も滅亡してから魏志倭人伝が書かれた。そのような狙いが有る訳が無い。

24 :日本@名無史さん:2013/04/07(日) 17:06:45.63 .net
この写真は佐賀平野で海抜+3m想定だけど、これを宮崎まで持って行き、
写真モードを地図モードに戻し、口地形にチェックを入れ、
さらに巨大津波の想定で、海抜を+20mにすると宮崎県は凄いことになるな。
約2000年前の卑弥呼のころ、こんなことが起こったんじゃないかな、そのまんま滅亡だ!!

http://flood.firetree.net/?ll=33.2198,130.3140&zoom=11&m=3&type=satellite

25 :日本@名無史さん:2013/04/07(日) 18:00:02.80 .net
>>22
津波、火山の爆発で神武は行われたでしょうね → 津波、火山の爆発で神武東征は行われたでしょうね
でした。

26 :日本@名無史さん:2013/04/07(日) 21:07:42.98 .net
違うね。地球温暖化に伴う海面上昇が原因だろう。
有明海が海になった。

27 :日本@名無史さん:2013/06/12(水) 00:16:24.93 .net
大雨と洪水に伴う土砂崩れにより山上の集落は川に流れました。
この時被害に遭ったのは卑弥呼と娘婿の天稚彦です。
この事があって、妻、卑弥呼を亡くした大国主は出雲に出ました。
幸いなことに、裕福で権力のある親戚の計らいで出雲という土地を確保出来ました。

28 :日本@名無史さん:2013/06/24(月) 17:55:02.13 ID:zGzJcVlM!.net
邪馬台国は朝鮮半島にあったんだよ。
大和は裸国か黒歯国のどっちかだろうね。

29 :日本@名無史さん:2013/06/24(月) 23:01:42.97 .net
沖縄の海底遺跡が邪馬台国じゃないの?

30 :日本@名無史さん:2013/06/25(火) 08:24:33.19 .net
>>29
違うよ。あれ人工物じゃないよー

31 :日本@名無史さん:2013/06/25(火) 21:53:31.05 .net
邪馬台国は、やっぱり江田船山古墳に近い菊池川沿いの環濠集落だったと思われます。
大雨で、全部流され川の底。掘っても痕跡を探すのは難しそう。

32 :日本@名無史さん:2013/06/25(火) 21:56:30.70 .net
氾濫で埋められたようなところの方が残りやすいけどな
台地とか堆積と侵食がどっこいどっこいのとこは後の耕作で削られて消えてしまいやすい

33 :日本@名無史さん:2013/06/25(火) 22:32:55.97 .net
川底掘ってみろよ。何か出てくるかもよ。
ただし、自己責任でね。

34 :日本@名無史さん:2013/06/25(火) 23:29:22.27 .net
>>30
止めてよ! 観光客が来なくなるじゃないか。

35 :日本@名無史さん:2013/06/26(水) 07:15:17.15 .net
邪馬台国は信濃にあったんだよ

36 :日本@名無史さん:2013/06/26(水) 21:09:31.47 .net
邪馬台国は、会津にあった。
耶麻郡こそ邪馬台国そのもの。崇神天皇の時代、諸国平定の任務を終えた四道将軍大毘古命と建沼河別命の親子が、この地で合流したことに由来するという。
会津美里町の伊佐須美神社縁起にも同様の伝承がある。
その時、邪馬台国は滅んだものの、邪馬台国の女王卑弥呼の血すじは今も引き継がれている。
「八重の桜の」の山本八重、やまとの名と、女王としての風格が備わっている。

薩摩の西郷隆盛、会津の西郷頼母、この地で間接的に戦うことになったのも因縁を感じる。

37 :日本@名無史さん:2013/06/26(水) 21:53:43.03 .net
"邪馬台国会津説" 約35件

38 :日本@名無史さん:2013/06/26(水) 23:15:00.16 .net
すげぇ、さすが会津だ。35人も基地外がいやがる。

39 :日本@名無史さん:2013/06/27(木) 08:21:35.39 .net
山本がなんで邪馬台やねん

40 :日本@名無史さん:2013/06/28(金) 23:26:38.98 .net
ならぬものはならぬのです。

この頑なさこそ、邪馬台国の伝統ではないでしょうか?

41 :◆HKZsYRUkck :2013/06/29(土) 00:35:20.97 .net
>>40
つまり邪馬台国が西遷してナラ(奈良)になったと!

42 :日本@名無史さん:2013/07/07(日) NY:AN:NY.AN .net
しかし、そうは奈良ないのです。

43 :日本@名無史さん:2013/07/07(日) NY:AN:NY.AN .net
おーい、山田くん、>42に奈良づくしを

44 :日本@名無史さん:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN .net
奈良っていうのは平らなってことだから、まあ、要するに盆地のことだよ。
山門も山に囲まれた盆地のことだし、
邪馬台国の候補地は盆地でなければ奈良ない。

45 :日本@名無史さん:2013/09/22(日) 11:02:22.33 .net
来年の大河ドラマは軍師黒田官兵衛。
備中高松城の水攻めを羽柴秀吉に献策したのは黒田官兵衛とのこと。
大河ドラマにちなんで備中高松城の水攻め復元模型を製作した。
http://mirai660.net/castle/

46 :日本@名無史さん:2013/11/30(土) 23:06:23.65 .net
http://www.youtube.com/watch?v=wuDOebvhhe0
南端の北に南端はある

47 :日本@名無史さん:2014/04/15(火) 20:13:17.13 .net
だから邪馬台国ってのが本当にあったの?

48 :日本@名無史さん:2014/04/15(火) 20:19:58.23 .net
あったこと前提で言ってるんだもんなあ
日本の記録史には残っていないから中国の文献に頼るしかないんじゃん
まあ平仮名もカタカナもできる前の話なんだろうが

49 :日本@名無史さん:2014/04/15(火) 20:57:36.84 .net
ここで神代文字

50 :日本@名無史さん:2014/04/16(水) 09:25:06.42 .net
書けよ神代文字

あるなら

51 :日本@名無史さん:2014/04/16(水) 10:15:28.48 .net
神代も知らず竜田川

52 :日本@名無史さん:2014/06/22(日) 02:42:31.50 .net
神代もきかず じゃないと意味が通じんな

千早に振られて神代もいうことをきかず

53 :日本@名無史さん:2014/06/22(日) 10:41:27.68 .net
神代にも知らんぷりされたから、水をくくったんだってば竜田川

54 :日本@名無史さん:2014/09/23(火) 09:04:50.28 .net
『ホツマツタヱ』は高天原は日高見国(宮城県の仙台)にあったとし、天照大神の宮殿
「ヤマテ宮」が存在したという。これにヒントを得て、ヤマタイを東北弁で訛らせる
と「ヤマデェ」に近くなることから、邪馬台国は仙台にあった、ということもできる。
実際には仙台の語源は「千体仏」説が最有力で、その他にも諸説あるが、みな仙台は
当て字であって読みはセンダイかそれに近かったとする説ばかりであり、ヤマト・
ヤマタイ・ヤマデェ等の読み方とかかわりそうな説がない。『ホツマツタヱ』に
至っては江戸時代の偽書であり「ヤマテ宮云々」は問題外。ただし日本書紀に出て
くる日高見国(ひだかみくに/ひたかみのくに)が今の仙台平野のことであるのは
通説通りで問題ない。また仙台の東北に位置する「本吉郡(もとよしぐん)」は
宮城県の東北部の三陸海岸だが、古代では今の気仙沼市の全体・南三陸町の全体・
登米市の一部・石巻市の一部まで含んでいた。千田俊文は、縄文時代の文化的
中心地が三陸海岸地方であること、古代から全国どこにも祀られることがないと
されてきた開闢の神々(「別天つ神」や「神世七代」の神々)を祀る神社が、なぜか
本吉郡に多く存在すること、延喜式の中臣祓の祝詞に出てくる日高見国の考察、
などから本吉郡こそ日高見国であり高天原であるという説を立てた(この千田の説は
『ホツマツタヱ』とは無関係)。天照大神=卑弥呼とし、高天原=邪馬台国とする
かつてありがちだった電波説を援用すれば、その千田俊文の「本吉郡=日高見=
高天原」説の上に、さらに邪馬台国でもあったと付け加えることも可能だろう。
ただしその千田俊文本人は邪馬台国に関しては九州説だったが。またこの地域は
古来津波で有名であり、ムー大陸の沈没とはここにあった文明が津波で滅んだこと
である、というムー大陸説もすぐできる。これは木村政昭の「琉球=ムー大陸説」
のパクリであったりなかったり。

55 :日本@名無史さん:2015/05/28(木) 14:57:56.71 .net
語れ

56 :日本@名無史さん:2015/06/03(水) 06:34:10.15 .net
神戸(兵庫県)。神の岩屋戸。
六甲山(正式な名称ではなく山系全体の通称)、、、ムコウの山。ムコウ=日向(ムコウ市等)、向。
ムコウが転じて武庫(兵庫)。

天照皇大神荒魂のツキサカキ イヅノミタマ 向津日女命。西宮廣田神社の主祭神
ムコウの日女神
六甲山上には六甲日女神社。通常、ロッコウ日女神社。しかし、本来はムコウ日女神社(=日向日女神社)ではなかったか?


因みに、10世紀のいわば憲法にあたる律令、延喜式中に於いて
記紀神話に於ける高天原とは高天山(金剛山)の東麓一帯、葛城、御所市、五條市(奈良県)を指す。
と明記されています。
御所市の高天地区には神話の高天原の故地云々の石碑が立っています。
市名の御所はいにしえにここが都(ヤマト=国の都の意味)だったことによります。
地名は古代を無言で物語ります。
又、どうやら日本列島の中心地、畿内含めナカの国、ナガの国、と呼ばれていたのかもしれません。
ナガスネヒコ様は字義からも正ににナガの国の大王(大国主命)、
神話には蘆原中津国。と表記。又、各地にナカ、ナガの付く地名や山川他があまた残っているのも傍証になるかと。
ヤマト探しはある忌み不毛な議論です。
それぞれの国、勢力の中心地が都=ヤマト(京都)ですから、あまた存在していても何ら不思議ではないことになります?

57 :日本@名無史さん:2015/09/12(土) 04:30:27.99 .net
◆関連スレ◆
邪馬台国は東北にあったワケだが
http://yomogi.2ch.net/test/read.cgi/history/1412729934

58 :日本@名無史さん:2015/09/21(月) 14:13:04.15 .net
違うね。
巨大地震と巨大津波が起きた結果、倭人の国の統合が進んだんだよ。
2000年前後のころの巨大津波が知られてきた。

59 :日本@名無史さん:2015/09/21(月) 16:51:22.39 .net
>>58
おいw
2000年頃って紀元前2000年頃?
今から2000年前の間違いじゃなくて?

60 :日本@名無史さん:2015/09/30(水) 12:53:59.41 .net
日向。
今日の一般的な読みはヒュウガ。
少し古めかしたら、ひむか。ピムカ。
別の読みでは、ムコウ。
文字は、日向、向日。向。六甲(意外ですが、六甲山と言う山はありません。)、(武庫、ムコ。転じて兵庫)

、、、京都府日向(ムコウ)市
、、、西宮廣田神社の祭神は天照大神荒魂。こと、撞賢木厳之御魂天疏向津日女(媛)命。
、、、向津日女命。津(ツ)は接続詞で、〜の。くらいの感じですから、向(ムコウ)の日女命。
向は先行した大和の大王家(所謂、イズモ王家)の家名と漏れ聞きますから、ムコウ大王家の日女命。

61 :日本@名無史さん:2015/09/30(水) 13:06:13.11 .net
津波があったのって、
>3だと
西暦0年ごろと、680年ごろじゃん。
卑弥呼の頃はまったく起きていない。

62 :日本@名無史さん:2015/09/30(水) 13:17:19.94 .net
家の地元の鎮守神社(淡路島の東沿岸)は時の天皇ご不例(天然痘罹患)により伊勢国の某神社(雄略天皇の御代に鎮座?)を
遠来より当地に勧請して創建されたと伝わり、
少なくとも爾来一千四百数十年になります。
近年、その後背地(海岸から、二キロほど)に当時の町が私立の総合病院を誘致しました。
その建設に取り掛かったら、とんでもない事に地中に大量の流木、倒木がワンサか出て来て
建設スケジュールが遅々として進まず閉口した。と聞いています
と言う事は、とんでもない津波が押し寄せて、林立していた立木(古来、松林が有名でした)をなぎ倒した。
と考えるのが順当なところ。
南海沖等を震源としたメガ地震により度々大津波に見舞われたのでしょう。

63 :日本@名無史さん:2015/09/30(水) 22:14:44.70 .net
6000年前に日本はもう小麦作をしていたんですよ。
ヨーロッパ、アフリカ、中国よりも先になwwww


岡山市の縄文時代の貝塚「朝寝鼻(あさねばな)」を調査している岡山理科大の
考古学チームが1999年4月21日、「縄文前期の土壌から稲の細胞に含まれる
プラントオパールが見つかった」と、発表。約6000年前に「米作り」が
行なわれていたとする発見で、稲作の歴史が縄文前期にまでさかのぼることになった。
このプラントオパールはイネ科の葉の細胞内に含まれるケイ酸体の粒子で、同貝塚の
下層(深さ2メートルの土壌)からのサンプルを採り調査したところ、356点の
サンプルから10点、形状からジャポニカ(短粒種)とみられる稲のプラントオパール
が検出された。また、稲のほか小麦とハトムギのプラントオパールも見つかった。
http://www.local.co.jp/news-drift/agri-99kome.html
稲のほか     小麦     とハトムギのプラントオパールも見つかった
稲のほか     小麦     とハトムギのプラントオパールも見つかった
稲のほか     小麦     とハトムギのプラントオパールも見つかった

64 :日本@名無史さん:2015/09/30(水) 22:15:13.75 .net
6000年前に日本はもう小麦作をしていたんですよ。
ヨーロッパ、アフリカ、中国よりも先になwwww




縄文時代前期とされる岡山県灘崎町、彦崎貝塚の約6000年前の地層から、
稲の細胞化石「プラント・オパール」=写真=が出土したと、同町教委が18日、発表した。
同時期としては朝寝鼻貝塚(岡山市)に次いで2例目だが、今回は化石が大量で、
小麦などのプラント・オパールも見つかり、町教委は「縄文前期の本格的農耕生活が
初めて裏付けられる資料」としている。
http://inoues.net/science/wan.html
今回は化石が大量で、    小麦     などのプラント・オパールも見つかり
今回は化石が大量で、    小麦     などのプラント・オパールも見つかり
今回は化石が大量で、    小麦     などのプラント・オパールも見つかり
今回は化石が大量で、    小麦     などのプラント・オパールも見つかり

65 :日本@名無史さん:2015/10/10(土) 16:34:01.87 .net
今から約2000年前頃(約ということで正確ではない)、大津波が南海を襲った
ことが調査で判明している。また、尾張地方の弥生遺跡が紀元100〜200年の
ころ洪水か津波かは不明だが、被害にあっている。

古墳前夜、弥生末期に大地震津波+気候変動に寄る豪雨が発生するなど、
社会の変革を迫られる事態に陥ったのかもしれない。

66 :日本@名無史さん:2015/10/10(土) 18:21:04.20 .net
大津波で弥生人達が死に絶え、無人の荒野になった宮崎沿岸部の農業適地に、
邪馬台国の母体になった人たちがラクラク入植出来たので、
その後、東九州の古墳文化が急速に花開いたのだろう。
記紀に云う「脊猪の空国」とはこのことだったのではないか。

67 :日本@名無史さん:2016/01/24(日) 04:08:31.38 .net
” 児童108人中74人・教諭13人中10人 ”が犠牲になった「大川小」

▼津波前と後の大川小の航空写真 比較
http://i.imgur.com/seQu7Ko.jpg
http://i.imgur.com/fItSwWP.jpg

▼裏山から大川小を撮影した風景( 震災前後写真
http://i.imgur.com/cYKNBru.jpg
http://www.orion311.com/pics/okawasyo203.JPG
http://i.imgur.com/DF7VhCW.jpg

▼津波の流れと避難経路
http://i.imgur.com/RULdJQS.jpg
▼大川小のすぐ西側の「北上大橋」を襲う津波映像
https://www.youtube.com/watch?v=k2nL7vGu_Xo

▼学校にたまった瓦礫
http://photoarchive.c.yimg.jp/res/emgphoto-0822/057/81822.jpg
http://i.imgur.com/HJ9lxm7.jpg
・震災前はこれ。
http://www.orion311.com/pics/okawasyo202.jpg

▼大川小の周辺で回収されて、持ち主と連絡が取れないランドセルや体操着
http://i.imgur.com/1uMQKtH.jpg
▼大川小で犠牲になった孫のランドセルを見つけ、肩を落とし持ち帰る男性
http://i.imgur.com/bNADLWa.jpg

68 :日本@名無史さん:2016/01/24(日) 04:45:15.96 .net
>>60
京都府向日市
日向市じゃなくて向日市だよ
向日神社もある

69 :日本@名無史さん:2016/01/24(日) 04:51:25.44 .net
豊姫⇔淀姫
日向⇔向日

70 :日本@名無史さん:2016/01/29(金) 18:18:54.57 .net
>>61
よく読め。200年頃だから卑弥呼が歴史に登場する239年より約40年前だw

この頃、津波で九州が壊滅したとすると畿内説に有利かもね

71 :日本@名無史さん:2016/01/29(金) 22:15:21.23 .net
ポンペイは何層にも遺跡が重なっていた。
西都原遺跡のさらに下を掘ってみれば謎は解けるはず。

72 :日本@名無史さん:2016/02/01(月) 00:03:26.06 .net
東日本大震災の大津波でも全員が死んだわけではない。
大勢の生き残った者が、ここはやばいと思い引っ越しを決めた。
火の国九州だから、噴火もあったかもしれない。
それが神武の東征ではないのか?

73 :日本@名無史さん:2016/02/01(月) 00:13:51.40 .net
有明海は干潮時に1キロ2キロ先まで泥のだ。
阿蘇、島原の火山灰が大量に流れ落ちた結果だと思う。

74 :日本@名無史さん:2016/02/29(月) 07:49:03.72 .net
中国の歴史書で、単なる水行は河川交通で、それが海上交通を意味する例は1つもありません。
海を行くときは、必ず文には「海」と明示します。

これで、九州であることが明らかな不弥国から南へ河川交通を利用してたどり着く邪馬台国は、
九州島内であることは明らかです。

★畿内説論者が、海を水行する例として出てきた文

>沢散王属大秦、其治在海中央。北至驢分、水行半歳、風疾時一月到。最与安息安谷城相近。(魏志注魏略西域)
「海」の明示あり

>赤土国、扶南之別種也。在南海中、水行百余日而達所都。土色多赤、因以為号。(隋書南蛮)
「海」あり

>流求国、居海島之中,当建安郡東、水行五日而至。(隋書東夷)
「海」の明示あり

>注輦国東距海五里、西至天竺千五百里、南至羅蘭二千五百里、北至頓田三千里。
>自古不通中国、水行至広州約四十一万一千四百里。(宋史外国)
>(※数字からして明らかに海)
「海」の明示あり

>佛逝国東水行四五日、至訶陵国。(新唐諸蛮)
>(※シュリヴィジャヤから東なので当然ながら海)

これだけないように省いてるけど、実は、
「又五日行至海^、蕃人謂之質、南北百里、北岸則羅越国、南岸則佛逝国、佛逝国東水行四五日」で、
「海」の明示あり

75 :日本@名無史さん:2016/03/09(水) 00:07:24.04 .net
纏向の遺跡の中から、出雲、尾張、吉備、摂津の陶器が出てきたそうだが、
みんな海神族の住む地域だが、何故内陸の盆地に寄り集まったのだろうか?
そこに済めば何か良い物があるか、そこが安全だからではないだろうか?
ノアの箱舟のような日本中が沈むほどの大津波が起こったのではないか?
そのために近隣の低地の海神族が仲間を頼りに集まってきた。
最後に日向の邪馬台国から来た海神族が神武なんだろうと思う。

76 :日本@名無史さん:2016/03/09(水) 01:14:29.74 .net
海人族の首都が内陸でも構わないでしょ
政治をする分には海沿いじゃなくても良いし

まあでも津波の被害が無いように首都は内陸って事なんだろうね

77 :日本@名無史さん:2016/03/12(土) 18:55:14.86 .net
時期は微妙だが、約2000年前に巨大津波があったらしい痕跡が見つかっている。
東南海連動の巨大津波。

78 :sage:2016/04/02(土) 04:20:04.66 .net
少なくとも、奈良に都が置かれたのは
風水の影響と聞いたが。

79 :日本@名無史さん:2016/04/02(土) 08:47:04.13 .net
風水とは、
まさに巨大自然災害対応を含む古代人の生活の知恵の集大成ではないのか

80 :日本@名無史さん:2016/04/02(土) 15:08:25.03 .net
>日本中が沈むほどの大津波が起こったのではないか?

日本中はないかも知れんけど、大阪の上町台地の海沿いは壊滅しただろうな。
九州でとんでもない津波ということは、朝鮮半島南岸や中国の沿岸にも
被害があったのかもしれない。

81 :日本@名無史さん:2017/07/21(金) 17:12:09.38 ID:UEyJrsLO0
このスレまだ落ちてないのか

82 :日本@名無史さん:2017/07/29(土) 10:04:48.01 ID:YC8j+aBH4
済州島に師木津から上陸した呉軍は葛城女王宮に攻め寄せます。
上陸阻止の緒戦で、日嗣ミマキイリヒコは戦死しています。
日嗣の御子は、外敵に対しては天津神の御子なのです。
一歩も退かずに戦うのが、その本分なのです。
天津神の御子に武器を向けた者は、即刻死刑なのです。

呉軍はハンナ山の南面にも回りこみ、沙本の丹田に侵入します。
大将軍ヒコユムスミが出撃して激闘となります。
そしてヒコユムスミも亦、闘死を遂げたのです。
この勇将ヒコユムスミの曾孫が神功皇后です。

83 :日本@名無史さん:2017/07/29(土) 12:42:29.46 ID:YC8j+aBH4
天照こと大倭初代女王クニアレヒメの墓が沙本に近接する丹波にあるのです。
チチハヤヒメは、あくまで決戦で勝負するつもりなのです。戦力の分散は避けたかったのです。
そしてヒコユムスミの出撃を制止したのです。「勝手なことすんじゃねえ」
ヒコユムスミはクニアレヒメの末男なのです。クニアレヒメの墓が呉軍に荒されることは
我慢できなかったのです。チチハヤヒメの制止を無視して出撃しました。
しかし、大倭の男子精鋭軍はこの戦闘で壊滅したのです。

呉軍は葛城女王宮の北と南に布陣しました。
済州島東端の湊である遠津も呉軍の制圧する所となります。
葛城女王宮は、北と南と東の三面を攻囲されたのです。

84 :日本@名無史さん:2017/07/29(土) 16:27:47.21 ID:YC8j+aBH4
チチハヤヒメは、大倭海軍と協力して総反撃する段取りは既に取り決めています。
しかし、海軍が具体的にどのように行動するかまでは取り決めていないのです。

チチハヤヒメの手元の戦力は、女軍たる女王親衛隊の生き残り300人足らずと
ハンナ山に退避させた人民2千人余りです。人民達も武装させ総投入するつもりです。
対する呉軍は、完全武装した甲兵2万人です。やつらは中国の三国相克の内戦で
鍛え上げられた呉朝正規の精鋭兵達です。水兵や兵站兵も含めるともっと大勢います。
チチハヤヒメは約10倍の敵と決戦するつもりなのです。

大倭に敵対する狗奴国の連中が呉軍を道案内しているようです。
敵は、大倭の軍事的急所を手に取るように的確に突いて来ています。
チチハヤヒメは、ヒコサメマの無愛想な面構えを思い出します。
やつが敵の誘導役となっているのかもしれません。
ヒコサメマは初代のサボビコです。初代天皇たる神沼河耳天皇の御伴人の将です。
神沼河耳天皇を暗殺したチチハヤヒメに報復する機会を狙っていたのです。
大倭の軍事的弱点を知り尽くしている人物なのです。

85 :日本@名無史さん:2017/08/05(土) 08:21:32.14 ID:TLvz8GS3S
チチハヤヒメが総攻撃を掛け、大倭海軍と敵を挟撃すると決めている、
その日時は今日の深夜です。あと数時間後なのです。

しかし来援してくれるはずの大倭海軍の大将たる
タギシミミやヒコフツオシノマコトがどこに上陸するかは
彼等が状況判断で独自に決めることなのです。

後にミマキイリヒコ天皇となる日子坐王も海将として大倭海軍に加わっています。

日子坐王をヒコフツオシノマコトの養子に押しこむことで
チチハヤヒメは膨大な養子料を取り立てたのです。

こういうやり方で私財を蓄えるチチハヤヒメこそが、
大倭の家長たる伊那エナツなのです。
この「イナエナツ」が大倭の君主号なのです。

86 :日本@名無史さん:2017/08/05(土) 14:22:19.91 ID:TLvz8GS3S
表音は「イナエナツ」ですが、その意味するところは「千那エナツ」です。
「高貴なるエナツヒメ」の意味です。
千那エナツたるチチハヤヒメは、天皇やその正后たる女王よりも格上の存在なのです。
大倭は、彼女が、神沼河耳天皇との共同事業として建国したのです。

チチハヤヒメと神沼河耳天皇とが、高御産巣日と神産巣日であり
イザナミとイザナギでもあるのです。

チチハヤヒメが、唯一神たるイザホワケスメラミコトの、唯一の妻なのです。
彼女だけが、皇族認定や皇族同士の婚姻、養子縁組の認可権を持っているのです。
皇族は、イザホワケスメラミコト神の御伴人、というのが大倭の根幹なのです。
彼女にとって、天皇はあくまで、神の御伴人の総指揮官でしかないのです。

エナツというのが彼女の本名です。意外に可愛らしい名前を親につけてもらっています。
倭人伝では「シオエツ」と表音表記されています。

87 :日本@名無史さん:2017/08/07(月) 02:26:40.01 ID:Znq74sG/r
チチハヤヒメはこの時、迷いに迷っています。
北の敵主力を撃つべきか、南の中敵を撃つべきか、それとも東の弱敵を撃つべきか。

「ミマツよ、オレはどの敵を攻めたらいいんだ?」
チチハヤヒメは側近のミマツヒメに質問します。
ミマツの返答は支離滅裂です。

チチハヤヒメは、この女子を、忍者頭に任命し、便利使いしています。

「もう、いいよ、ミマツ。お前の話は要領を得ない。」
ミマツヒメに質問したのは時間の無駄でしかなかったようです。

どうせ明日には、全軍全滅しかないのです。
チチハヤヒメは、女王ヒミカに幕引きさせようと思い立ちます。

「ミマツよ。ヒミカを連れて来い。」

とたんに、ミマツヒメは、恐怖で顔を引きつらせます。
「絶対に嫌。」ミマツヒメは、きっぱりと拒否します。
ヒミカは極めて危険な女子なのです。

88 :日本@名無史さん:2017/08/07(月) 07:50:07.72 ID:aXQ3Bqj9V
>>1 邪馬台国は津波より前に阿蘇山大噴火・九州大地震で奈良に首都移転したんだろう。

 近畿の大古墳群は征服王朝のシンボルのように見える。対外でなくて対内国向け絶対権力の誇示用だ。

89 :日本@名無史さん:2017/08/13(日) 18:27:36.14 ID:Z/4EzrDt9
「チチッ、このくそ忙しい時に、役立たずが」
チチハヤヒメは臆病なミマツヒメを罵ります。

チチハヤヒメは、イラチの質なのです。
だからチチハヤと陰口を叩かれているのです。
チチハヤヒメは自らヒミカの居住区へ向かいます。
そして、ヒミカを担ぎ上げ、この大広間に運んできました。

ヒミカは、イロとトヨという、二歳児の双子を抱いています。

「ヒミカよ、オレはどの敵を攻めたらいいんだ?」

「エナツ、東の敵を攻めるがよい。」

「てめえ、誰に向かって口聞いてんだ?」

チチハヤヒメは他者から命令されることが大嫌いな性格なのです。
反射的に、草ナギ剣を引っこ抜いて、ヒミカに突きつけています。
チチハヤヒメは頭が悪いのです。
ヒミカが「姉ぞ、いとしき」しか言葉をしゃべれないことを忘れていたのです。

「ちょっと待て、何で、てめえがしゃべれるんだ?」
チチハヤヒメは首をかしげます。ヒミカの目つきは尋常ではありません。

90 :日本@名無史さん:2017/08/13(日) 20:53:13.65 ID:Z/4EzrDt9
「エナツよ、わたしはイザホワケ大神の御心、天照であるぞ」
ヒミカの声色ではありません。クニアレヒメの声色です。

「エナツ、東の敵を攻めるがよい。敵を撃ち滅ぼすことまちがいなし」
どうやら死んだ初代女王クニアレヒメが、ヒミカに神掛かったようです。
チチハヤヒメはこの神示に従うことにします。

「ミマツ、皇族を全員この部屋に集めるんだ」
チチハヤヒメ自身は、戦っている各部隊に作戦を伝達するために
忙しく立ち回ります。

一個小隊の女軍を、ハンナ山に向かわせます。
そこに待機している海軍信号兵に、大倭海軍への総攻撃信号を発信させるためです。

チチハヤヒメは大広間に戻ります。すでに、皇族全員が集合しています。

「エナツよ、イザホワケ大神は生贄を求めておられるぞ」

ヒミカに神掛かりは続いているようです。
チチハヤヒメは誰にしようかと皇族達を見渡します。

皇族全員集合といってもミマツヒメ以外は、すべて子供達です。
頼りなくても、戦力となるのはミマツヒメしかいないのです。

厳密には、皇族の子供は、皇族候補生です。
チチハヤヒメが皇族を認定して、初めて正式に皇族となるのです。
この認定料がべらぼうに高くつくのです。

ミマツヒメの子供達は除外することにします。
残るは、ヒミカの子供だけです。

91 :日本@名無史さん:2017/08/13(日) 23:23:54.12 ID:Z/4EzrDt9
チチハヤヒメはトヨという小さい方の男子をヒミカから奪い取ります。
「イクメイリヒコ、イザノ、てめえらが沙庭をやるんだ。
しっかり押さえつけていろ。」
チチハヤヒメはトヨをイクメイリヒコとイザノの兄弟に押し付けます。

「お前は今、我が子となった。
お前をタケトヨハズラワケと名づけよう。」
チチハヤヒメはトヨを手早く、自分の子として皇族認定してしまいます。

「東の敵を攻めるがゆえに、敵を撃ち滅ぼすならば、この者はウケイ死ね」
チチハヤヒメはトヨの心臓を草ナギ剣で刺し貫きます。

沙庭となったイクメイリヒコはタケトヨハズラワケが死ぬ間合いを計っています。

「東の敵を攻めるがゆえに、敵を撃ち滅ぼすことまちがいないと、
イザホワケスメラミコトは言っておられます。」と
イクメイリヒコが言おうとした、その瞬間の出来事です。

タケトヨハズラワケがかっと目を見開き、しかと言ったのです。
「母よ、夜が明けるまで、軍を動かしてはならぬ。」

「何だって」チチハヤヒメは驚愕しました。
こちらが真実の神の神示なのです。

92 :日本@名無史さん:2017/08/13(日) 23:54:12.94 ID:Z/4EzrDt9
「てめえ、オレをだましやがったな」
チチハヤヒメはヒミカに駆け寄ります。
そして、髪の毛を掴んで床に引き倒します。
手ごたえが変な具合です。自分からぶっ倒れたような感じです。

「てめえ、コラッ、ヒミカ、死んじまってるじゃねえか」

ヒミカはすでに死んでいました。
何者かが、ヒミカをデク人形として使い、チチハヤヒメを誑かしていたのです。

「総攻撃は中止だ」チチハヤヒメは怒声を放ちます。

「ミマツ、オレが戻って来るまで、お前が指揮を取るんだ。
オレはハンナ山へ行ってくる。」
チチハヤヒメは駆け出したのです。

ハンナ山の頂上は、葛城女王宮から西へ7キロほどです。
チチハヤヒメは夜の山道を走り抜けます。

坂の上から、集団が降りてきます。
敵のようです。呉軍には、山いくさに慣れた山岳歩兵が大勢いるのです。
彼等が、翌朝の総攻撃に備えて、山を制圧するために動いた可能性は高いのです。

チチハヤヒメは、肩に巻きつけていた、鎖斧を解きほぐして使える状態にします。

93 :日本@名無史さん:2017/08/14(月) 00:10:12.12 ID:5V/j2yxKe
坂の上の敵と見た集団は、大勢の豚を連れたハエです。
この豚飼いの男がチチハヤヒメの父なのです。
もちろん、とっくにハエは死んでいるのです。
「あの連中」が、またぞろ幻術を使ってチチハヤヒメを誑かしているのです。

「やれやれ」チチハヤヒメはタメ息をつきます。
「カニ目の次は、ハエかよ」

カニ目というのは、彼女がクニアレヒメにつけたあだ名です。
目と目が大きく離れた悪相だったのです。そして極端な垂れ目だったのです。
しかし、見る角度によっては可愛らしい顔つきだったのです。

ハエというのが、クニアレヒメの兄です。

「エナツよ、婚ひたし」

ハエの姿は、あの夜と同じです。巨根が反り返っています。

「エナツよ、あの夜と同じようにワシを歓喜の中で絞め殺しておくれ」

偽神示の次は、セクハラ攻撃のようです。
しかし、嫌なことを思い出させてくれます。
チチハヤヒメはあの夜イキまくったあげくに
身につけた殺人体術が作動して、ハエを締め殺してしまったのです。
チチハヤヒメはカマキリ女なのです。

94 :日本@名無史さん:2017/08/14(月) 00:17:44.74 ID:5V/j2yxKe
SM殺人のような事件ですが、この事件によってチチハヤヒメは苅羽井家から勘当されたのです。
苅羽井家というのは清日子の家です。
ハンナ山の西の尾根の先端の小山が三輪山です。
三輪山の西側急斜面にあった狭い高所貧地が清日子の所有する土地だったのです。

苅羽井からさらに西へ下った峠の地が、春日です。ここにこの地域に住む人々の共同墓地があるのです。
清日子やメヒ、ハエはここに眠っているのです。

家から勘当され行き場がなかったチチハヤヒメは、ハンナ山を根城とする女子盗賊団に加わったのです。
チチハヤヒメが「あの連中」と呼ぶのは、この女子盗賊団の幹部連です。
盗賊として先輩筋の連中なのです。
生意気だったチチハヤヒメは何度も彼女等によってリンチに掛けられています。

今でもチチハヤヒメの私財を管理しているのが、この幹部連なのです。
つまり、チチハヤヒメはこの連中との腐れ縁により、しゃぶり尽くされているのです。

チチハヤヒメはこの集団から分流して、師木津に本拠をおく女子愚連隊を興したのです。
この時代の彼女のスケ番名跡が「苅羽田戸弁」なのです。
チチハヤヒメがこの連中にしゃぶられる構図は、
大倭を建国して、その専権者となった今も、スケ番時代から全く変わっていないのです。

「てめえら、モノマネで遊ぶのも、たいがいにしやがれ」
チチハヤヒメは、鎖を飛ばしてハエを引き倒します。
ハエとその巨根と見えたのは、倒木とその大枝です。

95 :日本@名無史さん:2017/08/17(木) 04:22:50.78 ID:Z9I0kM3ZS
ハンナ山にたどりついたチチハヤヒメは悪い予感が的中していたことを知ります。
自軍は全滅していたのです。海軍信号兵も人民達も、指揮役の女軍たちも殺されています。
江南矛で滅多突きにされています。呉軍山岳部隊の仕業です。
呉軍山岳部隊は少し離れたところに分散して野営し仮眠を取っているようです。
かれらは蛮族討伐が完全勝利に終わることを確信しているのか哨戒兵すら立てていません。

つい先ほど送り出した女軍一個小隊の兵士達を探します。
新しい血の臭いを嗅ぎわけながら彼女達の遺骸を探り当てます。
彼女達も全滅しています。しかし殺され方が違います。幅広の短剣で
急所を一突きにされて殺されています。サメマの得意とする武器です。
やはりあの男が来ていたのです。

チチハヤヒメは自分が囲まれていることに気づきます。
中国兵の臭いではありません。自分と同じ倭兵の臭いがします。
「クソ野郎ども、出てきやがれ」チチハヤヒメは叫びます。

20人ほどの黒装束の男達が岩陰から現れます。体型や武装を見れば誰だかわかります。
ヒコサメマと御伴人達です。覆面をしています。

「大倭本国に他国の軍隊を手引きした罪は重い。サメマ。貴様に死刑を与える」
チチハヤヒメは処刑宣告します。執行するのはもちろん彼女自身です。

サメマは覆面を取ります。彼の方も責任の所在を明確にします。
「チチハヤ!、お前は神沼河耳天皇を殺した。」サメマはケジメを取りに来たのです。
「死ねや、大逆人!」サメマは短剣を突き込んできます。御伴人達も散開して攻囲して来ます。
邪馬台国と狗奴国との最初の戦いがここに始まったのです。

96 :日本@名無史さん:2017/08/18(金) 05:54:37.89 ID:RMg40gkTy
大倭建国は212年です。チチハヤヒメと神沼河耳天皇とが共同して軍事クーデターを成功させ
河俣家を打倒して済州島の実権を奪い大倭を建国したのです。建国の大宴会では
神沼河耳天皇がチチハヤヒメを自らと同格の国家指導者たる千那エナツと持上げ
酔っ払っていたチチハヤヒメは琴を弾いて自ら作詞作曲した歌を歌い返礼したのです。
この歌が「物部の我が夫子」であり大倭の聖歌となります。この歌の中でチチハヤヒメは
「イザホワケスメラミコトの御子ヒコフト二スメラミコト」と歌って神沼河耳天皇の
神権的天皇位を保障したのです。この瞬間に多島一家六代目総長たる神沼河耳天皇は
大倭初代天皇となったのです。チチハヤヒメと神沼河耳天皇とは密月関係にあったのです。
220年までには基礎領土を確立しています。台湾海峡から津軽海峡までを制海したのです。
220年の大倭クリルタイにおいてチチハヤヒメは路線闘争に負けて失脚し皇籍剥奪されて
中国大陸に追放されたのです。チチハヤヒメが神沼河耳天皇を暗殺した場所は台湾の山中です。
チチハヤヒメに協力してくれたのが楚人長江ソツビコです。
呉朝の荊州軍閥に出入りする武器商人です。裏の顔は大倭の対中工作機関の幹部です。
チチハヤヒメは追放された最初の三年間は浪邪郊外の山窟に監禁されていたのです。

97 :日本@名無史さん:2017/08/24(木) 06:30:28.66 ID:Cs0qJTXpy
「禁固三年」といっても小便刑ではありません。チチハヤヒメは半死状態に置かれていたのです。
倭建やミマキ「あの連中」こと盗賊団も神沼河耳天皇の摘発を受けて、済州島から追放されて
います。サメマが山狩をしたのです。倭建はチチハヤヒメが盗賊団に加わった際に
忠誠の証としてさしだした私生児です。ハエの子です。この時点でチチハヤヒメは倭建に対する
親権を喪失しています。倭建は「あの連中」に育てられ首領として担がれた「神の子」なのです。
チチハヤヒメが生涯、命令権を行使できなかった唯一の大倭皇族なのです。皇族となったのも
かなり後追いです。クニアレヒメが大毘古を生みハエイロドが大毘毘を生んだとき
会わせ認定のようなかたちで皇族認定されています。
チチハヤヒメに工作上の協力者として強い興味を持っていたのが長江です。
長江がチチハヤヒメの監視者達と交渉し自分に譲ってほしいと望みますが監視者達は首を縦に
ふりません。三年を期してチチハヤヒメを衰弱死させるよう天皇と女王から厳命されていたのです。
倭建と「あの連中」も山窟周辺をうろちょろしています。チチハヤヒメはその体臭が強烈だったのです。
日本書記では名草トベです。彼女の監禁場所はその強い臭気でわかるのです。
倭建は長江の嫡妻と嫡男とをさらい、チチハヤヒメ救出を強要したのです。
この長江の嫡妻が倭比売です。嫡男が日子坐王なのです。双方の交渉窓口を務めたのが、
ミマキとミマツです。ミマツも荊州人です。長江が貧民の子を買って女子工作員として
訓練したのです。ミマツは頭が大変良く美貌だったのです。言語能力が卓越していました。
長江の裁量で日子坐王の婚約者となったのです。ミマキとミマツの談合が成立しました。
倭比売が自ら望んでチチハヤヒメと同じ鯨面文身し衰弱死してくれたのです。
チチハヤヒメの監視者達は長江が大金で買収しました。身代わりの遺骸ができあがり
女王クニアレヒメの元へ送られ神沼河耳天皇が尾張のはずれに丁寧に葬ったのです。
チチハヤヒメは山窟を脱出できたのです。チチハヤヒメを蘇生させてくれたのもミマツです。
この時の見返りの約定が「日子坐王を大倭天皇にすること」なのです。

98 :日本@名無史さん:2017/08/27(日) 04:51:20.87 ID:vYZTwmSDh
自由の身となったチチハヤヒメは長江に協力して呉朝に対する破壊工作を遂行しながら
神沼河耳天皇暗殺計画を進行させていたのです。
神沼河耳天皇のあだ名が「タカクラジ」です。「クラジ」とは「暗路」です。
「○△吉」の意味です。「タカクラジ」は「タカ吉」なのです。
ホークスファンの意味ではありません。体中にタカが住んでいただけのことです。
暗殺の機会は四年後にやってきました。
長江は新しい丹鉱を台湾で発見したので検分してほしいとタカクラジを台湾の山中におびきだしたのです。
この方面に目が無いタカクラジは少人数の御伴人だけ連れてやってきたのです。
タカクラジは剣の達人です。多島一家最強の男だったのです。長江がタカクラジに組付き刺し違え
剣を使えなくします。ミマツと長江の部下達、チチハヤヒメ、倭建、ミマキ、「あの連中」ら
屈強の男女が岩陰から飛び出して寄ってたかってタカクラジと御伴人を惨殺したのです。
日嗣の御子ヒコクニクルは直ちに殉死して神沼河耳天皇の崩御を完成させました。
跡目はヒコサシカタワケです。通称がニギハヤヒです。日嗣の御子は実子の大毘毘です。
チチハヤヒメは、金で傭兵を雇い300人からの軍隊を一夜でつくりだします。
そして済州島に奥津から逆上陸したのです。北東に15キロ進めば春日です。
ここに女軍の屯所があるのです。チチハヤヒメ自身が女軍の創設者なのです。
すぐに配下に加え指揮権を確立します。勝負あった、なのです。日嗣の御子大毘毘は
母たるハエイロドに連れられ忠誠を誓うため自らやって来ました。
済州島防衛責任者ヒコサメマはトビハヤヒメを連れて逃げたのです。
逃げ遅れたニギハヤヒ天皇と天照は捕らえて軟禁します。南九州に兵隊を飛ばし
ヒコクニクル未亡人のヒミカを連行させます。そしてヒミカの子供である
大倭海軍の二大部将タギシミミとキスミミに忠誠を誓わせたのです。
チチハヤヒメは復権を果たしたのです。

99 :日本@名無史さん:2017/08/31(木) 03:22:40.88 ID:xXlgOiqpV
チチハヤヒメは鎖でサメマの剣の刺突を防御します。
一段で終わらないのが、サメマの短剣術なのです。
三十段くらい、バリエーションを持たせて連続攻撃が来ます。
それをしのいだら、今度は脇から、背後から御伴人が突き込んできます。

大倭皇族武将は、自分と似た体型の若者を御伴人として取立て
自分の得意とする武術を仕込んで、鍛え上げる傾向があるのです。
サメマの御伴人達も、サメマの短剣術を完全に習得した屈強の若者達なのです。
攻撃力だけを評価すれば、サメマと同レベルなのです。

ここは尾根筋の木の無い岩場です。囲まれる側のチチハヤヒメは不利です。
谷筋を100mくらい下ったところに密林があるのが見えます。そこへ戦場を移すことにします。
彼女は崖を走り降ります。走りながら全裸となります。草ナギ剣は邪魔になるので背中に負います。

チチハヤヒメは蛇体です。闇夜の密林では図柄が保護色の働きをします。

密林の中での戦闘は二時間が経過しました。
ようやく御伴人を十人ほど片付けたところです。あと半分です。

木の上から矢が飛んで来ました。丹塗り矢です。
先端に丹が塗り込んである特殊な暗殺用の武器です。
「あの連中」がサメマの加勢に入ったのです。

100 :日本@名無史さん:2017/08/31(木) 06:48:21.99 ID:xXlgOiqpV
「サメマよ、わたしはイザホワケ大神の御心、天照であるぞ」

「邪心の妹は、わたしに剣を突き付け、長生きするのもほどほどにしやがれ、
と死を強要したのであるぞ。サメマよ。愛しき子よ。わたしの仇を討っておくれ」

やつらは、またぞろ、慈愛の初代女王のモノマネをしています。

「サメマよ、わたしは天照に仕えるククリヒメであるぞ」

「邪心の姉は、わたしをきたない女の豚小屋に監禁しわたしは撲殺されたのであるぞ。
サメマよ。愛しき夫よ。わたしの仇を討っておくれ」

今度は、トビハヤヒメのようです。サメマとは愛人関係にあったのです。
きたない女とは豚を飼うことが得意だった大倭第三代女王のことです。

「サメマよ、わたしは天照に仕える月読みであるぞ」

「邪心の姉は、わたしを総括に掛け、台湾海峡に突き落としたのであるぞ。
サメマよ。愛しき子よ。わたしの仇を討っておくれ」

次は、ハエイロドの登場です。倭建の子を妊んでいたハエイロドは心情不安定だったのです。
チチハヤヒメとの取るに足らない論争の結果、激して自ら、海に身投げしたのです。

サメマと御伴人達は憎悪と闘気を増幅させます。武闘のギアを上げて来たのです。
偽神示を真に受けているようです。根は純情な男達なのです。

「おい、てめえら、ヒミカのモノマネもやってくれよ。」
チチハヤヒメは木の上の敵をからかいます。
「姉ぞ愛しき」しか言わなかったボケ女のモノマネはさすがにやりません。

丹塗り矢が何本も飛んで来ます。それが返答のようです。

101 :日本@名無史さん:2017/08/31(木) 20:07:59.73 ID:xXlgOiqpV
死闘はさらに二時間が経過しました。
御伴人達は全員片付けました。残るはサメマ一人です。
「あの連中」は、この長ったらしい戦いに付き合うのに飽きたようです。
いつの間にか撤収したようです。木の上の敵の気配が消えています。
チチハヤヒメの鎖はすでにぼろぼろに寸断されています。
肉体の疲労も、前日からの激闘で限界まできています。

この時です。地面が割れ、山が崩れる大地震があったのです。

「チチハヤ!、イザホワケスメラミコトが神罰を下したのであるぞ」

これまで黙って戦っていたサメマが初めて口を開きます。

「だから、どうだってんだ?」

サメマは続けます。
「チチハヤ!、お前に大事なことを教えてやる」

「イザホワケスメラミコトがお怒りになることが三つある。
一つは死人を献げること、一つは女子を献げること、
もう一つはイザホワケの名を冠する人間を献げることだ」

「何だって!」チチハヤヒメは心底から驚愕します。

「お前は女子を献げた。だからイザホワケスメラミコトが神罰を下したのだ
お前の国は滅びお前も死ぬのだ」

102 :日本@名無史さん:2017/09/01(金) 00:52:48.63 ID:eLzupfaw2
「サメマよ、貴様も道連れにしてやるぜ」

チチハヤヒメは今度は崖を駆け上がります。岩場で決着をつけるつもりです。
サメマは背丈は小さいが俊敏な男なのです。先回りして尾根にだどりついています。
周辺でもの音がします。呉兵達が大地震で仮眠から覚めたようです。
総攻撃に備えて腹ごしらえを始めたようです。夜明けは近いのです。

「邪馬台国の女酋長がここにおるぞ」サメマはよく通る大声で中国語を叫びます。
移動しながら向きを変えて何度も叫びます。呉兵達が戦闘配置を取るざわめきが聞こえます。
すぐに包囲網を作って攻め上がってくるはずです。

万時窮す、です。周辺にいる呉兵は3000人余りです。勝ち目も逃げ場もありません。
サメマはどこまでも喰えない男なのです。

チチハヤヒメは尾根筋の岩場にたどりつきます。呉軍が放つ矢が体をかすめます。
サメマを追いかける余裕はありません。どこかに脱出経路が無いか懸命に探します。

チチハヤヒメが大津波を見たのは、この時です。虚空に海が生じたように見えます。
島の東南部の湊、奥津が津波に呑み込まれるのがよく見えます。
女王宮から海へ流れ下る荒川を、津波が逆流して昇って来ます。

サメマはいつの間にかいなくなっています。逃げ足の速い男なのです。

遠津や師来津も無事であるはずがありません。呉軍の船団は壊滅するはずです。
退路を絶たれることを恐れる呉軍には撤収しか選択の余地がないはずです。

実際、チチハヤヒメを狩り立てようとしていた山岳部隊は大急ぎで撤収して行きます。

103 :日本@名無史さん:2017/09/01(金) 01:10:32.38 ID:eLzupfaw2
チチハヤヒメも大急ぎで女王宮に戻るべく走り出します。
ミマツ達は全滅しているかも知れない。不安が彼女を覆います。

ミマツヒメは生きていました。子供達も無事のようです。

「ミマツ、よくぞ、持ち堪えた。」チチハヤヒメは論功します。
「ミマツ、お前が今から女王だ。ボケ女の名跡を取れ。
生き残った兵士達を集めるんだ。反撃に出る。お前も来るんだ」

ミマツヒメは忙しく立ち回り、兵を集結させます。
ミマツヒメが無事だったのは、「あの連中」とつるんでいるからなのです。
ヒミカを殺したのがどちらなのかよくわかりません。どちらでもよいことです。
ミマツヒメにこの国の実権をチチハヤヒメが引き渡す日が近づいたようです。

女王宮の建屋はことごとく焼け落ちています。ヒミカが飼っていた豚も焼豚です。
昨夜神事を行なった部屋は岩の裂け目にあります。こちらは焼け落ちずに残っています。

チチハヤヒメはその部屋に一人で立ち入ります。ヒミカやトヨの遺骸はまだ残っています。
トヨの遺骸を優しく抱き上げ、頭の上に持ち上げます。
股間を検視するためです。並の男児よりも大きな陰茎がぶら下がっています。
しかし、よく見ると女です。「何てこった」チチハヤヒメは小さくつぶやきます。
ミマキがかって、イロは女でトヨは男だと言ったので、それを信じていたのです。

104 :日本@名無史さん:2017/09/01(金) 01:16:25.68 ID:eLzupfaw2
「何てこった」チチハヤヒメは同じ言葉を繰り返します。
チチハヤヒメも同じ形質なのです。トヨと同じく両性具有者なのです。

大の字になって死んでいるヒミカの腹の上では、イロが子供に似合わない大イビキをかいて寝ています。
竪穴式住居でいっしょに暮らした頃のヒミカにそっくりです。

ミマツヒメは自分の子供達はどこかに避難させておいて、イロは放置しています。
イロが皇族として生きていくことは無理のようです。育てる人間がいないのです。
イロには人民の子として生きる道を与えることにします。

イロはこの後、数奇な運命をたどり「イススキヨリヒメ」となります。
そしてチチハヤヒメを新たな死闘へと導くことになるのです。

「やれやれ」トヨを抱きながらチチハヤヒメは大きくため息をつきます。
これから敵を駆逐し、戦役と津波とで崩壊したこの国を立て直す仕事をしなければいけないのです。
どこぞへ逃げたサメマの野郎も誅殺しなければいけません。防衛体制も大きく見直す必要があります。

そして富を作って「あの連中」にしゃぶられ続けなければいけないのです。

チチハヤヒメはトヨの遺骸をイロの隣に寝かせます。そして、優しく言ったのです。

「タケトヨハズラワケよ、お前に亦の名を授けよう。お前は虚空津ヒメだ」

【姉ぞ愛しき−大津波編】完

105 :日本@名無史さん:2018/03/31(土) 18:32:37.77 ID:6NMkmSc68
苅羽田刀辨は師木津から少し離れた低山を登っています。愚連隊首領としての忙しい一日が
終ったのです。蛇を何匹か捕まえて殺し、腰帯に通してぶら下げています。彼女の主食なのです。
強い酒を入れた瓶を肩にぶら下げています。彼女は大酒呑なのです。

火を起こし、蛇を焙ってかじります。酒を呑みます。酔いが回ると、事業状況をふりかえります。
すべて順調です。交易から債権回収まで手広くやっています。実家の嗣業は豚飼いです。
だから豚のバイヤーもやってます。月に一度、師木津で開かれる豚市には、
姉のカニメも動員し営業をやらせたのです。目立つように真紅のチャイナドレスを着せて
「オイチイ、オイチイ、苅羽井豚だよ。一度食べたら忘れられないよ!」
と拙い中国語で営業させたのです。豚を買付けに来る顧客の大半は中国人交易商人なのです。
掘り出し物の美女だということで苅羽井豚のオバサンは済州島では一躍人気者になったのです。
カニメは細身で意外に美形なのです。カニメは未亡人なのです。
済州島王たる河俣の若旦那が彼女に惚れて婚約成立です。河俣家と交渉したのが苅羽田刀辨自身です。
養女料として大金を頂くことで話はまとまりました。
苅羽田刀辨の兄のグズヒコは河俣家私設海軍の幹部をやっていたのです。
グズヒコの率いる部隊を丸ごと船も含めて苅羽田刀辨傘下の武装交易船団に移籍させたのです。
これもカニメの婚約の交換条件なのです。
河俣家は、お安い御用だ、という感じで応じてくれたのです。
苅羽田刀辨の率いる愚連隊は飛ぶ鳥を射落とす勢いで伸長しているのです。
済州島の支配権力は、傘下に加えるべき有力な暴力装置として苅羽田刀辨を高く評価しているのです。

106 :日本@名無史さん:2018/04/01(日) 13:19:49.53 ID:dhnmwhXm8
グズヒコは苅羽田刀辨にとって異母兄です。ただし、彼等の母同士は親子なのです。
彼女は五歳年上のグズヒコから、蛇の捕まえ方、魚の取り方、木登りの仕方、火の起こし方、
生活技術の全てを教えてもらったのです。グズヒコは優しく逞しい兄だったのです。
苅羽田刀辨はグズヒコのよき妻になるつもりだったのです。
彼女には家族の性行為を覗き見する趣味があったのです。そしてグズヒコと彼の母との婚ひを
目撃したのです。まだ三歳児だった苅羽田刀辨は、自分を裏切ったグズヒコに攻撃的態度を取ります。
辛くなったグズヒコは家を出て働くことにしました。師木津に出て港湾労働者をやり、
その後、雇われ船員と成ったのです。グズヒコは海が好きだったのです。
河俣家は海軍の増強に余念がありません。ひとかどの海の男となっていたグズヒコはスカウトされて
その私設海軍に海兵として入隊したのです。そして、すぐに昇進して軍船を任される指揮官と成ったのです。
グズヒコの操船技術は天才的なのです。
グズヒコには、交易部隊の責任者として、河俣時代の三倍の給金をくれてやっています。
苅羽田刀辨は身内には見栄を張りたがる性格なのです。

107 :日本@名無史さん:2018/04/04(水) 01:40:48.17 ID:YhR7HzhON
グズヒコはついさっき、台湾島から帰島したのです。
運んだ荷物の売上げをたっぷりと上納して来ました。
帰りには荷物の隙間に密航者達を乗せてきたようです。
彼らの高額運賃もしっかり上納してくれました。
苅羽田刀辨は密航ビジネスもやっているのです。
密航者達は彼女の実家の離れに宿泊するはずです。そこは特殊な仕掛けをしてある屠殺室なのです。
安全な隠れ家がある、と云われて誘導されたその家で、密航者達は身包みをはがされ屠殺される
ことになります。襲撃するのはハンナ山盗賊団です。苅羽田刀辨は彼等と協力関係にあるのです。
苅羽田刀辨自身が元は盗賊団の下っ端だったのです。少女時代はともかく、ガ体がでかくなった
彼女は盗賊には不向きな体型となったのです。そこで彼等から分流し愚連隊を興したのです。
立場関係は彼等の方が上位なのです。彼女はことあるごとに金品をむしり取られます。
彼等の意に逆らえば、命すら危ういのです。

108 :日本@名無史さん:2018/04/07(土) 08:27:00.59 ID:hYhWk+rsi
普段、その実家の離れで生活しているのは妹のヒミカとその下僕の男です。
その男は実は彼女の私生児なのです。その男こそがハンナ山盗賊団の首領なのです。
ヒミカは低能児ですが豚飼いとしては異常に能力が高いのです。
そして家の嗣業である豚飼いに関しては異常に責任感が強く、
また豚の飼い方についても異常に厳しいのです。
妹はもう一人います。その妹が豚の面倒を見ようとすると、ヒミカは気にいらないところがあるのか
激しく怒って暴力行使するのです。
貧乏な豚飼いの家です。貴重な労働力が遊んでいては家計が成り立たないのです。
この問題に困った実家は、苅羽田刀辨の勘当を解き彼女にもう一人の妹を預けることになったのです。
このもう一人の妹がハエイロドです。
弟苅羽田刀辨を名乗らせ、債権回収業の責任者をやらせています。
力士体型に育った弟苅羽田刀辨はケンカでは斬込み隊長です。
彼女にステゴロで勝てる人間はこの島にはいないくらいです。

109 :日本@名無史さん:2018/04/07(土) 09:21:00.05 ID:hYhWk+rsi
勘当を解く件に関して、苅羽田刀辨が実家に提示した条件は家督の相続です。
家督者となった苅羽田刀辨は周辺の地主を追い出して土地を大きく買い足したのです。
彼女は地上げ業もやっているのです。
ハエイロドの交換要員として実家に下僕として加わった男が、山の神たる倭建なのです。
彼女の嫡男です。ちょうど今頃は、密航者達を襲撃し屠殺しているはずです。
彼に武闘で勝てる人間など、この世にいないのです。
勘当されていた苅羽田刀辨は、ハンナ山の岩窟で倭建を産んだのです。
彼に飲ませる乳を出す為に彼女は盗みを盛んにやっていたのです。
「あたいらの縄張りで勝手なことされちゃ困るんだよ。死刑相当だよ。」
山の民に捕まった苅羽田刀辨は脅され、私刑を受けたのです。
「この子がオレの唯一の財産だ。この子を差し出すから、オレを仲間の端くれに加えてくれ。」
命乞いした苅羽田刀辨は、倭建の親権を放棄することで、盗賊の末席に加わることになったのです。
満五歳まで成長した倭建はこの集団の首領となったのです。
倭建が母たる苅羽田刀辨に服従したことは、一度もありません。
彼女に対して、人の言葉をしゃべったことすらないのです。盗賊固有のボディランゲージしか使いません。

110 :日本@名無史さん:2018/04/08(日) 07:54:00.47 ID:Us+HgRoqW
三輪山の急斜面に張付いた高所貧地の苅羽井は、三輪山を含む周辺一帯を所有する大地主の苅羽田に発展したのです。
苅羽井家の元の家長が彼女の祖父のスガヒコです。
苅羽田刀辨の家督相続は、ハエイロド云々よりも、
スガヒコが自らの衰えを自覚したことが真の理由なのです。
スガヒコはよろよろと立ち上がり、よたよたと歩くのが精一杯のところまで衰えて来ています。
一日の大半は寝たきりです。
スガヒコは苅羽井家の将来を極道女の苅羽田刀辨に託したのです。
スガヒコの嫡女カニメは晴れて、この島の支配者の数多くいる愛妾の末席に加わることが内定しているのです。
「スガヒコは悔いなく死ぬことになるだろう。」
そう思いながら、苅羽田刀辨は眠りに入ります。

111 :日本@名無史さん:2018/04/08(日) 08:29:54.63 ID:Us+HgRoqW
小石を投げつけられて苅羽田刀辨は目覚めます。山の神の使者が来たのです。夜明け前です。
ハンナ山盗賊団は仲間内ではボディランゲージで通話しますが、使者の女は姿を隠しながらも
敢えて言葉をしゃべります。それだけ危急の用件なのです。
「とんでもないスゴ腕の連中が密航して来てお前の実家を占拠している。
連れてきたのはお前の兄だ。苅羽田刀辨よ、責任はお前にある。お前が始末するんだ。」
「いいだろう。どんな連中なんだ?」
「七人の男達だ。傭兵稼業の連中だ。ものすごく腕が立つ。」
使者の女は気配を消します。

苅羽田刀辨は師木津に戻り、アジトで寝ているハエイロドを叩き起こします。
「仕事だ。付いて来い!」
船の整備をしているグズヒコのところへ行きます。
「お前が連れてきたのはどんな連中なんだ?」
「紳士然としたおとなしい人達だったよ。運賃も気前良く払ってくれた。何かあったのか?」
「そいつらがオレ達の実家を占拠している。これから退治しに行く。お前も来るんだ。」
「スガヒコ達は無事なのか?」グズヒコは親孝行なのです。ハエイロドも驚いています。
「知らねえよ。責任は連れてきたお前にある。付いて来い!」

112 :日本@名無史さん:2018/04/08(日) 10:49:42.97 ID:Us+HgRoqW
苅羽田刀辨はグズヒコとハエイロドを連れて、西南方向に走る小道を急ぎます。
苅羽田刀辨とグズヒコは歩くのが速いのです。大柄なハエイロドは遅れます。
普段は馬を使ってこの島中を駆け巡り、債権回収業をやっています。
「姉よ。もう少しゆっくり歩いてくれないかい。」
苅羽田刀辨は命令されることが大嫌いな性格なのです。普段なら、「だれに口きいてんだ!」
と走って行って殴りつけているところです。この日の苅羽田刀辨は違います。考え事をしています。
苅羽田刀辨は立ち小便して、ハエイロドを待ちます。グズヒコも連れ小便します。
「グズヒコ。お前、先に行って様子を見て来い!」
苅羽田刀辨に言われたグズヒコは、猛烈な速度で走り出します。

苅羽田刀辨は、ハエイロドの速度に合せて歩き出します。考え事は続いているのです。
山の民でも手が出せないスゴ腕の連中をどう扱うか、考えがまとまったようです。
「ハエイロドよ。お前の腕なら、そいつらを簡単のノシてやれるぜ!」
苅羽田刀辨はハエイロドを煽ります。
「ただし武器は使っちゃいけない。宿泊費をよこせとゴロをまいて、ステゴロでシバイてやるんだ!」
「わかったよ。だったら、こいつは姉に預けておくぜ!」
ハエイロドは懐から匕首を出して苅羽田刀辨に渡し、大股で走って行きます。

113 :日本@名無史さん:2018/04/08(日) 22:48:22.08 ID:Us+HgRoqW
苅羽田刀辨は蛇を捕まえて殺します。腹が減っていたので生かじりで食べてしまいます。
食べ余しは、沿道の豚場へ放り入れます。豚達が唸りながら奪い合いします。
この島では人間も豚も同じものを食べます。外販すれば、豚の方が二ケタ高く売れます。
もう一匹、蛇を捕まえて殺します。ちょうどいい長さです。踏み潰した蛇の頭に匕首を
仕込みます。蛇の鞭が出来上がりました。振り回して使えるかどうか、確かめます。
使えることを確認したので懐にしまいます。三輪山が見えて来ました。実家は近いのです。

実家に飛び込んだグズヒコは拍子抜けです。七人の男達は、家族達と仲良く食事していたのです。
「船頭さん。また会えたな。」
副首領の男がうれしそうに声を掛けます。
「オレ達は、スガヒコさんの昔の傭兵仲間だ。」
グズヒコはスガヒコに「本当なのか?」と確認します。
スガヒコは寝たまま顔だけ起こして、力無く、うなづきます。
わけがわかっていないようです。頭の方も呆けて来ています。

114 :日本@名無史さん:2018/04/08(日) 23:16:26.91 ID:Us+HgRoqW
スガヒコが、かっては歴戦の傭兵として東南アジア各所で暴れていたのは事実です。
しかし、悪知恵に長けたこの集団が適当なことを言っている可能性が高いのです。
「アンタ達、これから、どうする?」グズヒコは副首領に質問します。
「この島は密航者の取締りがとても厳しいんだ。半島へ行くつもりならオレが運んでやるぜ。」
聞かれた副首領は苦笑します。行き先は決まっていないようです。

「傭兵稼業ってことなら、オレの姉がその方面の事業に新規参入しようと、
仕事を任せられる協力者を探しているちょうどその最中だ。
アンタ達なら、ぴったしの適任者だ。その気があるのならオレが姉に推薦する。
姉に頼めば、この島に住む市民権くらい簡単に取ってくれる。どうだい?」
グズヒコは副首領に問いかけます。
「アンタの姉さんって、どういうお方なんだ?」副首領は質問します。
今度はグズヒコが苦笑する番です。「いい人だ。もうじき、ここへ来る。」
本当は五歳年下の妹の苅羽田刀辨を、姉と呼んで敬い、部下として仕えているのです。
「その人と会ってから、決めることにする。」副首領は回答します。

115 :日本@名無史さん:2018/04/14(土) 06:00:13.53 ID:F71lF4cMK
ハエイロドが飛び込んで来ました。さっそく、タンカを切ります。
「テメエら、誰に断ってこの家に上がりこんでんだ。宿泊費は高くつくぜ!」
副首領は笑いながら対応します。
「宿泊費ならスガヒコさんにたっぷり支払ったぜ!」
「なんだ、そういうことか!」一人合点したハエイロドは寝ているスガヒコから金を回収しようとします。。
「オヤジ、宿泊費はまるごと回収させてもらうぜ!」
ハエイロドは普段シノギでやってる債権回収のつもりなのです。切れてしまったのはグズヒコです。
「テメエ、自分の親から金取ろうてえのか!」
グズヒコはハエイロドの髪の毛を掴んで引き倒し、殴り付けます。

「女のくせに墨入れて、ヤクザなんぞになりやがって!
スガヒコがお前のことどんだけ心配してるかわかってんのか!」
味物を客人のために作っていたヒミカもグズヒコに加勢します。ハエイロドとは元々不仲なのです。
カニメがヒミカを引き離します。カニメは細身でも力は強いのです。豚飼いの家の主婦なのです。
「ヒコヤイさん。この子を押さえて置いてくれないかい。」
ヒミカを集団の首領に預けたカニメはグズヒコとハエイロドとを引き離しにかかります。
ヒコヤイはヒミカを膝の上で転がしペッティングしています。ヒミカは肥満女子で、ヒコヤイはデブ専なのです。
ヒミカをペッティングしながら、ヒコヤイは副首領の男に小さな声でつぶやきます。
「この子、妊娠してるぜ!」
副首領のヒコフト二はシカトします。戦闘隊長である彼にとって、どうでもよいことなのです。

「かわいいぞ、ワシのワシヒメよ。」ヒコヤイはヒミカに中国豆をくれてやります。ヒミカは大喜びです。大好物なのです。
ヒコヤイはヒミカに「ワシヒメ」と云う名前を勝手に付けてかわいがっています。
鷲は地上に降り立った時、体重の重たさの割りに足周りが弱いので、ひょこひょこと歩きます。
ヒミカが崖の岩場を歩く時の姿に似ているからです。
ワシヒメことヒミカは本物の鷲となり、大空へ飛び立つことになります。
「ボケ女」を意味する彼女の名は、大勢の人々に記憶され、記録される大名跡となるのです。

116 :日本@名無史さん:2018/04/14(土) 06:23:18.87 ID:F71lF4cMK
ヒコヤイが密航して来た多島一家の総長位たるスメラミコトなのです。若頭格のヒコフト二が日嗣の御子なのです。
スメラミコトの代替りにおいては、日嗣の御子はスメラミコに殉死する義務があるのです。
この特異な掟が、この集団が信仰する唯一神イザホワケスメラミコトを永遠に生き続けさせ
この集団が行なう無制限の殺戮を正当化させているのです。

苅羽田刀辨が登場します。
「テメエら、誰に断ってこの家に上がり込んでんだ。外へ出ろ!」
ハエイロドは組み合っているグズヒコを押しのけ、苅羽田刀辨の後を追います。
「どこへいくんじゃ!」グズヒコは二人を追いかけ外へ出ます。
ヒコヤイはヒミカを手放し、「オレ達も行くか。」と動き出します。カニメもついて出ます。

「お客さんたち、あの子はとても凶暴なんだ、ケンカを売られても買わないでおくれよ。」
苅羽田刀辨は崖の中段の僅かな平場に作ってある畑を踏み荒らします。
カニメが野菜を育てている大事な畑です。この段畑は三輪山の尾根が西からの強い風雨をブロックする地形です。
東と南からの日当たりもよく、水はけもよいのです。だからカニメは、この寸地を耕し、野菜を育てているのです。
「エナツ、何てことするんだい。やめておくれ。」
カニメは哀願します。エナツが苅羽田刀辨の本名なのです。

段畑は東側が高くなっています。陽光を背に受け、東側の高所に布陣した苅羽田刀辨は地の利を得たのです。
背後は切り立った深い切通しです。多勢の敵が背後に回りこむことを防いでいます。

117 :日本@名無史さん:2018/04/14(土) 17:30:11.52 ID:F71lF4cMK
「人様の家に勝手に上がりこんで、飯喰って酒呑んで、おまけに大事な畑まで荒らしやがって。
こいつは高くつくぜ。テメエら、ここを誰の土地だと思ってやがんだ。答えろ!」
「スガヒコさんの土地じゃないのかい?」
背の高いハンサムな男が対応します。苅羽田刀辨より三歳くらい年上の若い男です。
苅羽田刀辨自身がまだ満十一歳なのです。
「ここの地主は、このオレだ。オレを誰だと思ってんだ。答えろ。チンピラ!」
「エナツさんだろ。しかし、チンピラとはご挨拶だな。オレはイサセリビコって言うんだ。よろしくな!」
イサセリビコは怒気を抑圧しながら、返答します。
「テメエの名前なんかどうだっていいんだ。すっこんでろ!」
苅羽田刀辨はイサセリビコを殴りつけます。飛びずさったイサセリビコは、くるりと背を向け、ヒコフト二のところへ戻ります。
短気な男なのです。苅羽田刀辨のような経済ヤクザを心底から軽蔑しています。だが私闘は多島一家においては厳禁なのです。
「あの女ヤクザ、殺してよかですか?」
イサセリビコはフト二に殺人認可を求めたのです。
「ダメだ!」言いながらフト二はイサセリビコの肩を叩きます。
「オレが対応するよ。」選手交替です。

118 :日本@名無史さん:2018/04/14(土) 17:41:08.33 ID:F71lF4cMK
苅羽田刀辨に対し、相手が引き気味になっていることに気を良くした弟苅羽田刀辨ことハエイロドが前に進み出ます。
「この人はこの島では知らぬ者がいない苅羽田刀辨の姐御だ。オレは舎弟の弟苅羽田刀辨だ。
どうだ。オレとタイマン張る根性あるやつはいねえか?
オレが負けたら宿泊費一式はチャラにしてやるぜ。オレが勝ったら十倍掛けだ!」
兄のグズヒコは目をむきます。ハエイロドはこういうことをして人々を借金まみれにしている悪党の端くれなのです。
「みたところ、大したのはいねえようだがな。ガハハ!」
「オレが相手してやるぜ。」飛び出したのは首領のヒコヤイです。
「オレが負けたらアンタの足をナメナメするぜ。オレが勝ったら婚ひさせてもらうぜ!」
デブ専のヒコヤイはお目当てのヒミカが妊娠していたので、力士体型のハエイロドに標的を振り替えたのです。
「なめんな、このハゲ!」ハエイロドは剛拳をぶち込み、ケリを入れます。全く当たりません。
「テメエの腐りチンポなんか要らねえんだ!」
劣勢を意識したハエイロドは、左右のフックをヤケクソで連打します。すべて空を切ります。
ヒコヤイの反撃はアッという間に完成します。
ノサれてしまったのはハエイロドの方です。どこをどう突かれたのかわからない位の早業です。
「約束通り婚ひするぜ。」
ヒコヤイはすでに挿入しています。こちらの方も早業です。
苅羽田刀辨に背を向けて盛んに腰を振っています。背中は無防備です。
苅羽田刀辨の攻撃意図を察知した長身の男がすばやくガードします。長剣を取佩いています。
顔にタカの入墨をしています。目には感情がありません。この男は人斬りです。

119 :日本@名無史さん:2018/04/14(土) 17:55:51.11 ID:F71lF4cMK
フト二が割って入ります。
「お姉さん、強そうだねえ。オレが相手してやるよ。」
中国拳法をアレンジした独特の拳法をフト二は使います。
対する苅羽田刀辨も体術の達人なのです。この二人は手が合います。
「せっかくの勝負だ。懸物をしないかい?」
フト二は軽く言います。
「オレはイサセリビコの首を懸ける。アンタは?」
「こっちはグズヒコの首を懸けてやるぜ!」
苅羽田刀辨に名指しされたグズヒコはシカトしています。
二人の武術比べは続きます。スタミナ勝負です。
自分の首が懸けられたイサセリビコは苛立っています。フト二は手加減して遊んでいるのです。
「兄貴、こいつを使ってくれ!」
イサセリビコはフト二に何かを投げ渡します。ヌンチャクです。
フト二はヌンチャクを高速で振り回し、苅羽田刀辨を威嚇します。
「だったら、こっちも武器を使わせてもらうぜ!」
苅羽田刀辨は懐から蛇の鞭を取り出します。

120 :日本@名無史さん:2018/04/14(土) 17:58:42.98 ID:F71lF4cMK
「何じゃそりゃ!」
フト二はケンカ上等の生き方を貫いて来た男なのです。いろんな武器を使う
数え切れないくらいの敵を倒してきました。しかし、こんな原始的な武器を使う対手は初めてです。
頭に匕首が仕込まれた蛇の鞭は確かに危険度大です。
苅羽田刀辨はこの武器を見せることで相手を殺す意志がないことを云いたかったのです。

フト二と苅羽田刀辨との武術比べは続きます。
目の周囲に入墨をした若い男が退屈そうに観戦しています。この男も長剣を取佩いています。
隣で観戦しているのは大槍を束ねて肩に掛けた大男です。
大男は、粘液質の湿った視線で全身に蛇の図柄を入れた苅羽田刀辨が武闘する姿をナメ回しています。
苅羽田刀辨はフンドシを付けていません。丸見えなのです。
若い男は長剣のコジリで、大男の股間をつつきます。
「テメエ、コチンコチンじゃねえか。蛇女のどこがいいんだ?」
「とにかくたまんねえぜ。子宮を突き殺してやりてえ。」
「指三本詰めて七本指だぜ。それでもか?」
「ああ。可愛いお手手だ。」大男は答えます。
大男が後に苅羽田刀辨の愛人となるニギハヤヒなのです。
若い男が大久米です。苅羽田刀辨の永遠の交戦相手となる男なのです。
彼等の隣で無表情に観戦している小柄な若い男がいます。この小柄な男がサメマなのです。

121 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 00:16:16.09 ID:FKaiuLwJp
タカ男は、指で仲間にサインを出します。武装と戦闘配置を指示したのです。
イサセリビコはカニメとグズヒコを促し、段畑から退去させます。
グズヒコは半殺しされているハエイロドの引き取りを申し出ます。
「ダメだ。あの女はオレ達のモノになった!」と拒否します。
「文句あんなら、テメエも半殺してやるぜ!」イサセリビコはグズヒコの髪の毛を掴んで振り回し
母屋の方角へ30メートル先まで放り投げます。この男は痩せているが怪力なのです。

イサセリビコは段畑の入口である馬の背の岩場をを押さえます。弓具で武装します。
サメマは崖を駆け上り、崖上を押さえます。サメマは二本の屈曲した幅広の短剣を抜いて左右の手に構えています。
ニギハヤヒと大久米は、ヒコヤイの前後を押さえます。
大久米は長剣の鯉口を切って低く構えます。抜撃が得意なのです。
ニギハヤヒは大槍を構えています。タカ男自身は段畑の東端の切通しを押さえます。
苅羽田刀辨は包囲されたのです。
フト二は二ヤリと笑います。ムカデの入墨をしているフト二は笑うとかえって凶悪な顔になります。。
フト二はヌンチャクの旋回ギアを上げて、苅羽田刀辨を襲います。
苅羽田刀辨は、多島一家の面々から無言の殺気や無刀の気合いを浴びせられながら闘い続けます。

122 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 00:28:52.42 ID:FKaiuLwJp
状況を変えた方が、得策かもしれません。苅羽田刀辨は上の崖を蹴ってタカ男の頭上を飛び越え、
75度角の切通しに飛び降ります。
「ムカデ男じゃ弱すぎて相手にならない!」
苅羽田刀辨は対戦相手の変更を希望します。
「今度はアンタが相手だ!」
苅羽田刀辨は自分を見下ろす長剣を取佩いた男を挑発します。
「待てよ。お前の相手はおれだぜ!」
そう言いながら、フト二は長剣男に近づき、かすかな声でつぶやきます。
「良からぬ連中がオレ達を遠巻きに囲んでいる。あの女を殺すとまずい。」

長剣男はいざ刀を抜くと100パーセント確実に相手を殺します。水平剣を好んで使います。
この男の人斬りとしての異名が「イザナギ」なのです。
「知っている。だが、ヒコフト二よ、ここはオレのやり方でやらせてくれ!」
イザナギは苅羽田刀辨を殺すつもりなのです。フト二は決断します。
「いいだろう!」
フト二自身が鎖斧で武装します。もはや殺すか殺されるかです。

123 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 00:32:56.67 ID:FKaiuLwJp
イザナギは鳥のように大岩の頂に舞い降りて、眼下の苅羽田刀辨に向かい、気息を整えます。
苅羽田刀辨は着衣を脱ぎ捨て全裸となります。勝負処なのです。

イザナギは心術を使って苅羽田刀辨の心底を見据えます。
見たこともない醜い世界です。権力欲と金銭欲、性欲と食欲と排泄欲とが混沌とした黄泉の世界です。
イザナギは吐き気に襲われ、視界が閉ざされます。手指もしびれて動かすことができません。

ヒミカが母屋から坂道を登って来ました。熊の皮ハギを身につけています。
「なんだ、この家のクソ餓鬼か。」哨戒していたイサセリビコは無視します。
あらかた、スガヒコに様子を見て来いとでも言われて来たのだろう。
でも、なんでこの初夏にがっつり防寒着なんだ?それに、この島に熊は住まないはずだ!
疑念を感じたイサセリビコはヒミカを凝視します。

「ヒミカ、お前はここに来てはいけない。スガヒコのところでおとなしくしてるんだ。」
グズヒコがヒミカを母屋へ連れて帰ろうとします。
「スガヒコは死んだ。私が跡目を取って苅幡刀辨になった。スガヒコの死は神罰だ。野蛮人が神領を汚したからだ!」
ヒミカは神々しく語ります。
「なんで、お前がしゃべれるんだ?!」グズヒコは驚愕して叫びます。ヒミカは言葉をしゃべれないはずです。
「うるさい。このヘタレ野郎!」ヒミカは、熊の掌で、グズヒコをぶっとばします。
グズヒコは泡を噴いて、のたうち回り、鼻血と糞尿を撒き散らかします。

124 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 00:39:38.19 ID:FKaiuLwJp
「ヒミカ、何をする気だい。お止め!」カニメが甲高く声を上げます。
ヒミカは猛獣の眼で、ヒコヤイをにらんでいます。狙いは首領のヒコヤイなのです。
「何だお前。中国豆がほしけりゃ、いくらでもくれてやるぜ!」
「それともお前、ヤキモチ焼いてんのか。だったらオレの女にしてやろうか?」
ヒコヤイはハエイロドを椅子にして座り、ヒミカをにらみ付けています。玉座なのです。
この男が多島一家五代目スメラミコトなのです。正式な渡世名はタジマモリです。
東南アジアの裏社会でタジマモリの名を知らぬ者はモグリなのです。
余談ですが半世紀後に苅羽田刀辨の曾孫たる女王壹与は、この男の名義を借りて、東南アジア方面に長期に探検旅行しています。
武闘の果てに専権を確立した女王壹与が、その名を名乗って恥じないくらいの伝説の勇者だったのです。

タジマモリは立ち上がり、着衣を脱ぎます。赤サソリの彫り物が際立ちます。ヒミカを対等の敵と認めたのです。
この入墨を見て、生きていた敵はいないのです。

ヒミカは四つ足となり、段畑へ続く馬の背の岩場を突進します。人間重戦車です。
「ヒコヤイさん。危ないよ。逃げておくれ!」カニメが金切り声を上げます。

125 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 11:04:43.83 ID:FKaiuLwJp
ヒミカの突進を阻止するべく、イサセリビコは密林戦用に特製した合成弓からヒミカの首筋を狙って矢を六本連射します。
すべてはずれます。イサセリビコが至近距離から標的をはずしたことなど、これまでなかったのです。
ヒミカはイサセリビコの頭の上を虎のように飛び越え、段畑に乱入します。
正面から向かえ撃った大久米が長剣をヒミカの首元に刺突します。これも裁かれます。
大久米が必殺の突き技を裁かれたことなど、これまでなかったのです。
ヒコサメマが崖上から飛び降り、短剣をヒミカの背中に突き通します。これもはじき返されます。
ヒコサメマの癖者短剣術を防御した対手など、これまでいなかったのです。
鎖斧で武装したフト二が脇から飛び掛り、手斧を重たく首に落とします。これもはじき返されます。

「こいつ、何かを仕込んでやがる。ニギハヤヒ。目を突くんだ!」フト二が指示を出します。
頼みの綱は、ニギハヤヒが繰り出す、天の日矛です。この組織の伝世の武器です。
初代スメラミコトの日嗣ノ御子が愛用していた武器なのです。
目を狙ったニギハヤヒの天の日矛は、ヒミカの頭の上を流れ、刃筋を立てることができません。

126 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 11:08:07.79 ID:FKaiuLwJp
ヒミカはヒコヤイの周りを旋回し、攻撃する角度を調整しています。
「来やがれ、化け物!」
ヒコヤイは拳闘の構えを取り、ヒミカに立ち向かいます。一人で千人をノシた伝説を持つ男なのです。
ヒミカの顎めがけて、カウンターで叩き込まれたヒコヤイの渾身の右ストレートは、
彼女の分厚い額の骨でブロックされ、ヒコヤイ自身の手指と手首を破壊します。
ヒミカの頭突きがヒコヤイの下腹部に炸裂し、内臓が破裂する音が伝わります。
ヒコヤイは大きく飛ばされ、頭と背骨を岩に激しく打ちつけながら、
後方回転して、切通しに滑落します。フト二が血相を変えて飛び出し、後を追います。

「何やってんだ。来いよ、タカクラジ!」
対手の苅羽田刀辨から気合を入れられ、イザナギは自己呪縛から解き放たれます。
「タカクラジ」はタカ野郎の意味の侮辱語です。自らを侮辱したこの女は、斬るのみです。
タカクラジは長剣を抜き真横に構えます。
タカが天空に舞い上がったのです。そして蛇を襲撃するのです。
タカクラジは眼下の苅羽田刀辨に一直線に突進します。
苅羽田刀辨は蛇の鞭を縦に構え直します。間合いを見切る為です。
近接戦こそが彼女の武術の真骨頂なのです。

苅羽田刀辨を斬る間合いに入る直前に、異変を察知したイザナギは剣を収めます。
「カリハタトベ。来るんだ!」イザナギと苅羽田刀辨は、滑落するヒコヤイを共に追いかけます。
ヒコヤイの身体は切通しの谷底の淵に堕ち、水没します。苅羽田刀辨が水中に飛び込み、ヒコヤイを確保します。
死んでいます。生き返りません。

127 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 11:10:42.40 ID:FKaiuLwJp
フト二も来ました。形相が一変しています。殺人鬼の顔です。
「お前の妹がスメラミコトを殺した。ケンカを売ったのはお前の方だ。
お前に責任がある。オトシマエは付けさせてもらうぜ!」
「いいだろう!」苅羽田刀辨はあっさりと自らの責任を認めます。
ヒコヤイの遺骸を背負い、巻道を登って母屋へ向かいます。
「母屋で待ってるぜ!」振り向いた苅羽田刀辨は二人に少し離れたところから声を掛けます。

「化け物が暴れて手に負えない。神八井耳よ。殺せるのはアンタしかいない。来てくれ!」
フト二が神八井耳を促し、二人はもの凄い速度で崖をよじ登ります。
イザナギの渡世名は、神八井耳なのです。

「ハエイロドはたぶん彼等に殺されたのだろう。」そう考えながら、苅羽田刀辨は巻道を登ります。
ハエイロドのことを考えます。自分には従順な良い妹だったのです。おそらくは、このヒコヤイが
破廉恥な行為を強要したので、逆上したハエイロドが切通しの上から投げ落としたのです。
ハエイロドはキレると何をするかわからない性格なのです。逆に言えば、純情な人間なのです。

128 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 11:12:49.18 ID:FKaiuLwJp
「お前の妹」と言われたので、苅羽田刀辨は勝手にそう思込んでいます。本来、思込みの激しい女子なのです。
概してこの島の女子はガ体もでかく、腕力も強く、気も荒いのです。外からは「女島」と呼ばれています。
外部から流入して来る、傭兵や労働奴隷の血を引く人間がやたら多いからです。彼女自身もそのような血筋なのです。
婚ひをすれば結婚の意義成立です。監督権は夫の側に発生します。非道を働いた妻を処罰するのは夫の権利なのです。
ハエイロドのような事をして家から追出された不良女子はごまんといるのです。苅羽田刀辨はそれらを拾い上げ
ケンカを仕込んで女子愚連隊を組織し、仕事を与えてメシを喰わせてやっているのです。

母屋についた苅羽田刀辨は驚きます。「何てこった!」
スガヒコが死んでいます。小さく吐シャしています。全般的には老衰死ですが、
壁をつたってよろよろと立ち上がり、杖をついてよたよたと歩き出そうとしたところで転倒し頭を打ったようです。
スガヒコは自分の子や孫が心配になって、様子を見に行こうとしたのです。
ケンカ騒動を起こした苅羽田刀辨がスガヒコを殺したようなものです。
苅羽田刀辨は、ヒコヤイとスガヒコの遺骸を納屋に運び出し、丁寧に安置します。
ヒコヤイの腹巻には高価な宝物が仕込まれていることがわかります。
手癖が悪すぎるくらい悪いこの女子にしては珍しく、手を付けようとはしません。
それより、家を清めなければなりません。
母屋に戻った苅羽田刀辨は、その作業に全力で取り掛かります。
彼女の精神は震撼しています。とてつもなく大事なことが、この家で始まるはずなのです。

129 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 16:53:37.98 ID:FKaiuLwJp
四人の若衆とヒミカの戦闘は続いています。若衆達がひと固まりになって防御する周囲を
ヒミカが高速で旋回しています。そして鋭い体当たり攻撃を繰り出すのです。
フト二と神八井耳が、切通しの上に姿を現します。二人の殺人鬼の着到です。
不利を悟ったヒミカは上の崖をよじ登り、遁走します。
「待ちやがれ、化け物!」フト二が追いかけます。大久米とヒコサメマが後に続きます。
崖の上は豚場です。大勢の黒豚達が唸りながら、フト二達に襲い掛かって来ます。
この時代の済州島豚は、野生の猪と同じ食性です。野生を強く残しているのです。

覆面をした小さな男が、豚の背を渡って、接近して来ます。
この世のものとは思えない、すさまじい殺気を放射しています。
覆面をした大集団が、いつの間にか現れ、豚に挟まれ身動きが取れなくなったフト二達を包囲しています。
三百人はいます。丹塗り矢を矢刺します。
「テメエ、誰なんだ?」フト二が誰何します。
「山の神。」小男は答えます。
覆面の奥の蛇眼が光ります。人の心を持たない男なのです。
神八井耳も来ました。永遠の敵対者となる二人の男の初見なのです。
「そなたの人、苅羽田刀辨の命は保障する。兵を引いてくれないか?」
神八井耳が問いかけます。
「いいだろう。」山の神は豚の背を渡って去り、森の中へ消えます。彼の部下の神軍も姿を消します。

130 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 16:56:56.54 ID:FKaiuLwJp
ニギハヤヒとイサセリビコは、カニメを喚上げます。
苅羽田刀辨がどんな人間なのか、どんな仕事をしているのか、どんな血縁関係か、男はいるのか
組織の人数や事業規模はどれだけか、親睦勢力はいるのか、資産はどこに貯めているのか、その管理者は誰か
を断片的ながらも聞き出したのです。
そして、三輪山の禁足地に、逆木が組まれ、高倉が何棟も並ぶ一角があることを聞き出します。
グズヒコは、ニギハヤヒに首をひしがれ、何度も失神と蘇生とを繰り返して糞尿を垂れ落としています。
「このシマには、山の民という組織がある。実態はヤミの中だが、ウチとは協力し合っている。
姉が金を預けてるのはその連中だ。」
ニギハヤヒに痛めつけられたグズヒコは、組織の重大機密をゲロっています。
エビ反りに縛られ逆さ吊りされたハエイロドはイサセリビコに蹴りまくられ、顔を赤風船に膨らませています。
「オレはただの下っ端なんだ。いい小遣いくれるから苅羽田刀辨の言いなりになってたんだ。
組織のことは何もしらねえんだ!」と喚いています。

フト二達が戻って来ました。大久米とヒコサメマも駆け寄って、拷問の輪に加わります。
ヒコサメマは顔の皮をはぐ準備をします。ボルネオの山岳系狩猟部族出身のヒコサメマは拷問の達人なのです。
「お前はスメラミコトに暴言を吐き、暴力を働いたのだ。お前は大逆罪だ。死刑執行だ!」
ハエイロドの顔の皮を剥ぎ始めます。ハエイロドは絶叫します。
「その辺りで赦してやれ!」フト二が制止します。
「ニギハヤヒよ。知り得たことをすべて教えてくれ!」
フト二はニギハヤヒの報告を受けます。
蛇眼の小男の正体が、苅羽田刀辨の息子であることが推断できました。
苅羽田刀辨の組織は、既にこの島の治安維持暴力の強力な一翼を成していることを知ります。
そしてカニメがこの島の権力者と婚約していることも知ります。
今後の行動を判断するのに必要な情報は採取できたのです。

131 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 17:00:33.73 ID:FKaiuLwJp
「ニギハヤヒよ。こいつらを納屋に監禁しておくんだ!」
言われたニギハヤヒは手刀を、カニメとハエイロドとグズヒコのレバーに突きこみます。
くつわを含ませ、束ねてロープで厳しくしばり上げて三人まとめて納屋へ担いで行きます。
出られないように外からカンヌキをして、彼等を閉じ込めたのです。

三輪山の禁足地について
「そこだ。そこに苅羽田刀辨は稼いだ富を蓄積しているんだ!」フト二は推断します。
「今すぐ強襲するか?」神八井耳が提案します。タカ男は、いつでもタカ派なのです。
「いや。財物はすでに運びだされている可能性が高い。
あったとしても手強いあの連中と交戦することになる。
苅羽田刀辨はこの島の公権力と絡んでいる。ここの公権力は強力な海軍を保有してるんだ。
海上封鎖されたらオレ達の退路はなくなる。この小さな島では、どれだけ暴れても切り抜けるのは無理だ。
苅羽田刀辨を生かして利用するしかない。ヤツの家を平和裡に乗っ取るんだ。オレが話を詰める。」

「オレ達は、既に詰まされてるってことか!」神八井耳は天を仰ぎます。
無言で頷き、神八井耳に若衆の指揮を任せ、フト二は苅羽田刀辨との談合に向かいます。

132 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 17:02:02.20 ID:FKaiuLwJp
神八井耳は、唾を吐きます。
苅羽田刀辨との談合がどう転んでも、神八井耳はスメラミコトにならなければいけないのです。
着衣を脱ぎ腹巻きと褌だけとなります。禊をするためです。

イサセリビコとニギハヤヒが駆け寄ります。イサセリビコは手ぬぐいを差出します。
神八井耳は無造作に受取り、顔を拭きます。
イサセリビコとニギハヤヒは神八井耳の体を丁寧に拭き上げます。
神八井耳は自分の顔を丁寧に拭きながら、重たく押し黙って考えています。
苅羽田刀辨と、絶縁するべきか、結縁するべきか、二つに一つです。

ヒコフト二が段畑に戻って着ました。苅羽田刀辨との談合が決着したようです。

133 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 19:21:24.14 ID:FKaiuLwJp
「家を合せた上で、苅羽田刀辨が財産権の一部をオレ達に譲渡する。
神八井耳よ。アンタの取分が1、苅羽田刀辨の取分が2、カニメの取分が1だ。
カニメがアンタの妻となり、アンタの取分はカニメのを合せて実効2となる。
苅羽田刀辨と対等の共同家長だ。
指揮系統上は、苅羽田刀辨はあんたの末女となる。
オレ達の家の序列末席としてアンタの指導下に加わるんだ。
そして、ここが大事な処なんだが、グズヒコがアンタの特殊嫡男になる。
苅羽田刀辨は強力な外洋海軍を建軍できる男として、グズヒコの資質を高く買っているらしい。
これからは海軍の時代だ、とか言っていた。」

神八井耳は顔を拭き続けながら、ぶっきらぼうに言います。
「泡噴いて、くそ垂れて、へばってた、あの青二才の船乗りがオレの嫡男だと?
ヒコサメマよ。お前はそれでいいのか?」

ヒコサメマこそが、スメラミコトとなる神八井耳が日嗣ノ御子に建てようとしている男なのです。
ヒコサメマは神八井耳に向かい、ひざまづき、「兄ぞ愛しき。」と言います。神八井耳に一任したのです。

134 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 19:24:13.93 ID:FKaiuLwJp
ヒコサメマはそれからヒコフト二に向き直ります。
「ヒコフト二の兄貴よ。聞いてもいいすか?」
「ヒコサメマよ。何だ?」ヒコフト二は促します。
「苅羽田刀辨は、日嗣ノ御子である兄貴に刃物を向けたんですぜ。赦していいのですか?」
「蛇の鞭のことか。あんなのはガキのオモチャだ。不問にする。」ヒコフト二は答えます。

イサセリビコは神八井耳の体を拭き続けながら、「兄貴。」と声を出します。
「イサセリビコよ。言いたいことがあれば、言ってみろ。」神八井耳は促します。

「あの半端な青二才に、はっきり言って日嗣ノ御子は務まりません。
敵に捕まればすぐに口を割って、大事な事をペラペラしゃべる、まったく使い物にならない輩です。
戦場に連れて行けばあんなのは、すぐに死んでしまいます。
そのときは、兄貴も死ななきゃならんのです。それでもいいすか?」
神八井耳の不安を言い当てています。
神八井耳は顔を拭き続けながら、重たく押し黙ります。

ヒコフト二は苦笑します。イサセリビコが言っていることは正論なのです。
「オレも同じことを苅羽田刀辨に問いただした。ヤツは、しごき倒して必ずモノにする、と請け負った。」

135 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 19:27:02.19 ID:FKaiuLwJp
「ヒコフト二の兄貴よ。聞いてもいいすか?」
「大久米よ。何だ?」ヒコフト二は促します。

「苅羽田刀辨の財産権とやらに、何か意味があるんすかい?
ヤツは経済ヤクザやって羽振り利かせて、金もかなり蓄えてるみたいだ。
だが、その半分程度の分け前じゃ下らない。そう思わないっすか?」

「苅羽田刀辨はあることを企てている。とんでもないことをな!」ヒコフト二は意味深長に答えます。

「まさか、クーデター起こして、この島を奪い取るってことじゃ?」イサセリビコが口を挟みます。

「その、まさかだ。苅羽田刀辨はすでに充分な武器と軍資金を蓄積できてるようだ。
戦闘に必要なモノがあれば、ヤツがすべて担保すると、しかと約束した。」
ヒコフト二は続けます。
「オレがヤツの建てた軍略を、しっかり手直しして置いた。成功確率は五分五分だ。」
ヒコフト二はプロの戦争屋なのです。軍略のエキスパートです。

136 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 19:28:27.28 ID:FKaiuLwJp
ニギハヤヒが口を開きます。
「オレ達が本気になれば、この小さな島を奪い取るくらい簡単にできるだろう。
だが、それだけじゃつまらない。その先はどうするんだ?」
神八井耳の疑念を言い当てています。

ヒコフト二は答えます。
「この島の東方に倭人が住む大小の島々がいくつもある。それらを占領して属領にする。
お前達一人一人が広大な領土を統治する国王として君臨するんだ。
そして神八井耳が王の中の王、大王になる。」

「何だって!」四人の若衆は声を上げます。
ヒコフト二はいつの間にか、苅羽田刀辨の誇大妄想的狂気に引きずり込まれています。

137 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 19:35:53.33 ID:FKaiuLwJp
生暖かい風が、切通しの下の淵から吹き上げて来ます。
日子八井耳の死霊が彼等の議論を聴いているのかもしれません。
イサセリビコは日子八井耳を慕っていたのです。
フィリピンの山岳系狩猟部族出身のイサセリビコは、敵対する部族に狩出されマニラの奴隷市に売り飛ばされていたのです。
三歳児のイサセリビコを「こいつは武術の天ビンがある。」と見抜いて日子八井耳が買い上げ、武術を仕込んで育ててくれたのです。

イサセリビコは怒気を含みながら言います。
「フト二の兄貴よ、まだ、聞いておきたいことがある。
神八井耳の兄貴の取分が1なのに、苅羽田刀辨の方が2だっていうのは、どういうことなんだ?おかしいじゃねえか!」

ヒコフト二は答えます。
「あの女の側に、ややこしい事情があるらしい。
山の民を味方に付けるために、どうしても必要だ、と言って譲らなかった。」
「そいつは、ヤツの側の都合にすぎない。オレ達に責任がない話だ。
オレはややこしい人間が大嫌いなんだ!」
イサセリビコは苅羽田刀辨を激しく嫌っています。あくまで、合流には反対なのです。

「イサセリビコよ。それ以上いうな。オレがすべてを決める。お前はオレに従うのだ!」
神八井耳は顔を拭き続けながら、重たく無機質に声を出します。
イサセリビコはひざまづき「兄ぞ愛しき。」と忠誠を誓います。
決断は神八井耳に委ねられたのです。

138 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 22:29:12.01 ID:FKaiuLwJp
イサセリビコは激しやすいのです。放置しておくと、オレ一人で殺されたスメラミコトのケジメを取りに行く。
破門にしてくれ。などと言って仲間を困らせるのです。
問題は苅羽田刀辨の値打ちです。彼女と連携している蛇眼の男の部下は、丹塗り矢で武装していました。
丹塗り矢には矢尻が無く、かわりに先端部が太くなっています。尖った先に米粒で小さな穴を栓していたことを覚えています。
おそらくは水銀が仕込まれているのです。神八井耳は力学を駆使して水銀の分量を割り出します。
神八井耳はこの時代には珍しい高度な算術ができるテクノラートなのです。
丹塗り矢は暗殺兵器であると同時に、彼らの高価な仮想通貨でもあるのです。
三百人余かける一人三十本余で一万本か。
神八井耳の腹巻に仕込んである多島一家の総資産で交換できるのは四十本くらいです。
山の民の総資産はオレ達の二百五十倍か。
苅羽田刀辨は山の民にしゃぶられながらも事業をやれています。苅羽田刀辨の総資産は山の民の二十倍はあるはずです。
掛ければ五千倍です。打倒するべきこの島の支配者の総資産は苅羽田刀辨のさらに千倍以上はあるはずです。
四百年間この島の王家として君臨してきたのです。掛ければ五百万倍です。レート五百万倍のギャンブルなのです。
これをやらなきゃ男の中の男とはいえません。スメラミコトは男の中の男なのです。

139 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 22:30:24.16 ID:FKaiuLwJp
強い西風が三輪山を巻いて、イザナギの体を吹き抜けます。
決断したようです。手ぬぐいはニギハヤヒに戻します。ニギハヤヒが結縁の神なのです。

イザナギはすばやく着衣をつけ、ヒコフト二に向き直ります。陽光を背にして答えます。
「いいだろう!」神八井耳は苅羽田刀辨との「共同事業」に合意したのです。
イザナギとイザナミの国生みが始まるのです。

この日当たりの良い段畑の寸地が「纒向日代」なのです。
ヒコフト二はイザナギとイザナミに、多島一家の未来を託したのです。
つまり、神の国の建設を委ねたのです。

ヒコフト二は日嗣ノ御子として、最後の命令を下します。
「いまから、天皇即位の神事を執り行う!」
ヒコフト二達は、馬の背の岩場を渡り、崖下の家へ進みます。

140 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 22:32:15.03 ID:FKaiuLwJp
家は苅羽田刀辨によって、清められています。
「兄様達、ご苦労さまです。」
若衆の末席に加わった苅羽田刀辨は、90度角でオジギして、多島一家の面々を迎え入れます。

神八井耳はニギハヤヒに命令します。
「ニギハヤヒよ。グズヒコを連れて来い。身体を清めることも忘れるな!」

ニギハヤヒは納屋から失神したグズヒコを引き出し、縛りを解いて蘇生させ、水場で身体を清めます。

「お前は、家の外で警護するんだ。誰も近づけるな!」神八井耳は苅羽田刀辨に指図します。
苅羽田刀辨はひざまづき「兄ぞ愛しき。」と多島流儀で忠誠を誓います。
苅羽田刀辨はイザホワケスメラミコトの御伴人となったのです。そして神八井耳が神の御伴人の将なのです。

グズヒコを連れたニギハヤヒが家に入り、その後は、家が完全封鎖されます。
儀式が始まるのです。女人禁制です。

141 :日本@名無史さん:2018/04/15(日) 22:32:54.92 ID:FKaiuLwJp
ヒコフト二は自らの心臓の上の小さな彫刻を短剣で突きます。血があふれ出します。
時間を測って、神八井耳は長剣を薙ぎ、ヒコフト二の頸を斬ります。
ヒコフト二の死を以って、日子八井耳天皇の崩御が完成したのです。

ヒコフト二の遺骸は部屋の隅に片付けられ、塩で結界が張られます。
血も掃き清められます。いよいよ新天皇の即位です。

グズヒコの心臓の上に、新しく天津瑞の彫刻が入れられます。彫師は大久米が務めます。
グズヒコはよく耐え、天津瑞が完成しました。
グズヒコは神座に着きます。神八井耳は神座に向かい、かすれた声で神誓約します。

「天津神の御子、天降りましつ、と聞けり。故(かれ)、
追いて参降り来つ。天津瑞、献げたてまつりて、仕えたてまつりき。」

この即位文言を以って、ヒコフト二の神名である神沼河耳を継承して、神沼河耳天皇が即位したのです。
日嗣ノ御子として建てられたのが、グズヒコ改め、ヒコクニクルなのです。
神と天皇とが共有する生きた神器が、日嗣ノ御子なのです。

【姉ぞ愛しき−纒向編】完

142 :日本@名無史さん:2018/05/02(水) 03:25:20.67 ID:oP0lOEMbZ
邪馬台国は自己破綻するから。邪馬台国は畿内説で、水陸両用騎馬系縄文渡来人の国です。

弥生人は日の丸の国。

総レス数 142
91 KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver 2014.07.20.01.SC 2014/07/20 D ★