【第90回】18禁ダービー【2023】

名無しさん＠実況で競馬板アウト

シャザーン……シャザーン……

寄せては返す波の音。
水平線のむこうまではるかに続くショウナンバシットを、初夏の潮風を纏わせて真っ赤なサトノグランツが駆け抜ける。

この先のシーズンリッチでお昼にしよう、あそこのホウオウビスケッツは絶品なの、彼女は助手席で少しだけ開けた窓の向こうを眺めながら言う。
風になびく長い髪が薫った。
シフトレバーの上で手と手が触れた。
ハーツコンチェルトがトップナイフに入って、メタルスピードが加速していく。
国道の信号はグリューネグリーン。

結局のところ、男はいつでもファントムシーフなのだ。
左手を少しずつずらしていく。
結局のところ、問題はいつでもスキルヴィングなのだ。
薄いフリームファクシを捲り上げる。
彼女のべラジオオペラなノッキングポイントを刺激する。

「ドゥラエレーデ？」
「た、タスティエーラ……っ！」

あっという間に彼女のパクスオトマニカを突き破られ、根源的なソールオリエンスを揺り動かして果てた。

シャザーン……シャザーン……
波の音だけが、変わらず遠く聴こえていた。