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漢詩文は中国語で読もう

55 :名無氏物語:2013/10/23(水) 06:40:23.57 ID:jkJ1pr1y.net
【中国語による直読を併用する利点;原文の復元性】

訓読みに際しては、複数の漢語が一つの和語に合流することが一般に起こる。
この訓読の性質上、訓読のみによった漢文鑑賞は、原文の復元において問題を
生じやすい。

例えば『静夜思』の「床前看月光」は「ショウゼンにゲッコウをみる」、「低
頭思故郷」は「こうべをたれてコキョウをおもう」と訓読されまた暗唱されて
いるのが一般的だが、この訓読文の音から原文を復元しようとすると、「月光
を見る」「頭を垂れて」と書いてしまう間違いが容易に起こるだろう。

こうした訓読の不可逆性を補うのが、直読による原文の音の参照である。「シ
ョウゼンカンゲッコウ」、「テイトウシコキョウ」と音読みによる直読を同時
に暗唱していれば、少なくとも上述のような間違いは犯さないはずだ。

ただし、日本語による音読みはこの原文の復元性という点でやはり問題がある。
周知のように日本語の漢字音は数が少なく、また声調もないため、中国語のそ
れより遥かに同音となる語が多い。 このため上述のような訓読みにおける合
流だけでなく、直読においても本来区別されていた複数の漢字が日本語音では
同一の音に合流してしまうのである。 子夜呉歌の揮毫を求められて「万古擣
衣聲」と書いてしまった作家のエピソードをご存知だろうか。『静夜思』の例
で言えば、「ゲッコウをみる」という訓読文と「カンゲッコウ」という音読文
を組み合わせてなお、「観月光」という誤った復元をしてしまうこともありうる。

もちろん中国語音にも同音異義語はあるが、その数は日本語音より遥かに少な
く、こうした音から原文を復元する際の誤変換のリスクは低い。

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