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中島みゆきの名曲

1 :Track No.774:2019/08/31(土) 14:19:59.10 .net
中島みゆきの感動する名曲一日一選マラソン

1170 :Track No.774:2021/07/21(水) 10:44:10.91 .net
「命の別名」

小学生の時、岡田って奴がいてね、足が悪くてね。片足引きづるように歩くの
俺何度か虐めたことがあってね。でも、子供って気まぐれで、一度遊びに行ったの。
友達でもないくせに。そろそろ帰ろうかなって思ってたら岡田のお母さんがパート

から帰って来てね。クラスメイトを岡田が連れて来たの初めてやったんやろうね。
お母さんが凄い嬉しそうで俺に「優しくしてくれて、ありがとうね。仲良くしてあげてね」って
何度も言われて、俺罪悪感でたまらんようになってね。「おばちゃん!俺、岡田の事、

虐めたことあるって」言えなくてね。なにより、岡田がお母さんの前で俺と親友の振りしたの
が切なくて、辛くて。俺の心の中で岡田とお母さんと色んなもんに何度もごめんなさいって
思って・・・」と松本人志がのちに自分のいじめ体験を語っていた。虐めは確かに悪い。

いじめが無くなる事も無い。大切なのは、このように過去の自分の過ちに気付き反省し、
もう二度と同じ過ちをしないと心に誓いやらないことではないだろうか。幾つになっても、
人の痛みが分からない人間は確かにいる。友達などの交友関係や育った環境、親の教育...など

色々あると思うが、最終的に本人がそこんとこに気付き成長していく事が心の成長。
人は肉体的には成長期があり、ほっといても大人になるが、心はほっといても成長はしない。

本人がそこんとこに気付き、自覚しない限り心の成長はないのだ。 
−−−−−− 人は笑顔のままで泣いている時もある −−−−−−
このことに気付いた時、人は、また一つ大人になれるのだ。生きている間、常に学びなのだ。

1171 :Track No.774:2021/07/22(木) 20:08:12.48 .net
ホロコーストの問題は、いかなる理由があっても茶化してはいけない。五輪開会式
演出担当が解任されたというが、ここのところ立て続けに五輪関係者のゴタゴタが
続いている。オリンピック自体が色んな利権が絡んでて、人選もコネとが色んなもの
が絡んいると思われるが、もっと人選は慎重に選ばなければいけないね。

あと、気になったのが太田光の小山田擁護発言。いかなる理由があろうと、弱者側の
虐められた側の人権を優先しなければならない。虐めた側の人間の擁護は必要がない。
虐めは決してなくなることはないからだ。虐められた被害者を優先的に守らなくて

一体誰が守れるというのだろう。虐める側の人間は人の痛みがわからないから虐めるのだ。
人の痛みより、虐める快感、欲の方が勝るから虐めるのだ。そんな虐める人間には、
今回の事が明るみに出て、少しでも心の反省、自分の過ちに気づく事と人の痛みに

気づいてもらう必要があるのだ。そうしないとなかなか気づく事はない。虐めはなくならない。
虐める快感、己の欲の方が勝る人間はなくならないからだ。最も優先的に擁護しなければ
助けることはできないのは被害者だ。それも世間的にもっもと弱者な障害者なのだ。

1172 :Track No.774:2021/07/22(木) 20:40:08.61 .net
虐めはなかなかなくなることはない。だから虐めた者を擁護し虐めを推進する発言も必要も
全くと言っていいほどないのだ。虐めはなくならないからこそ、虐めを少しでも無くす方向に事を
考進めていかなくてはならないのだ。人権とは守らないと誰も守れない社会的弱者、障害があるもの

が最優先に考えられる社会が理想なのだ。権力がある者、強者の虐める側の人間擁護をやってしまうと、
とんでもない恐ろしい社会になってしまうということを太田光考えているのだろうか? 
発言はその人の立場にもよるが社会的に重要なインフルエンサーな太田光。少しはその辺を考えた発言を
してほしいね。

1173 :Track No.774:2021/07/22(木) 22:14:11.79 .net
虐めがなくならない原因の一つに、虐める側の強者が、絶えず虐められる側の弱者
ターゲットを探している傾向がある。だから自分はターゲットになりたくないから
虐める側に就き強者側から弱者を虐める構図というのも実際にあるわけだ。

だからいかなる理由があろうと、権力的立場から誰一人守ろうとしない最も弱い
弱者、被害者を誰かが守らないと、誰が守ることが出来るというのだろう。

1174 :Track No.774:2021/07/22(木) 22:44:02.57 .net
太田光の言う論点が議論されなければならない問題点は両者が対等の場合のみなのだ。
両者どちらにも非があり問題があり、片方だけ一方的に責めるわけにはいかない場合のみなのだ。
それでどちらの言い分も聞こう、お互いの言い分を聞いたうえで判断する。

1175 :Track No.774:2021/07/22(木) 22:57:12.92 .net
>>1174
ホロコーストもそうだけど、そうしないと、権力のあるもの、強者が弱者を
一方的にやりたい放題のとんでもなく恐ろしい世界になっていく
可能性も秘めているから、誰かが優先的にでも守らないと存在自体が消えて
しまうぐらい弱い者は最優先に擁護しなければならないと思うね。

1176 :Track No.774:2021/07/23(金) 00:15:57.48 .net
太田光もそうだが、誰もが大きな間違いに陥りやすいのは、完璧正しい答えはないという
現実だ。その点でものを考えると何でもありの結論が出ないカオスになり、何でもありの
全てのもの事に意味や価値はないニヒリズムが生み出す恐ろしい社会になる。虚無が生み出す

退廃した世界。どんなものでも諸刃の剣なのだ。だからそうならないようにする為には、
はっきりした倫理観に基づいた考えて結論づけたり、判断していかなくてはならないのだ。
それがこの世界に生きる人間の役目だと思っている。誰かが助けることが出来なければ、

助けることが出来ない最も社会的に弱い存在程、我々は身を挺してでも擁護してでも
守りぬいていかなければいけないのだ。完璧正しい答えのない Nobody Is Right 
だからこそなのだ。それはすべての人間に突き付けられた問題でもあるのだ。

1177 :Track No.774:2021/07/23(金) 00:43:34.50 .net
太田光のような考えに賛同する人間が、論理のすり替えで、虐めもどんどんエスカレートし
自分は何をやっても許されるんだ。「人を虐めてなぶり殺して、何が悪い!加害者にも擁護する
権利がある。黙れお前ら!」そのような考えを持つ若者、人間が増えれば増えるほど、社会は荒廃し

力の論理、優生学や超人論を持つヒトラーのような人物を生み大衆の支持を受け、第二の
ホロコーストのような恐ろしい世界が生まれ大きく変わっていく危険もはらんでいるのだ。
これは決して大げさなことではないのだ。自分の欲望を叶えるための犠牲者は必要とかいう

社会にしてはいけないのだ。人間だからこそ、善悪の判断、倫理観、理性を持つからこそ、
生まれる罪の意識。カオスになり、恐ろしい世界が生まれで、初めて、何が大切かを人は
気づかされるのだ。ひょっとしたら人間はそこまでいかないとわからないかもしれないのだ。

1178 :Track No.774:2021/07/23(金) 01:07:07.47 .net
誰かが守らないと救えない命。そのことを踏まえたうえでの舵取りがこの社会には
最も必要なことだと思う。

1179 :Track No.774:2021/07/23(金) 06:27:10.07 .net
例えどんな社会であっても、一抹の危うさというものを秘めているのだ。
だから社会的に影響力のある人物の発言は注意が必要なのだ。

1180 :Track No.774:2021/07/23(金) 08:24:10.06 .net
長々と書いてしまったが、社会的に影響ある人物の発言を一番真面に受けるのは子供達だ。
次世代を担う子供達が信奉する大人、影響力がある大人達は「やっていいことと悪いこと」
これら、はっきりした価値観やしっかりした方向性というものを示して行かないといけない

面が大人達と違い多々あるからだ。だから虐めは悪いとはっきり言わなければならないのだ。
虐める側の論理を正当化したり、論理をすり替えたり、擁護してはいけない面がある。
大人達と違い子供達にははっきりした軸になる「やって良い事とと悪い事」。確りした軸になる

倫理観、価値観、善悪の判断、そこから生まれる罪の意識を次世代を担う子供たちに
示せるのは最も子供たちに影響力がある大人達なのだ。そして子供たちが信奉する大人達なのだ。
まだ何も知らない子供たちに確りと伝えていかなくてはならないことがある。虐めてる者を

擁護発言、それを助長することを言うのではなく、クラスで最も弱い弱者を虐めて遊ぶのではなく、
弱者の痛みを知り、そんな弱い者に手を差し伸べ手助けする子を一人でも増やす事に繋がる発言が
社会的に影響力のある大人達に最も大切な事なのだ。誰かが守らないと助からない命というものが
必ずあるからだ。それを次世代を担う子供たちに確りと伝えていく役割が我々にあるからだ。

1181 :Track No.774:2021/07/23(金) 10:21:22.66 .net
太田光が言うすべて司法で裁け。実は司法では裁けない法律の抜け穴的問題の方が
遥かに多いのが現実。女子高生コンクリート詰め事件、山形マット死事件など...
数多くの虐めを超えた事件が加害者に逃げ場を与え、被害者が耐えられない苦しみを抱えて生きて
居るのが現実なのだ。虐め、虐めによってエスカレートした殺人事件に対して日本の

司法は的確な法の裁きが出来ていないのが現実なのだ。だからこういう問題は、
根が深い分だけ真剣に議論討論し、最も影響力が大きい次世代を担う子供達が誤った
方向、行動に繋がらないような教育もそうだけど、大人達が何らかの形で
示していかなければならないところがあるからだ。

1182 :Track No.774:2021/07/27(火) 13:29:28.43 .net
「人生の素人」

うちのばあちゃんは買い物帰りに歩いて帰宅中、チャリンコに乗った中学生DQNの
ひったくりに抜かれざまバッグを掴まれたが、日頃から野良仕事を趣味として
歳の割に無類の体力を誇るうちのばあちゃん。

掴まれたバッグは強靭な握力と腕力でがっちりホールド。チャリンコに乗ってた
中学生DQNのガキの方が反動で地面に叩きつけられ右手骨折。
「危ねーだろがぁ、ババア!  痛てーなー! 痛てて」怒鳴りながら泣いている。

連絡した通行人と駆けつけたお巡りさんに連行される。
警察署に両親が呼ばれるも若い母親はうちのばあちゃんを悪者扱いで罵声を浴びせる。
「うちの子に怪我をさせた治療費を払え! どうせ、私らが取られた金で貰った年金だろ~」

警察から連絡を受けてばあちゃんを迎えに来た俺は、その無茶苦茶なことをいう母親に
殴りかかりそうなのをたしなめ、ばあちゃんは「怪我したんは、かわいそうだが、

本当にかわいそうなんは、人のもの盗んだらいけんってことすら親から教えてもらえんかった
この子の人生や。今からでも、遅くはない。親子で頑張ってまともな人間にならんといけんよ」
と優しい口調で論じた。母親が何か反論しそうな態度を見せようとしたら、親父が出てきて、

母親と息子を殴り、その親父は泣きながら土下座。「こんな息子を育てた俺らが悪い。
どうか許してくれんか? こいつ(母親)みたいに幾つになっても大人になれんもんがいる。
そんな大人になれんもんが、ガキを育てるから、ろくなガギに育たん! 許してくれ!」と

何度も土下座して母親と子供の頭を下げさせていた。ばあちゃん曰く「聖人君子も、
完璧な大人もいない。皆、人生は素人につき 生きていること自体、学びや 分かったら
それでいいのさ、あなたの気持ちはわかりました。どうか、頭をお上げてください」

1183 :Track No.774:2021/07/27(火) 13:42:02.91 .net
>>1182
末尾「どうか、頭をお上げください」に訂正

1184 :Track No.774:2021/07/27(火) 15:04:08.31 .net
>>1182
6行目「後で、連絡しくれた通行人の話によると、怒鳴りながら泣いていたと言う。」に訂正

1185 :Track No.774:2021/07/27(火) 17:28:07.99 .net
>>1182
下から2行目「学びやと思います。それに気づいたらそれでいいと思います。あなたの気持ちは・・・」に訂正

1186 :Track No.774:2021/08/19(木) 13:59:30.93 .net
「阿壇の木の下で」

僕は、さとうきび畑に来ていた。
遠く、遠く。遥か彼方まで、さとうきび畑が広がっている。

おばぁは僕にも凄く優しくしてくれて、お菓子をくれたり、サーターアンダギーを
揚げてくれたりした。おばぁがおじさんと話する時なんかはガチな沖縄弁になって
僕にはチンプンカンプンだったけど、それも含めて僕は優しく穏やかなおばぁの事が
大好きだった。

僕が中学生になった時、社会科の授業で『太平洋戦争』について学んだ。
日本が太平洋戦争で負けたこと。日本のたくさんの街が、たくさんの人が空襲で
燃えたこと。神風特攻隊として決死の作戦に参加した青年たちの事。

広島と長崎に投下された原爆の事。そして太平洋戦争で唯一地上戦となった
沖縄戦について学んだ。沖縄戦について興味を持った僕は今度、おばぁに会ったら
話を聞いてみようと思っていた。そして床に就いた時、― 妙な夢を見たんだ―

モンペ姿のおばぁが倒れた...。銃声で。二等兵は涙をこぼした...。
おかっぱ頭の少女が銃で撃たれた。すすり泣く二等兵...。
いがぐり頭の少年が、持たされた手りゅう弾で自決する...。集団自決だった...。

― 目を覚ましたら ― 身体じゅう汗びっしょりだった。何でこんな夢見たんだろう...

翌日、僕が親友の家へ遊びに行った帰り、おばぁの家に寄った。
おばぁは僕のことを暖かく向かい入れてくれた。僕はお菓子を用意してくれる
おばぁの背中に向かって「おばぁ、聞きたいことがあるんだけど、いい?」と尋ねた。
おばぁは振り返って「なんだい?」とのんびりした声で返してくれた。

おばぁは僕の質問に答えてくれた。沖縄戦の当時、おばぁは今の僕よりももっと
小さな子供だったこと。こどもだったおばぁはその当時、最初は何が起こっているのか
分からなかったこと。1944年10月10日の空襲も酷かったけど、アメリカ軍が、
本島へ上陸する前に行った艦砲射撃と空爆では空襲よりももっと大きく大量な爆発音が

昼夜を問わず鳴り響いていたこと。アメリカ軍の兵士たちが上陸してからは家族や親せき
たちと樹々が生い茂る山の中や畑の中をあちこち逃げ回ったこと。鳴り響く爆発音や銃声に
怯えていたこと。アメリカ兵が怖い、日本兵も怖いそんな日々を過ごしていたこと。

そんな話を僕にしてくれたおばぁ。いつもとは違った悲しそうな笑顔で...。
翌日、阿壇の木の下で打ち寄せる静かな波をいつまでも見ていた。

1187 :Track No.774:2021/08/19(木) 15:11:38.09 .net
>>1186
いつもとは違った悲しそうな笑顔で...。の後の
最後の行の訂正
「あれから10年が過ぎた。そんな優しいおばぁも今はいない。今、阿壇の木の下で
静かに打ち寄せる波をいつまでも見ている。」

1188 :Track No.774:2021/08/21(土) 11:51:45.72 .net
「海に絵を描く」

大会前、色々ゴタゴタ続きで心配されたオリンピックも無事閉会式を迎え終わった。
東京五輪の新種目のサーフィン競技で五十嵐カノアは19年の世界チャンピオンである
イタロ・フェレイラ(ブラジル)に敗れ銀メダルになる。

台風8号の影響で荒れ狂う波。その波に苦戦し、うまく波に乗れず、競技中に
両手を広げて、何とも言えない表情を浮かべた。「チャンスがなかったのは本当に悔しい。
このスポーツは、そういうこともある」金メダルを強く意識してきただけに、
競技直後は負けを受け入れることが出来ず、しばらく海から上がることが出来なかった。

その後、波打ち際で正座し、海に深々と座礼する。「悔しかったけど、悔しい中でも
ありがたいと思って。海の神様にありがとうと言った。4年間の準備があった。ここまで、
よくやったなと自分でも思いました」競技が終わると空には虹がかかっていた。

ビーチに座り込み顔を覆うカノアの背中に滲む無念さがTVの画面からも感じ取れた。
東京五輪種目として、多くの注目を集めた中での快挙を達成したのだが、裏では熱戦に
水を差す残念なことが起こっていた。カノアは準決勝で世界ランク1位のガブリエウ・メジナ
(ブラジル)を大逆転で撃破した。採点に不満を抱いたブラジルのファンがカノアのSNSに

「決勝を盗まれた」「あなたは審判の助けがなければ何もできない」など心無いコメントを
書き込む事態に。決勝で同じブラジルのフェレイラが勝つと、今度は煽るコメントを書き込み
ブラジルからのコメントで埋め尽くされた。ブラジルファンの気持ちもわからぬではないが、
選手は一生懸命頑張った。採点はその結果だ。海のスポーツは風や波も読まなければならない。

自然の大きさの前に生かされていることを感じ海の神様に「感謝」する気持ち。波に恵まれなかったが、
自然に敬意を示す気持ち。これからサーファー人生を生きていくうえでも大切な姿勢だと思う。
そのような気持ちでサーフィンという波の状態など、自然を相手にするスポーツほど、
その時の気象条件に大きく左右される競技だからこそ大切な姿勢だと思うのだ。

1189 :Track No.774:2021/08/22(日) 19:59:57.32 .net
「あたいの夏休み」

ゴトン! 
ああ、新聞配達ね。配達員のタッタッタッという足音と共に、
キーホルダーだろうか、鈴のリンリンと言う音が重なる。時計を見る。

まだ早朝の4時。もうひと眠りと思い寝ようとするが、起きてしまった目は
中々言う事をきかない。軽い頭痛、無理やり閉じた瞼の下の眼でじんじんいっている。
暫くそのままにしていると、私は再び眠りに落ちた。

ピピピッという目覚ましの音で再び目を覚ました。鉛の様に重くなっている
腕をゆっくり上げ、目覚まし時計を止める。時刻は朝の6時半。
軽く伸びをして、起き上がり、カーテンを開けると、朝日が開ききっていない
私の目を開けさせた。― うん。いい天気だ。意識が起きてきた。

玄関へ行き、ドアの下に落ちている朝刊を取りに行く。
拾い上げると中に挟まれている広告紙をとり、ゴミ箱に。見出しには大きく
昨日のニュースで言っていた外国とのいざこざが取り上げられていた。
リビングに向かいリモコンでTVのスイッチを入れる。

NHK特集なのか1986年頃の人気絶頂期の避暑地、清里が映っていた。
人や車であふれかえった当時の清里駅周辺の光景。あの頃の自分の記憶が蘇って来た。
ちょうど付き合っていた彼と別れ、失恋し自暴自棄になっていた時期だった。
一人寂しく清里のユースホステルに泊まっていた自分。

テレビに映る清里は、追憶のバブル当時の高原のメルヘンチックな建物から
そこにあふれる賑やかな人々を映し出していた。当時の歩きながらソフトクリームを
頬張る若いカップルの姿など、懐かしい当時の光景。かっての自分は自分だけが

嬉しいと思えることが幸せだと思っていた。だから自分が幸せになることが全てだった。
どこかで人と比べている自分がいた。人と比べるから自分が辛くなる。根っこは同じなのに、
あいつらとは違うと思いたい自分がいた。そんなささやかな幸せの差に翻弄されていた自分。

そんな私も今ではすっかり考えが変わった。他人の幸せが自分の幸せにも繋がって
いるのだと思うようになっていた。

1190 :Track No.774:2021/08/24(火) 10:49:18.78 .net
「氷中花」

あれは結婚して3年目の夏。今でも光景が映像としてフラッシュバックする。
私が勤める会社にある男の子が入社してきた。顔立ちがパッと光っているわけでもなく、
妙に落ち着いた感じで、雰囲気がある男の子。社会人1年生とは思えないくらい、

大人社会に溶け込んでいる子だった。配属先は私と同じ営業。OJTってことで、
研修期間の3か月間、私が受け持つことになった。最初は正直、ちょっと変わった子だな
くらいにしか思わなかった。研修期間の3か月は特に何もなく無難に過ぎていった。

でも、その子は残業も嫌がらずに、接待にも一緒に行ったりして徐々に成長していった。
可愛い弟が出来たみたいで、私も大変だったけど楽しかった。そして研修期間が終わって
私の手が離れる日にお疲れさんってことで二人で飲んだ。このままお別れってのも寂しかったので

携帯のアドレス交換をした。「なんかあったらお姉さんに相談しなよ~」ぐらいの気持ちで。
その時は別に好きだとかそんな感情はなかった。彼が私の手を離れて2か月を過ぎた頃、
アドレスを交換した事を忘れかけていた頃に、彼からメールが届いた。

「やっと商談がまとまりました~!」って内容。どうやら私に最初に伝えたかったらしい。
「おめでとう。よく頑張ったね~!」って返した。彼が外回りから戻ってきた時にもう一度
おめでとうと言って「今夜、時間あいていたら、ご飯食べに行こうか!ご褒美おごってあげる!」
って軽い気持ちで言ったら「え!いいんですか?行きますよ~」って彼も乗って来た。

彼に対しての気持ちは全然なかったから、同僚と食事するくらいの気持ちで誘った。
その時に彼が別れた彼女の話を聞かせてくれた。彼女に好きな人が出来て彼の事を考えられなく
なった事、「要するにフラれたですよ」って彼は言った後、「でも僕には好きな人っていうか、
心に入り込んで来た人がいて彼女に悪いから、お互いの為には良かったのかもしれません」っていう。

ちょっとドキッとした。正直親近感みたいなものを感じていたし、帰り道で彼に告白された。
「好きです」と。ああ、彼の心に私が入り込んじゃっただってちよっと申し訳なくなった。
この日のやり取りのせいで彼の事を色々深く考えるようになってしまって、気が付いたら好きになってた。

それから2週間に一度くらい飲みに行くようになって、何回か二人で飲んだ帰り道に、彼に抱きしめられて
キスをして、「私も好きだよ」って言ってしまった後、初めてホテルで抱かれて。一度踏み外してしまうと
感覚がマヒしちゃうもんだなってその時は気づいていなかった。気づいたら2週間に一度のお酒と、
その後のホテルに行くのが定番化していた。浮気しているんだけど、頭の中では浮気という考えはなかった。

でも、旦那にバレたらマズいって事だけはわかっていたから携帯のメールは極力使わないようにしていた。
帰りが遅くなる日が極端に増えたわけではないが、旦那は気づいていた。ある日、彼と一緒にホテルから
出た所に車が止まってて中から旦那が出て来た。「え?何故?どうして??」私は凍り付いた。

1191 :Track No.774:2021/08/24(火) 12:57:10.33 .net
>>1190
最後の行
「私はその瞬間、その場で凍り付いた。」に訂正

1192 :Track No.774:2021/08/24(火) 13:17:38.64 .net
>>1191
「私はその瞬間、その場で一瞬で凍り付いてしまった。」に訂正

1193 :Track No.774:2021/08/26(木) 20:37:34.24 .net
「女なんてものに」

あいつが亡くなった...。
昔からの飲み仲間で二人でよく飲み歩いていた...。
酒の席であいつといつも言い争っていた。何かにつけ女はと言うあいつに
腹立てて言い争っていた。

そんなあいつが昨日亡くなった知らせを彼の友人から聞いた。
突然の知らせだった...。
あいつとは、大喧嘩して以来、暫く会っていなかった。

交通事故だと言う。バイクで走行中、対向車と衝突事故で帰らぬ人となった。
享年38歳。あいつはバイク歴22年のベテランだったが危機回避を
行うにはあまりにもスピードを出し過ぎていたと言う。
バイクは車と違い身を守るものが極端に少ないため、
衝突による転倒で簡単に命を失う。

あいつと大喧嘩する前、よく飲み歩いていた頃を思い出す...。
カランと音を立てて、グラスの氷が崩れる。
ハイボールが喉に流し込むあいつ。

さっきまで饒舌に話していたあいつも話題が尽きたようで、
「つまり、またフラれたんだな?」
「はっきり言わないで。まぁ、そうなんだけどさ」

そう言う事だった。随分と長く腐れ縁のあいつに、やけ酒を付き合ってもらっていた。
「あんたにはわかんないけどさ」「うるせーよ。だから女と飲むの嫌なんだよな」
「野郎と飲んでいる方が楽しいんだよ。所詮、女なんてものは・・・」とあいつは
言いかけてやめる。

「何よ、女がどうだって?、何でそこでやめるのよ。言いたいことあるならいいなよ」と私。
「女は打算的。打算的な心の働きを、恋愛感情と錯覚しているだけ」と言うあいつに対して
私は「は? そうかなぁ」とつれない返事で返す。

すかさずあいつは「それと、女心と秋の空。男からしたら女心は秋の空らしいけどな」
「なに、それ」なんだかあいつの話し方が面白くて、つい笑ってしまった。
お酒に酔っているのだろうかとぼんやり考えていた。

「おっ?やっと笑ってくれたな。やっぱりお前は笑っているのかいいよ。
ショボくれているとらしくないぜ!」とケラケラ笑いながら言うあいつ。

「別にずっと笑ってないわけじゃないからね。フラれてからの3日間でも、
笑うことあったし」と私。「俺は見てねぇんだよ。お前、一人で悩んで毎日泣いて
メソメソしているんじゃねーのか、どうなんだよ?」とあいつが誇った顔して言う。
「あれ?心配してくれてるの?嬉しいねぇ〜」と言う私。

「ハイハイ。絡んでないで不満なり、愚痴なり、ぶちまけなって。俺が聞き流してやるからよ」と
あいつが偉そうに言う。「そこは受け止めてほしかったな。そんなこと言うからあんた
モテないのだよ!」と怒って言う私に、あいつは「余計なお世話だっつーの!」

         ――――――――― もう、そんなあいつは帰ってこない...。

1194 :Track No.774:2021/08/26(木) 20:46:53.79 .net
>>1193
15行目「ハイボールを喉に流し込むあいつ。」に訂正
下から10行目「やっぱりお前は笑っているのがいいよ。・・・」に訂正

1195 :Track No.774:2021/08/27(金) 04:47:53.20 .net
>>1193
下から12行目「あいつの話し方が妙に面白くて、・・・」に訂正

1196 :Track No.774:2021/08/27(金) 09:05:56.32 .net
>>1193
下から2行目「モテないんだよ!」と怒って言う私に、・・・」に訂正

1197 :Track No.774:2021/08/29(日) 16:00:27.31 .net
「自画像」

会社の女子トイレに入っている時、パウダールームの方から
若い後輩たちの声が聞こえて来た。何やら噂話をしている。

「〇〇部長って、上の顔色ばかりうかがって、仕事もろくにしないのよね」
「そうそう、面倒なことはみんな、私たちに押し付けてくるのよ」
「本当に、いやだわ.........」
「そうね」と私の後輩の職場の仲良し3人組だった。

「それと〇〇さんの頑固さにはあきれるわ。もう、一緒に仕事するのは嫌!」
「本当にそう、やりにくいよね。あれじゃあ、ご主人も手を焼いていると、思うなぁ~」
「結構尻に敷かれていたりして......(笑)」3人の笑い声が聞こえる。

「ねぇ、みんな頑固というけど、あれで結構真面目なのよ」
「そういうあんたこそ、頑固じゃない」
「あら言ったわね! そう私も頑固者よ。私はちゃんと自覚しているの」
「そうね、あなたは自分を知っているわ。 ワハハハ」
「なによ、笑わないでよ~」職場の仲良し3人組が賑やかに笑っている。

「ねえ、それに〇〇先輩って、ちょっとデリカシーに欠けるわよね」
「そうね、あの人、エゴイストなのかもしれないわね」
「そうなの?」
「そうよ、分からないの。どう見たってデリカシーに欠けるエゴイストよ」

「そう無神経なのよ。女のくせにね。男みたいに無神経なのよ」
「だからエゴイストなの?」
「そうよ、男と会話してるみたい。和田アキ子みたいなのよ。ワハハハ」
「そう言えはそうね。オホホホ」
「デリカシーのない女ってやーね。ウフフフフ」
パウダールームいっぱいに3人のけたたましい笑い声が響く。

           −−−−−− 私のことだった ―――――――――
 
「ねえ、今朝、私、駅の階段でつんのめって、落ちそうになったの」
「あるある。怖いよねぇ」
「あ~、その靴みたいに、先のとがったエナメルのパンプスって、階段のすべり止めに
引っかかるんだよね」
「そうそう!」「気をつけなきゃねぇ」と言いながら職場の仲良し3人組は
パウダールームから出て行った。
 

1198 :Track No.774:2021/08/31(火) 11:09:16.99 .net
「蕎麦屋」

自分一人だけがいらないような気がしていた時、突然、お前から電話が来た。
「あのぅ、蕎麦でも食わないかあ」ってね。
別に今更、お前の顔見て、蕎麦など食っても仕方がないんだけど、
結局、付き合うことにした。

そんなあいつとの出会いは、近所のスーパーのレジで並んでいる時だった。

目の前には背の高い男性が。年齢は私と同じぐらい。
カゴにはトイレットペーパーやティッシュなど日用品がいっぱい入っている。
ありゃ、これは時間がかかりそうかなと思ったそんな時、

チャリン、チャリン。その男性が財布を広げた途端、小銭が何枚かこぼれ落ちた。
「あっ!」とその男性は慌てて小銭を拾い集める。私も一緒になって小銭を拾うのを手伝う。

「はい、どうぞ!」と私は拾った小銭を目の前の背の高いその男性に手渡す。
「ありがとうございます。俺って本当におっちょこちょいだからなぁ」と
男性が申し訳なさそうに言う。

私は会計を済ませた後、レジ付近の袋詰め用のサッカー台に移動して袋詰め。
そんな時、また、その男性と一緒になった。「お荷物、多いですね」と私。

「あ、はい。今年から一人暮らしなもので。今までは実家から送ってもらったものを
使っていたんですけど、早くも切れちゃって。初めてですよ、トイレットペーパーとか
買ったのは」とその男性が言う。私は「じゃあ、大学一年生?」「そうです」とその男性。

「実は私もなの」気が付いたらこんな感じで会話を交わす私がいた。すっごく不思議。
今までは絶対にそんなことは出来なかったのに。その男性の自然体というか、素朴で
全く飾らない雰囲気がそうさせたのか、今ではわからない。とにかくそれがあいつとの
最初の出会いだった。

1199 :Track No.774:2021/08/31(火) 15:10:37.70 .net
>>1198
13行目「男性は照れた顔で申し訳なさそうに言う」に修正

1200 :Track No.774:2021/09/02(木) 09:56:49.04 .net
「女という商売」

午後五時半を過ぎると、ややきつめに香水を振り、髪を整えてから自宅
マンションを出る。バックには財布やカード類を入れて仕舞い込み、マンション
近辺のタクシー乗り場でタクシーを拾う。

そして店の名前を告げ、深呼吸して後部座席に座る。街の目抜き通りに着くと、
ネオンが輝いている。通常通りの出勤。従業員専用口から入っていく。

あたしも店のロッカールームで上下ともドレスに着替え、仲間とおしゃべりしながら
開店時間まで待つ。さすがに接客は大変だ。こういった仕事自体、偏見で見られがち
なのだが、あたしたちホステスはしっかりしている。プライドがあるのだ。

お客様を丁寧にもてなすれっきとしたサービス業という誇りがある。
お客様に対して色んなおべっかを使う。多少嫌な相手でも嫌な顔を見せずに
失礼のないように接するように常に心がけている。

「ナオミちゃん、ナナコちゃん、テーブルに回って頂戴。お客様がお待ちだから」
と私たちホステスが店のママに呼ばれる。「はい!」「はーい!」と私たち。

ナナコとはお互いにナンバーワンを競い合う間柄だ。あたしの方が固定客は多い。
ナナコは二十代後半だったが、三十代前半のあたしも負けられない。気合が入る。

今夜も店内に静かなムードミュージックが流れ、大量のお酒やフルーツ、
おつまみなどで、お客様に欲望を売る。ここは銀座のような大都会ではないのだが、
ここのママは、昔、銀座にいて、ホステスの経験がある。

そこで貯めたお金でこの街で自分のお店を立ち上げたと言う話をママから聞いた。
ウイスキーの原酒をミネラルウォーターでハーフに割り、氷を浮かべてマドラーで掻き混ぜ差し出す。

「ナオミちゃん、今夜もいいね。相変わらず色っぽいし。今夜のドレスも似合っているよ。
ムードもばっちりだ」と店の常連客のお客様がそう言ってあたしの横に座りながら、喋りかけてくる。

常連なので名前と顔を覚えている。いつも私を指名してくるお客様だ。
「ありがとうございます。水割りお作りいたしますわ」
今夜もこんな感じで始まった。

コロナ禍になってからというもの、このお仕事の行く末が心配になっている。

1201 :Track No.774:2021/09/03(金) 15:14:43.10 .net
「金魚」

夏祭り。夜店の並ぶ道。神社までの通り道。浴衣に袖を通して、髪に髪留めをして
あんまりしない薄いピンクの口紅して、旅の途中で知り合った、旅暮らしの彼と
いっぱい寄り道しながら祭りの屋台のあいだを歩いていた。この街の夏祭りは
初めてだと言う。私が祭りに誘ったのだった。

道は混んでいた。行き交う人、人、人...。夜店で狭い通路をひしめき合いながら歩く。
並んで歩くなんて無理だから、すぐ後ろを付いていたけど、なんだかはぐれてしまいそう。
必死で彼の背を追う。そんな時、「ほら」目を合わさないまま振り返って出された片手。
手を取ると素っ気ない振りをして私を気にかけてくれる彼。

輪投げ屋や焼きそば屋の前には大勢の人だかりができていた。
私の視界の左端に一つの屋台が目に入った。その屋台は『金魚すくい』
なんとなく懐かしかった。

私が小さい頃からある馴染の、綿あめ、りんご飴、お面とか焼きそば、フランクフルト、
くじ引き、玩具、かき氷...。それら今も昔と何ら変わらない夜店の屋台。
その中でも金魚すくいは楽しかった思い出がある。

「・・・どうした?」と彼。どうやら私は金魚すくいの屋台を見つめたまま動かなっていた。
そんな私を見て彼が言う。「やりたいのか? 金魚すくい」「いや、私見ているからやってみて」

目の前ではちょうど、下駄をはき、品のよさそうな浴衣を着た若い女性が和やかな表情を
浮かべたまま、膝を抱えて静かに金魚すくいをしていた。

彼が「俺、こう見えても、金魚すくい得意なんだぜ!、見ていてくれ!」と金魚屋に網をもらい
金魚すくいを始めた。彼は網をふるい、金魚取ろうと横から拾い上げるようにすくう。水に濡らす
面積を小さくしながら金魚をすくおうとするのだけど、中々上手くいかない。一つの網が破れ、
次の網が破れ、いくら経っても金魚がすくえない。隣の品の良い女性の方が上手くすくっている。

そうして暫く金魚すくいを続けていたが、一向に金魚はすくえなかった。金魚すくいを続ける彼。
この網もダメだ。敗れた網を手に溜息ついている。

1匹も救えなかったね。本当に要領が悪いんだから・・・
「浮いてきたところをすくわなきゃ ほら、シャツの袖が水浸し」
でも、表情は笑っている。

     ――――――――― でも、嬉しいみたい すくえなかったことが  

1202 :Track No.774:2021/09/04(土) 06:46:11.65 .net
>>1201
17行目「目の前ではちょうど、賑やかな子供たちが燥ぐ中、下駄をはき、・・・」に修正

1203 :Track No.774:2021/09/04(土) 06:54:12.62 .net
>>1201
1行目「髪に髪飾りをして」に修正

1204 :Track No.774:2021/09/04(土) 15:29:33.25 .net
「あのさよならにさよならを」

私が学生の頃、大好きな人がいました...。
好きで... 好きで...好きで...。17歳から、22歳までの5年間。
彼の事だけを考えていました...。

でも、大学卒業後、上手く就職できなかった彼。フリーターというより、
ほぼニートの様になってしまって、生活も自堕落になっていきました。

私はそれでも、彼の事が大好きで、好きで好きで仕方ありませんでした。
初めての恋、初めてのキス、初めての・・・すべての初めてを彼に捧げました。
彼も私を愛してくれていたと思います。でも、付き合いが長くなるにつれて、
彼は私を当たり前の存在として、大切にしなくなりました。

私の親友にその話をすると、付き合うのを止められました。
「人に心配をかけるような恋なら、しない方がいいわ」と言われました。
大好きだけど、愛しているけど、一緒にいても、お互いの為にならない。

色々悩んだ末、別れようとついに決心し、それで私は彼に「さよなら」を言いました。
涙が止まりませんでした。

あれから十数年が経ちました。先日、駅で偶然にも彼と再会したんです。
運命かと思いました。「今どうしているの? あの時は・・・ など、
ぽつりぽつりと思い出を語り合いました。

彼が「あの時は、僕が悪かった。愛していることは本当だから・・・」と
泣きそうになりながら語ってくれました。

もう彼には、奥さんも、子供もいるそうです。もう、あの時の私たちには戻れない。
私の幼かった恋。一番綺麗だった頃の私をきっと全部捧げた人。思い出もすべて...。
結ばれることのなかった恋。色々悩んだ末、決断した別れ、「さよなら」

そんなあの日の
−−− あの思い出にも、さよならを あの時の「さよなら」にさよならを .........


−−− 

1205 :Track No.774:2021/09/04(土) 15:36:33.67 .net
>>1204
下から3行目「決断したあの時の別れ、「さよなら」」に訂正

1206 :Track No.774:2021/09/04(土) 15:40:19.32 .net
>>1204
末尾
「あの時の あの「さよなら」にさよならを ―――――――――」に訂正

1207 :Track No.774:2021/09/06(月) 06:56:46.70 .net
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1208 :Track No.774:2021/09/06(月) 06:56:54.12 .net
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1210 :Track No.774:2021/09/07(火) 11:00:16.03 .net
https://www.youtube.com/watch?v=YDSCga4zC0U

1211 :Track No.774:2021/09/10(金) 14:21:52.96 .net
>>1207
この画像を誰か消してくれないか

1212 :Track No.774:2021/09/14(火) 13:55:12.71 .net
「オリエンタルボイス」

「いらっしゃ~い」 しがないサラリーマンでしかない俺は、
今日もいつものように居酒屋に来ていた。就職してから、会社に行く日は
いつも仕事帰りにこの店に通っている。

もうここに通うのも彼此3年目になろうとしていた。
その頃になると店員さんも、俺の顔を覚えていてくれて、注文しなくても
席まで運んできてくれるという状態だった。

俺はこの日も、いつものカウンターの奥の席に座っていた。
「はい、生ビール大ジョッキと枝豆、裂きイカ、お待たせしました。
ごゆっくり下さいませ」「ありがとう」俺はいつもと同じように礼を言う。

俺は冷たい生ビールが喉に染みる。ビールは味わうものではなく
喉ごしを楽しむものだなとしみじみと満足に浸り喜びを味わって一人悦に入り、
店の中をぐるりと見回した。結構人が入っているな。向かいの席では
外国人のゲイなのか、日本人のオカマなのか、分からないがそれ風の二人の会話が聞こえてくる。

外国人の厳ついゲイ風の男は長く日本で暮らしているらしく日本語に堪能で流暢に話していた。
「日本の田舎に行くと子供が凄い見てくるよね。マクドナルドでハンバーカーを食っていた時よ。
小学生ぐらいの子が、俺のテーブルの周りをクルクル回って物珍しい珍獣でも見たように
見てくるんだよ。近くまで来てじっと見てくるんだよ。俺あまりみられるので、日本語しゃべるけど

"Don`t Stare at me!"と、つい口が出ちゃった。そしたらその子が指さて言う「ママぁ〜、見て! 
外人がなんか言った!」「ほんまやなぁ〜」とその親が言うよる。なにがほんまなやねん(笑)ワハハハ」
「あははは、笑っちゃうけど、でもね、そんなこと言うあんた!あら、私だって、昔、フランスの

ド田舎の元彼の家に遊びに言った時、地元のスーパーで買い物していたら、地元の子供たちが、
後ろからぞろぞろとついて来て、ハーメルンの笛吹き男状態になった事、あんたの話を聞いて、
思い出したわよ。どこの国も一緒よ。東京はそんなことはないけど、特に田舎に行けば行くほど、

ド田舎に行けばどこの国も一緒よ。私なんか中国人に間違われるし、女装して歩いていたら
オリエンタルビューティーって言われたし、フランス人の元彼には君はオリエンタルヴォイスだね。
魅力的な声をしている。なんて美しく魅力的な声なんだって。今となっては笑っちゃうけど」
        ――――――――― そんな微笑ましい会話が聞こえてくる居酒屋







"

1213 :Track No.774:2021/09/14(火) 14:05:38.58 .net
>>1212
タイトル「オリエンタル・ヴォイス」に修正

1214 :Track No.774:2021/09/14(火) 14:19:24.55 .net
>>1212
10行目「俺は」消去。

1215 :Track No.774:2021/09/14(火) 16:48:31.94 .net
>>1212
下から10行目「そしたらその子が指さして言うんだよ。その親に「ママぁ〜、・・・」」訂正

1216 :Track No.774:2021/09/14(火) 21:05:45.28 .net
>>1212
下から9行目「何がほんまやねん(笑)ワハハハ」に訂正

1217 :Track No.774:2021/09/15(水) 08:04:20.53 .net
>>1212
下から7行目「遊びに行った時、・・・」に訂正

1218 :Track No.774:2021/09/15(水) 12:06:57.00 .net
「夜曲」

音がした。毎日、毎朝、聞いていた音にとても似ていた。" チャリーン!"
それはつい半年前まで、付き合っていた彼が腰につけていたキーチェンの音だった。

思わず振り返って姿を探す。人が行き交う交差点。一瞬だけ聞こえた音を
頼りに特定の人を見つけるのは不可能に近い。そう考えて私は自嘲する。
私は一体何を考えているんだと.........。

「どうしたの?」と前を歩く同僚が心配そうに声を掛ける。
私は首を振って「何でもない」と同僚に告げる。

「あんまり交差点で、ボーっとしていると危ないよ?」「ちょっと靴擦れが、痛かったんだよ」
「今日も散々歩いたからね・・・ 大丈夫?」同僚は私の足を気遣い、歩くスピードを落とした。
「もう、大丈夫、大丈夫。さあ、早く行こう。お腹すいちゃった」とわざとらしくそう言って私は
歩幅を大きくした。不意に思い出した懐かしさを振り払うように近くのレストランで食事後、
営業先から会社へ帰り、一通りの仕事をこなした後、残業もせず早めに帰宅した。

帰宅後、入浴。シャワーを浴びた後、胸をバスタオルで包み。狭い浴室を出ると、
冷蔵庫をのぞき込む、奥の方に缶ビール黒ラベル、エビス缶がまだあった。
立ったままエビス缶を開け、一口あおった。喉ごしがいい爽快な気分に浸る。

あのうだるような日中の暑さ、寝苦しい夜はすっかり消え、夏の終わりを感じる夕方。
日没後のオレンジ色に染まった夕暮れ。物思いにふける.........。

彼は自由奔放な性格だった。自分の気持ちに素直で、よく言えば真っ直ぐな人と言えなくも
ないが、彼を知る友人は口々に彼を子供だと言った。半年前、突然、思い立ったように、
旅に出ると言い出した。今にして思えば、彼にしてはごく自然な事だったのかもしれない。

元々、出会った頃から、写真が好きで、カメラマンになりたいと言っていた彼。
大学を出ると迷う事も無く写真家への道へ進んだ。自由気ままな彼が誰かの下について腕を
磨くなんて地道な事が出来るのかどうか心配だった。好きな事に対してはストイックな
ほど打ち込む性格の彼は意外と楽しんでいるようだった。私もその姿に安心していた。

その三年後に、突然、私の目の前から消えるなんて事。その当時は思いもしなかった。
「俺、そろそろ自分の写真を撮ろうと思うんだ」いつものデートの後、決まって訪れた彼の
お気に入りのラーメン屋で、いつもと同じメニューを食べた後、彼はまるでちょっと
そこまで、といった感じで言った。それが今から半年前のことだった。

「俺、ちょっと旅に出ようと思っている」「は?」突然、思いもよらぬ彼の言葉に私は戸惑った。
「ちょ、ちょっと待ってよ。何で急に・・・てか、仕事は?」「うん、師匠にはOKをもらった。
好きなようにやってみろってさ」心底嬉しそうに笑って語ったその顔が私の記憶にある
彼の最後の笑顔だった。

1219 :Track No.774:2021/09/16(木) 22:40:35.28 .net
「あたし時々おもうの」

1969年、戦後日本の歴史の中で社会運動が特に盛んだった時期だった。

その中でも学生運動は大きな存在感を持っていた。そんな学生運動の嵐が
吹き荒れていた5月13日、三島由紀夫は東大大学駒場キャンパス900番教室に
立っていた。戦後の日本を代表する作家。そして保守言論人として活動していた

時代の寵児を招いたのは当時、大学を占拠していた東大全共闘。左翼学生の
総本山ともいえる団体だった。三島由紀夫VS東大全共闘。右と左、保守と革新−−−。

政治的に真っ向から対立する両者。約1000人の聴衆を前に公開討論会で
対峙していた。そんな当時のドキュメンタリー記録映像が何気なくリモコンで
チャンネルを変えたテレビで流れていた。

その後の映像では、その頃の新宿駅西口のフォークゲリラの光景が映し出されていた。
反戦的フォークソングなどを歌い新宿西口の地下広場を約三千人から一万人規模に拡大し
人、人、人で埋め尽くされていた。あの頃の俺はフォークソングという歌に出会い。
フォークソングの良さを知ることになる。

その後、72年に日比谷野外音楽堂で行われた全国フォーク音楽祭全国大会に
出場した一人の女性の歌を聴くことになる。まだ初々しい彼女の声が印象に残った。

それから3年が過ぎた。晩秋の空が美しい1975年、そんな秋の深まりを見せる頃。
4店舗目となるロフトのオープンに向け、気ぜわしい日々を送っていた店主のオヤジは
時折、空を見上げては「何かいいことが起こりそうな気がする」とひとり呟いていた。

その年の12月に開店した下北沢ロフトは当時としては珍しい地下物件だった。
当時はロックな若者や業界人が参加してロフトが下北沢の人の流れを変えたと言われてもいた。
店主のオヤジは今日は観客が10人とか20人。その程度だとタカをくくっていた。

当日、店主のオヤジの元に店員から電話が入った。「200人近くが店の前に並んでいます! 
とても入りきりません!」と慌てまくっていた。

店主のオヤジと共に俺はすくに駆け付け、店内のテーブルやイスを移動したり、会場づくりに
慌てて取り組んでいた。

俺は店主のオヤジと共に3年前に日比谷野外音楽堂で見たあの彼女を手の届く
ような距離で見ることになる。
               ――――――――― 登場人物の俺はフィクションである

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