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興行収入を見守るスレ5723

1 :名無シネマさん:2022/10/25(火) 17:30:02.06 ID:B7WlvUyC0.net
!extend:checked:vvvvvv:1000:512
!extend:checked:vvvvvv:1000:512
このスレは映画が日本で売れたか売れないか、だけ
作品、人等について語りたい方は関連スレで。実況は実況板で。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
煽り目的の表や同じコピペを繰り返すのはスレの容量を重くする荒らしです。スルー推奨
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海外興行収入、円盤売上は原則禁止。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
>>900を踏んだ人が宣言した上で、>>950までに次スレを立てること、無理な場合は速やかに他の人に頼むこと
>>950を超えて次スレが立たないなら速やかに減速する
スレの流れが速い場合は、確実に立てられる人間が宣言をして900以前にスレ立てをしても可

関連リンク
・MovieWalker(月) http://movie.walkerplus.com/ranking/japan/
・興行通信社(月) http://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/
・eiga.com(月) http://eiga.com/ranking/jp
・MOJO http://www.boxofficemojo.com/intl/japan/
・THR.com http://www.hollywoodreporter.com/topic/asia-movies-film-reviews
・THE NUMBERS http://www.the-numbers.com
・文化通信速報 http://www.bunkatsushin.com/news/list.aspx?nc=1
・社団法人日本映画製作者連盟 http://www.eiren.org/toukei/index.html
・週間動員ランキング http://www.kogyotsushin.com/archives/weekly/
・Korean Film Council https://www.kobis.or.kr/

※前スレ
興行収入を見守るスレ5722
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1666619728/
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvvv:1000:512:: EXT was configured

728 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:43:59.43 ID:5TEczSfJ0.net
アリス「アハハハハハハッ☆」

729 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:44:16.11 ID:5TEczSfJ0.net
主催・シナリオ 蓮奈理緒
サポート・セリフ入力 リーブス
シナリオサポート ピカ
動画編集 あんあん

730 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:44:21.74 ID:7VW8L2D60.net
結局は特典なしで100億は余裕でいくジブリが最強ということで

731 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:44:26.40 ID:5TEczSfJ0.net
【声優】

魔理沙 宇月幸成
アリス・大妖精 ひなせはるか
霊夢 れう
咲夜 幸村理桜(だんだん組)

小悪魔・ミスティア 柚子湯
パチュリー・萃香・チルノ やみん
紅美鈴・幽香・レミリア 誠田
お空・ルーミア なでこ(絵師兼用)

732 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:44:32.08 ID:PZdq8oGUd.net
>>687
鬼滅の特典が多すぎて奈良発狂w

733 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:44:42.52 ID:5TEczSfJ0.net
大先輩「そうだよ」

木村「い、いやそんな事・・・」

大先輩「見たけりゃ見せてやるよ」

野獣「なんだよ@★△※」

木村「や、やめて・・・やめてよ」

野獣「ほら口開けろ口」

大先輩「嬉しいダルルォ!?ホルァ!」

野獣「ホラホラホラホラ」

木村「やめてくれよ・・・」

大先輩「オラ!オイ!」

野獣「ホラホラホラホラ」

木村「やめてよ・・・」

734 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:44:54.89 ID:GG8YyDald.net
特典あろうが無かろうが天気とREDならREDの方が普通に勝ってる
たった40億その辺しか離れてない以上それは単純な作品のクオリティの差の問題だよ
どうせ馬鹿にしまくってたワンピースに背中刺されて絶賛発狂中って所なんだろうが

735 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:44:58.93 ID:5TEczSfJ0.net
【絵師】
ちぃこ

霧野蒼也
風瑛なづき
えるくing(花梨ちゃん)

みちいゆうき
あずまたけし
横山イマ
松下ゆう
ぷりん

736 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:45:05.45 ID:39x0W3Cua.net
今更気づいたがやっぱ福岡が荒らしてるのか
同じIDで荒らしてる

737 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:45:15.21 ID:YXqTVVetr.net
>>697
よっ特典王煉獄おめでとう

738 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:45:17.19 ID:5TEczSfJ0.net

あちこ
shiren
さくらゆづな。
kyou

べにしゃけ
さといも屋
SHO
乃菜香
やとみ

739 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:46:00.59 ID:YXqTVVetr.net
>>670
特典じゃないものまで特典にする馬鹿発見

740 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:46:02.89 ID:5TEczSfJ0.net
なでこ(声優兼用)
七瀬尚
森蔵
水咲睡蓮
ヤホー

741 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:46:14.73 ID:5TEczSfJ0.net
【音楽(恋色屋メンバー)】

a0「ヤン・メイリンだっけ?」
(原曲「明治十七年の上海アリス」)
再調整の人「ほのぼの神社」
(原曲「ニ色蓮花蝶」)
raytona「ほのぼのヴワル」
(原曲「ヴワル魔法図書館」)
夕凪晴喜「星霜」
(原曲「魔女達の舞踏会」)

742 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:46:25.00 ID:5TEczSfJ0.net
水月やまと「東の国の賑やかな街」
(原曲「東の国の眠らない夜」)
「霊知の戦闘曲」
(原曲「霊知の太陽信仰」)
Ottiki「Splendid Honorable」
(原曲「月時計 〜 ルナ・ダイアル」)
シミタカ「BREAKING THE COOKIET」
(原曲「人形裁判」)
瑞鶴P「Eastern Dreams, Ephemeral Dreams」
(原曲(「紅楼」)

743 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:46:33.99 ID:5TEczSfJ0.net
【スペシャル・サンクス】

六号機
恋色屋
だんだん組(団長)
エーヴァージョンスタジオ(収録スタジオ)
PIGSTY(収録スタジオ)

744 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:46:40.19 ID:39x0W3Cua.net
奈良婆は雀がワンピ越えられないから焦ってる

745 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:46:42.29 ID:5TEczSfJ0.net
そして、視聴して頂いた皆様!

746 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:46:53.39 ID:5TEczSfJ0.net
美鈴「グーグー。ギャーー!」

咲夜「寝てるな!」

美鈴「ごめんなさいー」

咲夜「どーして寝てるのかしら?」

美鈴「ごーめーんーなーさーいー」

咲夜「門番の仕事をちゃんとやりなさい」

美鈴「はい!がんばります!!」

咲夜「これからがんばってくれるのね?」

美鈴「はい!」

咲夜「じゃあ、がんばってくれるんなら、」

美鈴「はぐっ……」

咲夜「プレゼント」

747 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:47:00.48 ID:wea97CTQd.net
基地外タイム
https://i.imgur.com/4svFUhD.jpg

748 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:47:02.94 ID:5TEczSfJ0.net
美鈴「……おいしい」

咲夜「そう、よかった☆」

美鈴「咲夜さん、すみません」

咲夜「なに?あっ……」

美鈴「お返しです」

咲夜「うん、ありがとう」

749 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:47:03.96 ID:PZdq8oGUd.net
>>714
それなのにワンピより特典多いの笑っちまう

750 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:47:35.24 ID:39x0W3Cua.net
スズメが180億いくにはアバターの時までに100億は余裕で突破してないと無理
つまりわずか1か月

751 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:47:49.65 ID:+5l7Te0A0.net
>>723
僕はレフリーだよ
今夜の試合内容は特典王決定戦鬼滅対ワンピ
鬼滅サイド集団ひとり対ワンピサイド奈良
詳細明記出来た奈良の判定勝ち

752 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:48:28.53 ID:5TEczSfJ0.net
銃声と悲鳴が遠くで聞こえる。まるで悪夢だ。

 僕は怖くて布団の中に潜り、暗闇の中で身体を丸め、両手で両耳を塞ぐ。

 現実から逃げる様に身体が震え出し、必死に首を横に振る。



 何が起きてるんだ。

 僕は殺されるのか?

 嫌だ。死にたくない。



 拉致された時の記憶が過り、激しい頭痛がして呻る。

 学校の帰宅途中、突然背後から何者かに薬で眠らされ、気付いたら監禁室に閉じ込められていた。

 ロクな物を食べておらず、何日も風呂に入らず、着替えもしていない。

 僕の身体は細くなり、すっかり痩せ細った。鏡がないのでわからないけど、鏡で今の僕を見たら別人に見えるだろう。

 髪はボサボサで艶がない。髪が痒くて、髪を触っただけでフケがつき、髪が何本も抜ける。

 枕には僕の毛髪が何本も抜け落ちている。布団や布団のシーツにも。

 服は皺だらけで汗で黄ばみ、服から変な匂いがする。僕が拉致されたままの格好だ。

 下着も着替えてないので気持ち悪い。歯磨きもしてないので、口の中が変で臭い。

753 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:48:53.00 ID:39x0W3Cua.net
もっと言うと君縄28日100億を超えないと180億は厳しい
1月の3連休後は秋作品はガクッと落ちる

754 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:48:59.31 ID:l8dKCNVn0.net
>>734
また寝ぼけてんのか┐(´д`)┌ヤレヤレ
特典数1000万でその内コミックやらカードセット、フィギアまで配っといて何言ってんだか?

因みに特典数1000万は134億相当だからな

ワンピは100億前後が妥当だろ

755 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:49:04.47 ID:TXnvk0Xda.net
天気で特典つけたのにすずめで出さないという根拠は

756 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:50:22.14 ID:PZdq8oGUd.net
煉獄のバースデーカードほぼゴミになったな
そのあとの宴もガラガラだったし

757 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:50:36.44 ID:+5l7Te0A0.net
今夜のチャンピオンは奈良だな
僕はジム行くからひとりで頑張れ集団ひとり

758 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:50:39.18 ID:weyVZWwWa.net
パンフレットは買いません
もし買ったら三年で千冊に
なるから

759 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:50:39.58 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は精神的にも体力的にも限界だった。

 このまま助からなければ、僕は栄養失調で死ぬかもしれない。

 僕は何のために拉致されたんだろう。

 僕を拉致した奴らは何者なんだ?



 今日で拉致されて何日が経ったのだろう。

 早く家に帰りたい。

 家に帰って風呂に入りたい。新しい服に着替えて、美味しい物を食べて、歯磨きして、ベッドで眠りたい。

 ……父上、助けてください。

 麻里亜、どうしているのかな

 麻里亜は、僕が幼い頃に病で死んだ母親代わりの使用人である。

760 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:50:52.83 ID:GG8YyDald.net
>>754
一般的な感性で好感の持てるキャラがいない天気がREDに勝つのは無理
特典の問題では無い

761 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:50:58.76 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は布団のシーツを握り締め、布団の中で泣いていた。

 その時、僕が閉じ込められている監禁室の鉄扉が嫌な音を立てて内側に開く音が聞こえた。

 まるで悪夢から解放されるかのように。

 父上?

 僕はまさかと思い、布団のシーツから顔を出し、開いた鉄扉を窺う。

 でも、監禁室の鉄扉の前には誰もいない。

 虚しく布団の埃が舞っているだけだった。



 誰もいない?

 さっきの銃声と悲鳴、あれは夢だったのだろうか。

 そんな錯覚さえある。

 きっと食事の時間なんだろう。僕は変に納得させる。

 僕は布団から身体を出して、ベッドに座り、食事が運ばれて来るのを待つ。

 素足が冷たいコンクリートの床に触れて、僕は身震いする。

762 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:51:08.41 ID:5TEczSfJ0.net
 その時、開いた監禁室の鉄扉の前で見張りの男が呻り倒れた。

 監禁室の鉄扉越しにうつ伏せに倒れた男の上半身。

 男はウェーブがかった長髪で、左耳にピアス。

 男の恰好は汚れた白いシャツを着て、男の太い腕には不気味な髑髏の入れ墨が彫られている。

 男はこちらに顔を向け、充血した眼を見開き、口から血を吐いて、喉元にはナイフが突き刺さっている。



「ひっ」

 僕は思わず声を漏らし、瞼を閉じる。冷たい床に触れないように両足を上げて。

 やっぱり、夢じゃない。僕は両耳に両手を当てて首を横に振る。

 両耳に当てた両手をそっと離す、それにしても静かだ。

 なんか変だ。助かったの、か?

 寒くて身体を両手で擦る。そうだ、逃げないと……逃げて、誰かに助けを求めないと。

 僕はベットからおもむろに立ち上がり、監禁室の鉄扉に向かって歩く。

 でも、僕の身体は衰弱しきっており、足がもつれて倒れてしまう。

763 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:51:19.36 ID:5TEczSfJ0.net
 情けない。こんなんじゃ逃げられるわけないだろ。

 僕は悔しくて拳を握り締め、顔を上げると、目の前に倒れた男の手に握られたオートマチック銃。

 この男が、いつも僕の食事を運んで来た。その度に、この男は僕に暴力を振るった。

 自分の瞼が腫れているのがわかる。こいつのせいで。



「許さないっ、許さない……」 

 僕は吐き捨てる様に呟く。歯を食いしばって。

 武器がいる。お前の武器がいるんだ。僕は死にたくない。

 床を必死に這い、男の手に握られたオートマチック銃を奪い、片足を突いて立ち上がる。

 オートマチック銃を握り締め、男の死体の脇腹に精一杯一蹴り入れてやった。

 男の死体に唾を吐くか、銃弾をぶち込もうと思ったが、馬鹿らしくなって止めた。

764 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:51:27.45 ID:39x0W3Cua.net
>>760
ww

765 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:51:37.41 ID:5TEczSfJ0.net
 気が済んだ僕は、男の死体を遠慮なく跨る。

 久しぶりに足に力を入れたので爪先が痺れた。

 僕はよろけながらも監禁室を出る。

 冷たいコンクリートの壁伝いに、ゆっくりと掌を当てながら進んでゆく。

 裸足でコンクリートの床を歩く。足の裏が冷たかった。

 手に力が入らず、オートマチック銃を握る手が震えている。

 そういえば、監禁室を出たのは何日ぶりだろう。僕が拉致されて以来か。



 僕は静まり返った地下の薄暗い廊下を、コンクリートの壁伝いにオートマチック銃を構えて進む。

 生きる希望を捨てずに、一歩ずつ歩を進める。

 空気が澱み変な匂いがする。それとも、僕のパジャマの匂いだろうか。

 蛍光灯が切れかかっているのが気になり、僕は見上げる。

 眼がちかちかして、蛍光灯の光を顔の前で手で遮り、薄暗い廊下に顔を戻し、両手でオートマチック銃を握り締める。

 監禁室は他にも何室かあり、監禁室の鉄扉を横切る。

 どうやら、地下の警備は手薄で、あの倒れた男しかいないようだ。

 数メートル先に階段が見える。出口かな。
 出口を見て、緊張感が和らぐ。手に汗を掻いている。

766 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:51:50.94 ID:5TEczSfJ0.net
「武器を捨ててください」

 その時、背後で冷たい女の声がした。



 僕は驚いて心臓が口から飛び出しそうだった。

 しまった、仲間がいたか。気配を消していたのか?

 ここで逆らえば、僕は殺されるかもしれない。

 下手すれば、また監禁室に閉じ込められる。

 僕は屈み込んで、女に従い床にオートマチック銃を置いて立ち上がる。

 僕の鼓動が一気に高まる。



「銃を蹴ってください」

 僕の背後の女が、冷たい声で促す。



 僕は生唾を飲み込み、喉を鳴らす。

 言われた通り、手を上げながらオートマチック銃を向こうに蹴った。

 もうダメだ。僕は手を上げたまま絶望に駆られ、諦めて瞼を閉じる。

767 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:12.18 ID:5TEczSfJ0.net
「銃を蹴ってください」

 僕の背後の女が、冷たい声で促す。


 僕は緊張で生唾を飲み込み、喉を鳴らす。

 女に言われた通り、手を上げながらオートマチック銃を向こうに蹴った。

 蹴ったオートマチック銃はコンクリートの床を滑り、やがて壁に当たって止まる。

 もうダメだ。僕は手を上げたまま絶望に駆られ、諦めて瞼を閉じる。

 頭の中で一六年という短い人生の出来事が走馬灯の様に流れる。

 悔しくて涙が滲んだ。溢れた涙が頬を伝う。



「ジン様、安心してください。麻里亜が助けに来ました」

 僕の背後で女の冷たい声が背中に突き刺さる。



 僕はその声で我に返り、瞼を開け、思わず背後の女に振り返る。

 麻里亜だ。麻里亜が僕を助けに来てくれたんだ!

 僕は麻里亜の顔を見上げる。

 麻里亜は薄青いストレートヘア、眼が紅く、黒いワンピースを着て、黒いニーソックス、黒いブーツを履いている。

768 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:14.14 ID:l8dKCNVn0.net
デイリー上映25分前販売数合計ランキング(19時中間集計):20210202
順位 販売数 座席数 回数 館数 先週比 映画(作品名)
*1 20376 244929 1105 255 ****** 花束みたいな恋をした
*2 *9157 173999 1139 262 *92.7% 鬼滅の刃 無限列車編

公開から三か月半経過の鬼滅

ワンピ信者は座席がどうのこうの訳の分からんこと言ってるけど
座席同じで公開日が鬼滅の方が経ってるのにこの差
レベルが違うって気づいた方がいい( ̄д ̄)

769 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:34.57 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜は全身黒ずくめで、冷たい眼で僕を見下ろす。



 僕と麻里亜の視線が合う。

「麻里亜ぁ……怖かった。怖かったよぉ」

 僕は子供の様に嗚咽し、滲んだ涙を手の甲で拭う。

 僕は堪らなく麻里亜に抱き付き、麻里亜のワンピースのスカートを握り締めた。



「どうかしましたか? ジン様」

 麻里亜の声が降って、僕は麻里亜を見上げる。

 麻里亜は無表情で不思議そうに首を傾げ、子供をあやすように僕の頭を撫でてくれた。

 数秒後、麻里亜は屈み込んで、僕を優しく抱き締めて僕の頭を何度も撫でる。



 麻里亜は僕からそっと離れ、僕の両肩に手を置き、僕の顔を見る。

「ジン様、ご心配お掛けしました。ジン様は酷く衰弱しきっています。さぁ、ここから逃げましょう」

 麻里亜が安心させるように僕の頭を撫でる。

770 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:53.65 ID:5TEczSfJ0.net
麻里亜は、僕の母さんなんだ。
 麻里亜は、病気で死んだ母さんの代わりなんだ。

 麻里亜は不器用だけど、一生懸命に僕の母さんになろうとしてくれてる。

 僕も麻里亜に応えないと。



「うん」

 僕は泣きながら頷いた。



 麻里亜は僕の肩から手を離し、麻里亜はくるっと背中を向ける。

「ジン様、ワタシの背中に乗ってください」



 僕は黙って麻里亜の背中に身体を預ける。

「ごめん、麻里亜……」

 僕は泣きながら麻里亜の背中に顔を埋めて呟いた。



「何故、謝るのですか?」

 麻里亜の不思議そうな声が降る。

771 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:05.63 ID:5TEczSfJ0.net
「だって、父上や麻里亜に迷惑掛けてしまったから。その、ごめん……」

 僕は麻里亜の背中に顔を埋めたまま。



「気にしないでください。ジン様のためなら、ワタシは命を懸けてジン様を守ります」

 麻里亜がおもむろに立ち上がる。



 僕はしっかりと麻里亜の背中に身体を預ける。

「僕が大きくなったら、麻里亜を守るから。父上も守る」

 僕は意を決して、麻里亜の背中に顔を埋めたまま拳を握り締める。



 麻里亜が踵を返して、階段に向かう。

 麻里亜のブーツの靴音がリズミカルに硬い音を響かせる。

 僕は麻里亜の背中ですっかり安心してうとうと眠ろうとしていた。

 僕が眠い目を擦った時、階段手前の鉄扉の向こうから、重い物が落ちた様な大きな音がした。

772 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:21.56 ID:l8dKCNVn0.net
>>760
笑わせんな┐(´д`)┌ヤレヤレ
ワンピはオタと転売ヤーだけに支えられてるだけだろ

773 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:25.57 ID:5TEczSfJ0.net
 その音に反応する様に麻里亜の動きが止まり、僕は思いっきり額を麻里亜の背中にぶつけて目が覚めた。

「どうしたの? 麻里亜」
 僕は欠伸が出て、眠そうに目を擦る。眼を擦ったら瞼が痒くなった。



 麻里亜は音がした鉄扉を、紅い眼で冷たくじっと見ている。

「なんでもありません。失礼しました」

 麻里亜は首を横に振って、前を向いて歩き出した。

 麻里亜は音がした鉄扉の横を通り過ぎる。

 僕は音がした鉄扉に振り向き、僕の頭に疑問が浮かぶ。

「ねぇ、麻里亜。もしかして、僕の他に閉じ込められている人がいた? 何で助けないで無視したの?」

 僕は麻里亜に訊いた。拳を握り締めて、語尾が強くなった。

 麻里亜が僕の質問に答える様に立ち止る。

「ワタシの任務は、ジン様の救出です。それ以外の命令は受けません」



 僕は麻里亜の背中を拳で小さく叩いた。

「何で? 父上は? どうして、父上は僕を助けに来ないんだ!?」

 僕は大声を出したせいで息が乱れた。

774 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:40.28 ID:5TEczSfJ0.net
 いつもそうだ。

 父上は仕事で忙しく、いつも家にいない。

 たまに父上が家に帰ったと思ったら、すぐに仕事で家を出る。

 麻里亜が僕の面倒を見てくれていた。

 麻里亜に父上の仕事を訊いても答えてくれなかった。

 父上に会いたい。

 僕は動揺して目がさざ波の様に揺れている。



 麻里亜は僕を背負い直した。

「リアン様は、他の任務に就いております。ここに閉じ込められている人たちは、リアン様が救出します。安心してください」

 麻里亜は何事も無かったように歩き出す。

775 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:50.45 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は麻里亜に呆れてため息を零す。

「麻里亜なら、僕をわかってくれると思ってた。もういいよ。僕一人で閉じ込められてる子を助ける。僕を下ろしてよ」

 僕は必死に両手でぽかぽかと麻里亜の背中を叩いた。



 その時、階段から手りゅう弾がゴロゴロと転がり落ちてきた。

 麻里亜は咄嗟にすぐ側の階段手前の音がした鉄扉を蹴破り、中に駆け込んだ。

 次の瞬間、手りゅう弾が爆発。僕たちが逃げ込んだ監禁室に爆風が舞い込む。

 麻里亜の身体が爆風で浮き上がり、麻里亜の身体が反って爆風で吹っ飛ぶ。

 僕は怖くなって、思わず目を瞑る。

 爆風で振り落とされないように、僕は両手で麻里亜の背中を握り締める。

776 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:03.12 ID:5TEczSfJ0.net
 その時、階段から手りゅう弾がゴロゴロと転がり落ちてきた。

 麻里亜は咄嗟にすぐ側の階段手前の音がした鉄扉を蹴破り、中に駆け込んだ。

 次の瞬間、手りゅう弾が爆発。僕たちが逃げ込んだ監禁室に爆風が舞い込む。

 麻里亜の身体が爆風で浮き上がり、麻里亜の身体が反って爆風で吹っ飛ぶ。

 僕は怖くなって、思わず目を瞑る。

 爆風で振り落とされないように、僕は両手で麻里亜の背中を握り締める。



 僕の鼓動が高まり、緊張で息が荒くなる。

 僕はそっと眼を開け、部屋をゆっくりと見回す。

 部屋は壁際にベッドが置いてあるだけの殺風景な部屋だった。

 確かにこの部屋から音がしたんだけど、何故か誰もいない。

 変だな。僕は不思議に思い首を傾げる。

 でも、今は麻里亜が心配だ。

777 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:14.90 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜の左肩越しを覗くと、麻里亜の左手が伸び、麻里亜は壁に左手の掌を突いていた。

 麻里亜の掌の周りに、蜘蛛の巣の様に罅割れている。爆風の凄まじさを物語る。

 僕は恐る恐る麻里亜の横顔を覗くと、麻里亜は無表情で紅い眼を見開いている。



 僕は麻里亜が心配で生唾を飲み込み喉を鳴らす。

「麻里亜、大丈夫?」

 僕は麻里亜の無表情の横顔に声を掛けてみた。



 麻里亜が無表情で僕に振り向く。

「ワタシは大丈夫です。ジン様、大丈夫ですか?」

 麻里亜が壁から左手を離す。



 僕は生きている実感が湧き、力強く頷く。

「僕は大丈夫。それより、閉じ込められてる人はどこ?」

 僕は狭い部屋を見回す。

778 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:16.11 ID:GG8YyDald.net
>>772
反論出来ないならレスするな

779 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:33.33 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜は傍のベッドに顔を向けた。

「彼女は爆風に巻き込まれ、ベッドの下にいる模様」

 麻里亜はベッドの下を透視する様にベッドを見つめている。



 その時、ベッドの下から口元を白い布で縛られ、身体をロープで縛られた少女が床をもぞもぞと這って出てきた。

 少女は肩までの金髪ミディアムヘアでカールを巻き、豪華なコルセットドレスを着て、黒いブーティを履いている。

 格好からして、どこかの貴族だろうか。

 髪と肌に艶があるから、まだ彼女は拉致されて間もないんだろう。

 女の子にとって不潔は辛いだろうな。僕は彼女を見下ろして、そう思った。



 麻里亜は黙って僕を下ろし、屈み込んだままワンピースのポケットからナイフを取り出す。

 麻里亜は立ち上がって彼女の元に歩み寄り、少女を縛っているロープを切って、頭の後ろで結ばれた白い布を解いてあげた。

780 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:44.82 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は麻里亜の行動に呆気に取られ、壁に凭れて呆然と立ち尽くす。

 驚きで僕は目を瞬く。



 束縛から解放された少女が咳き込みながら、顔を上げて必死に口許を動かして何か言おうとしている。 

「た、助け、て……わ、私は、る、ルビナ姫……」

 少女が麻里亜にしがみつくように、麻里亜の胸で気絶する。

 何かの薬が効いたのだろうか。当分、少女は目を覚まさないだろう。



 ルビナ姫?

 どこかの王女かな?

 いや、それより、何で麻里亜は彼女を助けたんだ?

 僕は壁に凭れ、腕を組んで首を傾げて考えていた。

781 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:56.82 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は黙って麻里亜の行動を見守っていたが、やがて僕は不思議に思い麻里亜に訊いた。

「麻里亜、何で助けたの?」

 僕は屈み込んで、少女の顔を覗き込む。綺麗な顔だ。

 あっ、僕不潔だから、あんまり近づいたら、彼女に悪いよね。

 僕は少女に遠慮しておもむろに立ち上がり、彼女から離れて壁に凭れた。

 屈んで、何故かため息を零す。

 少女を見ていると何故か胸がドキドキして、僕は顔が火照って胸を手でぐっと押さえる。



 麻里亜は少女を支えながら、くるりと少女に背中を向けた。

「ワタシが彼女を助けた理由。リアン様は、彼女の存在に気付いてなかったようです。これより、ワタシは彼女を助け、新たな任務を遂行します。ジン様、歩けますか?」

782 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:03.81 ID:l8dKCNVn0.net
>>755
今のところ配ってないよ( ̄д ̄)
そもそも天気の子で一弾しかやらなかったんだからすずめが第一弾特典すらないという事は十分あり得る

ワンピやらシンエヴァが特典商法で叩かれまくってるからその影響もあると見るべき

783 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:10.68 ID:5TEczSfJ0.net
数秒遅れて、麻里亜が僕の質問に答えた。

 麻里亜が少女を背負っておもむろに立ち上がる。



 僕は壁から離れて姿勢を正し、胸の前で必死に両手を振った。

「あっ、僕は大丈夫。男の子だし、平気だよ。歩けるから」

 麻里亜が背負う少女の顔を見ていると、何故かまた恥ずかしくなり、僕の顔が火照る。

 僕は少女から顔を背ける。何故か鼓動が高まる。



 僕は瞼を閉じて、気持ちを落ち着かせるため、胸を手でぐっと押さえる。

 深呼吸して手を下ろし、ゆっくりと目を開ける。なんか僕、変だな。どうしたんだろ。

784 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:24.18 ID:5TEczSfJ0.net
「よぉ、姉ちゃん。強いじゃねぇか、手りゅう弾でも死なねぇとはな。気に入ったぜ。よく見りゃ、姉ちゃんいい女じゃねぇか。ちょうどいい、店の女に飽きてたとこだ。俺の相手してくれねぇか? 高い金払うぜ? どうだ?」

 その時、麻里亜が蹴破った鉄扉の所にいつの間にかマシンガンを片手に持ち、壁に凭れる男が立っていた。

 男は短髪で黒いシャツを着て革ジャケットを羽織り、ジーンズに黒いブーツを履いている。

 男は額から血を流し、煙草を吹かしながら、麻里亜を厭らしい目つきで舐める様に見ている。

 男は不気味な笑みを浮かべた。



 僕は恐怖で棒立ちになり、瞼を閉じて瞼に力を入れる。

 両手の拳を握り締めた。麻里亜、助けて。

 ダメだ。僕は首を横に振る。

 麻里亜は僕が守るんだ。

 僕は意を決して瞼を開ける。

785 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:38.28 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜が微かに動いて、男は驚いて身構え、マシンガンを構えて銃口を麻里亜に向ける。

 麻里亜は両手が塞がって思った以上に動けないらしく、男は安心したようにライフルを下ろした。



 僕は両手の拳を握り締めたまま、生唾を飲み込み喉を鳴らす。

 動かなきゃ。僕が動かなきゃ。

 僕は咄嗟に麻里亜の腰のホルスターからオートマチック銃を抜き、男にオートマチック銃の銃口を男に向ける。

 麻里亜は動けない。僕が麻里亜を守らないと。

786 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:48.84 ID:5TEczSfJ0.net
 男はふざけて自分を片手で指さす。

「俺を撃つのか?」

 男は肩を竦め、可笑しいように腹を抱えて笑っている。



 初めて人を撃つ。僕の手が恐怖で震えている。

 寒気がして、オートマチック銃を落としそうになる。



「ジン様、お止めください。ワタシに任せてください」

 隣に立つ麻里亜の感情のない声が振ってくる。



 麻里亜の声が遠くに聞こえる。

 やっぱり駄目だ、撃てない。僕は怖くなって瞼を閉じる。

 落ち着け。震える手で、ゆっくりと引き金を引いてゆく。

 ごめん、麻里亜。やがて一発の銃声が響く。

787 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:53.52 ID:39x0W3Cua.net
天気の特典って初日からあったっけ?

788 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:03.54 ID:5TEczSfJ0.net
 男に銃弾が命中したのか、男が呻いてマシンガンを床に落とす音が聞こえた。

 僕は男を撃った罪悪感で瞼を開け、鼓動が高まり息が荒くなる。

 オートマチック銃が手の汗で、僕の手から滑り落ちる。



「こいつやりやがったな!」

 男の怒声が聞こえたかと思うと、男がオートマチック銃を構えるのが見える。

 その後、一発の銃声が響く。



「うっ」

 僕の脇腹に激痛が走り、僕は声を漏らしコンクリートの冷たい床に跪く。



 男の高笑いが聞こえる。

 僕は脇腹を手で押さえ止血する。

 脇腹を見ると血が噴いていた。

789 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:04.16 ID:TAjfRH8w0.net
水星の魔女ってチェンソーマンと違ってサブスクのランキングに全然入ってないのにヲタが一生懸命でおもろい

790 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:23.03 ID:5TEczSfJ0.net
「くそっ」

 僕は呻き声を漏らして、よろめいて床に倒れ込んだ。

 僕の意識が遠のく。

 僕は悔しくて、歯を食いしばって男を睨む。

 その時、男の背後から革の手袋を嵌めてナイフを握った手が伸び、男の首筋にナイフが刺さった。



「がふっ」

 男が口から血を吐き、喉を片手で押さえる様に男が横に倒れるのが見える。



 男の背後から、大男が現れた。

 大男は肩にかかるエメラルドグリーンヘアで、顔が白く塗ってあり、目許が黒く塗ってある。

 口許を覆う様に不気味な金色の歯型マスクを装着し、鼻まで銀色のマスクが覆っている。

 マスクの両端から銀色のホースが伸び、背中の機械に繋がっている。

 緑のシャツを着て、黒いネクタイを締め、紫のコートを羽織り、両手に黒い革手袋を嵌めている。

 紫のストライプのスーツズボンを穿き、黒いブーツを履いている。

 大男のマスクから不気味な呼吸音が聞こえる。

791 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:32.27 ID:39x0W3Cua.net
あぼんだけが増えていくが同じIDで荒らしても無駄なんだよ福岡

792 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:40.77 ID:5TEczSfJ0.net
「!?」 
 僕は驚いて目を見開く。
 この人、誰だろう。
 大男は壁に掌を突いて、僕たちを見て笑った。

「オレが留守の間に大事な人質が逃げようとしている! 部下どもは役立たずばかりだ! 取引が台無しだ!」

 大男が悪魔の様な声で、怒りを露わに壁を拳で叩く。

 拳で叩かれた壁が砕けて、瓦礫が床に落ちる。



 大男は倒れた男の死体から乱暴にマシンガンを奪い取って、麻里亜に銃口を向けて構える。

「彼女を下ろしてもらおう。抵抗するなら、お前を撃つ」

 大男が勝ち誇った様に笑い、荒い呼吸音が聞こえる。



 僕は麻里亜を心配して、麻里亜を見上げる。

 麻里亜は僕に答える様に、僕に振り向いた。



 麻里亜は大男に顔を戻して否定する様に首を横に振る。

「出来ません。ワタシは任務を遂行します」

 麻里亜は無表情で大男を見つめている。

793 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:55.52 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は脇腹を手で押さえながら、何も出来ない自分が悔しくて拳を握り締める。

「くそっ」と呟いて、僕は大男を睨み据える。



 大男は麻里亜の答えを気に入ったかの様に掌を壁に突き、マシンガンを肩に担ぐ。

「フハハハハッ、頑固な女だ。いいだろう。お前を殺してでも、彼女を取り戻すぞ!」

 大男は不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す。



 僕はべっとりと身体に汗を掻いていた。

 もうダメだ。僕は瞼を閉じる。

 僕は何も出来ないんだ……

 麻里亜、死なないで。お願いだ。 

794 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:07.40 ID:5TEczSfJ0.net
大男は麻里亜の答えを気に入ったかの様に掌を壁に突き、マシンガンを肩に担ぐ。

「フハハハハッ、頑固な女だ。いいだろう。お前を殺してでも、彼女を取り戻すぞ!」

 大男は不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す。



 僕はべっとりと身体に汗を掻いていた。手にも汗を掻いている。

 もうダメだ。僕は脇腹を手で押さえ、拳を握り締めたまま、瞼を閉じて首を横に振る。

 瞼に力を入れて、歯を食いしばる。僕は何も出来ないんだ……

 麻里亜、死なないでくれ。お願いだ。

 大男が不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す音が耳に痛かった。

795 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:08.31 ID:l8dKCNVn0.net
>>778
ワンピの視聴率見て来いよ( ̄д ̄)
今回の映画はワンピの力ではなくUTA&adoのおかげだろ

ワンピ自身の人気でこの興行ならもう少しぐらい視聴率上がってもいいよね?
鬼滅は爆上がりしたしな

796 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:23.75 ID:5TEczSfJ0.net
 その時、麻里亜の方から静電気で痺れた様なバチバチという電気的な音が聞こえた。

「ジン様。ワタシのダメージが大きいため、これよりシールド展開します」

 麻里亜の冷たい声が聞こえる。



 僕はそっと片目を開けて、両目を開けた。

「麻里亜……?」

 僕は麻里亜に振り向いて、小さく呟いた。



 麻里亜の身体を青白い障壁が包み込んでいる。

 麻里亜の頬にマシンガンの弾が掠ったのか、血の筋がいくつか走っていた。

 血の筋から血が頬を伝い顎から血が滴る。

 麻里亜の足元には、マシンガンの薬莢が幾つも落ちている。

 麻里亜の黒いワンピースに血が滲み、凄惨を物語る。

797 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:36.19 ID:5TEczSfJ0.net
 大男のマシンガンが弾切れになり、大男が可笑しいように不気味に笑っている。

「フハハハハッ。なるほど、オレの部下が役立たずな訳だ。面白い、気に入ったぞ。お前、人間じゃないな? アンドロイドか? オレも人間じゃない。お前もオレも化け物よ。フハハハハッ」

 大男は麻里亜と自分を指さした後、不気味に笑いながらマシンガンを乱暴に投げ捨てた。



 アンドロイド?

 意味深な大男の台詞で、僕は大男をまじまじと見る。

 この男、人間じゃないのか?

 麻里亜は人間じゃない?

 僕は改めて麻里亜を見る。

798 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:46.57 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜は片腕を真っ直ぐ伸ばし、掌を大男に向ける。

「これより、攻撃展開します。先ほどのお返しです」

 麻里亜の薄青い長い髪に青白い電気がバチバチと走りながら、麻里亜の薄青い長い髪がぶわっと逆立つ。

 機械的な高い音が鳴り、麻里亜の身体を包んだ青白い障壁が掌に急速に縮小され、やがて青白い電気の球となり、大男に向けて青白い電気の球が勢いよく放たれ、辺りに耳をつんざく轟音が響く。



 麻里亜?

 僕は声にもならず、ただ麻里亜を見ている。脇腹の痛みさえ忘れて。

 麻里亜の薄青い長い髪が垂れる。見たこともない麻里亜の姿。

 僕は麻里亜の攻撃を目で追っていた。

799 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:58.00 ID:5TEczSfJ0.net
「馬鹿なッ!」

 大男が目を見開き、信じられないという様な悲鳴を上げる。

 大男は麻里亜の青白い電気の球に押され、大男の身体がくの字に派手に吹っ飛ぶ。

 麻里亜の攻撃で壁に穴が開き、大男は穴の奥の闇に消えている。



 僕は壁に空いた闇を見つめて、生唾を飲み込み喉を鳴らした

「す、すごい……」

 動揺で僕の眼がさざ波の様に揺れている。

 僕は脇腹を手で押さえ、顔をしかめて突っ立っていた。



「ジン様。今のうちに脱出しましょう」

800 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:06.28 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜の声が降り、僕は我に返った。

「!? そ、そうだね」

 僕は麻里亜を横目に、ゆっくりと歩き出す。

 麻里亜が数歩歩いたところで、麻里亜が片膝を床に突いた。

 麻里亜の身体から火花が散っている。明らかに麻里亜の身体が異常だった。



「ま、麻里亜!? ど、どうしたの!?」

 僕は麻里亜の隣で屈み込んで、麻里亜の肩に手を載せて、麻里亜の顔を覗き込む。

 脇腹を手で押さえたまま。

801 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:18.81 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜が無表情の顔を僕に向ける。

「ジン様。先ほどの攻撃により、ワタシのエネルギーを予想以上に消費しました」

 麻里亜が冷たく言い放つ。顔を戻し、瞼を閉じて首を横に振る。



 さっきの攻撃といい、やっぱり麻里亜は人間じゃないのか?

 僕は麻里亜の正体を訊いてみようと思い、緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らす。

 口まで出かかっているが、踏みとどまる。僕は瞼を閉じて首を横に振った。

 たとえ、麻里亜がアンドロイドでも、麻里亜は麻里亜だ。



「ジン様。どうかしましたか?」

 麻里亜の声が降ってくる。

802 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:25.07 ID:YXqTVVetr.net
>>630
鬼滅のことdisるのやめて

803 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:26.16 ID:l8dKCNVn0.net
>>787
ムビチケ特典すらないよ( ̄д ̄)
100億突破までになにも配らなかった作品は天気の子のみ

他の作品は何かしら配ってる
最近だとムビチケに特典があるのは常套手段らしいし

804 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:28.47 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は瞼を開けて、麻里亜に微笑む。

「なんでもない。麻里亜、本当に大丈夫? 少し休んだ方が……」

 僕が言いかけて、麻里亜がおもむろに立ち上がる。

 麻里亜は背負っているルビナ姫を背負い直し、僕はふらつく麻里亜を見上げ思わず手を伸ばす。



「休んでいるわけにはいきません。ここにいては危険です。ジン様、先を急ぎましょう」

 麻里亜はふらつきながらも、歩を進める。身体から火花を散らしながら。



 僕は伸ばした掌を握り締め、そっと腕を下ろす。

「う、うん……」

 僕は麻里亜の背中を見つめ、おもむろに立ち上がる。

 脇腹の痛みに顔をしかめて。

805 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:46.54 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜が蹴飛ばした鉄扉の傍の壁に掌を突いた。

 麻里亜が肩で息をしている。相当、エネルギーを消費しているらしい。

 その時、壁に空いた穴からミサイルの様な飛来音が聞こえ、僕は壁に空いた穴を睨む。

 壁に開いた穴からミサイルが飛び出して、ミサイルが曲がって出口の階段の方に飛んでゆく。

 続いて爆発音が聞こえ、壁が崩れる様な嫌な音が聞こえた。

 まさか、あの男、生きていたのか?

 あの男、何をしたんだ?

 嫌な予感がした。

806 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:04.17 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜が蹴飛ばした鉄扉の傍の壁に、麻里亜は掌を突いた。

 麻里亜が肩で息をしている。相当、エネルギーを消費しているらしい。

 その時、壁に空いた穴からミサイルの様な飛来音が聞こえ、僕は壁に空いた穴を睨む。

 壁に開いた穴からミサイルが飛び出し、ミサイルが曲がって出口の階段の方に飛んでゆく。

 続いて爆発音が聞こえ、壁が崩れる様な嫌な音が聞こえた。

 まさか、あの男、生きていたのか?

 あの男、何をしたんだ?

 僕は嫌な予感がした。

807 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:06.06 ID:l8dKCNVn0.net
>>802
( ̄д ̄)?

808 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:14.43 ID:5TEczSfJ0.net
その時、爆風が部屋に押し寄せるのが僕の視界に映る。

「ジン様!」

 初めて麻里亜の悲しみを剥き出した声が聞こえた。

「うわっ」

 爆風で僕は吹っ飛び、僕の背中が壁に激突して背骨が軋む。

 僕は口から血を吐き、床に両膝を突きうつ伏せに倒れた。

 痛みで顔をしかめ、拳を握り締め、意識が朦朧とする。

 僕は肩膝を床に突いて、身体をゆっくりと起こす。

 血が混じった唾を吐き、口許を手で拭うと視界に麻里亜が映る。

809 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:26.27 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜は片手で僕を支えてくれて、僕は身体を捻じって背中を麻里亜に預ける。

 だいぶ楽になり、僕は麻里亜に大丈夫だと言わんばかりに、麻里亜に微笑む。

 その時、麻里亜の両眼から赤いレーザーが伸びて機械的な音を鳴らし、僕の身体を上半身から下半身へとスキャンしてゆく。

「スキャン完了。ジン様の人体損傷七〇パーセント。脇腹の傷及び、壁に激突した衝撃で左腕の骨が折れています」

 映像が切れた様な機械的な音を鳴らし、麻里亜の両眼から赤いレーザーが消えた。



 僕は脇腹を手で押さえ、腕の痛みで顔をしかめる。

「そっか。どうりで、腕の感覚がないわけだ。やっぱり、麻里亜は人間じゃないんだ……」

 僕は麻里亜が人間じゃないという現実を受け止められず、悲しみで麻里亜の胸で俯く。

810 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:41.60 ID:5TEczSfJ0.net
「ワタシはリアン様の研究で生み出されたアンドロイドです。ワタシは試作機で様々なデータを採り、今後の研究に役立て、未来のアンドロイドを創るためにワタシは役立っています」

 麻里亜の冷たい声が聞こえる。



 僕は瞼を閉じて首を横に振る。

「そっか……父上が麻里亜を造ったんだ。麻里亜がアンドロイドでも、麻里亜は麻里亜だよ。これからもよろしく、麻里亜。僕は麻里亜を知って嬉しいよ」

 僕は瞼を開けて顔を上げ、麻里亜に微笑んだ。滲んだ嬉し涙を拭って。



 麻里亜の頬が火照る。

「ワタシの正体を隠して、申し訳ありません。いつかワタシの事をジン様に話そうと思っていました。ジン様、大丈夫ですか? 先ほどの爆発で出口の天井が崩れ、閉じ込められた模様」

 麻里亜が真紅の冷たい眼で僕を見下ろす。

811 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:54.90 ID:5TEczSfJ0.net
 麻里亜の最期?

 どういうこと?

 それよりも、閉じ込められたことが悔しくて、僕は拳を握り締めた

「くそっ」

 やっぱり、さっきの爆発は僕たちを閉じ込めるためにやったんだ。

 あいつは死んでなかったんだ。あの男、何者なんだ。

 悔しくて歯を食いしばり、涙が滲む。

 どうすればいいんだ。何か脱出する方法はないのか?



 その時、大きな銀色の筒状の物が回転しながら部屋に転がってくる。

 筒には小さな穴がいくつも空いており、穴から緑のガスが噴出された。

812 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:00:14.64 ID:GG8YyDald.net
>>795
アニメは長いので鬼滅みたいにとは行かない
加えてアニメの方はアニポケ同様評価が低いので見る意義はなし
流れるなら原作だな

813 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:01.92 ID:5TEczSfJ0.net
「ジン様、毒ガスです! 息を止めてください! シールドを張ります!」

 麻里亜が声を上げ、僕を片手で支えたまま、麻里亜の両眼から青白いレーザが飛び出す。

 麻里亜は緑の毒ガスを噴出している銀色の筒状の物を睨み据える。



「!? わ、わかった!」

 僕は脱出方法を考えるのをやめて、慌てて口許を両手で覆う。

 手が臭いけど我慢した。

 脇腹や腕が痛むのも我慢だ。僕は生きる。これくらいなんともない。



 僕は麻里亜の横顔を見る。さっきの攻撃で、麻里亜はエネルギー消費している。

 麻里亜の眼から発せられる青白いレーザーが球形を形作る。

814 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:11.76 ID:R9lgQzbK0.net
>>751
なんだいつもの一人演技か
どおりで配布日書かないと!って必死だと思った
記載ないと都合悪いんだね
配布日ないといけない時点で鬼滅ヲタのまけー

815 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:15.18 ID:5TEczSfJ0.net
 僕と麻里亜の身体を、青白い障壁が展開してゆく。

 僕はその間に息を止めた。そんなに長く息を止められない。

 一分くらい息を止めると、慣れない息止めに急に息苦しくなった。

 思わず口許から両手を離し、息を吸おうとした時、麻里亜の唇が僕の唇に重なった。

 麻里亜がゆっくりと瞼を閉じる。



「!?」

 僕は驚いて、眼がさざ波の様に揺れている。

 ま、麻里亜?

 僕は恥ずかしくなり、慌てて麻里亜の唇から離れようとする。

 麻里亜が僕を支える手と唇に力を入れる。

 麻里亜の口から新鮮な空気が送られ、僕の傷が癒える感じがして、脇腹の痛みが和らぐ。

 折れた腕も再生する感じがした。僕は心地良くなり、ゆっくりと瞼を閉じる。

 温かい。麻里亜の温もりを感じる。

816 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:44.73 ID:5TEczSfJ0.net
 これが、麻里亜の力なんだ。



 麻里亜の唇が、僕の唇からゆっくりと離れる。

「ジン様。ワタシのエネルギーを消費して、ジン様を治療しました。シールド展開完了」

 麻里亜の冷たい声が聞こえる。



 僕はゆっくりと瞼を開けた。

「ありがとう、麻里亜……少し楽になったよ」

 僕は麻里亜の顔を見て微笑む。



 麻里亜の頬が火照る。

「ジン様。ワタシのエネルギーをチャージします。少し休ませてください」

 麻里亜が片膝を床に突いたまま俯いて瞼を閉じる。

817 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:54.53 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は麻里亜の肩に手を載せた。

「ゆっくり休んでいいから」

 麻里亜の横顔を覗き込んで、僕は麻里亜に微笑んだ。



 その時、麻里亜の背中から咳払いが聞こえた。

「私の前でキスしないでくれるかしら? 邪魔しちゃ悪いと思って邪魔しなかったけど」

 ルビナ姫が麻里亜の背中から降りて、顔をしかめて両手に腰を当てる。

 ルビナ姫を支えていた麻里亜の腕が垂れ下がる。



 僕は驚き、恥ずかしくなって麻里亜の腕から慌てて離れる。

「お、起きてたんだ。ご、ごめん。気付かなくて」

 気まずくなってルビナ姫に背中を向けて胡坐をかき、頭の後ろを掻いて僕の顔が火照る。

818 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:05.96 ID:5TEczSfJ0.net
 まともにルビナ姫と顔を合わせられない。

 僕はルビナ姫が気になって、ルビナ姫に振り向いて横目でルビナ姫を一瞥する。

 胸の前で腕を組んだルビナ姫と目が合い、恥ずかしくなって、僕は慌てて顔を戻す。

 麻里亜とのキス、ルビナ姫に見られちゃったな。

 胡坐をかいたまま頭の後ろを掻きながら、僕はルビナ姫を横目で見る。



 ルビナ姫は不機嫌そうに胸の前で腕を組んだまま僕を睨んで肩を竦める

「起きてたら悪いのかしら? それともあのまま気絶してろと? それより、この臭いなに? あなたから臭ってくるみたいだけど。この臭い、なんとかしてよ」

 ルビナ姫は顔をしかめ、両手で鼻を摘まんで首を横に振る。

819 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:14.91 ID:5TEczSfJ0.net
 僕はルビナ姫の傲慢な態度にやるせなくなり俯く。

「ご、ごめん……僕、拉致されてから、その、風呂とか入ってなくて……」

 ルビナ姫に嫌われちゃったな。僕の第一印象最悪だ。

 せっかく仲良くなれると思ったのに。



 ルビナ姫が壁を叩く様な音が聞こえる。

「ちょっと、出られないじゃないの! 出しなさいよ! 城に帰らないと。みんな心配してるわ……」

 ルビナ姫が諦めて床に両膝を突いたのか、コルセットドレスの擦れる音が聞こえた。

820 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:27.24 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は瞼を閉じて首を横に振る。

「僕たちは閉じ込められたんだ。ここから出れば、毒ガスを吸って死ぬ。どうしようもできない。麻里亜が目覚めるまで待つしかない」

 何も出来ない自分が悔しくて歯を食いしばり、両手の拳を握り締める。

 僕は顔を上げて身体を捻じり、心配になって麻里亜に振り向く。

 麻里亜は静かに眠っていた。気のせいか麻里亜が優しい顔をしている。



 ルビナ姫が立ち上がって、今にも泣きそうな顔で麻里亜の傍に屈み込んで、麻里亜の身体を必死に両手で揺すっている。

「ちょっとどういうこと!? あなたが麻里亜? 起きてなんとかしてよ! 私を助けたんでしょ!?」

821 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:29.50 ID:TXnvk0Xda.net
>>754
じゃあ特典ランダムの天気と特典700万枚スタート鬼滅は10億くらいか?

822 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:38.93 ID:5TEczSfJ0.net
 ルビナ姫は起きる気配のない麻里亜を揺するのを諦め、立ち上がって青白いシールド内を必死に拳で叩いている。

「ここから出してよ!」と、ルビナ姫は誰かに訴えている。僕は黙ってルビナ姫を見ていた。

 ルビナ姫に呆れて、僕は俯いて瞼を閉じ、額に手を当てて首を横に振る。

 やがて叩くのを諦めたのか、ルビナ姫は腕を組んだり腰に手を当てたりして、青白いシールド内を行ったり来たりしている。

 とうとうルビナ姫は両膝を床に突き、俯いて両手で顔を覆い泣き始めた。

 子供の様に泣き声を漏らし、涙を指で拭う。

823 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:50.06 ID:5TEczSfJ0.net
 僕はそんなルビナ姫を見ていると何故か苛立ち、拳が怒りで震え、やがて拳で思いっきり床を叩いた

「黙って見てりゃなんだよ! いい加減にしろ! キミは自分のことばかり、王族はみんなそうなのか!? 麻里亜はキミを見捨てるつもりだったんだ。だけど、麻里亜はキミを助けた。少しは感謝したらどうだ!? 甘えるな! キミを見ているとイライラする。今までちやほやされて育ったんだろ? 少しは我慢しろ」

 僕はくるりとルビナ姫に背を向け、麻里亜の隣で胡坐をかいて頬杖を突き、片方の掌を太ももの上に載せた。

 ルビナ姫が気になって尻目で見る。

824 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:58.00 ID:5TEczSfJ0.net
 ルビナ姫が両手の掌を床に突き、拳で床を叩く。意表を突かれて泣きじゃくっている。

「な、なによ。なんなのよ! ご、ごめんなさい。ごめんなさい……私は自分のことばかり。王女だからって、みんなからちやほやされて、甘えていたんだわ。私、もう十六なのにね。あなたに言われて、私は初めて気付いた……ありがとう、少し楽になったわ」

 ルビナ姫は俯いて、泣きながら悔しくて床を何度も叩き、洟をすすり嗚咽し、涙を両手で拭う。

825 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:06.60 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は何も言わなかった。

 キミは自分で気付けたんだ。それでいいんだ。

 僕はルビナ姫の背中に微笑んだ。



「フハハハハッ。さっきのは痛かったぞ! オレを怒らせたのはお前が初めてだ! 気に入ったぞ!」

 その時、麻里亜が鉄扉を蹴飛ばした方から大男の悪魔の様な声が降って来た。 



 ルビナ姫の泣き声が止んだ。「今の声、なに?」とルビナ姫が僕に振り向いて訊いてくる。

826 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:14.91 ID:39x0W3Cua.net
福岡は手動?

827 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:21.00 ID:5TEczSfJ0.net
 僕は寒気がして両腕を両手で擦る。

 あの男、まだ生きてたのか。僕は歯を食いしばって毒ガスの向こうを睨む。

 毒ガスが充満する中で大男の影が揺らぎ、大男が僕たちの前に姿を現す。

 大男の背中の機械から火花が散っている。

 どうやら、麻里亜の攻撃は効いたみたいだ。



「なんてことなの。あ、悪夢だわ……」

 ルビナ姫は大男を見て口許を手で覆い気絶してうつ伏せに倒れた。

 僕は気絶したルビナ姫を見る。キミは気絶してた方が都合いい。

 それにしても、キミはあの男を知ってるのか?

828 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:34.16 ID:5TEczSfJ0.net
 大男はルビナ姫が気絶したのを見て不気味に笑った。

 大男は首を傾げ、人たち指を突き立てて左右に小さく振り挑発する。そして、両手を大きく横に広げる。

「ショータイムはこれからだ! 今からデスゲームを始める。オレが屋敷に仕掛けた爆弾の爆破スイッチを押す。制限時間は三分だ。その間に逃げれば、お前たちの勝ちだ。出口はオレが塞いだ。この絶望を味わうがいい! フハハハハッ」

 大男は両手の手首をクロスさせ爆破のジェスチャーをした。

 大男は不気味に笑いながら後退して、空間が揺らいで大男は毒ガスの中に消えた。



 爆破だって?

 なんて残酷なんだ。

 僕は床を拳で叩き、大男が消えた方を睨んだ。

 背中には嫌な汗をべっとりと掻いている。

 麻里亜の治療で少し楽になったが、絶望感で今にも意識が吹っ飛びそうだ。

 僕は麻里亜を見る。麻里亜は僕の期待に応える様にゆっくりと瞼を開けた。

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