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興行収入を見守るスレ5723
- 767 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:12.18 ID:5TEczSfJ0.net
- 「銃を蹴ってください」
僕の背後の女が、冷たい声で促す。
僕は緊張で生唾を飲み込み、喉を鳴らす。
女に言われた通り、手を上げながらオートマチック銃を向こうに蹴った。
蹴ったオートマチック銃はコンクリートの床を滑り、やがて壁に当たって止まる。
もうダメだ。僕は手を上げたまま絶望に駆られ、諦めて瞼を閉じる。
頭の中で一六年という短い人生の出来事が走馬灯の様に流れる。
悔しくて涙が滲んだ。溢れた涙が頬を伝う。
「ジン様、安心してください。麻里亜が助けに来ました」
僕の背後で女の冷たい声が背中に突き刺さる。
僕はその声で我に返り、瞼を開け、思わず背後の女に振り返る。
麻里亜だ。麻里亜が僕を助けに来てくれたんだ!
僕は麻里亜の顔を見上げる。
麻里亜は薄青いストレートヘア、眼が紅く、黒いワンピースを着て、黒いニーソックス、黒いブーツを履いている。
- 768 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:14.14 ID:l8dKCNVn0.net
- デイリー上映25分前販売数合計ランキング(19時中間集計):20210202
順位 販売数 座席数 回数 館数 先週比 映画(作品名)
*1 20376 244929 1105 255 ****** 花束みたいな恋をした
*2 *9157 173999 1139 262 *92.7% 鬼滅の刃 無限列車編
公開から三か月半経過の鬼滅
ワンピ信者は座席がどうのこうの訳の分からんこと言ってるけど
座席同じで公開日が鬼滅の方が経ってるのにこの差
レベルが違うって気づいた方がいい( ̄д ̄)
- 769 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:34.57 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は全身黒ずくめで、冷たい眼で僕を見下ろす。
僕と麻里亜の視線が合う。
「麻里亜ぁ……怖かった。怖かったよぉ」
僕は子供の様に嗚咽し、滲んだ涙を手の甲で拭う。
僕は堪らなく麻里亜に抱き付き、麻里亜のワンピースのスカートを握り締めた。
「どうかしましたか? ジン様」
麻里亜の声が降って、僕は麻里亜を見上げる。
麻里亜は無表情で不思議そうに首を傾げ、子供をあやすように僕の頭を撫でてくれた。
数秒後、麻里亜は屈み込んで、僕を優しく抱き締めて僕の頭を何度も撫でる。
麻里亜は僕からそっと離れ、僕の両肩に手を置き、僕の顔を見る。
「ジン様、ご心配お掛けしました。ジン様は酷く衰弱しきっています。さぁ、ここから逃げましょう」
麻里亜が安心させるように僕の頭を撫でる。
- 770 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:53.65 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は、僕の母さんなんだ。
麻里亜は、病気で死んだ母さんの代わりなんだ。
麻里亜は不器用だけど、一生懸命に僕の母さんになろうとしてくれてる。
僕も麻里亜に応えないと。
「うん」
僕は泣きながら頷いた。
麻里亜は僕の肩から手を離し、麻里亜はくるっと背中を向ける。
「ジン様、ワタシの背中に乗ってください」
僕は黙って麻里亜の背中に身体を預ける。
「ごめん、麻里亜……」
僕は泣きながら麻里亜の背中に顔を埋めて呟いた。
「何故、謝るのですか?」
麻里亜の不思議そうな声が降る。
- 771 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:05.63 ID:5TEczSfJ0.net
- 「だって、父上や麻里亜に迷惑掛けてしまったから。その、ごめん……」
僕は麻里亜の背中に顔を埋めたまま。
「気にしないでください。ジン様のためなら、ワタシは命を懸けてジン様を守ります」
麻里亜がおもむろに立ち上がる。
僕はしっかりと麻里亜の背中に身体を預ける。
「僕が大きくなったら、麻里亜を守るから。父上も守る」
僕は意を決して、麻里亜の背中に顔を埋めたまま拳を握り締める。
麻里亜が踵を返して、階段に向かう。
麻里亜のブーツの靴音がリズミカルに硬い音を響かせる。
僕は麻里亜の背中ですっかり安心してうとうと眠ろうとしていた。
僕が眠い目を擦った時、階段手前の鉄扉の向こうから、重い物が落ちた様な大きな音がした。
- 772 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:21.56 ID:l8dKCNVn0.net
- >>760
笑わせんな┐(´д`)┌ヤレヤレ
ワンピはオタと転売ヤーだけに支えられてるだけだろ
- 773 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:25.57 ID:5TEczSfJ0.net
- その音に反応する様に麻里亜の動きが止まり、僕は思いっきり額を麻里亜の背中にぶつけて目が覚めた。
「どうしたの? 麻里亜」
僕は欠伸が出て、眠そうに目を擦る。眼を擦ったら瞼が痒くなった。
麻里亜は音がした鉄扉を、紅い眼で冷たくじっと見ている。
「なんでもありません。失礼しました」
麻里亜は首を横に振って、前を向いて歩き出した。
麻里亜は音がした鉄扉の横を通り過ぎる。
僕は音がした鉄扉に振り向き、僕の頭に疑問が浮かぶ。
「ねぇ、麻里亜。もしかして、僕の他に閉じ込められている人がいた? 何で助けないで無視したの?」
僕は麻里亜に訊いた。拳を握り締めて、語尾が強くなった。
麻里亜が僕の質問に答える様に立ち止る。
「ワタシの任務は、ジン様の救出です。それ以外の命令は受けません」
僕は麻里亜の背中を拳で小さく叩いた。
「何で? 父上は? どうして、父上は僕を助けに来ないんだ!?」
僕は大声を出したせいで息が乱れた。
- 774 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:40.28 ID:5TEczSfJ0.net
- いつもそうだ。
父上は仕事で忙しく、いつも家にいない。
たまに父上が家に帰ったと思ったら、すぐに仕事で家を出る。
麻里亜が僕の面倒を見てくれていた。
麻里亜に父上の仕事を訊いても答えてくれなかった。
父上に会いたい。
僕は動揺して目がさざ波の様に揺れている。
麻里亜は僕を背負い直した。
「リアン様は、他の任務に就いております。ここに閉じ込められている人たちは、リアン様が救出します。安心してください」
麻里亜は何事も無かったように歩き出す。
- 775 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:50.45 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は麻里亜に呆れてため息を零す。
「麻里亜なら、僕をわかってくれると思ってた。もういいよ。僕一人で閉じ込められてる子を助ける。僕を下ろしてよ」
僕は必死に両手でぽかぽかと麻里亜の背中を叩いた。
その時、階段から手りゅう弾がゴロゴロと転がり落ちてきた。
麻里亜は咄嗟にすぐ側の階段手前の音がした鉄扉を蹴破り、中に駆け込んだ。
次の瞬間、手りゅう弾が爆発。僕たちが逃げ込んだ監禁室に爆風が舞い込む。
麻里亜の身体が爆風で浮き上がり、麻里亜の身体が反って爆風で吹っ飛ぶ。
僕は怖くなって、思わず目を瞑る。
爆風で振り落とされないように、僕は両手で麻里亜の背中を握り締める。
- 776 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:03.12 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、階段から手りゅう弾がゴロゴロと転がり落ちてきた。
麻里亜は咄嗟にすぐ側の階段手前の音がした鉄扉を蹴破り、中に駆け込んだ。
次の瞬間、手りゅう弾が爆発。僕たちが逃げ込んだ監禁室に爆風が舞い込む。
麻里亜の身体が爆風で浮き上がり、麻里亜の身体が反って爆風で吹っ飛ぶ。
僕は怖くなって、思わず目を瞑る。
爆風で振り落とされないように、僕は両手で麻里亜の背中を握り締める。
僕の鼓動が高まり、緊張で息が荒くなる。
僕はそっと眼を開け、部屋をゆっくりと見回す。
部屋は壁際にベッドが置いてあるだけの殺風景な部屋だった。
確かにこの部屋から音がしたんだけど、何故か誰もいない。
変だな。僕は不思議に思い首を傾げる。
でも、今は麻里亜が心配だ。
- 777 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:14.90 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜の左肩越しを覗くと、麻里亜の左手が伸び、麻里亜は壁に左手の掌を突いていた。
麻里亜の掌の周りに、蜘蛛の巣の様に罅割れている。爆風の凄まじさを物語る。
僕は恐る恐る麻里亜の横顔を覗くと、麻里亜は無表情で紅い眼を見開いている。
僕は麻里亜が心配で生唾を飲み込み喉を鳴らす。
「麻里亜、大丈夫?」
僕は麻里亜の無表情の横顔に声を掛けてみた。
麻里亜が無表情で僕に振り向く。
「ワタシは大丈夫です。ジン様、大丈夫ですか?」
麻里亜が壁から左手を離す。
僕は生きている実感が湧き、力強く頷く。
「僕は大丈夫。それより、閉じ込められてる人はどこ?」
僕は狭い部屋を見回す。
- 778 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:16.11 ID:GG8YyDald.net
- >>772
反論出来ないならレスするな
- 779 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:33.33 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は傍のベッドに顔を向けた。
「彼女は爆風に巻き込まれ、ベッドの下にいる模様」
麻里亜はベッドの下を透視する様にベッドを見つめている。
その時、ベッドの下から口元を白い布で縛られ、身体をロープで縛られた少女が床をもぞもぞと這って出てきた。
少女は肩までの金髪ミディアムヘアでカールを巻き、豪華なコルセットドレスを着て、黒いブーティを履いている。
格好からして、どこかの貴族だろうか。
髪と肌に艶があるから、まだ彼女は拉致されて間もないんだろう。
女の子にとって不潔は辛いだろうな。僕は彼女を見下ろして、そう思った。
麻里亜は黙って僕を下ろし、屈み込んだままワンピースのポケットからナイフを取り出す。
麻里亜は立ち上がって彼女の元に歩み寄り、少女を縛っているロープを切って、頭の後ろで結ばれた白い布を解いてあげた。
- 780 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:44.82 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は麻里亜の行動に呆気に取られ、壁に凭れて呆然と立ち尽くす。
驚きで僕は目を瞬く。
束縛から解放された少女が咳き込みながら、顔を上げて必死に口許を動かして何か言おうとしている。
「た、助け、て……わ、私は、る、ルビナ姫……」
少女が麻里亜にしがみつくように、麻里亜の胸で気絶する。
何かの薬が効いたのだろうか。当分、少女は目を覚まさないだろう。
ルビナ姫?
どこかの王女かな?
いや、それより、何で麻里亜は彼女を助けたんだ?
僕は壁に凭れ、腕を組んで首を傾げて考えていた。
- 781 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:56.82 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は黙って麻里亜の行動を見守っていたが、やがて僕は不思議に思い麻里亜に訊いた。
「麻里亜、何で助けたの?」
僕は屈み込んで、少女の顔を覗き込む。綺麗な顔だ。
あっ、僕不潔だから、あんまり近づいたら、彼女に悪いよね。
僕は少女に遠慮しておもむろに立ち上がり、彼女から離れて壁に凭れた。
屈んで、何故かため息を零す。
少女を見ていると何故か胸がドキドキして、僕は顔が火照って胸を手でぐっと押さえる。
麻里亜は少女を支えながら、くるりと少女に背中を向けた。
「ワタシが彼女を助けた理由。リアン様は、彼女の存在に気付いてなかったようです。これより、ワタシは彼女を助け、新たな任務を遂行します。ジン様、歩けますか?」
- 782 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:03.81 ID:l8dKCNVn0.net
- >>755
今のところ配ってないよ( ̄д ̄)
そもそも天気の子で一弾しかやらなかったんだからすずめが第一弾特典すらないという事は十分あり得る
ワンピやらシンエヴァが特典商法で叩かれまくってるからその影響もあると見るべき
- 783 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:10.68 ID:5TEczSfJ0.net
- 数秒遅れて、麻里亜が僕の質問に答えた。
麻里亜が少女を背負っておもむろに立ち上がる。
僕は壁から離れて姿勢を正し、胸の前で必死に両手を振った。
「あっ、僕は大丈夫。男の子だし、平気だよ。歩けるから」
麻里亜が背負う少女の顔を見ていると、何故かまた恥ずかしくなり、僕の顔が火照る。
僕は少女から顔を背ける。何故か鼓動が高まる。
僕は瞼を閉じて、気持ちを落ち着かせるため、胸を手でぐっと押さえる。
深呼吸して手を下ろし、ゆっくりと目を開ける。なんか僕、変だな。どうしたんだろ。
- 784 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:24.18 ID:5TEczSfJ0.net
- 「よぉ、姉ちゃん。強いじゃねぇか、手りゅう弾でも死なねぇとはな。気に入ったぜ。よく見りゃ、姉ちゃんいい女じゃねぇか。ちょうどいい、店の女に飽きてたとこだ。俺の相手してくれねぇか? 高い金払うぜ? どうだ?」
その時、麻里亜が蹴破った鉄扉の所にいつの間にかマシンガンを片手に持ち、壁に凭れる男が立っていた。
男は短髪で黒いシャツを着て革ジャケットを羽織り、ジーンズに黒いブーツを履いている。
男は額から血を流し、煙草を吹かしながら、麻里亜を厭らしい目つきで舐める様に見ている。
男は不気味な笑みを浮かべた。
僕は恐怖で棒立ちになり、瞼を閉じて瞼に力を入れる。
両手の拳を握り締めた。麻里亜、助けて。
ダメだ。僕は首を横に振る。
麻里亜は僕が守るんだ。
僕は意を決して瞼を開ける。
- 785 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:38.28 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜が微かに動いて、男は驚いて身構え、マシンガンを構えて銃口を麻里亜に向ける。
麻里亜は両手が塞がって思った以上に動けないらしく、男は安心したようにライフルを下ろした。
僕は両手の拳を握り締めたまま、生唾を飲み込み喉を鳴らす。
動かなきゃ。僕が動かなきゃ。
僕は咄嗟に麻里亜の腰のホルスターからオートマチック銃を抜き、男にオートマチック銃の銃口を男に向ける。
麻里亜は動けない。僕が麻里亜を守らないと。
- 786 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:48.84 ID:5TEczSfJ0.net
- 男はふざけて自分を片手で指さす。
「俺を撃つのか?」
男は肩を竦め、可笑しいように腹を抱えて笑っている。
初めて人を撃つ。僕の手が恐怖で震えている。
寒気がして、オートマチック銃を落としそうになる。
「ジン様、お止めください。ワタシに任せてください」
隣に立つ麻里亜の感情のない声が振ってくる。
麻里亜の声が遠くに聞こえる。
やっぱり駄目だ、撃てない。僕は怖くなって瞼を閉じる。
落ち着け。震える手で、ゆっくりと引き金を引いてゆく。
ごめん、麻里亜。やがて一発の銃声が響く。
- 787 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:53.52 ID:39x0W3Cua.net
- 天気の特典って初日からあったっけ?
- 788 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:03.54 ID:5TEczSfJ0.net
- 男に銃弾が命中したのか、男が呻いてマシンガンを床に落とす音が聞こえた。
僕は男を撃った罪悪感で瞼を開け、鼓動が高まり息が荒くなる。
オートマチック銃が手の汗で、僕の手から滑り落ちる。
「こいつやりやがったな!」
男の怒声が聞こえたかと思うと、男がオートマチック銃を構えるのが見える。
その後、一発の銃声が響く。
「うっ」
僕の脇腹に激痛が走り、僕は声を漏らしコンクリートの冷たい床に跪く。
男の高笑いが聞こえる。
僕は脇腹を手で押さえ止血する。
脇腹を見ると血が噴いていた。
- 789 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:04.16 ID:TAjfRH8w0.net
- 水星の魔女ってチェンソーマンと違ってサブスクのランキングに全然入ってないのにヲタが一生懸命でおもろい
- 790 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:23.03 ID:5TEczSfJ0.net
- 「くそっ」
僕は呻き声を漏らして、よろめいて床に倒れ込んだ。
僕の意識が遠のく。
僕は悔しくて、歯を食いしばって男を睨む。
その時、男の背後から革の手袋を嵌めてナイフを握った手が伸び、男の首筋にナイフが刺さった。
「がふっ」
男が口から血を吐き、喉を片手で押さえる様に男が横に倒れるのが見える。
男の背後から、大男が現れた。
大男は肩にかかるエメラルドグリーンヘアで、顔が白く塗ってあり、目許が黒く塗ってある。
口許を覆う様に不気味な金色の歯型マスクを装着し、鼻まで銀色のマスクが覆っている。
マスクの両端から銀色のホースが伸び、背中の機械に繋がっている。
緑のシャツを着て、黒いネクタイを締め、紫のコートを羽織り、両手に黒い革手袋を嵌めている。
紫のストライプのスーツズボンを穿き、黒いブーツを履いている。
大男のマスクから不気味な呼吸音が聞こえる。
- 791 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:32.27 ID:39x0W3Cua.net
- あぼんだけが増えていくが同じIDで荒らしても無駄なんだよ福岡
- 792 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:40.77 ID:5TEczSfJ0.net
- 「!?」
僕は驚いて目を見開く。
この人、誰だろう。
大男は壁に掌を突いて、僕たちを見て笑った。
「オレが留守の間に大事な人質が逃げようとしている! 部下どもは役立たずばかりだ! 取引が台無しだ!」
大男が悪魔の様な声で、怒りを露わに壁を拳で叩く。
拳で叩かれた壁が砕けて、瓦礫が床に落ちる。
大男は倒れた男の死体から乱暴にマシンガンを奪い取って、麻里亜に銃口を向けて構える。
「彼女を下ろしてもらおう。抵抗するなら、お前を撃つ」
大男が勝ち誇った様に笑い、荒い呼吸音が聞こえる。
僕は麻里亜を心配して、麻里亜を見上げる。
麻里亜は僕に答える様に、僕に振り向いた。
麻里亜は大男に顔を戻して否定する様に首を横に振る。
「出来ません。ワタシは任務を遂行します」
麻里亜は無表情で大男を見つめている。
- 793 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:55.52 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は脇腹を手で押さえながら、何も出来ない自分が悔しくて拳を握り締める。
「くそっ」と呟いて、僕は大男を睨み据える。
大男は麻里亜の答えを気に入ったかの様に掌を壁に突き、マシンガンを肩に担ぐ。
「フハハハハッ、頑固な女だ。いいだろう。お前を殺してでも、彼女を取り戻すぞ!」
大男は不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す。
僕はべっとりと身体に汗を掻いていた。
もうダメだ。僕は瞼を閉じる。
僕は何も出来ないんだ……
麻里亜、死なないで。お願いだ。
- 794 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:07.40 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男は麻里亜の答えを気に入ったかの様に掌を壁に突き、マシンガンを肩に担ぐ。
「フハハハハッ、頑固な女だ。いいだろう。お前を殺してでも、彼女を取り戻すぞ!」
大男は不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す。
僕はべっとりと身体に汗を掻いていた。手にも汗を掻いている。
もうダメだ。僕は脇腹を手で押さえ、拳を握り締めたまま、瞼を閉じて首を横に振る。
瞼に力を入れて、歯を食いしばる。僕は何も出来ないんだ……
麻里亜、死なないでくれ。お願いだ。
大男が不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す音が耳に痛かった。
- 795 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:08.31 ID:l8dKCNVn0.net
- >>778
ワンピの視聴率見て来いよ( ̄д ̄)
今回の映画はワンピの力ではなくUTA&adoのおかげだろ
ワンピ自身の人気でこの興行ならもう少しぐらい視聴率上がってもいいよね?
鬼滅は爆上がりしたしな
- 796 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:23.75 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、麻里亜の方から静電気で痺れた様なバチバチという電気的な音が聞こえた。
「ジン様。ワタシのダメージが大きいため、これよりシールド展開します」
麻里亜の冷たい声が聞こえる。
僕はそっと片目を開けて、両目を開けた。
「麻里亜……?」
僕は麻里亜に振り向いて、小さく呟いた。
麻里亜の身体を青白い障壁が包み込んでいる。
麻里亜の頬にマシンガンの弾が掠ったのか、血の筋がいくつか走っていた。
血の筋から血が頬を伝い顎から血が滴る。
麻里亜の足元には、マシンガンの薬莢が幾つも落ちている。
麻里亜の黒いワンピースに血が滲み、凄惨を物語る。
- 797 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:36.19 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男のマシンガンが弾切れになり、大男が可笑しいように不気味に笑っている。
「フハハハハッ。なるほど、オレの部下が役立たずな訳だ。面白い、気に入ったぞ。お前、人間じゃないな? アンドロイドか? オレも人間じゃない。お前もオレも化け物よ。フハハハハッ」
大男は麻里亜と自分を指さした後、不気味に笑いながらマシンガンを乱暴に投げ捨てた。
アンドロイド?
意味深な大男の台詞で、僕は大男をまじまじと見る。
この男、人間じゃないのか?
麻里亜は人間じゃない?
僕は改めて麻里亜を見る。
- 798 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:46.57 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は片腕を真っ直ぐ伸ばし、掌を大男に向ける。
「これより、攻撃展開します。先ほどのお返しです」
麻里亜の薄青い長い髪に青白い電気がバチバチと走りながら、麻里亜の薄青い長い髪がぶわっと逆立つ。
機械的な高い音が鳴り、麻里亜の身体を包んだ青白い障壁が掌に急速に縮小され、やがて青白い電気の球となり、大男に向けて青白い電気の球が勢いよく放たれ、辺りに耳をつんざく轟音が響く。
麻里亜?
僕は声にもならず、ただ麻里亜を見ている。脇腹の痛みさえ忘れて。
麻里亜の薄青い長い髪が垂れる。見たこともない麻里亜の姿。
僕は麻里亜の攻撃を目で追っていた。
- 799 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:58.00 ID:5TEczSfJ0.net
- 「馬鹿なッ!」
大男が目を見開き、信じられないという様な悲鳴を上げる。
大男は麻里亜の青白い電気の球に押され、大男の身体がくの字に派手に吹っ飛ぶ。
麻里亜の攻撃で壁に穴が開き、大男は穴の奥の闇に消えている。
僕は壁に空いた闇を見つめて、生唾を飲み込み喉を鳴らした
「す、すごい……」
動揺で僕の眼がさざ波の様に揺れている。
僕は脇腹を手で押さえ、顔をしかめて突っ立っていた。
「ジン様。今のうちに脱出しましょう」
- 800 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:06.28 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜の声が降り、僕は我に返った。
「!? そ、そうだね」
僕は麻里亜を横目に、ゆっくりと歩き出す。
麻里亜が数歩歩いたところで、麻里亜が片膝を床に突いた。
麻里亜の身体から火花が散っている。明らかに麻里亜の身体が異常だった。
「ま、麻里亜!? ど、どうしたの!?」
僕は麻里亜の隣で屈み込んで、麻里亜の肩に手を載せて、麻里亜の顔を覗き込む。
脇腹を手で押さえたまま。
- 801 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:18.81 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜が無表情の顔を僕に向ける。
「ジン様。先ほどの攻撃により、ワタシのエネルギーを予想以上に消費しました」
麻里亜が冷たく言い放つ。顔を戻し、瞼を閉じて首を横に振る。
さっきの攻撃といい、やっぱり麻里亜は人間じゃないのか?
僕は麻里亜の正体を訊いてみようと思い、緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らす。
口まで出かかっているが、踏みとどまる。僕は瞼を閉じて首を横に振った。
たとえ、麻里亜がアンドロイドでも、麻里亜は麻里亜だ。
「ジン様。どうかしましたか?」
麻里亜の声が降ってくる。
- 802 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:25.07 ID:YXqTVVetr.net
- >>630
鬼滅のことdisるのやめて
- 803 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:26.16 ID:l8dKCNVn0.net
- >>787
ムビチケ特典すらないよ( ̄д ̄)
100億突破までになにも配らなかった作品は天気の子のみ
他の作品は何かしら配ってる
最近だとムビチケに特典があるのは常套手段らしいし
- 804 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:28.47 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は瞼を開けて、麻里亜に微笑む。
「なんでもない。麻里亜、本当に大丈夫? 少し休んだ方が……」
僕が言いかけて、麻里亜がおもむろに立ち上がる。
麻里亜は背負っているルビナ姫を背負い直し、僕はふらつく麻里亜を見上げ思わず手を伸ばす。
「休んでいるわけにはいきません。ここにいては危険です。ジン様、先を急ぎましょう」
麻里亜はふらつきながらも、歩を進める。身体から火花を散らしながら。
僕は伸ばした掌を握り締め、そっと腕を下ろす。
「う、うん……」
僕は麻里亜の背中を見つめ、おもむろに立ち上がる。
脇腹の痛みに顔をしかめて。
- 805 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:46.54 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜が蹴飛ばした鉄扉の傍の壁に掌を突いた。
麻里亜が肩で息をしている。相当、エネルギーを消費しているらしい。
その時、壁に空いた穴からミサイルの様な飛来音が聞こえ、僕は壁に空いた穴を睨む。
壁に開いた穴からミサイルが飛び出して、ミサイルが曲がって出口の階段の方に飛んでゆく。
続いて爆発音が聞こえ、壁が崩れる様な嫌な音が聞こえた。
まさか、あの男、生きていたのか?
あの男、何をしたんだ?
嫌な予感がした。
- 806 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:04.17 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜が蹴飛ばした鉄扉の傍の壁に、麻里亜は掌を突いた。
麻里亜が肩で息をしている。相当、エネルギーを消費しているらしい。
その時、壁に空いた穴からミサイルの様な飛来音が聞こえ、僕は壁に空いた穴を睨む。
壁に開いた穴からミサイルが飛び出し、ミサイルが曲がって出口の階段の方に飛んでゆく。
続いて爆発音が聞こえ、壁が崩れる様な嫌な音が聞こえた。
まさか、あの男、生きていたのか?
あの男、何をしたんだ?
僕は嫌な予感がした。
- 807 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:06.06 ID:l8dKCNVn0.net
- >>802
( ̄д ̄)?
- 808 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:14.43 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、爆風が部屋に押し寄せるのが僕の視界に映る。
「ジン様!」
初めて麻里亜の悲しみを剥き出した声が聞こえた。
「うわっ」
爆風で僕は吹っ飛び、僕の背中が壁に激突して背骨が軋む。
僕は口から血を吐き、床に両膝を突きうつ伏せに倒れた。
痛みで顔をしかめ、拳を握り締め、意識が朦朧とする。
僕は肩膝を床に突いて、身体をゆっくりと起こす。
血が混じった唾を吐き、口許を手で拭うと視界に麻里亜が映る。
- 809 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:26.27 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は片手で僕を支えてくれて、僕は身体を捻じって背中を麻里亜に預ける。
だいぶ楽になり、僕は麻里亜に大丈夫だと言わんばかりに、麻里亜に微笑む。
その時、麻里亜の両眼から赤いレーザーが伸びて機械的な音を鳴らし、僕の身体を上半身から下半身へとスキャンしてゆく。
「スキャン完了。ジン様の人体損傷七〇パーセント。脇腹の傷及び、壁に激突した衝撃で左腕の骨が折れています」
映像が切れた様な機械的な音を鳴らし、麻里亜の両眼から赤いレーザーが消えた。
僕は脇腹を手で押さえ、腕の痛みで顔をしかめる。
「そっか。どうりで、腕の感覚がないわけだ。やっぱり、麻里亜は人間じゃないんだ……」
僕は麻里亜が人間じゃないという現実を受け止められず、悲しみで麻里亜の胸で俯く。
- 810 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:41.60 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ワタシはリアン様の研究で生み出されたアンドロイドです。ワタシは試作機で様々なデータを採り、今後の研究に役立て、未来のアンドロイドを創るためにワタシは役立っています」
麻里亜の冷たい声が聞こえる。
僕は瞼を閉じて首を横に振る。
「そっか……父上が麻里亜を造ったんだ。麻里亜がアンドロイドでも、麻里亜は麻里亜だよ。これからもよろしく、麻里亜。僕は麻里亜を知って嬉しいよ」
僕は瞼を開けて顔を上げ、麻里亜に微笑んだ。滲んだ嬉し涙を拭って。
麻里亜の頬が火照る。
「ワタシの正体を隠して、申し訳ありません。いつかワタシの事をジン様に話そうと思っていました。ジン様、大丈夫ですか? 先ほどの爆発で出口の天井が崩れ、閉じ込められた模様」
麻里亜が真紅の冷たい眼で僕を見下ろす。
- 811 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:54.90 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜の最期?
どういうこと?
それよりも、閉じ込められたことが悔しくて、僕は拳を握り締めた
「くそっ」
やっぱり、さっきの爆発は僕たちを閉じ込めるためにやったんだ。
あいつは死んでなかったんだ。あの男、何者なんだ。
悔しくて歯を食いしばり、涙が滲む。
どうすればいいんだ。何か脱出する方法はないのか?
その時、大きな銀色の筒状の物が回転しながら部屋に転がってくる。
筒には小さな穴がいくつも空いており、穴から緑のガスが噴出された。
- 812 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:00:14.64 ID:GG8YyDald.net
- >>795
アニメは長いので鬼滅みたいにとは行かない
加えてアニメの方はアニポケ同様評価が低いので見る意義はなし
流れるなら原作だな
- 813 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:01.92 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ジン様、毒ガスです! 息を止めてください! シールドを張ります!」
麻里亜が声を上げ、僕を片手で支えたまま、麻里亜の両眼から青白いレーザが飛び出す。
麻里亜は緑の毒ガスを噴出している銀色の筒状の物を睨み据える。
「!? わ、わかった!」
僕は脱出方法を考えるのをやめて、慌てて口許を両手で覆う。
手が臭いけど我慢した。
脇腹や腕が痛むのも我慢だ。僕は生きる。これくらいなんともない。
僕は麻里亜の横顔を見る。さっきの攻撃で、麻里亜はエネルギー消費している。
麻里亜の眼から発せられる青白いレーザーが球形を形作る。
- 814 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:11.76 ID:R9lgQzbK0.net
- >>751
なんだいつもの一人演技か
どおりで配布日書かないと!って必死だと思った
記載ないと都合悪いんだね
配布日ないといけない時点で鬼滅ヲタのまけー
- 815 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:15.18 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕と麻里亜の身体を、青白い障壁が展開してゆく。
僕はその間に息を止めた。そんなに長く息を止められない。
一分くらい息を止めると、慣れない息止めに急に息苦しくなった。
思わず口許から両手を離し、息を吸おうとした時、麻里亜の唇が僕の唇に重なった。
麻里亜がゆっくりと瞼を閉じる。
「!?」
僕は驚いて、眼がさざ波の様に揺れている。
ま、麻里亜?
僕は恥ずかしくなり、慌てて麻里亜の唇から離れようとする。
麻里亜が僕を支える手と唇に力を入れる。
麻里亜の口から新鮮な空気が送られ、僕の傷が癒える感じがして、脇腹の痛みが和らぐ。
折れた腕も再生する感じがした。僕は心地良くなり、ゆっくりと瞼を閉じる。
温かい。麻里亜の温もりを感じる。
- 816 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:44.73 ID:5TEczSfJ0.net
- これが、麻里亜の力なんだ。
麻里亜の唇が、僕の唇からゆっくりと離れる。
「ジン様。ワタシのエネルギーを消費して、ジン様を治療しました。シールド展開完了」
麻里亜の冷たい声が聞こえる。
僕はゆっくりと瞼を開けた。
「ありがとう、麻里亜……少し楽になったよ」
僕は麻里亜の顔を見て微笑む。
麻里亜の頬が火照る。
「ジン様。ワタシのエネルギーをチャージします。少し休ませてください」
麻里亜が片膝を床に突いたまま俯いて瞼を閉じる。
- 817 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:54.53 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は麻里亜の肩に手を載せた。
「ゆっくり休んでいいから」
麻里亜の横顔を覗き込んで、僕は麻里亜に微笑んだ。
その時、麻里亜の背中から咳払いが聞こえた。
「私の前でキスしないでくれるかしら? 邪魔しちゃ悪いと思って邪魔しなかったけど」
ルビナ姫が麻里亜の背中から降りて、顔をしかめて両手に腰を当てる。
ルビナ姫を支えていた麻里亜の腕が垂れ下がる。
僕は驚き、恥ずかしくなって麻里亜の腕から慌てて離れる。
「お、起きてたんだ。ご、ごめん。気付かなくて」
気まずくなってルビナ姫に背中を向けて胡坐をかき、頭の後ろを掻いて僕の顔が火照る。
- 818 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:05.96 ID:5TEczSfJ0.net
- まともにルビナ姫と顔を合わせられない。
僕はルビナ姫が気になって、ルビナ姫に振り向いて横目でルビナ姫を一瞥する。
胸の前で腕を組んだルビナ姫と目が合い、恥ずかしくなって、僕は慌てて顔を戻す。
麻里亜とのキス、ルビナ姫に見られちゃったな。
胡坐をかいたまま頭の後ろを掻きながら、僕はルビナ姫を横目で見る。
ルビナ姫は不機嫌そうに胸の前で腕を組んだまま僕を睨んで肩を竦める
「起きてたら悪いのかしら? それともあのまま気絶してろと? それより、この臭いなに? あなたから臭ってくるみたいだけど。この臭い、なんとかしてよ」
ルビナ姫は顔をしかめ、両手で鼻を摘まんで首を横に振る。
- 819 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:14.91 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はルビナ姫の傲慢な態度にやるせなくなり俯く。
「ご、ごめん……僕、拉致されてから、その、風呂とか入ってなくて……」
ルビナ姫に嫌われちゃったな。僕の第一印象最悪だ。
せっかく仲良くなれると思ったのに。
ルビナ姫が壁を叩く様な音が聞こえる。
「ちょっと、出られないじゃないの! 出しなさいよ! 城に帰らないと。みんな心配してるわ……」
ルビナ姫が諦めて床に両膝を突いたのか、コルセットドレスの擦れる音が聞こえた。
- 820 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:27.24 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は瞼を閉じて首を横に振る。
「僕たちは閉じ込められたんだ。ここから出れば、毒ガスを吸って死ぬ。どうしようもできない。麻里亜が目覚めるまで待つしかない」
何も出来ない自分が悔しくて歯を食いしばり、両手の拳を握り締める。
僕は顔を上げて身体を捻じり、心配になって麻里亜に振り向く。
麻里亜は静かに眠っていた。気のせいか麻里亜が優しい顔をしている。
ルビナ姫が立ち上がって、今にも泣きそうな顔で麻里亜の傍に屈み込んで、麻里亜の身体を必死に両手で揺すっている。
「ちょっとどういうこと!? あなたが麻里亜? 起きてなんとかしてよ! 私を助けたんでしょ!?」
- 821 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:29.50 ID:TXnvk0Xda.net
- >>754
じゃあ特典ランダムの天気と特典700万枚スタート鬼滅は10億くらいか?
- 822 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:38.93 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫は起きる気配のない麻里亜を揺するのを諦め、立ち上がって青白いシールド内を必死に拳で叩いている。
「ここから出してよ!」と、ルビナ姫は誰かに訴えている。僕は黙ってルビナ姫を見ていた。
ルビナ姫に呆れて、僕は俯いて瞼を閉じ、額に手を当てて首を横に振る。
やがて叩くのを諦めたのか、ルビナ姫は腕を組んだり腰に手を当てたりして、青白いシールド内を行ったり来たりしている。
とうとうルビナ姫は両膝を床に突き、俯いて両手で顔を覆い泣き始めた。
子供の様に泣き声を漏らし、涙を指で拭う。
- 823 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:50.06 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はそんなルビナ姫を見ていると何故か苛立ち、拳が怒りで震え、やがて拳で思いっきり床を叩いた
「黙って見てりゃなんだよ! いい加減にしろ! キミは自分のことばかり、王族はみんなそうなのか!? 麻里亜はキミを見捨てるつもりだったんだ。だけど、麻里亜はキミを助けた。少しは感謝したらどうだ!? 甘えるな! キミを見ているとイライラする。今までちやほやされて育ったんだろ? 少しは我慢しろ」
僕はくるりとルビナ姫に背を向け、麻里亜の隣で胡坐をかいて頬杖を突き、片方の掌を太ももの上に載せた。
ルビナ姫が気になって尻目で見る。
- 824 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:58.00 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が両手の掌を床に突き、拳で床を叩く。意表を突かれて泣きじゃくっている。
「な、なによ。なんなのよ! ご、ごめんなさい。ごめんなさい……私は自分のことばかり。王女だからって、みんなからちやほやされて、甘えていたんだわ。私、もう十六なのにね。あなたに言われて、私は初めて気付いた……ありがとう、少し楽になったわ」
ルビナ姫は俯いて、泣きながら悔しくて床を何度も叩き、洟をすすり嗚咽し、涙を両手で拭う。
- 825 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:06.60 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は何も言わなかった。
キミは自分で気付けたんだ。それでいいんだ。
僕はルビナ姫の背中に微笑んだ。
「フハハハハッ。さっきのは痛かったぞ! オレを怒らせたのはお前が初めてだ! 気に入ったぞ!」
その時、麻里亜が鉄扉を蹴飛ばした方から大男の悪魔の様な声が降って来た。
ルビナ姫の泣き声が止んだ。「今の声、なに?」とルビナ姫が僕に振り向いて訊いてくる。
- 826 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:14.91 ID:39x0W3Cua.net
- 福岡は手動?
- 827 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:21.00 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は寒気がして両腕を両手で擦る。
あの男、まだ生きてたのか。僕は歯を食いしばって毒ガスの向こうを睨む。
毒ガスが充満する中で大男の影が揺らぎ、大男が僕たちの前に姿を現す。
大男の背中の機械から火花が散っている。
どうやら、麻里亜の攻撃は効いたみたいだ。
「なんてことなの。あ、悪夢だわ……」
ルビナ姫は大男を見て口許を手で覆い気絶してうつ伏せに倒れた。
僕は気絶したルビナ姫を見る。キミは気絶してた方が都合いい。
それにしても、キミはあの男を知ってるのか?
- 828 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:34.16 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男はルビナ姫が気絶したのを見て不気味に笑った。
大男は首を傾げ、人たち指を突き立てて左右に小さく振り挑発する。そして、両手を大きく横に広げる。
「ショータイムはこれからだ! 今からデスゲームを始める。オレが屋敷に仕掛けた爆弾の爆破スイッチを押す。制限時間は三分だ。その間に逃げれば、お前たちの勝ちだ。出口はオレが塞いだ。この絶望を味わうがいい! フハハハハッ」
大男は両手の手首をクロスさせ爆破のジェスチャーをした。
大男は不気味に笑いながら後退して、空間が揺らいで大男は毒ガスの中に消えた。
爆破だって?
なんて残酷なんだ。
僕は床を拳で叩き、大男が消えた方を睨んだ。
背中には嫌な汗をべっとりと掻いている。
麻里亜の治療で少し楽になったが、絶望感で今にも意識が吹っ飛びそうだ。
僕は麻里亜を見る。麻里亜は僕の期待に応える様にゆっくりと瞼を開けた。
- 829 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:39.07 ID:l8dKCNVn0.net
- >>812
新規獲得できてないって事か┐(´д`)┌ヤレヤレ
それワンピ的に何の意味があるの?
つまりは今回の映画はワンピとは関係ないって言ってるようなも
Mr.サンデー★2
http://sora.5ch.net/test/read.cgi/livecx/1662296775/
客の感想
「歌はすごいよかったです」
「ウタちゃんのコンサートを見てるみたいだった」
ミヤネ「私も見ましたけど・・・とにかくadoさんの歌唱力が凄い映画でした」
実際関係なさそうで草
- 830 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:44.75 ID:5TEczSfJ0.net
- 「チャージ完了。ジン様。三分後にワタシのシールドは強制解除され、ワタシのエネルギーが限界に近づきます。どうしますか?」
麻里亜が片膝を突いたまま、僕に振り向いて冷たく言い放つ。
僕は床に手を突いて、麻里亜の傍に寄る。
「麻里亜、無茶させてごめん。僕がしっかりしていれば、こんなことにはならなかったのに……」
僕は麻里亜の傍で片膝を床に突き、麻里亜の肩にそっと手を載せる。
麻里亜と顔を合わせられず、僕は俯き瞼を閉じて首を横に振る。
「警告。爆破まで三分です。組員は速やかに退避してください。繰り返します……」
その時、感情のない女性の機械音声が監禁室のスピーカーから聞こえる。
僕は絶望に駆られ、両手の掌を床に突き、拳で思いっきり床を叩く。
くそっ。どうすればいいんだ。
考えろ、なにか策があるはずだ。
嫌な汗が頬を伝い顎から滴る。
- 831 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:05.89 ID:5TEczSfJ0.net
- 「警告。爆破まで三分です。組員は速やかに退避してください。繰り返します……」
その時、サイレンとともに感情のない女性の機械音声が監禁室のスピーカーから聞こえる。
僕は絶望に駆られ、両手の掌を床に突き、拳で思いっきり床を叩く。
くそっ。どうすればいいんだ。悔しくて歯を食いしばる。
考えろ、なにか策があるはずだ。床に突いた掌を握り締める。
宙を見つめ、嫌な汗が頬を伝い顎から滴る。
- 832 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:12.50 ID:R9lgQzbK0.net
- 完全に負けてるな一人演技
特典一覧だけじゃ自分で勝てる見込みがないと言ってるようなもんだ
- 833 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:15.78 ID:TXnvk0Xda.net
- >>782
今のところ公開してないですよ
天気が配ったんだからすずめもランダムでしょうな🤣
- 834 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:16.27 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、青白い障壁内に暗闇に浮かぶ大男の上半身のアップ映像が映る。
映像が乱れ、大男の不気味な呼吸音が響く。
「諸君、御機嫌よう。寛いでいるかね?」
ノイズの混じった大男の声は勝ち誇ったように不気味に笑っている。
この声は……あいつだ。
「!?」
僕は顔を上げて、大男を睨み据える。
僕は怒りに狂って立ち上がり、青白い障壁内を叫びながら拳で何度も叩く。
- 835 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:33.23 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男は挑発するように不気味に笑いながら人差指を突き出して小さく左右に振る。
「死ぬ前にお前たちを拉致した理由を教えてやる。兵器だよ、わかるか? 生体実験のためにお前たちを拉致した。生体兵器開発のために人間を攫い、極秘の研究施設で生体研究を行う。軍事兵器を創るのだ。フハハハハッ。ちょうどいい、完成したばかりの生体兵器シェリアの性能テストをしよう」
大男は椅子から立ち上がり、カメラ目線で奥へと腕を伸ばす。
奥には燃えるような紅く長い髪とオレンジ色の瞳で戦闘スーツに身を包んだ少女が無表情で椅子に座っている。
少女は瞬きもせずに太腿の上で拳を握り締めている。
椅子の後ろで手枷を嵌められ、足には足枷を嵌められている。口にはさるぐつわ。
- 836 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:44.05 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男が少女の頭に布を被せ、腰のホルスターからオートマチック銃を抜き、少女のこめかみに銃口を突きつける。
少女は無抵抗で無言のまま。
僕は悲しくなり、涙が滲む。
「やめろ……やめてくれ……」
僕は映像に釘付けになり、両膝を床に突き、俯いて拳で青白い障壁内を叩く。
「オレの名前はジョー。西のアルガスタ、闇の支配者だ。時は来たり、時代は暗黒を迎える!」
大男は引き金を引いて一発の銃声が響く。
「!?」
僕は銃声に驚いて顔を上げる。
- 837 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:58.66 ID:IpOCddgx0.net
- うわあ奈良婆降臨🤮
興行収入141億の名作もこんな婆さんに推された所為で天気どころか○器の子ですわ
一周回って天気の子可哀想😭
- 838 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:05:18.29 ID:l8dKCNVn0.net
- >>821
また寝ぼけてんのか┐(´д`)┌ヤレヤレ
天気の子が特典配ったのは125億地点だぞ
鬼滅は特典の分全部引いても最終興行は250億を超える
ワンピは全部引くと40億程度か
- 839 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:05:43.99 ID:5TEczSfJ0.net
- 許さない。僕は、お前を許さない。
僕は歯を食いしばって大男を睨み据える。
少女はぐったりと俯いている。
大男が両手を広げて高笑い、映像はそこでブラックアウトした。
僕は動揺して眼がさざ波の様に揺れ、しばらく青白い障壁内の一点を見つめていた。
悔しくて涙が滲み、手の甲で涙を拭う。
僕はやるせなくなり、拳を握り締めて俯く。
脱出してやる。絶対、脱出してやる。
平気で人を殺す人間を野放しにはできない。
でも、どうすれば。考えるんだ。
ふと頭の中で大男が消える瞬間が過る。
そういえば、あの男はどうやって脱出したんだ?
- 840 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:05:48.04 ID:PZdq8oGUd.net
- >>795
鬼滅は映画効果ではなくフジが朝昼晩ずっとCM流してたおかげ
それでもワンピの最高視聴率の半分もいかなかった
- 841 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:05:57.30 ID:5TEczSfJ0.net
- あの男が消える時、空間が揺らいだ様に見えたけど。
そうだ。あの男が脱出に使った技術を使えれば、ここから脱出できるかもしれない。
でも、僕じゃ無理だ。やっぱり、麻里亜が頼りだ。諦めちゃいけない。
僕は瞼を閉じて首を横に振る。
顔を上げて、僕は希望を胸に麻里亜を見る。
麻里亜は僕に背を向けて両手を横に広げ、両手の掌が青白く光っている。
麻里亜の周りに球形の青白い障壁が形成され、青白い障壁の周りに青白い電気がバチバチと走っている。
麻里亜が無表情で僕に振り向く。
- 842 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:06:12.42 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ジン様。私のコアを犠牲に、これより空間移動を展開します。最善の脱出法を検索した結果です。パワーチャージに時間を要します」
麻里亜の眼が寂しそうに顔を戻した。
麻里亜、何をしようとしてるんだ?
嫌な予感がして僕の鼓動が高まり、僕はぐっと胸を押さえる。
「空間移動? 麻里亜、どういうこと? 麻里亜は死んじゃうの!?」
僕は泣きながら麻里亜の首に両手を回して、麻里亜の背中に抱き付く。
麻里亜は僕の手を優しく握った。
「短い間でしたがお世話になりました。ジン様と口づけをした時、ワタシは胸の鼓動が高まりました。これが恋という感情なんでしょうか? ワタシは泣くことができません」
麻里亜はそっと僕の手から自分の手を離し、また腕を広げて掌を広げる。
- 843 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:06:23.87 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は悔しくて麻里亜の肩を拳で叩く。
「別の脱出法を探せばいいじゃないか! まだ時間はあるだろ!? 麻里亜が死ぬなんて、僕は嫌だからな!」
僕は麻里亜の背中に抱き付いたまま嗚咽する。
こんなの嫌だ。
「時間がありません。ジン様、ワタシはジン様の母親になれましたか?」
麻里亜の冷たい声が棘の様に降ってくる。
僕は溢れる涙を手で拭う。
「……もちろんだよ。麻里亜、僕のこと好きだったんだね。初めて知ったよ、ありがとう。最期に麻里亜とキスできて嬉しかった。麻里亜のことは絶対忘れない」
僕は洟をすする。垂れた鼻水が麻里亜の背中に張り付く。
僕は麻里亜の服に垂れた自分の鼻水を拳でごしごしと擦る。なんだか可笑しい。
夢だと思って、頬を強く摘まむ。痛い、夢じゃない。
- 844 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:06:37.41 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は僕を死ぬ気で守ろうとしている。
麻里亜が本気なんだと理解した。麻里亜との思い出が頭に過る。
麻里亜がメガネを掛けて家庭教師をしてくれたり、麻里亜が色んなことを知っていたり。
麻里亜と一緒に街に出掛けたこと。麻里亜と一緒に遊んだこと。
僕は涙を手で拭う。僕たちを守るために、麻里亜は命を犠牲にする。
だったら、麻里亜を止めちゃいけない。
僕は溢れる気持ちを抑えるように、拳を握り締めた。
僕は片膝を床に突いて立ち上がり、麻里亜の肩にそっと手を載せる。
「ジン様との思い出を共有できてワタシは光栄です。ワタシはジン様とお付き合いしたかったです」
麻里亜が残念そうに俯く。
- 845 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:06:52.54 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は照れて頭の後ろを掻く。
「そ、そうだね……キ、キスくらいなら、できるんだけどねっ。な、なに言ってるんだろ、僕ってば。アハハハハッ」
僕の頬が恥ずかしさで火照り、頭の後ろを掻きながら、気を紛らわすように愛想笑いする。
そういえば、麻里亜は女の子っぽくなった気がする。僕は麻里亜の背中を見つめる。
あれ? 麻里亜って何歳なんだろ? 見た目は僕より年上な気がするけど。
麻里亜が顔を上げて、僕に振り向く。
「ジン様。私の最期の我が儘です。ワタシはジン様が好きです。もう一度、ワタシと口づけしてくれますか?」
麻里亜の年齢を聞こうとした矢先に、麻里亜の淡い願いが込められた冷たい声が降ってくる。
- 846 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:03.88 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は思わず麻里亜の肩から手を離して後退り、間抜けに飛び上がる。
「え、ええー!? や、やだよっ。恥ずかしいよ……そ、その、心の準備が……」
麻里亜から顔を背け、僕の顔が火照り、気まずそうに人差指で頬を掻く。
もじもじと指を絡めながら僕の視線が、何故か気絶しているルビナ姫にいってしまう。
今のルビナ姫に聞かれてないよね? うわー、恥ずかしくなってきた。
「ワタシは最期までジン様を守ります。ワタシの想いを無駄にするつもりですか? 後悔しないでください」
麻里亜の熱の入った言葉が聞こえる。
僕は俯いて拳を握り締める。
「!? そ、そうだね……」
僕は生唾を飲み込み喉を鳴らし、麻里亜の横顔を一瞥して麻里亜の脇を回り、胸を手で押さえて麻里亜と向き合う。
僕は恥ずかしさで麻里亜の顔をまともに見ていられず、麻里亜から顔を背け瞬きしながら麻里亜を横目で見る。
- 847 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:14.39 ID:5TEczSfJ0.net
- スピーカーから警告音のサイレンが鳴り響く。
「爆破まで残り一分です。組員は速やかに退避してください。繰り返します……」
その時、感情のない女性の機械音声が監禁室のスピーカーから聞こえる。
僕は緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らし、両手の拳を握り締める。
意を決して瞼を閉じ、瞼に力を入れてゆっくりと麻里亜と口づけした。
僕の鼓動が高まる。
『ありがとうございます。ジン様、ワタシはこれでプログラムを消去できます。思い残すことはありません』
麻里亜の優しい声が頭に響く。
麻里亜のテレパシーだろうか。
とても心地がいい。
- 848 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:20.78 ID:YXqTVVetr.net
- >>768
同じ座席数…?
鬼滅勝たせるためにワンピより多い座席数もってきててワロタ
同じ座席数だと負けちまうもんな
- 849 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:23.90 ID:5TEczSfJ0.net
- 「!?」
僕は麻里亜と口づけしたまま、驚いて眼を見開く。
麻里亜も瞼を開く、麻里亜は両手を広げたまま、優しい眼がさざ波の様に揺れ、麻里亜が僕に微笑む。
球形の青白い障壁の青白い電気がバチバチと音を立てて一層激しくなる。
僕は安心してゆっくりと瞼を閉じる。
ありがとう、麻里亜。さよなら……僕は麻里亜にテレパシーを送る。
僕は麻里亜の頬に両手を当てて、麻里亜と濃厚に口づけする。
僕の鼓動のリズムが落ち着いてゆく。
『さよなら、ジン様……』
麻里亜の声が耳に残る。
麻里亜のメッセージの様に耳鳴りがする。
- 850 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:36.44 ID:5TEczSfJ0.net
- 警告サイレンが鳴る中、激しい揺れとともに、向こうで天井が崩れる音が聞こえる
「爆破まで30秒前。カウントダウン開始します。これより臨界点突破。繰り返します……」
感情のない女性の機械音声が監禁室のスピーカーから聞こえる。
その時、雷が落ちた様な衝撃と轟音が響き、次の瞬間に物凄い重力が僕にのしかかり、僕は押し潰されそうになり苦しくて声を漏らす。
息苦しくて息が荒くなる。ゆっくりと瞼を開けると、麻里亜が僕の唇から離れてゆっくりと瞼を開ける。
麻里亜は僕に微笑む。写真で見た母さんの笑顔がそこにあった。
麻里亜の身体から無数の光の玉が溢れ天に昇ってゆく。
麻里亜は魂が抜かれた様に静かに瞼を閉じて僕に寄り掛かった。
僕は麻里亜を抱き締め、天に昇ってゆく麻里亜の光の魂を仰ぐ。
- 851 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:47.35 ID:5TEczSfJ0.net
- 周囲の景色が物凄い勢いで変わってゆく。映像の巻き戻しのように廊下を抜け、玄関を抜けていく。
次の瞬間には、大きな噴水の傍に空間移動していた。
正面には大きな屋敷が建っている。
ゆっくりと球形の青白い障壁が、青白い電気を激しく走らせながら、火花を散らして消えてゆく。
次の瞬間、屋敷が大爆発して、爆風で僕は麻里亜の身体から離れ、麻里亜に手を伸ばすが爆風で吹っ飛ばされる。
僕の身体がくの字に吹っ飛び、僕は車のドアに激突して、僕は痛みで顔をしかめながらゆっくりと顔を上げる。
車のドアは爆風の衝撃で凹んでいた。誰かが近づいてくる影が見える。
僕はそこで気絶した。
- 852 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:05.21 ID:5TEczSfJ0.net
- 次の瞬間、屋敷が大爆発を起こす。
爆発の熱気が僕を襲い、爆発の熱気が僕の髪を撫でる。
ガラスの破片、壁の破片が僕の腕を掠め、僕は麻里の胸に顔を埋めて痛みで顔をしかめる。
爆風の強い力に押されて僕は麻里亜の身体から離れ、麻里亜に手を伸ばすが僕は爆風で吹っ飛ばされる。
僕の身体がくの字に吹っ飛び、僕は噴水の傍に停めてあった白いバンのサイドドアに激突。
僕は痛みで顔をしかめながらゆっくりと顔を上げる。
振り向くとバンのサイドドアは爆風の衝撃で凹んでいた。
顔を戻すと、誰かが僕に近づいてくる揺らいだ影が見える。
僕はそこで気絶した。
『ジン様。起きてください。危険が迫っています』
暗闇の中で、僕の頭に麻里亜の声が響く。
- 853 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:12.63 ID:TXnvk0Xda.net
- 天気の特典が初日はないからセーフという謎な根拠草
- 854 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:15.04 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜? どこなの?
僕は暗闇の中で辺りを見回す。
『あの男が来ます。ワタシはジン様の心で生きています』
麻里亜の声が聞こえなくなると、光が射した様に僕の視界が明るくなり、僕は顔の前を手で遮る。
「!? ぐっ」
次の瞬間、急に誰かに首を絞められて息苦しくなり、僕は瞼を開ける。
あの男がバンの傍で僕の首を絞め上げ、僕は大男の腕を拳で何度も叩く。
大男の腕を爪先で蹴って必死に抵抗する。
苦しくて言葉が喉に引っかかって出せない。
- 855 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:27.48 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男は僕を睨み、不気味に喉の奥で笑っている。
「外の空気はどうだ? やはり、あの女の力か。あの女を甘く見ていた。言え、あの女は何者だ!?」
大男は噴水の傍の石畳に横になって倒れている麻里亜を力強く指さす。
僕は歯を食いしばって大男の手首を両手で押さえ、首を横に振る。
麻里亜のことは何も知らない。父上なら、麻里亜のことを知っているはずだ。
大男はつまらなそうに鼻で笑う。
「まあいい。オレの邪魔をする奴は容赦せん」
大男は僕の首から手を放し、麻里亜に振り向いてバンのトランクに向かう。
- 856 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:38.37 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男が自分の首から手を離した時に、僕はお尻を地面に打ち付けた。
お尻を優しく擦り、首を押さえて咳き込む。
あいつ、麻里亜になにする気だ。
やめろ。麻里亜は僕が守る。
僕はゆっくりと立ち上がり、よろけながらバンのサイドドアに凭れて咳き込む。
大男の背中を睨み据え、バンのサイドドアに凭れながら、僕はバンのトランクに移動する。
大男は鼻歌を歌いながらバンのトランク開け、トランクの中からポンプアクションショットガンを取り出す。
ポンプアクションショットガンの銃身を見つめ、片目を瞑ってポンプアクションショットガンを構える。
大男は麻里亜に振り向き、ポンプアクションショットガンに弾を装填してゆく。
- 857 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:48.08 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はバンのトランクに凭れて咳き込む。
「やめろ。麻里亜に手を出すな……」
僕はポンプアクションショットガンに手を伸ばして、ポンプアクションショットガンの銃身を掴む。
大男は僕の手を払いのけ、片手でポンプアクションショットガンの銃口を僕の顔に向ける。
「邪魔をするなら撃つぞ。顔に風穴を開けたいか?」
僕は黙り込んで、大男から顔を背ける。
大男は勝ち誇った様に喉の奥で笑い、ポンプアクションショットガンを肩に担いで麻里亜の元へと向かう。
- 858 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:49.51 ID:YXqTVVetr.net
- >>807
????
- 859 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:03.96 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はバンのトランクに凭れて、大男の背中を睨み据える。
あの男を止めないと。
僕はバンのトランクを離れて、よろけながら大男の元へと向かう。
大男は麻里亜の元に寄ると麻里亜の肩を片足の爪先で乱暴に蹴り、麻里亜をうつ伏せにさせる。
大男は不気味に笑って麻里亜の肩を踏んづけ、ポンプアクションショットガンを肩に担いだまま、呻りながら麻里亜の顔を覗き込む。
大男は訝しげに顎に手を当てて顎を擦る。
「まだこの女のコアは生きてるな。この女が動いたら厄介だ。オレがこの女のコアを破壊する。おっと、邪魔はするなよ?」
大男はポンプアクションショットガンの銃口を麻里亜の胸に向けて僕に振り向き、人差指を僕に突き出して小さく左右に振る。
- 860 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:24.24 ID:5TEczSfJ0.net
- 「くっ。やめろ……やめてくれ……」
僕はやるせなくなり、地面に両膝を突いて俯く。
「それ以上近づくとこの女を撃つぞ。この女のコアを破壊してもいいのか?」
大男の冷たい声が聞こえる。
麻里亜を助けたい気持ちと僕の命が天秤に掛けられた気分だ。
気持ちは僕の命にぐらつく。
僕は生唾を飲み込み喉を鳴らす。
「わ、わかった。これ以上近づかない……」
僕は俯いたまま、拳を握り締める。
なんとなく顔を上げて、麻里亜の様子を見る。
- 861 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:34.67 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男は顔を戻し、ショットガンを肩に担いで、麻里亜を見下ろして残念そうに首を横に振る。
「残念だよ。お前みたいな優秀な戦士が、うちの部下に欲しかった」
大男は麻里亜の胸にポンプアクションショットガンの銃口を向け、引き金を引こうとしている。
僕は悔しくて歯を食いしばって地面を拳で叩き、麻里亜に手を伸ばして叫ぶ。
「よせ! 話が違うだろ! 麻里亜ぁぁぁぁぁ!」
その時、大男の背後に向かって剣を横に構えて靴音を響かせ、大男の背中に剣を振り上げるルビナ姫。
「ジョー! あなたの好きにはさせない!」
次の瞬間、硬い金属音が鳴って火花が散り、ジョーが振り向きもせずにルビナ姫の剣を受け止め刀身を握り潰す。
ルビナ姫の剣の刀身がガラスの様に砕け散った。
ルビナ姫がジョーの背中で肩で息をしながら砕けた刀身を握った腕を垂らし、驚愕の表情を浮かべて後退る。
- 862 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:43.70 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ル、ルビナ姫!?」
僕は驚いて腰が抜けて盛大に尻餅をつく。
な、なにやってんだよ。キミは大人しくしてればよかったんだ。余計なことを。
あの男を倒すのは、麻利亜しか無理だ。
でも、どうすれば、麻里亜は目覚めるんだ。
くそっ。僕たちじゃ敵わない。毒には毒を。
僕はジョーを睨み据えて、歯を食いしばって拳を握りしめる。
ジョーがルビナ姫に振り返って、ポンプアクションショットガンを肩に担ぎ、ルビナ姫に振り向いて掌を向けて喉の奥で笑う。
「余計な真似をしてくれる。姫にはしばらく眠ってもらおう」
ルビナ姫に向けられたジョーの掌が紅く光り、ルビナ姫はジョーの掌から放たれた衝撃波で吹っ飛んだ。
ルビナ姫は顔の前で腕をクロスさせてくの字に吹っ飛び、噴水に背中が激突して気絶した。
ルビナ姫が握っていた剣がするりと落ちる。
- 863 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:59.59 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はルビナ姫を助けようと立ち上がり、よろけながらルビナ姫の元に向かう。
ルビナ姫。キミの勇敢な行為は称賛に値するよ。僕がその目撃者だ。
麻里亜、ごめん。後で助けるから待っててくれ。
僕は麻利亜に振り向く。
大男が麻利亜に振り返り、ショットガンの銃口を麻利亜の胸に向ける。
えっ? 僕は嫌な予感がして鼓動が高まり、胸を手で押さえる。
落ち着け。麻里亜は大丈夫だと言い聞かせて深呼吸する。
大男の呼吸音が響き、不気味に笑う。
「手間取らせやがる。フハハハハッ。さらば、同胞よ!」
一発の重たい銃声が響き、麻利亜の身体から衝撃波が放たれ、麻利亜の身体から火花が散る。
- 864 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:09.51 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はやるせなくなり、その場で両膝を床に突き俯く。
「そ、そんな……麻利亜……」
両手の掌を地面に突き、俯いて拳で地面を何度も叩く。
麻里亜を助けていれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに。
なんで僕はルビナ姫を助けようとしたんだよ。くそっ。
僕は悔しくて涙が滲んで、手の甲で涙を拭う。
その時、門から車やバイクのエンジン音が近づき、やがて僕たちの前で急停止する。
僕は驚いて顔を上げる。なんだ?
パトロール隊のレスキュー車だ。エアバイクまである。
エアバイクはタイヤがなくて、エンジンが掛かると宙に浮くバイク。水上も走れるから便利だ。
でもエアバイクはパトロール隊の乗り物なんだよね。カッコイイけど。
パトロール隊が来たってことは、僕たちは助かったのか?
僕は緊張で生唾を飲み込み喉を鳴らし、固唾を呑んで見守る。
- 865 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:09.54 ID:PZdq8oGUd.net
- >>829
ワンピ1巻からまた売れたから確実に新規いるぞ
ブックオフに売られまくった鬼滅と逆で
- 866 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:24.76 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、正門をぶち破って車やバイクのエンジン音が近づき、やがて僕たちの前で急停止する。
僕は驚いて顔を上げる。なんだ?
パトロール隊のレスキュー車のバンだ。エアバイクまである。
エアバイクはタイヤがなくて、エンジンが掛かると宙に浮く近未来バイク。水上も走れるから便利だ。
でもエアバイクはパトロール隊の乗り物なんだよね。カッコイイけど。
パトロール隊が来たってことは、僕たちは助かったのか?
僕は緊張で生唾を飲み込み喉を鳴らし、固唾を呑んで見守る。
エアバイクに跨って黒い制服を着た隊員が次々にエアバイクから降りて、ヘルメットを脱ぎヘルメットをシートの上に置く。
隊員はジョーの元へと駆け寄り、ジョーを取り囲む。
- 867 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:36.42 ID:5TEczSfJ0.net
- 隊員は一斉に腰のホルスターからオートマチック銃を抜いて、オートマチック銃をジョーに構える。
その時、レスキュー車の運転席のドアからヘルメットを被ったオレンジ色の制服を着た隊員が下りてくる。
ヘルメットを弄りながら、レスキュー隊員が僕に駆け寄ってくる。
レスキュー車の車内で無線が入り、男性の声で何か喋っている。
「ルビナ姫から緊急発信があった。お前はジョーだな。ここで何している!?」
一人の隊員が声を張り上げ、ジョーに訊く。隊長だろうか。
ジョーは不気味に喉の奥で笑い、ポンプアクションショットガンを肩に担いで隊長を睨む。
「姫がパトロール隊を呼んだか。オレの計画が狂ったな、まあいい」
ジョーは左右に首を振り、隊員たちを見回す。
- 868 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:48.38 ID:5TEczSfJ0.net
- 計画? なんのことだ?
僕が物思いに耽っていると足音が近づいてきた。
レスキュー隊員が僕の両肩に手を置いて身体を軽く揺らす。
「君、大丈夫か?」
レスキュー隊員は僕の顔を覗き込む。
僕は声を掛けたレスキュー隊員の顔を見て頷く。
「は、はいっ」
僕はジョーが気になって、ジョーに視線を戻す。
レスキュー隊員が僕に微笑んで、僕の肩に手を回す。
「もう大丈夫だ。歩けるかい?」
レスキュー隊員が立ち上がって歩き始める
- 869 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:57.43 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は数歩歩いてルビナ姫に振り向いて俯く。
「あ、あの……僕はまだここにいます。ルビナ姫が心配で、僕にも責任があるんです……」
レスキュー隊員は「そうか」と言って、それ以上何も言わなかった。
レスキュー隊員は噴水で気絶しているルビナ姫の元に僕を連れて行ってくれた。
「キミはここで休んでなさい。私は救急箱を取ってくる。傷の手当てをしよう」
レスキュー隊員が噴水で気絶しているルビナ姫の隣に僕を座らせて、レスキュー隊員はレスキュー車に向かって走った。
僕は隣のルビナ姫に振り向いて微笑む。助けに来たよ。
僕は噴水に凭れて、ジョーをぼんやりと眺める。
- 870 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:11:09.14 ID:TXnvk0Xda.net
- >>838
ワンピは天気みたいにランダムじゃないぞw
鬼滅は特典ひいたら30億くらいだろ
- 871 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:11:16.43 ID:5TEczSfJ0.net
- ジョーはポンプアクションショットガンを肩に担いだまま、挑発するように片手で肩を竦めて首を傾げて隊長に近づく。
ジョーが隊長の傍に来ると、ジョーは隊長の頭を掌で子犬のようにくちゃくしゃに撫で回した。
「どうした? オレを逮捕しないのか? それとも、令状がないのかな? 上に許可取ってこい。その間にオレは逃げるぞ?」
ジョーは調子に乗って頭を撫で回した隊長の顎にポンプアクションショットガンの銃口を突きつける。
そのまま隊長の顎をくいっと上げて、隊長の顔の前で指を鳴らして挑発する。
「隊長、今がチャンスです。ジョーを逮捕しましょう。このまま見逃すんですか?」
隊長の隣に立っていた隊員がジョーにオートマチック銃を構えたまま、隊長の顔を覗き込む。
ジョーは首を傾げて、ポンプアクションショットガンを隊長の隣の部下に銃口を向ける。
部下の顔が引きつって小さい悲鳴を上げ、ジョーから顔を逸らす。ジョーにオートマチック銃を構えたまま。
- 872 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:11:28.20 ID:5TEczSfJ0.net
- 隊長は瞼を閉じて首を横に振る。
「できない……上の命令が出ないんだ。上の連中は裏でジョーと繋がってる。私にはどうすることもできない……」
そして、隊長は悔しそうに俯き、震える手でオートマチック銃を下ろす。
部下が隊長に振り向く。
「で、ですが……」
部下の震えた小さな声が聞こえる。
隊長は隣の部下にオートマチック銃の銃口を顔に向ける。
「私は上に脅されているんだ! これも家族を守るためだ。お前にも大事な人がいるだろ!? お前たち銃を下ろせ!」
隊長は隊員たちの顔を見回しながらオートマチック銃の銃口を隊員たちの顔に向けてゆく。
- 873 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:11:37.70 ID:5TEczSfJ0.net
- 隊員たちは顔を見合わせながら、オートマチック銃を下ろす。
ジョーは高見の見物が終わって不気味に喉の奥で笑う。ポンプアクションショットガンを肩に担ぎ、僕に背を向けて隊長の肩に肘を置く。
隊長は魂の抜けた人形の様に俯いている。隊員たちは心配そうに隊長を見ている。
ジョー隊員たちを見回して、ポンプアクションショットガンの銃口を隊員たちに向けてゆく。
「お前たちの正義はちっぽけなもんだ。逆らうこともできず、従順で犬のように尻尾を振っていればいい。お小遣いを減らされたくなければ、オレに逆らわないことだ。法など、偽りに過ぎん。そうだろ? 闇も光なのだ」
ジョーは親指で自分を差して、「西のアルガスタを支配しているのはオレだ」、言葉を吐いて隊員たちに言い聞かせる。
そして、ポンプアクションショットガンを肩に担ぎ、隊長の肩に手を回して空を仰いで不気味に喉の奥で笑う。
- 874 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:11:47.96 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はジョーの背中を睨み据え、歯を食いしばり、拳を握り締める。
僕は黙って見ているのか? 僕じゃ何も出来ない。
ジョーに逆らえず、ただ支配される。そんなの国じゃない。
どうすることもできないのか?
ジョーは一人の隊員を指さして首を傾げる。
「お前、似ているな。オレが嫌いだった親父に」
ジョーが隊長の肩から離れて、指を差した隊員の元に向かい、ポンプアクションショットガンの銃口を隊員の顎に突きつける。
そのまま隊員の顎をくいっと上げる。
隊員の顔が引きつり、小さく悲鳴を上げて気まずそうに視線をジョーから逸らす。
- 875 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:11:58.24 ID:5TEczSfJ0.net
- ジョーは隊員の顔を覗き込んで、不気味に喉の奥で笑う。
「オレの親父は、生体兵器のために実の息子であるオレを実験台にしたのだ。その結果、オレは化け物になった。オレは親父を憎み、この手で親父を殺した。オレの中で殺意が芽生え、母親も兄も殺した。オレは化け物になったのだ。フハハハハッ。お前を見ていると思い出す。親父をな」
隊員がジョーから顔を背けたので、ジョーは口許を押さえて、自分に顔を向けさせる。
隊員の顔が引きつり、「こ、殺さないでくれ」と、生唾を飲み込み喉仏が動く。
ジョーは隊長に顎をしゃくり、喉の奥で楽しそうに笑う。
「お前が殺せ。自分の部下を殺すか、それともお前が死ぬか」
ジョーはポンプアクションショットガンを肩に担ぎ、肩を竦めて首を傾げて後退った。
ポンプアクションショットガンを肩に担いだまま、腰に手を当てて、楽しそうに二人の高見の見物をしている。
- 876 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:12:09.27 ID:5TEczSfJ0.net
- 隊長はジョーが指さした部下にオートマチック銃の銃口を静かに構え、震える手で部下にオートマチック銃の銃口を向ける。
「……できない。自分の部下を殺すなんて、私にはできない。職を辞めた方がマシだ……」
隊長は泣きながらオートマチック銃を下ろし、俯いて胸のバッチを取って地面に落とす。
部下も静かに俯き、拳を握り締める。
「隊長……僕も職を汚すなら、ここでバッチを捨てます」
部下は胸のバッチを取って地面に放り投げ、オートマチック銃も放り投げる。
ジョーは瞼を閉じて片手で肩を竦め、残念そうに首を横に振る。
「ショーを見れなくて残念だよ。お前たちの敬意を込めて、オレがお前たちの正義を散らしてやる」
- 877 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:12:18.70 ID:5TEczSfJ0.net
- ジョーはポンプアクションショットガンを構えて、隊長と自分の父親似だと指さした隊員を撃つ。
二人は抵抗することなく、ジョーに撃たれて仰向けに倒れた。
そ、そんな。
僕は目の前で起きたことを、黙って見ているしかなかった。
僕が無力だから? 僕は瞼を閉じて首を横に振る。違う、そうじゃない。
僕が立ち上がろうとしたら、横からルビナ姫の手が伸びてきて僕を制する。
ジョーは喉の奥で不気味に笑いながら、ポンプアクションショットガンを下げて倒れた隊長の元に向かう。
隊長の傍でポンプアクションショットガンを肩に担いで、片膝を地面に突いて膝の上に腕を載せて屈み込み、ジョーは隊長の顔を覗き込む。
隊長の開いた瞼をジョーは片手で閉じ、ジョーは瞼を閉じて胸の前で静かに十字を切る。
- 878 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:12:28.08 ID:5TEczSfJ0.net
- 「戦士よ、安らかに眠りたまえ」
ジョーが立ち上がり、何故かポンプアクションショットガンを投げ捨てる。
「降参だ。好きにするがいい」
ジョーは隊員を見回しながら、その場でゆっくりと両膝を地面に突き、両手を高く上げた。
どういうことだ?
意図的に降参したのか?
ルビナ姫に手で制されたまま、僕の眼が動揺でさざ波の様に揺れている。
その時、ルビナ姫がおもむろに起き上がり、よろけながらジョーの元に向かう。
僕はルビナ姫を眼で追う。
- 879 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:12:43.80 ID:PZdq8oGUd.net
- >>853
奈良は前は効果ないからセーフつってたぞw
- 880 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:12:49.52 ID:GG8YyDald.net
- >>829
SNSだとルフィとウタの関係性についても高く評価されてるからそれは無い
アニメおたくだからアニメしか指標が無いんだろうけど評価の低いアニメは見ないから関係ない
もういいよ、自分の見たいものだけ見て好都合な条件下でのみ勝利宣言してるだけだし
お前と違って暇じゃ無いので寝るね
どう足掻いてもクオリティでも興収でもRED>天気は確定
これは特典は関係ない、見てみりゃわかる
Yahoo映画評価
RED 3.9
天気 3.6
- 881 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:12:50.52 ID:5TEczSfJ0.net
- 「お、おい」
僕はルビナ姫の背中に手を伸ばす。
キミが行ったところで、どうなるっていうんだ。
僕はどうなっても知らないぞ。
僕はルビナ姫の背中に手を伸ばしたまま、ルビナ姫を静かに見守る。
ルビナ姫が鬱陶しそうに髪を掻き上げる。
「あなたたち、何してるの? 突っ立ってないで、さっさとジョーを拘束しなさい。それでも国を守る人間なの? ジョーを逃がすつもりかしら? 答えは目の前に出ているでしょ?」
ルビナ姫が隊員の間を割って入り、ジョーの前まで歩み寄る。
ルビナ姫はスカートを捲って太ももに巻き付けて装着したホルスターからオートマチック銃を抜いて、ジョーにオートマチック銃を構える。
- 882 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:13:04.21 ID:5TEczSfJ0.net
- 隊員の一人がルビナ姫に驚いて振り向き、死人でも見るようにまじまじとルビナ姫の顔を見る。
「ひ、姫様……気絶してたんじゃ……」
隊員たちが顔を見合わせている。
ルビナ姫はオートマチック銃をジョーに構えたまま、ジョーを睨み据える。
「目の前で人が死んだのよ!? 私は暢気に寝てられない。もう甘えてる私じゃないの。ジョー、動かないで。あなたの身柄を拘束し、ゾット刑務所に連行します。そこで罪を償いなさい。時間が罪深さを教えてくれるわ。少しでも動いたら撃つわよ?」
ルビナ姫がよろけて、傍の隊員が慌ててルビナ姫の肩を両手で支える。
- 883 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:13:14.74 ID:5TEczSfJ0.net
- ジョーはルビナ姫に振り向いて、ルビナ姫を睨んで不気味に喉の奥で笑う。
「まだ立てるか、姫よ。オレを逮捕するのか? 面白い。お前になにができる?」
ジョーが喉の奥で笑い、挑発するようにルビナ姫を指さし、人差指を突き出して人差指を小さく左右に振る。
ジョーは人差指をルビナ姫に向けて、人差指の指先から赤いレーザーを放つ。
赤いレーザーはルビナ姫の肩を貫く。
「うっ」
ルビナ姫は顔をしかめてオートマチック銃を地面に落とし、怪我を負った肩を押さえる、
ほらみろ。足手まといになっただけじゃないか。
僕は拳を握り締める。
- 884 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:13:25.14 ID:5TEczSfJ0.net
- 王女のくせに、自分で何も出来ないのに無茶して。
僕は歯を食いしばる。もう我慢できない、黙って見ているのは嫌だ。ルビナ姫を助けないと。
僕は噴水から立ち上がって、よろけながらルビナ姫の元へと向かう。
ジョーは両膝を地面に突いたまま緑のシャツの袖を捲って、デジタル腕時計を見て空を仰ぐ。
「時間だ。オレはこれからズール砂漠に新型ミサイルのテストに向かう。ミサイル一つで街が吹っ飛ぶ。会場には悪どもが集まっているのでな。さて、幾らでミサイルが売れるかな?」
ジョーは挑発する様に人差指を突き出し小さく左右に振り、両手首をクロスさせて爆発のジェスチャーをして、不気味に喉の奥で笑う。
ジョーが立ち上がろうとすると、ルビナ姫が地面に落としたオートマチック銃を素早く拾い上げて、片手でジョーを撃った。
ジョーはそのままの態勢で首を傾げ、不気味に喉の奥で笑う。不気味な呼吸音が響く。
- 885 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:13:26.79 ID:weyVZWwWa.net
- とりま、特典いらんから
あばら骨、アムステルダム、
シャイニーシュリンプス2、
天間荘の三姉妹、貞子DX
オネアミス。これは観る
- 886 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:13:34.98 ID:5TEczSfJ0.net
- 街が吹っ飛ぶ新型ミサイル?
そんなことさせない。
僕は拳を握り締める。
ルビナ姫が自分を支えてくれている隊員の脇腹を乱暴に肘で小突く。
「なにしてるの!? さっさとジョーを拘束しなさい!」
ルビナが顔をしかめて両膝を地面に突き、怪我をした肩を手で押さえたままジョーに顎をしゃくり大声で叫ぶ。
隊員たちが驚いて顔を見合わす。
「は、はっ!」
隊員がジョーの元に駆け寄り、制服のポケットから銀色の輪っかを取り出し、ジョーの両手首に銀色の輪っかをかける。
すると、銀色の輪っかはぴっと機械的な音が鳴ってジョーの両手首に締まる。
ジョーが隊員に連行されてゆく。
ジョーが連行されてパトロール隊のバンに乗り込もうとしたとき、ジョーが空を仰ぎ人差指で空を指さす。
- 887 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:13:49.75 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、噴水の傍の石畳に影が現れ、少しずつ影が大きくなる。
隊員たちが不思議そうに空を見上げる。
ルビナ姫が額に手を当てて空を見上げ、僕も空を見上げる。
空から四つのパラシュートをつけたジープの装甲車が風に揺られながらゆっくりと落ちてくる。
ジープの屋根にはミサイルが二発積まれて固定されてある。
ジープの装甲車が地面に近づく時、運転席の窓から銀色の筒が落ちてきた。
地面に落下した銀色の筒は転がりながら、筒の穴から白いガスが噴出された。
- 888 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:14:02.81 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、噴水の傍の石畳に影が現れ、少しずつ影が大きくなる。
「なんだあれは?」
隊員たちが不思議そうに空を見上げる。
隊員たちの顔が影で翳る。
ルビナ姫が額に手を当てて空を見上げ、僕もルビナ姫を見習って空を見上げる。
空から四つの黒いパラシュートを付けたジープの装甲車が風に揺られながらゆっくりと落ちてくる。
ジープの屋根にはミサイルが二発積まれ、しっかりとベルトで固定されてある。
ジープの装甲車が地面に近づく時、運転席の窓から銀色の筒が落ちてきた。
- 889 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:14:19.41 ID:5TEczSfJ0.net
- 地面に落下した銀色の筒は転がりながら、筒の穴から白いガスが噴出された。
数秒後に隊員の悲鳴が聞こえる。
「ぐあああああ!」
次々に隊員が地面に倒れる重い音が聞こえる。
僕はパニックに陥り、なんとなくルビナ姫を見る。
ルビナ姫が慌てて口元を手で覆いながら、スカートのポケットから二枚のハンカチを取り出す。
ハンカチで口元を覆い咳き込みながら、ハンカチを手に持ってスカートの裾を持ち、慌てて僕の元へ駆け寄る。
僕はルビナ姫を見習い、慌てて袖で口許を押さえる。
白いガスに目を凝らす。また毒ガスなのか? それとも、ジョーの新しい兵器か?
- 890 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:14:29.36 ID:5TEczSfJ0.net
- こんなの惨すぎる。罪のない人を殺すなんて。
許せない。僕は片手で拳を握り締める。
ルビナ姫が僕の傍に来ると、僕はルビナ姫からハンカチを受け取り、口元をハンカチで覆った。
ルビナ姫は僕と手を繋ぎ、パトロール隊のバンに顎をしゃくって駆け出す。
ルビナ姫の足元がおぼつかずこけそうになり、慌てて僕がルビナ姫を抱いて支える。
ルビナ姫が僕から離れて頷き、僕たちはパトロール隊のバンに向かって再び駆け出す。
ガスが生き物のように辺りに満ちてゆく。
ガスが僕たちを死の世界に誘うために白い手を伸ばす。
- 891 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:16:14.61 ID:5TEczSfJ0.net
- ガスから逃げるため、僕たちがパトロール隊のバンに向かう途中。
近くでジョーの不気味な呼吸音が聞こえる。
「シェリア、遅かったな。五分遅れだ。輸送機の離陸が遅れたか?」
不気味に喉の奥で笑う声が聞こえる。
僕の横を一人の少女が通り過ぎる。僕は驚いて少女に振り向く。
ルビナ姫は少女を無視している。そんな状況じゃないんだろうな。
少女は紅く長い髪と目許を覆う黒いバイザーを装着し、戦闘スーツを身に包んでいた。オレンジ色の瞳が黒いバイザー越しに鋭く光る。
僕は思わず立ち止まって少女の背中を見送る。
やがて少女の影がガスの中に吸い込まれるように消えた。
ルビナ姫が僕の手を引っ張って僕は我に返る。
僕はルビナ姫に振り向くと、ルビナ姫はハンカチを口許で押さえたまま首を横に振る。
- 892 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:16:27.65 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫の意思が伝わり、僕は頷く。
僕たちは手を繋いだまま、パトロール隊のバンに向かって駆け出した。
僕は走りながら首を傾げる。
あの子、どこかで見た様な……紅い髪、オレンジ色の瞳。どれも特徴的だ。
そうだ。麻利亜の空間移動の時に、映像に映ってた女の子だ。
あの子、麻里亜と似てたから印象に残ってる。
名前はシェリアだったかな。でも、あの子はジョーに撃たれて死んだはずじゃ……
僕は否定するように瞼を閉じて首を横に振る。まさかね。
ガスの中でオートマチック銃の銃声が聞こえる。僕は動揺して振り向く。
数秒後にドアが閉まる音が聞こえて、エンジン音が遠ざかる。
くそっ。何が起こってるんだ。僕は動悸で息が荒くなる。
ガスが晴れないと見えない。麻里亜を助けないと。
- 893 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:16:34.86 ID:weyVZWwWa.net
- おまえら、あばら骨の
レポート期待しとけよ
- 894 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:16:36.28 ID:5TEczSfJ0.net
- でも、今はガスを吸うと危険だ。ガスが晴れるまでバンの中で待たないと。
ルビナ姫がパトロール隊のバンのスライドドアを開けて、僕を片足で蹴って乱暴に中に押し込む。
ルビナ姫が乱暴にスライドドアを閉め、僕はドアを閉める音に驚いて両耳を両手で塞ぎ、片目を瞑る。
ルビナ姫が運転席のドアを開け、運転席に座り、運転席のドアを勢いよく閉める。
僕はハンカチを乱暴にシートに投げつけ、シートから身を乗り出す。
「何する気だよ! ガスが晴れるまで待つんだ、麻里亜を助けないと」
車内の上にはショットガンやマシンガン、さらには弾や手りゅう弾が金属ベルトで固定されている。
- 895 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:18:30.36 ID:5gd+tm+Y0.net
- 3年半前、まだコロナウイルスのコの字も
世の中に広まっていない頃…
要介護の年寄りを抱えながら
仕事に悪戦苦闘するワイに助手として会社が送り込んできたのが
齢29の既婚女性だった
何でも結婚〜出産を経て、子どもが保育園に通うようになったので
職場復帰を兼ねての着任とかで、なかなかの才女とのウワサが
伝わってきたものの、当時のワイには余計なお節介以外の何ものでもなく
「1、2ヶ月様子を見たら、理由をでっち上げて突き返そう」くらいの
つもりだった
ところが、一緒に仕事をしてみると意外にもこれが大当たり
仕事は迅速にこなすし、機転は利くし、数週間ののちには
こっちが舌を巻くほどになっていた
たちまち意気投合したワイと彼女は
外回りに出て時間が余ったときなどはいそいそとホテルへ…
などとことは決してなかった反面
「行っちゃおうか」「行っちゃいましょう」なんて言い合っては
二人でこっそりユナイテッド浦和へしけ込む仲になった
- 896 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:19:50.50 ID:weyVZWwWa.net
- 俺の勘ではあばら骨より
天間荘のほうが地雷くさい
予告が薄すぎ150分あるのに?
あれかよ。あばら骨は
一発の魅力秘める
- 897 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:20:42.57 ID:weyVZWwWa.net
- 完
- 898 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:23:38.88 ID:upJ2pfTur.net
- あーばらあーばらあーばら ばらばら
ぼーぶ
ぼーぶ
- 899 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:24:32.75 ID:upJ2pfTur.net
- せっぼね せっぼね せっぼね
びっしりししゅー
- 900 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:24:37.12 ID:39x0W3Cua.net
- あぼーん途切れたぞ
手動で荒らすの疲れましたってか?
だらしねえな
- 901 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:25:00.37 ID:5gd+tm+Y0.net
- やがて、二人で映画を鑑賞した後は
近場のカフェに入って感想を語り合うのが定番に
「ミュンスターバーグが」「バラージュが」
「蓮実重彦が」「ドゥルーズが」と熱弁するワイの話を
彼女はニコニコしながら聞いていたものだが
今から思えば、そんなささやかな脱線も
仕事に家庭に子育てに奔走する彼女にとっては
ちょっとした息抜きになっていたのだろう
やがては彼女の鑑賞眼もめきめき上達し
映画館を出てタリーズの席に着くなり、開口一番
「今日のはダメでしたね」なんて言うまでになっていた
- 902 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:25:07.41 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫は僕を無視して、ハンドルの傍のエンジンスタートボタンを押す。
ぴっと機械的な音が鳴ってエンジンが掛り、警告音が車内に響く。
運転席のモニターが赤く点滅している。
「警告。車内に異常な神経ガスの侵入を察知しました。これより空調システムを起動します」
感情のない女性の機械音声が車内に響く。
運転席のクーラーやエアコンの通風口から、掃除機の様な音とともに車内に漂うガスが吸い取られてゆく。
- 903 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:25:40.82 ID:39x0W3Cua.net
- もう寝るので>>910さんスレ立てお願いしますー
ごめんねー🙏
- 904 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:25:41.63 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が運転席から振り向く。
「ガスが晴れるまで待ちましょう。ガスが晴れたら飛ばすわよ!」
僕は窓の向こうの濃いガスの中、目を凝らして運転席の背もたれを拳で叩く。
「ふざけるな! 麻里亜を置いていけない! 麻里亜を助けないと……」
僕はスライドドアを開けて、今すぐにでも麻里亜を助けに行こうとする。
ルビナ姫がドアをロックしたのか、ぴっと機械的な音が鳴る。
スライドドアを開けようとしても開かない。ドアにロック解除も見当たらない。
「警告。外は神経ガスが満ちているため、外に出るのは危険です。死亡率100%」
感情のない女性の機械音声が車内に響く。
僕はシートから身を乗り出して、歯を食いしばってルビナ姫の襟首を掴む。
「ここから出せ! なにしてるんだ!」
狂ったようにルビナ姫の横顔を睨み据える。
- 905 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:25:55.58 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が僕の手を払いのけ、僕に振り向いて僕の肩を掴んで必死に揺らす。
「あなた、どうしちゃったのよ!? まだ彼女に執着してるの!? 彼女はもう戻らないのよ!? 今やるべきことがあるでしょ!? 彼女なら隊員が弔いしてくれるわよ……他の隊員は恐らくガスにやられたでしょうね……」
ルビナ姫が僕の肩から手を離し、俯いて首を横に振る。
僕は怒りが込み上げ、またルビナ姫の襟首を掴む。
「そんなことはどうだっていいんだ! 父上の研究所で麻里亜を修理してもらえば、なんとかなるかもしれないだろ!」
僕は歯を食いしばってルビナ姫を睨み、片手の拳を握り締める。
- 906 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:26:04.18 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫がまた僕の手を払いのけて、僕の頬を平手で思いっきりぶつ。
肌と肌が触れる鈍い音が響く。
「甘えてるんじゃないわよ!? 逝ってしまった人は戻らないの。たとえ彼女がアンドロイドでも。目を覚ましなさい! これで、あたなに説教された借りは返したわよ? おあいこよ」
ルビナ姫はそっぽを向いて腕を組み、窓の外を寂しそうに見つめている。
運転席の窓にルビナ姫の悲しい顔が映る。
僕の眼が動揺でさざ波の様に揺れて、ルビナ姫にぶたれた頬を指先で擦る。
やがてやるせなくなり、シートにゆっくりと腰を下ろして俯く。
「な、なにするんだよ……あ、ありがとう、ルビナ姫。おかげで目が覚めたよ、僕が間違ってた。もう麻里亜は戻らない。僕たちができることを、今やろう……」
僕は滲んだ涙を手の甲で拭い、洟をすすった。
- 907 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:26:12.98 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、窓を叩く音がして、僕は顔を上げて窓に振り向いた。
「た、助けてくれ……」
手や顔の皮膚が溶けて焼けただれ、変わり果てた隊員の姿。
やがて隊員が苦しそうに眼を剥いて喉元を掻き毟って、その場に血を吐きながら倒れた。
これは現実だ。ジョーが描いたシナリオなんだ。
僕は気分が悪くなって吐きそうになり、慌てて口許を押さえて窓から顔を背ける。
ルビナ姫が気分を紛らわすために小さい音量で音楽を掛けてくれる。
「これがジョーのやり方よ。ジョーを倒さない限り、深い闇は晴れない。こうしている間にも、西のアルガスタに危機が迫ってるわ。なんとしても、私たちでジョーを止めるわよ」
- 908 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:26:21.31 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が振り向いて、僕に拳を突き出す。
僕はルビナ姫の拳に自分の拳を重ねる。小さな涙を拭って。
「ジョーはズール砂漠に向かったはずだ。ガスが晴れてからジョーを追いかけよう」
ルビナ姫から拳を離し、車内に二人きりという状況に僕は急に恥ずかしくなって顔が火照る。
慌てて両手を振りルビナ姫から顔を背ける。
気を紛らわすために人差指で頬を掻き、ルビナ姫を横目で瞬きしながら見る。
ルビナ姫が額に手を当てて瞼を閉じて首を横に振る。
「私、ちゃんと運転できるかしら。一応、訓練で運転はしたことあるけど。操作を覚えてないのよねぇ」
ルビナ姫が腕を組んで顎に人差指を当てて天井を仰ぎ、心配そうに首を傾げながら唸る。
- 909 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:26:30.86 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はわざとらしく咳払いする。
「あ、あのさ。僕はあなたじゃないから。ジンって名前があるんだ。今度から名前で呼んでよ……」
僕は後頭部を掻きながら、恥ずかしそうにルビナ姫を上目遣いで見る。
ルビナ姫の顔が狐に頬を摘まれたような顔をしてきょとんと瞬きしている。
「えっ? あっ、ああ、そうね。でも、ジンこそ王女である私を気安くルビナ姫って呼んでるじゃない? ま、まあ、しょうがないわね。特別に私のことをルビナ姫って呼んでいいわよ」
ルビナ姫は顔が火照って、慌てて運転席に向き直る。
運転席に向き直る際にハンドルに肘をぶつけたらしく、ルビナ姫は痺れた肘を手で擦っている。
- 910 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:26:40.61 ID:5TEczSfJ0.net
- しばらく気まずい二人の沈黙が続く中、ガスが少しずつ晴れてきた。
僕はゆっくりと後部座席から身を乗り出して、ルビナ姫に振り向く。
「あのさ、本当に運転できるんだろうね? なんか心配なんだけど?」
ルビナ姫の胸を見て、僕は唾を飲み込んで喉を鳴らす。
ルビナ姫が僕に振り向いて手刀打ちで僕の頭を軽く叩く。
「そんなに心配? じゃ下りる? ジンは大人しく後部座席で座ってればいいのよ。助手席に座ったら邪魔になるだけ。いい? 私が運転するわ」
ルビナ姫が呆れたように額に手を当てて瞼を閉じ、首を横に振ってため息を零す。
- 911 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:26:52.11 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はルビナ姫から目を逸らし、不安でため息が零れた。
ルビナ姫の胸を見て、僕の鼓動が高まって胸を手で押さえる。
「わかったよ。僕は後部座席で大人しく座ってる」
僕は口を尖らせて訝しげにルビナ姫を見ながら、後部座席に腰を下ろして後頭部で手を組む。
ルビナ姫が窓を一瞥して、瞼を閉じて肩を竦めてため息を零した。
「ガスが晴れてきたわね。これでも非常時に運転できる免許を持ってるのよ? まあ、免許は私の部屋にあるけど。これでも色んな訓練を受けたんだから」
ルビナ姫は瞼を閉じたまま額に手を当て、首を横に振っている。
僕はルビナ姫の肩に手を置いた。
「早くしないとジョーに追いつかなくなる。運転頼んだよ」
ルビナ姫は僕に振り向いて僕の肩に手を置き、僕に優しく微笑む。
「ええ。ジンの力が必要だわ。ご協力感謝します」
- 912 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:27:01.50 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、運転席のモニターから映像と音が流れた。
「緊急速報。街中をジープの装甲車が暴走中。現在、ヘリで追跡中です。ナビゲーションしますか?」
感情のない女性の機械音声が車内に響く。
遠くでヘリコプターの飛ぶ音が聞こえる。
ルビナ姫は慌てて運転席のモニターに振り向いた。
「了解。ナビゲーション開始」
ルビナ姫が両手でハンドルを握り、気合充分に手を動かしている。
僕は後部座席に腰を下ろし、シートベルトを締めて天井の手摺を掴み、生唾を飲み込んで喉を鳴らした。
- 913 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:27:11.16 ID:5TEczSfJ0.net
- 運転席のモニターの映像と音が消えて真っ暗になる。
「登録外のため、あなたは運転できません。スロットにIDカードを通してください」
感情のない女性の機械音声が響き、警告音が車内に鳴り響く。
ルビナ姫が両手でハンドルを叩く。
「どうなってんのよ! IDカードなんて持ってないわよ!」
ルビナ姫はやるせなくなり、ハンドルに頬をくっつけてぶつぶつと文句を言っている。
どうするんだよ。
このままじゃ、ジョーに追いつかなくなる。
僕は腕を組んで唸った。
- 914 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:27:24.00 ID:5TEczSfJ0.net
- 運転席のモニターの映像と音が消えて真っ暗になる。
「登録外のため、あなたは運転できません。スロットにIDカードを通してください」
感情のない女性の機械音声が響き、警告音が車内に鳴り響く。
ルビナ姫が両手でハンドルを叩く。
「どうなってんのよ! IDカードなんて持ってないわよ!」
ルビナ姫はやるせなくなり、ハンドルに頬をくっつけてぶつぶつと文句を言っている。
- 915 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:27:26.00 ID:upJ2pfTur.net
- すたみな ズタズタにさせる
くるぶし スタンガンなみの ひだりあし
はだかいっかん がりがり
ひとよんで
アバラボブ
- 916 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:27:33.20 ID:5TEczSfJ0.net
- どうするんだよ。
このままじゃ、ジョーに追いつかなくなる。
僕は腕を組んで俯き、口を結んで唸った。
ルビナ姫が気合を入れて頬を両手で二度叩いた。
「しっかりしなさい、ルビナ姫。私は王女でしょ。諦めないわよ。ジン、IDカードを探してちょうだい。車内にあるはずよ」
ルビナ姫が運転席から身を乗り出して、助手席のダッシュボードを開けて書類を手探りしている。
書類をダッシュボードに入れ過ぎたのか、ダッシュボードから書類が雪崩の様に落ちる。
ルビナ姫が「ああもう」と文句を垂らし、頭を掻きながら座席の下に落ちた書類を拾い上げてゆく。
- 917 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:27:48.05 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は書類を拾い上げるルビナ姫を見て頷き、シートベルトをゆっくりと外した。
「僕もIDカード探すの手伝うよ」
僕は後ろに振り向き、後部座席の上に雑に置いてあった黒いジャケットを手に取る。
胸にパトロール隊のロゴがある。ジャケットの両ポケットを手探りしてみるけど、IDカードはない。
あるのは丸めたレシートだけだった。
黒いジャケットを丁寧に畳んで、後部座席の上に置く。
ルビナ姫が乱暴にダッシュボードを閉める音が聞こえ、僕はルビナ姫に振り向く。
「もぉ、IDカードないじゃない! どこにあるのよ!」
ルビナ姫が頭を掻きながらの文句が聞こえる。
- 918 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:27:58.48 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は運転席で茶封筒の中身の書類を取り出したり、茶封筒の中を見たり、IDカードを必死に探しているルビナ姫を見る。
僕はルビナ姫を見て微笑む。ふと運転席にかけてある黒いジャケットに目がいき、僕は腕を組んで首を傾げた。
意外とポケットにIDカードがありそうだな。運転席にジャケットがかけてあるし。
僕は身を乗り出して、運転席にかけてある黒いジャケットの胸ポケットを手で探ってみる。
何か写真の様な手触りがして、僕はジャケットからそれを抜き取った。
それは、隊員の家の庭でバーベキューをした時の家族写真だった。
息子と娘が笑顔で紙の小皿に盛られた肉を美味しそうにフォークでほおばっている。
- 919 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:28:08.96 ID:5TEczSfJ0.net
- 二人とも頬に小さなバーベキューソースが付き、息子はカメラから顔を背けている。
娘は愛犬シェパードと頬擦りしてピースを決めている。
夫が妻の背中に手を回して、二人ともカメラ目線で笑顔だ。
写真を撮ったのは誰だろ? 家族の誰かだろうか?
写真の裏には撮影日が手書きで書かれ、『これが僕たちの家族だ』と、メッセが添えられている。
男性の顔を見つめる。彼はジョーの父親に似ているという理由で、ジョーに殺された。
隊員の家族写真を見ているうちに、ジョーの非情なやり方に心がいたたまれなくなった。
僕は拳を握り締め、瞼を閉じて首を横に振る。がくっと肩を落とし、瞼を閉じたまま俯く。
この家族写真を見て、彼は仕事していたのだろうか。
僕はそっと胸ポケットに写真を戻そうとしたら、ルビナ姫の手が写真に伸びた。
- 920 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:28:18.84 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫の指先が震えている。
「その写真……」
ルビナ姫が写真を手に取り、隊員の家族写真を見つめる。
数秒後にルビナ姫は洟をすすり、口許を手で押さえて嗚咽する。
ルビナ姫が無言で瞼を閉じて首を横に振り、口許を手で押さえたまま嗚咽して、写真から顔を逸らして僕に写真を返す。
僕は写真をジャケットの胸ポケットにそっと入れる。
泣いているルビナ姫を放っておき、僕は運転席にかけてあるジャケットの右ポケットを手探りする。
IDカードはなく小銭と飴玉が幾らか入っていて、僕は俯いてポケットに小銭と飴玉を戻す。
今度はジャケットの左ポケットを探る。頭の中でさっきの家族写真の映像が流れる。
- 921 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:28:29.51 ID:5TEczSfJ0.net
- 何かカード状の手触りがして僕は顔を上げてそれをゆっくりと抜き取る。
それはIDカードではなく、隊員の免許書だった。エドワードアーヴィング巡査35歳。
彼がジャケットのポケットに免許書を入れて、そのまま忘れたのだろうか。
これが彼の最期の任務になるとは知らずに……僕は瞼を閉じて首を横に振る。
僕は免許書に写った彼の笑顔を見て俯き、泣いているルビナ姫に免許書を差し出す。
「ねぇ……IDカードはなかったけど、隊員の免許書がジャケットのポケットに入ってた……」
僕はゆっくりと顔を上げて、ルビナ姫を静かに見つめる。
- 922 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:28:37.53 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が涙を指で拭い、僕から免許書を受け取って免許書に目を落とす。
数秒後に口許を押さえて嗚咽した。
「……彼は、ジョーの父親に似ているだけで、ジョーに殺された……なんてジョーは非情なのかしら……残酷で、冷酷な男。それがジョーよ……残された家族のためにも、私は彼の家族に会うわ……そうね。運転できるかどうかわからないけど、スロットに彼の免許書を通してみましょう」
ルビナ姫が滲んだ涙を指で拭い、僕から免許書を受け取り頷く。
ルビナ姫は運転席のモニターのカードスロットに免許書を通してみる。
僕たちの祈りが通じたのか、機械的な音が鳴った。
「登録者確認、エドワードアーヴィング巡査。彼は現在IDカード更新手続き中のため、免許書での運転を許可します」
感情のない女性の機械音声が車内に響く。
- 923 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:28:46.35 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕たちは顔を見合わせて片手で叩き合う。
僕は胸を撫で下ろす。なんだか複雑な気持ちだ。
「本人確認のため、声紋と指紋を確認します。ハンドルに手を掛け喋ってください」
感情のない女性の機械音声が響き、ルビナ姫をテストするみたいだ。
ルビナ姫が運転席のモニターに振り向く。
僕は運転席に肘をかけて頬杖を突く。
ここまでシステムが厳しいのに、西のアルガスタは無法地帯だからな。
こんなシステム、ジョーが居る限り無意味だ。
- 924 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:28:55.05 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫がハンドルを両手で乱暴に叩く。
「なんでよ! 私は王都ガランの王女、ルビナ姫よ! 犯罪者じゃないんだから! 非常時なのに! 頑固な機械ね! 少しはお利口になりなさいよ!」
先ほどの哀愁が吹っ飛んで、怒りで運転席のモニターを睨んで舌を出している。
「……声紋と指紋を確認した結果、エドワードアーヴィング本人ではありませんでした。ですが、先ほどの声紋と指紋を検索した結果、王都ガラン王女ルビナ姫と一致したため、特別に運転を許可します。データを本部に送信します」
感情のない女性の機械音声が響き、静かにエンジンが掛かる。
- 925 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:29:05.04 ID:5TEczSfJ0.net
- 「や、やったっ! やったわよ! ジン!」
ルビナ姫が顔を輝かせて僕に振り向く。
僕たちは互いに手を取り合って、踊って喜び合い、両手を高く叩き合わせる。
お互いに抱き付き、お互い身体から離れると顔が近くにあったので互いに顔が火照り慌てて二人は顔を背ける。
僕は気まずくなり人差指で頬を掻いている。
「視界、良好。天気、良好。交通状況、一台の暴走車在り。警告、ルビナ姫の運転歴が短いです。安全ドライブのため、ワタシがアシストします。ブレーキペダルを踏んだままハンドブレーキを下げ、シフトをドライブにシフトチェンジしてください」
- 926 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:29:14.45 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はハンドブレーキとシフトを指さしてルビナ姫に教えた。
これくらい本で読んだことあるから知ってる。
ルビナ姫が袖を捲って首を傾げながら、ハンドブレーキを下げたり、シフトをチェンジしたりしている。
すると、急なアクセル音とともに、バンが後ろに急発進し始めた。
ルビナ姫がパニックになりクラクションを鳴らす。
「な、なんでぇぇぇぇぇ!」
ルビナ姫が絶叫して慌ててハンドルを切る。
車が左へ右へと後進暴走が続く。
バンは停めてあったエアバイクに接触したり、レスキュー車に接触したりしていた。
- 927 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:29:25.57 ID:5TEczSfJ0.net
- 「警告。現在、車が暴走中……ルビナ姫の運転適性率20%。事故率100%。そのため、緊急停止します」
感情のない女性の機械音声が響き、警告音が車内に鳴り、急ブレーキが掛かって噴水に激突する。
僕は座席から飛び出して、後ろに引っ張られて背中をシートに打ち付ける。
後ろを振り向くと、麻里亜が倒れていた所に何故か麻里亜の姿が消えていた。
顔を戻して、僕は瞼を閉じて首を横に振る。
そうだよ。もう麻里亜は逝ったんだ。僕は前を見て歩くんだ。
ルビナ姫が両手の拳でぽかぽかと頭を叩いている。
「私の運転がそんなに信じられないの! もう、どうなってんのよ!」
ルビナ姫が両手で頭を掻きむしっている。
- 928 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:29:38.30 ID:5TEczSfJ0.net
- 「後部に破損確認。ルビナ姫のドライブは危険です。これよりオートドライブに切り替えます。ルビナ姫は後部座席に移動してください。命令は受けつけます」
勝手にシフトがドライブにチェンジされて、アクセル音とともにバンがゆっくりと動き出す。
僕は後ろを振り向く。
ルビナ姫が遺体を踏まなくて良かった。僕は胸の前で十字を切ってため息を零す。
バンが突き破った門を踏んだのか、がくんと小さく跳ねる。
フロントガラスから眺める海沿いの街並みが宝石の様に綺麗だ。
向こうに青い海が広がっている。
ジョーの屋敷は丘の上に建っていた。
バンが左にハンドルを切って、エンジンブレーキを効かせながらゆっくりと丘を下る。
- 929 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:29:49.49 ID:5TEczSfJ0.net
- バンが突き破った玄関門を踏んだのか、がくんとバンが小さく跳ね、正門まで続くレンガ道を下る。
レンガ道の周りは広大な敷地が広がっており、草地でスプリンクラーが回っている。
フロントガラスから眺める海沿いの街並みが宝石の様に綺麗だ。天気もいい。
背の高いビルやオレンジ色の屋根、高架や鉄橋、港に停まった船やヨットハーバーが見える。
高架上では小さい車が縫い目の様に走り、鉄橋上で貨物列車が走っている。
街の向こうには青い海が広がり、陽光でキラキラと海が光り、大きな貨物船や小さな船やヨットが見える。
- 930 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:30:00.57 ID:5TEczSfJ0.net
- 港町キリカ。前に父上と麻里亜と僕の三人で旅行で訪れたっけ。
どうりで見覚えがある景色なわけだ。
キリカは景色はいいし、魚介類が新鮮で美味しい。遊ぶ所もある。
けど、お金持ちしか住めないんだろうな。キリカを旅行して思った。
ジョーの屋敷は丘の上に建っていた。
ジョーの屋敷に振り向くと、まだ屋敷の残骸が燃えて白煙が上っていた。
バンが自動で両開きした正門を抜けて左ハンドルを切り、エンジンブレーキを効かせながらゆっくりと丘を下る。
- 931 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:30:11.02 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はシートベルトのベルトに手を伸ばし、ベルトを両手で引っ張って伸ばす。
「後ろに来ないの?」
シートベルトを締め、シートベルトから顔を上げてルビナ姫に訊く。
ルビナ姫が運転席から顔を出して、口を結んで首を横に振る。
「ジンの隣に座るなんて御免だわ。はしたない、不潔よ」
ルビナ姫が肩を竦め、両手で身体を擦って身震いした。
僕はため息を零して、窓の外を見る。
「そう。運転下手って言われたくせに、なんだよ」
僕はふてくされて愛想笑いして、窓の縁に頬杖を突く。海沿いの街の景色をぼんやりと眺める。
横目でルビナ姫を見て、鼻と喉を鳴らして不敵に笑う。
- 932 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:30:21.25 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が運転席から身を乗り出して拳を振り上げる。
「なによ! ちょっと運転にブランクがあっただけじゃないの!」
悔しそうに助手席のシートを両手の拳で叩いている。
僕を悔しそうに指さし、「ジン、覚えてなさい!」と捨て台詞を吐く。
鼻と喉を鳴らし、運転席に腕を組んで凭れて右手の人差指が落ち着きなく上下に動いている。
ジョーの屋敷に続く丘を下り、一般道と合流して信号待ちで、横断歩道前でバンが止まる。
横断歩道をサングラスを掛けた女性がベビーカーを引いて歩いている。
黒縁メガネを掛けてスーツを着て鞄を下げて歩くビジネスマン。携帯電話を耳に当てて手さげバックを腕に掛けた若い女性。
子供と手を繋いで歩く母親。丸帽子を被り杖を突いて歩くおじいさん。
目の前に駅のロータリーが見え、タクシーが何台も客待ちして、車が停まり、バスや車がロータリーを回っている。
- 933 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:30:32.49 ID:5TEczSfJ0.net
- 液の周りにコンビニや銀行、スーパーがあって、様々なお客さんが出入りしている。
その時、運転席のモニターからノイズ混じりの無線が入る。
「こちらA班! 現在ジョーを追跡中! 至急応援を頼む! ジョーの追手に追われてる!」
モニターが車内映像に切り替わり、運転席に乗った黒い帽子を被り黒い制服を着た男性が映る。
車内に一気に緊張が走る。
僕はシートから身を乗り出し、運転席のシートに手を突き、運転席のモニターを凝視する。
ルビナ姫も運転席から身を乗り出し、モニターに手を突き、モニターを凝視している。
モニター越しにハンドルを握り、運転席の窓から後ろを振り向く男性。
男性が前を向いて叫び、クラクションを何度も鳴らしている。
- 934 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:30:43.11 ID:5TEczSfJ0.net
- 映像がかくかくして乱れる。
あれ、音声を拾わなくなったのかな? 声が聞こえない。
僕はモニターを凝視したままシートに凭れ、屋根の手摺を掴む。
緊張して生唾を飲み込み喉を鳴らす。
ルビナ姫が運転席のモニターの縁を手で叩く。
「変ね、壊れたのかしら。ルビナ姫よ! ジョーはどこ走ってるの! 状況を教えてちょうだい!」
ルビナ姫が運転席のモニターを叩いて怒鳴る。
運転席のモニターから、さっきより酷いノイズ混じりの無線が入る。
「ル、ルビナ姫ですか!? ジョーの屋敷の地下牢に閉じ込められてたんじゃ……」
カメラ目線で明らかに戸惑い瞬きする男性の姿が運転席のモニターに映る。
- 935 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:30:57.44 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が運転席のモニターに手を突いたまま、顔を上げてフロントガラスを見たりしている。
「話は後よ! 私もジョーを追いかけてるの! あなたはジョーの屋敷に行ってちょうだい! 殉職した隊員がいるわ……」
ルビナ姫が拳を握り締めた腕を下げ、俯いてモニターに突いた手の甲に額をつける。
ノイズが直ったのか、さっきよりもクリアに無線が聞こえる。
ルビナ姫が顔を上げてモニターを見る。
「了解です。自分はジョーの屋敷に回ります。ルビナ姫、気を付けてください」
隊員がモニター越しに敬礼して、サイレンを鳴らしてハンドルを右に切ろうとした時だった。
- 936 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:31:07.42 ID:5TEczSfJ0.net
- 助手席の窓に、黒いバイクに跨り、黒いヘルメットを被って黒いライダースーツを着た男がマシンガンを撃ってきた。
隊員のこめかみに銃弾が貫通し、運転席にべっとりと隊員の血がつく。
黒いバイクは加速してモニターから消える。
隊員の額がハンドルに伏せ、車がバランスを失ってふらふら運転になり、数秒後に車が爆発してそこでモニターが消えた。
信号が青になったのかバンが左に曲がって走り出す。
ルビナ姫が口許を両手で覆って絶句している。
「なんてこと……」
ルビナ姫は滲んだ涙を手で拭い嗚咽する。
- 937 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:31:19.36 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はシートから身を乗り出して、ルビナ姫の肩に手を置く。
「……僕たちで仇を討とう。全て終わらせるんだ」
僕はルビナ姫に微笑んで、フロントガラスを見た。
ルビナ姫は洟をすすり、涙を手で拭う。
「ええ……もっとスピードは出ないの? これじゃジョーに追いつけないじゃないの……」
ルビナ姫が顔を上げて、洟をすすり涙を指で拭う。
バンのスピードが上がる。
僕はスピードメーターを覗き込みと、ぐんぐんと速度が上がっている。
「安全運転では目標に追いつけないと判断しました。今から危険な運転を行いますので真似しないでください。間もなく脇道に逸れます」
感情のない女性の機械音声が車内に響く。
- 938 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:31:29.23 ID:5TEczSfJ0.net
- バンが急に右ハンドルを切って、雑草が生えた茶色い土をタイヤが踏んで下ってゆく。
がたがたとバンが大きく揺れ、ルビナ姫が慌ててシートベルトを締めて運転席の手摺に掴まる。
土の道を下り、下の道路と合流した。
下の道路は高級住宅街だった。
道の両端に豪邸が建ち並び、軽装でウォーキングやジョギングをしている人たちがいる。
サングラスを掛けた女性が荷物を掲げて道を横断しようとしていたので、バンのクラクションが鳴る。
- 939 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:31:37.47 ID:5TEczSfJ0.net
- 道の脇にはスポーツカーや高級車が何台も停めてある。
キリカは裕福な街だ。ジョーによって苦しんでいる人たちには目もくれないだろう。
僕は窓の外の高級住宅街を見て思った。
その時、曲がり角から黒いジープの装甲車が飛び出し、屋根からガトリング砲が現れてガトリングを撃ってくる。
バンの車内に警告音が響き、モニターに上から見たバンの映像が映り、バン全体が赤く点滅している。
「車体の損傷を確認。ダメージ回避のため、路地裏に逸れます」
感情のない女性の機械音声が車内に響き、急ハンドルで左に切り車体が大きく右に揺れる。
- 940 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:31:50.60 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は屋根の手摺に掴まるが、遠心力で窓に押し付けられ頬が窓に張り付いた。
ルビナ姫は遠心力で窓に思いっきり頭をぶつける音が聞こえた。
バンは車一台が通れるくらいの狭い路地裏を猛スピードで走ってゆく。
小さなバーの裏口にゴミ箱が置いてある。空を仰ぐと洗濯物が干してあり、洗濯物が風で靡いていた。
僕はシートに手を突いて後ろを振り返る。
「撒いた感じ?」
僕は運転席のルビナ姫に振り返る。
- 941 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:31:57.59 ID:5gd+tm+Y0.net
- いつまでも続くかのように思われたそんな関係に
変化が訪れたのが二年前の年末
職場に彼女が年度内限りで移動になるらしいという
ウワサが流れ始め、年明けには具体的な話となって
ワイに伝えられた
彼女なしには仕事が成り立たない状態になっていたワイは
焦りに焦り、二度にわたって会社に上申書を提出するなど
あらん限りの抵抗を試みた
二度目の上申の際には、懇意にしている役員に呼び出され
「お前ら、何かあったのか?」と聞き取りを受けるほどだった
その場では「何もない」と言い切ったものの
ワイは自分が彼女に惚れていることに気づいてしまっていた
- 942 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:31:59.64 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫は運転席から僕に振り向いて肩を竦める。
「さあ。待ち伏せしてるかも? 諦めるとは思えないけど?」
ルビナ姫は額に手を当てて後ろに目を凝らす。
その時、数メートル先に曲がり角から出てきた、乳母車を引いたお婆さんが歩いていたので僕は慌ててルビナ姫の肩を叩いて前を指さす。
「あ、危ない!?」
僕はシートから身を乗り出して運転席に手を突き、鼓動が高まり乳母車を引いたお婆さんから目を離せずにいる。
ルビナ姫が慌てて前に振り向く。
「お願いだから事故は避けてよね!」
ルビナ姫が悲鳴を上げて瞼を閉じ、顔の前を腕で遮る。
- 943 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:32:24.06 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕も顔の前を手で遮り、ぎゅっと瞼を閉じる。
バンのクラクションが鳴り、お婆さんの乳母車を撥ねた音が聞こえた。
僕はそっと瞼を開け、何事も無かったことに安心してシートに凭れ瞼を閉じて胸を撫で下ろす。
額の汗を手の甲で拭い息を吐いて振り向く。
お婆さんは驚いて背筋が真っ直ぐ伸びて曲がり角の傍の壁に張り付いていた。
乳母車が横に倒れ、乳母車の中身が散らかり、野菜や果物が地面に転がっていた。
お婆さんが腰を曲げて、地面に転がった野菜や果物を拾っている。
顔を戻すと、ルビナ姫が後ろに振り向いていた。
ルビナ姫が後ろに振り向いたまま、手を合わせて舌を出す。
「お婆さん、ごめんね。私たち急いでるの。それにしても、危機一髪だったわね」
ルビナ姫が額の汗を手の甲で拭い息を吐く。
- 944 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:32:38.87 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はもう一度お婆さんに振り向く。
「今のは僕もひやっとしたよ」
顔を戻して、僕とルビナ姫は顔を見合わせ、可笑しくて笑い合った。
僕とルビナ姫はシートに凭れた。僕は後頭部で手を組む。
それにしても、長い路地裏だな。
その時、前から二台の黒いバイクが猛スピードで、僕たちのバンに近づいてくる。
黒いバイクに跨った奴は黒いヘルメットを被り、黒いライダースーツを着て黒の革手袋を嵌めて黒いブーツを履いている。
- 945 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:32:51.44 ID:5TEczSfJ0.net
- 後ろからもバイクのエンジン音が近づき、僕は後ろを振り向く。
後ろからも二台の黒いバイクが猛スピードで、僕たちのバンに近づいてくる。
後ろの黒いバイクに跨った奴も、やっぱり黒いヘルメットを被り、黒いライダースーツを着て黒の革手袋を嵌めて黒いブーツを履いている。
一台のバイクが前輪を浮かせてウイリー走行でパフォーマンスをして僕たちを威嚇した。
こいつら、隊員を殺した奴らだ。
このままじゃ挟み撃ちだ、どうすればいい。
- 946 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:33:05.88 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕とルビナ姫はシートに凭れた。僕は後頭部で手を組む。
それにしても、長い路地裏だな。
その時、前から二台の黒いバイクが猛スピードで僕たちのバンに近づいてくる。
黒いバイクに跨った奴は黒いヘルメットを被り、黒いライダースーツを着て黒い革手袋を嵌めて黒いブーツを履いている。
後ろからもバイクのエンジン音が近づき、僕は後ろを振り向く。
後ろからも二台の黒いバイクが猛スピードで僕たちのバンに近づいてくる。
後ろの黒いバイクに跨った奴も、やっぱり黒いヘルメットを被り、黒いライダースーツを着て黒い革手袋を嵌めて黒いブーツを履いている。
一台のバイクが前輪を浮かせてウイリー走行でパフォーマンスをして僕たちを威嚇した。
こいつら、隊員を殺した奴らだ。
このままじゃ挟み撃ちだ、どうすればいい。
- 947 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:33:14.43 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は前と後ろを振り向く。
屋根を仰ぐと、金属ベルトで固定されたサブマシンガンが目に入る。
僕は緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らし、動悸が激しくなる。銃でなんとかしないと。
僕は金属ベルトに固定されたサブマシンガンを取ろうと金属ベルトのロック解除するスイッチを探す。
金属ベルトを両手で触るがロック解除するスイッチが見当たらない。
無理やりサブマシンガンを取ろうとサブマシンガンを両手で引っ張る。
「警告。悪用防止のため、現在銃器類はロックしています」
感情のない女性の機械音声が車内に響き、僕は金属ベルトを拳で叩く。
- 948 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:33:25.14 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は運転席のモニターを睨む。
「そんな場合じゃないだろ!」
運転席から身を乗り出して僕に振り向くルビナ姫は首を傾げて肩を竦めた。
「大人しくしてれば? スパイ映画みたいに車に搭載武器があるのかもよ? 少しは信じなさいよ」
ルビナ姫は運転席に振り向いて暢気に運転席のモニターを弄って音楽を掛けた。
車内にノリノリの音楽が流れ、ルビナ姫が踊っている。
なんでそんな冷静でいられるんだよ。僕は運転席で踊っているルビナ姫を睨む。
僕はそっぽを向いて、大人しくシートに凭れ腕を組んだ。
落ち着かなくて、左足と腕を組んだ右手の人差指が小さく上下に動いている。
- 949 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:33:34.79 ID:5TEczSfJ0.net
- 窓の外を見るのをやめて横目で運転席のモニターを覗いた。
運転席のモニターの映像が切り替わり、フロントの屋根から映した鮮明な映像に切り替わる。
バンに接近する黒いバイクに跨ったライダーが映る。一台のバイクがウイリー走行した。
もう一台のバイクが太腿に挿したマシンガンを片手で構えて撃ってくる。
後ろを振り向くと、二人のライダーが片手でマシンガンを構えて撃ってくる。
「車体損傷率30パーセント。前後に障害物接近中。これよりウェポンによる障害物除去を行います」
感情のない女性の機械音声が車内に響き、バンのフロントとバンパーの下から機械的な音が鳴る。
僕は思わず下を見る。次の瞬間、ひゅっと何かが放たれる音がした。
- 950 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:33:44.71 ID:5TEczSfJ0.net
- 顔を上げると、前方の二台の黒いバイクが同時に爆発してバイクの後輪が跳ね上がり空中回転している。
黒いバイクが後ろに飛んでゆき、僕たちのバンが空中回転するバイクの下を通る。
ライダーがバンの屋根に落ちて振り落された。
後ろを振り向くともう一人のライダーはバイクから落とされまいと、グリップに必死に掴まりぶら下がっているのが間抜けだった。
後ろの二台のバイクは地面に倒れて滑り、二人のライダーが地面を回転しながら転がっている。
- 951 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:33:52.48 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は深く息を吐いて胸を撫で下ろす。
ルビナ姫が運転席から身を乗り出して、満足そうに口を結んで首を横に振って肩を竦める。
「言ったでしょ? 一生体験できないわよ。カメラ持って来ればよかったかしら」
ルビナ姫は残念そうに瞼を閉じて額に手を当てて首を横に振り、大人しく運転席に戻る。
僕は屋根の手摺を掴みながら、鼻と喉を鳴らして笑った。
「特番に映像を売ろうとかそんなんだろ? そのお金でお洒落するんだろ?」
僕は不敵に笑って肩を竦めた。
ルビナ姫が顔を僕に向けて、瞼を閉じで舌を出す。図星だったみたいだ。
- 952 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:34:01.97 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、後ろからエンジン音が聞こえ、僕は思わず後ろを振り向く。
レンガの壁を突き破って黒いジープの装甲車が飛び出してきた。
レンガの壁に大穴が開き、レンガの瓦礫が積もっている。
黒いジープの装甲車は左に右に車体を擦りながら火花を散らし、猛スピードバンを追いかける。
黒いジープの装甲車がバンに思いっきり衝突して、バンが大きく前に揺れる。
僕はシートから飛び出してお腹がシートベルトに締め付けられ、お腹が苦して顔をしかめる。
「ちょっと! もっとスピード出ないの!?」
- 953 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:34:13.39 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が黒いジープの装甲車に振り向きながら、助手席のシートを叩いて怒鳴る。
もう一度黒いジープの装甲車が思いっきりバンに衝突して、またバンが大きく前に揺れる。
僕とルビナ姫が固唾を飲んで、運転席のモニターを見守る。
「車体損傷率50パーセント。周囲の安全確認完了。ナイトラスオキサイドシステムを使用し一気に加速します。シートベルトを着用してください」
感情のない女性の機械音声が車内に響き、僕とルビナ姫は顔を見合わせて慌ててシートに凭れた。
数秒後にバンが機械的な音を鳴らし、マフラーから火を噴出した様な音が聞こえた。
バンは一気に加速して、僕はシートに引っ張られた。景色が高速で駆け抜けてゆく。
- 954 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:34:22.22 ID:5TEczSfJ0.net
- 前にキリカの遊園地で乗ったジェットコースターよりも迫力があった。
とにかく身体に掛かる重力が凄まじい。
パトロール隊のバンって、ジョー好みに改造されたのかも。
ナイトラスオキサイドシステムなんて必要あるのか?
路地裏に落ちている新聞紙や空き缶や段ボール箱を蹴散らしながら、路地裏を一気に抜けた。
ジェットコースターが戻って来て急に停まるように、がくっと前に引っ張られた。
お腹がシートベルトに締め付けられて気分が悪くなり、思わず吐きそうになり口許を両手で押さえる。
「ナイトラスオキサイドシステムの燃料切れのため、通常スピードに戻ります」
感情のない女性の機械音声が車内に響き、一気にスピードが落ちる。
路地裏を抜けた先は大通りだった。
お腹を擦りながら後ろを振り向くと、黒いジープの装甲車が曲がり角を左に曲がった。
- 955 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:34:31.02 ID:5TEczSfJ0.net
- また突っ込んでくるかもしれないな。そう思いながら、僕は顔を戻した。
目に映るのは何台もの車がひっくり返って燃えていたり、車が正面衝突していたり、店に車が突っ込んだり、車が前の車に衝突していたり、大通りは大参事だった。
吸い寄せられるように窓の外を見た。ルビナ姫が音楽を切る。
この大通りをジョーの車が通ったに違いない。
担架でレスキュー車に運ばれてゆく頭に包帯を巻いた男性の怪我人。
すがる様に担架に寄り添い、泣き叫ぶ女性。彼の母親だろうか。
人が何人も血だらけであちこちに倒れ、火だるまの男が叫びながら走っている。
衝突で車内に閉じ込められ、窓を叩く子供が泣き叫ぶ悲鳴が聞こえる。
ひっくり返った車が爆発し、車の窓ガラスが飛び散った。
サイレンが鳴り響き、何台ものパトロール車やレスキュー車がバンの横を通り過ぎる。
- 956 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:34:45.74 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫の泣き声が聞こえる。
「見るの止めなさい。見世物じゃないのよ……」
洟をすすり嗚咽するルビナ姫。
僕は悔しくて歯を食いしばり拳を握り締める。
「ご、ごめん……」
僕は胸の前で十字を切り俯いて手を組んだ。
警告音のような機械的な音が鳴る。
「この先、通行止めになっています。別ルート検索中……」
場を和ます様に感情のない女性の機械音声が車内に響く。
僕は顔を上げると数メートル先にバリケードが設置され、消防車やレスキュー車で道路が通せんぼにされていた。バリケードの前で、オレン色の制服を着たレスキュー隊員が向こうを指さして怒鳴り、黒い制服を着たパトロール隊員が両手を腰に当てて何やら話し込んでいる。
- 957 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:34:56.63 ID:5TEczSfJ0.net
- 消防車やレスキュー車の向こうで大きなビルの火災が見える。
十字道路の真ん中でバンが静かに停まった。
警告音のような機械的な音が鳴る。
「別ルート検索時間を要します。しばらくお待ちください」
感情のない女性の機械音声が車内に響く。
その時、レスキュー隊員と話し込んでいたパトロール隊員がバンに振り向き、パトロール隊員が黒い帽子を被り直して黒い制服を着た小太りの中年男がズボンを持ち上げてバンに近づいてきた。
小太りの中年男が咳払いしてバンの運転席の窓を拳で叩き、運転席のウィンドウが下がる。
- 958 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:35:08.93 ID:5TEczSfJ0.net
- 「巡回か? ここは通行止めだ。迂回してくれ。あんた、顔が真っ赤だぞ。大丈夫か? どっかで見たことあるな……」
小太りの中年男が運転席を覗き込んで肘を突いて手をひらひらさせ、首を傾げ目を細めた。
ルビナ姫が洟をすすって運転席の窓から顔を出す。
「私はルビナ姫よ。何があったの?」
ルビナ姫は涙を手で拭って運転席の窓の縁に手を突き、額に手を当てる。
- 959 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:35:17.02 ID:5TEczSfJ0.net
- 小太りの中年男は帽子を脱いで敬礼した。
「こ、これは、ルビナ姫でしたか! 失礼しました! 私にも何が起こったのかわかりません。ただ、突然ビルが爆発したという通報がありまして……中に人が閉じ込められてて、救助活動が困難な状態なんです」
帽子を被って肩を竦め、心配そうに燃えているビルを見つめる。
ルビナ姫って顔が広いな。
僕はシートから身を乗り出して助手席に手を突き、横目でルビナ姫の後頭部を見て思う。
ルビナ姫が顎に手を当てて口を結び、腕を組んで呻り考え込んでいる。
もしかして、これはジョーの陽動作戦かもしれない。僕はシートに凭れ腕を組んで考え込んでいた。
- 960 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:35:25.47 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ねぇ。これって、ジョーの陽動作戦じゃないかしら。ここに人を集めて、ズール砂漠に行くには絶好のチャンスだわ」
ルビナ姫が顔を上げて、閃いたように掌で拳を叩いて小太りの中年男を見る。
僕はシートから身を乗り出して、運転席に手を突く。
「僕もそう思う。今、ジョーの追手は手薄といってもいい。キリカを出るにはもってこいだ」
僕とルビナ姫が顔を見合わせて頷く。
- 961 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:35:31.86 ID:5TEczSfJ0.net
- 小太りの中年男の腰に下げた無線に無線が入るが雑音で聞こえない。
小太りの中年男は無線を無視して、顎に手を当てて腕を組んで口をへの字に曲げて呻る。
「そうかもしれませんね。何台かジョーの追手に回してみます。ジョーを止めないと。私は現場で手一杯なんです。それじゃ、これで失礼します。朗報待ってますよ、ルビナ姫」
小太りの中年男は腰に下げた無線を取って踵を返し、無線で連絡しながら振り向いて帽子を取って被る。
僕たちは顔を見合わせ、互いに肩を竦めた。
- 962 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:35:38.85 ID:C9NatY+3M.net
- 日米超決戦あばらVSアバター
- 963 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:35:41.06 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、左の曲がり角からさっきの黒いジープの装甲車が猛スピードで飛び出し、僕たちのバンに衝突してバンが勢いよく横に回転してひっくり返った。
僕は窓ガラスに頭を強く打ち、頭を押さえて顔をしかめる。頭が痛い。
焦げたような臭いと煙臭い。ガソリンが漏れてるんだ。早く出ないと。
運転席のモニターの液晶画面に罅が入り、ばちばちと火花が散っている。
- 964 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:35:54.73 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、左の曲がり角からさっきの黒いジープの装甲車がエンジン音を響かせて猛スピードで飛び出し、僕たちのバンに衝突した。
バンはアクション映画のように勢いよく横に激しく回転してひっくり返った。
僕は窓ガラスに頭を強打し、頭を押さえて顔をしかめる。頭が痛い。
焦げたような臭いと煙臭い。ガソリンが漏れてるんだ。鼻を手で押さえる。早く出ないと。
運転席のモニターの液晶画面に罅が入り、ばちばちと火花が散っている。
- 965 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:36:01.78 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はシートベルトを外して、どさっと車の天井に落ちる。
「ルビナ姫、大丈夫?」
僕は身体を起こして屈み込み、額を手で押さえて顔をしかめ、運転席のシートに手を突いてルビナ姫に呼びかける。
ルビナ姫を覗き込むと、ルビナ姫はぐったりと気絶していた。
僕は口許を手で覆いながら片手でルビナ姫の身体を必死に擦るが、ルビナ姫は目を覚まさない。
- 966 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:36:10.54 ID:5TEczSfJ0.net
- 運転席のモニターから火花が散っている。
モニターから散った火花が僕の手に触れる。僕は熱くて思わず手を引っ込める。
数秒後に運転席のモニターに火花が散って火が点き、小さく燃え始める。
僕は一瞬、身体が固まる。こういうシーンを本で読んだことがあるけど、まさか実体験するとは。
- 967 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:36:20.49 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、駆けてくる靴音が近づいてくる。
「ルビナ姫! 大丈夫ですか!? 大変だ、応援を呼ばないと……」
さっきの小太り中年男の声が聞こえる。
罅割れたフロントガラスの向こうに黒いジープの装甲車が停まった。
黒いジープの装甲車の運転席ドアが開閉し、一人の男が下りてきた。
男は頭が禿げて黒いサングラスを掛け、黒いコートを羽織り、黒いスーツを着て黒い革手袋を嵌めて黒いブーツを履いている。がっちり引き締まった身体で額に不気味な十字架の入れ墨が彫ってあり、右の頬に斜めの刀傷がある。
「き、貴様はレオン! ゾット教の異能者め!」
罅割れたフロントガラス越しに小太り中年男が腰のホルスターから素早くオートマチック銃を抜いて、黒ずくめの男を撃つ。
- 968 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:36:28.88 ID:5TEczSfJ0.net
- 急に小太り中年男の動きが急激に遅くなる。まるでスローモーションのように。
銃弾までもはっきり肉眼で見える。小太り中年男以外は時が正常に流れている。
そういえば、運転席のモニターが燃えていたのに、何故か炎が止まっている。全然熱くない。
ルビナ姫も人形の様に完全に動きが止まっている。
ルビナ姫の腕を触ってみると、石のように硬かった。
僕だけが動けるみたいだ。確認するように掌を返して見たり、足を動かしてみる。
あの男の力なのか? 僕はフロントガラス越しに黒ずくめの男を見る。
急に胸が締め付けられるように動悸が激しくなり、顔をしかめて胸を手で押さえる。
- 969 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:36:40.57 ID:5TEczSfJ0.net
- レオンは黒いコートのポケットに両手を突っ込んで不気味に笑っていた。
「異能者はアルガスタの民に忌み嫌われる。だが、俺はお前らより優れていることを忘れてないか?」
レオンが口をへの字に曲げて首を傾げて肩を竦める。
レオンが人差指を突き出して小さく左右に振りながら、小太り中年男に歩み寄る。
小太り中年男の傍に寄ると、レオンは小太り中年男が握っているオートマチック銃を奪い取る。
レオンがオートマチック銃をまじまじと見て、首を傾げて口をへの字に曲げて何度も頷く。
- 970 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:36:51.21 ID:5TEczSfJ0.net
- 「最近のデカはまともな銃を持ってるんだな。だが、俺にはこんなのガラクタに過ぎん」
レオンが小太り中年男の胸に銃口を向けて、オートマチック銃を撃つ。
一発の銃声の後、魔法が解けたように、フロントガラス越しに小太り中年男が道路に倒れる。
レオンは小太り中年男の背中にオートマチック銃を放り投げ、黒いコートのポケットからシルバーの十字架のネックレスを取り出してキスし、小太り中年男の背中に放り投げる。
レオンは黒いコートの襟を整えてコートを着直し、僕を見て不気味に笑う。
小太り中年男の顔が僕に向いてて、眼が見開いている。
僕の胸苦しさが直り、僕は瞼を閉じて首を横に振る。なんて惨いんだ。
僕はレオンが許せず、瞼を開けて歯を食いしばってレオンを睨む。
- 971 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:37:04.60 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、レオンの黒いコートから携帯の着信音が鳴り、レオンは黒いジープの装甲車の運転席ドアに凭れて黒いコートのポケットから携帯を取り出し、片手を黒いコートのポケットに突っ込み、誰かと電話で話し始めた。
ルビナ姫が激しく咳き込んで僕は我に返ってレオンから目を逸らし、慌ててルビナ姫を見る。
「ちょ、ちょっと!? 燃えてるじゃない! ガソリン臭いし、早く出ないと爆発するわよ!?」
ルビナ姫が慌ててシートベルトを外し、屋根に頭をぶつけて身体を起こして口許を手で押さえながら足で必死に罅割れた窓を蹴り始める。
- 972 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:37:21.28 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はルビナ姫に呆れて瞼を閉じて首を横に振る。
そういえば、隊員が倒れてから僕の胸苦しさが直って、正常に時が流れてる。
どうなってるんだ。まあいいか。そんなことより、早く脱出しないと。
「あのさ。足で蹴って割れるような窓じゃないだろ。ちょっと待ってて」
僕は後部座席に振り返って口許を手で押さえ、天井の金属ベルトに目を落とすがロックは解除されていなかった。
銃で窓ガラスを割って外に出るのは無理そうだな。
危機的状況に生唾を飲み込み喉を鳴らした。
「ジン! 銃はどう!?」
- 973 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:37:30.30 ID:5TEczSfJ0.net
- 背後でルビナ姫の怒鳴り声が聞こえる。まだ足で窓を蹴っている音が聞こえる。
僕は瞼を閉じて首を横に振って、ルビナ姫に呆れて嘆息を零す。
「ダメだ。ロックされてる……」
拳で金属ベルトを叩いてみるが、ちっとも反応しない。
僕は諦めてルビナ姫に振り返り、運転席に手を突いてルビナ姫に手を伸ばす。
「そこは危険だ。トランクに移動しよう」
ルビナ姫は口許を手で押さえながら、片手で肩を竦める。
ルビナ姫は僕と手を繋いで何故か顔が火照り、慌てて僕から手を離すが、僕の人差指を掴んだ。
僕は不思議に思って眉根を寄せて首を傾げる。
「どうしたの?」
- 974 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:37:39.54 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はなんでルビナ姫が自分の人差指を掴んだのか不思議に思いルビナ姫に訊く。
ルビナ姫が僕の人差指を掴んだまま慌てて顔を背ける。
「な、なんでもないわよ」
ルビナ姫の顔が赤く、額に冷や汗が滲み、僕の人差指を掴んでいる手に汗を掻いている。
「あっそっ」と僕は呟き、瞼を閉じて嘆息を零す。
僕はルビナ姫と手を繋いだまま顔を戻し、トランクに向かって歩き出す。
「それにしても緊急時に銃がロック解除されないなんて、ポンコツなのかしら。このバン旧式なんじゃない?」
ルビナ姫の嘆息が聞こえた後、スカートの裾に火が点き、ルビナ姫は叫びながらスカートを叩いて、スカートの裾に点いた火を慌てて消す。
僕はそんなルビナ姫に呆れて額に手を当て、瞼を閉じて首を横に振る。
ルビナ姫を無視してルビナ姫の手を乱暴に取って、僕はルビナ姫と手を繋ぐ。
- 975 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:37:52.82 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はルビナ姫に振り向くと、ルビナ姫が片手でスカートの裾を持っている。
「ねぇ、ジン。敵さんが開けてくれないかしら。そしたら楽なのに」
顔を戻すと背後でルビナ姫の嘆息が聞こえる。
僕はルビナ姫に呆れて、ルビナ姫に振り向く。
「敵に捕まった元も子もないだろ。トランクを爆弾で開けるしかないんじゃない?」
顔を戻し、結局敵に捕まるしか手はないと思い、僕は苦笑いする。
バンの屋根を踏む度に乾いた靴音が響く。
僕たちは屈んでバンのトランクに移動し、僕の隣にルビナ姫がいる。
トランクのドアノブを弄るが、ドアはロックされていて開かない。
「なんで開かないのよ!?」
隣でルビナ姫がトランクのドアに体当たりしてトランクのドアを拳で何度も叩いている。
- 976 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:38:08.66 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、バイクのエンジン音が近づき、後部座席の窓ガラスに一台の黒いバイクが停まる。
停まったバイクの横に一台、また一台停まり、バイクからライダーが下りた。
ライダーは黒いライダースーツを着て黒いブーツを履いている。
くそっ、ジョーの手下か。どうして僕たちを狙うんだ?
僕は慌ててルビナ姫を抱き寄せ、ルビナ姫の口許を慌てて手で押さえる。
ルビナ姫が何かもごもごと喋るが、何を言っているのかわからず、ルビナ姫が僕の腕を拳で叩く。
僕は口許に人差指を突き立て、ルビナ姫は黙って頷き大人しくなった。
僕とルビナ姫が至近距離で見つめ合い、お互い顔が火照る。
ルビナ姫の眼がさざ波の様に揺れている。
ルビナ姫の息が僕の耳に振り掛かり、僕は変な気分になり、思わず生唾を飲み込み喉を鳴らした。
- 977 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:38:17.19 ID:5TEczSfJ0.net
- ブーツの乾いた靴音が響く。
「中を調べろ! ガキを殺すなよ?」
リーダー格っぽい男の声が聞こえた。
ライダーたちが駆けてトランクに回り込み、トランクに何か付ける重い音が聞こえ、高い機械音が鳴る。
「爆発するぞ! 離れろ!」
男の怒鳴り声を聞いて、僕は慌ててルビナ姫を抱き寄せたまま伏せる。
ルビナ姫の真っ赤な顔が心配そうに僕を見つめ、僕はルビナ姫を安心させるように頷いた。
数秒後にトランクのドアが爆発して、僕は瞼を閉じた。
爆風で吹っ飛んだトランクの重いドアが僕たちの上に被さる。
ライダーがトランクのドアを取って投げ捨て、銃を構える乾いた音が聞こえた。
僕は瞼を開け、顔を上げて奴らに振り向く。
- 978 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:38:28.87 ID:5TEczSfJ0.net
- やっぱり奴らは黒いヘルメットを被り、黒いライダースーツを着て黒い革手袋を嵌めて黒いブーツを履いた二人のライダーが、マシンガンを構えてトランクのドアの前で立っていた。
ルビナ姫は怖いのか瞼に力を入れて、瞼を閉じている。
「奴ら生きてるぞ! 出るんだ!」
左の男が怒鳴ってトランクの縁を叩き、マシンガンを構えたまま僕たちを乱暴に手招きする。
横から現れたレオンは、後ろ手を組んだ左手を左の男の肩にそっと手を置く。
「こいつらはジョー様のお気に入りだからな。身体能力が高く、異能者としての素質がある。異能者の研究所に連れて行く、生け捕りにしろ。手荒い歓迎だが、悪く思うなよ?」
- 979 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:38:38.38 ID:5TEczSfJ0.net
- レオンは口をへの字に曲げて肩を竦めた。
レオンは左の男の肩を軽く叩いて不気味に笑って踵を返し、ポケットから携帯を取り出してどこかに電話を掛けた。
僕は左の男に腕を乱暴に掴まれて無理やり外に引っ張り出された。
「放せ!」
必死に掴まれた腕を振ったり抵抗するも、男の方が力が強く無駄だった。
右の男がルビナ姫の腕を乱暴に掴んで無理やり引っ張り出す。
「放しなさいよ!」
ルビナ姫は必死に足で蹴ったり手足を動かして暴れているが、男の方が力が強く抵抗するも無駄だった。
「手を上げろ! 車まで歩け!」
- 980 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:38:48.28 ID:5TEczSfJ0.net
- 背後の男にマシンガンの銃口で背中を押され、僕たちは手を上げたまま、黒いジープの装甲車に連行される。
ルビナ姫が左に見えるひっくり返ったバンに目配せして、背後でマシンガンを構えた男に顎をしゃくる。
バンが爆発した隙に武器を奪えって? 僕は無茶ぶりな作戦に首を横に振った。
ルビナ姫が諦めてがっくりと俯く。
数秒後にバンが爆発して熱気が飛んで来て僕は顔の前を手で遮る。
連中に隙ができるほど大した爆発じゃなく、僕たちはそのまま黒いジープの装甲車に連行された。
その時、後ろから砲弾の様な物が飛んで来て、目の前にある黒いジープの装甲車のフロントバンパーに当たって爆発が起きた。
- 981 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:39:04.66 ID:5gd+tm+Y0.net
- 役員からは、会社としても彼女の能力を高く評価しており
いつまでも現在のポジションに置いておくわけにはいかないこと
今後、彼女のお子さんが小学校に上がれば
余裕ができて活躍の場が広がると見込まれること
移動先は通勤に至便で彼女にとっても負担が軽減することといった
説明を受け、ワイもそのときばかりは会社の決定を受け入れざるを得なかった
やがて、年度末が近づいたある日
会議室で彼女とワイ以外は誰もいなくなったタイミングで
ワイは彼女に告げた
「あなたを尊敬している。できることなら、もっと別の形で出会いたかった。
離ればなれになるのはとてもつらい」
孤独な中年男の精一杯の告白だった
- 982 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:39:37.34 ID:5TEczSfJ0.net
- お前ら門倉クソとか言ってるけど球場行って
練習や試合を生で見て言ってんの?
ろくにテレビすらも見ないで門倉批判してんじゃねーよ
2ちゃんの書き込みに影響されて門倉批判かよ
俺は球場行って門倉のピッチングを生で見た
そして思ったんだけどやっぱり門倉ってクソだわ
- 983 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:39:38.12 ID:Gy1gX3ke0.net
- 次スレ既に立ててます
テンプレも終わってます
興行収入を見守るスレ5724
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1666719282/
- 984 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:39:51.95 ID:5TEczSfJ0.net
- 実況「生き返れ!福留!」
福留「」カキーン
実況「さあどうだあああああいったいったどうだどうだいったいったいった!」
衣笠「いったあああいった!(確信)いったあああああ〜〜〜はっはあ〜〜!」
実況「代打2ラーン!やった福留えやっぱり福留うったあああああああ生き返ったぞ福留ええええ」
衣笠「あはぁ〜〜↑↑(裏声)はっ↑はっ→はっはぁあ〜↓」
実況「ライトオーバーの2ランホームラーン!!花火が舞い上がる!!」
衣笠「あ〜はっはっは、ああよかった(恍惚)」
実況「サンディエゴの夜空に花火が気持よく舞い上がりィッ!福留が生還したァッ!!」
衣笠「ああよかったなあ(二度目)」
実況「やりました!代打福留!起死回生の2ランホームランです!」
衣笠「あはぁ〜(昇天)」
- 985 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:40:02.91 ID:5TEczSfJ0.net
- 打ち上げた!レフト行った!大きいぞ!レフト下がる!まだ下がる!伸びて行け!レフトが下がって!フェンスの手前!
はいったああああああああああああああああっ!米野ガッポォー!(号泣)
ヒッ、移籍後初アーチがっ!ヒッ、ファルケンボーグ相手のっ!ヒッ、満塁ホームラアアアアァン!ヒッ、米野ホームィヒィィィン(泣)
ヒッ、逆転ダイオンズ! ヒッ、ごたいさあぁぁあふん・・・!ヒッ、移籍後初アーチがっ!ヒッ、ヤフージャパンドームでっ、ヒッ、繰り返してすいません(?)
ヒッ、ファルケンボーグ相手のっ、ヒッ、満塁ホームラン!パ・リーグの内規では、ベンチの中に、みんなが下がって、ハイタッチしなければいけないんですが、
全員、そのルールを破って、ベンチの外!ハイタッチの嵐!
米野っ!1号満塁ホームラァァンっ!
・・・ごたいさんっ!ヒッ、ライオンズとうとう逆転です(泣)見たかこれが決意のコンバート!
工藤「・・・ふっふっふっふっふっふw」
プロ野球生命を賭しての、一振りだ!1号満塁ホームラン5対3ライオンズとうとう逆転!
- 986 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:40:16.68 ID:5TEczSfJ0.net
- 井端「」カキーン
古田「よおおおおおおぉぉぉし!!!よおおおおおおぉぉぉし!!!」
工藤「やったああああああああああああああああ!!!!」
実況「三塁蹴った! 三塁蹴った! ホームに還ってきたああああー!」
古田・工藤「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおわああああああ」
実況「どうて↑ん! どうて↑ん! ニッポンどうてぇぇぇぇ↑ん!!!」
工藤「なんてすごいんだ……(恍惚)」
古田「井端ぁ!」
工藤「フフフフフwww」
実況「井端打ちましたー! 追いついたー! 9回2アウト!」
工藤「なんてすごいんだ……(恍惚)」
- 987 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:40:28.98 ID:5TEczSfJ0.net
- 昔、広島カープの選手を東京駅で見た時、俺は広島のヤクザが東京に攻めてきたのかと思った。
新幹線の扉が開くと、
まず先導という形でチンピラ風貌の長島清幸が降りてくる。
続いて若手筆頭といった感じの高橋慶彦が降りてきて、
次にパンチパーマに細身のスーツという出で立ちで
幹部という雰囲気の山本浩二や江夏豊が降りてくる。
最後に金色のネックレスを光らせながら鋭い眼光を飛ばす組長
という感じの衣笠祥雄が降り立った時は俺はもう東京は終わったと思った。
- 988 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:40:40.21 ID:5TEczSfJ0.net
- 左中間へ逝ったぞ!逝ったぞ!逝ったぞー! 今年の近鉄何かが起こった! なんと!逆転!サヨナラ!満塁!ホームラァアン代打北川! これ以上の出来事は無い大阪ドーム!帽子を投げ捨てた北川! 中村走った!北川
を出迎えた! しっかりと踏め!しっかりと踏めよ!ちゃんと踏めよ!ホームイーン!!
- 989 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:40:50.09 ID:5TEczSfJ0.net
- 1 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/02/25(木) 19:27:34.82 ID:Or/B455q
251 名前:代打名無し@実況は実況板で[] 投稿日:2006/03/21(火) 14:26:06 ID:Kyt/MO0B0
いらね
272 名前:代打名無し@実況は実況板で[] 投稿日:2006/03/21(火) 14:26:59 ID:Kyt/MO0B0
はあ?ここで福留??????????・
これで打ったら全裸で日本一週してやるよwwwwwwwwwwww
383 名前:代打名無し@実況は実況板で[] 投稿日:2006/03/21(火) 14:29:45 ID:Kyt/MO0B0
神じゃああああああああああああああああああああああああああああああ
福留様は神じゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ
- 990 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:41:03.58 ID:5TEczSfJ0.net
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- 992 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:41:31.77 ID:5TEczSfJ0.net
- 愛しい奈々!おはよー!チュッ(笑)
もう俺と奈々は既に運命共同体となっておりますので、どうか最後までお付き合いください(笑)
明日の晩は抱っこして、腕枕して寝てあげるからね
奈々!俺にもチュッは?(笑)
まだお風呂かな?一緒に入ろう! 今度ね!って…もう俺と奈々は、何でもありでしょ?(笑)
また湯船に浸かって、ちょっと恥ずかしそうな顔のかわいい奈々を見せてね! チュッ
- 993 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:41:43.18 ID:5TEczSfJ0.net
- や〜まぁ^〜かわぁ〜 や〜まぁ^〜かわぁ〜
や〜まぁ^〜かわぁ〜っ ほぉ〜〜たか^〜
- 994 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:42:18.16 ID:5TEczSfJ0.net
- 西武ファンになってもう20年超えた
工藤が居なくなっても応援した
清原が居なくなっても応援した
秋山が居なくなっても応援した
カズオが居なくなっても応援した
豊田が居なくなっても応援した
松坂が居なくなっても応援した
裏金問題が表面化して制裁受けても応援した
長年続けてきたAクラス死守出来なかったけど応援した
裏金問題の影響で上位指名剥奪されても応援した
その結果待ってたのはデーブ大久保だった
あんまりだ、あんまりだ
- 995 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:42:32.68 ID:5TEczSfJ0.net
- かつて、名前は出せないが堀之内のソープを全軒制覇するほど
ソープ好きだったロッテの選手がいた。
その選手は新婚だったにも関わらずソープ通いを辞めず、
業を煮やした新妻はある日、家に帰ってきたその選手に向かい
「大事な話があるので、服を脱いで風呂場に来てほしい」と言った。
件の選手が裸になって風呂場に向かうと、
そこにはスケベ椅子とマット、それに泡姫ルックの新妻が。
この新妻、亭主のソープ通いを辞めさせるには
「家でサービスするしかない」と自らソープに赴き
道具と技術を修得してきたというのだ。
これに懲りた件の選手、ソープ通いはピタリと止まり、
翌年には長男の福嗣くんも誕生した。
- 996 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:42:43.14 ID:5TEczSfJ0.net
- 使い続けてくれた監督の期待に応えられなかった内海は、辞任する堀内のもとへ謝罪に訪れた。
そんな内海に堀内は「謝る必要なんてない。俺はお前に夢を見たんだ。巨人軍を再建するには若き柱が絶対に必要なんだ。
お前にはその資質がある。自信が持てない?そんなのは当たり前だろ。お前みたいな何の実績もない奴が自信なんか持てるわけがない。
お前は自分を信頼する必要なんてないんだ。200勝投手の俺を信頼すればいいだけなんだよ
お前には凄い素質がある。俺が言うんだから間違ないよ。申し訳ない気持ちがあるなら、お前の左腕で俺の判断が間違ってなかった事を証明してくれ」
そう言われた内海は号泣し、飛躍することを心に誓った
- 997 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:42:52.43 ID:5TEczSfJ0.net
- 1(中) ウホ=ホ・ホ・ホ .324 4 74
2(一) ドンクライ(泣くのはおよし)・ゴリラ.308 8 86
3(三) Gorilla gorilla(ネイティヴ・ダンス) .361 40 168
4(左) ???(動物界脊椎動物門脊椎動物亜門哺乳網サル目真猿亜目峡鼻下目ヒト上科ヒト属ヒト種 金本) .001 0 0
5(捕) 城島健司 .330 34 119
6(右) ゴリリリリ・ウッホウッホ .287 25 89
7(二) スーパー・ゴリラ・キャッスル .269 25 67
8(遊) おさるのジョージ .278 21 60
9(投) ゴリラはゴリラでもゴリゴリなゴリラってバ〜ナナ? 18.57 0勝104敗
- 998 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:43:01.61 ID:5TEczSfJ0.net
- 藪が入団テストで146キロ
6:風吹けば名無し:2010/07/26(月) 21:26:07.42 ID:aKg9FZVI
球速だけなら俺でもギリギリそのくらいは出るしな
問題はキレよ
- 999 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:43:05.97 ID:Gy1gX3ke0.net
- 次スレ
興行収入を見守るスレ5724
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1666719282/
- 1000 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:43:12.92 ID:5TEczSfJ0.net
- 119 どうですか解説の名無しさん 2009/02/02(月) 21:33:38.35 ID:1W4rFAPg
ヤクルトの宮出さん。
3年くらい前のオフシーズン、バイト先の牛丼屋によく来てたんだが、
酔っぱらってちょっとうるさかった大学生風の4人組の一人がカウンターでゲロ。
仲間連中がみんな引きまくっちゃって、あーあお前どーすんだよバカって感じで放置状態。
他のお客さんも牛丼残して席を立つ中、斜め向かい側に座っていた宮出選手が
「君、大丈夫か?全部出しちゃった方が楽になるぞ?」と肩を貸してトイレまで連れてってあげてた。
水持っていってあげたり、背中さすってあげたりで何度もトイレとカウンター行ったり来たり。
やっとバカ大学生風の仲間達も「俺達がやります」って。
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