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興行収入を見守るスレ5723
- 1 :名無シネマさん:2022/10/25(火) 17:30:02.06 ID:B7WlvUyC0.net
- !extend:checked:vvvvvv:1000:512
!extend:checked:vvvvvv:1000:512
このスレは映画が日本で売れたか売れないか、だけ
作品、人等について語りたい方は関連スレで。実況は実況板で。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
煽り目的の表や同じコピペを繰り返すのはスレの容量を重くする荒らしです。スルー推奨
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海外興行収入、円盤売上は原則禁止。
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>>900を踏んだ人が宣言した上で、>>950までに次スレを立てること、無理な場合は速やかに他の人に頼むこと
>>950を超えて次スレが立たないなら速やかに減速する
スレの流れが速い場合は、確実に立てられる人間が宣言をして900以前にスレ立てをしても可
関連リンク
・MovieWalker(月) http://movie.walkerplus.com/ranking/japan/
・興行通信社(月) http://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/
・eiga.com(月) http://eiga.com/ranking/jp
・MOJO http://www.boxofficemojo.com/intl/japan/
・THR.com http://www.hollywoodreporter.com/topic/asia-movies-film-reviews
・THE NUMBERS http://www.the-numbers.com
・文化通信速報 http://www.bunkatsushin.com/news/list.aspx?nc=1
・社団法人日本映画製作者連盟 http://www.eiren.org/toukei/index.html
・週間動員ランキング http://www.kogyotsushin.com/archives/weekly/
・Korean Film Council https://www.kobis.or.kr/
※前スレ
興行収入を見守るスレ5722
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/movie/1666619728/
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- 768 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:14.14 ID:l8dKCNVn0.net
- デイリー上映25分前販売数合計ランキング(19時中間集計):20210202
順位 販売数 座席数 回数 館数 先週比 映画(作品名)
*1 20376 244929 1105 255 ****** 花束みたいな恋をした
*2 *9157 173999 1139 262 *92.7% 鬼滅の刃 無限列車編
公開から三か月半経過の鬼滅
ワンピ信者は座席がどうのこうの訳の分からんこと言ってるけど
座席同じで公開日が鬼滅の方が経ってるのにこの差
レベルが違うって気づいた方がいい( ̄д ̄)
- 769 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:34.57 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は全身黒ずくめで、冷たい眼で僕を見下ろす。
僕と麻里亜の視線が合う。
「麻里亜ぁ……怖かった。怖かったよぉ」
僕は子供の様に嗚咽し、滲んだ涙を手の甲で拭う。
僕は堪らなく麻里亜に抱き付き、麻里亜のワンピースのスカートを握り締めた。
「どうかしましたか? ジン様」
麻里亜の声が降って、僕は麻里亜を見上げる。
麻里亜は無表情で不思議そうに首を傾げ、子供をあやすように僕の頭を撫でてくれた。
数秒後、麻里亜は屈み込んで、僕を優しく抱き締めて僕の頭を何度も撫でる。
麻里亜は僕からそっと離れ、僕の両肩に手を置き、僕の顔を見る。
「ジン様、ご心配お掛けしました。ジン様は酷く衰弱しきっています。さぁ、ここから逃げましょう」
麻里亜が安心させるように僕の頭を撫でる。
- 770 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:52:53.65 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は、僕の母さんなんだ。
麻里亜は、病気で死んだ母さんの代わりなんだ。
麻里亜は不器用だけど、一生懸命に僕の母さんになろうとしてくれてる。
僕も麻里亜に応えないと。
「うん」
僕は泣きながら頷いた。
麻里亜は僕の肩から手を離し、麻里亜はくるっと背中を向ける。
「ジン様、ワタシの背中に乗ってください」
僕は黙って麻里亜の背中に身体を預ける。
「ごめん、麻里亜……」
僕は泣きながら麻里亜の背中に顔を埋めて呟いた。
「何故、謝るのですか?」
麻里亜の不思議そうな声が降る。
- 771 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:05.63 ID:5TEczSfJ0.net
- 「だって、父上や麻里亜に迷惑掛けてしまったから。その、ごめん……」
僕は麻里亜の背中に顔を埋めたまま。
「気にしないでください。ジン様のためなら、ワタシは命を懸けてジン様を守ります」
麻里亜がおもむろに立ち上がる。
僕はしっかりと麻里亜の背中に身体を預ける。
「僕が大きくなったら、麻里亜を守るから。父上も守る」
僕は意を決して、麻里亜の背中に顔を埋めたまま拳を握り締める。
麻里亜が踵を返して、階段に向かう。
麻里亜のブーツの靴音がリズミカルに硬い音を響かせる。
僕は麻里亜の背中ですっかり安心してうとうと眠ろうとしていた。
僕が眠い目を擦った時、階段手前の鉄扉の向こうから、重い物が落ちた様な大きな音がした。
- 772 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:21.56 ID:l8dKCNVn0.net
- >>760
笑わせんな┐(´д`)┌ヤレヤレ
ワンピはオタと転売ヤーだけに支えられてるだけだろ
- 773 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:25.57 ID:5TEczSfJ0.net
- その音に反応する様に麻里亜の動きが止まり、僕は思いっきり額を麻里亜の背中にぶつけて目が覚めた。
「どうしたの? 麻里亜」
僕は欠伸が出て、眠そうに目を擦る。眼を擦ったら瞼が痒くなった。
麻里亜は音がした鉄扉を、紅い眼で冷たくじっと見ている。
「なんでもありません。失礼しました」
麻里亜は首を横に振って、前を向いて歩き出した。
麻里亜は音がした鉄扉の横を通り過ぎる。
僕は音がした鉄扉に振り向き、僕の頭に疑問が浮かぶ。
「ねぇ、麻里亜。もしかして、僕の他に閉じ込められている人がいた? 何で助けないで無視したの?」
僕は麻里亜に訊いた。拳を握り締めて、語尾が強くなった。
麻里亜が僕の質問に答える様に立ち止る。
「ワタシの任務は、ジン様の救出です。それ以外の命令は受けません」
僕は麻里亜の背中を拳で小さく叩いた。
「何で? 父上は? どうして、父上は僕を助けに来ないんだ!?」
僕は大声を出したせいで息が乱れた。
- 774 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:40.28 ID:5TEczSfJ0.net
- いつもそうだ。
父上は仕事で忙しく、いつも家にいない。
たまに父上が家に帰ったと思ったら、すぐに仕事で家を出る。
麻里亜が僕の面倒を見てくれていた。
麻里亜に父上の仕事を訊いても答えてくれなかった。
父上に会いたい。
僕は動揺して目がさざ波の様に揺れている。
麻里亜は僕を背負い直した。
「リアン様は、他の任務に就いております。ここに閉じ込められている人たちは、リアン様が救出します。安心してください」
麻里亜は何事も無かったように歩き出す。
- 775 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:53:50.45 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は麻里亜に呆れてため息を零す。
「麻里亜なら、僕をわかってくれると思ってた。もういいよ。僕一人で閉じ込められてる子を助ける。僕を下ろしてよ」
僕は必死に両手でぽかぽかと麻里亜の背中を叩いた。
その時、階段から手りゅう弾がゴロゴロと転がり落ちてきた。
麻里亜は咄嗟にすぐ側の階段手前の音がした鉄扉を蹴破り、中に駆け込んだ。
次の瞬間、手りゅう弾が爆発。僕たちが逃げ込んだ監禁室に爆風が舞い込む。
麻里亜の身体が爆風で浮き上がり、麻里亜の身体が反って爆風で吹っ飛ぶ。
僕は怖くなって、思わず目を瞑る。
爆風で振り落とされないように、僕は両手で麻里亜の背中を握り締める。
- 776 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:03.12 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、階段から手りゅう弾がゴロゴロと転がり落ちてきた。
麻里亜は咄嗟にすぐ側の階段手前の音がした鉄扉を蹴破り、中に駆け込んだ。
次の瞬間、手りゅう弾が爆発。僕たちが逃げ込んだ監禁室に爆風が舞い込む。
麻里亜の身体が爆風で浮き上がり、麻里亜の身体が反って爆風で吹っ飛ぶ。
僕は怖くなって、思わず目を瞑る。
爆風で振り落とされないように、僕は両手で麻里亜の背中を握り締める。
僕の鼓動が高まり、緊張で息が荒くなる。
僕はそっと眼を開け、部屋をゆっくりと見回す。
部屋は壁際にベッドが置いてあるだけの殺風景な部屋だった。
確かにこの部屋から音がしたんだけど、何故か誰もいない。
変だな。僕は不思議に思い首を傾げる。
でも、今は麻里亜が心配だ。
- 777 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:14.90 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜の左肩越しを覗くと、麻里亜の左手が伸び、麻里亜は壁に左手の掌を突いていた。
麻里亜の掌の周りに、蜘蛛の巣の様に罅割れている。爆風の凄まじさを物語る。
僕は恐る恐る麻里亜の横顔を覗くと、麻里亜は無表情で紅い眼を見開いている。
僕は麻里亜が心配で生唾を飲み込み喉を鳴らす。
「麻里亜、大丈夫?」
僕は麻里亜の無表情の横顔に声を掛けてみた。
麻里亜が無表情で僕に振り向く。
「ワタシは大丈夫です。ジン様、大丈夫ですか?」
麻里亜が壁から左手を離す。
僕は生きている実感が湧き、力強く頷く。
「僕は大丈夫。それより、閉じ込められてる人はどこ?」
僕は狭い部屋を見回す。
- 778 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:16.11 ID:GG8YyDald.net
- >>772
反論出来ないならレスするな
- 779 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:33.33 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は傍のベッドに顔を向けた。
「彼女は爆風に巻き込まれ、ベッドの下にいる模様」
麻里亜はベッドの下を透視する様にベッドを見つめている。
その時、ベッドの下から口元を白い布で縛られ、身体をロープで縛られた少女が床をもぞもぞと這って出てきた。
少女は肩までの金髪ミディアムヘアでカールを巻き、豪華なコルセットドレスを着て、黒いブーティを履いている。
格好からして、どこかの貴族だろうか。
髪と肌に艶があるから、まだ彼女は拉致されて間もないんだろう。
女の子にとって不潔は辛いだろうな。僕は彼女を見下ろして、そう思った。
麻里亜は黙って僕を下ろし、屈み込んだままワンピースのポケットからナイフを取り出す。
麻里亜は立ち上がって彼女の元に歩み寄り、少女を縛っているロープを切って、頭の後ろで結ばれた白い布を解いてあげた。
- 780 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:44.82 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は麻里亜の行動に呆気に取られ、壁に凭れて呆然と立ち尽くす。
驚きで僕は目を瞬く。
束縛から解放された少女が咳き込みながら、顔を上げて必死に口許を動かして何か言おうとしている。
「た、助け、て……わ、私は、る、ルビナ姫……」
少女が麻里亜にしがみつくように、麻里亜の胸で気絶する。
何かの薬が効いたのだろうか。当分、少女は目を覚まさないだろう。
ルビナ姫?
どこかの王女かな?
いや、それより、何で麻里亜は彼女を助けたんだ?
僕は壁に凭れ、腕を組んで首を傾げて考えていた。
- 781 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:54:56.82 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は黙って麻里亜の行動を見守っていたが、やがて僕は不思議に思い麻里亜に訊いた。
「麻里亜、何で助けたの?」
僕は屈み込んで、少女の顔を覗き込む。綺麗な顔だ。
あっ、僕不潔だから、あんまり近づいたら、彼女に悪いよね。
僕は少女に遠慮しておもむろに立ち上がり、彼女から離れて壁に凭れた。
屈んで、何故かため息を零す。
少女を見ていると何故か胸がドキドキして、僕は顔が火照って胸を手でぐっと押さえる。
麻里亜は少女を支えながら、くるりと少女に背中を向けた。
「ワタシが彼女を助けた理由。リアン様は、彼女の存在に気付いてなかったようです。これより、ワタシは彼女を助け、新たな任務を遂行します。ジン様、歩けますか?」
- 782 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:03.81 ID:l8dKCNVn0.net
- >>755
今のところ配ってないよ( ̄д ̄)
そもそも天気の子で一弾しかやらなかったんだからすずめが第一弾特典すらないという事は十分あり得る
ワンピやらシンエヴァが特典商法で叩かれまくってるからその影響もあると見るべき
- 783 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:10.68 ID:5TEczSfJ0.net
- 数秒遅れて、麻里亜が僕の質問に答えた。
麻里亜が少女を背負っておもむろに立ち上がる。
僕は壁から離れて姿勢を正し、胸の前で必死に両手を振った。
「あっ、僕は大丈夫。男の子だし、平気だよ。歩けるから」
麻里亜が背負う少女の顔を見ていると、何故かまた恥ずかしくなり、僕の顔が火照る。
僕は少女から顔を背ける。何故か鼓動が高まる。
僕は瞼を閉じて、気持ちを落ち着かせるため、胸を手でぐっと押さえる。
深呼吸して手を下ろし、ゆっくりと目を開ける。なんか僕、変だな。どうしたんだろ。
- 784 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:24.18 ID:5TEczSfJ0.net
- 「よぉ、姉ちゃん。強いじゃねぇか、手りゅう弾でも死なねぇとはな。気に入ったぜ。よく見りゃ、姉ちゃんいい女じゃねぇか。ちょうどいい、店の女に飽きてたとこだ。俺の相手してくれねぇか? 高い金払うぜ? どうだ?」
その時、麻里亜が蹴破った鉄扉の所にいつの間にかマシンガンを片手に持ち、壁に凭れる男が立っていた。
男は短髪で黒いシャツを着て革ジャケットを羽織り、ジーンズに黒いブーツを履いている。
男は額から血を流し、煙草を吹かしながら、麻里亜を厭らしい目つきで舐める様に見ている。
男は不気味な笑みを浮かべた。
僕は恐怖で棒立ちになり、瞼を閉じて瞼に力を入れる。
両手の拳を握り締めた。麻里亜、助けて。
ダメだ。僕は首を横に振る。
麻里亜は僕が守るんだ。
僕は意を決して瞼を開ける。
- 785 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:38.28 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜が微かに動いて、男は驚いて身構え、マシンガンを構えて銃口を麻里亜に向ける。
麻里亜は両手が塞がって思った以上に動けないらしく、男は安心したようにライフルを下ろした。
僕は両手の拳を握り締めたまま、生唾を飲み込み喉を鳴らす。
動かなきゃ。僕が動かなきゃ。
僕は咄嗟に麻里亜の腰のホルスターからオートマチック銃を抜き、男にオートマチック銃の銃口を男に向ける。
麻里亜は動けない。僕が麻里亜を守らないと。
- 786 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:48.84 ID:5TEczSfJ0.net
- 男はふざけて自分を片手で指さす。
「俺を撃つのか?」
男は肩を竦め、可笑しいように腹を抱えて笑っている。
初めて人を撃つ。僕の手が恐怖で震えている。
寒気がして、オートマチック銃を落としそうになる。
「ジン様、お止めください。ワタシに任せてください」
隣に立つ麻里亜の感情のない声が振ってくる。
麻里亜の声が遠くに聞こえる。
やっぱり駄目だ、撃てない。僕は怖くなって瞼を閉じる。
落ち着け。震える手で、ゆっくりと引き金を引いてゆく。
ごめん、麻里亜。やがて一発の銃声が響く。
- 787 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:55:53.52 ID:39x0W3Cua.net
- 天気の特典って初日からあったっけ?
- 788 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:03.54 ID:5TEczSfJ0.net
- 男に銃弾が命中したのか、男が呻いてマシンガンを床に落とす音が聞こえた。
僕は男を撃った罪悪感で瞼を開け、鼓動が高まり息が荒くなる。
オートマチック銃が手の汗で、僕の手から滑り落ちる。
「こいつやりやがったな!」
男の怒声が聞こえたかと思うと、男がオートマチック銃を構えるのが見える。
その後、一発の銃声が響く。
「うっ」
僕の脇腹に激痛が走り、僕は声を漏らしコンクリートの冷たい床に跪く。
男の高笑いが聞こえる。
僕は脇腹を手で押さえ止血する。
脇腹を見ると血が噴いていた。
- 789 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:04.16 ID:TAjfRH8w0.net
- 水星の魔女ってチェンソーマンと違ってサブスクのランキングに全然入ってないのにヲタが一生懸命でおもろい
- 790 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:23.03 ID:5TEczSfJ0.net
- 「くそっ」
僕は呻き声を漏らして、よろめいて床に倒れ込んだ。
僕の意識が遠のく。
僕は悔しくて、歯を食いしばって男を睨む。
その時、男の背後から革の手袋を嵌めてナイフを握った手が伸び、男の首筋にナイフが刺さった。
「がふっ」
男が口から血を吐き、喉を片手で押さえる様に男が横に倒れるのが見える。
男の背後から、大男が現れた。
大男は肩にかかるエメラルドグリーンヘアで、顔が白く塗ってあり、目許が黒く塗ってある。
口許を覆う様に不気味な金色の歯型マスクを装着し、鼻まで銀色のマスクが覆っている。
マスクの両端から銀色のホースが伸び、背中の機械に繋がっている。
緑のシャツを着て、黒いネクタイを締め、紫のコートを羽織り、両手に黒い革手袋を嵌めている。
紫のストライプのスーツズボンを穿き、黒いブーツを履いている。
大男のマスクから不気味な呼吸音が聞こえる。
- 791 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:32.27 ID:39x0W3Cua.net
- あぼんだけが増えていくが同じIDで荒らしても無駄なんだよ福岡
- 792 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:40.77 ID:5TEczSfJ0.net
- 「!?」
僕は驚いて目を見開く。
この人、誰だろう。
大男は壁に掌を突いて、僕たちを見て笑った。
「オレが留守の間に大事な人質が逃げようとしている! 部下どもは役立たずばかりだ! 取引が台無しだ!」
大男が悪魔の様な声で、怒りを露わに壁を拳で叩く。
拳で叩かれた壁が砕けて、瓦礫が床に落ちる。
大男は倒れた男の死体から乱暴にマシンガンを奪い取って、麻里亜に銃口を向けて構える。
「彼女を下ろしてもらおう。抵抗するなら、お前を撃つ」
大男が勝ち誇った様に笑い、荒い呼吸音が聞こえる。
僕は麻里亜を心配して、麻里亜を見上げる。
麻里亜は僕に答える様に、僕に振り向いた。
麻里亜は大男に顔を戻して否定する様に首を横に振る。
「出来ません。ワタシは任務を遂行します」
麻里亜は無表情で大男を見つめている。
- 793 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:56:55.52 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は脇腹を手で押さえながら、何も出来ない自分が悔しくて拳を握り締める。
「くそっ」と呟いて、僕は大男を睨み据える。
大男は麻里亜の答えを気に入ったかの様に掌を壁に突き、マシンガンを肩に担ぐ。
「フハハハハッ、頑固な女だ。いいだろう。お前を殺してでも、彼女を取り戻すぞ!」
大男は不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す。
僕はべっとりと身体に汗を掻いていた。
もうダメだ。僕は瞼を閉じる。
僕は何も出来ないんだ……
麻里亜、死なないで。お願いだ。
- 794 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:07.40 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男は麻里亜の答えを気に入ったかの様に掌を壁に突き、マシンガンを肩に担ぐ。
「フハハハハッ、頑固な女だ。いいだろう。お前を殺してでも、彼女を取り戻すぞ!」
大男は不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す。
僕はべっとりと身体に汗を掻いていた。手にも汗を掻いている。
もうダメだ。僕は脇腹を手で押さえ、拳を握り締めたまま、瞼を閉じて首を横に振る。
瞼に力を入れて、歯を食いしばる。僕は何も出来ないんだ……
麻里亜、死なないでくれ。お願いだ。
大男が不気味に笑いながらマシンガンをぶっ放す音が耳に痛かった。
- 795 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:08.31 ID:l8dKCNVn0.net
- >>778
ワンピの視聴率見て来いよ( ̄д ̄)
今回の映画はワンピの力ではなくUTA&adoのおかげだろ
ワンピ自身の人気でこの興行ならもう少しぐらい視聴率上がってもいいよね?
鬼滅は爆上がりしたしな
- 796 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:23.75 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、麻里亜の方から静電気で痺れた様なバチバチという電気的な音が聞こえた。
「ジン様。ワタシのダメージが大きいため、これよりシールド展開します」
麻里亜の冷たい声が聞こえる。
僕はそっと片目を開けて、両目を開けた。
「麻里亜……?」
僕は麻里亜に振り向いて、小さく呟いた。
麻里亜の身体を青白い障壁が包み込んでいる。
麻里亜の頬にマシンガンの弾が掠ったのか、血の筋がいくつか走っていた。
血の筋から血が頬を伝い顎から血が滴る。
麻里亜の足元には、マシンガンの薬莢が幾つも落ちている。
麻里亜の黒いワンピースに血が滲み、凄惨を物語る。
- 797 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:36.19 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男のマシンガンが弾切れになり、大男が可笑しいように不気味に笑っている。
「フハハハハッ。なるほど、オレの部下が役立たずな訳だ。面白い、気に入ったぞ。お前、人間じゃないな? アンドロイドか? オレも人間じゃない。お前もオレも化け物よ。フハハハハッ」
大男は麻里亜と自分を指さした後、不気味に笑いながらマシンガンを乱暴に投げ捨てた。
アンドロイド?
意味深な大男の台詞で、僕は大男をまじまじと見る。
この男、人間じゃないのか?
麻里亜は人間じゃない?
僕は改めて麻里亜を見る。
- 798 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:46.57 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は片腕を真っ直ぐ伸ばし、掌を大男に向ける。
「これより、攻撃展開します。先ほどのお返しです」
麻里亜の薄青い長い髪に青白い電気がバチバチと走りながら、麻里亜の薄青い長い髪がぶわっと逆立つ。
機械的な高い音が鳴り、麻里亜の身体を包んだ青白い障壁が掌に急速に縮小され、やがて青白い電気の球となり、大男に向けて青白い電気の球が勢いよく放たれ、辺りに耳をつんざく轟音が響く。
麻里亜?
僕は声にもならず、ただ麻里亜を見ている。脇腹の痛みさえ忘れて。
麻里亜の薄青い長い髪が垂れる。見たこともない麻里亜の姿。
僕は麻里亜の攻撃を目で追っていた。
- 799 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:57:58.00 ID:5TEczSfJ0.net
- 「馬鹿なッ!」
大男が目を見開き、信じられないという様な悲鳴を上げる。
大男は麻里亜の青白い電気の球に押され、大男の身体がくの字に派手に吹っ飛ぶ。
麻里亜の攻撃で壁に穴が開き、大男は穴の奥の闇に消えている。
僕は壁に空いた闇を見つめて、生唾を飲み込み喉を鳴らした
「す、すごい……」
動揺で僕の眼がさざ波の様に揺れている。
僕は脇腹を手で押さえ、顔をしかめて突っ立っていた。
「ジン様。今のうちに脱出しましょう」
- 800 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:06.28 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜の声が降り、僕は我に返った。
「!? そ、そうだね」
僕は麻里亜を横目に、ゆっくりと歩き出す。
麻里亜が数歩歩いたところで、麻里亜が片膝を床に突いた。
麻里亜の身体から火花が散っている。明らかに麻里亜の身体が異常だった。
「ま、麻里亜!? ど、どうしたの!?」
僕は麻里亜の隣で屈み込んで、麻里亜の肩に手を載せて、麻里亜の顔を覗き込む。
脇腹を手で押さえたまま。
- 801 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:18.81 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜が無表情の顔を僕に向ける。
「ジン様。先ほどの攻撃により、ワタシのエネルギーを予想以上に消費しました」
麻里亜が冷たく言い放つ。顔を戻し、瞼を閉じて首を横に振る。
さっきの攻撃といい、やっぱり麻里亜は人間じゃないのか?
僕は麻里亜の正体を訊いてみようと思い、緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らす。
口まで出かかっているが、踏みとどまる。僕は瞼を閉じて首を横に振った。
たとえ、麻里亜がアンドロイドでも、麻里亜は麻里亜だ。
「ジン様。どうかしましたか?」
麻里亜の声が降ってくる。
- 802 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:25.07 ID:YXqTVVetr.net
- >>630
鬼滅のことdisるのやめて
- 803 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:26.16 ID:l8dKCNVn0.net
- >>787
ムビチケ特典すらないよ( ̄д ̄)
100億突破までになにも配らなかった作品は天気の子のみ
他の作品は何かしら配ってる
最近だとムビチケに特典があるのは常套手段らしいし
- 804 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:28.47 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は瞼を開けて、麻里亜に微笑む。
「なんでもない。麻里亜、本当に大丈夫? 少し休んだ方が……」
僕が言いかけて、麻里亜がおもむろに立ち上がる。
麻里亜は背負っているルビナ姫を背負い直し、僕はふらつく麻里亜を見上げ思わず手を伸ばす。
「休んでいるわけにはいきません。ここにいては危険です。ジン様、先を急ぎましょう」
麻里亜はふらつきながらも、歩を進める。身体から火花を散らしながら。
僕は伸ばした掌を握り締め、そっと腕を下ろす。
「う、うん……」
僕は麻里亜の背中を見つめ、おもむろに立ち上がる。
脇腹の痛みに顔をしかめて。
- 805 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:58:46.54 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜が蹴飛ばした鉄扉の傍の壁に掌を突いた。
麻里亜が肩で息をしている。相当、エネルギーを消費しているらしい。
その時、壁に空いた穴からミサイルの様な飛来音が聞こえ、僕は壁に空いた穴を睨む。
壁に開いた穴からミサイルが飛び出して、ミサイルが曲がって出口の階段の方に飛んでゆく。
続いて爆発音が聞こえ、壁が崩れる様な嫌な音が聞こえた。
まさか、あの男、生きていたのか?
あの男、何をしたんだ?
嫌な予感がした。
- 806 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:04.17 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜が蹴飛ばした鉄扉の傍の壁に、麻里亜は掌を突いた。
麻里亜が肩で息をしている。相当、エネルギーを消費しているらしい。
その時、壁に空いた穴からミサイルの様な飛来音が聞こえ、僕は壁に空いた穴を睨む。
壁に開いた穴からミサイルが飛び出し、ミサイルが曲がって出口の階段の方に飛んでゆく。
続いて爆発音が聞こえ、壁が崩れる様な嫌な音が聞こえた。
まさか、あの男、生きていたのか?
あの男、何をしたんだ?
僕は嫌な予感がした。
- 807 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:06.06 ID:l8dKCNVn0.net
- >>802
( ̄д ̄)?
- 808 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:14.43 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、爆風が部屋に押し寄せるのが僕の視界に映る。
「ジン様!」
初めて麻里亜の悲しみを剥き出した声が聞こえた。
「うわっ」
爆風で僕は吹っ飛び、僕の背中が壁に激突して背骨が軋む。
僕は口から血を吐き、床に両膝を突きうつ伏せに倒れた。
痛みで顔をしかめ、拳を握り締め、意識が朦朧とする。
僕は肩膝を床に突いて、身体をゆっくりと起こす。
血が混じった唾を吐き、口許を手で拭うと視界に麻里亜が映る。
- 809 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:26.27 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は片手で僕を支えてくれて、僕は身体を捻じって背中を麻里亜に預ける。
だいぶ楽になり、僕は麻里亜に大丈夫だと言わんばかりに、麻里亜に微笑む。
その時、麻里亜の両眼から赤いレーザーが伸びて機械的な音を鳴らし、僕の身体を上半身から下半身へとスキャンしてゆく。
「スキャン完了。ジン様の人体損傷七〇パーセント。脇腹の傷及び、壁に激突した衝撃で左腕の骨が折れています」
映像が切れた様な機械的な音を鳴らし、麻里亜の両眼から赤いレーザーが消えた。
僕は脇腹を手で押さえ、腕の痛みで顔をしかめる。
「そっか。どうりで、腕の感覚がないわけだ。やっぱり、麻里亜は人間じゃないんだ……」
僕は麻里亜が人間じゃないという現実を受け止められず、悲しみで麻里亜の胸で俯く。
- 810 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:41.60 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ワタシはリアン様の研究で生み出されたアンドロイドです。ワタシは試作機で様々なデータを採り、今後の研究に役立て、未来のアンドロイドを創るためにワタシは役立っています」
麻里亜の冷たい声が聞こえる。
僕は瞼を閉じて首を横に振る。
「そっか……父上が麻里亜を造ったんだ。麻里亜がアンドロイドでも、麻里亜は麻里亜だよ。これからもよろしく、麻里亜。僕は麻里亜を知って嬉しいよ」
僕は瞼を開けて顔を上げ、麻里亜に微笑んだ。滲んだ嬉し涙を拭って。
麻里亜の頬が火照る。
「ワタシの正体を隠して、申し訳ありません。いつかワタシの事をジン様に話そうと思っていました。ジン様、大丈夫ですか? 先ほどの爆発で出口の天井が崩れ、閉じ込められた模様」
麻里亜が真紅の冷たい眼で僕を見下ろす。
- 811 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 01:59:54.90 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜の最期?
どういうこと?
それよりも、閉じ込められたことが悔しくて、僕は拳を握り締めた
「くそっ」
やっぱり、さっきの爆発は僕たちを閉じ込めるためにやったんだ。
あいつは死んでなかったんだ。あの男、何者なんだ。
悔しくて歯を食いしばり、涙が滲む。
どうすればいいんだ。何か脱出する方法はないのか?
その時、大きな銀色の筒状の物が回転しながら部屋に転がってくる。
筒には小さな穴がいくつも空いており、穴から緑のガスが噴出された。
- 812 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:00:14.64 ID:GG8YyDald.net
- >>795
アニメは長いので鬼滅みたいにとは行かない
加えてアニメの方はアニポケ同様評価が低いので見る意義はなし
流れるなら原作だな
- 813 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:01.92 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ジン様、毒ガスです! 息を止めてください! シールドを張ります!」
麻里亜が声を上げ、僕を片手で支えたまま、麻里亜の両眼から青白いレーザが飛び出す。
麻里亜は緑の毒ガスを噴出している銀色の筒状の物を睨み据える。
「!? わ、わかった!」
僕は脱出方法を考えるのをやめて、慌てて口許を両手で覆う。
手が臭いけど我慢した。
脇腹や腕が痛むのも我慢だ。僕は生きる。これくらいなんともない。
僕は麻里亜の横顔を見る。さっきの攻撃で、麻里亜はエネルギー消費している。
麻里亜の眼から発せられる青白いレーザーが球形を形作る。
- 814 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:11.76 ID:R9lgQzbK0.net
- >>751
なんだいつもの一人演技か
どおりで配布日書かないと!って必死だと思った
記載ないと都合悪いんだね
配布日ないといけない時点で鬼滅ヲタのまけー
- 815 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:15.18 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕と麻里亜の身体を、青白い障壁が展開してゆく。
僕はその間に息を止めた。そんなに長く息を止められない。
一分くらい息を止めると、慣れない息止めに急に息苦しくなった。
思わず口許から両手を離し、息を吸おうとした時、麻里亜の唇が僕の唇に重なった。
麻里亜がゆっくりと瞼を閉じる。
「!?」
僕は驚いて、眼がさざ波の様に揺れている。
ま、麻里亜?
僕は恥ずかしくなり、慌てて麻里亜の唇から離れようとする。
麻里亜が僕を支える手と唇に力を入れる。
麻里亜の口から新鮮な空気が送られ、僕の傷が癒える感じがして、脇腹の痛みが和らぐ。
折れた腕も再生する感じがした。僕は心地良くなり、ゆっくりと瞼を閉じる。
温かい。麻里亜の温もりを感じる。
- 816 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:44.73 ID:5TEczSfJ0.net
- これが、麻里亜の力なんだ。
麻里亜の唇が、僕の唇からゆっくりと離れる。
「ジン様。ワタシのエネルギーを消費して、ジン様を治療しました。シールド展開完了」
麻里亜の冷たい声が聞こえる。
僕はゆっくりと瞼を開けた。
「ありがとう、麻里亜……少し楽になったよ」
僕は麻里亜の顔を見て微笑む。
麻里亜の頬が火照る。
「ジン様。ワタシのエネルギーをチャージします。少し休ませてください」
麻里亜が片膝を床に突いたまま俯いて瞼を閉じる。
- 817 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:01:54.53 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は麻里亜の肩に手を載せた。
「ゆっくり休んでいいから」
麻里亜の横顔を覗き込んで、僕は麻里亜に微笑んだ。
その時、麻里亜の背中から咳払いが聞こえた。
「私の前でキスしないでくれるかしら? 邪魔しちゃ悪いと思って邪魔しなかったけど」
ルビナ姫が麻里亜の背中から降りて、顔をしかめて両手に腰を当てる。
ルビナ姫を支えていた麻里亜の腕が垂れ下がる。
僕は驚き、恥ずかしくなって麻里亜の腕から慌てて離れる。
「お、起きてたんだ。ご、ごめん。気付かなくて」
気まずくなってルビナ姫に背中を向けて胡坐をかき、頭の後ろを掻いて僕の顔が火照る。
- 818 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:05.96 ID:5TEczSfJ0.net
- まともにルビナ姫と顔を合わせられない。
僕はルビナ姫が気になって、ルビナ姫に振り向いて横目でルビナ姫を一瞥する。
胸の前で腕を組んだルビナ姫と目が合い、恥ずかしくなって、僕は慌てて顔を戻す。
麻里亜とのキス、ルビナ姫に見られちゃったな。
胡坐をかいたまま頭の後ろを掻きながら、僕はルビナ姫を横目で見る。
ルビナ姫は不機嫌そうに胸の前で腕を組んだまま僕を睨んで肩を竦める
「起きてたら悪いのかしら? それともあのまま気絶してろと? それより、この臭いなに? あなたから臭ってくるみたいだけど。この臭い、なんとかしてよ」
ルビナ姫は顔をしかめ、両手で鼻を摘まんで首を横に振る。
- 819 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:14.91 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はルビナ姫の傲慢な態度にやるせなくなり俯く。
「ご、ごめん……僕、拉致されてから、その、風呂とか入ってなくて……」
ルビナ姫に嫌われちゃったな。僕の第一印象最悪だ。
せっかく仲良くなれると思ったのに。
ルビナ姫が壁を叩く様な音が聞こえる。
「ちょっと、出られないじゃないの! 出しなさいよ! 城に帰らないと。みんな心配してるわ……」
ルビナ姫が諦めて床に両膝を突いたのか、コルセットドレスの擦れる音が聞こえた。
- 820 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:27.24 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は瞼を閉じて首を横に振る。
「僕たちは閉じ込められたんだ。ここから出れば、毒ガスを吸って死ぬ。どうしようもできない。麻里亜が目覚めるまで待つしかない」
何も出来ない自分が悔しくて歯を食いしばり、両手の拳を握り締める。
僕は顔を上げて身体を捻じり、心配になって麻里亜に振り向く。
麻里亜は静かに眠っていた。気のせいか麻里亜が優しい顔をしている。
ルビナ姫が立ち上がって、今にも泣きそうな顔で麻里亜の傍に屈み込んで、麻里亜の身体を必死に両手で揺すっている。
「ちょっとどういうこと!? あなたが麻里亜? 起きてなんとかしてよ! 私を助けたんでしょ!?」
- 821 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:29.50 ID:TXnvk0Xda.net
- >>754
じゃあ特典ランダムの天気と特典700万枚スタート鬼滅は10億くらいか?
- 822 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:38.93 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫は起きる気配のない麻里亜を揺するのを諦め、立ち上がって青白いシールド内を必死に拳で叩いている。
「ここから出してよ!」と、ルビナ姫は誰かに訴えている。僕は黙ってルビナ姫を見ていた。
ルビナ姫に呆れて、僕は俯いて瞼を閉じ、額に手を当てて首を横に振る。
やがて叩くのを諦めたのか、ルビナ姫は腕を組んだり腰に手を当てたりして、青白いシールド内を行ったり来たりしている。
とうとうルビナ姫は両膝を床に突き、俯いて両手で顔を覆い泣き始めた。
子供の様に泣き声を漏らし、涙を指で拭う。
- 823 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:50.06 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はそんなルビナ姫を見ていると何故か苛立ち、拳が怒りで震え、やがて拳で思いっきり床を叩いた
「黙って見てりゃなんだよ! いい加減にしろ! キミは自分のことばかり、王族はみんなそうなのか!? 麻里亜はキミを見捨てるつもりだったんだ。だけど、麻里亜はキミを助けた。少しは感謝したらどうだ!? 甘えるな! キミを見ているとイライラする。今までちやほやされて育ったんだろ? 少しは我慢しろ」
僕はくるりとルビナ姫に背を向け、麻里亜の隣で胡坐をかいて頬杖を突き、片方の掌を太ももの上に載せた。
ルビナ姫が気になって尻目で見る。
- 824 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:02:58.00 ID:5TEczSfJ0.net
- ルビナ姫が両手の掌を床に突き、拳で床を叩く。意表を突かれて泣きじゃくっている。
「な、なによ。なんなのよ! ご、ごめんなさい。ごめんなさい……私は自分のことばかり。王女だからって、みんなからちやほやされて、甘えていたんだわ。私、もう十六なのにね。あなたに言われて、私は初めて気付いた……ありがとう、少し楽になったわ」
ルビナ姫は俯いて、泣きながら悔しくて床を何度も叩き、洟をすすり嗚咽し、涙を両手で拭う。
- 825 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:06.60 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は何も言わなかった。
キミは自分で気付けたんだ。それでいいんだ。
僕はルビナ姫の背中に微笑んだ。
「フハハハハッ。さっきのは痛かったぞ! オレを怒らせたのはお前が初めてだ! 気に入ったぞ!」
その時、麻里亜が鉄扉を蹴飛ばした方から大男の悪魔の様な声が降って来た。
ルビナ姫の泣き声が止んだ。「今の声、なに?」とルビナ姫が僕に振り向いて訊いてくる。
- 826 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:14.91 ID:39x0W3Cua.net
- 福岡は手動?
- 827 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:21.00 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は寒気がして両腕を両手で擦る。
あの男、まだ生きてたのか。僕は歯を食いしばって毒ガスの向こうを睨む。
毒ガスが充満する中で大男の影が揺らぎ、大男が僕たちの前に姿を現す。
大男の背中の機械から火花が散っている。
どうやら、麻里亜の攻撃は効いたみたいだ。
「なんてことなの。あ、悪夢だわ……」
ルビナ姫は大男を見て口許を手で覆い気絶してうつ伏せに倒れた。
僕は気絶したルビナ姫を見る。キミは気絶してた方が都合いい。
それにしても、キミはあの男を知ってるのか?
- 828 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:34.16 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男はルビナ姫が気絶したのを見て不気味に笑った。
大男は首を傾げ、人たち指を突き立てて左右に小さく振り挑発する。そして、両手を大きく横に広げる。
「ショータイムはこれからだ! 今からデスゲームを始める。オレが屋敷に仕掛けた爆弾の爆破スイッチを押す。制限時間は三分だ。その間に逃げれば、お前たちの勝ちだ。出口はオレが塞いだ。この絶望を味わうがいい! フハハハハッ」
大男は両手の手首をクロスさせ爆破のジェスチャーをした。
大男は不気味に笑いながら後退して、空間が揺らいで大男は毒ガスの中に消えた。
爆破だって?
なんて残酷なんだ。
僕は床を拳で叩き、大男が消えた方を睨んだ。
背中には嫌な汗をべっとりと掻いている。
麻里亜の治療で少し楽になったが、絶望感で今にも意識が吹っ飛びそうだ。
僕は麻里亜を見る。麻里亜は僕の期待に応える様にゆっくりと瞼を開けた。
- 829 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:39.07 ID:l8dKCNVn0.net
- >>812
新規獲得できてないって事か┐(´д`)┌ヤレヤレ
それワンピ的に何の意味があるの?
つまりは今回の映画はワンピとは関係ないって言ってるようなも
Mr.サンデー★2
http://sora.5ch.net/test/read.cgi/livecx/1662296775/
客の感想
「歌はすごいよかったです」
「ウタちゃんのコンサートを見てるみたいだった」
ミヤネ「私も見ましたけど・・・とにかくadoさんの歌唱力が凄い映画でした」
実際関係なさそうで草
- 830 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:03:44.75 ID:5TEczSfJ0.net
- 「チャージ完了。ジン様。三分後にワタシのシールドは強制解除され、ワタシのエネルギーが限界に近づきます。どうしますか?」
麻里亜が片膝を突いたまま、僕に振り向いて冷たく言い放つ。
僕は床に手を突いて、麻里亜の傍に寄る。
「麻里亜、無茶させてごめん。僕がしっかりしていれば、こんなことにはならなかったのに……」
僕は麻里亜の傍で片膝を床に突き、麻里亜の肩にそっと手を載せる。
麻里亜と顔を合わせられず、僕は俯き瞼を閉じて首を横に振る。
「警告。爆破まで三分です。組員は速やかに退避してください。繰り返します……」
その時、感情のない女性の機械音声が監禁室のスピーカーから聞こえる。
僕は絶望に駆られ、両手の掌を床に突き、拳で思いっきり床を叩く。
くそっ。どうすればいいんだ。
考えろ、なにか策があるはずだ。
嫌な汗が頬を伝い顎から滴る。
- 831 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:05.89 ID:5TEczSfJ0.net
- 「警告。爆破まで三分です。組員は速やかに退避してください。繰り返します……」
その時、サイレンとともに感情のない女性の機械音声が監禁室のスピーカーから聞こえる。
僕は絶望に駆られ、両手の掌を床に突き、拳で思いっきり床を叩く。
くそっ。どうすればいいんだ。悔しくて歯を食いしばる。
考えろ、なにか策があるはずだ。床に突いた掌を握り締める。
宙を見つめ、嫌な汗が頬を伝い顎から滴る。
- 832 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:12.50 ID:R9lgQzbK0.net
- 完全に負けてるな一人演技
特典一覧だけじゃ自分で勝てる見込みがないと言ってるようなもんだ
- 833 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:15.78 ID:TXnvk0Xda.net
- >>782
今のところ公開してないですよ
天気が配ったんだからすずめもランダムでしょうな🤣
- 834 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:16.27 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、青白い障壁内に暗闇に浮かぶ大男の上半身のアップ映像が映る。
映像が乱れ、大男の不気味な呼吸音が響く。
「諸君、御機嫌よう。寛いでいるかね?」
ノイズの混じった大男の声は勝ち誇ったように不気味に笑っている。
この声は……あいつだ。
「!?」
僕は顔を上げて、大男を睨み据える。
僕は怒りに狂って立ち上がり、青白い障壁内を叫びながら拳で何度も叩く。
- 835 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:33.23 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男は挑発するように不気味に笑いながら人差指を突き出して小さく左右に振る。
「死ぬ前にお前たちを拉致した理由を教えてやる。兵器だよ、わかるか? 生体実験のためにお前たちを拉致した。生体兵器開発のために人間を攫い、極秘の研究施設で生体研究を行う。軍事兵器を創るのだ。フハハハハッ。ちょうどいい、完成したばかりの生体兵器シェリアの性能テストをしよう」
大男は椅子から立ち上がり、カメラ目線で奥へと腕を伸ばす。
奥には燃えるような紅く長い髪とオレンジ色の瞳で戦闘スーツに身を包んだ少女が無表情で椅子に座っている。
少女は瞬きもせずに太腿の上で拳を握り締めている。
椅子の後ろで手枷を嵌められ、足には足枷を嵌められている。口にはさるぐつわ。
- 836 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:44.05 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男が少女の頭に布を被せ、腰のホルスターからオートマチック銃を抜き、少女のこめかみに銃口を突きつける。
少女は無抵抗で無言のまま。
僕は悲しくなり、涙が滲む。
「やめろ……やめてくれ……」
僕は映像に釘付けになり、両膝を床に突き、俯いて拳で青白い障壁内を叩く。
「オレの名前はジョー。西のアルガスタ、闇の支配者だ。時は来たり、時代は暗黒を迎える!」
大男は引き金を引いて一発の銃声が響く。
「!?」
僕は銃声に驚いて顔を上げる。
- 837 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:04:58.66 ID:IpOCddgx0.net
- うわあ奈良婆降臨🤮
興行収入141億の名作もこんな婆さんに推された所為で天気どころか○器の子ですわ
一周回って天気の子可哀想😭
- 838 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:05:18.29 ID:l8dKCNVn0.net
- >>821
また寝ぼけてんのか┐(´д`)┌ヤレヤレ
天気の子が特典配ったのは125億地点だぞ
鬼滅は特典の分全部引いても最終興行は250億を超える
ワンピは全部引くと40億程度か
- 839 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:05:43.99 ID:5TEczSfJ0.net
- 許さない。僕は、お前を許さない。
僕は歯を食いしばって大男を睨み据える。
少女はぐったりと俯いている。
大男が両手を広げて高笑い、映像はそこでブラックアウトした。
僕は動揺して眼がさざ波の様に揺れ、しばらく青白い障壁内の一点を見つめていた。
悔しくて涙が滲み、手の甲で涙を拭う。
僕はやるせなくなり、拳を握り締めて俯く。
脱出してやる。絶対、脱出してやる。
平気で人を殺す人間を野放しにはできない。
でも、どうすれば。考えるんだ。
ふと頭の中で大男が消える瞬間が過る。
そういえば、あの男はどうやって脱出したんだ?
- 840 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:05:48.04 ID:PZdq8oGUd.net
- >>795
鬼滅は映画効果ではなくフジが朝昼晩ずっとCM流してたおかげ
それでもワンピの最高視聴率の半分もいかなかった
- 841 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:05:57.30 ID:5TEczSfJ0.net
- あの男が消える時、空間が揺らいだ様に見えたけど。
そうだ。あの男が脱出に使った技術を使えれば、ここから脱出できるかもしれない。
でも、僕じゃ無理だ。やっぱり、麻里亜が頼りだ。諦めちゃいけない。
僕は瞼を閉じて首を横に振る。
顔を上げて、僕は希望を胸に麻里亜を見る。
麻里亜は僕に背を向けて両手を横に広げ、両手の掌が青白く光っている。
麻里亜の周りに球形の青白い障壁が形成され、青白い障壁の周りに青白い電気がバチバチと走っている。
麻里亜が無表情で僕に振り向く。
- 842 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:06:12.42 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ジン様。私のコアを犠牲に、これより空間移動を展開します。最善の脱出法を検索した結果です。パワーチャージに時間を要します」
麻里亜の眼が寂しそうに顔を戻した。
麻里亜、何をしようとしてるんだ?
嫌な予感がして僕の鼓動が高まり、僕はぐっと胸を押さえる。
「空間移動? 麻里亜、どういうこと? 麻里亜は死んじゃうの!?」
僕は泣きながら麻里亜の首に両手を回して、麻里亜の背中に抱き付く。
麻里亜は僕の手を優しく握った。
「短い間でしたがお世話になりました。ジン様と口づけをした時、ワタシは胸の鼓動が高まりました。これが恋という感情なんでしょうか? ワタシは泣くことができません」
麻里亜はそっと僕の手から自分の手を離し、また腕を広げて掌を広げる。
- 843 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:06:23.87 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は悔しくて麻里亜の肩を拳で叩く。
「別の脱出法を探せばいいじゃないか! まだ時間はあるだろ!? 麻里亜が死ぬなんて、僕は嫌だからな!」
僕は麻里亜の背中に抱き付いたまま嗚咽する。
こんなの嫌だ。
「時間がありません。ジン様、ワタシはジン様の母親になれましたか?」
麻里亜の冷たい声が棘の様に降ってくる。
僕は溢れる涙を手で拭う。
「……もちろんだよ。麻里亜、僕のこと好きだったんだね。初めて知ったよ、ありがとう。最期に麻里亜とキスできて嬉しかった。麻里亜のことは絶対忘れない」
僕は洟をすする。垂れた鼻水が麻里亜の背中に張り付く。
僕は麻里亜の服に垂れた自分の鼻水を拳でごしごしと擦る。なんだか可笑しい。
夢だと思って、頬を強く摘まむ。痛い、夢じゃない。
- 844 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:06:37.41 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜は僕を死ぬ気で守ろうとしている。
麻里亜が本気なんだと理解した。麻里亜との思い出が頭に過る。
麻里亜がメガネを掛けて家庭教師をしてくれたり、麻里亜が色んなことを知っていたり。
麻里亜と一緒に街に出掛けたこと。麻里亜と一緒に遊んだこと。
僕は涙を手で拭う。僕たちを守るために、麻里亜は命を犠牲にする。
だったら、麻里亜を止めちゃいけない。
僕は溢れる気持ちを抑えるように、拳を握り締めた。
僕は片膝を床に突いて立ち上がり、麻里亜の肩にそっと手を載せる。
「ジン様との思い出を共有できてワタシは光栄です。ワタシはジン様とお付き合いしたかったです」
麻里亜が残念そうに俯く。
- 845 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:06:52.54 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は照れて頭の後ろを掻く。
「そ、そうだね……キ、キスくらいなら、できるんだけどねっ。な、なに言ってるんだろ、僕ってば。アハハハハッ」
僕の頬が恥ずかしさで火照り、頭の後ろを掻きながら、気を紛らわすように愛想笑いする。
そういえば、麻里亜は女の子っぽくなった気がする。僕は麻里亜の背中を見つめる。
あれ? 麻里亜って何歳なんだろ? 見た目は僕より年上な気がするけど。
麻里亜が顔を上げて、僕に振り向く。
「ジン様。私の最期の我が儘です。ワタシはジン様が好きです。もう一度、ワタシと口づけしてくれますか?」
麻里亜の年齢を聞こうとした矢先に、麻里亜の淡い願いが込められた冷たい声が降ってくる。
- 846 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:03.88 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕は思わず麻里亜の肩から手を離して後退り、間抜けに飛び上がる。
「え、ええー!? や、やだよっ。恥ずかしいよ……そ、その、心の準備が……」
麻里亜から顔を背け、僕の顔が火照り、気まずそうに人差指で頬を掻く。
もじもじと指を絡めながら僕の視線が、何故か気絶しているルビナ姫にいってしまう。
今のルビナ姫に聞かれてないよね? うわー、恥ずかしくなってきた。
「ワタシは最期までジン様を守ります。ワタシの想いを無駄にするつもりですか? 後悔しないでください」
麻里亜の熱の入った言葉が聞こえる。
僕は俯いて拳を握り締める。
「!? そ、そうだね……」
僕は生唾を飲み込み喉を鳴らし、麻里亜の横顔を一瞥して麻里亜の脇を回り、胸を手で押さえて麻里亜と向き合う。
僕は恥ずかしさで麻里亜の顔をまともに見ていられず、麻里亜から顔を背け瞬きしながら麻里亜を横目で見る。
- 847 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:14.39 ID:5TEczSfJ0.net
- スピーカーから警告音のサイレンが鳴り響く。
「爆破まで残り一分です。組員は速やかに退避してください。繰り返します……」
その時、感情のない女性の機械音声が監禁室のスピーカーから聞こえる。
僕は緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らし、両手の拳を握り締める。
意を決して瞼を閉じ、瞼に力を入れてゆっくりと麻里亜と口づけした。
僕の鼓動が高まる。
『ありがとうございます。ジン様、ワタシはこれでプログラムを消去できます。思い残すことはありません』
麻里亜の優しい声が頭に響く。
麻里亜のテレパシーだろうか。
とても心地がいい。
- 848 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:20.78 ID:YXqTVVetr.net
- >>768
同じ座席数…?
鬼滅勝たせるためにワンピより多い座席数もってきててワロタ
同じ座席数だと負けちまうもんな
- 849 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:23.90 ID:5TEczSfJ0.net
- 「!?」
僕は麻里亜と口づけしたまま、驚いて眼を見開く。
麻里亜も瞼を開く、麻里亜は両手を広げたまま、優しい眼がさざ波の様に揺れ、麻里亜が僕に微笑む。
球形の青白い障壁の青白い電気がバチバチと音を立てて一層激しくなる。
僕は安心してゆっくりと瞼を閉じる。
ありがとう、麻里亜。さよなら……僕は麻里亜にテレパシーを送る。
僕は麻里亜の頬に両手を当てて、麻里亜と濃厚に口づけする。
僕の鼓動のリズムが落ち着いてゆく。
『さよなら、ジン様……』
麻里亜の声が耳に残る。
麻里亜のメッセージの様に耳鳴りがする。
- 850 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:36.44 ID:5TEczSfJ0.net
- 警告サイレンが鳴る中、激しい揺れとともに、向こうで天井が崩れる音が聞こえる
「爆破まで30秒前。カウントダウン開始します。これより臨界点突破。繰り返します……」
感情のない女性の機械音声が監禁室のスピーカーから聞こえる。
その時、雷が落ちた様な衝撃と轟音が響き、次の瞬間に物凄い重力が僕にのしかかり、僕は押し潰されそうになり苦しくて声を漏らす。
息苦しくて息が荒くなる。ゆっくりと瞼を開けると、麻里亜が僕の唇から離れてゆっくりと瞼を開ける。
麻里亜は僕に微笑む。写真で見た母さんの笑顔がそこにあった。
麻里亜の身体から無数の光の玉が溢れ天に昇ってゆく。
麻里亜は魂が抜かれた様に静かに瞼を閉じて僕に寄り掛かった。
僕は麻里亜を抱き締め、天に昇ってゆく麻里亜の光の魂を仰ぐ。
- 851 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:07:47.35 ID:5TEczSfJ0.net
- 周囲の景色が物凄い勢いで変わってゆく。映像の巻き戻しのように廊下を抜け、玄関を抜けていく。
次の瞬間には、大きな噴水の傍に空間移動していた。
正面には大きな屋敷が建っている。
ゆっくりと球形の青白い障壁が、青白い電気を激しく走らせながら、火花を散らして消えてゆく。
次の瞬間、屋敷が大爆発して、爆風で僕は麻里亜の身体から離れ、麻里亜に手を伸ばすが爆風で吹っ飛ばされる。
僕の身体がくの字に吹っ飛び、僕は車のドアに激突して、僕は痛みで顔をしかめながらゆっくりと顔を上げる。
車のドアは爆風の衝撃で凹んでいた。誰かが近づいてくる影が見える。
僕はそこで気絶した。
- 852 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:05.21 ID:5TEczSfJ0.net
- 次の瞬間、屋敷が大爆発を起こす。
爆発の熱気が僕を襲い、爆発の熱気が僕の髪を撫でる。
ガラスの破片、壁の破片が僕の腕を掠め、僕は麻里の胸に顔を埋めて痛みで顔をしかめる。
爆風の強い力に押されて僕は麻里亜の身体から離れ、麻里亜に手を伸ばすが僕は爆風で吹っ飛ばされる。
僕の身体がくの字に吹っ飛び、僕は噴水の傍に停めてあった白いバンのサイドドアに激突。
僕は痛みで顔をしかめながらゆっくりと顔を上げる。
振り向くとバンのサイドドアは爆風の衝撃で凹んでいた。
顔を戻すと、誰かが僕に近づいてくる揺らいだ影が見える。
僕はそこで気絶した。
『ジン様。起きてください。危険が迫っています』
暗闇の中で、僕の頭に麻里亜の声が響く。
- 853 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:12.63 ID:TXnvk0Xda.net
- 天気の特典が初日はないからセーフという謎な根拠草
- 854 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:15.04 ID:5TEczSfJ0.net
- 麻里亜? どこなの?
僕は暗闇の中で辺りを見回す。
『あの男が来ます。ワタシはジン様の心で生きています』
麻里亜の声が聞こえなくなると、光が射した様に僕の視界が明るくなり、僕は顔の前を手で遮る。
「!? ぐっ」
次の瞬間、急に誰かに首を絞められて息苦しくなり、僕は瞼を開ける。
あの男がバンの傍で僕の首を絞め上げ、僕は大男の腕を拳で何度も叩く。
大男の腕を爪先で蹴って必死に抵抗する。
苦しくて言葉が喉に引っかかって出せない。
- 855 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:27.48 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男は僕を睨み、不気味に喉の奥で笑っている。
「外の空気はどうだ? やはり、あの女の力か。あの女を甘く見ていた。言え、あの女は何者だ!?」
大男は噴水の傍の石畳に横になって倒れている麻里亜を力強く指さす。
僕は歯を食いしばって大男の手首を両手で押さえ、首を横に振る。
麻里亜のことは何も知らない。父上なら、麻里亜のことを知っているはずだ。
大男はつまらなそうに鼻で笑う。
「まあいい。オレの邪魔をする奴は容赦せん」
大男は僕の首から手を放し、麻里亜に振り向いてバンのトランクに向かう。
- 856 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:38.37 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男が自分の首から手を離した時に、僕はお尻を地面に打ち付けた。
お尻を優しく擦り、首を押さえて咳き込む。
あいつ、麻里亜になにする気だ。
やめろ。麻里亜は僕が守る。
僕はゆっくりと立ち上がり、よろけながらバンのサイドドアに凭れて咳き込む。
大男の背中を睨み据え、バンのサイドドアに凭れながら、僕はバンのトランクに移動する。
大男は鼻歌を歌いながらバンのトランク開け、トランクの中からポンプアクションショットガンを取り出す。
ポンプアクションショットガンの銃身を見つめ、片目を瞑ってポンプアクションショットガンを構える。
大男は麻里亜に振り向き、ポンプアクションショットガンに弾を装填してゆく。
- 857 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:48.08 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はバンのトランクに凭れて咳き込む。
「やめろ。麻里亜に手を出すな……」
僕はポンプアクションショットガンに手を伸ばして、ポンプアクションショットガンの銃身を掴む。
大男は僕の手を払いのけ、片手でポンプアクションショットガンの銃口を僕の顔に向ける。
「邪魔をするなら撃つぞ。顔に風穴を開けたいか?」
僕は黙り込んで、大男から顔を背ける。
大男は勝ち誇った様に喉の奥で笑い、ポンプアクションショットガンを肩に担いで麻里亜の元へと向かう。
- 858 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:08:49.51 ID:YXqTVVetr.net
- >>807
????
- 859 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:03.96 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はバンのトランクに凭れて、大男の背中を睨み据える。
あの男を止めないと。
僕はバンのトランクを離れて、よろけながら大男の元へと向かう。
大男は麻里亜の元に寄ると麻里亜の肩を片足の爪先で乱暴に蹴り、麻里亜をうつ伏せにさせる。
大男は不気味に笑って麻里亜の肩を踏んづけ、ポンプアクションショットガンを肩に担いだまま、呻りながら麻里亜の顔を覗き込む。
大男は訝しげに顎に手を当てて顎を擦る。
「まだこの女のコアは生きてるな。この女が動いたら厄介だ。オレがこの女のコアを破壊する。おっと、邪魔はするなよ?」
大男はポンプアクションショットガンの銃口を麻里亜の胸に向けて僕に振り向き、人差指を僕に突き出して小さく左右に振る。
- 860 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:24.24 ID:5TEczSfJ0.net
- 「くっ。やめろ……やめてくれ……」
僕はやるせなくなり、地面に両膝を突いて俯く。
「それ以上近づくとこの女を撃つぞ。この女のコアを破壊してもいいのか?」
大男の冷たい声が聞こえる。
麻里亜を助けたい気持ちと僕の命が天秤に掛けられた気分だ。
気持ちは僕の命にぐらつく。
僕は生唾を飲み込み喉を鳴らす。
「わ、わかった。これ以上近づかない……」
僕は俯いたまま、拳を握り締める。
なんとなく顔を上げて、麻里亜の様子を見る。
- 861 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:34.67 ID:5TEczSfJ0.net
- 大男は顔を戻し、ショットガンを肩に担いで、麻里亜を見下ろして残念そうに首を横に振る。
「残念だよ。お前みたいな優秀な戦士が、うちの部下に欲しかった」
大男は麻里亜の胸にポンプアクションショットガンの銃口を向け、引き金を引こうとしている。
僕は悔しくて歯を食いしばって地面を拳で叩き、麻里亜に手を伸ばして叫ぶ。
「よせ! 話が違うだろ! 麻里亜ぁぁぁぁぁ!」
その時、大男の背後に向かって剣を横に構えて靴音を響かせ、大男の背中に剣を振り上げるルビナ姫。
「ジョー! あなたの好きにはさせない!」
次の瞬間、硬い金属音が鳴って火花が散り、ジョーが振り向きもせずにルビナ姫の剣を受け止め刀身を握り潰す。
ルビナ姫の剣の刀身がガラスの様に砕け散った。
ルビナ姫がジョーの背中で肩で息をしながら砕けた刀身を握った腕を垂らし、驚愕の表情を浮かべて後退る。
- 862 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:43.70 ID:5TEczSfJ0.net
- 「ル、ルビナ姫!?」
僕は驚いて腰が抜けて盛大に尻餅をつく。
な、なにやってんだよ。キミは大人しくしてればよかったんだ。余計なことを。
あの男を倒すのは、麻利亜しか無理だ。
でも、どうすれば、麻里亜は目覚めるんだ。
くそっ。僕たちじゃ敵わない。毒には毒を。
僕はジョーを睨み据えて、歯を食いしばって拳を握りしめる。
ジョーがルビナ姫に振り返って、ポンプアクションショットガンを肩に担ぎ、ルビナ姫に振り向いて掌を向けて喉の奥で笑う。
「余計な真似をしてくれる。姫にはしばらく眠ってもらおう」
ルビナ姫に向けられたジョーの掌が紅く光り、ルビナ姫はジョーの掌から放たれた衝撃波で吹っ飛んだ。
ルビナ姫は顔の前で腕をクロスさせてくの字に吹っ飛び、噴水に背中が激突して気絶した。
ルビナ姫が握っていた剣がするりと落ちる。
- 863 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:09:59.59 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はルビナ姫を助けようと立ち上がり、よろけながらルビナ姫の元に向かう。
ルビナ姫。キミの勇敢な行為は称賛に値するよ。僕がその目撃者だ。
麻里亜、ごめん。後で助けるから待っててくれ。
僕は麻利亜に振り向く。
大男が麻利亜に振り返り、ショットガンの銃口を麻利亜の胸に向ける。
えっ? 僕は嫌な予感がして鼓動が高まり、胸を手で押さえる。
落ち着け。麻里亜は大丈夫だと言い聞かせて深呼吸する。
大男の呼吸音が響き、不気味に笑う。
「手間取らせやがる。フハハハハッ。さらば、同胞よ!」
一発の重たい銃声が響き、麻利亜の身体から衝撃波が放たれ、麻利亜の身体から火花が散る。
- 864 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:09.51 ID:5TEczSfJ0.net
- 僕はやるせなくなり、その場で両膝を床に突き俯く。
「そ、そんな……麻利亜……」
両手の掌を地面に突き、俯いて拳で地面を何度も叩く。
麻里亜を助けていれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに。
なんで僕はルビナ姫を助けようとしたんだよ。くそっ。
僕は悔しくて涙が滲んで、手の甲で涙を拭う。
その時、門から車やバイクのエンジン音が近づき、やがて僕たちの前で急停止する。
僕は驚いて顔を上げる。なんだ?
パトロール隊のレスキュー車だ。エアバイクまである。
エアバイクはタイヤがなくて、エンジンが掛かると宙に浮くバイク。水上も走れるから便利だ。
でもエアバイクはパトロール隊の乗り物なんだよね。カッコイイけど。
パトロール隊が来たってことは、僕たちは助かったのか?
僕は緊張で生唾を飲み込み喉を鳴らし、固唾を呑んで見守る。
- 865 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:09.54 ID:PZdq8oGUd.net
- >>829
ワンピ1巻からまた売れたから確実に新規いるぞ
ブックオフに売られまくった鬼滅と逆で
- 866 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:24.76 ID:5TEczSfJ0.net
- その時、正門をぶち破って車やバイクのエンジン音が近づき、やがて僕たちの前で急停止する。
僕は驚いて顔を上げる。なんだ?
パトロール隊のレスキュー車のバンだ。エアバイクまである。
エアバイクはタイヤがなくて、エンジンが掛かると宙に浮く近未来バイク。水上も走れるから便利だ。
でもエアバイクはパトロール隊の乗り物なんだよね。カッコイイけど。
パトロール隊が来たってことは、僕たちは助かったのか?
僕は緊張で生唾を飲み込み喉を鳴らし、固唾を呑んで見守る。
エアバイクに跨って黒い制服を着た隊員が次々にエアバイクから降りて、ヘルメットを脱ぎヘルメットをシートの上に置く。
隊員はジョーの元へと駆け寄り、ジョーを取り囲む。
- 867 :名無シネマさん:2022/10/26(水) 02:10:36.42 ID:5TEczSfJ0.net
- 隊員は一斉に腰のホルスターからオートマチック銃を抜いて、オートマチック銃をジョーに構える。
その時、レスキュー車の運転席のドアからヘルメットを被ったオレンジ色の制服を着た隊員が下りてくる。
ヘルメットを弄りながら、レスキュー隊員が僕に駆け寄ってくる。
レスキュー車の車内で無線が入り、男性の声で何か喋っている。
「ルビナ姫から緊急発信があった。お前はジョーだな。ここで何している!?」
一人の隊員が声を張り上げ、ジョーに訊く。隊長だろうか。
ジョーは不気味に喉の奥で笑い、ポンプアクションショットガンを肩に担いで隊長を睨む。
「姫がパトロール隊を呼んだか。オレの計画が狂ったな、まあいい」
ジョーは左右に首を振り、隊員たちを見回す。
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