【社会】危険ドラッグ撲滅に強硬策、初の「全商品販売停止」命令…化学物質は中国で密造→日本へ、「根本断つには中国での取締りが必要」

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　危険ドラッグの撲滅に向けて、厚生労働省や警察が、異例の強硬策に打って出ました。全国で一斉に販売店の立入調査を行い、
商品の販売停止を命令。危険ドラッグ撲滅の有効な切り札となるのでしょうか。

　今年６月、危険ドラッグで意識がもうろうとした男が東京・池袋の繁華街で車で暴走。女性１人が死亡しました。各地で悲惨な事故や
事件を引き起こしている危険ドラッグ。その撲滅のため、厚生労働省と警察が、異例の強硬策に打って出ることとなりました。

　「午後２時半です。麻薬取締役官や警視庁の捜査員らが立入検査に入ります」（記者）

　２７日午後、厚労省の麻薬取締官や警視庁の捜査員らが、都内の危険ドラッグ販売店に一斉に立ち入りを行いました。

　「前は（危険ドラッグを）置いていた？」（取締官）
　「そうですね」（店員）
　「今は置いていない？」（取締官）
　「見てのとおり全部処分しましたから」（店員）

　数日前に危険ドラッグ販売を止めたと主張する販売員。しかし、机の引き出しから危険ドラッグ３つが見つかりました。

　「事故起こったり、病院担ぎ込まれたりするわけでしょう。それ分かってて売っているわけでしょ」（取締官）
　「いや別に・・・。普通に香りだけ楽しんでくださいと、お客さんには全て言ってますから」（店員）
　「この種の商品をもう売らないで、廃業してもらいたい」（取締官）
　「それは一応（店長に）言っておきます」（店員）

　店内から見つかったのは、怪しげな包装の３つの袋。プレミアムインセンス＝「高級なお香」などと書かれたものもありますが・・・。

　「池袋の事故の商品と同じメーカー」（麻薬取締官）
　（Ｑ．指定薬物検出された場合は薬事法違反で？）
　「（薬事法）違反の捜査に移行する可能性も十分ある」（麻薬取締官）

　一斉立ち入りは、大阪や福岡など全国各地で行われました。これまでは、違法な指定薬物と確認できなければ、摘発できなかった
危険ドラッグですが、今回は薬事法に基づき、店の全ての商品に「検査命令」を出し、検査結果が出るまで販売停止を命じました。

　一方、危険ドラッグの製造工場の摘発も各地で行われています。

　「静かな住宅街の中に建つこちらのプレハブの小屋。この中で大量の危険ドラッグが製造されていたということです」（記者）

　去年１１月に摘発された東京・練馬区の危険ドラッグ工場。ずらりと並んだ扇風機の前に、危険ドラッグの植物片が敷き詰められて
います。逮捕された３人の男は、覚醒剤などに似た作用がある化学物質の粉末を中国から輸入。それを水に溶かし、植物片に
吹きかけて危険ドラッグを製造していたといいます。

　「変な臭いというか、『何の臭い？』って感じ」（近所の住民）
　「物がたくさん置いてあって、若い子たちが物運んだりしていた。脱法ハーブとか、そんな感じはしなかった」（近所の住民）

　逮捕された男らは、暴力団とは無縁。店頭で５０００円ほどで売られる商品を１日１０００個ほど製造し、およそ２０億円を売り上げて
いたといいます。摘発を強化する麻薬取締当局。しかし、大きな壁もあります。

　２年前、中国の泰州で取材した危険ドラッグの原料の製造工場。床に無造作に置かれた袋。白い粉末が、危険ドラッグに含まれて
いる化学物質だといいます。工場の関係者は・・・。

　「日本で禁止されているものもあるかもしれないけど、類似する化学物質を提供することは可能よ」（中国の工場の担当者）

　日本で違法と指定されても、次々と似たような化学物質を製造し、輸出しているといいます。

　「もともとの化学物質は、中国で密造され、日本に密輸されている。根本を絶つには、中国政府が原料などの取り締まりをやらないと
駄目」（元麻薬取締官浦上厚さん）

　国境という壁によって、供給源を断つことが難しい危険ドラッグ。厚労省などは今後も順次、立ち入りを続け、すべての商品の販売停止
を命じる方針です。

ソース（TBS News-i）　※ソース元に動画あり
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2284418.html