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【BLOGOS】鈴木邦男「『日本は悪いことをしていない!悪いのは中国、韓国だ!』、『潜水病』にかかってしまった日本」[09/04]

1 :ダーティプア ★@\(^o^)/:2014/09/04(木) 12:17:27.66 ID:???.net
池田香代子さん(ドイツ文学者)と「潜水病」の話をした。8月30日(土)、「デモクラTV」に出たので、もっぱらその話をした。
池田さんが会いたい人、100人に聞いていくという企画で、僕は16人目。池田さんは、僕の『失敗の愛国心』(イーストプレス)
を読んでくれ、これを中心に話しましょうと言う。ありがたい。「愛国心」は素晴らしい事のように言われるが、その面だけでなく、
それを持ったが故に集団的狂気に陥ったり、暴走したりもする。危ない面もある。その話もしましょう、と言った。

『夜と霧』に出てくる「潜水病」の話と同じかもしれない。というところから話は始まった。ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』
(みすず書房)を池田さんが翻訳している。これは世界的な名著だ。ナチスの強制収容所を体験した心理学者のフランクルが
書いた本だ。そこに「潜水病」の話が出てくる。地獄の体験で、次々と死んでいく。奇跡的に助かった人にも、いろんな苦難が
待ち構えている。潜水病は、〈潜水労働者が(異常に高い気圧の)潜水から急に地上に出ると健康を害するように、精神的な
圧迫から急に解放された人間も、場合によっては精神の健康を損ねる〉という病気だ。

解放されてみたら、地獄の生活の中で夢見た自由な社会じゃなかった。あるいは、「そんなに大変だったのか」とみんなが認
めてくれない。それにオレはこんなに苦労したんだから、少しぐらいいい目をしてもいいだろう。と、自分勝手なことをしてしまう。
社会的倫理を無視したり、あるいは違法行為をしてみたり…。

これは、左右の思想運動や宗教運動をしている人も、陥りがちなことだ。「私達はこんなにいいことをしている。世の中のために、
頑張ってきている。こんなに正しいことをしている。それなのに、人々はわかってくれない…という思いを持ちやすい。
僕自身もそう思っていた時期がある。

いや、運動団体だけでなく、国家全体が「潜水病」になることもある。日本は外国から理不尽な批判や侮りを受けてきた。
「南京大虐殺」をやった。慰安婦の強制連行をやった。捕虜を殺した…。全くやってないことだ。我々の先輩たちは、
ウソによって罵倒されてきた。それを晴らさなくてはいけない。そう言って、「日本は悪いことを何もしていない!」
「悪いのは中国、韓国だ!」と絶叫している。これも「潜水病」なのかもしれない。

昔はもっと謙虚な民族だったと思うのに、最近はやたらに威張り散らす。威丈高だ。「日本には悪いところは何もない。
世界は日本に皆、感謝している。文句を言っているのは、中国と韓国だけだ」と言う。又、そんな本ばかりが売れている。
『中国が世界地図から消える日』なんて本もあった。

それに心配なことがある。個人や集団の「潜水病」ならば、批判する人もいるし、客観的に見る人もいる。だから、
「これはやりすぎかな」「これはいけないかな」と、本人たちも気づく。反省もする。ところが、国家全体が「潜水病」になっていると、
それに気づかない。客観的に見れないからそのままだ。「潜水病では?」と気付く人がいても、「それは反日だ!」
「お前には愛国心がないのか!」とピシャリと叩かれる。

ソース:BLOGOS−マガジン9 2014年09月03日 12:04
http://blogos.com/article/93773/

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