【中国】中国新車市場の逆風、住宅不況・企業減速・車在庫増…日本勢は伸び悩み、「反日問題以前に、商品力や営業力で出遅れ感」[01/13]

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　【北京＝阿部哲也】中国汽車工業協会は2015年の新車販売台数を14年に比べ７％増の2513万台と見込むが「成長率は１桁台前半にとどまる
可能性もある」（日本車大手）との声も多い。新車市場に３つの逆風が吹いているためだ。

写真＝独ＶＷは中国での販売が好調（14年４月、北京モーターショー）
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　「昨年夏以降、客足がぱったり止まった」。昨年12月下旬、北京市内にある日本車系列の新車販売店ではかき入れ時のはずなのに営業担当者
は時間をもてあましていた。新モデルが出るたびに店頭に来た常連客すら寄りつかなくなったという。「住宅不況の長期化が原因だ」という。

　中国では住宅を持つ個人が、その資産価値を裏付けに消費を増やすのが一般的だ。逆に住宅の値下がりが続けば、自動車などの耐久消費財
の売れ行きが急速に鈍る傾向が表れやすい。

　昨年11月は主要70都市のうち、67都市で新築住宅価格が前月に比べ下落した。これまで新車を短期間で買い替えていた富裕層にも影響は
波及し、新車購入を手控える動きが広がる。住宅市場が第１の不安材料だ。

図表＝中国の新車販売の伸びは鈍化
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　第２は企業業績の悪化だ。14年は一般利用が多い乗用車は前年比9.9％増えたが、企業利用が大半の商用車は6.5％減少した。鉄鋼や素材、
鉱業などを中心に業績が落ち込み、トラックやバンの更新を見送る企業が急増している。15年も商用車の苦戦は続くとの見方は多い。

　３つ目は在庫の増加だ。販売の不振が続く中国ブランド車の販売店には、適正水準を大幅に超える３カ月分の在庫が積み上がっている例も
出始めたという。業界全体では「100万台規模の在庫がたまっている」（欧州車大手）との声もあり、今後の販売の足かせになりかねない。

　市場の頭打ちと並行して、メーカー間の優勝劣敗は鮮明になっている。好調なのが欧米韓の３強だ。販売シェア首位の独フォルクスワーゲン
（ＶＷ）と２位の米ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）は、今後５年で２兆～３兆円規模の大型投資を中国で実施し、内陸部の開拓を加速する。
韓国・現代自動車も重慶市と河北省の２カ所で新工場を建設する計画だ。

　対照的に日産自動車やホンダなど日本勢は伸び悩みが目立つ。日本車のシェアは15.7％と１年前から0.6ポイント強低下した。「反日問題以前
に商品力や営業力で出遅れ感が強まっている」（日系販売店）との声は多い。

ソース（日本経済新聞）　http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H75_S5A110C1FF8000/