【兵庫】阪神大震災…「民族超え助け合った」在日コリアンが出版[1/16]

ねこ名無し ★＠＼(^o^)／

　在日コリアン３世で、阪神大震災に遭った高祐二さん（４８）（加古川市）が、１９００年代以降に起こった災害時における在日の人々の状況を調べた著書「大災害と在日コリアン」（明石書店）を出版した。
震災をきっかけに過去の新聞報道や市史などを基に調査し、震災２０年の節目に完成させた。高さんは「阪神を含む数々の災害時に、市民は国籍や民族の違いはあれど分け隔てなく助け合っていたことを知ってほしい」と訴える。（長尾尚実）

　高さんは２９歳の時、神戸市長田区で被災。当時、アパートで一人暮らしをしていたが、崩れ落ちてきた天井の下敷きになって１時間ほど脱出できなかった。
避難生活を余儀なくされたが、関東大震災時に流言飛語によって多数の朝鮮人が殺された史実が頭をよぎり不安を覚えたという。
だが、支え合って復興を目指す住民たちの姿を目の当たりにし、「市井では昔から助け合う歴史があったのではないか」と、これまでの災害の記録を調べてみることにした。

　図書館に通い、昭和初期の新聞から朝鮮人関連の記事を探し出して閲覧。１９３８年（昭和１３年）の阪神大水害でも朝鮮人のボランティア団体が復旧活動に従事したなどとする記事を見つけたという。

　だが一方で、阪神大震災時に「外国人の窃盗団が三宮の宝石店を襲っている」など根拠のないうわさが出たことにも着目し、「震災という非日常的な空間では、日頃あまり付き合いのない外国人が犯罪者予備軍としてみなされやすい」と指摘。
長引く避難所生活で住民同士のいさかいがあったり、救援物資に慣れきった被災者の自立が難しくなったりするなど、今後も被災後に表面化しそうな問題点も示した。

　高さんは「自分も被災者で近所の人々に大変助けられた」と振り返り、「これまでの共生・共助の歴史を知ってもらい、将来災害に遭っても、一層協力しあっていくための一助になれば」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/local/hyogo/news/20150115-OYTNT50359.html