【京都新聞／社説】日中韓外相会談…村山談話を継承すべき、中韓との亀裂を深め孤立を招くようでは百害あって一利もない[03/24]

ダーティプア ★＠＼(^o^)／

実に３年ぶりである。日中韓の外相が韓国での会談にこぎつけた。２０１２年５月以来となる３カ国の
首脳会談に向け、「最も早期で都合の良い時期に開催するよう努力する」などとした共同文書を発表した。

東アジアの平和と安定には３カ国の緊密な連携が必要不可欠だ。それぞれの主張の違いや国内の
ナショナリズムを抑え、ようやく薄日が見えてきた関係改善への流れを加速させねばならない。

共同文書では「歴史を直視、未来に向かうとの精神の下、３カ国が関連する諸課題に適切に対処」と
明記した。日本の歴史認識問題が、中韓の最大の関心事であることを表している。

岸田文雄外相は、安倍晋三政権が歴代内閣の立場を引き継いでいると強調した。だが、安倍首相が
今夏発表する戦後７０年談話に対して、中韓は過去の談話の表現を継承するよう求めた。

中韓に言われるまでもなかろう。日本の「植民地支配と侵略」を認めた戦後５０年の村山談話、６０年
の小泉談話は、国際社会に発信した政府の公式見解である。平和国家の立脚点とも言える表現を
素通りすることなく、安倍首相は明確に継承すべきだ。

それが火種となって中韓との亀裂を深め、東アジアで孤立を招くようでは百害あって一利もない。

一方、中韓も領土や慰安婦問題に絡めた強硬な姿勢を改める必要がある。国内の結束を高めるため、
両政権が「反日」カードを切ってきた側面は否めない。互いの歩み寄りなしには、未来への展望を開く
ことはできまい。

もともと日中韓首脳会談は東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）から派生する形で、０８年から毎年開き、
金融危機の打開や対北朝鮮などで歩調を合わせてきた。

だが、１２年の李明博・韓国大統領の竹島上陸、野田政権による尖閣諸島国有化などで関係が悪化
する。１３年の安倍首相による靖国神社参拝が決定打となり、「戦後最悪の危機」といわれるほど日本
と中韓の緊張感は高まった。

３カ国は対立がもたらしたマイナスの大きさを直視してほしい。経済や文化の連携・交流を傷つけ、
北朝鮮にはつけ入る隙を与えた。テロ対策や原子力安全など新課題への対処も遅れている。

戦後７０年、日韓国交正常化５０年の節目に日中韓首脳会談を早く実現して、個別の会談へとつなげ
たい。安倍首相の外交手腕が問われている。

ソース：京都新聞　2015年03月23日
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20150323_4.html