【フィリピン】初のトランスジェンダー議員誕生、保守的な社会に変化大統領選より国民が注目[5/11]

ダース・シコリアン卿 ★＠＼(^o^)／

今週、フィリピン国民はロドリゴ・ドゥテルテ次期大統領や上院の議席を確保した元プロボクサーのマニー・パッキャオ氏といったタフガイのイメージがある候補者たちにこぞって投票した。

しかし、厳しい下院議員選を戦ったのは、保守的でローマ・カトリック教徒が大半を占めるこの国で初のトランスジェンダー国会議員となったジェラルディン・ロマン氏だろう。

11日、マニラの北東にある選挙区で当選したことが発表された後、ロマン氏はウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）とのインタビューに応じた。

「ライバル候補は私に対し、憎しみ、差別、偏見の政治を利用しようとした」とした上で、「議会に行ったら私がどちらのトイレを使うかとか、私は罪人でふさわしくないなど、その攻撃は非常に卑劣だった」と話した。

ロマン氏は有権者に自分の生い立ちや味わった苦労について話すことで、政敵たちの攻撃をそらしたという。

自分の選挙区である州で家族が公職に就いてきたという過去も同氏に味方した。「愛、尊重、容認の政治が勝利したのだ」と強調する。

ロマン氏の勝利はフィリピン国民の態度が変わり始めた兆候として同国のLGBT（性的少数者）コミュニティーに歓迎された。それでもロマン氏は概ね男性が支配しているフィリピン政治と戦わなければならなかった。

非公式な開票結果によると、2位に大差をつけて勝利したドゥテルテ次期大統領は、犯罪者たちを殺すと発言したり、長年にわたって自分が市長を務めていたダバオ市で起きたオーストラリア人女性宣教師の強姦殺人事件について冗談を言うなどしてきたが、そうした失言もロマン氏の訴求力を拡大するだけだったようだ。

一方、前出の元プロボクサー、パッキャオ氏は選挙運動中に同性婚への反対を強く主張した。同氏が同性愛者たちのことを動物以下と表現する場面もあった。

同氏はその後に謝罪したが、そのコメントのおかげで米スポーツ用品メーカー大手のナイキとのスポンサー契約は打ち切りとなってしまった。

それでもパッキャオ氏は上院の改選議席数12のうちの1つを確保することができた。

ロマン氏は自分が男性のからだに閉じ込められた女性だということを子供のころから認識し、学校で繰り返されたいじめに耐えてきたとインタビューで明らかにした。

1994年にニューヨークで性別適合手術を受けたとき、同氏の傍らには今は亡き父親がいた。

ロマン氏は現在49歳。留学先のスペインでパートナーと出会い、スペインの通信社EFEで編集者として働いたが、高齢となった両親の面倒を見るために2012年にフィリピンに帰国した。

同じ選挙区、バターン州から選出された元上院議員の母親は、ロマン氏の選挙運動を応援した。

晴れて当選したロマン氏は、地元の有権者を代表することに加え、平等の権利やLGBTのフィリピン人に対する差別の撤廃も促していくつもりだと述べた。

何よりもまず、フィリピンの憲法改正が必要となる同性婚に関して、ロマン氏はまだ賛成していないという。

しかし、シビル・ユニオン（同性間のカップルに適用される婚姻に類似した関係）を認める法律を導入するというレニ・ロブレド氏（副大統領選で勝利したみられている）の提案には賛成だと同氏は述べた。

ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/articles/SB10359106571790804599004582061314292116278

フィリピンで初となるトランスジェンダーの国会議員が誕生
http://irorio.jp/daikohkai/20160512/319959/
http://www.cnn.co.jp/world/35082353.html