【朝鮮日報/コラム】中国の一部大都市で接続が遮断された朝鮮日報中国語版[05/22]

荒波φ ★＠＼(^o^)／

朝鮮日報の中国語版サイト（cnnews.chosun.com）は、韓国のニュース、経済情報、韓流情報を中国語で提供するインターネットメディアで、読者の90％は中国人だ。
ドラマ『星からきたあなた』のキム・スヒョン、『太陽の末裔（まつえい）』のソン・ジュンギの動向を伝えると、中国の若者が熱い反応を示す。

北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）による幹部処刑を伝える記事には批判の書き込みが数百件も付く。しかし、4月中旬からサイトへのアクセスが約30％減少した。
1日平均で12万－13万人だった訪問者が8万－9万人に減ったのだ。

確認してみると、北京市や天津市など一部大都市でサイトへの接続が遮断されたらしいことが分かった。

原因として、いくつかの記事が挙げられた。世界各国の租税回避疑惑を暴露した「パナマ文書」に中国の現職・元指導者の親族10人が含まれているという記事、
韓国への終末高高度防衛ミサイル（THAAD）配備に対する中国の圧力を批判した社説やコラムなどだ。いずれも中国指導部が嫌がるであろう記事だった。

その後、朝鮮日報の中国語版サイトは言論の自由とアクセス数確保という2匹のウサギを捕まえようとして苦悩している。

いつのころからか、韓国メディアは中国関連報道で一種の「自己検閲」を行っている。
特定記事で中国との関係がぎくしゃくすれば、中国関連のプロジェクトを推進する際に報復されるのではないかと心配するためだ。

韓国メディアが中国の顔色をうかがう一方で、中国メディアはメディア市場が開放された韓国で自由に活動している。

人民日報とそのインターネット版の人民網、新華社系のニュースサイト新華網、コミュニティーサイトの天涯などが
子会社またはライセンス付与という形式で新聞を刷ったり、韓国語・中国語でサイトを運営したりしている。

これらメディアは中国の親会社の影響力に頼り、韓国の企業、自治体、大学を相手に広告営業を行うなど収益事業まで展開している。

十数年前に韓国の中国人留学生コミュニティーサイトとして出発した「奮闘在韓国」は、
ニュース、ショッピング、美容整形、留学、旅行情報まで網羅したポータルサイトに変身し、大きな収益を上げている。

一方、韓国メディアは中国で新聞や雑誌を発行することも、インターネットサイトを開設することも、収益事業を行うこともできない。
特派員による取材と韓国で印刷された新聞・雑誌の制限的な配布だけが可能だ。

メディアを共産党の宣伝道具、体制維持手段と考える中国が外国メディアの中国進出を徹底して認めないからだ。
サッカーに例えれば、中国の選手がハーフウェーラインを越え、韓国陣内で思い通りにプレーし、韓国の選手は中国陣内に一歩も踏み込めない状況に等しい。

中国が韓国メディアをブロックするのだから、韓国側もブロックしようというわけではない。韓国メディアの未来という観点でこの問題をとらえようという趣旨だ。

苦労して言論の自由を勝ち取った韓国メディアが中国という新たなパワーとカネの前にまともに発言できない現象をどう見るべきか。

中国メディアは韓国国内で北朝鮮の核問題、在韓米軍などデリケートな問題について、積極的に発信しているのに、
韓国メディアは中国に進出もできず、サイトまで遮断されている。

数億人の読者を持つ中国メディアが韓中間のチャンネルを掌握すれば、中国に進出した韓国企業が不当な扱いを受けても、誰がその声を代弁するのか。
韓国が自由民主主義の価値を守り、両国メディアのアンフェアな競争を解消し、健全な韓中関係をつくり上げるため、政府とメディアは共に対応を考えるべきだ。

2016/05/22 06:06
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/05/20/2016052001645.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/05/20/2016052001645_2.html