【北核実験】核を持った「制御不能な独裁者」と対峙する韓国[9/10]

ねこ名無し ★＠＼(^o^)／

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　2011年12月に金正日（キム・ジョンイル）総書記が死亡した後、権力を掌握した金正恩（キム・ジョンウン）氏は、国際社会から数多くの警告や圧迫を受けても、それを無視して核とミサイルの暴走を続けた。
北朝鮮が9日に行った5回目の核実験は、32歳の独裁者・金正恩労働党委員長の手に、ほぼ完成形の「核ミサイル」が握られたことを意味する。

　北朝鮮は、「核実験」または「水素弾実験」と主張していた1－4回目のときとは異なり、今回は「核弾頭実験」に成功した、と発表した。
既に発射に成功しているノドン、ムスダン、潜水艦発射弾道ミサイル（SLBM）など各種のミサイルに搭載する核弾頭を、実際に作って爆発実験を行った、ということだ。
韓国軍や韓国の情報当局はこれまで、北朝鮮は核爆弾の実験とミサイルの発射にはそれぞれ成功したものの、両者を結び付ける技術、すなわち核爆弾を弾頭に収められるほど小型化してミサイルに搭載するには、多少時間がかかるとみていた。
しかし北朝鮮は9日、核弾頭開発の成功にとどまらず「標準化」「規格化」したとして、「各種の核弾頭を思い通りに生産できるようになった」と主張した。
韓国の情報機関・国家情報院（国情院）も9日、国会への報告で「スカッド・ミサイルに搭載できるほど弾頭を小型化するのが北朝鮮の目標だが、当初よりも速いスピードで進んだ」と説明した。

　北朝鮮の核ミサイル保有は、6・25戦争（朝鮮戦争）から63年間維持されてきた南北間の軍事的バランスが崩れたことを意味する。北東アジアの安全保障の構図も、大きく揺らぐことは避けられない。
金正恩委員長が決心しさえすれば、いつでも韓半島（朝鮮半島）はもちろん米国まで核ミサイルで攻撃できるようになった以上、韓米の安全保障戦略が根本的に変化することは避けられないということだ。
核ミサイルを持った北朝鮮を相手に、米国がすぐさま先制攻撃を加えるのは容易ではない。
韓国国防部（省に相当）は9日、北朝鮮の核の脅威に対応して、従来のキルチェーン、KAMD（韓国型ミサイル防衛システム）のほかKMPR（大量膺懲〈ようちょう〉報復）を追加して「韓国型3軸体系」を樹立したい―という立場を示したが、
奇襲的な核攻撃を防ぐことは事実上不可能、というのが専門家の評価だ。

　今回の核実験は、北朝鮮が政権樹立（共和国創建）68周年を迎えた9月9日午前9時（平壌時間）に行われた。ラオスから帰国した朴槿恵（パク・クンヘ）大統領は9日深夜、安全保障状況の点検会議で
「権力維持のため国際社会や周辺国のどんな話にも耳を貸さない金正恩委員長の精神状態は、コントロール不能。
今や北朝鮮の核の脅威は、差し迫った現存する脅威であるだけに、韓国と国際社会の対応も以前とは完全に異なるものでなければならない」と語った。
国情院は「金正恩委員長が国際社会の制裁に屈しない強い指導者だという点を浮き彫りにして、上納的な収奪と大量脱北などによる内部の動揺を防ぐ効果を狙ったもの」と指摘した。

　金正恩委員長の「核の暴走」は、つまるところ、核保有をてこにして国際社会から体制保障を引き出すためのものだ。パキスタンは、国際社会からの各種の制裁にもかかわらず、6回の核実験を行った末、1998年に核保有国だと独自に宣言した。
その後、「非公式な形で」核保有国と認められている。

　問題は、韓国政府は無論のこと米国や中国も、北朝鮮の核に対応できるだけの手段を見出すことができていない、という点だ。
朴大統領は9日、北朝鮮による核実験の直後、米国のバラク・オバマ大統領と電話会談を行って両国の共助のあり方について話し合ったが、目立った対策は出てこなかった。政界の一部から米国の戦術核再配備、独自核武装論などが出てくる理由が、ここにある。

黄大振（ファン・デジン）記者

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