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【富坂聰】南シナ海問題は世界のテーマではない? 「B20」に注目すべきワケ[9/28]
- 1 :ねこ名無し ★@\(^o^)/:2016/09/28(水) 17:23:55.26 ID:CAP_USER.net
- http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/images/20160928/frn1609281550002-p1.jpg
杭州G20に臨む中国の習近平国家主席(中)。その狙いを見極めることが重要だ(ロイター)
中国が初の議長国となって行われた20カ国・地域首脳会議(杭州G20)を伝える報道に「B20」という言葉が抜け落ちていたことについて先週は触れた。G20の直前に行われた“ビジネスサミット”の「B20」だ。
もちろん日本の読者の関心という意味では、一に日中首脳会談であり、二に尖閣諸島問題、三に南シナ海をふくめた中国の外交的孤立がフォーカスされることは不自然なことではない。
だが、それはそれとして中国が世界に何を発信しようとしていたのか、また日本が今回の会議でどのように位置づけられたのかを把握しなくてもいいという話ではない。
例えば、われわれが最も重視する南シナ海問題について、各国がどれほど関心を示していたのかは日本として知っておく必要はあるだろう。
そして、えてして日本は五輪で日本人がメダルに関わるものだけを種目のすべてと思いがちであるように、国際会議におけるテーマも近視眼的にとらえてしまいがちだ。
このことは、地球温暖化問題を見てみるとわかりやすい。
この問題に異常なほどの熱心さをみせる欧米メディアに対して日本での関心はそれほどではない。この温度差にもはっきりと表れているが、南シナ海問題においても、実はわれわれが中東シリアの難民問題をどこか人ごととしかとらえられない感覚と同じようなズレが生じている可能性は否定できない。
そして今回のG20においてズレが最も象徴的に表れていたのがB20に対する反応であった。
G20はその会議の性質上、どうしても経済問題に重点が置かれることになる。しかし、今回のB20が大きなテーマとしたのは、経済の低迷から保護主義に陥りがちになる世界をより開かれた貿易体制へと導くことだった。さらには、行き詰まった先進国経済のブレークスルー(打開)について、であった。
日本や、それ以前に頂点を極めた米国などの例を持ち出すまでもなく、経済発展が一定の水準に達した先進国がさらなる発展を実現することは容易ではない。
どの先進国も同じ悩みを抱え、国民の不満と戦っているのが現状だ。すでに炭坑や鉄鋼を中心にオールドエコノミーが軒並み構造不況に陥った中国も、まさに同じ悩みを共有しつつある。
処方箋のない先進国経済の低迷をいかに持続可能で安定した成長へと導くことができるのか。
それこそがB20のテーマであり、それを世界の主要な機関の代表者やエコノミスト、シンクタンク研究者が一堂に会して話し合ったのだから、日本にとっても興味の対象であったはずだ。だが、そこでどんな話し合いになったか、頭に入っている日本人がどれくらいいるだろうか。
南シナ海問題で中国が孤立するか否かといった日本的視点が注目されるのは仕方ないとして、会議のメーンテーマをしっかりとウオッチすることを忘れてよいはずはないのだ。
■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。
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