【中国】切っても切れぬ風水との関係　迷信で妊婦を置き去りも…[11/02]

ねこ名無し ★＠＼(^o^)／

　今年７月４日午前８時半ごろ、重慶市秀山県を走る高速道路のサービスエリア（ＳＡ）付近で一人の男が必死に助けを求めているのを高速道路の管理会社の社員が発見した。

　男が慌てていたのは妊娠していた妻が高速道路で破水してしまったためだが、それにしてもなぜそんな場所で助けを求めることになってしまったのだろうか。

　事情を知った管理会社の社員は腰を抜かした。

　男と妻は当初高速バスに乗り移動中だったが、妻が予定より早く産気づいたことで車内は大騒ぎになったという。バスの運転手はこのとき、バスの中で出産されることを嫌って、夫婦をその場で強引に降ろし、そのまま置き去りにしてしまったというのだ。

　運転手が夫婦に下車を強要した理由は彼が信じていた迷信のため。曰く「車内で出産されると不吉」というものであったというからあきれる。しかも、同じバスに乗っていた乗客たちも同じように夫婦を降ろしたというのである。

　妊婦であれば母子の命にかかわる行為だけに「信じられない」といった程度で済む話でもないのだが、実際の中国社会には時々こうした迷信や民間信仰、風水などが原因で大きな問題が持ち上がり、われわれの社会との乖離（かいり）を思い知らされることが少なからずあるのだ。

　そうしたなか９月１８日付の『快評社』は、反腐敗キャンペーンで摘発された汚職官僚たちのほとんどが風水などの影響を強く受けていた事実を取り上げて報じた。

　タイトルは、〈失脚した高級官僚たちは邪教の信者がほとんど　共産主義という信仰の不足が原因か〉であった。

　中国では習近平の下でいまだ反腐敗キャンペーンの嵐は続いている。最近、話題になった「落馬幹部」のうち中国共産党天津市委員会津南区の書記であった呂福春、寧夏回族自治区銀川市副市長であった代栄民、そして雲南省昆明市の副市長であった李喜の３人は、いずれも腐敗行為と同時に党員として問題視されたのが迷信活動に熱心であったという規律違反行為のためであった。

　この３人のケースでは特に占いの問題があった。彼らは時に易を頼り、時には人相占い、または星占術、そして夢占いというようにさまざまな政治決断の場面で、ありとあらゆる「迷信」を利用し、判断を委ねていたというのだ。

　こうした問題に対してメディアは共産主義イデオロギーとの相反を理由に疑問を投げかけるが、現実には共産党幹部の中にも風水との切っても切れない関係があるとされる。

　来週号では、その点についてさらに踏み込んでみたい。

　■富坂聰（とみさか・さとし）　拓殖大学海外事情研究所教授。１９６４年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』（文春新書）など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』（ＰＨＰ新書）。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20161102/frn1611021700002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20161102/frn1611021700002-n2.htm

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