【朝鮮日報】韓国のデモが変わった[11/07]

ねこ名無し ★＠＼(^o^)／

　5日夕、自宅を出てソウル地下鉄の鐘閣駅で降り、世宗路交差点まで人込みの中に混じった。大勢の人々が「朴槿恵（パク・クネ）下野」を叫んでいたが、緊迫した雰囲気は感じられなかった。母親と一緒にハイキングに来たような子どもたち、隊列の中でデートを楽しむ恋人たち、不思議そうに記念写真を撮る外国人たち…。食べ物を売る屋台も多かった。1000ウォン（約90円）でろうそくも売っていた。デモ隊に阻まれて止まっていた車の中にはリズミカルにクラクションを鳴らすものもあった。ウォーキング大会やイベントのような雰囲気だった。

　この日は主催者側推計で20万人、警察推算で4万5000人が集まった。これほど多くの人々が集まると、まかり間違えばコントロールが利かなくなることもある。警察は世宗文化会館前の道路に車両でバリケードを作った。しかし、これを乗り越えようとする人はいなかった。その代わり、そこから少し離れた所にろうそくを並べてシュプレヒコールの言葉を書いた。夜遅く警察がデモの終了を告げ、参加者を歩道に上げた。すると、マスクを付けた人が現れた。デモ隊の1人だ。その人物は「朴槿恵が怖いのか」「車道に降りよう」と言ったが、応じる参加者はいなかった。参加者たちは散らかったゴミを拾っていった。

　デモを主導したのは左派団体からなる「民衆総決起闘争本部」だ。昨年11月14日の暴力的なデモで光化門を大混乱に陥れたあの団体だ。この時のデモでは警察のバス50台が壊され、警察官113人が負傷した。路上には空の焼酎瓶や食べ残しの豚足の骨が転がっていた。同じ団体が主導したデモなのに、今回このような違いが出たのは、市民たちのおかげだった。デモを専門にしている人々よりも市民たちが率先して行動することで暴力が消えた。市民たちは政権に対する怒りを表現するのに平和な方法を用いたのだ。

　最近の世界のデモは過激だ。今年6月にはメキシコで教員労働組合所属の教師たちが教育改革に反対して激しいデモを行い、10人余りが死亡した。フランスでは企業側に有利な労働法改正に反対するデモが激化、警察官数百人が負傷した。警察官らが「デモをやめろ」という反対デモをするありさまだった。だが、5日の光化門のデモはそうしたデモとは違っていた。

　民衆総決起闘争本部は12日にまたデモをすると言っている。労働者・農業従事者・障害者団体が参加するという。昨年11月の光化門暴力デモの時、全国民衆労働組合総連盟の委員長は「国全体をマヒさせられることを見せてやろう」とデモ隊をあおった。5日のデモは平和的に終わったが、一部デモ隊がまた民心に火をつけようするかもしれない。成熟した市民たちも扇動によって群衆となり、悪意を持つ人々が暴徒に変わる可能性もある。根本的収拾策が講じられ、早急にデモが必要ないようにしなければならない。

崔源奎（チェ・ウォンギュ）論説委員

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/11/07/2016110700644.html