【経済】「通貨スワップ拡大を」　日中韓賢人会議[12/06]

ねこ名無し ★＠＼(^o^)／

　５日閉幕した日中韓賢人会議は来年１月のトランプ次期米大統領の就任に伴う金融市場の混乱に備え、３カ国の中央銀行間で外貨を融通し合う通貨スワップ（交換）協定の拡大など危機対応を進めるべきだとの意見で一致した。

　３カ国は少子高齢化や環境対策など直面する課題は共通する。問題解決につながるビッグデータ解析などの共同研究が必要だとの主張も相次いだ。

　「経済・金融・貿易」分科会では日本側出席者が、トランプ氏の政策で米金利の上昇やドル高が進むことで「新興国の巨額債務の問題が世界市場に与える影響を注視しなければいけない」と指摘。３カ国は危機対応のため金融協力を深めるべきだとの意見で一致した。

　韓国側出席者が「ドル高が進めば、トランプ氏が日中韓に為替で圧力をかけてくる可能性がある」と警戒感を示すと、３カ国が為替・金融政策で足並みをそろえるべきだと意見が相次いだ。

　「環境・エネルギー」分科会では温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」が11月に発効したことを受け、二酸化炭素（ＣＯ2）排出削減が大きなテーマになった。

　司会の川口順子元外相が「３カ国共通のＣＯ2排出量取引市場を整備できるか」と問題提起すると、韓国側の出席者からは「日中韓だけでなく、アジアの新興国も含めた協力関係が必要だ」との声が上がった。中国側からは「まずは自動車や鉄鋼など業界ごとに取引を始め、徐々に拡大すべきだ」との提案があった。

　「文化・教育・社会・地域交流」の分科会では、日中韓の大学間交流を拡大すべきだという意見で参加者が一致した。各国のトップ10大学で学生や研究者を往来させる「大学連合」の創設や、交換留学を促進するための単位互換制度の整備が必要との意見が相次いだ。

　東京大の田中明彦教授は英語で履修できるカリキュラムの作成と並行し「相互理解を深めるために現地の言葉や文化を学ぶ機会も十分に提供する必要がある」と指摘した。

　少子高齢化に関する議論も、３カ国に差し迫った課題として熱を帯びた。中韓の出席者は「（課題先進国の）日本に学びたい」と発言。日中韓の専門家によるタスクフォースを立ち上げ、継続的な研究を進めたりシンポジウムを開いたりすべきだとの提言もあった。

　あらゆるモノがネットにつながる「ＩｏＴ」や人工知能（ＡＩ）などの新技術の開発・利用でも協力を促す声が上がった。産業振興のみならず、高齢化や環境問題など、共通の課題を抱える分野で共同研究や実証実験を進めるべきだとの主張が目立った。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05HA5_V01C16A2FF8000/

【経済】「通貨スワップ拡大を」 日中韓賢人会議[12/06]

【経済】「通貨スワップ拡大を」　日中韓賢人会議[12/06]