【台湾】陳水扁元総統の「特赦」問題浮上　蔡政権に頭痛の種[6/21]

ねこ名無し ★＠＼(^o^)／

　【台北＝田中靖人】台湾の与党、民主進歩党で、陳水扁元総統（６６）の「特赦」を求める動きが強まり始めた。

　収賄罪などで服役中の２０１５年１月、自宅療養のため「仮釈放」された陳氏は政権交代後、政治活動と取れる活動を徐々に再開、野党の攻撃材料となっている。

　陳氏を「台湾独立」派の象徴とみる中国も動向を注視しており、板挟みの蔡英文政権は頭を悩ませている。

　民進党の高雄市議らは２０日、９月の党大会で陳氏の特赦を求める決議を行うための署名活動を開始した。きっかけは、陳氏が５月１９日、事実上の政治資金パーティーに出席したことだ。

　自宅療養を認めた台中刑務所は、会場に入らない▽演説しない▽政治について語らない－など５項目の禁止事項を事前に列挙していた。

　だが、陳氏はこれらを黙殺。支持者ら約２０００人が集まる会場のメーンテーブルに座り、「私が何か話したら政府が倒れるのか」と蔡政権を批判する映像を放映した。

　事態を重く見た台中刑務所は、６月末まで自らの医療チーム以外の第三者の「診断書」を提出するよう要求。今月１５日には、自宅を離れる際には事前に許可を取るよう通知した。

　これに対し、民進党所属の立法委員（国会議員）は「まるで軟禁だ」と反発、署名運動につながった。

　陳氏の逮捕は中国国民党の「政治的報復」とみる向きが支持者の間にある上、蔡氏が掲げる中台関係の「現状維持」への不満が後押ししたとみられる。

　一方、国民党は「蔡氏は特赦を考えたらどうか」（報道官）と余裕の構えだ。「台湾独立」色を強めて米国との関係を悪化させた上、汚職事件の記憶もつきまとう陳氏の“復権”は、政権への打撃になるとみているためだ。

　総統府は「治療が最優先」と回答を避けている。中国共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報はこうした動きを逐一、報じている。

　陳氏は服役中に鬱病やパーキンソン病を発症し、未確定の一部公判が停止されている。台湾高等法院（高裁）は公判の再開を判定するため、来月７日に陳氏に出廷するよう命じた。

http://www.sankei.com/world/news/170621/wor1706210061-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/170621/wor1706210061-n2.html

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５月１９日、呂秀蓮元副総統（左）らとパーティーの席に着く台湾の陳水扁元総統＝台北市（田中靖人撮影）

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