【フィリピン】ＩＳ系武装勢力、ミンダナオ島を拠点化　戒厳令後の死者３６０人　市民ら約百人を「人間の盾」に[6/21]

ねこ名無し ★＠＼(^o^)／

　【シンガポール＝吉村英輝】フィリピン南部ミンダナオ島でイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」（ＩＳ）に忠誠を誓う武装勢力と政府軍が交戦となり、戒厳令が発動されてから２３日で１カ月となる。市民を含めた双方の死者は３００人を超えた。

　東南アジアや中東からもＩＳ信奉者が参戦し、この地域で“独立国家”樹立をもくろんでいるとされ、掃討作戦は長期化の様相を呈している。

　ミンダナオ島のピグカワヤンで２１日、地元のイスラム過激派「バンサモロ・イスラム自由戦士」（ＢＩＦＦ）の構成員ら約３００人の武装集団が学校を占拠し、軍と銃撃戦となった。軍が撃退し負傷者はなかったとするが、人質を取られたとの情報もある。

　約１９０キロ離れた同島マラウイで先月２３日から続く戦闘が“飛び火”した格好だ。

　軍によると、マラウイの戦闘では今月２０日までに政府軍の兵士ら６６人、市民２６人、過激派２８６人の計３６０人が死亡した。２０万人以上が避難し、食料や衛生状態の悪化による死者も出ている。

　空爆を続ける軍に対し過激派約百人が市内要衝の占拠を続け、市民ら約百人を「人間の盾」にしているという。

　マラウイの戦闘を主導するのは、新興過激派「マウテ・グループ」。中東留学経験者のマウテ兄弟がＢＩＦＦなどのＩＳ支持者と、東南アジア版「イスラム国」樹立を画策しているとされる。

　死亡した過激派の中にインドネシアなどの周辺国に加え、サウジアラビア出身者もいた。シリアなどで劣勢のＩＳがマラウイを拠点に東南アジアで勢力拡大を狙っている節がある。

　ＡＰ通信は、マウテ兄弟のアジトに残されたスマートフォンから軍が見つけたとする動画を配信した。

　交戦開始の数日前、同兄弟が綿密な襲撃計画を立てていた秘密会議の中心には、別の過激派「アブサヤフ」のハピロン容疑者がいた。ＩＳから東南アジアの指導者に認定され、米国も懸賞金をかけ行方を追う大物だ。

　ＩＳからの資金などの流入に加え、強固な組織力が軍の想定を超える抵抗につながっている可能性がある。

http://www.sankei.com/world/news/170621/wor1706210051-n1.html

【イスラム国（ＩＳ）】なぜ東南アジアで勢力拡大？　ＳＮＳで思想拡散

　【シンガポール＝吉村英輝】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」（ＩＳ）が、東南アジアで勢力を拡大している。戦闘が続くフィリピン南部では、多数派であるイスラム教徒の各勢力が長年、独立闘争を続けてきた。

　そこへ、急速に普及したソーシャルメディアにより、中東発のＩＳ思想が拡散。スマートフォンなどを駆使して周辺国のイスラム過激派が結びつきを強め、国境をまたいだ活動を活発化させている。

　フィリピン軍は今月、フェイスブックに、イスラム過激派が利用する６３以上のアカウントの閉鎖を求めた。ＩＳによるプロパガンダの急速な拡大に、悪用されているためだ。

　国民の９割がイスラム教徒のインドネシアでは、ＩＳがネットを駆使して洗脳・勧誘を行い、「全国に下部組織を潜伏させている」（軍首脳）。約４００人がシリアへ渡ったが、監視が厳しくなり、一部がフィリピンにも流入したようだ。

　また、東南アジアのＩＳ指導者とされるフィリピン人の後継には、マレーシア人指導者が“内定”しているといわれる。ＩＳが、地域各派の「忠誠」を利用し、統率と扇動に成功している実態がうかがえる。

　フィリピンとインドネシア、マレーシアに囲まれた海域は、各国の警備が手薄で、密輸や密航が横行していた。ＩＳも武器や戦闘員の移動に利用しているとされる。３カ国は１９日、この海域で合同パトロールを開始し、ＩＳの封じ込めに本腰を入れ始めている。

http://www.sankei.com/world/news/170621/wor1706210054-n1.html

http://www.sankei.com/images/news/170621/wor1706210051-p1.jpg
２１日、フィリピン・ミンダナオ島で行われたフィリピン軍と新興過激派「マウテ・グループ」側との戦闘（ロイタ－）
http://www.sankei.com/images/news/170621/wor1706210051-p2.jpg
フィリピン南部ミンダナオ島のマラウイでの空爆後に上がる煙＝２０日（ロイター）

【フィリピン】ＩＳ系武装勢力、ミンダナオ島を拠点化 戒厳令後の死者３６０人 市民ら約百人を「人間の盾」に[6/21]

【フィリピン】ＩＳ系武装勢力、ミンダナオ島を拠点化　戒厳令後の死者３６０人　市民ら約百人を「人間の盾」に[6/21]