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【国際】米韓共同声明にメディアが報じない「隠し文言」、韓国は米中の板挟みに 朝日新聞ソウル支局長[8/03]

1 :ねこ名無し ★@\(^o^)/:2017/08/03(木) 22:42:10.53 ID:CAP_USER.net
 北朝鮮が7月28日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射すると、トランプ大統領と安倍首相は非難の声明などを発表、中でも韓国の文在寅大統領は、従来、配備に慎重姿勢をとってきた米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)について発射台の追加配置を米国と協議するよう軍に命じた。

 「北朝鮮寄り」「中国重視」との指摘を受けてきた韓国の文政権だが、実は6月末の文大統領の訪米で事態が大きく転換していた。

 韓国政府が説明せず、韓国メディアも沈黙しているが、その時の米韓共同声明には「過去の保守政権も絶対に受け入れなかった」という“隠し文言”が盛り込まれていた。

 悪化していた米韓関係は一気に、修復されたが、これに中国が反発する第二幕が展開されている。北朝鮮の武力挑発が続く中、日米中韓の水面下の外交ゲームも丁々発止が続いている。

米韓共同声明に「隠し文言」 南シナ海領有問題で中国牽制

 「過去、9年間の保守政権ですら、受け入れなかった文言が並んでいた」(元韓国政府高官)。6月30日、米トランプ大統領と文大統領のワシントンで行の首脳会談から7時間余り後。発表された共同声明を見て、少なからぬ韓国の元外交官や元高官らが仰天した。

 さらにこの文言が、約1週間後に控えていた中韓首脳会談を緊迫したものにする。

 共同声明のその文言とは、「両国はアジア太平洋地域での規範を基礎とした秩序を支持する」(United States and the ROK will work together to support and uphold the rules-based order in the Asia-Pacific region)という部分だった。

 「rules-based orderは、自由民主主義を意識した米国が中国を強く牽制する表現。

 日米では珍しくないかもしれないが、韓国は中国の北朝鮮に対する影響力を考えて、これまで受け入れたことはなかったし、オバマ政権もそれほど強く要求してきたことはなかった」と別の元高官もこう指摘する。

 「おそらく、南シナ海の領有権問題などで台頭してきた中国の軍事力への警戒感と、北朝鮮政策で協力しない中国への不快感が、トランプ政権を突き動かしたのだろう」

 中国の動きを牽制することを狙って、米国が韓国側に強く迫って、盛り込んだものだといわれている。

 韓国政府の関係者は、この文言が入った背景を「規範を基礎とした秩序と言えば、北朝鮮に向けた言葉とも言えるから」と“釈明”する。

 だが、同じ共同声明の中で、別の段落では(北朝鮮に対する)日米韓の安全保障協力も強調していた。元高官の1人は「二つの段落を組み合わせれば、どの国を念頭に置いたものか、明々白々じゃないか」と語る。

 文政権が米国との関係修復に一気に舵を切ったことにも驚きが拡がった。

 「米中関係がこんなに悪いのかと驚いたし、何よりもこんな言葉をよく文在寅政権が受け入れたものだとさらにびっくりした。韓国が譲歩したものはあまりに巨大だ」と、別の元高官は語る。

 「たかだか、文章。そんなに重いのでしょうか」と私が意地の悪い質問をすると、元高官の1人は首を振った。「首脳の共同声明は非常に重い。後でごまかせば、その国の信頼が大きく損なわれる。韓国はこれから、この声明を証文にして、米国から中国に対する安保協力を繰り返し求められることになるだろう」。

 なぜこのような米国側の利害を重視した「非対称な取引」(元高官の1人)が成立したのか。

「THAAD」配備で溝 関係修復に韓国側が譲歩

 「韓国側は焦っているように見えた」。米国側の関係者は、首脳会談前の韓国政府の様子についてこう振り返る。

 米韓関係は米国の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)配備を巡って荒れ模様だった。

 発端はトランプ大統領の発言だった。4月27日、THAADの費用について「韓国側が支払うのが適切だと(韓国政府に)伝えている。10億ドル(約1112億円)のシステムだ」と発言。慌てた韓国側の要請で、米韓両政府が「兵器の費用は米国の負担」とした従来の合意を確認する騒ぎになった。

http://diamond.jp/articles/-/137351

>>2以降に続く)

2 :ねこ名無し ★@\(^o^)/:2017/08/03(木) 22:42:29.63 ID:CAP_USER.net
>>1の続き)

 文政権も米国に応酬するかのように、THAAD配備をする前には環境影響調査を実施すると宣言。調査は1〜2年かかると見られ、朴槿恵・前政権が確約していた「遅くとも年末までの全面稼働」を破るかのような動きを見せた。

 こうした動きが米国側をさらに苛立たせた。

 「文在寅氏が大統領選中から否定的な動きを見せていた国際合意は3つあった。日韓慰安婦合意、日韓GSOMIA、そしてTHAADを巡る米韓合意だ。世論の支持を得るため、一つは生け贄になると思っていたが、THAADに矛先が向くとは」。米政府関係者の1人はこう語っていた。

 米国側の不信感は首脳会談を控えて韓国にも伝わった。

 文大統領は、北朝鮮への融和姿勢を見せてはいたが、一方で、当初から、米韓同盟を重視する姿勢を打ち出していたし、肝心の北朝鮮も、話し合いに乗ってくるような様子もなく情勢は極めて厳しい。ここで米韓関係の混乱は避けたいというのが韓国側の本音だった。

米国が中国牽制求める 韓国は安保協力で新たな「重荷」

 米韓首脳会談に向けた実務協議。

 韓国側は米国に対し、「とにかく、文在寅・トランプ両大統領の強固な信頼関係を演出したい」と強く要請した。

 米国側が「じゃあ、ゴルフでもやりますか。トランプ大統領はゴルフが好きだし、個人的な関係を演出するにはもってこいですよ」と持ちかけると、韓国は「文大統領はゴルフはやらないです」と回答。

 困った米国が、ホワイトハウスの迎賓施設「ブレアハウス」への3連泊や、夕食会でのメニューに韓国の家庭料理「ビビンパプ」を加えるなどの配慮も示した。

 こうした細かい演出の打ち合わせから始まり、議題をどうするかが重要だった。

 韓国側はとにかく、「面倒なTHAADは会談の議題に載せてくれるな」との一点張りだったという。南北関係の主導権を韓国が握ることを米国に認めて欲しいという強い希望もあった。

 米側も、トランプ大統領がむしろ、米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉に強い関心を見せたことから、これを了承。だが代わりに持ちかけてきたのが、「rules-based order」と「日米韓協力」を共同声明に盛り込むことだったという。

 これについて、韓国大統領府と外交部は鳩首協議をしたが、結局、受け入れることで合意したという。韓国元政府高官の1人は「おそらく、青瓦台(大統領府)はこの表現の持つ意味を十分、理解していなかったのではないか」と語る。

 だがこの「隠し文言」は、米国にとっては、東アジアの安全保障で大きな収穫を得ることになる一方で、韓国にとっては対中国外交での「足かせ」になる可能性もある。「首脳会談の成功を焦った韓国側の失策」とも言われる所以だ。

 南シナ海では、中国によるレーダー施設や滑走路の建設が進み、東南アジア諸国の抵抗もなかなか実を結ばない。オバマ政権が始めた「航行の自由作戦」は、トランプ政権になって「より柔軟かつ頻繁に行われる」との見方も出ているが、中国の動きを止めるに至っていない。

 苛立ちを強める米国が、更なる協力を日韓など地域の同盟国に求めてくる可能性は高い。トランプ氏の「THAAD10億ドル」発言もその動きを示した一つの現れといえる。

 在韓米軍は今年末までに、主要な機能をソウル南方の京畿道平沢に移す。これは、これまで北朝鮮軍の脅威にのみ備えてきた在韓米軍を、中国の南シナ海などへの海洋進出などを念頭に、他の地域での紛争にも柔軟に活用するという米戦略の一環だ。

 米韓首脳共同声明は、韓国にとって大きな「重荷」になるだろう。

文大統領の訪米発言に中国反発 一時は首脳会談、訪中を拒否

 韓国大統領府は共同声明発表後、韓国記者団に声明の意義について詳しい説明資料を配ったが、この文言に関する言及は全くなかった。

 元高官の1人が苦笑する。「メディアは一番だましやすい相手だからね」。

 だが米韓関係修復の意味を敏感に感じ取った国がある。一週間後の7月6日に文大統領と、習近平国家主席との首脳会談を控えていた中国だ。

 首脳会談までのほぼ一週間の間、中韓両国の実務者レベルの協議で、中国側は、中国が射程距離内に入るTHAADを巡る文大統領の訪米時の発言に激しく反発したという。

 THAADの韓国配備を巡っては、米国が年内の配備完了を要求。韓国は配備の撤回を求めていたが、文大統領が訪米した際、面会した米議会の関係者らからTHAAD配備を巡る韓国側の姿勢に強い懸念が噴出した。

(続く)

3 :ねこ名無し ★@\(^o^)/:2017/08/03(木) 22:42:45.21 ID:CAP_USER.net
(続き)

 文氏は何度もタジタジとなり、「環境影響調査をやるが、配備を意図的に遅らせることはしない」「調査は韓国の主権の問題(米国はもちろん中国の影響も受けないという意味と思われる)」などと語り、何とか米側の理解を取り付けた。

 当時、こうした発言や米韓共同声明について、韓国の外交関係者の間では「おそらく中国が大きく反発するだろう」(魏聖洛・元駐ロシア大使)といった声が出ていたが、まさに、中韓実務協議はこの予言を的中させる展開となった。

 中韓関係筋によれば、中国側は「文氏の訪米時の発言に深く失望した」と強く非難。THAADを配備しないよう改めて求めることはもちろん、もし、文氏が訪米時の発言を繰り返す考えであれば、中韓首脳会談の開催は難しいとの考えも示したという。

 さらに中国側は、文大統領の訪中についても「拒絶」したという。

 中韓両政府内ではそれまで、8月24日の「中韓国交正常化25周年」に合わせて、文大統領が8月中旬にも訪中することが望ましいとの意見が出ていた。だが、中国側は実務協議のなかで「8月の訪中受け入れは難しい」との考えを韓国に伝えてきたという。

 中国側は理由を特に明示しなかった模様だ。

 韓国内では、自らを納得させるかのように「秋の中国共産党大会に備えて多忙なのかもしれない」という理由を語る人もいる。だが、突然、中国側が冷淡になった姿勢の変化を考えれば、文氏の訪米が大きく影響したと考えるのが自然だ。

 中国はもともと、アジアでの中国の存在感や主導権を誇示する狙いから、文氏が訪日する前に、何が何でも訪中させるという思惑の下で対韓外交を展開していた。夏の日本での日中韓首脳会談開催に難色を示したのもそのためだ。

 だがその戦略を一時棚上げしてでも、自分たちの怒りの激しさを示す必要があると考えたようだ。

首脳会談で習主席に「とっちめられた」文大統領

 結局、習主席と文大統領は7月6日、初めての首脳会談に臨んだが、習氏は「韓国側が問題を適切に処理し、関係改善のために障害を取り除くことを望む」と、THAADの配備撤回を求めた。

 文氏は会談後、「THAADを巡る意見の相違は解消されていないが、その他は習氏と食い違いはなかった」と、強調。

 だが、会談では、口調こそ淡々としていたものの、習氏が20分近く、自説を述べる場面もあったという。

 その間は、文氏が時折、ごく短いコメントを付け加えるだけで、「まさにコーナーに追い詰められて、とっちめられた」(外交筋)という展開だったという。

 ただ、幸か不幸か、中国側はこの一連のやりとりのなかで、文氏が米国に約束した「rules-based order」についての反応は示さなかった。

 これには様々な解釈があり、「米韓がアピールしないので、中国も見落とした」「さすがに面と向かって規範を基礎とした秩序に反発するのは恥ずかしいと判断したのだろう」などの声が韓国内で出ている。

 韓国政府はこの会談について「大成功。会談が終わった瞬間、拍手した出席者もいたほどだ」と自画自賛したが、内実は薄氷を踏むような展開だった。

 韓国政府の元高官の1人はこう話す。「中国が、文大統領の訪米によって『韓米日協力』が進展したと判断しているのは間違いない。今後、文政権に様々な圧力をかけてくる可能性が高い」。

 それには中国に進出した韓国企業への嫌がらせや韓国を訪れる中国旅行客の制限といった強硬策も考えられる。だが一方で、中国は首脳会談で、南北対話を進めたい文政権の政策を支持する考えも表明。

 日米などが南北朝鮮間の対話を邪魔すべきではないという考えも示し、硬軟取り混ぜて「韓米日協力」の離間を図ろうという戦略がにじみ出ている。

「日米韓」の連携は深まったが米中の綱引きに翻弄される恐れ

 こうした中で、北朝鮮はミサイル発射実験をやめる風はなく、むしろ武力挑発はますます激しさを増すと思われ、南シナ海を巡る権益争いも続く。

 米韓首脳会談で、文大統領に連携強化を迫った米国の巻き返しに焦った中国が、韓国に高圧的な態度に出たことが、逆に「日米韓体制」がさらに固まる契機になりつつある。

 だが北朝鮮への対応を話し合いながら、一方では米中の間では、南シナ海領有問題や中国の海洋進出、貿易不均衡問題などの火種がくすぶる。

(続く)

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