【北朝鮮】金正恩氏の「サッカーボール１人１個」構想、宙に浮く[10/18]

ねこ名無し ★

北朝鮮の金正恩（キムジョンウン）朝鮮労働党委員長が最近、国内すべての児童・生徒にサッカーボールを１個ずつ支給するよう指示した。北朝鮮関係筋が明らかにした。体育を国威発揚に結びつけ、国民の支持を得る狙いがある。だが、国際社会の制裁強化で、正恩氏の指示は宙に浮いたままになっている。

北朝鮮の義務教育制度は幼稚園１年、小学校５年、初級中学校３年、高級中学校３年の１２年制で、このうちの大半への支給を目指しているとみられる。必要なボールは１００万個以上になる見通しだ。

正恩氏は全国にスキー場や乗馬場、ローラースケート場などを新設。２０１２年１１月に国家体育指導委員会を創設し、体育行政に力を入れてきた。

特にサッカーは、１６年のＵ１７（１７歳以下）女子ワールドカップ（Ｗ杯）で優勝し、男子も１０年のＷ杯南アフリカ大会に出場するなど、人気と実力を兼ね備える。１３年５月に平壌国際サッカー学校を開校。

今年３月の第１期生の卒業式では、崔竜海（チェリョンヘ）党副委員長が「最高水準で学んだ技術を発揮し、国際試合で朝鮮の国旗をはためかすべきだ」と激励した。

ただ、０５年から北朝鮮サッカーを支援してきた韓国南北体育交流協会の金慶星（キムギョンソン）理事長によれば、北朝鮮はサッカー関連製品のうち、ユニホームは生産できるが、特殊な技術が必要になるボールやシューズの生産は不可能という。

金氏らは平壌にサッカー用品を生産する工業団地を建設する方向で北朝鮮と協議していたが、韓国が１０年５月に決めた独自制裁措置で頓挫した。今年５月の文在寅（ムンジェイン）政権誕生で、再び支援の機運が高まったが、北朝鮮の相次ぐ挑発で支援のめどは立っていない。

韓国政府によれば、オーストラリア政府は、サッカーのＵ１９（１９歳以下）北朝鮮代表チームの入国拒否を決めた。１１月にＵ１９アジア選手権予選が豪州で開かれるが、北朝鮮の核ミサイル開発を理由に入国を拒否することにしたという。（ソウル＝牧野愛博）

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