【慰安婦問題】「慰安婦」の責任回避する社会は平時の性暴行にも免罪符～軍隊とジェンダー研究者、中村江里氏に聞く[12/12]

蚯蚓φ ★

今年6月、日本では110年ぶりに定期国会で性犯罪に関する刑法が改正された。性犯罪を強力に処罰する方向で改正されたわけだが、相変らず強姦罪が成立するところに「暴行、脅迫」要件を残しており限界が大きい。

刑法改正が議論された頃、20代のある女性アナウンサーが親政権指向で知られた50代男性ジャーナリストによって酔中性暴行にあったと明らかにした。この事件で性暴行を告発した当事者は警察の調査で人権侵害的質問を受け、容疑者は逮捕されないなど公権力の非常識な対応により多くの議論がおきた。

このような中、性犯罪の被害を訴える人の声を聞こうとしない日本社会の姿を歴史的観点から批判する声が提起され注目される。

一橋大学特任講師、中村江里氏は日本社会の性犯罪に対する見解は日本軍「慰安婦」問題の責任を回避してきた歴史と関連があると診断する。中村氏(1982年生まれ)は近代日本の軍事精神医療と軍隊とジェンダーを研究し、今年末に<戦争とトラウマ-不可視化された日本兵の戦争神経症>(仮題)という本を出版する予定である。

以下は「性暴行被害者の声を握りつぶしてきた戦後日本社会」を分析した中村氏の文だ。

12.28韓日日本軍「慰安婦「合意の余波

性暴行被害者の声が黙殺され加害者の多数が免責される現代社会の構造は日本軍「慰安婦」問題について加害国としてきちんと責任を負わなかった戦後日本社会の姿と根底で連結されていると考えます。

1991年韓国人元「慰安婦」キム・ハクスン、ハルモニが自ら声をあげた後、市民運動と歴史研究者、生存者の声に耳を傾けながら明らかにした被害実態は、これを否定する側の攻撃で歴史教科書から削除されてしまいました。そのため、大多数の学生は大学入学前にこれを全く習えなかったり、インターネットなどに氾濫する誤った情報に接しているのが現実です。

日本政府は日本軍の介入と法的責任を明確に認めるのは勿論ですが、歴史教育を通じて国民が実態を正しく理解できる環境を用意しなければならない責務を負っています。しかし、日本軍「慰安婦」問題の「最終的かつ復帰不可能な解決」を宣言した2015年12月28日の韓日両国政府間「合意」は全く反対の方向性を持っています。

日本で日本軍「慰安婦」研究の第一人者と言える吉見義明氏は今回の「韓日合意」は相変わらず「慰安婦」問題の責任主体が曖昧で、再発防止措置についてまったく言及がなかった点で歴史教育の役割を明示した河野談話(1993年)より後退したと評価します。

日本政治家らの「慰安婦」問題をめぐる「妄言」の回数と被害当事者に対する攻撃は最近20年間ますます激しくなっています。このような状況を見ると、私は戦時性暴行問題を戦後社会のジェンダー秩序と連続線上に置いて注目する必要があると痛感します。

ここではアジア・太平洋戦争での敗戦とそれに続く米軍占領など、日本男性の「男性らしさ」が危機に瀕した時代に目撃された「戦争と男性のセクシャリティー」に関する議論を紹介しようと思います。
（後略）

ソース：イルダ(韓国語) 「慰安婦」責任回避する社会は性暴行も免罪符
http://www.ildaro.com/sub_read.html?uid=8074&section=sc4

【慰安婦問題】 「慰安婦」の責任回避する社会は平時の性暴行にも免罪符～軍隊とジェンダー研究者、中村江里氏に聞く[12/12]

【慰安婦問題】「慰安婦」の責任回避する社会は平時の性暴行にも免罪符～軍隊とジェンダー研究者、中村江里氏に聞く[12/12]