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【コラム】日本の自営業にあって韓国にはない「天下一」精神

2 :動物園φ ★:2018/08/05(日) 08:02:45.92 ID:CAP_USER.net
20年前に住んでいた東京・大田区にはロケットの上端部を作る小さな工場があった。社長と従業員十数人という町工場だった。大気圏を貫き、宇宙に飛び出すロケット上端部の微妙な曲面が工場経営者の匠の技で完成した。社長が大きな棒で曲面をならす手作業は原始的で印象に残った。その原始性には標準化できない技術の微妙さが隠れている。飲食店や製造業の生命線は大資本のカネでもまねできない独創性にある。

 丁酉再乱(慶長の役)の際に日本に連行された儒学者、姜が当時の日本について書いた「看羊録」にこんな一節がある。「日本はどんな才能、どんな物であっても必ず天下一を掲げる。壁塗り、屋根ふきなどにも天下一の肩書が付けば、多額の金銀が投じられるのは普通だ」というものだ。つまり、つまらない技にも「天下一」があり、それが認められると権威となり、報酬が支払われることを言っている。日本の自営業は400年以上、そうした土壌で成長した。そんな日本の自営業ですら、人口減少、高齢化、新世代の価値観変化で縮小しているという。

 韓国の自営業は日本に比べ深く根付いてはいない。ならばもっと関心を持って応援すべきだが、反対に向かっている。大規模資本の独占を非難しつつ、どんな分野でも大企業の商品を好む。首都圏の店舗賃料は日本を上回り、賃金も日本の水準に近づいた。資本、地主、政府が同時に自営業を攻撃する。こんな政府が自営業担当の秘書官を青瓦台(大統領府)に置くのだという。ポスト一つを設けることで、大企業やビルオーナーに矛先を向けるのではなく、最低賃金をまず韓国に適した水準に合わせるべきだ。

 それでも本質は実力だ。飲食店に行けば、主人の多くは調理場ではなくレジにいる。人気エリアには内装にばかり凝ったおしゃれな店が立ち並ぶ。町工場は独創性よりも低賃金に死活を懸ける。韓国の自営業には匠は少なく、経営者ばかりが多い。見下して言っているわけではない。相対的にそうだと言っているのだ。上の世代は日本に行けば、ソニーの電子製品を購入した。最近の世代が日本に行って感動するのは、日本の自営業がつくり出した小さな「天下一」だ。環境がいくら劣悪でも本質を無視してはならない。

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