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訪日中国人のカネは日本に落ちない?中国本土へ吸い上げる「囲い込みモデル」の貪欲 [11/25] [昆虫図鑑★]

1 :昆虫図鑑 ★:2023/11/25(土) 16:04:36.66 ID:duS5HwCG.net
(略)

一匹の龍のように産業チェーンをつなげる中国資本

 コロナ禍前のインバウンドでは、多くの中国人訪日客を乗せたクルーズ船が日本各地の港に着岸した。筆者もコロナ禍前に鹿児島港を訪れたが、そこで驚かされたのは、下船して上陸してくる訪日客を待ち構えるのは中国系の旅行会社やバス会社で、従業員のほぼ全員が中国人だったということだ。

 このような現象について中国事情に詳しいエコノミストは「観光バスに乗車した団体訪日客が、中国資本の飲食店や免税店などに連れていかれるのがそうであるように、日本に上陸した中国人訪日客を自分たちのエコシステムの中で完全に囲い込むのが中国系の特徴です」と語る。

 クルーズ船のチャーターに始まり、バス会社や免税店、ホテル、飲食店と川上から川下までの行程で中国人訪日客を一網打尽にするビジネスモデルは「一条龍(イーティアオロン、一匹の龍)」と言われる。このようにして日本のインバウンド市場は、数社の中国系大手旅行会社とその下にぶらさがる中国系サービス業者が、日本の市場を一網打尽にした。

 さらに驚くべきは、こうした中国系旅行会社は日本だけでは飽き足らず、海外にもネットワークを拡大させていることだ。

 インバウンド向けのホテル事業に携わる大鹿淑子さん(仮名)は「東南アジアはもとより、アメリカやカナダの在外華僑を訪日旅行に送り込んでいるのは、今や現地の旅行会社ではなく中国資本の旅行会社です」と明かしている。

 日本に到着した訪日客の消費を先取りして商品化する「一条龍」には、航空券とともに空港到着後の出迎え交通手段を販売する“白タクサービス”も含まれる。「友人を迎えに来ただけだ」との言い訳で、白昼堂々と横行する違法行為を警察が取り締まれないでいるのは既報の通りだ。

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 コロナ禍前の中国人訪日客による「爆買い」は、日本製品に対するニーズの強さを証明していた。訪日の爆買いと連動して注目を集めたのが「日中越境EC」という新たなビジネスであり、これには日本の物流企業も新たな商機を模索した。

 しかし、残念ながら日本の物流企業の新規ビジネスにはなり得なかった。都内に本社を持つ物流会社に勤務する前田康さん(仮名)は話す。

「アリババやジンドンなどが構築する巨大モールに送られる日本からの新たな物量を期待しましたが、すでに中国の物流企業が日本に乗り込んでおり、結局のところ積極的な拡大ができませんでした」

 事業化を思い立ったときには、すでに子会社に航空会社を持つ中国の民間物流企業が、日本での小口貨物の国際宅配便に参入していた。中国系の国際宅配便は最近、都内でも集配拠点を置き始めたが、荷物をかき集めるために、末端の顧客に提示する金額は郵便局が扱うEMS(国際スピード郵便)の半額以下だ。

 日本製品のニーズがありながら日本の物流企業が新市場に食い込めなかった理由はひとつではないが、前田さんは「なんでも自前でやろうとする中国資本の勢いには歯が立たない」と話す。

訪日中国人の買い物は中国系宅配便業者が配達する

 前回の当コラムでも触れたが、大阪観光の核である道頓堀の両サイドを埋めているのは中国系の店舗である。確かに土産物屋も免税店も一目見ればそうだとわかる。

 大阪で生まれ育った田中リュウさん(仮名)は筆者を道頓堀に案内しながら、「中国資本による道頓堀界隈の店舗進出は非常に顕著です」と話していた。

 道頓堀の近くには、中国系の国際宅配便業者が密集するエリアがあり、中国人訪日客が購入した土産物を祖国へ宅配している。日本の業者を極力介さずに、製造・輸出・販売・宅配まで、自分たちのネットワークで固める“自前化”は私たちが想像する以上に進んでいるようだ。

 ツーリズムのみならず、国外からのヒト・モノ・カネが入ってくる「インバウンド」は、イノベーションの創出や活力の取り込みから、地域経済や日本経済全体を活性化させるという期待が込められていた。

 その一方で、中国人訪日客をターゲットにした市場について言えば、20年の歳月とともに「中国資本による囲い込み」が進み、「日本企業はせいぜいそのおこぼれにあずかる程度」(大阪市内の物販事業者)とも言われるようになった。

 ポストコロナのインバウンド市場では、日本企業も中国依存度を低めてはいる。その一方で日本資本が背を向ける市場では、中国資本による寡占化がいっそう進む予感もある。「日中ビジネスのウィンウィンな関係」という言葉は過去に好んで使われたものだったが、実際はそうはなりにくいという現実が見えてくる。

(「China Report」著者 ジャーナリスト 姫田小夏)
https://diamond.jp/articles/-/332853

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