10兆ウォン保有「韓国の日本株投資家が待ちこがれる円高はかなり待たなければならなさそうだ」元日本銀行国際局長 [2/7] [ばーど★]

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今年も日本株の騰勢が続いている。１月の１カ月だけで日経平均は１０％ほど上がった。日本株投資がテーマとしての位置を確立した。東京証券市場の強勢とともに円建て貯蓄も早く増えている。１０兆ウォン相当を超える円建て貯蓄が貯まっている。これはいつでも東京証券市場で株式に替えられる資金だ。実際に最近は円で米国債上場指数ファンド（ＥＴＦ）を買う市場参加者も少なくない。

変数は円相場だ。円が下がれば為替差損で投資収益が減る。反対に上がれば為替差益を得られる。日本株投資家らは円の価値がはっきりと上昇する「その日」を待ちこがれている。最近の円相場は日本の経常収支など実体経済変数より日本銀行の通貨政策にさらに敏感だ。長井滋人元日本銀行国際局長とオンラインインタビューした理由だ。現在彼は英国の経済分析会社であるオックスフォードエコノミクスの日本代表だ。

――円安はいつまで続くだろうか。多くの韓国人が円と日本証券を大挙買い入れているが。

「最近の円安は経常収支状況よりは日本銀行の通貨政策が米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）と欧州中央銀行（ＥＣＢ）など主要国の通貨政策と比べ緩和的なのが最大の理由だ」

――植田和男日本銀行総裁が就任後に始めた既存の通貨政策の再評価作業が終われば変化があるというのが一般的な予想だが、再評価作業が予想より長引きそうだ。

「私も再評価作業が２０２３年秋には終わると思った。しかし２０２４年上半期まで続く見通しだ。日本銀行がセミナーとワークショップなどを開いて２０００年代初めに量的緩和を始めてから２０年以上にわたり続いた異常な通貨政策が産んだ結果を再評価している。しかし再評価作業とマイナス金利政策終了などとは関係がない」

◇今年の春闘が円相場のカギ

（略）

――円相場を事実上決める日本銀行の通貨政策で春闘が重要な変数とは知らなかった。

「日本経済は製造業を土台にした輸出経済だ。ところが最近３０年ほど日本は安い労働力を基に中国などの挑戦を受けた。日本の労働者は生涯の職場を維持するために賃金据え置きを受け入れた。労働者が最高経営責任者（ＣＥＯ）のように考え会社の生き残りを心配した計算だ。そのためにデフレ圧力が大きくなった。振り返ってみれば賃金を据え置くべきではなかった。賃金が停滞したためにインフレ期待心理が芽生えなかった。日本銀行が積極的に通貨を緩和してもインフレ期待心理が大きくならず物価上昇につながりにくかった」

◇「通貨政策変化がそのまま緊縮ではない」

――これからは少し変わるだろうか。

「２０２４年５月の春闘を経て賃金が上がればインフレも高くなるかもしれないという『幸せなシナリオ』が日本で出回っている。だが賃金が上昇しても市場が期待したほど幅が大きかったり上昇速度が速かったりはない見通しだ」

――日本銀行の再評価作業が終われば円安が幕を下ろすだろうか。

「上半期中に日本銀行の再評価作業が終わるからとすぐに通貨政策正常化が始まるのではない。再評価作業が国債利回り管理をいつ終わらせ、マイナス金利政策をいつ終えるのかを確かめるものではないためだ」

――韓国の専門家は２０２４年春に日本銀行の通貨政策が変わるとみているが。

「植田総裁は国債利回り変動幅を年１％まで拡大した。通貨政策変化はすでになされている。先ほどマイナス金利政策を終わらせることも再評価作業に入っていないと述べた。これは再評価作業とは別個にマイナス金利政策を終了できるという話だ。多くのエコノミストは今春に植田総裁らがマイナス金利政策を終わらせるとみている。しかし日本銀行がマイナス金利政策を廃止するからとすぐに金利を引き上げはしない。今後２～３年間はゼロ金利政策が続く見通しだ」

――韓国の投資家が円を１０兆ウォン相当以上保有しているが、どれだけ待たなければならないだろうか。

「ＦＲＢが政策金利を引き下げ日本銀行がマイナス金利政策を終わらせれば円相場は徐々に上がる見通しだ。速くは上がらないだろう。２０２４年に１ドル＝１３１～１３５円台で動く可能性が大きい。韓国の投資家が神経を尖らせる対ウォンの円相場上昇率はドル基準より低い可能性がある。私が（韓国など）海外投資家に助言するならば円相場上昇を期待するのは妥当だ。だがかなり長い間待たなければならないようだ。また、日本銀行の通貨政策のほか地政学的変数なども予測しにくい状況だ」。

中央日報日本語版2024.02.06 11:17
（1）https://japanese.joins.com/JArticle/314707
（2）https://japanese.joins.com/JArticle/314707