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【儒教】孔子の哲学【論語】

1 :小魔玉  ◆.c.c.k.k.. :2012/02/14(火) 01:11:11.08 0.net
今から2500年前に五常(仁、義、礼、智、信)と五倫(父子、君臣、夫婦、長幼、朋友)を以って
理想社会の実現を夢み、独自の哲学を持っていた孔子の教えを色々な視点から議論するスレです

357 :考える名無しさん:2013/05/01(水) 08:40:23.09 O.net
南容三復白圭 孔子以其兄之子妻之


南容三たび白圭を復す。孔子、その兄の子を以てこれに妻あわす。


貴族の南容さんは暇さえあればお気に入りの白圭の歌を口ずさんでいた。

白い玉がかけちまった哀しみは
磨けばなんとでもなるもんさ♪
失言しちまってやっちまったもんは
もうどうしようもないもんさ♪

美声に感心したかは知らないが貴族の南容さんと
お兄さんの娘を先生は後に結婚させたのだった。

358 :考える名無しさん:2013/05/02(木) 09:06:45.05 O.net
顔淵死 顔路請子之車以爲之椁 子曰 才不才 亦各言其子也
鯉也死 有棺而無椁 吾不徒行以爲之椁 以吾従大夫之後 不可徒行也


顔淵死す。顔路、子の車を以ってこれが椁を爲らんことを請う。
子曰く、才も不才も、亦らおのおのその子と言うなり。
鯉や死す。棺有りて椁なし。
吾、徒行して以てこれが椁を爲らず。吾が大夫の後に従えるを以て、 徒行すべからざるなり。


顔回さんが亡くなった時に、父親の顔路さんが先生にお願いした。
「外棺を作る為に、先生の車を下さい。それを解体して外棺にするですじゃ。」
「ちょ待てよ!」先生がキムタク風におっしゃった。
「才能のあるなしに関わらず、どんな子でも子はカワイイものじゃ。
しかしわしの子の鯉が死んだ時でさえ、通常の棺だけで外側の棺までは用意できなかった。
徒歩で出歩いてまでわしはそれを作らせなかった。
わしも大夫のはしくれであるから徒歩で出かけるわけにはいかぬのじゃ。
ならぬものはならぬのですじゃ。」
「先生そこをなんとかお願いしますじゃ。」
「いやいやダメですじゃ。」

359 :考える名無しさん:2013/05/03(金) 07:59:53.71 O.net
顔淵死 子曰 噫 天喪予 天喪予


顔淵死す。子曰く、噫、天、予を喪せり。天、予を喪せい。


顔淵さんが死んだ。
先生が言った。
「イーーーーーーーーーィィィ!
天によるわしへの完全終了のお知らせじゃわい!
ワシオワタorz」

360 :考える名無しさん:2013/05/04(土) 05:04:17.12 O.net
顔淵死 子哭之慟 從者曰 子慟矣 子曰有慟乎 非夫人之爲慟 而誰爲慟


顔淵死す。子これを哭して慟す。
從者曰く、子慟せり。
子曰く、慟することあるか。夫の人の爲めに慟するに非ずして、誰が爲めに慟せん。


顔回さんが死んだ!先生が泣いて身を震わせた。
従者が言った。
「先生が慟哭されてる!」
先生が言い返した。
「慟哭していたか!
あいつの為に慟哭しないで誰の為に慟哭するんだ!」

361 :考える名無しさん:2013/05/05(日) 08:33:21.17 O.net
顔淵死 門人欲厚葬之 子曰 不可 門人厚葬之
子曰 囘也視予猶父也 予不得視猶子也 非我也 夫二三子也


顔淵死す。門人これを厚く葬らんと欲す。
子曰く、不可なりと。門人厚くこれを葬る。
子曰く、囘やわれを視ること猶お父のごとくなり。
予は視ること猶お子のごとくするを得ざるなり。
我れにあらざるなり。かの二三子なり。


顔回さんが亡くなった。
兄弟弟子達が貧乏だった顔回さんの為に盛大な葬式をすることを望んだ。
先生は「ダメだ」と言って取り合わなかった。
しかし兄弟弟子達は先生の言うことを聞かずみんなでカンパして盛大な葬式をあげた。
先生が嘆息しておっしゃった。
「回ちゃんのワシを見る目は父を見るようであった。
しかしワシは子を見るように回ちゃんを見てやれんかった。
それはワシのせいじゃない。
このバカっぽい兄弟弟子達の面倒をみることばっかに時間を費やしてしまったからだ。」

362 :考える名無しさん:2013/05/06(月) 07:36:58.31 O.net
季路問事鬼神 子曰 未能事人 焉能事鬼 曰 敢問死 曰未知生 焉知死


季路、鬼神に事えんことを問う。
子曰く、未だ人に事うる能わずして、焉んぞ能く鬼に事えん。
曰く、敢えて死を問う。曰く未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。


子路さんがよせばいいのに先生に死者におつかえすることを聞いた。
「生きた人間にも立派に仕えることもできない者が、どうやって死者に仕えるというのかね。」
「それじゃ死とは何ですか?」
「生きることの全体を把握してない我々に、どうして死のことが把握できようか。」

363 :考える名無しさん:2013/05/07(火) 09:47:16.03 O.net
閔子侍側 ギンギン如也 子路行行如也 冉有 子貢侃々如也 子樂 若由也 不得其死然


閔子側に侍す。ギンギン如たり。子路、行行如たり。
冉有、子貢は侃々如たり。子樂しむ。
由やの若きは、その死を得ざるがごtく然かり。


閔子騫さんは先生の側にいて、中庸を得た様子である。
子路さんが厳めしい感じで、冉有さんと子貢さんはにこやかだ。
そして先生はいかにも楽しそうだ。
先生がふと呟いた。「子路ちゃんみたいなのは、畳の上では死にそうにないね。」

364 :考える名無しさん:2013/05/08(水) 07:35:07.77 O.net
魯人爲長府 閔子騫曰 仍旧貫如之何 何必改作 子曰 夫人不言 言必有中


魯人が長府を為る。閔子騫曰く、旧貫に仍らばこれ如何。何んぞ必ずしも改めて作らん。
子曰く、夫人は言わず。言えば必ず中たる。


魯の人々が新しく倉庫を増設した。
閔子騫さんが言った。
「昔からのしきたり通りで何が問題なのだろう。何で新しいものを作る必要があるだろう。」
先生がおっしゃった。
「あいつはものを言わないが、言えば必ず正しいことを言う。不要な箱物だよ」

365 :考える名無しさん:2013/05/09(木) 10:02:23.51 O.net
子曰 由之瑟 奚爲於丘之門 門人不敬子路 子曰 由也升堂矣 未入於室也


子曰く、由の瑟、奚ん爲れぞ丘の門においてせん。門人子路を敬せず。
子曰く、由や堂に升れり。未まだ室に入らざる也。


先生がおっしゃった。
「由ちゃんの琴は、あれは何だい。吾輩に習わず他でやって欲しいくらいだな。」
それ以降門人は子路さんを軽んじるようになった。
「語弊があったようだが、由ちゃんはお前達よりはよっぽどの腕前には達しているんだよ。
ただ奥義には達していないだけだ。」

366 :考える名無しさん:2013/05/10(金) 12:10:30.11 O.net
子貢問 師與商也孰賢 子曰 師也過 商也不及 曰 然則師愈與 子曰 過猶不及


子貢問う。師と商と孰れか賢れる。
子曰く、師や過ぎたり。商や及ばず。
曰く、然らば則ち師愈れるか。
子曰く、過たるは猶お及ばざるごとし。



子貢さんが先生に尋ねた。
「子張さんと子夏さんではどちらが優れてますか?」
「子張はでしゃばり。子夏は引っ込み思案過ぎ。」
「なら積極的過ぎるでしゃばりな方が優れてるでしょうな。」
「でしゃばりも引っ込み思案も中庸を得ていない点ではどちらも一緒じゃよ。」

367 :考える名無しさん:2013/05/11(土) 07:43:12.44 O.net
季氏富於周公 而求也爲之聚斂而附益之 子曰 非吾徒也 小子鳴鼓而攻之可也


季氏周公より富む。而して求やこれが爲めに聚斂してこれに附益す。
子曰く、吾が徒にあらざるなり。小子、鳴を鼓してこれを攻めても可なり。


魯の家老を務める季孫氏は天子の家老である周公より裕福となっていた。
しかしこのような余りある財政状態であるにも関わらず、
その家臣の冉求さんは職務に馬鹿熱心なのか出世に目が眩んだのかさらに税金の取り立てに邁進していた。
先生がおっしゃった。
「あいつはもう俺の弟子じゃないな。
諸君、太鼓を打ち鳴らしてアホの目が覚めるように、ボロクソ叩いても構わんのじゃぞ。」

368 :考える名無しさん:2013/05/11(土) 11:03:13.67 0.net
孔子祭行ってきたよー
先生若いギャルにも意外と人気あるね

369 :考える名無しさん:2013/05/12(日) 13:18:24.84 O.net
柴也愚 參也魯 師也辟 由也ガン


柴や愚。參や魯。師や辟。由やガン。


毒舌の先生が評するに
柴ちゃんこと子羔さんはバカ。
參ちゃんこと曽参さんはウスノロ。
師ちゃんこと子張さんは変人。
由ちゃんこと子路さんはがさつ。



孔子祭なんであるんですね〜ちょっと行ってみたいですね!

370 :考える名無しさん:2013/05/13(月) 08:10:45.62 O.net
子曰 囘也其庶乎 ル空 賜不受命 而貨殖 億則ル中


子曰く、囘や其れ庶きか。しばしば空し。賜は命を受けずして、貨殖す 億すれば則ちしばしば中る。


先生がおっしゃった。
囘ちゃんは仁に近いと言えるだろうね。しかし貧乏だったね。
子貢なんざ言われなくともせっせと金儲けしたというのに、
そしてよくあいつは投機に成功してた。

371 :考える名無しさん:2013/05/14(火) 19:44:56.81 O.net
子張問善人之道 子曰 不踐迹 亦不入於室


子張、善人の道を問う。
子曰く、迹を踐まず、また室に入らざるなり。



子張さんが善人の生き方を先生に尋ねた。
「古人の生き方を学ばないようでは、善人でも奥義には達しないよ。
善人であってもそれだけでは十分ではないのじゃよ、
修業が肝要なのじゃ。」

372 :考える名無しさん:2013/05/15(水) 09:32:55.40 O.net
子曰 論篤是與 君子者乎 色莊者乎


子曰く、論篤にこれ与れば、君子者か、色莊者か。



議論の誠実さだけでは、君子なのか、表面だけ取り繕っているのか判断できない。

373 :考える名無しさん:2013/05/16(木) 06:27:18.04 P.net
どんなに嫌な事があるからと言って他人の悪口を言ってストレスを発散しても因果応報で全て己に返ってきます。
けして平穏な心にはならず自分が更に追い詰められるだけです。
心底幸せと感じられる最大の努力をしましょう☆
私はバツイチで膝も痛みますが幸せですよ☆☆☆

ちひろっこ@787Rainbow(旧tamanahaa)

374 :考える名無しさん:2013/05/16(木) 12:26:28.09 O.net
子路問 聞斯行諸 子曰 有父兄在 如之何其聞斯行之
冉有問 聞斯行諸 子曰 聞斯行之
公西華曰 由也問 聞斯行諸 子曰 有父兄在 求也問 聞斯行諸
子曰 聞斯行之 赤也惑 敢問
子曰 求也退 故進之 由也兼人 故退之

375 :考える名無しさん:2013/05/16(木) 12:28:07.30 O.net
子路問う、聞けば斯ちこれを行わんか。
子曰く、父兄在す有り。これを如何ぞ其れ聞けば斯ちこれを行わん。
冉有問う、聞けば斯ちこれを行わんか。
子曰く、聞けば斯ちこれを行え。
公西華曰く、由や問う。聞けば斯ちこれを行わんか、子曰く、父兄在すあり。
求や問う、聞けば斯ちこれを行わんか。
子曰く、聞けば斯ちこれを行え。
赤や惑う。敢えて問う。
子曰く、求や退く、故にこれを進む。由や人を兼ぬ、故にこれを退く


子路さんが先生に聞いた。
「教えを聞いたらすぐ実践すべきでしょうか?」
「お父さんやお兄さんがいっらしゃるだろう。
まずお伺いを立ててそれから実践しなさい。」
冉有さんが同じ質問をした。
「教えを聞いたらすぐ実践した方がいいんでしょうか?」
「すぐ実践しなきゃダメだな。」
公西華さんか脇でこの問答を聞いて先生にその矛盾点について敢えて質問した。
「冉有は草食系なんだ。
子路は他人の分まで実践しようというくらいだから、ああいう風に教えた。」

376 :考える名無しさん:2013/05/17(金) 09:56:49.43 O.net
子畏於匡 顔淵後 子曰 吾以女爲死 曰 子在 囘何敢死


子匡に畏す。顔淵後る。子曰く、吾女をもって死せりとなせり。
曰く、子在り、囘、何んぞ敢えて死せん。



先生が匡の土地で陽虎に間違われて殺されそうになった時、顔囘さんは一行から遅れて後で合流した。
先生「おお、囘ちゃん生きてたか、見当たらないから殺されちゃったかと思ったよ。」
顔囘さんは安堵の笑顔で「先生が生きてる以上、私が早く死ぬわけにはいきませんよ!!」

377 :考える名無しさん:2013/05/18(土) 09:10:25.83 O.net
季子然問 仲由 冉求 可謂大臣與
子曰 吾以子爲異之問 曾由與求之問 所謂大臣者 以道事君 不可則止 今由與求也 可謂具臣
曰 然則從之者與
子曰 弑父與君 亦不從也


季子然問う。仲由と冉求とは、大臣と謂うべきか。
子曰く、吾子を以って異なるをこれ問うと為せり。
曾ち由と求とをこれ問えるか。所謂大臣なる者は、道を以って君に事え。不可なれば則ち止む。
今由と求は具臣と謂うべし。
曰く、然らば則ちこれに從う者か。
子曰く、父と君とを弑せんとすれば、亦た從わざるべし。



季子然様が先生におっしゃった。
「うちの子路と冉求は立派な臣下と言えるでしょうな。」
「もっと別の質問でもされるかと思いましたw、
子路と冉求の質問ですかw
所謂、大臣というのもな道によって君主に仕え、それでダメなら辞職するものです。
現在の子路や冉求などはただの数合わせの臣下みたいなもんです。」
「それじゃ二人ともイエスマンみたいなもんですかな。」
「そうは言っても父親や主君を殺すことに同意させたりはできませんよ。」

378 :考える名無しさん:2013/05/19(日) 08:07:25.46 O.net
子路使子羔爲費宰 子曰 賊夫人之子
子路曰 有民人焉 有社稷焉 何必讀書 然後爲學
子曰 是故悪夫佞者


子路子羔をして費の宰爲らしむ。
子曰く、夫の人の子を賊う。
子路曰く、民人有り。社稷有り。何んぞ必らずしも書を読みて、然る後に學ぶと爲さんや。
子曰く、是の故に夫の佞者を悪む。


子路さんが弟弟子の子羔さんを費の町の町長に任命した。
先生がおっしゃった。
「まだ若いあの子をダメにしてしますよ。」
「ははは、民が待っておりますし、仕えるべき鎮守のお社に穀物の神様もおられます。
誰かがやらなくてはダメなんです。
別に書物を読むことだけが学問ではありませんよ、
かの有名な王陽明も事上磨練を唱えてますよ。」
「これだから口先だけの奴は嫌いだよ、歴史の順序まであべこべじゃないか。
わしに王陽明ちゃんで説教するとはいい度胸だね。」

379 :考える名無しさん:2013/05/20(月) 20:00:02.96 O.net
子路 曾皙 冉有 公西華 侍坐
子曰 以吾一日長乎爾 毋吾以也 居則曰 不吾知也 如或知爾 則何以哉
子路率爾而對曰 千乗之國 攝乎大國之間 加之以師旅 因之以饑饉
由也爲之 比及三年 可使有勇 且知方也
夫子哂之 求 爾何如
對曰 方六七十 如五六十 求也爲之 比及三年 可使足民 如其禮樂 以俟君子
赤 爾何如
對曰 非曰能之 願學焉 宗廟之事 如會同 端章甫 願爲小相焉
點 爾何如
鼓瑟希 鏗爾舍瑟而作 對曰 異乎三子者之撰
子曰 何傷乎 亦各言其志也
曰 莫春者 春服既成 冠者五六人 童子六七人 浴乎沂 風乎舞ウ 詠而歸
夫子喟然歎曰 吾與點也 三子者出 曾皙後 曾皙曰
夫三子者之言何如
子曰 亦各言其志也已矣
曰 夫子何哂由也
曰爲國以禮其言不譲 是故哂之 唯求則非邦也與 安見方六七十 如五六十 而非邦也者
唯赤則邦也與 宗廟會同 非諸侯而何 赤也爲之小 孰能爲之大

380 :考える名無しさん:2013/05/20(月) 20:01:59.49 O.net
子路、曾皙、冉有、公西華、 侍坐す。
子曰く、吾一日爾に長ぜるを以って、吾を以ってするなき也。
居れば則ち曰く、吾れを知らざる也と。如し或いは爾を知らば、則ち何を以ってせんや。
子路、率爾として對して曰く、千乗の國、大國の間に攝まれ、これを加えるに師旅を以ってし、これを因ぬるに、饑饉を以ってす。
由やこれを爲むるに、三年に及ぶ比に、勇有らしめかつ方を知らしむ可きなり。
夫子之を哂う。求、爾じは何如。
對して曰く。方六七十、如しくは五六十、求やこれを爲むるに、三年に及ぶ比に、民をして足らしむべし。其の禮樂の如きは、以って君子を俟たん。
赤、爾じは何如。
對して曰く、之を能すと曰うに非ず。願わくは学ばん。宗廟の事、如しくは會同に、端章甫して、願わくは小相と爲らん。
點、 爾じは何如。
瑟を鼓くこと希なり。鏗爾と瑟を舍いて作つ。對して曰く、 三子者の撰に異なれり。
子曰く、何んぞ傷まんや、亦た各おの其の志を言うなり。

381 :考える名無しさん:2013/05/20(月) 20:04:01.74 O.net
曰く、莫春には、春服既に成り、冠者五六人、
童子六七人、 沂に浴し、舞ウに風し、詠じて歸らん。
夫子喟然として歎じて曰く、吾れ點と與にせん。三子者出づ。曾皙後る。
曾皙曰く、かの三子者の言は何如。
子曰く、亦た各おの其の志を言うのみ。
曰く、夫子何んぞ由を哂うや。
曰く、國を爲むるに禮を以ってす。その言譲ならず。是の故にこれを哂う。
求と唯も則ち邦に非ずや。安んぞ方六七十、如しくは五六十にして邦に非さる者と見ん。
赤と唯も則ち邦に非ずや。宗廟と會同とは、諸侯に非ずして何んぞや。
赤やこれが小となる。孰んぞ能く之が大と爲らん。

382 :考える名無しさん:2013/05/20(月) 20:07:12.56 O.net
子路さんと曾参さんのお父さんの曾皙さん、冉有さんと公西華さんが先生とだべっていった。
先生がおっしゃった。
「わしはちょっとだけ年長というに過ぎないから、
今日は無礼講じゃ! お前らときたらすぐに自分のことを人は理解しないといっては歎くが、
ではもし理解者が現れたらどうやって力を発揮するのかね?」
還暦を迎えたばっかの子路さんが真っ先に答えた。
「戦車千台を保有する国が大国に挟まれ、軍隊の侵略を受け飢餓が発生したとしましょう。
わたくしはこの国を立派に治めて三年も過ぎれば、民の勇敢な心を鼓舞して、人の道を教えます!」
先生はこれを聞いて吹いた。
「求ちゃんはどうだい?」
「わたくしは中間ぐらいの国を治めて三年も過ぎる頃には、
民を経済的に豊かにしてみせましょう、禮樂のようなものは私では荷が重いので、
さらなる優れた人材を待つことします。」
「赤ちゃんはどうだい?」
「うまくできるかどうかは言いませんが、
できれば勉強のつもりで、宗廟の行事ですとか大名の国際会議などで、
端章甫の格好で君主の補佐役である小相をやってみたいです。」

「點ちゃんはどうだい?」会話の邪魔をしないよう静かに

383 :考える名無しさん:2013/05/20(月) 20:10:17.56 O.net
琴をつまびいていた曾皙さんは
琴を床にカタッと置いて立ち上がって言った。
「三人の方とは抱負が異なります…」
「別に気にするでないwみんな好き勝手言ってるだけなんじゃから!」
「それでは…
春の終わりにはすでに新しい春服が出来上がっており、
冠をつけた成人メンバー五六人と子供達を六七人引き連れて、
曲阜の郊外の沂のせせらぎで沐浴して、
雨乞いの儀式をする場所で千の風に乗って、
合唱して帰りたいです」
先生はため息を漏らし賛嘆した。
「Oh,Yes!!」
三人が先に退出すると曾皙さんだけが残った。
「三人の意見はどうだったんですか?」
「別に好き勝手いっただけだからな」
「なんで由さんを笑ったのですか?」
「国を治めるには禮が根本だ。
しかしまったく謙譲の心のない大言壮語だったから吹いちゃったんじゃw
求ちゃんだって国の話だね、多少遠慮して中ぐらいの国と言ったてが…
赤ちゃんも宗廟といい会同といい、これも国政への参与の話だ。
遠慮し過ぎて補佐役なんて言ってるがあいつが補佐役なら、
彼の上司を務める人物なんかおらんよ。
四人の見識の優劣を論じるつもりはない、
それぞれ好き勝手言ってるだけだから」

384 :考える名無しさん:2013/05/21(火) 20:14:50.87 O.net
顔淵問仁 子曰 克己復禮爲仁 一日克己復仁 天下歸仁焉
爲仁由己 而由人乎哉 顔淵曰 請問其目
子曰 非禮勿視 非禮勿聽 非禮勿言 非禮勿動
顔淵曰 囘雖不敏 請事斯語矣


顔淵仁を問う。子曰く、己に克ちて禮に復るを仁と爲す。
一日己に克ちて禮に復れば、天下仁に歸す。
仁を爲すは己に由る。而して人に由らんや。
顔淵曰く、 請うその目を問う。
子曰く、禮にあらざれば視る勿れ。禮れあらざれば聽く勿れ。
禮にあらざれば言う勿れ。禮にあらざれば動く勿れ。
顔淵曰く、囘不敏なりと雖ども、請う斯の語を事とせん。

顔囘さんが仁について質問した。
「己の欲望に打ち勝って、禮の根本に立ち返るを仁とするのじゃ。
一日己に打ち勝てば、天下は全て仁に立ち返るのだという信念と全世界への責任意識をもつのが肝心じゃ。
仁を爲すのは自分であって他の誰でもない。
全ての私がこのような自覚をもって実践すれば世界は変わるのじゃ!
顔囘さんがその細目をお聞かせ下さいとせがんだ。。
「禮に反することは見ない、聞かない、言わない、行動しない。これじゃ。」
「ふつつか者の囘ではございますが、先生のお言葉を大事と致します。」

385 :考える名無しさん:2013/05/22(水) 21:55:46.70 O.net
仲弓問仁 子曰 出門如見大賓 使民如承大祭 己所不欲 勿施於人 在邦無怨 在家無怨
仲弓曰 雍雖不敏 請事斯語矣


仲弓仁を問う。
子曰く、門を出でては大賓を見るが如し。民を使うには大祭に承うるが如くす。
己の欲っせざるところを、人に施す勿れ。
邦に在りては怨みなく、家に在りては怨みなし。
仲弓曰く、雍は不敏と雖も、請うこの語を事とせん。

仲弓さんが仁について質問した。
滅多に仁について語らない先生が奥義として伝えた。
「一度家を出たら、どんな物事も最も大事なお客さんのような目で見て取り扱え!
人々を使役する立場に立ったら、大事なお祭りの神事に臨む気持ちで行え。
その行動は常に神社での参拝のような敬虔さが必要なんじゃ。
自分の望まぬことは人にするな!
公私ともに人に怨まれるようなことがないよう振る舞え。」
仲弓さんが言った。
「雍は愚か者ですが、この言葉を大事にして頑張ります!」

386 :考える名無しさん:2013/05/23(木) 10:31:56.08 O.net
司馬牛問仁 子曰 仁者其言也訊 曰 其言也訊 斯謂之仁矣乎 子曰 爲之難 言之得無訊乎


司馬牛仁を問う。子曰く、仁者はその言や訊。
曰く、その言や訊、斯ちこれを仁と謂うか。
子曰く、これを爲すこと難し、これを言いて訊するなきを得んや。


司馬牛さんが仁の深奥を尋ねた。
先生がおっしゃった。
「仁者の言葉は重く、そして多くを語らない。」
「言葉が重く多くを語らないというだけで仁者と言えるでしょうか?」
「あらゆる徳義的な行為は重く深くそしてその実践は困難だ。
それ故に全てに渡って仁者はその言葉が重くならざるを得ない。」

387 :考える名無しさん:2013/05/24(金) 18:19:46.91 O.net
司馬牛問君子 子曰 君子不憂不懼 曰 不憂不懼 斯謂之君子矣乎 子曰 内省不疚 夫何憂何懼


司馬牛君子を問う。子曰く、君子は憂えず懼れず。
曰く、憂えず懼れず、斯ちこれを君子と謂うか。子曰く、内に省りみて疚しからず。夫れ何をか憂え何をか懼れん。



司馬牛さんが君子について先生に質問した。
「君子はくよくよ心配して悩んだり、あれやこれや色々恐れたりしないものだ。」
「心配したり恐れたりしないだけで君子と言えましょうか?」
「自分の良心に照らして疚しいところが微塵もない。
それで何を心配したり恐れたりすることがあろうか。明朗であれ!」

388 :考える名無しさん:2013/05/25(土) 07:41:40.23 O.net
司馬牛憂曰 人皆有兄弟 我獨亡 子夏曰 商聞之矣 死生有命 富貴在天 君子敬而無失
與人恭而有禮 四海之内 皆兄弟也 君子何患乎無兄弟也


司馬牛憂いて曰く、人皆兄弟有り。我獨り亡し。
子夏曰く、商これを聞く。死生に命有り。富貴は天に在り。君子は敬して失うなし。
人と與わるに恭しくして禮あらば、四海の内は皆兄弟なり。
君子何を患んや兄弟なきを。


司馬牛さんがブルーになって言った。
「みんな兄弟がいて楽しそうなのに、私は今やこの国に一人で、私のバカな兄は君主に謀叛して逃亡者だ。
僕はひとりぼっちなんだ(>_<)」
子夏さんがこれを聞いて慰めた。
「私はこんな言葉を聞いたことがありますよ。
富貴生死は天命なのですから歎いても仕方ない。
君子は全てを敬い、損得も流れのまま、それ故失うものもありませし、信頼を失うこともありません。
人との交際では謙虚に恭しくして礼を以って接するので四海の人々はみな兄弟です。
お兄さんの桓タイさんが先生を殺そうとしたからって
あなたが君子なら誰も責めません。
あなたは私達の兄弟なんです。
ですから君子は兄弟のいないのを歎いたりしないものです。
元気出して下さいね!」

389 :考える名無しさん:2013/05/26(日) 01:33:25.68 P.net
達巷党人曰大哉孔子博学而無所成名
子聞之 謂門弟子曰 吾何執 執御乎 執射乎
吾執御乎

サイタマの人が「孔子って凄いよね。何でも良く出来るのに
その癖それで一番って得意分野がないんだから」って言った。
先生はそれを聞いて弟子たちにぼやいた。
「何か得意分野でも作ろうか。
競馬にしようか。パチンコにしようか。競馬があってるかな。」

390 :考える名無しさん:2013/05/26(日) 14:01:21.61 O.net
子張問明 子曰 浸潤之譖 膚受之愬 不行焉 可謂明也已矣
浸潤之譖 膚受之愬 不行焉 可謂遠也已矣


子張、明を問う。子曰く、浸潤の譖、膚受の愬、行われず。明と謂うべきのみ。
浸潤の譖、膚受の愬、行われず。遠と謂うべきのみ。


子張が明らかな心を質問した。
「ジワジワと心に染み込むような讒言や、皮膚にチクリチクリと効くような中傷に、一切耳を貸さない。
これは知恵の明るさというものであり、人が到達するのもやっとな遠大な境地と言ってもよい。」

391 :考える名無しさん:2013/05/26(日) 23:23:20.54 0.net
>>389
先生、さすがに意訳しすぎではw

392 :考える名無しさん:2013/05/26(日) 23:48:44.01 O.net
とりあえずみんなやる人は遠慮せずドンドン面白いのを意訳して欲しいですよねw

393 :考える名無しさん:2013/05/27(月) 06:36:59.87 0.net
儒教の経典に四書はいらない
五経だけを読むべし

394 :理屈や:2013/05/27(月) 10:25:32.74 0.net
「中国思想のご都合主義」

「儒教」「仏教」「道教」
マトメテ、「三教」 と言う

お好きなものを、お選び下さい

395 :考える名無しさん:2013/05/27(月) 18:17:59.73 O.net
子貢問政 子曰 足食 足兵 民信之矣 子貢曰 必不得已而去 於斯三者何先 曰 去兵
子貢曰 必不得已而去 於斯二者何先 曰去食 自古皆有死 民無信不立


子貢政を問う。子曰く、食を足らし、兵を足らし、民これを信ず。
子貢曰く、必ず已むを得ずして去らば、斯の三者に於いて何をか先にせん。
曰く、兵を去らん。
子貢曰く、必らず已を得ずして去らば、斯の二者において何をか先にせん。
曰く、食を去らん。古えより皆死あり。民信なくば立たず。


子貢さんが政治について質問した。
「要点は三点じゃ、全ての人に十分に食を供給すること。
安全保障の観点から十分な軍備を調えること。
あらゆる人々の関係性の基礎に信用を確立することじゃ。」
「では何らかの事情でやむを得ず
ひとつを断念しなくてはならないとしたらどれを先に諦めますか。」
「まずは軍備を諦めるな。」
「それでは残った二つではどうです。」。
「十分な食糧供給を諦めるよ。人間はみないつか死ぬ。
しかし人間関係の基礎である信用が瓦解すれば相互不信から北斗の拳状態になってしまう。
こうなれば食糧供給を十分にしても奪い合って公正な分配など不可能になってしまうからね。」

396 :考える名無しさん:2013/05/28(火) 17:59:31.40 O.net
棘子成曰 君子質而已矣 何以文爲
子貢曰 惜乎 夫子之説君子也 駟不及舌 文猶質也 質猶文也 虎豹之カク 猶犬羊之カク


棘子成曰く、君子は質のみ。何んぞ文を以て爲さんや。
子貢曰く、惜しいかな、夫子の君子を説くや、駟も舌に及ばず。文は猶お質のごとく、質は猶お文のごとし。
虎豹のカクは、猶い犬羊のカクのごとし。


棘成子さんが言った。
「君子というのは内面が質朴であればよい。文化的洗練など必要なもんか。」
子貢さんが言った。
「あの人の君子の説は残念だ。
舌が生んだ過失は取り戻そうとしても四輪馬車を駆っても無理だ。
文化的洗練が質朴のようであり、質朴さが文化的洗練と同等ならば、
虎豹の皮が犬羊の皮と同じになる。これはあべこべだ。
実質だけでなく形式も同程度に評価し両面から完成を目指すこれが儒の立場だ。」

397 :考える名無しさん:2013/05/29(水) 17:53:47.83 O.net
哀公問於有若曰 年饑 用不足 如之何 有若對曰 盍徹乎
曰 二吾猶不足 如之何其徹也
對曰 百姓足 君孰與不足 百姓不足 君孰與足


哀公有若に問いて曰く、年饑えて、用足らず。これを如何。
有若對して曰く、盍んぞ徹せざるや。
曰く、 二だにも吾猶お足らず。これを如何んぞ其れ徹せんや。
對して曰く、百姓足らば、君孰れと與にか足らざらん。
百姓足らざれば、君孰れと與にか足らん。


哀公様が有若さんに質問した。
「今年は飢饉で、財政が逼迫している。どうしたもんか。」
「それでは十分の一の税率にすればいいのではないでしょうか。」
「十分の二でも足りないのに十分の一でどうやってやりくりできよう。」
「民百姓が十分なら、君子はどなたと一緒に不足だと言うのでしょう。
民百姓が逼迫しているなら、君主はどなたと一緒に十分だと言うのでしょう。」

398 :考える名無しさん:2013/06/02(日) 11:28:41.79 P.net
子曰 剛毅朴訥近仁

子曰く、剛毅朴訥、仁に近し。

ある日、先生がおっしゃった。
「昔なら高倉健が演じる役、今なら綾波・長門系っていうんじゃろうか。
 ああいうタイプこそ実は愛情が深いよね。」

399 :考える名無しさん:2013/06/04(火) 12:31:41.98 O.net
子張問崇徳辨惑 子曰 主忠信 徙義 崇徳也
愛之欲其生 惡之欲其死 既欲其生 又欲其死 是惑也 誠不以富 亦祇以異


子張、徳を崇くして惑を辨えんことを問う。
子曰く、忠信に主しみて、義に徙るは、徳を崇くするなり。
これを愛して其の生きんことを欲し、これを惡んで其の死なんことを欲す。
既其の生きんことを欲し、又た其の死なんことを欲す。是れ惑いなり。



子張さんが、徳を尊重して、惑う心は識別するという諺の意を質問した。
「忠実な人や信を重んじる人と親しく交わり、
正義へと近づくのが、徳を尊重する態度である崇徳の意義じゃな。
愛している時は長生きして欲しいと願い、
それが転じて憎しみに替われば早く死ねばいいのにと思う。
かつてその人の長生を願いながら、今度は死ねよバカと思う惑いの心を弁別して離れる、
これが辨惑の意義じゃな。」

400 :考える名無しさん:2013/06/05(水) 07:02:41.06 O.net
齊景公問政於孔子 孔子對曰 君君 臣臣 父父 子子
公曰 善哉 信如君不君 臣不臣 父不父 子不子 雖有粟 吾得而食諸


齊景公孔子に政を問う。孔子對して曰く、君は君たり、臣は臣たり、父は父たり、子は子たり。
公曰く、善い哉。信に如し君は君たらず、臣は臣たらず、父は父たらず、子は子たらず、
粟有りと雖も、吾得てこれを食わんや。


齊の国の景公様が孔子に政治について質問された。
「当たり前を当たり前にすれば良いのです。
君主が君主の役目を果たす。
臣下が臣下の役目を果たす。
父が父の役目を果たす。
子が子の役目を果たす。
本当はそれだけなのです。」
「なるほど素晴らしいですな。
本当にもし
君主が君主の役目を果たさず、臣下が臣下の役目を果たさず、
父が父の役目を果たさず、子が子の役目を果たさぬようになったら、
どんなに食べ物が豊富にあっても、美味しく食べることさえできませんな、ダハハハ」

401 :考える名無しさん:2013/06/06(木) 09:06:19.71 O.net
子曰 片言可以折獄者 其由也與 子路無宿諾


子曰く、片言以って獄えを折むべき者は、其由なるか。
子路宿諾なし。


「ちょっとかたことで訴えても判決を言い渡せるのは由ちゃんだね」
子路さんはなんでもガタガタ言わずイエスノーがハッキリしていた。

402 :考える名無しさん:2013/06/07(金) 06:29:00.66 O.net
子曰 聽訟吾猶人也 必也使無訟乎


子曰く、訟を聽くは吾れ猶お人の如きなり。必らずや訟無からしめんや。

先生がおっしゃった。
「裁判員になったら所詮わしなど人並みに裁くのが関の山さ。
しかしわしのやりたいのは裁判ざたをなくすそういうことなんじゃ。」

403 :考える名無しさん:2013/06/08(土) 05:06:58.41 O.net
子張問政 子曰 居之無倦 行之以忠


子張政を問う。子曰く、之に居りて倦むなく。之を行うに忠を以てす。


子張さんが政治について質問した。
「飽きっぽくない持続と人々への忠実な心が必要だ。」

404 :考える名無しさん:2013/06/09(日) 09:39:29.27 O.net
子曰 君子成人之美 不成人之惡 小人反是

子曰く、君子人の美を成す。人の惡を成さず。小人はこれに反す。


「君子たる者は、人の美点を促進し、悪い点を抑制する。
小人は逆だ。」

405 :考える名無しさん:2013/06/10(月) 10:58:42.90 O.net
季康子問政於孔子 孔子對曰 政者正也 子師以正 孰敢不正


季康子孔子に政を問う。孔子對して曰く、政は正なり。 子師いるに正を以てすれば 孰れか敢えて正しからざらん。



季康子様が先生に政治について質問された。
「政治の政とは正しいということなのです。
あなたが正しさをもって人を導けば、誰がそれに刃向かいましょうか。
これが徳治の要訣です。」

406 :考える名無しさん:2013/06/11(火) 06:58:22.66 O.net
季康子患盗 問於孔子 孔子對曰 苟子之不欲 雖賞之不竊


季康子盗を患う。孔子に問う。孔子對して曰く、苟しくも子の欲せざれば、これを賞すといえども竊まず。


季康子が先生に泥棒の被害の多さを訴えた。
「あなたが欲しがらなければ、賞金を与えても盗まなくなります。」

407 :考える名無しさん:2013/06/12(水) 08:37:29.75 O.net
季康子問政於孔子曰 如殺無道 以就有道 何如
孔子對曰 子爲政 焉用殺 子欲善而民善矣 君子之徳風 小人之徳草 草上之風 必偃


季康子政孔子に問いて曰く、如し無道を殺して、以って有道を就さば、何如。
孔子對して曰く、子政を爲すに、焉んぞ殺を用いん、
子善を欲して民善なり、君子の徳は風、小人の徳は草 。
草これに風を上うれば、必ず偃す。


季康子様が先生に政治について質問しながら言った。
「悪い奴はみんな死刑でいいですよね。それで善人を助ければいいんだと思います。どうですか?」
「あなたが政治を行うのです。なんで殺人を基本にするのですか?
あなたが善を欲せば、民も善くなります。
君子の徳は風であり、民の徳は草です。
風によって草をなびかせるのです。」

408 :考える名無しさん:2013/06/13(木) 17:50:43.82 O.net
子張問 士何如斯可謂之達矣 子曰 何哉爾所謂達者 子張對曰 在邦必聞 在家必聞
子曰 是聞也 非達也 夫達也者 質直而好義 察言而觀色 慮以下人 在邦必達 在家必達
夫聞也者 色取仁而行違 居之不疑 在邦必聞 在家必聞


子張問う。士何如なれば斯ちこれを達と謂べきか。
子曰く、何んぞや爾の所謂達なる者は。
子張對して曰く、邦に在りては必ず聞こえ、家に りては必ず聞こゆ
子曰く、是聞なり。達にあらざるなり。夫れ達なる者は、質直にして義を好み、言を察して色を觀、慮んて人に下る。
邦に在りても必ず達し、家に在りても必ず達す。
それ聞なる者は、色に仁を取りて行は違い、これに居て疑わず、
邦に在りて必ず聞こえ、家に 在りて必ず聞こゆ。

409 :考える名無しさん:2013/06/13(木) 17:54:08.89 O.net
子張さんが質問した。
「達した人とはどんな人のことでしょう」
「どういう意味だね?」
「公的にもプライベートでも道に達したと話に聞く人のことです」
「それはただの風聞の類で達したとは言わないよ。
質朴で率直、正義を好み、言葉を察して人の心に通じ、
あらゆることを熟慮して人にへりくだる。こういう人なら達した人だよ。
有名人は表向きは仁者だが、行動はちぐはぐ、それでいて何の疑問も抱かない。
口では宣伝が上手だからそりゃみんな口々に達したと言うだろうさ、だから有名なんだ。」

410 :考える名無しさん:2013/06/14(金) 07:03:50.07 O.net
樊遅從遊於舞ウ之下 曰 敢問崇徳脩慝辧惑 子曰 善哉問 先事後得 非崇徳與
攻其惡 無攻人之惡 非脩慝與 一朝之忿 忘其身以及其親 非惑與


樊遅從いて舞ウの下に遊ぶ、曰く、敢えて徳を崇くし慝を脩め惑いを辧うることを問う。
子曰く、善いかな、問いや、事を先にして得るを後にす。徳を崇くするに非ずや。
其の惡を攻めて、人の惡を攻めるなきを、慝を脩めるに非ずや。
一朝の忿り、其の身を忘れて以って其の親に及ぼす、惑に非ずや。


樊遅さんが郊外の舞うに先生のお供で散歩にきていた折りのこと。
「前からお聞きしたかったんですけど、崇徳・脩慝・辧惑の要諦を教えていただけませんか」「なかなか善い質問だね。
やるべき事を為して利益は後回し、これが崇徳じゃないかね。
自分の欠点を攻めても、他人の欠点には寛大になってネチネチ攻めない、これが脩慝じゃないかね。
一時の怒りで何もかも台なしにして、親しい周りの人間にまで害を及ぼす。これが惑乱じゃないかね。」

411 :考える名無しさん:2013/06/15(土) 11:00:18.35 O.net
樊遅問仁 子曰 愛人 問知 子曰 知人 樊遅未達 子曰 擧直錯諸枉 能使枉者直 樊遅退
見子夏曰 郷也吾見於夫子 而問知 擧直錯諸枉 能使枉者直 何謂也
子夏曰 富哉言乎 舜有天下 選於衆 擧皐陶 不仁者遠矣 湯有天下 選於衆 擧伊尹 不仁者遠矣

樊遅仁を問う。子曰く、人を愛す。知を問う。子曰く、人を知る。
樊遅未まだ達せず。子曰く、直きを擧げて諸れを枉がるに錯く。能く枉がれる者をして直からしむ。
樊遅退く 子夏を見て曰く、郷に吾夫子に見えて、知を問う。直きを擧げて諸れを枉がるに錯く。能く枉がれる者をして直からしむと、何の謂いぞや。
子夏曰く、富めるかな言や、 舜天下を有ち 衆に選んで皐陶を擧ぐれば、不仁なる者遠ざかる。
湯天下に有ち、衆に選んで、伊尹を擧ぐれば、 不仁なる者遠ざかる。

412 :考える名無しさん:2013/06/15(土) 11:01:51.63 O.net
樊遅さんが今度は仁について質問した。
「人を愛することじゃよ」
知について質問した。
「人を知ることじゃよ」
よく分からなかったのでさらに尋ねた。
「正直な人間を曲がった人間の上に置けば、そのうち曲がった人間も真っ直ぐになるさ」
樊遅さんは退出した。
そして子夏さんに会ったので先生の言う正直な人間云々の意味を尋ねた。
「十分な含蓄ある説明ですよ。
舜が天下を治めてた時に、皐陶を抜擢したので悪いのはいなくなりました。
湯が天下を治めて時に、伊尹を抜擢したので悪い奴は遠ざかりました。
人の性質を知り、政治を行うそれが知なんですね。」

413 :考える名無しさん:2013/06/16(日) 07:33:17.75 O.net
子貢問友 子曰 忠告而善道之 不可則止 無自辱焉


子貢友を問う。子曰く、忠もて告げて善もてこれを道く。不可なれば則ち止む。自ら辱じめらるることなかれ。


子貢さんが友情について質問した。
「忠実な気持ちで善い方向に導くことじゃな。
しかしどんないいアドバイスも無理強いはするな。
それは自分を辱めることになる。」

414 :考える名無しさん:2013/06/17(月) 08:14:47.31 O.net
曾子曰 君子以文會友 以友輔仁


曾子曰く、君子は文を以て友を會し、友を以て仁を輔く。


曾子さんがおっしゃった。
「君子は文化を以て友達を集め、その友情の輪から仁を世界に広げる。」

415 :考える名無しさん:2013/06/18(火) 07:19:15.51 O.net
子路問政 子曰 先之勞之 請益 曰 無倦


子路政を問う。子曰く、これに先んじてこれを勞す。益を請う。曰く、倦むなかれ。


子路さんが政治について質問した。
「まずは率先して自分がお手本をやってみせ、それから人々に行わせる。」
「もう少し教えて下さい。」
「途中で投げ出さないことだよ。」

416 :考える名無しさん:2013/06/19(水) 07:53:00.28 O.net
仲弓爲季氏宰 問政 子曰 先有司 赦小過 擧賢才
曰 焉知賢才而擧之 曰 擧爾所知 爾所不知 人其舎諸


仲弓季氏の宰と為りて、政を問う。
子曰く、有司を先にして、小過を赦し、賢才を挙げよ。
曰く、焉んぞ賢才を知りてこれを擧げん。
曰く、爾の知る所を挙げよ、 爾の知らざる所、人其れ諸れを舎てんや。


仲弓さんが季氏の宰となったので政治について先生に質問した。
「とりあえずお前の手足となる役人のことが第一番だ。
今までの少しのミスや経歴などは気にせず、才能ある者をどんどん起用しなさい。」
「でもどうやって才能があるなんて分かるんです。」
「まずはお前の知ってる才能のある者を起用すればいい。
そうしたらその噂が広まって周りが才能のある者を推挙するようになるから。」

417 :考える名無しさん:2013/06/20(木) 12:12:56.60 O.net
子路曰 衛君待子而爲政 子将奚先 子曰 必也正名乎
子路曰 有是哉 子之迂也 奚其正
子曰 野哉由也 君子於其所不知 蓋闕如也 名不正 則言不順 言不順 則事不成
事不成 則禮樂不興 則刑罰不中 刑罰不中 則民無所措手足 故君子名之可言也
言之必可行 君子於其言 無所苟而已矣


子路曰く、衛の君子を待ちて政を爲せば、子将に奚れをか先にせん。
子曰く、必や名を正さんか。
子路曰く、是れ有る哉。子の迂なるや。奚んぞそれ正さん。
子曰く、野なるかな由や。君子はその知らざる所に於いて、蓋闕如たり。
名正しからざれば、則ち言順がわず、言順がわずんば、則ち事成らず。
事成らずんば、則ち禮樂興らず。則ち刑罰中らず。
刑罰中らずんば、則ち民の手足を措く所なし。故に君子はこれに名づくれば言うべきなり。
これを言えば必ず行うべきなり。君子は其の言において苟しくもするところなき已み。

418 :考える名無しさん:2013/06/20(木) 12:15:33.17 O.net
子路さんがもし衛の君主が先生に政治を任せたらまず何を先にするのか聞いてみた。
「ワシならまず真っ先に名を正しく定義することから始めるよ」
「アイヤー、先生も本当悠長ですね〜w、なんで今さら名称の定義なんか暇な学者みたいなこと始めちゃいますかw」
「お前は本当アンポンタンの田舎っぺ大将だね〜、
君子は知りもしないことは嘲笑したりせず黙ってるべきだ。
いいかい、名称の定義が曖昧だから、議論が噴出して意思疎通が曖昧になる。
言論が適当で混乱してるから、結果、行動も適当で混乱し成果も現れなくなる。
狙った目的と不一致な成果ばかり現れていては世の中はちゃめちゃだ、そうなるとあらゆるものに調和を見出だす禮樂も興らない。
ギター弾くのにまず、弦の音程を合わせなきゃ、演奏なんかできっこないだろうが!
そんなこんなで禮樂で行動に規則性を与えて人々に模範を示さければ、どうやって刑罰など人に課せるのかね?
模範となる肯定的なイメージを与えず、否定的でダメな姿ばかりをイメージさせる刑罰で脅かすようでは人は悪くなるばかりだよ。
するなするなはしろって暗示かけてるに等しい。

419 :考える名無しさん:2013/06/20(木) 12:22:38.62 O.net
そういうわけで上の者が賞すべきこと罰すべきことをきちんと決めず
刑罰ばかり適当に乱発しているようでは民は手足の置く場所さえなくなるだろうさ。
だから君子は一度それを名付けたら、言うべきことはいい。目指すべきものは目指し、やるべきことはやる。そしてダメなものはダメとなる。
君子は適当にスレ立てしてワイワイガヤガヤ議論して
百家争鳴、事態は混乱してもみんなで楽しく盛り上がって愉快なりゃそれでいいやということではないんだよ。

衛のごたごたは後継者の定義が曖昧だから起こったんだね。
その定義さえしっかりしておけば問題など起こらなかった。
分かったかね?由ちゃんwww」

420 :考える名無しさん:2013/06/21(金) 12:48:29.73 O.net
樊遅請學稼 子曰 吾不如老農 請學爲圃 曰 吾不如老圃
樊遅出 子曰 小人哉樊須也 上好禮 則民莫敢不敬 上好義 則民莫敢不服
上好信 則民莫敢不用情 夫如是 則四方之民 襁負其子而至矣 焉用稼


樊遅稼を学ばんことを問う。
子曰く、吾老農に如かず。圃を爲すことを學ばばんと請う。曰く、吾老圃に如かず。
樊遅出づ。子曰く、小人なる哉樊須や。上禮を好まば、則ち民敢て敬せざることなし。上義を好まば、則ち民敢えて服せざることなし。
上信を好めば、則ち民敢て情を用いることなし。
夫れ是くの如くなれば、則ち四方の民、其の子を襁負して至る。焉んぞ稼を用いん。


樊遅さんが止せばいいのに先生に民を豊かにする農業技術について質問した。
「ワシはその件に関してはそこらの老いた農家に及ばないよ」
野菜作りに関して質問した。
「それも農家には敵わない」
樊遅さんが退出して先生がおっしゃった。
「樊須は困ったもんだね。上の者が禮義を好めば、民は敬虔になる。
正義を好めば物事に服するようになる。
信義を好めば誠実になる。
このようにすれば四方から人々は子供をおんぶしてでもやってくる。
富国強兵とはこういうことを言う。」

421 :考える名無しさん:2013/06/22(土) 13:38:25.55 O.net
子曰 誦詩三百 授之以政不達 使於四方不能専對 雖多亦奚以爲


子曰く、詩三百を誦し、これを授くるに政を以ってし達せず、
四方に使して専り對うること能わざれば、多しと雖ども亦た奚を以って爲さん

詩三百を暗記してても、仕事をさせてもうまくできない。
四方の国に使者として派遣しても一人で答えられないようでは、
どんなに数多く詩を暗記してても何にもならない

422 :考える名無しさん:2013/06/23(日) 09:07:09.08 O.net
子曰 其身正 不令而行 其身不正 雖令 不従


子曰く、其身正しければ令せずして行わる。
其身正しからざれば、令すると雖ども従わず。


自分が正しく模範を示していれば命令などしなくて人はそれに従うものだ。
自分が正しくない情けない姿を晒していれば命令するといえども誰も従わないだろう。

423 :考える名無しさん:2013/06/24(月) 10:37:03.52 O.net
子曰 魯衛之政兄弟也


子曰く、魯衛の政は兄弟なり。


魯も衛もその政治の有様は兄弟である。その発祥もその混乱も。

424 :考える名無しさん:2013/06/25(火) 14:58:24.21 O.net
子謂衛公子荊 善居室 始有曰 苟合矣 少有曰 苟完矣 富有曰 苟美苟


子衛の公子荊を、善く室に居ると謂う。
始め有るに曰く、苟か合る。
少しく有るに曰く、苟か完し。
富んに有るに曰く、苟か美し。


先生が衛の国の公子荊の家計を褒めた。
「彼は財産ができはじめたころには、どうにか集まりましたと言っていた、
それよりさらに貯まった時は、なんとかできたと言った。
そして相当貯まった時に、それなりに立派になったと言った。」

425 :考える名無しさん:2013/06/26(水) 07:11:20.16 O.net
子適衛 冉有僕 子曰 庶矣哉 冉有曰 既庶矣
又何加焉 曰 富之 曰 既富矣 又何加焉 曰 教之


子衛に適く、冉有僕たり。子曰く、庶き哉。
冉有曰く、既庶し。又何をか加えん。
曰く、これを富まさん。曰く、既に富めり。又何をか加えん。
曰く、これを教えん。


先生が冉有さんを御者にして衛の国へと向かった。
「おい冉有!見てご覧!大変な人の数じゃないか!」
「先生、とっても多いですね。それではこの国にあと何を加えますか?」
「経済的に豊かにするね」
「それじゃ経済的に豊かになったら何を加えますか」
「教育を施すんじゃ」

426 :考える名無しさん:2013/06/27(木) 12:29:19.80 O.net
子曰 苟有用我者 期月而已可也 三年有成


子曰く、苟しくも我を用うる有らば、期月のみにして可なり。三年にして成る有らん。


「ワシを登用するなら12ヶ月でとりあえずなんとかする。
三年あれば事業を完遂する。」

427 :考える名無しさん:2013/06/28(金) 13:08:08.81 O.net
子曰 善人爲邦百年 亦可以勝残去殺矣 誠哉是言也



子曰く、善人邦を爲むること百年。亦た以って残に勝ち殺を去るべし。誠なる哉是の言や。


「善人が百年国を統治したら乱暴者はいなくなり、
死刑制度も不要になるというのは本当の言葉だ。」

428 :考える名無しさん:2013/06/29(土) 14:00:02.69 O.net
子曰 如有王者 必世而後仁


子曰く、もし王者あらば、必ず世にして後に仁ならん。


王者が現れても、仁の世界の実現には30年はかかるだろうな。

429 :考える名無しさん:2013/06/30(日) 10:13:20.91 O.net
子曰 苟正其身矣 於從政乎何有 不能正其身 如正人何


子曰く、苟しくも其身を正しくす。政に從うにおいて何をか有らん。
其身を正しくすること能わずんば、人を正すことを如何せん。


自分の身を正しくできれば、政治を行うのなんかなんの障害もない。
しかし自分の身を正しくできない人間が、どうやって人を正しくできるのか。

430 :考える名無しさん:2013/07/01(月) NY:AN:NY.AN O.net
冉子退朝 子曰 何晏也 對曰 有政 子曰 其事也 如有政 雖不吾以 吾其與聞之


冉子朝より退く。子曰く、何んぞ晏きや。
對して曰く、政有り。
子曰く、其れ事なり。如し政有らば、吾を以いずと雖ども、吾れ其れこれを與かり聞かん。



冉有さんが会議から帰ってきた。先生がおっしゃった。
「随分と遅かったじゃないか」
「いや、政務があったもんですから」
「それは家老の季氏に言い付けられた事務か密談の類だろ、
重要な国の政務なら私がお呼びじゃなくとももう耳に入ってきてるはずだよ」

431 :考える名無しさん:2013/07/02(火) NY:AN:NY.AN O.net
定公問 一言而可以興邦 有諸 孔子對曰 言不可以若是其幾也
人之言曰 爲君難 爲臣不易 如知爲君之難也 不幾乎一言而興邦乎
曰 一言而喪邦 有諸 孔子對曰 言不可以若是其幾也 人之言曰 予無樂乎爲君 唯其言而莫予違也
如其善而莫之違也 不亦善乎 如不善而莫之違也 不幾乎一言而喪邦乎


定公問う。一言にして邦を興すべきもの、これ有りや。
孔子對して曰く、言は以ってかくの若く其れ幾きかる可からざるなり。
人の言に曰く、君たるは難く、臣たる易からずと。
如し君たるの難きを知らば、一言にして邦を興すに幾からずや。
曰く、一言にして邦を喪ぼすものこれ有りや。
孔子對して曰く、言は以ってかくの若く其れ幾きかる可からざるなり。
人の言に曰く、予れ君たるに樂しむことなし。唯だ其の言いて予に違う莫き也と。
如し其れ善くしてこれに違うこと莫きは、亦善からずや。
如し善からずしてこれ違うなきは、一言にして邦を喪ぼずに幾からずや。

432 :考える名無しさん:2013/07/02(火) NY:AN:NY.AN O.net
定公様が先生に質問した。
「一言でもって国を繁栄させる秘訣のようなものはありますか?」
「なかなか言葉で真実に肉薄するのは困難ですが、しいていえば、
諺にいう、君たるは難く、臣たるは易からずがそれでしょうな。
もし君主であることが難行であるということを理解していれば軽率さも減って国の繁栄に益する言葉となるでしょう」
「一言で国を失うようなのはありますか?」
「たいして君主である楽しみはないが、誰も逆らわないのは愉快だというのがそれですな。
良いことを言って逆らわないのであれば結構ですが、
良くないことを言っても誰も逆らわないのであれば、国の滅亡は時間の問題でしょう」

433 :考える名無しさん:2013/07/03(水) NY:AN:NY.AN O.net
葉公問政 子曰 近者説 遠者來


葉公政を問う。子曰く、近き者は説び、遠き者は来たる。


楚の重臣の葉公様が先生に政治について質問した。
「近くにいるものはその徳の恩恵に喜び、
遠くの者はそれを求めてやって来るのが政治です。」

434 :考える名無しさん:2013/07/04(木) NY:AN:NY.AN O.net
子夏爲筥父宰 問政 子曰 無欲速 無見小利 欲速 則不達 見小利 則大事不成


子夏筥父の宰となる。政を問う。
子曰く、速やかなるを欲するなかれ、小利を見るなかれ。
速やかなるを欲すれば、則ち達せず。小利を見れば、則ち大事は成らず。

子夏さんが筥父の宰に任じられたので先生にアドバイスを求めた。
「焦ってスピードばかり追い求めてはダメだよ、あとつまらん利益ばかりを追い求めてもダメだよ。
スピードを追い求めれば、物事の達成は覚束ないよ。
利益ばかりを追い求めてそろばん勘定ばっかやってると大事は達成できないよ」

435 :考える名無しさん:2013/07/05(金) NY:AN:NY.AN O.net
葉公語孔子曰 吾黨有直躬者 其父攘羊 而子証之
孔子曰 吾黨之直者 異於是 父爲子隱 子爲父隱 直在其中矣


葉公孔子に語げて曰く、吾が黨に躬を直くする者あり、其の父羊を攘む、而うして子これを証す。
孔子曰く、吾が黨の直き者は、是に異なれり。父が子の為に隱し、子は父の為に隱す。直きことは其の中に在り。

葉公様が先生に語った。
「私どもの村には正直者がおります。父親が羊を盗んだのですが、子供が正義感から証言をして有罪にしたのです。」
「私どもの村ではちょっと違っておりますな。
父親は子供の為に罪を隠しますし、子供は父親を必死に庇います。親子の情愛に正直なのです。
正直はこの両者のいずれか一方ではなくその中間にあります」

436 :考える名無しさん:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN O.net
樊遅問仁 子曰 居處恭 執事敬 與人忠 雖之夷狄 不可棄也


樊遅仁を問う。子曰く、居處は恭、事を執りて敬 、人を與わりて忠なれ、夷狄に之くと雖も 棄つ可からず。


樊遅さんが仁について質問した。
「全てにわたって恭しい態度を崩すべきでない。
あらゆる物事全般にわたって従事するときは敬いの心をもってせよ。
人との交わりでは何事にも忠実であれ。
そしてこのような態度は外国でも未開の地だろうが崩してはならない。
何事も馬鹿にしたり甘くみるところから崩れていくからじゃ」

437 :考える名無しさん:2013/07/07(日) NY:AN:NY.AN O.net
子貢問曰 何如斯可謂之士矣 子曰 行己有恥 使於四方 不辱君命 可謂士矣
曰 敢問其次 曰 宗族稱孝焉 郷黨稱弟焉
曰 敢問其次 曰 言必信 行必果 コウコウ然小人哉 抑亦可以爲次矣 曰 今之從政者何如
子曰 噫 斗ショウ之人 何足算也


子貢問いて曰く、何如ぞ斯れ之れを士と謂うべき。
子曰く、己を行うに恥あり。四方に使して、君命を辱かしめず。士と謂うべき。
曰く、敢えて其の次を問う。
曰く、宗族は孝を稱す。郷黨は弟を稱す。
曰く、敢えて其の次を問う。
曰く、言は必らず信。行は必ず果。コウコウ然として小人なるかな。抑も亦た以って次と爲すべし。
曰く、今の政に從う者は何如。
子曰く、噫、斗ショウの人、何んぞ算うるに足らんや。

438 :考える名無しさん:2013/07/07(日) NY:AN:NY.AN O.net
子貢さんが質問した。
「いわゆる士とはどういう人を言うんでしょうか」
「自己の行動を常に良心に照らし、
四方に使者として遣わされれば、君命を辱めないようなのじゃな」
「それに次のものはどんなのでしょう」
「親戚縁者から孝行者と言われ、地域村ぐるみで隣人愛を讃えられているようなのじゃな」
「その次をどうですか」
「言葉に信用があり、行いは果敢。多少窮屈な人間であってもそういうのじゃろうな」
「今の政治家達はどうです」
「器量の狭い人間ばかりだ。物の数にも入らんよ」

439 :考える名無しさん:2013/07/08(月) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 不得中行而與之 必也狂狷乎 狂者進取 狷者有所不爲也


子曰く、中行を得てこれと與にせずんば、必ずや狂狷か。狂者は進み取る。狷者は爲さざる所あるなり。


中庸の徳をわきまえバランスを得た行いの人と共に行動するのがベストだが、
それが無理ならわしは気違いじみた奴か頑固一点張りのような人間と行動するさ。
曹操や織田信長みたいな気違いじみた奴は果敢に行動するし進取の気性がある。
頑固一点張りの人間はならぬものはならぬの一点張りでそれとは対照的だがやらないことがあるから。

440 :考える名無しさん:2013/07/09(火) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 南人有言曰 人而無恆 不可以作巫醫 善夫 不恆其徳 或承之羞 子曰 不占而已矣


子曰く、南人言えること有りて曰く、人にして恆なければ、以って巫醫を作すべからずと。
善いかな、其の徳を恆にせざれば、或いはこれを羞じを承く。
子曰く、占わざるのみ。


「南の人の格言に、行動に一定の恒常性のない支離滅裂の人をお祓いしたり治療したりすることはできないというのがあるね。
これは善い言葉だ。易の言葉に
行動に恒常性がなければ恥を受けるとある。
行動に恒常性がなければ法則の適用も不可能で
未来の予測も不可能だから占いようもないわけだ。」

441 :考える名無しさん:2013/07/10(水) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 君子和而不同 小人同而不和


子曰く、君子は和して同せず、小人は同して和せず。


君子は人と調和することができるがむやみやたらと人に同調したりはしない。
小人は人にイエスマンの如く同調するが人と調和することができない。

442 :考える名無しさん:2013/07/11(木) NY:AN:NY.AN O.net
子貢問曰 郷人皆好之 何如 子曰 未可也 郷人皆惡之 何如
子曰 未可也 不如郷人之善者好之 其不善者惡之



子貢問いて曰く、郷人皆これを好まば、何如。
子曰く、未まだ可ならざるなり。
郷人皆これを惡まば、何如。
子曰く、未まだ可ならざるなり。郷人の之善き者これを好み、其の善からざる者これを惡むに如かず。



子貢さんが質問した。
「自分の村の人全員に好かれている人物はどんなもんでしょう?」
「未だ可ならざるじゃ!」
「それじゃ村人全員に憎まれるぐらいでないとダメですかな?」
「それも未だ可ならざるじゃ!村人の善人には好まれ、悪人に疎まれる者には及ばないのじゃ!」

443 :考える名無しさん:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 君子易事而難説也 説之不以道 不説也 及其使人也 器之
小人難事而易説也 説之雖不以道 説也 及其使人也 求備焉


子曰く、君子は事え易くして説ばせ難きなり。これを説すに道を以ってせざれば、説ばざるなり。
その人を使うに及びてや、これを器とす。
小人事え難くして説ばせ易きなり。これを説すに道を以ってせずと雖ども、説ぶなり。
其の人を使うに及びてや、備わるを求む。


君子に仕えるのは易しいが、喜ばせるのは難しい。
道を以ってしかその人は喜ばないからだ。
そういう人が人を使えば適所適材、うまく使いこなす。
小人は仕えるのが難しく喜ばせるのは簡単だ。道理に反したことでも喜ぶからだ。
そういう人が人を使うと完璧を他人に求める。
他人に厳しく自分に甘いということだ。

444 :考える名無しさん:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 君子泰而不驕 小人驕而不泰


子曰く、君子は泰にして驕らず。小人は驕って泰ならず。


君子は泰然たる態度でゆったりしているが傲慢さは微塵もない。
小人は傲慢であるが全然泰然としてないでこせこせしている。

445 :考える名無しさん:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 剛毅木訥 近仁


子曰く、剛毅木訥は仁に近し。



剛毅木訥の人は仁に近い。

446 :考える名無しさん:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN O.net
子路問曰 何如斯可謂之士矣 子曰 切切偲偲怡怡如也 可謂士矣 朋友切切偲偲 兄弟怡怡


子路問いて曰く、何如そ斯れを士と謂うべき。
子曰く、切切偲偲怡怡如たり。士と謂うべし。朋友には切切偲偲、兄弟には怡怡。


子路さんが士について質問した。
「切切偲偲怡怡如だよ、士というものは、
友人とは信頼の情をもって時に厳しく励まし合う。
兄弟には和やかさに接する。

447 :考える名無しさん:2013/07/16(火) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 善人教民七年 亦可以即戎矣


子曰く、善人民を教うること七年、亦以って戎に即くべし。


善人が七年ぐらいその国の民を教導すれば、軍事さえよく行わせることができる。
しかしきちんと教育もしないで戦争に従事させれば野蛮な国家となるであろう。

448 :考える名無しさん:2013/07/17(水) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 以不教民戦 是謂棄之


子曰く、教えざる民を以って戦う、是れこれを棄つと謂う。


ガチの喧嘩の駆け引きややり方を教えないで喧嘩するよう仕向けるならそれは見殺しにするようなもんだ。
徹底した戦争の技術を授けずに、根性論・精神論で戦争させるのは、民を棄てるに等しい。

449 :考える名無しさん:2013/07/18(木) NY:AN:NY.AN O.net
憲問恥 子曰 邦有道穀 邦無道穀 恥也


憲、恥を問う。子曰く、邦道あれば穀す。邦に道なきに穀するは恥なり。


憲さんが恥について質問した。
「道徳の行き渡っている国に仕えて給料を貰いたいものだ。
無道の国の官僚として給料を貰うのは恥ずべきことである。」

450 :考える名無しさん:2013/07/19(金) NY:AN:NY.AN O.net
克伐怨欲不行焉 可以爲仁矣 子曰 可以爲難矣 仁則吾不知也


克伐怨欲行われず。以って仁と爲すべし。
子曰く、以って難たしと爲すべし。仁は則ち吾れ知らざる也。


「常に他人に勝とうとする闘争心
そしてその勝利を誇り、
そしてしょうもないことに根に持ち、
なんでもかんでも自分のものにしようと欲張る。
こうした心から自由な人は仁と言っていいと思います」
先生が言った。
「それは難しいことだ。
しかしそれで仁と言っていいかとなるとわしは知らんよ」

451 :考える名無しさん:2013/07/20(土) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 士而懷居 不足以爲士矣


子曰く、士にして居を懷うは以って士と爲すに足らず。


今日はお家に帰って何しようかな〜何食べようかな〜なんてばかり仕事中考えてるようでは士とは呼べないよ

452 :考える名無しさん:2013/07/21(日) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 邦有道 危言危行 邦無道 危行言孫


子曰く、邦に道あれば、言を危くし、行いを危くす。
邦に道なければ、行いは危くして言は孫る。



国が道徳的に統治されているなら言葉も行いも高尚にして構わん。
しかし国に道が行き渡っていない時は行動は高尚でも言葉は多少控えめにし、
あまり高尚なことは口にしないがよろしかろう。

453 :考える名無しさん:2013/07/22(月) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 有徳者必有言 有言者不必有徳 仁者必有勇 勇者不必有仁


子曰く、徳有る者は必ず言あり。言有る者は必ずしも徳有らず。
仁者は必ず勇有り、勇者は必ずしも仁有らず。


有徳の人は言葉も立派であるが、言葉の立派な人が必ずしも徳があるとは限らない。
仁者には勇気が備わっているが、勇者が必ずしも仁者とは限らない。

454 :考える名無しさん:2013/07/23(火) NY:AN:NY.AN O.net
南宮カツ問於孔子曰 ゲイ善射 ゴウ盪舟 倶不得其死然 禹稷躬稼而有天下
夫子不答 南宮カツ出 子曰 君子哉若人 尚徳哉若人


南宮カツ孔子に問いて曰く、ゲイは射を善くし、ゴウは舟を盪かす。
倶に其の死を得ざるがごとく然り。禹と稷は躬ずから稼して天下を有つ。
夫子不答ず、南宮カツ出づ。子曰く、君子なる哉若くのごとき人。徳を尚ぶ哉若くのごとき人。

南宮カツさんが先生にいった。
「古えのゲイは弓の名手でしたし、ゴウは舟を動かすほどの大力でした。
しかし両名ともに畳みの上で死ぬことはできませんでした。
それに対して禹や稷といった人は自ら農業に従事して天下を保ちました」
先生は何も答えなかった。
南宮カツさんが退出して先生がおっしゃった。
「あいつは君子だね〜、道徳主義者だよ」

455 :考える名無しさん:2013/07/24(水) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 君子而不仁者有矣夫 未有小人而仁者也


子曰く、君子にして仁ならざる者有り、未だ小人にして仁なる者あらざるなり。


君子といえるほどに立派な徳を備えた人間でも仁愛のある人物でない
厳格な道徳家に過ぎないということはありえる。
しかし小人で仁に至った者はいない。

456 :考える名無しさん:2013/07/25(木) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 愛之 能勿勞乎 忠焉 能勿誨乎


子曰く、これを愛す、よく勞ぎらうことなからんや、忠なり、よく誨うることなからんや。


これを愛するなら優しくいたわりたくもなるし、
人に忠実であろうとするならアドバイスしたくもなるのじゃ

457 :考える名無しさん:2013/07/26(金) NY:AN:NY.AN O.net
子曰 爲命 裨ジン艸創之 世叔討論之 行人子羽修飾之 東里子産潤色之


子曰く、命を爲るに、裨ジンこれを艸創し、世叔これを討論し、
行人子羽これを修飾し、東里の子産これを潤色す。


先生がおっしゃった。
「鄭の国では外交の文案を作るのに大変慎重で丁寧であった。
裨ジンがまず草案を作り、それを世叔が検討し
、さらに外交の係の子羽がそれを修飾して、
最後に東里の子産が仕上げをおこなった。」

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