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熊野純彦
- 829 :1/4:2014/09/20(土) 02:43:53.26 0.net
- >>760 では >>751 で指摘したのと同様な基本的な読み間違いが生じている。
日本語訳で落ちているニュアンスから生じている問題なのかもしれない。
まずは、大きなコンテクスト。
この段落までに「世界の-なかに-存在すること」のオンティッシュな解釈とオントローギッシュな解釈が
歴史的に振り返りながら対比されている。
この段落もそうした対比を引き継いで、>>751 と同様の「世間で良く言われる言い方」と
ハイデガーが示したい事柄が対比されている。
問題の段落は次の様に始まる。
Der Satz: _Das Dasein existiert umwillen seiner_, (_イタリック_)
enthaelt
keine egoistisch-ontische Zwecksetzung fuer eine blinde Eigenliebe des jeweils faktischen Menschen.
「現存在は、自身を望むことによって umwillen*1 seiner 現実に存在する」という命題 Satz は
それぞれ事実的な人間の盲目的な自己愛のためにオンティッシュな意味で我を利することを目的とする、
ということを含意していない。
*1 umwillen は willen との関係をハイデガー自身が語っているのでこのように訳しておく。
この冒頭部分で、ハイデガーがこの前の部分から述べている「Das Dasein existiert umwillen seiner」は
オンティッシュな意味で、人間が自分のために自分の利益になるように行動する、といったことは
全く意味していないのだ、と強調している。
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