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【十月】柄谷行人を解体する 65【五日】
- 283 :考える名無しさん:2022/10/08(土) 13:58:34.71 0.net
- 「市民の科学」第12号の柄谷行人特集は、書き手たちが柄谷行人の最近の著作をフォローしている事が分かる。
柄谷理論がいかに有効に解釈可能であるか、という熱意を感じる。
香椎五郎「「霊」にとり憑かれた商品たち」は、「霊にとり憑かれたのは、柄谷ではないか?」と考えると興味深いし、「力と交換様式」への指針にもなる。
読み易い文体で柄谷を語り合う構成は、老人たちが藤原道長の栄華を語る「大鏡」のようだ。
但し、「大鏡」では藤原氏への批判も語っていたのに対し、柄谷への明確な批判はない。
「市民の科学」第11号で、「柄谷はマルクスを誤読した」と書いた、竹内真澄氏の今回の論文は、柄谷特集とは関連がなかった。
重本直利氏の「「目的―手段」の関係性からアソシエーソンの関係性へ」が示唆的だった。
柄谷行人は、カントの世界共和国、永遠平和、定言命法に言及しており、最近、脱原発運動に参加している。
カントの科学論文が、現在の原子力技術に影響した、と考えると、柄谷とは別の視点で、哲学者・科学者の源流として、カントを評価できるかもしれない。
カント 定言命法
すべての理性的存在者は、自分や他人を単に手段として扱ってはならず、 つねに同時に目的自体として扱わねばならない
『市民の科学 2022 第12号』(NGO市民科学京都研究所)
重本直利「「目的―手段」の関係性からアソシエーションの関係性へ」
例えば、十八世紀の哲学者イマヌエル・カントは、二十二歳の時に卒業論文で物体の力と運動量に関する「生きた力の真の制度についての考察」(一七四六年)を著わし、三十一歳の時には『一般自然史と天体の理論―全宇宙の体制と力学的起源についてのニュートンの原理による試論―』(一七五五年)を出版しました(野田[一九七九]六六五〜六六六頁)。
分断化された科学技術は徹底して手段化されるとともに自己目的化されました。
カントのニュートン力学は、その後、自然科学へと分断化(細分化)され古典力学となり、二十世紀に入り量子力学が登場します。
・野田又夫責任編集[一九七九]『カント』(世界の名著39)中央公論社。
重本直利「「科学の自己目的化」から人間の価値を含んだ科学へ」
核分裂によって巨大なエネルギーを得ることは人間の意識と区別された「客観的実在」ではありません。
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