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すがちゃんねるPART3

84 :考える名無しさん:2024/05/03(金) 21:13:27.06 ID:0.net
アントニオ・ネグリ 『帝国をめぐる五つの講義』
83ページより


主権の諸矛盾

こういうわけで、その内部の限界を不断の圧力のもとにさらし、そうすることで
その二重の性質を際立たせる分子的な動態によって、主権は規定される。
われわれが主権を二面性をもつ概念、ヘゲモニーの関係として捉えるとすれば、
いまの帝国的時代にいたる近代全体にわたって主権に刻印された一連の矛盾を発見する。

まず、臣民にとっての致命的な権力としての主権の近代的な軍事的装いを考えてほしい。
ある意味で核兵器はこのような特権を絶対的なものにした。この絶対権力はしかし、
ベトナムで焼身自殺を遂げた僧侶たちの抗議や自爆テロなど自殺の実行によって根本的に
揺るがされた。

〈生〉 そのものが帝国的主権への異議申し立ての努力のなかで否定されるとき、
主権が行使する死活的権力は効果のないことが判明するのだ。
身体に対する絶対兵器は、身体の自発的で絶対的な否定によって無効にされる。
言い換えれば、帝国の時代に軍事行動と警察行動を結合する管理のテクノロジーとなった
主権的 戦争状態は、生政治的な異議申し立ての形態と対比するなら、
堅固な基本原理をもつことをやめるのだ。

この意味で主権は、絶対的であると主張することができないだけでなく、
決定的な危機に突入する。
この文脈のなかで、主権は必然的に対話体とならなければならない。

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