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【クラシックの迷宮】 片山杜秀 7 【パンドラの箱】

715 :名無しの笛の踊り:2020/05/28(木) 00:05:55 ID:x3HfErWu.net
第九終楽章でもっとも美しいのはここである

Ihr sturzt nieder, Millionen?
Ahnest du den Schopfer, Welt?
Such' ihn uber'm Sternenzelt!
Uber Sternen mus er wohnen.

sturzt nieder というのは「膝まずく」という訳が一般的だが、「くず折れる」というイメージが近い。
その一人は、創造主の存在に撃たれ、回心を遂げたパウロである。
成し遂げるのは創造主である。人間ではない。
人間が成し遂げるという思い上がりを、むしろ叩きつぶすのが創造主である。

人間はただ望むことが出来るだけである。
マルクス的思想による人間の思い上がりの試みは、叩き潰される。
詩人シラーも賢人ヘーゲルは汎神論的世界観ではあれ、人間ではなく神が成し遂げることを知っていた。

フランスが作った戦乱から一時ではあれ、ベートーヴェンがウィーンに留まって第九を書き上げるだけの
平和を作ったのは現実主義的に(革命賛美者からは評判最悪の)ウィーン体制を作ったメッテルニヒとタレーランである。
メッテルニヒは渡英時代にバークから親しく学んでいる。

シラーの宗教観を端的に現した文を引用しておこう。

人間は、創造主の偉大さを獲得するために、存在するのである。人間は、創造主が世界
を見渡すのと同じ眼差しで、世界を見渡すために存在するのである。神と同じくなるこ
と(神との相等性)が人間の使命である。このような人間の理想は、なるほど無限に遠
い。しかし、精神は永遠である。永遠が無限のための物差しである。すなわち、精神は
永遠に成長を続けるであろうが、その目標に到達することは決してない。

驚くほどヘーゲルに近いことが誰でもわかるであろう。

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