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【オペラ】東京二期会4【発表会】

867 :名無しの笛の踊り:2021/09/01(水) 11:53:11.01 ID:zMeb5DNJ.net
作品、演出、キャスト、管弦楽、会場…
すべてがそろった奇跡の二期会「ルル」

森谷真理が題名役のキャストを観た。
ベルクの「ルル」は未完にもかかわらず、世界で頻繁に上演される人気オペラだ。
自分も2003年の日生劇場&二期会による日本初演(佐藤信演出・3幕完成版)に始まり、
2004年の新国立劇場(デイヴィッド・パウントニー演出・2幕版)、
2009年のびわ湖ホール(佐藤信演出・3幕版)のすべてを鑑賞。
ドイツのバイエルン州立歌劇場でもデイヴィッド・オールデン演出の3幕版を観たことがある。
それでも何か、もどかしさを覚えてきた。

二期会は2020年に17年ぶりの再演を決め、すでに4作品で共演したオーストリア人女性カロリーネ・グルーバーに新演出を依頼した。
昨年2月にカロリーネが日本に現れた折、コンセプトを語る記者会見が開かれ、
「たいていの女性は、モンスターのように描かれるルルを嫌いなのではないか」と質問してみた。
公演プログラムに載ったカロリーネのレクチャー抜粋に出てくる「日本の新聞記者」とは、私だ。
とにかく「女性の視点から解釈したルル像」に興味があり、それが長年の「もどかしさ」を解消するきっかけになるとの読み筋だった。

カロリーネが描くルルは山ほどある&s幸の果てに多種多様な男性の道具≠ニして扱われて心を閉ざした、あるいは心の意味を測りかねる繊細な女性で、内に隠された魂の部分をドッペルゲンガーのようなダンサー(中村蓉が好演!)が演じる。
さらに道具の象徴であるマネキンが舞台のあちこちに置かれる。
第2幕でルルが脱獄してアルヴァと再会する場面、「Freiheit(フライハイト=自由)」の絶叫はコロナ禍長期化で疲弊する世界の人々全員が憧れる「Befreiung(ベフライウング=解放)」の瞬間への渇望と重なり深く胸を打った。

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