まず、東京医科歯科大の島薗安雄が精神分裂病の生物学的研究の歴史経過を、東京精神医学総合 研究所の荻野恒一が病理学・精神分析学的立場からの現状を述べた後、サズが「Schizophrenia: The Sacred Symbol of Psychiatry(精神分裂病:精神医学の神聖なる象徴」、クーパーが 「What is Schizophrenia?(精神分裂病とは何か?)」と題してそれぞれ講演している。 サズは、ここでも従来からの主張を繰り返す。要約すると1点目は、精神分裂病の症状といわれている 現象があることは認めるが、精神分裂病(現統合失調症)なるものは存在しない。なぜなら、 精神分裂病の診断は「行動上の諸症状」を基礎に行っているものであり、はっきりした細胞上の 病理などを示されていないからである。