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洋書・読み終えた本の感想を書きまくれ 2冊目

45 :名無しさん@英語勉強中 (ワッチョイW b996-Xs6t):2020/06/01(月) 02:30:27 ID:udSHDSem0.net
Sirk on Sirk: Conversations with Jon Halliday

戦前のNazi Germanyを逃れてAmericaに渡り、
その後はDouglas Sirkのcreditで数々の忘れ難いmelodramaを残した映画作家との対話。
Sirkが映画や作品の演出の手法について語る手際は大胆で見事であり、
Magnificent Obsession、All That Heaven Allows、Written on the Wind、Imitation of Life等々、
目眩く不朽の作品群に関する第一級の資料となっている。

到底救い難い台本からいかにしてMagnificent Obsessionような傑作が生まれたのか。
これも疑問に思ったことがあったが、
All That Heaven Allowsは(制作会社も誤解したように)従来は「天はすべて許し給う」と訳されていたが、
Sirkの意図は正反対で(つまりThat〜を普通に限定と解釈する)、
最近は「天が許し給うすべて」とより忠実に訳されている。
また、舞台演劇から演出の道を歩み始めたSirkは、
Euripidesやdeus ex machinaの概念を用いてHollywood流のhappy endを解釈して見せる。

映画作家の映画や自作についての対話としてもおそらく最も傑出したものの一つ。

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