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意識のハードプロブレムの答え25

985 :689:2023/02/24(金) 19:43:28.01 0.net
>>964
「発話」について、いくつかの「要素」の進化を述べた。
一つは、喉の形状の変化によって多彩な音の生成が可能となったこと。
次に発声を自由に操作する“運動随意性”の獲得である。

もう一つは、発話に関する表情運動について。
サルの発声動作と直接関係のない表情動作に、ヒトの「発話」との共通性が数多く観測された点だ。
素朴に考えると、「発話」能力はサルの未熟な発声が洗練された結果だと考えやすい。

しかし、そうではない。大切なのは、これまでにあげた複数の要素群の『統合』と言う視点であることを強調する(図6)。
それぞれの要素が「発話」という特別な能力に向かって一方向的に進化したのではない。
さまざまな要素が形を変えながら受けつがれ、偶然にもヒトでその要素群が相互作用し統合された結果、
創発したのが「発話」だと考えるのが正しい進化史の視点であろう。


「発話」能力の獲得と「言語」能力の獲得は、当然同義ではない。
手話や書き言葉など、発話を伴わない言語がある一方で、声真似するオウムなどの動物は、「発話」能力に優れているが、「言語」能力を獲得したと考えないだろう。

「発話」は「言語」能力の獲得以前に成立した一種の運動能力である。しかも、「言語」能力には「発話」以外にも、他者の心を推論する能力など、さまざまな要素群が存在していると考えられている。我々ヒトのみが、物事を名付ける記号化や、それを組み合わせる演算能力を持つ。個別の要素は「言語」能力獲得のために出現したのではなく、個別の要素が進化し、再利用され、統合されるという現象を繰り返し、その過程で偶然に起きた要素の『統合』によって「言語」能力が出現したと捉える生物進化史が、日の目を見る時を確立しようと目論んでいる。

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