◎女形役者について語るスレ◎
- 529 :玉三郎インタビュー 5/:2021/05/09(日) 18:34:47.39 .net
- >>528
「舞台の上の女性というのは、作品だと思っています。例えば、五線紙上に書かれている音符は、記号的なものですよね。それを楽器が演奏すると、光や影、四季折々が感じられる。
絵画も、絵の具をキャンバスにのせていくことで、さまざまなものを感じられます。モネやドガ、ピカソ、ダ・ヴィンチもそうです。
そういう細部の作りものの集合体が女形でもあると思います。自分は女性ではないので、自分の性(さが)というものを使えませんから、多少その数が多い……」
「ただ、女性を演じる女性たち、すばらしい先輩の女優さんたちを見てきました。そういう方たちは、自分が女であるということを一回すべて細部にばらして、
再構築できる方々ばかりでした。ですから、(女形と女優は)それほど変わりはないと思います」
例えば母親役を演じる時には、実母を思い浮かべることもある。
「母は愛情が大きく、父よりも理性的な人でした。理性的でありながら、感情を隠せなくなる時の移り変わりを、子どもなりに見ていたような気がするんです。それが舞台で演じる時に出てきますね」
長い時は10カ月も続く心身の不調
20代前半、多忙な毎日を送るなかで心身のバランスを崩したこともあった。
「2年半、1日も休まなかったんです。軽い心身症状態になりました。考えてみると、16歳の時にもうつの状態が出ているんです。そして24歳、38歳、41歳の時に出ました。
徐々にうつの深さは浅くなってくるんですけど、長くなった。旅行するとか他の仕事をするとか、違う環境に行くことが重要だと分かってきました。
それと休養ですね。肉体的な問題より、精神的に張り詰めた状態をずっとは続けられない」
長い時は10カ月、不調の状態が続いた。今までに一番長く休みをとったのは90日。休みといっても、そのうちの30日間は次の稽古に向けた準備期間だ。
これまで、舞台に立つことをやめようと思わなかったのはなぜだろうか。
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