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片岡秀太郎 二代目 五の巻

78 :重要無名文化財:2021/05/28(金) 10:34:23.68 .net
扇千景が、まだ若いのに、と追悼していましたが、
八十過ぎても元気に舞台に立ってる人が多い時代に、実に惜しいことをしました。
三兄弟共演の梅川にせよ、河庄にせよ、科白無しで堪えている姿に
一入の哀れさがありましたし、何より綺麗で、かわいかったですね。
かわいかったこと、ここに秀太郎の美質があったと思います。

老役では覚寿や微妙よりは断然越路を採ります。理由は、秀太郎独特の粘った
義太夫味のある科白が出色だったからです。
花車方はおえんさんをはじめ定評あるところですが、雁のたよりのお玉どんは
快活で、ちょっとコケティッシュなところもある、秀太郎ならではの仲居さんでした。
三回に亘る中之芝居も面白かった。中でも最初の鏡山の書換物は主役三人に宛書したかと
思われるくらい嵌っていました。演劇人として秀太郎最良の仕事かもしれません。
大阪での秀太郎の人気の根強さも理解できました。
めずらしい唐人話が出た時に、相良和泉之助という馬鹿殿役を楽しそうに演じていたのも
実に秀太郎らしかった。
小栗判官の横山太郎もそうだが、馬鹿殿役は馬鹿であっても殿様、
その品位を出せる役者は秀太郎で絶後かもしれません。

かなり前、民放でしたが、秀太郎が安宅関を訪ねる番組がありました。
安宅関の海岸でカメラにむかい、弁慶、富樫の台詞を入れながら、
音吐朗々一人で勧進帳を説明していました。立派なものでした。
ああいう映像が残っていたら、是非再放送して頂きたいものです。

愛之助が女形に進まなかったことを惜しむ声がありますが、
秀太郎氏曰く、愛之助本人に女形の性根というか、意識がまったくないので
立役に進むのは致し方ない、ということだそうです。
記憶に多々間違いがあるかもしれませんが、数々の名舞台が思い起こされます。
ご冥福をお祈り申し上げます。

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