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【三十一谷人】福沢諭吉について(其の12)

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/07/26(日) 01:21:05.99 ID:ZGc1jhSE0.net
苅部直さんも安川寿之輔さんの「脱亜論」の解釈は
「研究史の上ではすでに葬り去られている謬見」
であり「俗論」だとばっさり切り捨てています。

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 研究史の上ではすでに葬り去られている謬見が、日本国内でも中学・高校の教科書など
に残存し、俗論となっていまだに流布している例は多い。とりわけ福澤の「脱亜論」につ
いては、プロの研究者として遇されている人々にも、それを信奉している人が少なくない
のである。たとえば、永原慶二監修『岩波日本史辞典』(岩波書店、一九九九年)の「脱亜
論」の項目にはこうある。「日清戦争を文明進歩の是非を問う戦いだとしたこの主張は、
その後の日本人の周辺諸国に対する大国意識と蔑視の根底を形成。アジア太平洋戦争敗戦
後も、米ソ冷戦のなかアメリカ追従国策で日本は再度脱亜への道を歩む」。

 項目執筆者が発表の年を十年あとと誤認したのかもしれないが、いずれにせよ、実は
「脱亜論」の文面に対清開戦論など書かれていない。この論説が広く知られるようになっ
たのは、『竹内好評論集 第三巻 日本とアジア』(筑摩書房、一九六六年。ちくま学芸文庫
の『日本とアジア』として再刊。収録論文「日本のアジア主義」が本書の序章と第一章で言及さ
れている)に収められた論文「日本とアジア」(一九六一年初出)が出てからのことと思わ
れるから、「脱亜論」それ自体が同時代の一般大衆に影響を与えたとも考えにくい。まし
て、日本人の「大国意識」や戦後の「アメリカ追従国策」についてまで責任を負わせるの
は、ほとんどたちの悪い冗談だろう。こういう見解が中国や韓国にまで流布して、反日感
情を支える一助になっていることを考えると、犯罪的である。
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続きます。

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