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【三十一谷人】福沢諭吉について(其の12)

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2015/09/09(水) 18:50:31.89 ID:4AVwBCjd0.net
新・脱亜論 「内なる中国」と闘え - 平野聡(東京大学大学院教授)
http://blogos.com/article/130057/

中国中心の「華夷秩序」に対峙してきた日本。対中関係「最大の失敗」はどこにあったか

 日本の存立を考える上で、すぐ西に存在する大国である中国との関係は無視し得ない。ある意味で日本の歴史とは、如何にして中国とは違った国家を存立させるのか、
そして中国からも一目置かれて並び立つにはどうすれば良いのか、という困難な課題の積み重ねであったと言えよう。それは同時に、一歩選択を間違えれば、
日本という存在が中国の影響(あるいは、中国をみる国際社会の「幻想」)にからめ取られて致命的な失敗に陥ることを意味する。

 清朝史・近現代中国史を主に学んできた筆者のみるところ、戦前、ことに昭和における最大の失敗は、このような難題をめぐって明治期になされた努力の精華を、日本自身の傲慢によって食いつぶしたことにある。

華夷秩序と対峙して
 前近代の日本が常に直面してきたのは、中国中心の世界観に基づく「天下」の秩序とどのようにして付き合うべきか、という問題であった。

 漢字と豊かな農耕社会を生みだした中国文明は、自らを完全なる「華」、他者を不完全な「夷」=野蛮人と見なし、「夷」は「華」の影響力を自発的・積極的に受け容れるべきで、
そしていずれは「華」に同化して行くべきという考え方をとった。しかも、上下の関係を遵守することこそ万物が安定する基本と考える儒学思想が、このような世界観を補強した。

 具体的にいえば、「天下」の中心たる「華」に君臨する「天子=皇帝」が、権力のみならず文化、価値観、道徳の解釈権を独占する。
そして、外国=「夷」にも恩恵を与えて臣下の位に登らせ、「天下」における然るべき居場所を与える。その結果、「夷」は皇帝の恩情に感激し、皇帝が営む秩序の安定を助けることが期待された。
この「天下」の論理、「華夷秩序」こそ、中国文明を貫く原理である。

 しかしこの結果、「夷」とされた周辺諸国は難しい選択を迫られた。黄河の中流で生まれた中国文明の権威を無条件に受け容れて慕うのか。
抵抗せずにその影響力の大きさを表向き認めて面従腹背・是々非々の関係をとるのか。いずれにしても「華夷秩序」を受け容れれば、その国は朝貢国となる。
前者は例えば明と朝鮮、明清と琉球の関係があるし、後者は大部分の朝貢国が当てはまった。

 いっぽう、彼らの自己中心的な主張を拒否し、明確に抵抗の意思を示すならば、「天下」の中心に君臨する皇帝権力は、たちどころに不遜と見なして怒りに震え、「天威」をふるって懲罰しようとするだろう。
とはいえ実際には、「天朝」の側にはそこまでの予算はないため、総じて「化外」(教化の外)として放置される。

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