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ハンJいじめられっ子部

1 :マンセー名無しさん:2020/04/15(水) 14:39:36 ID:vlDiMxGk.net
いじめられっ子集まれーo(^o^)o

2 :マンセー名無しさん:2020/04/15(水) 17:56:14 ID:5PddyIeh.net
テスト

3 :マンセー名無しさん:2020/04/15(水) 18:51:57.41 ID:vlDiMxGk.net
絆とかオリンピックを毛嫌いしてる人って絶対友達がいないよね
いじめられて人間不信になったのかな?w

4 :マンセー名無しさん:2020/04/15(水) 21:33:46.43 ID:d9fpUAY7.net
なんでイッチはそんなにいじめられっこの心情に詳しいんや?
あっ…(察し)

5 :マンセー名無しさん:2020/04/16(木) 00:54:24 ID:CWhc9QHK.net
いじめ自慢ほど醜いもんねーな

6 :マンセー名無しさん:2020/04/16(木) 14:06:31 ID:rlyfzHx5.net
尾辻かな子 @otsujikanako: 大阪はある人が首長になってから、ツイッターで一般人を含めて攻撃をしてきました。記者の個
人攻撃もしました。その委縮効果は絶大でした。そのような文化を作ったので、その組織の人たちは同じような行動をするようになりました。これが、大阪の現状です。

https://twitter.com/otsujikanako/status/1250447466157068290

もろいじめられっ子のコメントなの草
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7 :マンセー名無しさん:2020/04/16(木) 16:45:35 ID:kF0Denki.net
別に大阪維新や橋下を全面擁護するわけじゃないし
確かに彼にいじめっこ気質がないとは言わないが
大阪自民はいじめっ子じゃないとでもいうんだろうか
むしろ大阪維新はトンキンや中央政府のいじめから大阪人を守った側じゃないだろうか
そもそも、週刊朝日の部落差別的な橋下批判記事のほうがよっぽどいじめであり、
同和関係者を萎縮させただろう。
左翼やリベラルが大阪の地方選挙では維新をたおすために自民党という人面獣心の悪魔と手を組んでいることも到底理解しがたい。
オール野党でよってたかって罵倒するほうがいじめだと思うし、
それは共産党系単独与党の首長が過去に通った道だと思うんだが。
維新のおかげで大阪は自民党得票率が全国最低の平和な町になったのに。

8 :マンセー名無しさん:2020/04/16(木) 16:48:42 ID:IPvOgJ4n.net
>>7
共産党員が血の涙流してますよw

9 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 12:35:11.15 ID:ymLbDOWF.net
清原陽香 1994年生まれ
https://imgur.com/vnkAJi0

https://imgur.com/WyYkVtp


https://imgur.com/dO1y1dR

https://m.imgur.com/EDz25oZ

このような外道な行いをしていました。
こいつに制裁がくだりますように

10 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 16:04:23.80 ID:K4wMnIx2.net
ここは私怨でいじめっこを晒すスレちゃうぞ空気読めや
そんなんやからいじめられるんとちゃうんか?

11 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 16:07:13.98 ID:K4wMnIx2.net
未だに青髭に粘着してるクラスタ民にも言えることだけどw

12 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 16:43:08 ID:K4wMnIx2.net
青髭に粘着してる駒ガイジとか孔悠鬼とかってどれだけ取り繕ってもられっこオーラが見え隠れするから気持ち悪い

13 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 17:27:14 ID:/PgObABJ.net
青髭は一流大学卒のエリートで陽キャだからなwww

14 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 21:07:37 ID:5EQzSSyt.net
青髭さんは早慶上敬だからな

15 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 21:24:32 ID:gWO6hAAJ.net
>>14
これマジ?

16 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 23:14:55 ID:kq7VYQ41.net
埋めさんは東大だし格闘技やってるじゃん
ウヨがいじめられるサイドだなーw

17 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 23:33:09.75 ID:yOyuYxtP.net
>>595
駒さんも早慶上駒だぞw
怖いかネトウヨw

18 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 23:35:03.17 ID:yOyuYxtP.net
わけわからんところに安価飛ばしてしまったw
595まで伸びればいいな

19 :マンセー名無しさん:2020/04/17(金) 23:37:59.26 ID:kq7VYQ41.net
人多いから余裕でしょー

20 :マンセー名無しさん:2020/04/18(土) 06:19:47 ID:lh9pQvTW.net
イジメは自然淘汰って戸塚宏センセイも仰られてるからな
今回のコロナでヘイトクライムが全世界で蔓延したのも自然淘汰や

21 :マンセー名無しさん:2020/04/18(土) 16:30:57 ID:JBO48Tm0.net
元いじめっ子が謝罪の手紙「高校時代はイジメてゴメン! その事が僕の心を重くしている。じゃあね!」 全世界が感動。  [571598972]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1587180471/

22 :マンセー名無しさん:2020/04/18(土) 21:15:02 ID:PnyKgc5G.net
まあチョンコパヨク民(自称ハンJ民)自体が
他のSNSでイジメられて泣きながら逃げてきた
ミジメなパヨクが主体なんやけどね

やれやれ(冷笑)

23 :マンセー名無しさん:2020/04/19(日) 09:20:06 ID:YfdDQuKN.net
>>22
格闘技の天才の埋めさんに勝って見ろよ
陰キャチズ牛ネトウヨw

24 :マンセー名無しさん:2020/04/20(月) 07:42:36 ID:DiWxup77.net
ネトウヨより冷笑系の方が嫌いと言うパヨはいじめのリーダーより取り巻きや傍観者の方が憎いと言ういじめられっ子マインドに通じるものがあるね

25 :マンセー名無しさん:2020/04/20(月) 08:50:03.93 ID:jyXO9X+a.net
ネトウヨ=冷笑だ
チズ牛!!!

26 :マンセー名無しさん:2020/04/20(月) 09:04:22.34 ID:DiWxup77.net
>>25
桜井誠とトイレスタンプどっちが嫌い?

27 :マンセー名無しさん:2020/04/20(月) 09:17:44.92 ID:jyXO9X+a.net
られっ子のネトウヨさんw
埋めさんにびびったくせにwww

28 :マンセー名無しさん:2020/04/20(月) 17:55:29 ID:ONADVX7B.net
駒ガイジw
https://pbs.twimg.com/media/EV-gVFmVcAEF2CF.jpg

29 :マンセー名無しさん:2020/04/20(月) 23:29:18.46 ID:F3BCpC2w.net
いじめ、不登校、自殺未遂……。SEALDs奥田愛基の壮絶な過去と、「生きる」ために読んだ本との出会い
https://ddnavi.com/news/308607/a/

30 :マンセー名無しさん:2020/04/20(月) 23:50:19.66 ID:jyXO9X+a.net
俺らハンJは陽キャだ

31 :批判の質 ◆.U7VTGIbUkev :2020/04/21(火) 00:11:29 ID:I7wtp94l.net
なるさん→東大卒で体育会系で年収数億
ぬぅぬさん→東大卒で体育会系で年収数億
駒さん→東大卒で体育会系で年収数億

ネトウヨ完敗じゃんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

32 :マンセー名無しさん:2020/04/21(火) 00:23:53 ID:6lGux36e.net
>>31
でもお前いじめられっ子で不登校じゃん

33 :マンセー名無しさん:2020/04/21(火) 00:35:08.07 ID:6lGux36e.net
駒ガイジは高校が底辺校らしいしきっといじめで不登校だったんだろうな
惨め過ぎて泣いてしまった

34 :マンセー名無しさん:2020/04/21(火) 09:25:00 ID:Dnh7noL7.net
Yahoo!ニュース @YahooNewsTopics: 【感染者や家族 家に投石落書き】
https://yahoo.jp/YIFln5

三重県知事は20日、新型コロナウイルスの患者や家族の家に、石が投げ込まれたり、壁に落書きされたりするなどの被害があったことを明かした。「誰がいつどこで感染するかわからない、傷つけ合っても意味がない」。

https://twitter.com/masterlow/status/1251972072709840897

いじめの時間やね(ニッコリ)
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35 :マンセー名無しさん:2020/04/22(水) 08:30:04 ID:hchYC6ou.net
>>32
埋めさんは軍隊武術やってるんだぞネトウヨ
それに東大だ
ネトウヨ勝ってる部分あるか陰キャ

36 :マンセー名無しさん:2020/04/22(水) 14:23:06 ID:82FRF+LM.net
質ガイジとウメガイジって同一人物なのか?

37 :マンセー名無しさん:2020/04/22(水) 23:53:23 ID:7nmEh7Tp.net
しょうやん @Showyan12

38 :マンセー名無しさん:2020/04/22(水) 23:55:19 ID:cWuPFVlK.net
女子高生「昔イジメた陰キャに逆恨みで放火されかけた…気持ち悪いの一言ですね」 [745215778]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1587531476/

39 :マンセー名無しさん:2020/04/23(木) 01:01:57.47 ID:IPTRQNgn.net
チズ牛ウヨさんw

40 :マンセー名無しさん:2020/04/23(木) 01:17:58.28 ID:LOsYDcgc.net
>>37
しょうやんはいじめを止めに入ってそう
「ワシは黙って見てられんのですよ」みたいな

41 :マンセー名無しさん:2020/04/23(木) 15:29:24 ID:IPTRQNgn.net
ネトウヨさんw

42 :マンセー名無しさん:2020/04/23(木) 23:05:39 ID:IPTRQNgn.net
埋めさんは喧嘩無敗で有名なんだぞ

43 :マンセー名無しさん:2020/04/24(金) 00:52:27 ID:yfjzORcm.net
じゃあ駒は?

44 :マンセー名無しさん:2020/04/24(金) 06:30:22 ID:pAophjKa.net
維新にイジメられる自民と旧民主と共産(笑)
これは痛快ですわ

45 :マンセー名無しさん:2020/04/24(金) 14:39:10 ID:zH728tme.net
最初はいたけど数ヶ月で飽きて去ったんだぞ
なんJ民やハセカラ民の性格を考えればわかる話だな
君がハングル板侵攻虚構説論者なら仕方ないが

46 :マンセー名無しさん:2020/04/24(金) 20:17:31 ID:Ty2DVWgs.net
( ´H`)y-~~twitter界隈でいじめられ、ネット中でバカにされて涙目で逃げ込んだ先が5chだったということなんでしょう。それで、いまだに自分たちが少数派に過ぎないという現実を直視できずにイキってるだけのアホウの巣に成り果てたという感じ。

やれやれ(冷笑)

47 :マンセー名無しさん:2020/04/25(土) 00:38:57 ID:YQo0p3AM.net
最初はいたけど数ヶ月で飽きて去ったんだぞ
なんJ民やハセカラ民の性格を考えればわかる話だな
君がハングル板侵攻虚構説論者なら仕方ないが

48 :マンセー名無しさん:2020/04/25(土) 00:41:27 ID:zD6cIcqA.net
最初はいたけど数ヶ月で飽きて去ったんだぞ
なんJ民やハセカラ民の性格を考えればわかる話だな
君がハングル板侵攻虚構説論者なら仕方ないが

49 :マンセー名無しさん:2020/04/25(土) 00:59:47.94 ID:9Xxwu2NR.net
最初はいたけど数ヶ月で飽きて去ったんだぞ
なんJ民やハセカラ民の性格を考えればわかる話だな
君がハングル板侵攻虚構説論者なら仕方ないが

50 :マンセー名無しさん:2020/04/25(土) 01:22:01 ID:sF7GqrJV.net
最初はいたけど数ヶ月で飽きて去ったんだぞ
なんJ民やハセカラ民の性格を考えればわかる話だな
君がハングル板侵攻虚構説論者なら仕方ないが

51 :マンセー名無しさん:2020/04/25(土) 15:33:06 ID:N0OqkOZI.net
ハン板ではチー牛じゃなくてチズ牛なのな

52 :マンセー名無しさん:2020/04/26(日) 22:56:00 ID:c9EqkYvI.net
埋めさんは軍隊古武術使えるんだぞ

53 :批判の質 ◆.U7VTGIbUkev :2020/04/27(月) 02:38:06 ID:iBTNPakK.net
ヒディン君って埋めはいじるけど仲秋とか木村みたいなガチガイジはいじらないよねw

54 :マンセー名無しさん:2020/04/28(火) 10:30:46 ID:rHeu0Cbj.net
埋めちゃんみたいなイキり虚言のほうがイジってあげたくなるやろ

55 :マンセー名無しさん:2020/04/29(水) 02:58:54 ID:HnRztWDa.net
質ガイジって本当は青様にいじめられたいんでしょ?
石川優実みたいにトークショーで公開処刑されたらきっと興奮しすぎて失神しちゃうねw

56 :マンセー名無しさん:2020/05/05(火) 10:30:34 ID:yHlGi1xx.net
うめって全角岩手スレに沸いて一緒になってキチガイ連投してんだぜ
やっぱ本物の障がい者だったわ
そら誰も勝てない

57 :マンセー名無しさん:2020/05/05(火) 20:30:45 ID:Gb3OJRwS.net
【悲報】青髭さん、引退 Part.2
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/korea/1533139682/

ここで必死に青髭のネガキャンしてるのが孔悠鬼

孔悠鬼スレで色々過去の悪事や個人情報発掘されてるのをセルフ擁護していたがキリがないので削除依頼にとどめて数年前引退した青髭叩いて溜飲を下げてる

ムカついて青髭にコテンパンに論破されたのを未だに根に持っている如何にもいじめられっ子なご尊顔

https://ameblo.jp/yonebanzai/image-12149991653-13619769395.html
https://twitter.com/kongyouguai/status/755287473807175680(裏付け)
https://jyurie.dmm-power.mixh.jp/wp-content/uploads/postimages/2019/06/TO9hjw6.jpg
https://pbs.twimg.com/media/CljuoPfUkAQLA5P?format=jpg&name=large
https://pbs.twimg.com/media/CljB5qmVEAAwpBj.jpg
https://pbs.twimg.com/media/Cljt3XcUkAArweW?format=jpg&name=large
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58 :マンセー名無しさん:2020/05/09(土) 11:58:41 ID:EDGfM5xh.net
ハンJはウェイト倍のやつでもワンパンでしょう

59 :マンセー名無しさん:2020/05/13(水) 02:16:42 ID:RQOoNviT.net
【恨J民】ぬぅぬさん 1体目【Doll Lover】
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/korea/1588867642/

60 :マンセー名無しさん:2020/05/13(水) 16:06:43 ID:U4wdQ9yH.net
>>59
キモい奴やな

https://i.imgur.com/ZJ4b1Yz.jpg
https://i.imgur.com/a7XWAVD.jpg
https://i.imgur.com/xqFlxTh.jpg
https://i.imgur.com/hbhYz4z.jpg
https://i.imgur.com/TnbAOOj.jpg
https://i.imgur.com/NCEQSAd.jpg

61 :マンセー名無しさん:2020/05/14(木) 07:32:15 ID:QOeqwImn.net
青年期にイジメを受けると脳が破壊されることが判明。平成も終わったのにまだイジメを放置するのか? [321172479]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1589408783/

62 :マンセー名無しさん:2020/05/24(日) 23:05:07 ID:0EMXq+ov.net
https://i.imgur.com/MjlZTHq.jpg

63 :マンセー名無しさん:2020/05/24(日) 23:11:46 ID:PHBnKhw5.net
ハンJいじめられっ子 ランキング

1⃣ぬぅぬ
2⃣院落ち
3⃣けーざい
4⃣しょうやん
5⃣アレル
6⃣半額総菜
7⃣松ってぃー
8⃣makoto
9⃣掘り便

64 :マンセー名無しさん:2020/05/25(月) 03:14:39 ID:7o4a9dNL.net
fuku爺chanをいじめるな!🤬

65 :マンセー名無しさん:2020/05/25(月) 03:27:56.40 ID:N9CQ9Xq+.net
スレ民はその絵文字好きやな

66 :マンセー名無しさん:2020/06/02(火) 00:05:43.18 ID:86JyDclH.net
【恨J民】桜ういろう 1本目【ストーカー】
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/korea/1591023199/

67 :マンセー名無しさん:2020/06/02(火) 02:33:58 ID:8sJ8kvP7.net
カラシレンコンはいじめられっこ丸出しだったな
卒業式恨んでたみたいだしw

68 :マンセー名無しさん:2020/06/02(火) 10:03:17 ID:7gOk9CEP.net
本国のチョンコにいじめられてる在日チョンコ大集合スレw

69 :マンセー名無しさん:2020/06/02(火) 10:54:21 ID:7wyP73Fm.net
卒業式を恨むw
珍しい奴やな

70 :マンセー名無しさん:2020/06/05(金) 20:44:40 ID:doxxY3Ot.net
https://mobile.twitter.com/HasumiinToronto/status/1233015954201694215
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71 :マンセー名無しさん:2020/06/29(月) 16:49:33 ID:JK5txgSP.net
https://i.imgur.com/Y2jb2qr.jpg
こいつのせいで息子が12年前自殺した。

こいつは今、23歳で呑気にリア充している。しかも立命館大学を卒業したから人生順調らしい。こいつを特定してネットの晒し者になりますように。

72 :マンセー名無しさん:2020/06/29(月) 17:29:15.76 ID:bnOzl+UD.net
>>71
詳しくはわかりませんが深いご事情があられるのでしょうね。
亡くなられた息子さんもご家族の皆様も苦しい思いをされたのでしょうね。

73 :マンセー名無しさん:2020/07/05(日) 13:37:58.29 ID:AqN7gl5v.net
>>63
最近院落ちの話題ないな

74 :マンセー名無しさん:2020/07/05(日) 21:00:10.85 ID:2Cw8jb1J.net
【民族派リベラル】しょうやん【アンティファ】
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/korea/1593949396/

75 :マンセー名無しさん:2020/07/05(日) 21:03:39.70 ID:VKAOKVNR.net
44 マンセー名無しさん 2020/07/01(水) 19:52:13.77 ID:2O7eqt2m
俺も卒業式は行きたくなかったな。学校にはいい思い出がない。
はっきり言えば、なにか俺に落ち度があった訳でもなく、正当な理由もないのにいじめられていた。
ただいつでも反撃はできたけど相手と同レベルに落ちるのが嫌でやらなかっただけだから、
正式にいじめられていた内に入るかは不明。

桜ういろうが嫌いなのは俺も同じだ。あいつは許せない。
だが、奴が登校拒否や卒業式に行きたくなかった過去を公開しているのであれば、それを茶化すのはやめて欲しい。
俺みたいな人間もいることを知っておいてくれ。

76 :マンセー名無しさん:2020/07/05(日) 23:27:18 ID:+pTjYdpY.net
fuku爺chanっていじめられっ子のオーラ半端ないけど
いじめられっ子グループ内で気の弱い子をいじめて喜んでそうだよね

77 :マンセー名無しさん:2020/07/06(月) 03:52:00.26 ID:ZEjSrWb5.net
250 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (アウアウクー MM63-LTdq) 2020/07/06(月) 01:40:13.14 ID:Ty3yfHcxM
いじめの本当の価値は、こいつはいじめられています、いじめられるような人間ですと周囲に知らしめることにある
ただそいつを殴りたいだけなら見えないところで殴り倒したらいい
周囲を巻き込んでそいつを社会から排除する、その上で娯楽として利用することがいじめの真の価値
理想的なのはいじめの対象が何か社会的に後ろめたい属性を持っていることだな
現代ならネトウヨやオタクはどこからも反発が来ないし、反発があったとしても何の影響力もない層だからターゲットとしてかなり適切

78 :マンセー名無しさん:2020/07/06(月) 07:27:07.97 ID:ZDCsgGRq.net
サヨクがオタクを弾圧してたか

79 :マンセー名無しさん:2020/07/06(月) 12:17:19 ID:9zBiBFHS.net
埋めさんは格闘技やってるだろ

80 :マンセー名無しさん:2020/07/07(火) 23:50:19.96 ID:clJ1AYMS.net
ダブルハーンジェイ!トリプルハーンジェイ!!

81 :マンセー名無しさん:2020/07/08(水) 06:34:30.21 ID:nqwm4G3E.net
12 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (タナボタ Saeb-xX0Z) 2020/07/07(火) 13:46:27.35 ID:t0WbRXtua0707
高校時代3年間いじめてた奴いたけど、卒業式の日に土下座して許してもらった。あれがなかったらもしかしたら今でも罪悪感が残ってたような気はする。

56 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (タナボタ MMc2-+upQ) 2020/07/07(火) 13:51:05.83 ID:Xqsi5W5AM0707
>>12
3年間分をたった一発の土下座で許して貰えたと思ってるの
皆の目の前じゃなくどうせ二人っきりの場所でやったんだろ?
とっとと500万くらい包んで持っていけよ虫けら

66 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (タナボタ 276e-J3mH) 2020/07/07(火) 13:51:54.87 ID:FxOFOrPH00707
>>56
いじめられると根性腐るのがよくわかる書き込み

152 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (タナボタ Sdaa-dDrj) 2020/07/07(火) 14:01:48.17 ID:+Wkt8Mgrd0707
>>56
やっぱいじめられる奴が悪いんだな

82 :マンセー名無しさん:2020/07/08(水) 13:30:48 ID:+u9PFgj1.net
どう考えてもいじめは悪だからクラスタスレでもfukuchanとか戸田須磨子をいじめるのはやめて欲しい
あいつらが本当に自殺でもしたらどう責任取るつもりなんだ

83 :マンセー名無しさん:2020/07/08(水) 20:15:47 ID:r2eMYKt0.net
581 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ cde2-Bqa1) 2020/07/08(水) 11:14:36.53 ID:uuRLyubj0
俺は小中の頃ずっと虐められてて、高校入学の際もう虐められるのは嫌だと思ってかなり無理してヤンキーぶるようになって、
だけどいつの間にか「ワルぶってる自分」が素の自分みたいになって虐めをする側になった

「自分がされて辛かったこと」を人にする時、自分が強くなった錯覚にホロ酔える
弱者を平気で虐めてる自分に心底嫌悪を感じて、申し訳ない気持ちもちゃんとあるのに、
「強者の側を堪能する愉悦」のほうが勝っていじめをやめられなかった

「つらい経験をした分人に優しくなれる」なんて言う人もいるし、実際そういうタイプもいるんだろうけど、
自分が味わった辛い体験を人に与えることに仄暗い愉悦を感じてしまう自分みたいな脳みそ腐った奴も一定数存在して、
それは学生時代の虐めだけじゃなく社会に出てからのパワハラとかセクハラにも大いに現れてる人間の卑しい性向なんだと思う

社会に出てからも何度かやっちゃったしな
自分が先輩に言われて傷ついた事を後輩に言っちゃったりとか
心底自分が恥ずかしくなって、自分みたいな人として歪んだクズは人と関わる仕事はしてはいけないと思って今は自営業で細々生きてる

84 :マンセー名無しさん:2020/07/08(水) 20:19:44 ID:r2eMYKt0.net
名レスやったから転載させていただきましたやで

85 :マンセー名無しさん:2020/07/11(土) 14:45:22 ID:nte9N33P.net
格闘技の天才
ハーンJ!!!

86 :マンセー名無しさん:2020/07/18(土) 18:52:20 ID:aIXH+pRg.net
俺らハンJはダンベル400キロだからな

87 :マンセー名無しさん:2020/07/18(土) 23:30:59 ID:KlqcNh7U.net
>>82
いじめはいじめられる方が悪ってこと?

88 :マンセー名無しさん:2020/07/19(日) 08:07:05 ID:lfGnl1mZ.net
つまりネトウヨってことだwww

89 :マンセー名無しさん:2020/07/19(日) 08:17:46 ID:ghWnHc5o.net
日にち空けても自演は自演

90 :マンセー名無しさん:2020/07/19(日) 13:30:03 ID:lfGnl1mZ.net
自演したのバレたのかw
ネトウヨwww

91 :マンセー名無しさん:2020/07/21(火) 23:05:44 ID:3e2QaZ/Y.net
東大卒パヨ弁、結構方々で弄られてコケにされてるな

92 :マンセー名無しさん:2020/07/28(火) 09:53:34 ID:ePUXW/qd.net
埋めさんは軍隊古武術格闘技使えるんだぞ
まじでびびってるなネトウヨw

93 :マンセー名無しさん:2020/07/28(火) 10:23:11.78 ID:wokiyh5Z.net
学校でいじめられてた奴って何て言うか、気持ち悪かったよなw動作がトロかったり、空気が読めなかったり、頭が悪かったり等々 [257926174]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1595888700/

94 :マンセー名無しさん:2020/07/28(火) 10:55:57 ID:ePUXW/qd.net
ネトウヨ発狂スレ乙www

95 :マンセー名無しさん:2020/07/28(火) 11:02:06 ID:wokiyh5Z.net
言われてるぞ

67 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイW 59bf-D/ta) 2020/07/28(火) 08:31:01.22 ID:KwzcY1eX0
卒業から30年たってるだろうにまだ学校の話するの?
普段何してんの?

96 :マンセー名無しさん:2020/07/28(火) 11:04:51 ID:ePUXW/qd.net
それはネトウヨだろw

97 :マンセー名無しさん:2020/07/28(火) 11:05:07 ID:ePUXW/qd.net
ネトウヨの自演レス乙w

98 :マンセー名無しさん:2020/08/22(土) 04:59:00.98 ID:pQ7GHtQi.net
【真理】いじめって絶対無くならないよな、20年生きててやっと気づいたわ [191444226]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1598039153/

99 :マンセー名無しさん:2020/08/22(土) 05:36:22.32 ID:nvkn16Q0.net
カラシレンコンおじちゃん、卒業式が嫌いなのはなぜ?

100 :マンセー名無しさん:2020/08/22(土) 19:41:46 ID:4jlBLH/o.net
>>99
相手の心の傷に塩を塗り込むような貴方のそういうレスがイジメなのです

101 :マンセー名無しさん:2020/08/23(日) 00:05:13 ID:QVwYAUqh.net
いじめっ子(15)「人生サイコー!」 イジメられっ子(15)「...死にたい」◀こいつらの20年後www [321172479]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1598104457/

102 :マンセー名無しさん:2020/08/23(日) 08:13:02 ID:g167jb2u.net
てすや

103 :マンセー名無しさん:2020/08/23(日) 09:06:16.48 ID:S5fKlERI.net
俺ら最強ハンJ

104 :マンセー名無しさん:2020/08/23(日) 09:43:49 ID:oQf0fT7H.net
弱者の味方が多い嫌儲で、いじめスレはいじめっ子の味方が多い理由はなぜか? [205023192]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1598129146/

105 :マンセー名無しさん:2020/08/23(日) 21:37:05.98 ID:K5nmVRHQ.net
嫌儲この週末いじめスレ立ちすぎやろw

合法的にできる復讐方法を教えてくれ、いじめの復讐がしたいんだが [205023192]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1598182978/

106 :マンセー名無しさん:2020/08/23(日) 21:39:08 ID:m6mMSBVC.net
ホリBも追加だなw

107 :マンセー名無しさん:2020/08/24(月) 00:51:36.49 ID:G3TIlM/k.net
>>104
オタクくんボロクソに言われてるやん

18 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイW 1fc7-1CXK) 2020/08/23(日) 05:57:28.41 ID:Bw7f0lOo0
オタクってものすごく排他的で攻撃的なのに
なぜか自分はいじめられっ子だと思いこんでるよな

加害意識持ってる方がまともな人だよ

23 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ 1fe5-YpYZ) sage 2020/08/23(日) 06:00:30.27 ID:GDUrIT500
熱心にネットリンチしてるのはオタクだけだからな
オタクも誰かをいじめたいんだろ

37 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイW 1fc7-1CXK) 2020/08/23(日) 06:08:15.54 ID:Bw7f0lOo0
オタク連中って感情的で攻撃的で
なにかしてもらっても当然と思ってありがとうも言わないし
あいつら本当に一般とかんじょうの違ういじめっ子体質だよな

普通は大人になれば周囲と調和していくのに
あいつらは年齢とともにより攻撃的になっていくよな

58 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ 9f12-JNkc) 2020/08/23(日) 06:19:47.36 ID:x+bsdPOQ0
>>45
全部が全部じゃないけど基本的に「弱者」を助けろじゃなくて「おれ」を助けろなんだよね
そして「おれ」さえ助かれば他はどうでもいいどころか罵倒するようなメンタリティ
こんなどうしようもない人間性だから学生時代にいじめに合うんだろう

252 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイW 1fed-NbTy) 2020/08/23(日) 08:59:43.66 ID:X4zdu0WE0
ツイッターのアニメアイコンとか見てると
いじめられて当然みたいな奴らしかおらんからな

108 :マンセー名無しさん:2020/08/25(火) 10:34:50 ID:lKH4Q7rj.net
おまえの自演だろうがネトウヨ!

109 :マンセー名無しさん:2020/08/25(火) 22:42:52.94 ID:4zdGWUKe.net
ケンモメンみたいなのはいじめられても仕方ない🤬

110 :マンセー名無しさん:2020/08/27(木) 10:50:29.45 ID:R1Orhwhg.net
いじめっ子「意地悪して、ごめん」いじめられっ子「許さないグス」俺先生「謝ってるんやから許したれよ。そんなんやからいじめられんやぞ [257926174]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1598483282/

111 :マンセー名無しさん:2020/08/27(木) 11:36:35 ID:7N04N5rQ.net


44 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ササクッテロラ Sp51-70Gp) 2020/08/27(木) 08:28:23.43 ID:uk0eG1Q3p
( ´ᯅ` )「あああ…」

(ヽ´ん`)「あいついじめられて可哀想だな……仲良くしてやるか」

↓数ヶ月後

( ^ᯅ^ )「けんもうくんさァ、それでさァ…」

(ヽ゚ん゚)(なんでこいつが虐められていたのか分かった)

112 :マンセー名無しさん:2020/08/27(木) 13:03:12 ID:DuXKIMnX.net
埋めさんは一人で特殊部隊倒せるんだぞ

113 :マンセー名無しさん:2020/08/29(土) 17:36:47 ID:Vr0SM/Zf.net
藤田ニコル「いじめられる側にも原因が」ネット「ふざけるな!」木村花「死にます」ネット「豆腐メンタルはネットするな」 [636272582]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1598688092/

114 :マンセー名無しさん:2020/09/06(日) 14:26:12 ID:mpomk79h.net
いじめ問題っていじめっ子に復讐するしか解決方法ないよな? [205023192]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1599366318/

115 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 15:01:16.32 ID:bLd6ZL3l.net
このスレは埋め立てないのかい?w

116 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 15:13:09.14 ID:r+g2Z0HS.net
fukuchanがいじめられっ子だからやろ
そっとしておいてやれ

117 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 17:39:31.67 ID:iFu3nRD1.net
埋め作がこれほど発狂するとは
なにがあった?

118 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 17:47:31.50 ID:j9TiPhv9.net
煽られて頭キューってなったら来ると思うで

119 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 18:32:49.81 ID:0yvEN8Ca.net
fukuchanはじめスレ民は全員正義のいじめっ子だぞ
埋め立てぐらいではノーダメ

120 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:21:02.20 ID:B5/JCSUD.net
埋めちゃん一日5000回くらい発狂しとるんちゃうか

121 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:29:07.66 ID:Thqnn2bh.net
http://hissi.org/read.php/korea/20200914/

やばいでしょ

122 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:30:15.30 ID:B5/JCSUD.net
4000回発狂って・・・・

123 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:35:33.47 ID:c8sYgyAe.net
次はこのスレがいじめられてしまうん?

124 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:49:48.28 ID:j9TiPhv9.net
埋めじゃないし駒でもない「設定」で当人はがんばってるから
あんま言うとココでも発狂するぞ

125 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:54:39.32 ID:RPDeUs6P.net
オレは禁断の森の奥、獣道で三匹の狼の様な魔物に追いかけられていた。

126 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:54:57.93 ID:RPDeUs6P.net
 オレの鼓動は高鳴り、冷や汗を背中に掻き、息を切らして魔物に振り返る。

127 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:55:16.84 ID:RPDeUs6P.net
 魔物は身体中から暗黒のオーラを放ち、紅く鋭い眼光に吸い込まれそうだ。

128 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:55:35.28 ID:RPDeUs6P.net
 魔物は荒い息を上げて低く唸り、涎を垂らしながら、鋭い牙を覗かせ吠えて走ってくる。

129 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:55:53.34 ID:RPDeUs6P.net
 舗装されてないので足元がかなり悪く、雨が降ったのか大小の水溜りが出来ている。

130 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:56:11.60 ID:RPDeUs6P.net
 オレは前を向いてないので、前方不注意で盛大に水溜りを踏んだらしく、派手な水飛沫が飛び散る。

131 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:56:29.95 ID:RPDeUs6P.net
 おかげでスニーカーが濡れ、靴下までも濡れて気持ち悪い。スニーカーが泥だらけだ。

132 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:56:48.86 ID:RPDeUs6P.net
 おまけに水溜りを踏んだせいで、足を持っていかれ危うくこけそうになる。

133 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:57:07.44 ID:RPDeUs6P.net
 その時、真ん中の魔物が急に立ち止り砂煙を上げる。

134 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:57:26.32 ID:RPDeUs6P.net
 魔物は顔を真っ直ぐ上げて遠吠えをした。

135 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:57:44.60 ID:RPDeUs6P.net
 あいつ何しやがった?

136 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:58:02.58 ID:RPDeUs6P.net
 嫌な予感がする。オレの頬に冷や汗が伝い、オレは顔を戻す。

137 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:58:21.27 ID:RPDeUs6P.net
 腕を必死に振って走り、小さな水溜りを飛んで避け、大きな水溜りはスニーカーや靴下が濡れるのを構わず走る。

138 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:58:39.15 ID:RPDeUs6P.net
 こうなりゃ、汚れる心配をしてる場合じゃねぇ。

139 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:58:56.90 ID:RPDeUs6P.net
 カーゴパンツの裾がずぶ濡れだが気にしない。

140 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:59:16.32 ID:RPDeUs6P.net
 獣道の脇では、樹の影や枝の上で紅い眼が蛍の光の様に幾つも光が点滅している。

141 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:59:34.76 ID:RPDeUs6P.net
 まさか、さっきの遠吠えで仲間を呼んだんじゃないだろうな。

142 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 19:59:52.60 ID:RPDeUs6P.net
 オレの悪い予感が的中するかのように、獣道の脇、樹の影からぞろぞろと狼の様な魔物が出てきた。

143 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:00:11.66 ID:RPDeUs6P.net
 枝の上から飛び降りる魔物。

144 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:00:29.48 ID:RPDeUs6P.net
 よく見ると数本の樹に、魔物か動物の爪痕があった。

145 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:00:47.91 ID:RPDeUs6P.net
 どの魔物も涎を垂らし、オレに鋭い牙を向けて威嚇して吠えている。

146 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:01:07.45 ID:RPDeUs6P.net
 腹が空いているのか、苛立ったように足を踏み鳴らし、今にも突進してきそうだ。

147 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:01:26.55 ID:RPDeUs6P.net
 嫌な目だぜ、どいつも同じ様な面してやがる。仲間でオレを狩るつもりか?

148 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:01:44.94 ID:RPDeUs6P.net
 オレはまだ十一なんだぞ。こんなとこで、魔物の餌になりたくねぇ。

149 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:02:03.34 ID:RPDeUs6P.net
 オレは魔物を見回しながら走り、心の中で愚痴を吐く。

150 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:02:22.63 ID:RPDeUs6P.net
 こいつら襲ってこないのか?

151 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:02:40.83 ID:RPDeUs6P.net
 その時、オレは獣道に転がっていた小石につまずき、片足が派手に上がる。

152 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:03:00.30 ID:RPDeUs6P.net
「どわっ」
オレは間抜けな声を出してしまった。

153 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:03:19.51 ID:RPDeUs6P.net
 オレの身体がぬかるんだ地面に倒れそうになる。

154 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:03:37.33 ID:RPDeUs6P.net
 その時、オレの左隣を走っていた幼馴染のネロが右手を伸ばしてオレの胸を支えてくれる。

155 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:03:55.38 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは黒いハットを斜めに被り、整った目鼻立ちで黒縁メガネ。左耳にピアス。

156 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:04:13.62 ID:RPDeUs6P.net
 服は白いシャツに黒いジャケットを羽織り、左手の小指と中指に指輪を嵌め、右手首にブレスレット。下はデニムパンツにスニーカーを履いている。

157 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:04:32.28 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはモデル並みの美形で女の子は黙っていない。

158 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:04:51.21 ID:RPDeUs6P.net
 幼馴染のミサでさえ、ネロを独り占めにしている。

159 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:05:10.45 ID:RPDeUs6P.net
 ネロのハットとジャケットは砂埃で汚れ、指輪とブレスレットに小さな泥が付いている。

160 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:05:29.13 ID:RPDeUs6P.net
「わりぃな」
オレは頭の後ろを掻いた。

161 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:05:47.70 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはオレの胸からそっと手を離し、その場から一歩も動かず魔物を窺い辺りを見回している。

162 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:06:05.79 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは何やらデジタル腕時計のボタンを弄り、黒縁メガネのレンズに魔物の3D立体映像が表示された。

163 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:06:23.75 ID:RPDeUs6P.net
 3D立体映像表示された魔物は回転して、何やら数秒後に黒いシルエットに変わり赤く点滅している。

164 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:06:41.98 ID:RPDeUs6P.net
 オレは頭の後ろで手を組んで、ネロの様子を黙って見ていた。

165 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:06:59.94 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは首を横に振る。

166 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:07:18.56 ID:RPDeUs6P.net
「ダメだ。こいつらの正体がわからない」

167 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:07:36.76 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはオレに振り向いて簡潔に答えた。

168 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:07:54.82 ID:RPDeUs6P.net
 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかける。

169 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:08:12.63 ID:RPDeUs6P.net
 戦おうとするオレにネロは手で制する。

170 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:08:31.72 ID:RPDeUs6P.net
「よせ。下手に動いて奴らを刺激するな。ミサの援護を待とう」

171 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:08:50.19 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは掌をオレに向けて、オレに警告する。

172 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:09:09.30 ID:RPDeUs6P.net
「わかってる。ミサはホバーボードでのんびり観光してるんじゃねぇのか? ミサを待ってられるかっ」

173 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:09:27.88 ID:RPDeUs6P.net
 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま。

174 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:09:46.14 ID:RPDeUs6P.net
 魔物に警戒しながら、魔物を刺激しないように体制を低くし、慎重に動きながら辺りを見回す。

175 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:10:04.47 ID:RPDeUs6P.net
 こいつら、オレが小石につまずいた隙にオレたちを囲いやがった。

176 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:10:23.64 ID:RPDeUs6P.net
 オレたちを囲んだ魔物は、すぐに襲おうとはせず遠くでオラたちの様子を窺っている。

177 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:10:42.76 ID:RPDeUs6P.net
 オレは後退るうちにネロの背中とぶつかり、ネロと背中合わせになる。

178 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:11:01.06 ID:RPDeUs6P.net
 オレは深呼吸して落ち着きを取り戻し、姿勢を正してネロに振り向く。

179 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:11:19.27 ID:RPDeUs6P.net
「こいつらなんなんだ? アルガスタに魔物がいるなんて聞いたことねぇぞ」

180 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:11:37.57 ID:RPDeUs6P.net
 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま、ネロに訊く。

181 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:11:55.26 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは瞼を閉じて、肩を竦めて首を横に振る。

182 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:12:13.41 ID:RPDeUs6P.net
「わからない。もしかしたら、禁断の森に棲んでいる新種の魔物かもしれない」

183 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:12:32.19 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは黒縁メガネの鼻のフレームを、人差指と中指で挟んで持ち上げた。

184 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:12:50.84 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは顎に手を当てて腕を組み、魔物を観察して考え込んでいる。

185 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:13:08.85 ID:RPDeUs6P.net
 ネロの黒縁メガネのレンズには、魔物の黒いシルエットが回転して赤く点滅している。

186 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:13:26.79 ID:RPDeUs6P.net
 その時、ネロの左耳に装着しているインカムに、幼馴染のミサから無線が入る。

187 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:13:44.87 ID:RPDeUs6P.net
「ネロ、どうする? 囲まれちゃったわよ?」

188 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:14:03.43 ID:RPDeUs6P.net
 ネロのインカム越しから、ノイズ交じりで幼馴染のミサの暢気な声が聞こえる。

189 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:14:21.18 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはホバーボードで禁断の森の偵察に行ったままだったが、やっとミサから無線が入る。

190 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:14:39.01 ID:RPDeUs6P.net
 オレは額に両手を当てて空を仰ぐ、ミサどこにいるんだよ。

191 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:14:56.90 ID:RPDeUs6P.net
 つうか、いままでどこ行ってやがった。オレのことは無視かよ、ミサ。

192 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:15:14.63 ID:RPDeUs6P.net
 オレは空を睨んで拳を振り上げる。

193 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:15:33.03 ID:RPDeUs6P.net
腹を空かしているのか、魔物たちがジリジリとオレたちとの距離を縮める。

194 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:15:50.92 ID:RPDeUs6P.net
 魔物は低く唸り、吠えたり、涎を垂らし、歯を噛んで鳴らし、仲間の首に噛みついたりじゃれている。

195 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:16:09.79 ID:RPDeUs6P.net
オレは魔物を睨み据え、斜め掛けの鞘に収めている剣の柄に手をかける。

196 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:16:28.53 ID:RPDeUs6P.net
「こうなりゃ、戦うしかねぇだろ。ネロ、策はあるか?」

197 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:16:47.33 ID:RPDeUs6P.net
 オレは背中合わせのままネロに振り向く。

198 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:17:05.45 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは瞼を閉じて肩を竦め、呆れて首を横に振る。

199 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:17:23.89 ID:RPDeUs6P.net
「この数を相手にするつもりか? 相手にするとキリがない。こいつでまとめて片付ける」

200 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:17:42.35 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはジャケットのポケットから、銀色の小さな丸い球形を二個取り出した。

201 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:18:00.71 ID:RPDeUs6P.net
「受け取れ」

202 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:18:19.48 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは後ろに手を回して、銀色の小さな球形をオレに手渡す。

203 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:18:29.02 ID:p5drP2og.net
やめろー!これ以上スレ民を埋め立てでいじめるなー!

204 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:18:38.43 ID:RPDeUs6P.net
 オレは首を傾げ、手を後ろに回してネロから得体の知れない銀色の小さな球形を受け取る。

205 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:18:57.19 ID:RPDeUs6P.net
「なんだよ、これ」

206 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:19:16.84 ID:RPDeUs6P.net
 オレは眉根を寄せ訝しげにネロから受け取った銀色の小さな丸い球形を両手の掌で転がす。

207 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:19:35.11 ID:RPDeUs6P.net
 オレは銀色の小さな球形が転がる動きを細い目でつまらなそうに追う。

208 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:19:53.52 ID:RPDeUs6P.net
 ネロが肘でオレの脇腹を小突かれて、オレはネロに振り向く。

209 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:20:11.49 ID:RPDeUs6P.net
「手前に水溜りがあるだろ? こいつで奴らを感電させる。ある程度倒せるだろ、後のことは考えてない」

210 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:20:29.85 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは手前の水溜りを睨み据え、左手をジャケットのポケットに突っ込んで銀色の小さな球形を放り投げて遊んでいる。

211 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:20:48.10 ID:RPDeUs6P.net
 オレは耳をほじくって鼻で笑い顔を戻す。

212 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:21:06.26 ID:RPDeUs6P.net
 ネロの作戦が耳に入ってなかったオレは数秒遅れて、両手の掌で銀色の小さな球形を転がす動きが止まった。

213 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:21:24.19 ID:RPDeUs6P.net
 今更ながらネロの作戦に驚き、オレは銀色の小さな球形を握り締め、そのまま拳を振り上げた。

214 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:21:42.14 ID:RPDeUs6P.net
「はあ!? こんなもんで何ができるんだよ!?」

215 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:22:00.11 ID:RPDeUs6P.net
 周りを見渡せば、確かにオレたちの周りに大小の水溜りがある。

216 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:22:19.17 ID:RPDeUs6P.net
 こんなもんで、あいつらを感電させられるのかよ。

217 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:22:37.70 ID:RPDeUs6P.net
 オレは握り締めた指を広げて、掌に載っている銀色の小さな球形を見つめる。

218 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:22:55.91 ID:RPDeUs6P.net
 ネロがオレに振り向く。

219 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:23:14.18 ID:RPDeUs6P.net
「ボクを信じろ。それとも、カイトはボクを信じられないのか?」

220 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:23:32.14 ID:RPDeUs6P.net
 ネロが念を込めてオレの脇腹を小突き、ネロはカイトに意思表示する。

221 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:23:50.49 ID:RPDeUs6P.net
「……」
オレは何も言わなかった。

222 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:24:09.89 ID:RPDeUs6P.net
 黙って銀色の小さな球体を握り締めて、俯いて瞼を閉じて首を横に振る。

223 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:24:28.16 ID:RPDeUs6P.net
「それにしても、景色がきれぇ〜」

224 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:24:46.30 ID:RPDeUs6P.net
 その時、ネロのインカムからノイズ交じりで緊張感のないミサの暢気な声が聞こえる。

225 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:25:04.37 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサの声を聞いて呆れてため息を零す。

226 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:25:22.52 ID:RPDeUs6P.net
 顔を上げて、オレはネロに振り向く。

227 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:25:40.40 ID:RPDeUs6P.net
「そうだな。お前を信じるしかねぇ」

228 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:25:59.98 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは任せろという感じで頷く。

229 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:26:17.96 ID:RPDeUs6P.net
「奴らが水溜りの上を歩いたら、そいつを投げるんだ、いいな?」

230 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:26:36.78 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはミサを無視して、黒いハットに手を載せ、銀色の小さな球形を握り締めた。

231 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:26:55.97 ID:RPDeUs6P.net
 オレはネロに答える様に脇腹を肘で小突いた。

232 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:27:14.15 ID:RPDeUs6P.net
「ああ。派手にやろうぜ」

233 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:27:32.87 ID:RPDeUs6P.net
 オレは奴らが水溜りの上を歩くまで、じっと待った。

234 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:27:50.99 ID:RPDeUs6P.net
 オレは緊張で唾を飲み込み、ごくりと喉を鳴らす。何故か喉が渇き、冷や汗が頬を伝う。

235 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:28:09.36 ID:RPDeUs6P.net
 オレはネロが気になり、ネロに振り向いた。

236 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:28:28.05 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは左手をジャケットのポケットに手を突っ込み、右手で銀色の小さな球形を握り締めて手を構えている。

237 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:28:45.98 ID:RPDeUs6P.net
 後ろの敵と前の敵を気にしながら、ネロはタイミングを窺っている。

238 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:29:04.07 ID:RPDeUs6P.net
 どうやら、ギリギリまで奴らを引き付けるつもりらしい。

239 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:29:22.84 ID:RPDeUs6P.net
「今だ!」
ネロが力強く叫んだ。

240 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:29:41.15 ID:RPDeUs6P.net
 緊張でオレの心臓が口から飛び出しそうになる。

241 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:30:00.64 ID:RPDeUs6P.net
「ほらよっ! 大人しくしやがれ!」

242 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:30:19.78 ID:RPDeUs6P.net
 オレは水溜りの上を歩く奴らに向かって、銀色の小さな球形を放り投げる。

243 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:30:37.65 ID:RPDeUs6P.net
 銀色の小さな球形は放物線を描いて水溜りに落ちた瞬間、強烈な青白い電撃が魔物たちを巻き込んで襲い始める。

244 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:30:55.87 ID:RPDeUs6P.net
 あまりの眩い光に、オレは思わず「うっ」と声を漏らす。顔の前で眩い光を手で遮り、片目を瞑る。

245 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:31:13.95 ID:RPDeUs6P.net
「ぐぉぉぉぉん!」

246 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:31:33.34 ID:RPDeUs6P.net
 魔物らが水溜りの上で咆哮を上げながら、魔物の身体は黒こげになり黒煙を上げ、絶命したのかばたばたと横に倒れてゆく。

247 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:31:51.52 ID:RPDeUs6P.net
 電撃を食らわなかった魔物らは、一瞬何が起こったか理解できず、首を傾げてお互い顔を見合わせる。

248 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:32:09.95 ID:RPDeUs6P.net
 数秒が経ち、魔物らは仲間の死体を見つめて悲しい眼をして後退り、ぞろぞろと踵を返して樹の影に消えてゆく。

249 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:32:28.48 ID:RPDeUs6P.net
 まだ諦めてないのか、樹の影で魔物の紅い目が光っているのが不気味だった。

250 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:32:46.52 ID:RPDeUs6P.net
 オレは脱力感とともにため息を零す。

251 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:33:05.00 ID:RPDeUs6P.net
 オレはネロに振り返って、ネロの肩に手を置く。

252 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:33:23.64 ID:RPDeUs6P.net
「なんとかなったな。正直、お前の親父の発明品、馬鹿にしてたぜ」

253 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:33:41.61 ID:RPDeUs6P.net
 オレは親指を突き出す。

254 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:33:59.73 ID:RPDeUs6P.net
 ネロの親父は、ゾット帝国騎士団の科学者だ。

255 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:34:19.05 ID:RPDeUs6P.net
 よく変な物を発明しては、騎士団と親衛隊に役立っている。

256 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:34:37.30 ID:RPDeUs6P.net
 自慢げにネロは、オレとミサに親父の発明品を見せびらかす。

257 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:34:55.42 ID:RPDeUs6P.net
 秘密基地で親父の発明品を弄っては、武器を改良するのがネロの趣味とかなんとか。

258 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:35:13.48 ID:RPDeUs6P.net
 そんなんじゃ、女が呆れるぞ。いつもオレは思う。

259 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:35:31.64 ID:RPDeUs6P.net
 お前が親父の発明品を弄る時、ミサがいつもつまらなそうにしているのがわからないのかよ。

260 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:35:49.41 ID:RPDeUs6P.net
 ネロが鬱陶しそうにオレの手を払いのける。

261 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:36:09.34 ID:RPDeUs6P.net
「よせよ。お前は何も考えずに突っ走るところがある。無駄な戦いは避けたい」

262 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:36:27.39 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは瞼を閉じて肩を竦める。

263 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:36:46.47 ID:RPDeUs6P.net
 オレは頭の後ろで手を組んだ。

264 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:37:05.59 ID:RPDeUs6P.net
「悪かったな、何も考えてなくて。今回は、お前に助けられたな」

265 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:37:24.09 ID:RPDeUs6P.net
 ネロの背中越しに、魔物らが黒こげになっているのを見て、オレは口笛を吹く。

266 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:37:42.17 ID:RPDeUs6P.net
「ねぇ。こんなとこにラウル古代遺跡があるわけ? 見たとこ森が広がってるし、でっかい湖はあるし。何もないじゃない」

267 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:38:00.15 ID:RPDeUs6P.net
 ネロのインカムに、ノイズ交じりでミサから無線が入る。

268 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:38:18.46 ID:RPDeUs6P.net
 お前は暢気でいいよな、ミサ。オレとネロは散々な目に遭ったってのに。オレは愚痴を零す。

269 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:38:37.17 ID:RPDeUs6P.net
 オレは空を仰いで額に両手をくっつけ、お気楽なミサを探す。

270 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:38:55.80 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサを探すのを諦めて頭の後ろで手を組み、樹の影に消えてゆく魔物らを見送る。

271 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:39:14.16 ID:RPDeUs6P.net
「あいつらも諦めてくれたし、さっさとこんなとこ離れようぜ」

272 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:39:32.42 ID:RPDeUs6P.net
 オレは肩を竦めて歩く。

273 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:39:51.80 ID:RPDeUs6P.net
 ネロの横を通り過ぎようとした時、ネロは手でオレを制す。

274 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:40:10.08 ID:RPDeUs6P.net
「待て、奴らの様子が変だ。油断するな、カイト」

275 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:40:28.74 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは何匹か残った魔物を見回した後、自分が倒した魔物の前にいる、生き残った魔物たちを睨み据える。

276 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:40:46.67 ID:RPDeUs6P.net
「今度はなんだよ」

277 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:41:04.99 ID:RPDeUs6P.net
 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけ、残った魔物たちを見回す。

278 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:41:23.95 ID:RPDeUs6P.net
 こいつら、何しようってんだ?

279 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:41:43.10 ID:RPDeUs6P.net
 オレたちの前から立ち去らずに残った魔物は、なんと黒こげになった魔物の死体を喰い始めた。

280 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:42:01.23 ID:RPDeUs6P.net
 魔物は喧嘩しながら、魔物の死体を貪る。生々しい咀嚼音が聞こえる。

281 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:42:19.66 ID:RPDeUs6P.net
 信じられない光景を目の当たりにして、オレは思わず後退る。

282 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:42:38.03 ID:RPDeUs6P.net
「!? ど、どうなってんだよ」

283 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:42:56.02 ID:RPDeUs6P.net
 オレは手に変な汗を掻いていた。

284 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:43:14.03 ID:RPDeUs6P.net
 ネロがオレを制した手をゆっくりと下す。

285 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:43:32.11 ID:RPDeUs6P.net
「さあな。嫌な予感がする」

286 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:43:50.32 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは緊張した声音で、腰に巻いたホルスターのオートマチック銃の柄に手をかける。

287 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:44:09.25 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは余った手でジャケットのポケットに手を突っ込んだ。さっきの武器を使うのだろうか。

288 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:44:27.75 ID:RPDeUs6P.net
 共食いしている一匹の魔物が貪るのを止めて顔を上げ、低く唸りながらオレたちに吠えて威嚇して見ている。

289 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:44:45.64 ID:RPDeUs6P.net
 その魔物は、低く唸りながら足を踏み鳴らし、なんと姿を変え始めた。

290 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:45:04.21 ID:RPDeUs6P.net
 その魔物は皮膚が解けてメタリックの骨格が露わになる。足の爪がさらに鋭くなり、背中にキャノン砲が現れた。

291 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:45:22.74 ID:RPDeUs6P.net
 それぞれメタリックの骨格姿に変えた魔物の背中に様々な武器が現れる。

292 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:45:41.49 ID:RPDeUs6P.net
 ミサイルランチャー、ガトリング砲、ビームキャノン砲。

293 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:46:01.50 ID:RPDeUs6P.net
 姿を変えた魔物が勝ち誇った様に口許を綻ばせ、紅い目が鋭く光り、次々に背中に装備した武器を発射したり撃ってくる。

294 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:46:19.64 ID:RPDeUs6P.net
 オレの瞳に、奴らの攻撃が迫るのが映る。

295 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:46:37.74 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ。ミサの奴、何してんだよ。

296 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:46:55.76 ID:RPDeUs6P.net
 こんな時に。オレは焦り苛立った。

297 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:47:13.92 ID:RPDeUs6P.net
「ウォーターボール!」

298 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:47:32.42 ID:RPDeUs6P.net
 その時、オレたちの頭上でミサの声が降った。

299 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:47:51.38 ID:RPDeUs6P.net
 ミサがオレたちの頭上で呪文を詠唱した声が聞 こえたかと思ったら、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、ふわりとオレの身体が浮き上がる。

300 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:47:54.32 ID:5bA/tpZp.net
支援

301 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:48:09.36 ID:RPDeUs6P.net
 その間に奴らの攻撃がオレのジャンボシャボン玉に当たるが、奴らの攻撃がジャンボシャボン玉に吸収されてゆく。

302 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:48:25.16 ID:5bA/tpZp.net
支援

303 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:48:28.36 ID:RPDeUs6P.net
 「ど、どうなってんだ!?」

304 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:48:40.54 ID:5bA/tpZp.net
支援

305 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:48:46.98 ID:RPDeUs6P.net
 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスを取るのに必死で、ジャンボシャボン玉の中で忙しく回転している。

306 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:48:56.59 ID:5bA/tpZp.net
支援

307 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:49:05.26 ID:RPDeUs6P.net
 回転しすぎて気分が悪くなり吐きそうになり、ロ許を手で押さえる。

308 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:49:23.50 ID:RPDeUs6P.net
 逆さま状態で隣のネロを見る。

309 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:49:38.76 ID:5bA/tpZp.net
支援

310 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:49:41.83 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはジャンボシャボン玉の中でハットを押さえ、胡坐をかいてジャケットのポケットに手を突っ込んでいる。

311 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:49:59.89 ID:RPDeUs6P.net
 ネロの奴、平然とパランス取りやがって、優雅に景色を堪能してやがる。

312 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:50:18.07 ID:RPDeUs6P.net
 オレは逆さまの状態でネロを睨んで拳を振り上げる。

313 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:50:30.13 ID:5bA/tpZp.net
支援

314 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:50:36.98 ID:RPDeUs6P.net
 こうなったら、意地でもバランス取ってやる。

315 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:50:55.04 ID:RPDeUs6P.net
 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスをとるのに悪戦苦闘し、くるくる回ること数分が経ち、そろそろバテた頃。

316 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:51:12.96 ID:RPDeUs6P.net
 オレはコツを掴み、やっとジャンボシャボン玉の中でバランスが取れる様になる。

317 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:51:31.20 ID:RPDeUs6P.net
 オレは胡坐をかいて頬杖を突き、勝ち誇った様にネロを睨む。

318 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:51:50.40 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは相変わらずハットを押さえて胡坐をかき、ジャケットのポケットに手を突っ込み、眼下に広がる景色を堪能している。

319 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:52:08.80 ID:RPDeUs6P.net
 無視かよ。オレは俯いてため息を零す。

320 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:52:27.32 ID:RPDeUs6P.net
 オレは立ち上がり、退屈しのぎに片足を上げてよろけながらシャボン玉の内側をこぶしでたたいてみるが、金属の様な硬い音がする。

321 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:52:46.70 ID:RPDeUs6P.net
 どうなってんだ。こいつはシールドなのか?

322 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:53:06.29 ID:RPDeUs6P.net
 ふと下を見ると。オレの眼下で小さくなった奴らが悔しそうに攻撃を諦めてオレたちを呆然と見上げている。

323 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:53:24.84 ID:RPDeUs6P.net
「ふぅ。なんとかなったか」

324 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:53:42.90 ID:RPDeUs6P.net
 オレはネロに背を向けて寝転び、耳を穿りながら眼下に広がる景色を眺めた。

325 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:54:02.46 ID:RPDeUs6P.net
 広大な森が広がり、山が連なり、川が流れ、大きな湖、大きな滝、古城、遺跡がちらほら見える。

326 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:54:22.56 ID:RPDeUs6P.net
 大自然がオレを呑み込み、オレは息を呑む。これが、世界か。初めて見る。

327 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:54:40.79 ID:RPDeUs6P.net
 昔は、この森に人が住んでたかもな。

328 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:54:58.84 ID:RPDeUs6P.net
それにしても。
禁断の森の途中まで馬で来て、すく帰るつもりだったんだよな。

329 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:55:16.65 ID:RPDeUs6P.net
 馬はミサの魔法でゾット帝国騎士団の馬小屋に返したのはいいけどよ。

330 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:55:35.03 ID:RPDeUs6P.net
 まさか、遺跡を調べている時に魔物に襲われるとはな。

331 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:55:52.99 ID:RPDeUs6P.net
 オレは思い出して、苦笑いしてため息を零す。

332 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:56:11.34 ID:RPDeUs6P.net
 爺ちゃんの冒険書に書いてあった、ラウル古代遺跡。

333 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:56:29.41 ID:RPDeUs6P.net
 爺ちゃんの最期の冒険、ラウル古代遺跡を確かめるため、ここまで来た。

334 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:56:47.89 ID:RPDeUs6P.net
 オレは今、世界を見ている。爺ちゃんが見てきた世界。

335 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:57:06.16 ID:RPDeUs6P.net
 オレは爺ちゃんに貰ったクリスタルの首飾りのクリスタルを握り締める。

336 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:57:15.18 ID:6ch5gdUz.net
この幼稚な反撃のセンスこそがクラスタが落伍者たる所以やな

337 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:57:24.85 ID:RPDeUs6P.net
 このクリスタルは、爺ちゃんがラウル古代遺跡で採取したらしい。

338 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:57:43.48 ID:RPDeUs6P.net
 爺ちゃんが死んでから、オレはクリスタルの首飾りを肌身離さなかった。

339 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:57:56.16 ID:SSklDIHz.net
支援

340 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:58:01.58 ID:RPDeUs6P.net
 爺ちゃん。オレはこれから、世界を見ていく。

341 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:58:11.16 ID:SSklDIHz.net
支援

342 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:58:19.67 ID:RPDeUs6P.net
 オレたちを包んだシャボン玉は上昇気流に乗って目がくらむ高さまで上昇した後、風に任せてゆっくりと飛んでゆく。

343 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:58:32.14 ID:SSklDIHz.net
支援

344 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:58:37.84 ID:RPDeUs6P.net
 オレは束の間の旅を楽しむ。

345 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:58:56.66 ID:RPDeUs6P.net
 その時、飛行機の様な騒音が近づいてくる。

346 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:59:14.42 ID:RPDeUs6P.net
「なんだ?」
オレは何事かと思い、音のする方に顔を向ける。

347 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:59:32.94 ID:RPDeUs6P.net
 騒音とともにごっついホバーボードに乗った、幼馴染のミサがオレとネロの間に割って入る。

348 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 20:59:51.26 ID:RPDeUs6P.net
 オレは寝返りを打って、やっと来たミサを「おせえんだよ」と呟く。

349 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:00:09.19 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは亜麻色のポニーテールでエメラルドグリ ーンのベレー帽を斜めに被り、額にゴーグルを装着している。

350 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:00:26.94 ID:RPDeUs6P.net
 両耳にハートのピアス、首にはハートのネックレス。

351 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:00:45.70 ID:RPDeUs6P.net
 服は白のブラウスで胸に小さな紅いリボンが付き、スカイブルーのガーディガン。

352 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:01:03.71 ID:RPDeUs6P.net
 コウモリの形をした黒いマントを羽織り、両手 に革の黒いグローブを嵌めている。

353 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:01:23.17 ID:RPDeUs6P.net
 下はピンクのフレアスカートに太腿丈の黒いスパッツを穿き、膝から下は縞のニーソックス。

354 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:01:41.22 ID:RPDeUs6P.net
 靴は黒いショートブーツ。

355 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:01:59.71 ID:RPDeUs6P.net
 ミサが肩を疎め、瞼を閉じてため息を零す。

356 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:02:17.86 ID:RPDeUs6P.net
「もう見てられないんだから。あたしに感謝しなさいよ? ネロ、あたし大活躍でしょ!?」

357 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:02:36.51 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは鼻と喉を鳴らしてオレを一瞥した後、胸の前で手を組み上目遣いでネロにラブラブビームを送る。

358 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:02:55.51 ID:RPDeUs6P.net
 オレはつまらなそうにネロを見る。

359 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:03:13.52 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはミサを無視して胡坐をかき、景色を眺めながら腕を組んで顎に手を当てて何やら考え込んでいる。

360 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:03:31.45 ID:RPDeUs6P.net
 また始まったよ。ミサの媚が。付き合ってらんね。

361 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:03:49.52 ID:RPDeUs6P.net
「つうか、ミサ。お前、今までどこ行ってたんだよ?」

362 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:04:09.23 ID:RPDeUs6P.net
 オレは寝転んだまま、耳を穿りながらミサを睨む。

363 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:04:27.31 ID:RPDeUs6P.net
 こいつ、可愛いんだけど、性格が最悪なんだよな。

364 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:04:45.15 ID:RPDeUs6P.net
「どこでもいいでしょ? カイトには関係ないじゃない」

365 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:05:02.99 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはオレに舌を出して、両手を組んで鼻と喉を鳴らしてそっぽを向いた。

366 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:05:21.37 ID:RPDeUs6P.net
 オレは舌打ちした。

367 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:05:40.45 ID:RPDeUs6P.net
「ああ、そうかよ。お前の恋が実るといいな。どっかの誰かさんと」

368 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:05:58.75 ID:RPDeUs6P.net
 オレは肩を疎めて、ネロに顎をしゃくる。

369 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:06:17.04 ID:RPDeUs6P.net
 オレは「やってらんねえ」と呟き、ミサに背を向けて寝返る。

370 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:06:35.08 ID:RPDeUs6P.net
 景色をぼんやり眺めていると、安心感と疲労で眠気が襲い、オレは欠伸をして目を擦る。

371 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:06:53.74 ID:RPDeUs6P.net
その時、どこから飛んできたミサイルランチャーがオレのジャンボシャボン玉に当たり、卵が割れる様な嫌な音を立てて罅が入る。

372 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:07:11.91 ID:RPDeUs6P.net
 オレのジャンボシャボン玉にミサイルランチャーが当たる度に罅が大きくなる。

373 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:07:30.32 ID:RPDeUs6P.net
 その後、何故か敵の攻撃が止んだ。

374 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:07:49.02 ID:RPDeUs6P.net
 諦めてくれたか?

375 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:08:07.35 ID:RPDeUs6P.net
 オレは寝転んだまま、辺りを見回す。

376 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:08:25.41 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ。今度はなんだよ。

377 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:08:43.67 ID:RPDeUs6P.net
 敵の攻撃が止んだのを確かめると、オレは眠気が一気に覚め、何事かと思い慌てて飛び起きた。

378 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:09:01.47 ID:RPDeUs6P.net
「おい、ミサ。なんでオレだけ罅が入るんだよ!?」

379 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:09:19.53 ID:RPDeUs6P.net
 オレは拳を振り上げ、ミサに食ってかかる。オレの拳が怒りで震えている。

380 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:09:37.32 ID:RPDeUs6P.net
 ミサ。オレのだけ手加減したんじゃねぇだろうな。

381 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:09:55.39 ID:RPDeUs6P.net
 オレの中で、そんな不安が過る。まさかな。

382 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:10:13.46 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは胸の前で両手を合わせて、可愛くぺろっと舌を出した。

383 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:10:32.85 ID:RPDeUs6P.net
「ごめんっ。カイトの分だけ、手加減しちゃった。ネロは特別だからね?」

384 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:10:51.36 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはネロにウィンクして、ネロにラブラブビームを送る。

385 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:11:09.32 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサが信じられず、ミサを力強く指さす。

386 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:11:27.50 ID:RPDeUs6P.net
「はあ!? お前なに言ってんだよ!? ネロ、なんとか言ってやれよ!」

387 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:11:46.57 ID:RPDeUs6P.net
 オレの指先が得体の知れない恐怖で震えている。手には嫌な汗を掻いている。

388 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:12:04.34 ID:RPDeUs6P.net
 オレは救いを求める様にネロを見る。

389 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:12:22.41 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはミサを無視して、デジタル腕時計を弄りながら、黒縁メガネのレンズでどこからミサイルランチャーが飛んできたか探索モードで必死に探っている。

390 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:12:42.04 ID:RPDeUs6P.net
 ここはネロに任せるか。オレはミサに視線を戻す。

391 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:13:00.04 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサの苛立ちで両手で頭を掻き上げる。

392 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:13:18.33 ID:RPDeUs6P.net
「おい、ミサ! オレのだけ手加減したのかよ!? お前、それでも幼馴染かよ!?」

393 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:13:37.16 ID:RPDeUs6P.net
 オレはまた力強くミサを指さす。やっぱりミサが信じられず指先が震えている。

394 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:13:54.93 ID:RPDeUs6P.net
 今度は額に嫌な汗を掻いている。

395 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:14:13.08 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは肩を竦め不気味に微笑んで、鬱陶しそうに手をひらひらさせる。

396 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:14:31.37 ID:RPDeUs6P.net
「ネロとあたしは大丈夫だから。落ちるのはカイトね。短い間だけど、楽しかったわ」

397 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:14:49.58 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは瞼を閉じ、涙を指で拭う仕草をして、胸の前で十字を切った。

398 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:15:08.33 ID:RPDeUs6P.net
 こいつ、冗談じゃないな。本気だ。

399 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:15:26.43 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサに呆れて、がっくりと肩を落とし俯く。

400 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:15:44.75 ID:RPDeUs6P.net
 ミサに付き合いきれずに疲れて、そのまま深いため息が零れる。

401 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:16:03.48 ID:RPDeUs6P.net
「何か近づいてくるぞ! 油断するな!」

402 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:16:21.92 ID:RPDeUs6P.net
 その時、ネロの怒声が響く。

403 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:16:41.81 ID:RPDeUs6P.net
「!?」
オレは一気に緊張して、驚いて顔を上げる。

404 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:16:59.75 ID:RPDeUs6P.net
 オレは素早くネロを見ると、ネロの黒縁メガネのレンズに表示された3D立体地図が赤く点滅している。

405 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:17:17.75 ID:RPDeUs6P.net
 敵か。どこだ?

406 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:17:36.02 ID:RPDeUs6P.net
 オレは辺りを見回す。さっき攻撃してきた奴か?

407 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:17:54.80 ID:RPDeUs6P.net
 その時、けたましく鳴きながら、オレたちの向こうと反対側から飛んできた二羽の大鷲。

408 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:18:12.85 ID:RPDeUs6P.net
 大鷲はメタリックの骨格に眼が紅く、両翼の先端が太い筒状になっており、長い尻尾が生えている。

409 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:18:31.60 ID:RPDeUs6P.net
 二羽の大鷲は回転しながらオレたちに近づき、それぞれ口を開けるとガトリングガンがあり、二羽の大鷲は口を開けたままガトリングガンを撃ってくる。

410 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:18:49.70 ID:RPDeUs6P.net
 オレのジャンボシャボン玉の罅がみるみる大きくなる。

411 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:19:08.21 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ。諦めたんじゃなかったのかよ。

412 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:19:26.25 ID:RPDeUs6P.net
 何でオレだけなんだ。

413 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:19:44.31 ID:RPDeUs6P.net
 オレは両手で頭を掻きながらミサとカイトを見る。

414 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:20:02.20 ID:RPDeUs6P.net
 ネロを見るが、ネロのシャボン玉は攻撃を吸収して大丈夫みたいだ。

415 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:20:20.10 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはミサで、青白い障壁に包まれている。

416 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:20:39.10 ID:RPDeUs6P.net
 ミサ、オレのだけ本当に手加減したのか?

417 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:20:56.99 ID:RPDeUs6P.net
 オレは首を横に振る。そんなわけねぇ。

418 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:21:14.74 ID:RPDeUs6P.net
 オレは両手の拳を握り締める。

419 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:21:32.48 ID:RPDeUs6P.net
「おい、なんとかしろよ!」

420 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:21:50.29 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサとネロに訴える様に、シャボン玉の見えない壁を拳で叩く。

421 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:22:08.59 ID:RPDeUs6P.net
 拳を額にくっつける。

422 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:22:28.09 ID:RPDeUs6P.net
 オレは歯を食いしばって一羽の大鷲を睨む。

423 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:22:46.42 ID:RPDeUs6P.net
 大鷲は勝ち誇ったように、両翼を真っ直ぐ前に突き出し、両翼の先端の筒からミサイルが発射された。

424 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:23:04.37 ID:RPDeUs6P.net
 ミサイルの飛来音が風を切る。

425 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:23:22.45 ID:RPDeUs6P.net
 オレは飛んでくるミサイルを見て舌打ちした。

426 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:23:40.90 ID:RPDeUs6P.net
 今度はミサイルかよ。余計なことしやがって。

427 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:23:59.11 ID:RPDeUs6P.net
 オレはシャボン玉の見えない壁を拳で激しく叩く。

428 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:24:16.89 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ。どうなってやがる。ここの魔物どもは。

429 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:24:35.52 ID:RPDeUs6P.net
 ミサがシールドの手加減をしたとは思えねぇ。

430 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:24:53.63 ID:RPDeUs6P.net
 じゃ何でなんだよ。

431 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:25:10.83 ID:sZoqtuq6.net
ウラー、ウラー、さっさと埋めろw

432 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:25:12.06 ID:RPDeUs6P.net
 オレは諦めて両膝をシャボン玉の見えない床に突き、絶望に駆られ俯く。

433 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:25:29.99 ID:RPDeUs6P.net
「不味いぞ。ミサ、カイトをなんとかしろ!」

434 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:25:48.63 ID:RPDeUs6P.net
 ネロの怒声が波の様に揺らいで聞こえる。

435 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:26:06.56 ID:RPDeUs6P.net
 大鷲のミサイル攻撃がオレのジャンボシャボン玉に当たり、攻撃音が遠くに聞こえる。

436 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:26:24.50 ID:RPDeUs6P.net
 なんとかならねぇのかよ。くそっ。

437 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:26:42.29 ID:RPDeUs6P.net
 オレは両手の掌を床に突き、拳を握り締めて見えない床を叩く。

438 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:27:00.39 ID:RPDeUs6P.net
 その間にも、オレのジャンボシャボン玉の罅割れが大きくなる。

439 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:27:12.11 ID:32Y2IceK.net
ゾッ帝はめいさく

440 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:27:19.07 ID:RPDeUs6P.net
 オレの鼓動が高まり、緊張で息が荒くなる。

441 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:27:37.08 ID:RPDeUs6P.net
 瞼を閉じた。落ち着け。とにかく、考えるんだ。どうにかしないと。

442 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:27:55.60 ID:RPDeUs6P.net
 その時、オレのジャンボシャボン玉は攻撃に耐えきれず、ついにガラスが割れた様に砕け散る。

443 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:28:15.03 ID:RPDeUs6P.net
 オレの身体は吸い込まれるように宙に投げ出された。

444 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:28:34.09 ID:RPDeUs6P.net
「うわぁぁぁぁぁ!」

445 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:28:52.02 ID:RPDeUs6P.net
 オレの身体が逆さまにみるみる急降下していく。

446 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:29:10.57 ID:RPDeUs6P.net
 顔を上げると、ネロとミサが小さくなる。

447 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:29:29.32 ID:RPDeUs6P.net
 オレは手を伸ばして掌を広げる。

448 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:29:47.42 ID:RPDeUs6P.net
「ミサ、ネロ……」

449 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:30:05.58 ID:RPDeUs6P.net
 オレは小さく呟いた。

450 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:30:24.14 ID:RPDeUs6P.net
 ついにミサとネロが点になり、見えなくなった。

451 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:30:42.59 ID:RPDeUs6P.net
 オレの身体が急降下してゆく、地上に向けて。

452 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:31:00.97 ID:RPDeUs6P.net
 今度ばかりはダメかもな。オレは瞼を閉じる。

453 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:31:19.47 ID:RPDeUs6P.net
「こらあああああ! カイトおおおおお! なに諦めてんのよっ! あたしがカイトを助けるんだから! 幼馴染を見捨てたりしないわよ! 今行くから待ってなさいっ!」

454 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:31:37.22 ID:RPDeUs6P.net
ミサの怒声が天から聞こえる。

455 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:31:55.53 ID:RPDeUs6P.net
 変だな。これは夢か?

456 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:32:13.55 ID:RPDeUs6P.net
 いや、オレはまだ死んでない。

457 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:32:31.56 ID:RPDeUs6P.net
 気のせいじゃない。ミサの声が聞こえる。

458 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:32:37.07 ID:D2kpNJTI.net
テスト

459 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:32:49.54 ID:RPDeUs6P.net
 オレはゆっくりと瞼を開ける。

460 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:33:07.97 ID:RPDeUs6P.net
 オレの視界に、ミサがホバーボードの後ろの二本マフラーから激しく火を噴きながら、ホバーボードのエンジン全開でオレを追いかける姿が映る。

461 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:33:25.86 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの姿を見て、オレは鼻を鳴らし喉の奥で笑う。ミサに見捨てられたかと思ったぜ。

462 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:33:43.90 ID:RPDeUs6P.net
 ネロとはぐれちまったな。あいつならなんとかするだろ。

463 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:34:02.02 ID:RPDeUs6P.net
 その時、ミサの背後からけたましく鳴きながら 一羽の大鷲の魔物が急降下してくる。

464 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:34:20.43 ID:RPDeUs6P.net
 またあいつかよ。諦めてくれそうにないな。

465 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:34:38.54 ID:RPDeUs6P.net
 オレは大鷲の魔物を睨む。

466 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:34:57.11 ID:RPDeUs6P.net
「ミサ! 後ろだ! あいつが追いかけてきてるぞ!」

467 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:35:15.34 ID:RPDeUs6P.net
 オレは近づいてくるミサの背後を指さす。

468 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:35:34.11 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは鬱陶しそうに髪を掻き上げ、背後の魔物を無視してオレの降下スピードに追いつく。

469 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:35:52.50 ID:RPDeUs6P.net
「魔物なんかどうでもいいわ! あんたがなんとかしてよ! あたしはあんたを助けるので手一杯なんだから! カイト、手を伸ばして!」

470 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:36:10.88 ID:RPDeUs6P.net
 ミサがオレに手を伸ばして掌を広げる

471 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:36:28.71 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの亜麻色の前髪とポニーテールが風で靡いている。

472 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:36:46.36 ID:RPDeUs6P.net
 オレもミサに手を伸ばしながら、腰のホルスターに挿したオートマチック銃の柄に手をかける。

473 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:37:05.29 ID:RPDeUs6P.net
 オレは舌打ちした。やっぱ、オレがなんとかしないとな。

474 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:37:23.21 ID:RPDeUs6P.net
 大鷲の魔物はミサの背後で羽ばたきながら、長い尻尾の鋭い先端をミサの背中に向ける。

475 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:37:41.79 ID:RPDeUs6P.net
 こいつ、あの尻尾でミサを刺そうってか。させるかよ。

476 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:37:59.92 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサに手を伸ばしつつ、腰のホルスターに挿したオートマック銃を抜く。

477 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:38:17.88 ID:RPDeUs6P.net
 片目を瞑って大鷲の魔物に狙いを定め、オートマチック銃の引き金を引いて二三発撃つ。

478 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:38:36.14 ID:RPDeUs6P.net
 三発目に撃った銃弾が大鷲の魔物の腹に命中し、銀色の粘着物が大鷲の魔物の腹にくっついた。

479 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:38:55.12 ID:RPDeUs6P.net
 同時に大鷲の魔物の身体を青白い電気が包み込み、大鷲の魔物が麻痺して苦しそうに鳴きながら 逆さまに降下してゆく。

480 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:39:13.24 ID:RPDeUs6P.net
 オレは青白い電気を包み込みながら降下してゆく大鷲の魔物を見下ろして口笛を吹いた。

481 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:39:31.82 ID:RPDeUs6P.net
 オレはオートマチック銃を握った手で、額の汗を手の甲で拭う。

482 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:39:50.02 ID:RPDeUs6P.net
「ふう。なんとかなったな。それにしても、この銃、なんなんだ?」

483 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:40:09.71 ID:RPDeUs6P.net
 オレはまじまじとオートマチック銃を見つめる。

484 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:40:28.02 ID:RPDeUs6P.net
 帝国騎士団からくすねた銃だが、騎士団はこんなもん使っているのか。

485 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:40:47.68 ID:RPDeUs6P.net
 物騒な世の中になったもんだ。

486 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:41:06.72 ID:RPDeUs6P.net
 その時、もう一羽の大鷲の魔物がお腹を向けて急降下して来た。

487 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:41:24.56 ID:RPDeUs6P.net
 そして、青白い電気を包み込みながら降下していた大鷲の魔物と接触して空中爆発が起きる。

488 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:41:43.04 ID:RPDeUs6P.net
 その衝撃波がオレとミサを襲う。

489 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:42:02.13 ID:RPDeUs6P.net
 あとちょっとでオレはミサの手を掴むところだったが、爆風でオレは回転しながら吹っ飛んだ。

490 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:42:21.15 ID:RPDeUs6P.net
「うわっ」
熱気と破片が飛んできて、オレは顔の前を手で遮る。

491 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:42:39.11 ID:RPDeUs6P.net
 凶器と化した破片が頬や腕、脇腹や太ももを掠めて皮膚が切れて怪我する。

492 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:42:57.81 ID:RPDeUs6P.net
 オレは痛くて、「っつ」と思わず顔をしかめて声を漏らす。

493 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:43:17.34 ID:RPDeUs6P.net
「ああもう! あとちょっとだったのに! 世話が焼ける男ね! こうなったら、魔法しかないわね! ウォーターポール!」

494 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:43:35.85 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの苛立ちの声が降り、ミサは呪文を詠唱した。

495 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:43:54.30 ID:RPDeUs6P.net
 ミサが呪文を詠唱すると、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、オレの身体がジャンボシャボン玉の中で浮き上がる。

496 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:44:12.27 ID:RPDeUs6P.net
 またこの魔法か、嫌な思い出しかないぜ。オレは顔をしかめ、心で愚痴を零す。

497 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:44:31.06 ID:RPDeUs6P.net
 オレはオートマチック銃を腰のホルスターに挿した。

498 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:44:48.95 ID:RPDeUs6P.net
 オレは胡坐をかいて、太ももに掌を突く。

499 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:44:54.83 ID:zDKusJnW.net
>>26
🚽

500 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:45:07.61 ID:RPDeUs6P.net
「また手抜きじゃねえだろうな!」

501 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:45:26.35 ID:RPDeUs6P.net
 ミサを睨んで拳を振り上げる。

502 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:45:45.15 ID:RPDeUs6P.net
 ミサが鬱陶しそうに髪を掻き上げ、ホバーボードを飛ばしてオレのジャンボシャボン玉に近づいてくる。

503 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:46:04.38 ID:RPDeUs6P.net
「即席のウォーターボールよ。文句言わないでよ ! あたしの魔力、そんなにないんだから!」

504 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:46:22.57 ID:RPDeUs6P.net
 ミサがジャンボシャボン玉の中に手を突っ込んで、オレに手を伸ばす。

505 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:46:42.04 ID:RPDeUs6P.net
「いつまで持つかわからないわよ? また落っこちたい?」と、ミサは顔をしかめて冷たく言い放つ。

506 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:47:00.73 ID:RPDeUs6P.net
 自分の手を早く掴めと言わんばかりに、シャボン玉の中に突っ込んだ手の指をひらひらと動かす。

507 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:47:18.85 ID:RPDeUs6P.net
 魔法が使えないオレはミサの態度に苛立ち、頭の後ろで手を組む。

508 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:47:36.73 ID:RPDeUs6P.net
「おせえんだよ。待たせやがって」

509 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:47:55.30 ID:RPDeUs6P.net
 オレは舌打ちしてから、一安心してため息を零し、仕方なく嫌々ミサに手を伸ばす。

510 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:48:13.49 ID:RPDeUs6P.net
 オレがミサの手を掴んだ瞬間、ジャンボシャボン玉が勢いよく弾けた。

511 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:48:31.87 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはオレの手を掴んだままため息を零す。

512 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:48:50.04 ID:RPDeUs6P.net
「やっと掴んだわよ。邪薩が入ったけど、まあいいわ……」

513 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:49:08.21 ID:RPDeUs6P.net
 やれやれという感じで、ミサは瞼を閉じで肩を疎めて首を横に振る。

514 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:49:26.01 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサに親指を突き出した。

515 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:49:44.06 ID:RPDeUs6P.net
「オレはミサを信じてたぜ。一時は諦めたけどな」

516 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:50:03.14 ID:RPDeUs6P.net
 歯を見せて、オレはミサに笑いかける。

517 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:50:21.38 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにオレから顔を背けた。

518 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:50:39.69 ID:RPDeUs6P.net
「べ、別にっ。ま、まあ、幼馴染だし? ネロに言われたし? それにしても、危機一髪だったわね」

519 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:50:57.85 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはオレから顔を背けたまま、額の汗を手の甲で拭う。

520 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:51:16.56 ID:RPDeUs6P.net
ミサの汗の粒が風に飛ばされて、オレの頬に張り付く。

521 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:51:34.90 ID:RPDeUs6P.net
「オレを殺す気かよ。ったく」

522 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:51:52.70 ID:RPDeUs6P.net
 オレは眉根を寄せてミサを睨み、俯いてため息を零す。

523 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:52:10.99 ID:RPDeUs6P.net
 雲を抜け、雲の間から足元に広がる景色に息を呑んだ。

524 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:52:29.02 ID:RPDeUs6P.net
 ネロの奴、今頃なにしてんだか。

525 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:52:47.46 ID:RPDeUs6P.net
「ねえ、ネロのこと考えてるの? ネロのことなら心配ないわよ? 後で合流しようって言ってたし。それに、ネロのハイテク装備もあることだし。なにも心配することないわよ」

526 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:53:06.56 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはオレが考えていることを、さらりとロにした。

527 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:53:24.87 ID:RPDeUs6P.net
 やっぱ、ミサはオレの幼馴染だな。オレはミサの顔を見て微笑む。

528 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:53:43.16 ID:RPDeUs6P.net
「そうか、ならいいんだ。ミサを巻き込んで悪かったな。お前、ネロと一緒に王都ガランに行くつもりだったんだろ?」

529 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:54:01.71 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサのことはお見通しという感じで、ミサに歯を見せて笑った。

530 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:54:20.99 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは皮肉たっぷり込めて瞼を閉じて舌を出す。

531 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:54:39.65 ID:RPDeUs6P.net
「そうよ。あんたを放って、王都ガランでネロとデートしようと思ってたのに。デート当日になって、あんたが待ち合わせ場所に来て、禁断の森に行こうとか言い出すし。ほんと信じれない。せっかくお洒落してきたのに。おかげでデートが台無しよ。まさかネロがあたしとのデートをあんたに言ったとはねぇ、迂闊だったわ」

532 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:54:58.26 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはネロが信じられないという様に、また瞼を閉じて首を横に振る。

533 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:55:16.86 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサの顔を見て、生唾を飲み込み喉を鳴らす。

534 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:55:35.03 ID:RPDeUs6P.net
 ミサにネロのこと言うべきか、オレは迷った。

535 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:55:53.64 ID:RPDeUs6P.net
「ミサ。ネロはお前のこと……」

536 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:56:11.66 ID:RPDeUs6P.net
 言いかけて、オレは言葉を呑んだ。

537 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:56:29.99 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは、お前のこと幼馴染だと思ってる。

538 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:56:48.40 ID:RPDeUs6P.net
 オレは拳を握り締め、俯いて瞼を閉じて首を横に振る。

539 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:57:06.45 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはデートのこと根に持ってるのか、ミサの盛大なため息が聞こえる。

540 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:57:25.28 ID:RPDeUs6P.net
「ネロがどうした? なによ、気になるじゃない」

541 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:57:44.28 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの興味津々な声が降ってくる。

542 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:58:03.24 ID:RPDeUs6P.net
 オレは俯いたまま、ゆっくりと瞼を開ける。

543 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:58:22.73 ID:RPDeUs6P.net
「なんでもねえよ」

544 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:58:42.26 ID:RPDeUs6P.net
 オレは小さく呟き、握り拳に力を入れて拳が震えた。

545 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:59:00.62 ID:RPDeUs6P.net
 そのまま、ミサと顔を合わせるのが嫌でオレは俯いたまま。

546 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:59:18.84 ID:RPDeUs6P.net
 急にミサが洟をすすって泣いた。

547 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:59:37.01 ID:RPDeUs6P.net
「少しはあたしの恋に協力してくれてもいいじゃない。カイトのバカッ」

548 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 21:59:54.92 ID:RPDeUs6P.net
 ミサが小声でぼそりと呟く。

549 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:00:13.31 ID:RPDeUs6P.net
 オレは聞こえないふりをした。

550 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:00:31.20 ID:RPDeUs6P.net
 その後、気まずい空気が流れ、オレとミサは黙ったままだった。

551 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:00:49.76 ID:RPDeUs6P.net
 その時、ミサのホバーボードのマフラーから空 気が抜けた様な嫌な音を立てた。

552 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:01:08.72 ID:RPDeUs6P.net
「!? な、なんだ!?」

553 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:01:26.54 ID:RPDeUs6P.net
 オレは驚いて顔を上げる。

554 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:01:44.41 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードのファンの回転が弱くなる音が聞こえる。

555 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:02:02.77 ID:RPDeUs6P.net
「ね、燃料が切れかかってる!? こんな時に! ?」

556 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:02:20.58 ID:RPDeUs6P.net
 ミサがホバーボードの上でバランスを崩すと同時に、ミサは背中のマントを開き滑空する。

557 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:02:39.12 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの足からホバーボードが離れ、オレは咄嗟 に片方の手でホバーボードを掴む。

558 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:02:57.24 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードの重さにオレは顔をしかめる。

559 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:03:16.77 ID:RPDeUs6P.net
「今度は燃料が足りねえのか。災難続きだな。にしても、このホバーボード重いぞ」

560 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:03:35.57 ID:RPDeUs6P.net
 オレはホバーボードを憎たらしく見つめる。機械の塊が生意気だな。

561 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:03:54.43 ID:RPDeUs6P.net
 このホバーボード、何かの役に立つかも知れないからな。

562 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:04:12.92 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは両手でしっかりとオレの手を掴んでいる。

563 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:04:32.00 ID:RPDeUs6P.net
 マントを広げたミサは風に任せて、オレたちはゆっくりと優雅に飛んでゆく。

564 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:04:51.13 ID:RPDeUs6P.net
 ミサがため息を零すのが聞こえ、オレはミサを見上げた。

565 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:05:10.13 ID:RPDeUs6P.net
 お前、ため息が多いな。そんなにネロとデートが出来なかったことが悔しいのかよ。

566 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:05:28.04 ID:RPDeUs6P.net
 なんかミサに悪いことしたな。今度、ミサの恋に協力してやるか。

567 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:05:46.26 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは風で髪をなびかせて、眼下に広がる景色にうっとりして堪能していた。

568 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:06:04.41 ID:RPDeUs6P.net
「あーあ。思った以上に景色が綺麗で、この子の 燃料食っちゃったなあ。反省……ごめんね、ネロ」

569 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:06:23.11 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはがっくりと肩を落とし、意気消沈して俯く。

570 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:06:41.27 ID:RPDeUs6P.net
 おいおい。お前、ホバーボードの名前がネロとか病んでるな。聞いてて寒気がする。

571 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:07:00.25 ID:RPDeUs6P.net
 オレはホバーボードでミサを殴ってやろうかと思ったがやめた。

572 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:07:19.86 ID:RPDeUs6P.net
「お前が寄り道してるせいで、オレとネロは大変だったんだからな。ちったぁ反省しやがれ」

573 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:07:37.97 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードを掴むオレの手が怒りと重さで震えている。

574 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:07:55.78 ID:RPDeUs6P.net
 その時、急にミサの息が荒くなる。

575 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:08:14.41 ID:RPDeUs6P.net
「はあ、はあ....」
みるみるミサの顔色が悪くなり、ミサの額に汗が滲む。

576 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:08:32.34 ID:RPDeUs6P.net
 嫌な予感がして、オレの鼓動が高まる。

577 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:08:52.72 ID:RPDeUs6P.net
「お、おい。ミサ、どうしたんだよ?」

578 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:09:10.63 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサが心配で、ミサの顔を覗き込む。

579 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:09:29.06 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの額は玉のように汗を掻いている。

580 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:09:47.71 ID:RPDeUs6P.net
 オレを掴むミサの両手が震えている。

581 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:10:05.91 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはオレの顔を見て微笑んだ。

582 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:10:24.45 ID:RPDeUs6P.net
「ごめん、カイト。あたし、魔力を消費しちゃったみたい、 後は、お願い、ね....」

583 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:10:42.36 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは気絶して身体から力が抜け、ミサが落ちてゆく。

584 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:11:01.69 ID:RPDeUs6P.net
 ミサはオレを掴んだまま落下する。

585 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:11:20.80 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサの体重に引っ張られる。

586 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:11:38.52 ID:RPDeUs6P.net
「ぐっ」
オレはミサの手をしっかりと片手で掴む。

587 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:11:57.35 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードを掴んでいる手を、ホバーボードを持ち上げて脇に挟み、ミサの手を両手で掴む。

588 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:12:15.46 ID:RPDeUs6P.net
「ミサっ!?」
オレは歯を食いしばって力を入れた。

589 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:12:33.36 ID:RPDeUs6P.net
 ぜってえ離さねえ。無理しやがって。

590 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:12:51.45 ID:RPDeUs6P.net
 ミサのパワーグローブのおかげで、ミサの体重をそんなに感じない。

591 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:13:10.76 ID:RPDeUs6P.net
 風の抵抗を受けながら、大地が近づいてくる。

592 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:13:28.79 ID:RPDeUs6P.net
 幸いにも、下に大きな川が流れているのが小さく見える。

593 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:13:47.47 ID:RPDeUs6P.net
 うまくいけば助かるかもな。川に落ちたとしても、川の深さがわからねえ。

594 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:14:05.61 ID:RPDeUs6P.net
 川に飛び込んだ衝撃で、怪我どころじゃねぇな。

595 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:14:24.21 ID:RPDeUs6P.net
 下手すりゃ溺れて、オレとミサはお陀仏だ。

596 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:14:42.37 ID:RPDeUs6P.net
 どうする。考えろ。

597 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:15:00.54 ID:RPDeUs6P.net
オレは瞼を閉じて首を横に振る。

598 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:15:18.46 ID:RPDeUs6P.net
 やっぱ、頼みはこいつだな。

599 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:15:36.96 ID:RPDeUs6P.net
 オレは脇に挟んだホバーボードに目を落とし、ミサを掴む手に力を入れる。

600 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:15:55.77 ID:RPDeUs6P.net
 ウォーターボールの魔力がまだ効いているのか、オレの身体は浮いていた。

601 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:16:15.49 ID:RPDeUs6P.net
 ミサのパワーグローブから、ミサの魔力が伝わってくるのかもな。

602 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:16:34.33 ID:RPDeUs6P.net
 もしかして、オレがミサの魔力を吸い取ってるのか?

603 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:16:52.45 ID:RPDeUs6P.net
 オレは瞼を閉じて首を横に振った。めんどくせぇ。

604 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:17:10.60 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ。オレはホバーボードの重さに耐えられず、顔をしかめ、脇と手と額にも嫌な汗を掻いている。

605 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:17:29.53 ID:RPDeUs6P.net
 そろそろ限界かもな。ミサも重くなってきやがった。

606 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:17:47.27 ID:RPDeUs6P.net
 ミサを掴む手が震え始め、脇を動かした隙に脇からホバーボードがするりと滑り落ちた。

607 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:18:05.35 ID:RPDeUs6P.net
 重力の勢いで、風を切り裂きながら落ちてゆくホバーボード。

608 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:18:23.87 ID:RPDeUs6P.net
「くそっ!」

609 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:18:42.28 ID:RPDeUs6P.net
 回転しながら落ちてゆくホバーボードに、オレはミサの手から片手を離して、ホバーボードに手を伸ばす。

610 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:19:00.26 ID:RPDeUs6P.net
 オレは悔しくて歯を食いしばる。ミサ、すまねぇ。お前のホバーボードを手放しちまった。

611 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:19:18.31 ID:RPDeUs6P.net
 オレはやるせなくなり、ホバーボードに伸ばし手を垂れて俯く。

612 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:19:36.90 ID:RPDeUs6P.net
 諦めるのか? そんな簡単に。ミサの大事なホバーボードなのに。

613 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:19:56.37 ID:RPDeUs6P.net
 ミサが好きなネロって名前のホバーボードだろ? ミサのお気に入りなんだろ?

614 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:20:14.84 ID:RPDeUs6P.net
 垂れた手を握り締め。瞼を閉じて首を横に振る。いや、まだ終わってねぇ。

615 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:20:32.94 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードに燃料が少し残ってるはずだ。その可能性に賭ける。

616 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:20:51.55 ID:RPDeUs6P.net
 どうにかして遠隔操作すれば、ホバーボードを動かせるかもしれねぇ。

617 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:21:10.47 ID:RPDeUs6P.net
 小さくなってゆくホバーボードに、オレは手を伸ばす。頼む、動いてくれ。

618 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:21:28.92 ID:RPDeUs6P.net
 その間にも眼下に大きな川が近づいてくる。川の流れる轟音が聞こえる。

619 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:21:46.94 ID:RPDeUs6P.net
 ぐずぐずしてられねぇ。このポンコツが! さっさと動きやがれ!

620 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:22:05.15 ID:RPDeUs6P.net
 今にも川に落ちそうなホバーボードを、オレは黙って睨み据える。

621 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:22:23.19 ID:RPDeUs6P.net
 その時、オレの首飾りのクリスタルが眩く青白い光を放つ。

622 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:22:41.15 ID:RPDeUs6P.net
 オレは思わず青白い光が眩しくて、顔の前を手で遮る。何が起こった?

623 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:22:59.56 ID:RPDeUs6P.net
 眼下のホバーボードが川の水面に近づいた瞬間、ホバーボードが川の水面に浮く。

624 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:23:17.43 ID:RPDeUs6P.net
 轟音とともに凄まじい水飛沫がホバーボードの周りに飛び散る。

625 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:23:36.23 ID:RPDeUs6P.net
 主の声に応えるようにクリスタルが青白い光を放ちながら、オレとミサの身体がゆっくりとホバーボードに吸い寄せられてゆく。

626 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:23:54.66 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサを抱きかかえながら、青白く光るクリスタルを掌に載せて、クリスタルをまじまじと見た。なんだ? 助かったのか?

627 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:24:13.07 ID:RPDeUs6P.net
 そして、オレがミサをホバーボードの上に乗せようと思った直前。

628 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:24:31.00 ID:RPDeUs6P.net
 急にミサのパワーグローブから火花が散って、ミサの身体が鉛りの様に重くなり、オレはミサを手放してしまう。

629 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:24:48.87 ID:RPDeUs6P.net
 ミサが川に落ちて水飛沫がオレの頬に張り付く。

630 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:25:07.33 ID:RPDeUs6P.net
 オレは川に流されまいと、慌ててホバーボードの上に両腕を載せてホバーボードにしがみつく。

631 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:25:25.14 ID:RPDeUs6P.net
「ミサッ!?」

632 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:25:43.06 ID:RPDeUs6P.net
 オレの下半身がずぶ濡れになり、流されまいと足に力を入れる。

633 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:26:01.27 ID:RPDeUs6P.net
 空中爆発で飛んで来た破片で太腿を切った傷口が沁みて、オレは顔をしかめる。

634 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:26:19.62 ID:RPDeUs6P.net
 痛みを我慢して、オレは水面上に浮いたホバーボードからミサに手を伸ばす。

635 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:26:38.09 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ。動け、このポンコツが!

636 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:26:55.97 ID:RPDeUs6P.net
 オレは吐き捨てるように、ホバーボードの上を拳で思いっきり叩いた。 

637 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:27:14.53 ID:RPDeUs6P.net
 次の瞬間、ホバーボードは空気が抜けた様な間抜けな音を出し、ホバーボードが川に落ちて派手に水飛沫を上げた。

638 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:27:32.81 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードが川に落ちた瞬間、オレは川の水を飲んだ。

639 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:27:51.06 ID:RPDeUs6P.net
 空中爆発で飛んで来た破片で切った腕や頬の傷口が沁みて、オレはまた顔をしかめる。

640 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:28:09.53 ID:RPDeUs6P.net
 手当しないとな。そんな思いを裏切るように、オレはホバーボードにしがみついたまま流されてゆく。

641 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:28:28.10 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードを板代わりに、オレはホバーボードにしがみつきながら飲んだ水を吐いて咳き込む。

642 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:28:46.11 ID:RPDeUs6P.net
 前髪を掻き上げてミサを見ると、川の流れが早く、ミサがどんどん流されてゆく。

643 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:29:04.12 ID:RPDeUs6P.net
 うつ伏せに浮いて流されるミサ。

644 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:29:21.91 ID:RPDeUs6P.net
 このままじゃ、ミサが溺れ死ぬ。なんとかして助けねぇと。

645 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:29:39.95 ID:RPDeUs6P.net
 オレはホバーボードの上で、川の水の冷たさに震えていた。

646 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:29:58.15 ID:RPDeUs6P.net
 不味いな、体温が奪われてる。

647 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:30:16.22 ID:RPDeUs6P.net
 オレがホバーボードから離れたら、オレまで溺れてしまう。

648 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:30:34.01 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサから目を離さない。

649 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:30:52.09 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの数メートル先に、大きな尖がった岩が川から突き出している。

650 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:31:10.50 ID:RPDeUs6P.net
 待てよ。ミサがあの岩に引っかかってくれれば、なんとかなりそうだ。

651 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:31:30.10 ID:RPDeUs6P.net
 オレは震える手で川の水を手で必死に漕ぎながら、ミサの後ろに位置を調整する。

652 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:31:48.82 ID:RPDeUs6P.net
 やがて、ミサは大きな岩に引っかかり、ミサの身体はうつ伏せのまま浮いている。

653 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:32:07.45 ID:RPDeUs6P.net
 少ししてオレはミサに追いついた。

654 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:32:25.55 ID:RPDeUs6P.net
 岩の周りは幸いにも浅瀬せで、川の流れも遅く、オレの腰くらいまで水の高さがある。

655 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:32:44.68 ID:RPDeUs6P.net
「ミサ、しっかりしろ!」

656 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:33:03.75 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサを支えて肩に担ぎ、川底に足を取られよろけながら、オレはミサをホバーボードの上に載せる。

657 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:33:22.10 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの生死が気になって、オレは横になったミサの胸に耳を当てる。

658 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:33:40.10 ID:RPDeUs6P.net
 鼓動どころか何の音も聞こえない。聞こえるのは自分の鼓動と川の流れる音だけ。

659 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:33:58.55 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサの胸から耳を離し、もう一度ミサの胸に耳を当てる。

660 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:34:16.92 ID:RPDeUs6P.net
 やっぱり、何も聞こえない。オレはミサの胸から耳を離し、絶望に駆られ俯く。

661 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:34:34.81 ID:RPDeUs6P.net
「おい、ミサ。嘘だろ……」

662 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:34:54.49 ID:RPDeUs6P.net
 オレは顔を上げて、ミサの身体を必死に両手で揺らす。

663 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:35:12.47 ID:RPDeUs6P.net
 ミサは人形の様にぐったりして横になったまま動かない。

664 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:35:30.99 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードからミサの腕が垂れて、ミサの手が川の水に落ちている。

665 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:35:48.94 ID:RPDeUs6P.net
 涙が滲んで、オレは手の甲で涙を拭う。

666 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:36:08.70 ID:RPDeUs6P.net
「くそっ! なんでこんなことになっちまったんだよ!」

667 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:36:27.00 ID:RPDeUs6P.net
 オレはやるせなくなり俯く、ミサの足元のホバーボード上を拳で思いっきり叩く。

668 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:36:45.01 ID:RPDeUs6P.net
 ミサを死なせねぇ。オレは諦めない。

669 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:37:02.89 ID:RPDeUs6P.net
 そうだ。人工呼吸だ。総合学校の授業で習ったな。

670 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:37:21.38 ID:RPDeUs6P.net
 オレは顔を上げ、うろ覚えでミサの身体を仰向けにし、ミサの唇に自分の唇を重ねようとする。

671 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:37:39.56 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの白い顔を見て、オレは顔が火照る。なんでオレがミサとキスしなきゃならねぇんだ。

672 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:37:57.90 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサの紫色の唇を見て躊躇い、生唾を飲み込み喉を鳴らす。

673 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:38:16.48 ID:RPDeUs6P.net
 オレは瞼を閉じて首を横に振る。ミサ、目が覚めたらオレをぶん殴ってくれ。

674 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:38:35.00 ID:RPDeUs6P.net
 オレは意を決し、瞼を閉じたまま、ミサとキスして人工呼吸する。

675 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:38:53.31 ID:RPDeUs6P.net
 三秒くらいミサと濃厚なキスして、オレは恥ずかしくなり慌ててミサの唇から自分の唇を離して咳き込む。

676 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:39:11.53 ID:RPDeUs6P.net
 これでいいのか? オレは口許を手の甲で拭う。次は心臓マッサージだな。

677 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:39:29.38 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサを心臓マッサージしようとするが、ホバーボードが不安定で揺れる。

678 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:39:47.68 ID:RPDeUs6P.net
 ミサを心臓マッサージしようとすると、今度はホバーボードが沈んでうまくいかない

679 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:40:05.34 ID:RPDeUs6P.net
 ここじゃダメだ。早く陸に上がらないと。なんとかならねぇのか。

680 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:40:23.43 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサから顔を上げて、川岸を睨む。

681 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:40:41.89 ID:RPDeUs6P.net
 なんとなく、オレはミサの濡れた服に目がいってしまう。

682 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:41:00.68 ID:RPDeUs6P.net
 ミサのフレアスカートから覗く生足を見て、オレは思わず生唾を飲み込み喉を鳴らす。

683 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:41:19.19 ID:RPDeUs6P.net
 興奮して鼻血が出そうになり、慌てて鼻を押さえてミサから視線を逸らし、気まずくなって人差指で頬を掻く。

684 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:41:38.38 ID:RPDeUs6P.net
 人差指で頬を掻きながら、横目で瞬きして、視線を戻しつつミサを見てしまう。

685 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:41:57.56 ID:RPDeUs6P.net
 その時、ミサの腰のホルスターに銀色のリボルバー型フックショットが挿してあるのが目に止まった。

686 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:42:16.50 ID:RPDeUs6P.net
 銃口の下に掌サイズの球形があり、球形の中にワイヤーが収まっている。

687 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:42:34.86 ID:RPDeUs6P.net
 引き金を引くと、三角に尖ったワイヤーの先端が銃口から飛び出す仕組みだ。

688 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:42:53.52 ID:RPDeUs6P.net
 フックショットか。こいつで川岸に生えてる樹に刺せば、なんとかなりそうだな。

689 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:43:11.75 ID:RPDeUs6P.net
 オレは閃いたとばかりに、掌の上で拳を叩いた。

690 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:43:29.55 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサの変なところに目がいかないように瞼を閉じ、瞼を開けないように瞼に力を入れ、ミサの身体を手探りで触ってゆく。

691 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:43:47.89 ID:RPDeUs6P.net
 その時、なにか柔らかい物に触れて、オレは思わず瞼を開けた。

692 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:44:05.92 ID:RPDeUs6P.net
 なんだ? そう思いながら、オレの左手がミサの胸を掴んでいた。

693 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:44:23.89 ID:RPDeUs6P.net
 や、やべ。ミサの胸を掴んじまった。しかも小さい。

694 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:44:42.05 ID:RPDeUs6P.net
「ひっ」
オレは情けない悲鳴を上げて、ミサの胸から慌てて手を離す。

695 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:45:00.37 ID:RPDeUs6P.net
 ばっちいとばかりに、オレは左手首を必死に振っている。

696 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:45:19.05 ID:RPDeUs6P.net
 左手首を押さえて変に唸った。

697 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:45:37.14 ID:RPDeUs6P.net
 よ、よし、気を取り直していくぞ。オレは胸を撫で下ろして深呼吸する。

698 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:45:55.13 ID:RPDeUs6P.net
 今度は顔を片手で覆い、指の間から片目を開け、ミサの腰のホルスターに挿しているリボルバー型フックショットに手を伸ばす。

699 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:46:14.10 ID:RPDeUs6P.net
 ミサが起きやしないかと変に気になりながらも、オレはなんとかリボルバー型フックショットを抜き取った。

700 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:46:32.85 ID:RPDeUs6P.net
 調子に乗ったオレはリボルバー型フックショットの引き金に人差指を通してリボルバー型フックショットを回し、鼻頭を人差指で得意げに擦る。

701 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:46:50.76 ID:RPDeUs6P.net
 なにやってんだろ、オレは。こうしている間にも、ミサがあぶねぇってのに。

702 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:47:10.02 ID:RPDeUs6P.net
 急に虚しくなってどっと疲れが出て、オレはがっくりと肩を落とす。

703 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:47:29.93 ID:RPDeUs6P.net
 オレは顔を上げて額を手の甲で拭い、深く息を吐いて落ち着かせた。こりゃ寿命が縮んだな。

704 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:47:47.79 ID:RPDeUs6P.net
 何故か嫌な汗を掻いているような気がしたが、川の水と変な汗が混じっているのかわからなかった。

705 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:48:05.92 ID:RPDeUs6P.net
 オレは腰に手を当てて、銀色のフックショットをまじまじと見つめた。

706 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:48:24.21 ID:RPDeUs6P.net
 頼むぜ。オレは片目を瞑り、銀色のフックショットを片手で構え、川岸に生えている樹の太い幹に狙いを定める。

707 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:48:42.14 ID:RPDeUs6P.net
 引き金を引くと、勢いよく銃口からワイヤーが飛び出し、狙い通り樹の太い幹に刺さった。

708 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:49:00.07 ID:RPDeUs6P.net
 ワイヤーを思いっきり引っ張ってみる。大丈夫そうだ。一発でうまく幹に刺さってくれた。

709 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:49:18.90 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサの脇腹に腕を通して、ホバーボードを掴む。

710 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:49:37.16 ID:RPDeUs6P.net
 幹を睨んで、またフックショットの引き金を引き、ワイヤーをゆっくりと巻き取ってゆく。

711 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:49:55.33 ID:RPDeUs6P.net
 ゆっくりとワイヤーが銃身に巻き取られてゆく中、川の流れが早くなり、オレは川に流されてゆく。

712 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:50:13.42 ID:RPDeUs6P.net
 ワイヤーが伸びきってぎりぎりと嫌な音がする。不味いぞ、上手くワイヤーが刺さってなかったのか?

713 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:50:31.73 ID:RPDeUs6P.net
 その時、ワイヤーは川の流れに耐えられなくなり、呆気なくワイヤーの先端が幹から抜ける。

714 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:50:50.11 ID:RPDeUs6P.net
 引っ張られるようにオレは川に流される。

715 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:51:08.13 ID:RPDeUs6P.net
「うわっ!」

716 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:51:26.86 ID:RPDeUs6P.net
 オレの叫びも虚しく、オレは川の流れに身を任せるしかなかった。

717 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:51:45.23 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ。フックショットはダメだったか。オレは引き金を引いて、ワイヤーを巻き取る。

718 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:52:03.24 ID:RPDeUs6P.net
 ぜってぇ、お前を助けるからな。オレはミサに振り向いて、ミサの脇腹を通してホバーボードを掴む手に力を入れる。

719 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:52:22.09 ID:RPDeUs6P.net
オレは川の流れに揺られて酔って吐きそうになる。

720 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:52:40.39 ID:RPDeUs6P.net
 川の水がつめてえ。傷が沁みやがる。

721 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:52:58.99 ID:RPDeUs6P.net
 今日は災難だぜ。まさか、この先は滝じゃねえだろうな。

722 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:53:16.94 ID:RPDeUs6P.net
 オレは嫌な予感がして、川の先を見つめる。

723 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:53:36.21 ID:RPDeUs6P.net
 川の先は深い森が広がっている。

724 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:53:54.89 ID:RPDeUs6P.net
 その時、両川岸にさっきの狼の様な魔物がオレを追いかけてくる。魔物は二匹。

725 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:54:12.94 ID:RPDeUs6P.net
 メタリックの骨格の身体で眼が紅く、背中に装備した大きなマシンガン。

726 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:54:32.22 ID:RPDeUs6P.net
 もう一匹の背中には大きなキャノン砲を装備している。

727 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:54:50.45 ID:RPDeUs6P.net
 オレの傍でマシンガンの弾丸が川に落ち、すぐ傍でキャノン砲が川に落ちて爆発で川に穴が開く。

728 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:55:08.19 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ。諦めの悪い奴らだ。

729 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:55:26.44 ID:RPDeUs6P.net
 オレは息を吸って、ミサを押さえたまま川に潜って顔を隠す。

730 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:55:44.58 ID:RPDeUs6P.net
 水中でマシンガンの弾丸がオレの頬を掠めたのか、類に痛みが走りオレは顔をしかめる。

731 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:56:02.56 ID:RPDeUs6P.net
 川の流れが速くて息が続かず、オレは川から顔を出して大きく口を開ける。

732 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:56:22.10 ID:RPDeUs6P.net
 キャノン砲がホバーボードのすぐ上を掠める。

733 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:56:40.95 ID:RPDeUs6P.net
 ホバーボードにマシンガンの弾丸が命中したのか火花が散っている。

734 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:57:00.90 ID:RPDeUs6P.net
 気のせいか少しずつ川の流れが早くなっている。

735 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:57:20.38 ID:RPDeUs6P.net
 オレの流される速さに追いつけなくなった魔物は諦めて立ち止って首を振っているのが見えた。

736 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:57:38.58 ID:RPDeUs6P.net
 魔物は踵を返して、樹の影に消える魔物の後ろ姿が小さくなる。

737 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:57:56.53 ID:RPDeUs6P.net
 どんどん川に流され、川が曲がったりで気分が優れなくなる。やっぱり、滝があるのか?

738 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:58:15.48 ID:RPDeUs6P.net
 オレは吐きそうになり、口許を手で押さえる。

739 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:58:34.66 ID:RPDeUs6P.net
 オレの嫌な予感が当たり、辺りに轟音が響く。目の前に大きな滝が口を開けて迫っていた。

740 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:58:53.11 ID:RPDeUs6P.net
 おいおい、あんな滝に落ちたら、今度こそ助からないぞ。

741 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:59:11.00 ID:RPDeUs6P.net
 成す術もなく、オレとミサは滝に吸い込まれて滝に落ちた。

742 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:59:28.81 ID:RPDeUs6P.net
 宙に放り投げ出されたオレは逆さまになってミサに手を伸ばす。

743 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 22:59:46.76 ID:RPDeUs6P.net
「ミサあああああ!」

744 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:00:04.88 ID:RPDeUs6P.net
 くそっ! ミサが死んじまう。どうにかなんねえのかよ! オレは悔しくて歯を食いしばる。

745 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:00:23.64 ID:RPDeUs6P.net
 そうだ。さっきみたいに助けてくれよ! オレは小さくなってゆくミサに手を伸ばしたまま、胸のクリスタルを握り締める。

746 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:00:42.14 ID:RPDeUs6P.net
 オレは、ミサを助けたいんだ! なんとかしやがれ!

747 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:01:00.73 ID:RPDeUs6P.net
 その時、胸のクリスタルが眩く青白く光る。オレは青白い光が眩しくて、顔の前を手で遮る。

748 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:01:19.50 ID:RPDeUs6P.net
 顔の前を手で遮る指の間からホバーボードが縦になってマフラーから火を噴き、真っ直ぐにミサ の元に飛んでゆくのが見える。さっきの魔物の攻撃でホバーボードが損傷して火花を散らしながら。

749 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:01:37.64 ID:RPDeUs6P.net
 ミサに追いついたホバーボードはミサの身体の下に潜り込み、ホバーボードの上にミサの身体がうつ伏せに乗っかり、ゆっくりとホバーボードは下がってゆく。

750 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:01:55.68 ID:RPDeUs6P.net
 オレはミサに親指を突き出す。頼むぜ、ネロ。 ミサを守ってくれ。

751 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:02:14.50 ID:RPDeUs6P.net
 なんとかなるだろ。オレは安心してため息を零し、水飛沫を手で遮りながら辺りを見回す。

752 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:02:32.44 ID:RPDeUs6P.net
 どっかにフックショットを引っかけられれば助かるかもしれねえ。

753 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:02:51.20 ID:RPDeUs6P.net
 オレはフックショットを握り締める。

754 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:03:09.41 ID:RPDeUs6P.net
 滝の裏の岩壁にフックショットを引っかけるのもいいが、滝の流れが早い。

755 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:03:27.62 ID:RPDeUs6P.net
 他にフックショットを引っかけられるような岩や木がない。

756 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:03:46.63 ID:RPDeUs6P.net
 やっぱ、近くに引っかけられるようなもんはねえか。そんな甘くねえよな。

757 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:04:04.40 ID:RPDeUs6P.net
 オレは瞼を閉じて首を横に振る。

758 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:04:22.58 ID:RPDeUs6P.net
 オレは緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らし、滝の端の突き出た岩壁に向かってフックショットを構えて、フックショットの引き金を引く。

759 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:04:40.88 ID:RPDeUs6P.net
 ワイヤー足りるか? けっこう岩壁まで距離あるな。オレは額に手を当てて、岩壁までの距離を確かめる。

760 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:04:59.92 ID:RPDeUs6P.net
 銃口から勢いよくワイヤーが飛び出し、岩壁に突き刺さったフックショットにオレは引っ張られる。

761 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:05:18.38 ID:RPDeUs6P.net
「岩壁に叩きつけられる! そこまで考えてなかったあああああ!」

762 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:05:36.22 ID:RPDeUs6P.net
 オレは舌打ちして、フックショットを両手で構えて引き金を引く。

763 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:05:54.58 ID:RPDeUs6P.net
 岩壁に突き刺さったワイヤーが抜けてワイヤーが巻き取られ、オレの身体が逆さまに滝壺に吸い寄せられてゆく。

764 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:06:13.97 ID:RPDeUs6P.net
 オレは大きく息を吸って吐いた。

765 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:06:33.25 ID:RPDeUs6P.net
 最後にこいつを頼ることになりそうだ。不思議と死ぬ気がしねえ。

766 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:06:51.29 ID:RPDeUs6P.net
「なんとかしやがれ! ただの飾りじゃねえだろうが!」

767 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:07:09.02 ID:RPDeUs6P.net
 オレは瞼を閉じ、胸のクリスタルを片手で握り締めた。

768 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:07:27.23 ID:RPDeUs6P.net
 その時、滝の向こうから大きな翼が羽ばたく音が聞こえる。

769 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:07:45.03 ID:RPDeUs6P.net
 なんだ? オレは思わず験を開けて、音の方を見た。

770 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:08:03.78 ID:RPDeUs6P.net
 クリスタルの青白い光がオレを包み込む。

771 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:08:21.77 ID:RPDeUs6P.net
 オレの視界に白色の大きなドラゴンが羽ばたきながら、口から炎を吐き、物凄い速さでオレに近づいてくるのが映る。

772 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:08:40.19 ID:RPDeUs6P.net
 白色ドラゴンの瞳は吸いこまれそうな透き通る 大きなサファイアブルーだった。まるで大きなサファイアブルーの宝石の様な瞳だ。

773 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:08:58.02 ID:RPDeUs6P.net
 白色のドラゴンが火を噴いた熱気がオレを襲い 、オレは顔の前を手で遮る。

774 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:09:15.89 ID:RPDeUs6P.net
 物凄い熱気でむわっとする。冷たかったオレの身体が温められる。

775 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:09:33.98 ID:RPDeUs6P.net
 な、なんだよ、あいつ。魔物か? オレを捕まえる気なのか? それとも腹が減ってオレを食う気か?

776 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:09:52.17 ID:RPDeUs6P.net
「ワハハハハッ! 感じる、感じるぞ! 久しいオーヴの力だ! ワタシは長い眠りから覚めたぞ!」

777 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:10:10.59 ID:RPDeUs6P.net
 人語を操るよく通る声が近づいてきたと思ったら、白色ドラゴンがオレを一瞥して、白色ドラゴンの大きな影がオレの下を通り過ぎる。

778 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:10:28.52 ID:RPDeUs6P.net
 次の瞬間、ばさっと翼を広げるような大きな音がして、オレの背中がごつごつと硬い物に触れた

779 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:10:47.04 ID:RPDeUs6P.net
 見上げると、白色の大きなドラゴンが仰向けになって両手でオレを抱いていた。

780 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:11:05.24 ID:RPDeUs6P.net
 白色ドラゴンの指の鋭い爪が視界に入り、オレはぞくりと寒気がしてぷるっと震える。

781 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:11:23.54 ID:RPDeUs6P.net
「うわっ! お、下ろせ! 魔物が!」

782 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:11:41.28 ID:RPDeUs6P.net
 オレは白色ドラゴンの腕の中で手足をバタバタさせて暴れた。

783 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:11:58.96 ID:RPDeUs6P.net
 まだクリスタルが青白く輝いているので、オレはクリスタルをそっと握り締めた。

784 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:12:17.58 ID:RPDeUs6P.net
 不思議と安心して落ち着き、大丈夫だと教えてくれている様な気がした。

785 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:12:37.07 ID:RPDeUs6P.net
 白色のドラゴンが身体をよじって、呆れたように大きな首を横に振る。

786 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:12:56.09 ID:RPDeUs6P.net
「やれやれ。無暗にオーヴを使い過ぎだ、マスターよ。お前は疲労の限界がきているはずだ、少し

787 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:13:14.09 ID:RPDeUs6P.net
眠るがいい」

788 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:13:32.12 ID:RPDeUs6P.net
 気持ち良さそうに両翼を羽ばたかせて、大きな滝から離れ、白色ドラゴンは川沿いをゆっくりと 飛んでゆく。

789 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:13:50.49 ID:RPDeUs6P.net
 その時、オレの眼下に川岸に寄せられてうつ伏せに倒れているミサが目に入る。

790 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:14:09.56 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの傍にはホバーボードが裏返って火花が散っている。

791 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:14:29.17 ID:RPDeUs6P.net
 川岸の樹の影から現れた一人の黒装束が肩に掛けたマシンガンを構えてミサにゆっくりと近づいてゆく。

792 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:14:47.24 ID:RPDeUs6P.net
 オレの鼓動が高まり、急な眠気から一気に覚める。

793 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:15:05.45 ID:RPDeUs6P.net
「お、おい! 下ろしてくれ! ミサを助けないと!」

794 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:15:23.93 ID:RPDeUs6P.net
 オレは白色のドラゴンの硬い皮膚を肘で小突いた。

795 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:15:41.73 ID:RPDeUs6P.net
 肘が痺れてびりびりして、オレは痛みで肘を押さえて呻いた。

796 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:16:00.99 ID:RPDeUs6P.net
「倒れているあの子かい? ちょっと様子を見ようじゃないか」

797 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:16:19.48 ID:RPDeUs6P.net
 白色のドラゴンがミサの上空を旋回し始めた。

798 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:16:37.86 ID:RPDeUs6P.net
 黒装束の男がミサを肩に担ぎ、ホバーボードを脇に挟んで、黒装束は旋回している白色のドラゴンを仰ぐ。 黒装束は顔が黒いフードで覆われ、口許も黒い布で覆っているため、性別がわからず、表情も見えない。

799 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:16:55.90 ID:RPDeUs6P.net
 やがて黒装束はミサを肩に担ぎ直して歩き出し 、奥の樹の影に消えた。

800 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:17:14.53 ID:RPDeUs6P.net
 白色のドラゴンが旋回をやめて羽ばたき、森の奥を見つめている。

801 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:17:32.88 ID:RPDeUs6P.net
「ふむ。近くに野営地があるみたいだね、テントが幾つか張ってある。そこの連中みたいだ、あの子を攫った奴は。どうするんだい?」

802 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:17:51.03 ID:RPDeUs6P.net
 白色のドラゴンが欠伸をして火を噴いた後、オレに訊いてきた。

803 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:18:09.01 ID:RPDeUs6P.net
 オレは白色のドラゴンの視線を眼で追った。

804 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:18:27.26 ID:RPDeUs6P.net
 白色のドラゴンの視線の先に野営地があり、テントが幾つか張ってあった。

805 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:18:45.27 ID:RPDeUs6P.net
 野営地から白煙が昇って、風に乗っていい匂いがオレの鼻腔をくすぐる。

806 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:19:03.52 ID:RPDeUs6P.net
 匂いに反応するように、オレの腹の虫が鳴った

807 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:19:21.47 ID:RPDeUs6P.net
 そういえば、腹が減ったな。ミサが持ってきた菓子、全部食ったしな。

808 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:19:40.05 ID:RPDeUs6P.net
 ミサの奴、本当はネロとのデートで食うつもりだったんだろうけど。

809 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:19:59.09 ID:RPDeUs6P.net
 オレはお腹を擦るが、腹の虫は食いものをよこせと鳴き続ける。

810 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:20:17.80 ID:RPDeUs6P.net
 オレは額に手を当てて、よく野営地を見ようとする。

811 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:20:35.70 ID:RPDeUs6P.net
 あいつら、ラウル古代遺跡を調査しにきた探検隊か?

812 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:20:53.71 ID:RPDeUs6P.net
 それにしても、こんなところに開けた場所があるなんて。

813 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:21:12.66 ID:RPDeUs6P.net
 そうだ。あいつらに訊いてみよう、ラウル古代遺跡のこと。何か知ってるはずだ。

814 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:21:30.86 ID:RPDeUs6P.net
 その前に、オレはミサを助ける。

815 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:21:49.50 ID:RPDeUs6P.net
 オレは野営地を睨み据え、拳を握り締めた。

816 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:22:08.21 ID:RPDeUs6P.net
「ミサを助けに行く! 野営地に行ってくれ!」

817 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:22:26.38 ID:RPDeUs6P.net
 オレは白色のドラゴンの腕の中でじたばたと暴れた。

818 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:22:44.41 ID:RPDeUs6P.net
 白色のドラゴンはオレを摘まんで、顔の前までオレを持ってくる。

819 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:23:02.66 ID:RPDeUs6P.net
「ワタシは反対だね。マスターの疲労が酷い。今野営地に行ったって死ぬだけさ。ワタシとお前で攻めるつもりかい? 冗談じゃないよ。敵の数が多い。よく考えな」

820 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:23:21.72 ID:RPDeUs6P.net
 白色ドラゴンは眉根を寄せて口を結び、白色ドラゴンの鼻息がオレに飛んでくる。

821 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:23:40.11 ID:RPDeUs6P.net
 白色ドラゴンの声が子守唄の様に、波の様に揺らいで聞こえる。

822 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:23:58.06 ID:RPDeUs6P.net
 な、なんだ。急に眠気が襲ってきやがった。

823 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:24:16.48 ID:RPDeUs6P.net
「ミサがミサを助けなくちゃ....」

824 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:24:35.14 ID:RPDeUs6P.net
 オレは目がうとうとして船を漕ぎ始める。

825 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:24:53.11 ID:RPDeUs6P.net
 白色ドラゴンは馬鹿にするように鼻で笑う。

826 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:25:11.00 ID:RPDeUs6P.net
「オーヴを使ったにしちゃ、よく身体が持ったほうだ。大したもんだよ」

827 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:25:29.00 ID:RPDeUs6P.net
 オレはそこで気絶した。

828 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:25:48.12 ID:RPDeUs6P.net
 目の前が真っ暗になる。

829 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:26:06.97 ID:RPDeUs6P.net
突然、オレの頭に映像が流れる。

830 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:26:24.96 ID:RPDeUs6P.net
 どこか大きなテントの中で、頑丈な檻の中に閉じ込められているのか画面が左右に揺れる。

831 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:26:43.51 ID:RPDeUs6P.net
 テントの入り口からちらっと外が見えて、黒装束がライフルを肩に担いで通り過ぎる。

832 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:27:01.94 ID:RPDeUs6P.net
『ねぇ、ネロ。カイトが助けに来てくれるよね?』

833 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:27:20.12 ID:RPDeUs6P.net
 ミ、ミサか? なにやってんだよ?

834 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:27:38.00 ID:RPDeUs6P.net
 これはミサが見ている映像か? わけわかんねぇ。

835 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:27:57.52 ID:RPDeUs6P.net
 なんでオレが夢見ているんだよ。

836 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:28:15.32 ID:RPDeUs6P.net
 映像がネロに固定される。

837 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:28:33.61 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは檻を背に片足の膝を曲げて檻に凭れて座り込み、片足の膝を曲げた膝の上に腕を載せている。

838 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:28:51.40 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは黒縁メガネの奥で遠くを見つめている。

839 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:29:09.63 ID:RPDeUs6P.net
 やがて黒縁メガネをゆっくり外して、ジャケットの内ポケットから取り出した布でメガネのレンズを拭いている。

840 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:29:27.62 ID:RPDeUs6P.net
 ネロはジャケットの内ポケットに布を突っ込み、黒縁メガネを片手で掛ける。

841 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:29:46.83 ID:RPDeUs6P.net
『ボクとしたことが油断した。ミサの魔法が消えて、敵の野営地に落ちるとは。カイト、お前が頼りだ』

842 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:30:04.56 ID:RPDeUs6P.net
 ネロは顔を上げて後ろ頭を檻に凭れ、物思いに耽って何故か鼻で笑った。

843 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:30:22.72 ID:RPDeUs6P.net
 映像は雑音とともにそこで途切れた。

844 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:30:42.43 ID:RPDeUs6P.net
 どれくらい時間が経っただろう。

845 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:31:00.87 ID:RPDeUs6P.net
 ふとオレの鼻腔をいい匂いがくすぐる。

846 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:31:20.37 ID:RPDeUs6P.net
 なんだ? いい匂いがする。オレは匂いを嗅ぐ。

847 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:31:38.11 ID:RPDeUs6P.net
 匂いに釣られて、オレは瞼をゆっくりと開ける。

848 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:31:56.26 ID:RPDeUs6P.net
 オレの視界に女の顔が揺らいで映る。

849 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:32:14.48 ID:RPDeUs6P.net
 辺りを見回すと森の開けた場所だった。

850 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:32:33.84 ID:RPDeUs6P.net
 視界が揺らいで気持ち悪い。

851 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:32:52.05 ID:RPDeUs6P.net
 オレは女に視線を戻す。

852 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:33:10.23 ID:RPDeUs6P.net
 女は髪が雪の様に白いミディアムヘアで肩に髪がかかるくらい。

853 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:33:28.60 ID:RPDeUs6P.net
 整った目鼻立ちで、瞳は吸い込まれそうなサファイアブルー。

854 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:33:46.66 ID:RPDeUs6P.net
 耳に蒼い滴の形をした透明なクリスタルのピアスを付けて、風でピアスが小さく揺れている。

855 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:34:05.58 ID:RPDeUs6P.net
 服は長袖の青コットンのロリータクラシックドレスで黒いショートブーツを履いている。

856 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:34:24.00 ID:RPDeUs6P.net
 女の髪が風で優しく靡く。

857 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:34:42.38 ID:RPDeUs6P.net
 女はオレの顔を不思議そうに覗き込み、両手を腰に当てて不気味に歯を見せて笑った。

858 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:35:00.97 ID:RPDeUs6P.net
「うわっ!」
オレは驚いて慌てて上半身を起こす。葉っぱデザインの薄い毛布がオレの上半身からずり落ちる。

859 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:35:19.38 ID:RPDeUs6P.net
 どうやら、オレは大きな切り株の上で寝ていたらしい。木の香りがする。振り向くと木の枕がある。

860 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:35:37.44 ID:RPDeUs6P.net
 なんだ、この枕。不思議に思い木の枕を人差指で触ってみると、意外にふわふわで柔らかい。

861 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:35:55.36 ID:RPDeUs6P.net
 人差指を離すと風船の様にゆっくりと膨らんで面白い。

862 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:36:14.67 ID:RPDeUs6P.net
 その時、頭痛がしてオレは顔をしかめて額を手で押さえる。

863 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:36:33.34 ID:RPDeUs6P.net
「うっ」
気分が悪くて吐きそうだ。

864 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:36:51.24 ID:RPDeUs6P.net
 頭痛を訴えるようにオレは女を見上げて睨み据える。

865 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:37:09.70 ID:RPDeUs6P.net
 女は腕の前で両手を組み、勝ち誇ったように仁王立ちして喉の奥で笑っている。

866 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:37:29.16 ID:RPDeUs6P.net
「オーヴに選ばれし者にしては、まだまだ力の使い方がなっておらんの。お前はあれから二時間も気を失っておったんじゃ。無理もないわい」

867 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:37:47.67 ID:RPDeUs6P.net
 女はやれやれと肩を竦める。

868 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:38:05.95 ID:RPDeUs6P.net
 オレ額を手で押さえて顔をしかめながら女を睨み据える。

869 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:38:24.15 ID:RPDeUs6P.net
「あんた誰だよ?」

870 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:38:42.27 ID:RPDeUs6P.net
 オレは頭痛で額に変な汗が滲む。

871 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:39:00.38 ID:RPDeUs6P.net
 女は馬鹿にしたように胸の前で両手を組んだまま、鼻と喉を鳴らして笑う。

872 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:39:18.41 ID:RPDeUs6P.net
「お前を助けたじゃろ? 忘れたか? フフフフッ」

873 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:39:36.75 ID:RPDeUs6P.net
 女は不気味に喉の奥で笑う。

874 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:39:54.86 ID:RPDeUs6P.net
 オレは頭痛の痛みを紛らわすために額を掌で叩く。

875 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:40:13.01 ID:RPDeUs6P.net
「……白いドラゴンか? お前、人間に姿を変えたのか? 冗談だろ」

876 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:40:32.73 ID:RPDeUs6P.net
 頭痛が治まり、オレは切り株の上に胡坐をかいて、太ももの上に肘を突いて頬杖を突き鼻で笑う。

877 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:40:50.75 ID:RPDeUs6P.net
 額を掌で叩きながら。

878 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:41:09.02 ID:RPDeUs6P.net
 女は両手を腰に当てて得意げに頷く。

879 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:41:27.63 ID:RPDeUs6P.net
「そうじゃ。それより、切り株ベッドの寝心地はどうじゃ? 木の枕も最高じゃろ?」

880 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:41:46.24 ID:RPDeUs6P.net
 女は頭の後ろで手を組んで、木の枕に顎をしゃくる。

881 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:42:05.34 ID:RPDeUs6P.net
 オレは腕が痒くなり、腕をぽりぽりと掻く。

882 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:42:24.35 ID:RPDeUs6P.net
 ふと腕の掠り傷が治っていることに気付き、腕の掠り傷があったところをまじまじと見つめる。

883 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:42:42.52 ID:RPDeUs6P.net
 傷が嘘の様にまるでない。

884 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:43:01.55 ID:RPDeUs6P.net
「あれ、傷が治ってる。どうなってんだ?」

885 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:43:20.24 ID:RPDeUs6P.net
 首を傾げて毛布を捲ると、太ももの掠り傷も治っている。

886 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:43:37.82 ID:RPDeUs6P.net
 唸りながらシャツを捲って脇腹を見ると、脇腹の傷も治っている。

887 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:43:56.23 ID:RPDeUs6P.net
 これも、こいつの力なのか? オレは胸のクリスタルを掌に乗せて、そのままクリスタルを握り締める。

888 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:44:14.30 ID:RPDeUs6P.net
 女が俯いて顎に手を当てて顎を擦っている。

889 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:44:32.49 ID:RPDeUs6P.net
「あの子たちのことじゃが……野営地で頑丈な檻に監禁されておる。警備も厳しい。迂闊には手を出せん」

890 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:44:51.86 ID:RPDeUs6P.net
 気まずそうに女はオレから顔を背け、オレに横目で瞬きしながら人差指で頬を掻いている。

891 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:45:11.26 ID:RPDeUs6P.net
 ま、まさか、ミサとネロのことか? さっき夢で見た。

892 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:45:29.78 ID:RPDeUs6P.net
「な、なんだって!? どういうことだよ!?」

893 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:45:48.70 ID:RPDeUs6P.net
 あんたは何もしないで戻って来たのかよ。

894 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:46:07.93 ID:RPDeUs6P.net
 こうしている間にもミサとネロはなぁ!

895 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:46:25.77 ID:RPDeUs6P.net
 オレは怒りが込み上げ、拳を握り締める。

896 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:46:43.71 ID:RPDeUs6P.net
 拳で切り株ベッドを叩き、オレは歯を食いしばって女を睨み据える。

897 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:47:02.55 ID:RPDeUs6P.net
 女は頭の後ろで手を組み、木のテーブルの上に乗っている土鍋に顎をしゃくる。

898 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:47:22.02 ID:RPDeUs6P.net
「それより、腹が減っておるじゃろ? キノコカレー食うか? 美味いぞ?」

899 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:47:40.57 ID:RPDeUs6P.net
 女は鼻歌を歌いながらオレの傍までやってきて、オレに微笑んで手を差し伸べる。

900 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:47:59.45 ID:RPDeUs6P.net
 オレは女の手を払いのけて女の襟首を掴み、女に顔を近づけて女を睨み据える。

901 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:48:17.49 ID:RPDeUs6P.net
「なんでミサとネロを助けなかった!? お前なら助けられただろ!? ミサとネロはな、オレの大事な幼馴染なんだよ!」

902 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:48:36.54 ID:RPDeUs6P.net
 その時、オレのお腹の虫が盛大に鳴り、オレは参ったとばかりに腹を手で押さえる。

903 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:48:55.70 ID:RPDeUs6P.net
 女も負けじと胸の前で両手を組んでオレを睨み据え、馬鹿にしたように鼻と喉を鳴らして笑う。

904 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:49:14.39 ID:RPDeUs6P.net
「助けてやったのに、その態度はなかろう? それとも、あのままお前は滝に落ちていたらどうなっていた? 言っておくが、わらわはお前をオーヴの主に認めたわけではない。わらわは、お前がオーヴの持ち主に相応しいか試しておるんじゃ。わかるか? そのオーブは使い方を間違えれば世界が滅ぶ品じゃ」

905 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:49:17.96 ID:t0uXvrW/.net
ウラー、ウラー、さっさと埋めろw

906 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:49:34.55 ID:RPDeUs6P.net
 女は挑発するように腕を組んだまま胸のクリスタルを指さす。

907 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:49:53.16 ID:RPDeUs6P.net
 オレは乱暴に女の襟首を掴んだ手を離して、女から顔を背けて舌打ちする。

908 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:50:11.46 ID:RPDeUs6P.net
「腹が減った。キノコカレー食わせろ、美味いんだろ? 聞きたいことが山ほどあるんだ。食ったら聞かせてもらうぞ」

909 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:50:30.59 ID:RPDeUs6P.net
 オレは切り株ベッドから立ち上がると、両手をポケットに突っこんで大股で木のテーブルに向かう。

910 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:50:49.21 ID:RPDeUs6P.net
 女はオレの背後で嬉しそうに咳払いをする。

911 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:51:07.73 ID:RPDeUs6P.net
「わかればよろしい。答えられる範囲で答えようぞ。ではでは、キノコカレー召し上がるとよい」

912 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:51:18.82 ID:GBBMwbKS.net
がんばれ♥

913 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:51:26.37 ID:RPDeUs6P.net
 女は小走りでオレを追い越し、木のテーブルに置いてある土鍋の蓋を両手で取り、蓋を引っくり返して木のテーブルの上に置く。

914 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:51:26.35 ID:GBBMwbKS.net
がんばれ♥

915 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:51:45.02 ID:RPDeUs6P.net
 土鍋の蓋が暑かったのか、「あちぃ!」と叫んで、手首を押さえて掌に息を何度も吹き、手首を振ったり手を必死に冷ましている。

916 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:52:03.01 ID:RPDeUs6P.net
 土鍋の傍には木のコップと魔法瓶が置いてる。

917 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:52:22.35 ID:RPDeUs6P.net
 土鍋のキノコカレーから湯気が盛大に上がって、美味しそうなキノコカレーの匂いが漂う。

918 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:52:40.46 ID:RPDeUs6P.net
 オレは片手の掌を木のテーブルに突いて、キノコカレーの匂いを嗅ぐ。

919 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:52:58.26 ID:RPDeUs6P.net
「おっ、美味そうじゃん」

920 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:53:16.19 ID:RPDeUs6P.net
 オレは股を広げて木の丸椅子にどかっと座る。

921 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:53:34.26 ID:RPDeUs6P.net
 キノコカレーを見て生唾を飲み込んで喉を鳴らし、口許に垂れた涎を手で拭う。

922 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:53:52.64 ID:RPDeUs6P.net
 キノコカレーはジャガイモ、ニンジン、タマネギ、一口サイズの肉? たぶん、これがキノコなんだろ。

923 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:54:10.99 ID:RPDeUs6P.net
 さらに挽肉、ナス、トウモロコシ、ルーの上にちょこんと四角いバターが添えられている。

924 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:54:30.05 ID:RPDeUs6P.net
 食欲をそそる野菜たっぷりのカレーだ。

925 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:54:48.65 ID:RPDeUs6P.net
「いただきます!」と、オレは手を合わせて、スプーン置きに置かれた木のスプーンを左手で握る。

926 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:55:08.46 ID:RPDeUs6P.net
 まずは気になった一口サイズのキノコを木のスプーンに乗せて食べてみる。

927 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:55:27.13 ID:RPDeUs6P.net
 キノコは肉厚で弾力があり、少し甘味がある不思議な味だった。肉の食感に似ている。

928 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:55:45.36 ID:RPDeUs6P.net
 オレはキノコを飲み込んだ後、あまりの美味さに呻った。

929 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:56:03.29 ID:RPDeUs6P.net
「このキノコうめぇ!」

930 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:56:22.00 ID:RPDeUs6P.net
 オレは木のスプーンを忙しなく動かして、キノコカレーを口に運ぶ。

931 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:56:40.02 ID:RPDeUs6P.net
 勢いよくキノコカレーを食ったため、ルーを飲み込んだ後に喉を詰まらせ咽る。

932 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:56:59.12 ID:RPDeUs6P.net
 女がオレの背中を優しく擦る。

933 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:57:09.24 ID:Ils8S0PC.net
埋めガイジ、朝までに何スレ埋められるかな?🤗

934 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:57:17.28 ID:RPDeUs6P.net
「なんじゃ。もっとゆっくり食べんか。ほれ、これを飲め」

935 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:57:35.00 ID:RPDeUs6P.net
 女が魔法瓶を取って木のコップにオレンジ色の液体を注いで、オレにオレンジ色の液体が注がれた木のコップを差し出す。

936 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:57:53.11 ID:RPDeUs6P.net
 オレは思わず木のコップの中身を見る。

937 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:58:11.15 ID:RPDeUs6P.net
 オレンジ色の液体で、明らかに水じゃなかった。

938 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:58:29.90 ID:RPDeUs6P.net
 訝しげに首を傾げるも、オレは眉根を寄せて匂いを嗅いでオレンジ色の液体を恐る恐る口に運ぶ。

939 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:58:47.78 ID:RPDeUs6P.net
 喉を鳴らして一口飲む。ん? オレは首を傾げる。

940 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:59:06.03 ID:RPDeUs6P.net
 あまりにも冷たくて美味くて、ごくごくと喉を鳴らして飲み干す。

941 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:59:24.81 ID:RPDeUs6P.net
 オレは木のコップを勢いよく置く。

942 :マンセー名無しさん:2020/09/14(月) 23:59:43.12 ID:RPDeUs6P.net
「ぷは〜! なんだこれ、美味いじゃねぇか! ジュースか?」

943 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:00:02.27 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは口許を手で拭いながら顔を上げて、隣で腰に手を当てて立つ女に訊く。

944 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:00:20.65 ID:D66ZJ8S3.net
 女が勝ち誇ったように、オレの肩に手を載せる。

945 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:00:40.35 ID:D66ZJ8S3.net
「リップルの実の果汁ジュースじゃ。フルーティで甘味と少し酸味があって美味いじゃろ?」

946 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:00:58.68 ID:D66ZJ8S3.net
 女がポケットからなにやら取り出し、掌に乗った小さなみずみずしい桃色の実を自慢げにオレに見せる。

947 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:01:17.51 ID:D66ZJ8S3.net
「これがリップルの実じゃ」と言って、小さな桃色の実をオレに突きつける。

948 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:01:36.55 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは女の掌から乱暴に桃色の実を取って、茎を摘まんでまじまじと見つめる。

949 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:01:55.97 ID:D66ZJ8S3.net
「こんなに小さいのか!? リップルの実ってのは」

950 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:02:14.63 ID:D66ZJ8S3.net
 オレはリップルの実を見ながら感心して頷き、顎に手を当てて擦りながら「なるほど」と呻る。

951 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:02:34.07 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは横目で女を見る。

952 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:02:52.82 ID:D66ZJ8S3.net
 女は瞼を閉じて人差指を突き出し、人差指を小さく左右に振っている。

953 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:03:12.10 ID:D66ZJ8S3.net
「この森は食材が豊富じゃからの。リップルの実は高い樹に実のるんじゃ。栄養もあるから、森の動物たちの好物になっておる」

954 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:03:16.54 ID:+oH9ReOM.net
「無能珍客集団」の名は伊達じゃないな

何の戦略もなく、非効率的な人海戦術でひたすらスレを埋め続けるしかない無能www

ワイはもう寝るけど、まあ頑張れや

955 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:03:30.58 ID:D66ZJ8S3.net
 瞼を開けて、両手を腰に当ててオレに歯を見せて笑う。

956 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:03:48.63 ID:D66ZJ8S3.net
 オレはリップルの実を木のテーブルの上にそっと置いた。

957 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:04:06.70 ID:D66ZJ8S3.net
「なるほどな。それより、お前誰なんだよ? すげぇ今更だけど」

958 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:04:25.70 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは片手で肩を竦めて頬杖を突き、隣の女を見上げながらキノコカレーを口に運ぶ。 

959 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:04:44.12 ID:D66ZJ8S3.net
 咽ないようにゆっくり噛む。

960 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:05:02.21 ID:D66ZJ8S3.net
 喉が渇いて魔法瓶を取り、木のコップにリップルジュースを注ぎ、ごくごくとリップルジュース飲む。

961 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:05:20.15 ID:D66ZJ8S3.net
 女はオレを見下ろして胸を張り、片手を腰に当てて拳で胸を叩く。

962 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:05:38.83 ID:D66ZJ8S3.net
「わらわはラウル古代遺跡の番人ディーネじゃ。魔力でドラゴンと人の姿に変えることができる。そのオーヴはかつてラウル帝国の古代王が身に着けていた物じゃ。わらわは古代王に仕えておった。この森は遥か昔、ラウル帝国じゃったんじゃ。今となっては呪いですっかり深い森になってしもうたのう」

963 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:05:57.11 ID:D66ZJ8S3.net
 オレはキノコカレーを食べる手を休めて、木のテーブルに両肘を突いて胸のクリスタルを掌に乗せた。

964 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:06:15.21 ID:D66ZJ8S3.net
「ふーん。古代王のオーヴにラウル帝国、おまけに呪いねぇ。なんでオレがオーブの持ち主になったんだよ? こいつは爺ちゃんがラウル古代遺跡で採取したんだぞ」

965 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:06:34.56 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは掌のクリスタルを指さして、ディーネを横目に瞬きする。

966 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:06:52.43 ID:D66ZJ8S3.net
 ディーネは眉根を寄せて、訝しげに首を傾げて胸の前で腕を組んで唸っている。

967 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:07:11.91 ID:jMIXpop3.net
「埋めれば増える法則」…🥵

968 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:07:12.08 ID:D66ZJ8S3.net
「オーヴはラウル古代遺跡の最深部の台座に嵌めてあったはずじゃが……お前の爺さんが持ち去ったのかの。どうも、わらわは長い眠りから覚めたばかりで記憶が曖昧じゃ……それに、なんでわらわは封印されてたんじゃろ? ああもう、訳がわからんわい!」

969 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:07:31.29 ID:D66ZJ8S3.net
 ディーネはぽかぽかと両手で頭を叩いて、頭を両手でくしゃくしゃとかきむしっている。

970 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:07:49.57 ID:D66ZJ8S3.net
 もしかして、爺ちゃんは悪い奴らに脅されて、ラウル古代遺跡の最深部からオーブを持ち去ったのか?

971 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:08:08.97 ID:D66ZJ8S3.net
 なんのために? わからない。ってことは、爺ちゃんはオーブを悪い連中から隠した?

972 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:08:27.51 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは瞼を閉じて首を横に振る。結局、爺ちゃんはオレに何も言わずに逝ってしまった。

973 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:08:45.95 ID:D66ZJ8S3.net
 オレにどうしろってんだよ。オレは掌のクリスタルを握り締めた。

974 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:09:05.35 ID:D66ZJ8S3.net
 その時、頭上で卵が割れる様な嫌な音がした。

975 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:09:24.63 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは思わず顔を上げると、気付かなかったが青白いドームの障壁にひび割れが生じている。

976 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:09:43.58 ID:D66ZJ8S3.net
 結界が張ってあったのか? なんのために? もしかして、オレたちを襲った魔物から守るためか?

977 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:09:52.44 ID:QeUV0sAZ.net
駒はスレ埋める暇あったら履歴書埋めろや

とマジレス

978 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:10:02.89 ID:D66ZJ8S3.net
 どすんと重い地響きが響き、魔法瓶とコップと土鍋が踊った。遠くでキャノン砲を撃つ音が聞こえる。

979 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:10:21.06 ID:D66ZJ8S3.net
 青白いドームの障壁のひび割れが大きくなってゆく。結界が壊れるのも時間の問題だな。

980 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:10:39.66 ID:D66ZJ8S3.net
 のんびり飯食ってる場合じゃねぇ。

981 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:10:58.36 ID:D66ZJ8S3.net
 といいつつも、オレはキノコカレーを食いつつ、リップルジュースを飲みながら、のんびりと結界を見上げる。

982 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:11:16.58 ID:D66ZJ8S3.net
オレはキノコカレーを食いながら、ディーネを横目で訝しげに見る。

983 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:11:34.70 ID:D66ZJ8S3.net
 ディーネは腰に両手を当てて青白いドームを見上げ、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。

984 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:11:53.69 ID:D66ZJ8S3.net
「やれやれ。ハンターのことを忘れておったわい。ハンターどもがわらわの結界を壊そうとしておる」

985 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:12:12.30 ID:D66ZJ8S3.net
 その時、遠くで獣の咆哮が聞こえ、凄まじい音波が飛んで来てオレは慌てて両耳を塞ぐ。

986 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:12:30.85 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは訝しげに、横目でディーネを睨み口を歪ませる。

987 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:12:50.68 ID:D66ZJ8S3.net
 ディーネは腕を組んで片手で肩を竦め、獣の咆哮が聞こえた方に顎でしゃくる。

988 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:13:09.13 ID:D66ZJ8S3.net
「なんじゃ? ハンターのことを説明するのか? それとも、状況を説明するのか?」

989 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:13:27.66 ID:D66ZJ8S3.net
 やれやれという感じでディーネはうなだれ、両手を垂らして横にぶらんぶらんと振って遊んでいる。

990 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:13:46.54 ID:D66ZJ8S3.net
 オレは地響きや獣の咆哮を無視して、キノコカレーを食い始める。

991 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:14:04.53 ID:D66ZJ8S3.net
 しばらくして音が止み、オレは顔を上げて首を傾げる。

992 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:14:23.49 ID:D66ZJ8S3.net
「さっきの咆哮、オレが遭った魔物よりも図体がでけぇんじゃねぇの? ハンターがなにかしんねぇけど。状況はヤバそうだ」

993 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:14:42.11 ID:D66ZJ8S3.net
 ディーネが指を弾いて鳴らすと、木のテーブルの上に黒革ベルトに挿した、金と銀のオートマチック銃と肩掛けの鞘に収められた剣が現れた。

994 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:15:00.53 ID:D66ZJ8S3.net
 オレはキノコカレーを食い終わって、土鍋の中に木のスプーンを放り込む。お腹を擦りながらディーネに振り向く。

995 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:15:18.81 ID:D66ZJ8S3.net
 ディーネはお手上げという感じで、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。

996 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:15:37.26 ID:D66ZJ8S3.net
 額に手を当ててため息を零す。

997 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:15:55.48 ID:D66ZJ8S3.net
「お前もみたじゃろ? 凶暴な魔物を。あれは古代人が造ったラウル帝国を守る魔物じゃ。今となってはプログラムが暴走して姿まで変えて厄介なことになっておる。禁断の森に侵入した者を狩るハンターとなってしまった。あいつら、ちっともわらわを認識せん。困ったことになったわい」

998 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:16:04.33 ID:HYyd7iLE.net
>>977
やめたれw

999 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:16:14.03 ID:D66ZJ8S3.net
 ディーネが忌々しげに音のする方を指さして舌を出し、頭をぽかぽかと両手で叩く。

1000 :マンセー名無しさん:2020/09/15(火) 00:16:18.08 ID:TCOYBveD.net
埋め立て書き込み
すごい執念だな・・・

1001 :2ch.net投稿限界:Over 1000 Thread
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