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【タイ】タイのクーデターを肯定する罪…タクシン派が選挙で勝利→反タクシン派がクーデター、という無限ループを生む「軍」[06/09]

1 :Hi everyone! ★@\(^o^)/:2014/06/09(月) 00:55:59.14 ID:???.net
ソース(日経ビジネス 「記者の目」 池田信太朗氏)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140606/266308/

 タイ全土は今、軍政下に置かれている。

 政府を支持する「タクシン派」と「反政府派」の対立が激化する中で、5月20日、軍司令部はタイ全土を戒厳令下に置いた。タクシン派と
反政府派双方の代表に出頭を命じ、また海外に亡命しているタクシン・シナワット元首相にも連絡を取って政治的な妥協を求めたが、
交渉がまとまらずに22日にクーデターを宣言した。

 いつか来た道、どころの騒ぎではない。タイが立憲君主制に移行してからこれで軍事クーデターは19回目。5年に一度以上の頻度で
クーデターが発生しているという計算になる。

■無限ループ生む「金槌」

 今後、タイの政治はどう動くだろう。

 タイ軍部は、一般にタクシン派より反政府派と利害が近い。喧嘩両成敗のように振る舞うが、結局のところ、軍部はタクシン派を政権内
から一掃し、その後に「タクシン派抜きの政権」を樹立させて民政を復活させることになるだろう。

 だが、タクシン派は選挙に強い。誤解を恐れずにざっくりと整理すれば、カネはあるが頭数は少ない都市生活者が「反政府派」であり、
頭数は多いが貧しい地方生活者・地方出身者が「タクシン派」である、と整理できる。頭数の多さが決する民主主義の原則から言えば
タクシン派が強い。が、既得権益は反政府派に偏っている。軍上層部は既得権益者層に近い。

 だから、正しく選挙が実施されればタクシン派が勝利し、軍が後押しした反タクシン政権は敗北する。タクシン派が再び政権を掌握する
可能性が高い。

 これに不満を抱く反政府派がタクシン派政権打倒を目指し、「選挙」では勝てないため、デモや選挙妨害などの手段を取る。再び政治は
膠着する。両派の対立が激化したところで軍が登場し「喧嘩両成敗だ」と軍政を敷く。また振り出しに戻る、というわけだ。

 以上は単なる筆者の夢想ではない。軍主流派がタクシン元首相を政治的に葬り去った2006年クーデターから今回のクーデターまでに
起こったことはまさにこれだ。クーデターは政治的膠着を打破するために有用な金槌だという「タイ政治評論家」もおられるが、この
「無限ループ」を引き起こす道具のどこが有用なのか筆者にはまるで理解できない。

 「タイはクーデターには慣れっこで、バンコク市民はクーデターによる政治的な安定を歓迎している」というような報道も散見される。
だがバンコクの「都市生活者」だけに意見を聞いても、それをタイ世論のすべてと受け取っては本質を大きく見誤るだろう。1人1票の
多数決という原則によるなら、タイの民意は「タクシン派」(地方生活者)にある、と言うべきなのだから。だが多くの外電記者や
ジャーナリスト、あるいは在タイ邦人がバンコクなどの都市部にいるために、その偏りが日本からは見えづらい。

 軍政下において、タイでは憲法が停止され、集会は禁じられ、最近一部解禁されたが夜間の外出が禁止され、テレビやラジオの放送も
(一時)大きく制限された。これを武装した「軍」という装置が国民に強いている。その現実を前に、いわゆる評論家から「クーデターで
政治的な膠着が打開される。進出している日本企業にとっては、悪くない動きだ」などという評価が出てくるのが悲しい。

>>2以降に続く)

2 :Hi everyone! ★@\(^o^)/:2014/06/09(月) 00:56:18.04 ID:???.net
>>1の続き)

■「頭数」と「経済力」のズレ

 経済力はないが人口は多い地方出身者と、経済力は大きく既得権益を握るが人口が少ない都市生活者の利害対立というこの構造は、
多くの国々で見られるものだ。選挙は人口が多い後者が勝つ。トルコのエルドアン・タイイップ首相を生んだのもこれだし、7月にも誕生
する可能性の高いジョコ・ウィドド大統領をインドネシアに生むのもこれだろう。

 だが、これら地方に支持基盤を持つ新興勢力に既得権益を奪われることを恐れる層が、軍と結託し、これをひっくり返そうとする。
トルコでも同様のクーデターがこれまで何度も発生してきた(ただしエルドアン首相は国軍と対決し、ついに3軍司令官を更迭して
勢力下に置くことに成功している)。

 地方出身者層と既得権益者層が政治的に合意を形成するのは確かに難しいが、難しいからと言って、対話と多数決によってその
両者を止揚することを諦めるべきではない。だが、「軍」という安易な「振り出しに戻る」カードがある限り、その難問を解く努力がなされる
ことはないし、結果として解かれる日も来ないだろう。

 多くの国で、憲法は文民統制を謳っている。だが、軍という力はその憲法自体を停止し得る。銃火器という現実の前に、理屈は
吹き飛ばされる。それが政治の現実だ。国民の生命と財産を守るために国家がやむを得ず抱え込む「軍」という存在が内政に顔を
向けたとき、政治はどう扱うのか。扱い得るのか。タイの情勢を見ていると、この古くて新しい命題を思わずにはいられない。

 どれだけこの軍事政権が「良心的」でも、たとえタクシン派に汚職や腐敗が強く疑われても、私たちはこのクーデターを「方法」としては
決して肯定すべきでない。そのことを今、改めて強く思っている。

(終わり)

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